第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間会計期間において、新たな事業等のリスクの発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

 当中間会計期間末における資産合計は、5,519,628千円となり、前事業年度末に比べ、234,888千円減少いたしました。これは主に、仕掛品が117,586千円、流動資産のその他が46,214千円増加した一方、受取手形、売掛金及び契約資産が204,665千円、現金及び預金が91,925千円、製品が72,952千円、電子記録債権が52,513千円減少した影響によるものであります。

(負債)

 当中間会計期間末における負債合計は、3,031,018千円となり、前事業年度末に比べ、174,970千円減少いたしました。これは主に、短期借入金が400,000千円増加した一方、流動負債のその他が326,321千円、支払手形及び買掛金146,112千円、未払法人税等が109,257千円減少した影響によるものであります。

(純資産)

 当中間会計期間末における純資産合計は、2,488,610千円となり、前事業年度末に比べ、59,918千円減少いたしました。これは主に、利益剰余金が48,444千円減少したことによるものであります。

 これらの結果、自己資本比率は45.1%(前事業年度は44.3%)となりました。

 

② 経営成績の状況

 当中間会計期間における世界経済は、これまで進んできたエネルギーや原材料価格の高騰によるインフレが緩和し始め、欧米中央銀行による政策金利の引き下げが図られるなど、景気のソフトランディングへの動きが見られます。一方、中国では長期化する不動産市場の低迷を背景に成長が減速し、ロシア・ウクライナや中東情勢の状況も依然として不安定で、経済の先行きは不透明な状況で推移しました。また、国内経済においては、物価高は継続しているものの、大幅な賃上げによる個人消費の回復や企業による設備投資の改善も見られたことから、景気全体としては底堅く推移しました。半導体市場においては、生成AIの急速な普及に伴うサーバーやデータセンター向けの需要増加が市場全体の伸びを牽引するほか、パソコンやスマートフォンなどエレクトロニクス製品向けも需要が上向きつつあります。

 このような環境の中、電子システム事業においては、車載用半導体の市場在庫充足による生産調整局面が続き、バーンインボードを中心とする半導体後工程商材は受注が大きく減少しました。また、カスタムバーンイン装置では主要顧客での既存装置からの置き換えが一巡し、一服感がありますが、新しい製品仕様に合わせた装置の顧客要求内容や仕様向上が具体化し、今後の開発や販売に向けての取り組みを加速しています。今後も市場拡大が想定されるパワー半導体やセンサー、光素子等のターゲット市場への貢献を目指して参ります。産業機器向け製品では、車載機器向け専用計測器の受注が伸びるとともに、産業用各種計測機器案件や制御機器案件の受注が伸びました。前事業年度の第4四半期より新たな拠点となった福島製造部については新規顧客開拓作業を本格化し、新規開発に加え来期量産案件を確保するとともに、更に受注実績を拡大すべく取り組みを継続しています。また、当事業年度の6月に開設した横浜桜木町駅近くの神奈川事業所においては併設するショールームを活用したお客様対応を開始し、常駐する技術者の開発拠点としての機能とともに活用を増加して参ります。

 マイクロエレクトロニクス事業においては、アナログLSI設計受託売上の安定化に向けて、センサー半導体に注力するとともに、自動車分野等の電源、組み込みメモリ設計に注力しています。デジタルLSI設計受託についても好調な自動車分野向けデジタル設計に注力しています。また、アナログIPなど自社商品のラインナップ強化に向け、独自の評価チップを試作し、評価を開始しました。一方、業界における旺盛な半導体需要のために設計人材の確保が難しい状況は続いています。

 製品開発事業においては、ATMやセルフレジなどインフラ向け製品で市場による濃淡が出ました。今後の市場拡大に向けては、欧州での製品拡販も開始しました。また、新たな市場ニーズにお応えするため200万画素LANカメラや150万画素グローバルシャッターMIPIカメラの開発を進めています。コロナ禍中にEOLとなったAIソリューション向け製品の後継機開発も進めており、今までご採用頂いておりましたお客様への安定供給を続けるとともに、後継機の性能向上により、新たなお客様へのご提案が可能な製品ラインナップの増強を進めております。また、医療・介護向けカメラシステムの製品化開発も進んでいます。

 これらの結果、当中間会計期間の経営成績は、売上高3,156,107千円(前年同期比9.8%減)となり、営業利益は24,017千円(前年同期比93.1%減)、経常利益は21,839千円(前年同期比93.9%減)、中間純利益は17,942千円(前年同期比92.8%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

a.電子システム事業

 電子システム事業は、車載用半導体の市場在庫充足による顧客の生産調整が継続して設備投資が抑制局面となっており、半導体後工程主要商材のバーンインボードの受注が大きく減少しました。また、カスタムバーイン装置については主要顧客における既存装置からの置き換え需要が一巡し、やや一服感がありますが、顧客の新製品向けや次世代向け製品に対する仕様検討や開発依頼に着手し対応を継続しています。産業商材については、車載機器向け専用計測器商材が海外顧客向けで前年同四半期比受注増加しました。

 これらの結果、電子システム事業は、売上高は1,434,025千円(前年同期比16.8%減)、セグメント営業損失は8,020千円(前年同期はセグメント営業利益247,943千円)となりました。

 

b.マイクロエレクトロニクス事業

 マイクロエレクトロニクス事業は、旺盛な半導体需要に支えられ半導体の設計需要は堅調に推移しています。アナログLSIにおいては、自動車向けのパワー半導体や高速インターフェースを主体としたアナログ設計受託が順調に推移しました。デジタルLSIにおいても自動車向けのデジタル設計受託に注力しており、画像系など他の分野での設計については、設計人材のミスマッチからタイミング良く受託できないケースも発生しました。IPのロイヤリティーは堅調に推移しました。

 これらの結果、マイクロエレクトロニクス事業は、売上高は1,026,991千円(前年同期比1.8%減)、セグメント営業利益は90,503千円(前年同期比25.9%減)となりました。

 

c.製品開発事業

 製品開発事業は、従来からのセルフレジなどインフラ向け製品について、一部、計画より減少した所もありましたが、コミュニケーションロボット向けビューカメラの量産や医療検体装置、カードゲーム向けセンシングカメラが好調に推移したことから、販売は計画通りに推移しました。一方、カメラ製品の受託開発は軟調でした。

 これらの結果、製品開発事業は、売上高は695,091千円(前年同期比4.9%減)、セグメント営業損失は58,464千円(前年同期はセグメント営業損失21,138千円)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、416,623千円となり、前事業年度末に比べて91,925千円減少いたしました。

 当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、使用した資金は318,092千円(前年同期に獲得した資金は100,670千円)となりました。これは主に、売上債権の減少額257,179千円、その他負債の減少額277,253千円、仕入債務の増加額146,112千円及び法人税等の支払額107,442千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、使用した資金は133,275千円(前年同期に使用した資金は268,086千円)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出95,811千円、有形固定資産の取得による支出51,799千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、獲得した資金は359,442千円(前年同期に使用した資金は77,703千円)となりました。これは主に、短期借入金による純増加額400,000千円、長期借入れによる収入100,000千円、長期借入金の返済による支出73,375千円、配当金の支払額66,277千円等によるものであります。

 

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当中間会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当中間会計期間における、当社の研究開発活動の金額は150,156千円であります。

 なお、当中間会計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。