本文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(経営方針)
当社は、以下のビジョン・ミッション・バリューに基づき、持続的な事業成長を達成することによって、企業価値の最大化を図ることを目標としております。
◆ビジョン
変化を先取りし、人々の感動体験を進化させ続ける
◆ミッション
・グローバルな視点から流通を俯瞰する
・誰よりもその先のお客さまに役立つソリューションを探求する
・通販/小売物流のプロフェッショナル集団を目指す
・最先端テクノロジーを活用する
ことにより、高付加価値を実現する、「感動創造」No.1企業を目指す
◆バリュー
・常にその先のお客さまのために考え行動し、信頼される存在となる
・圧倒的な提案力で荷主さまと共に成功を創る
・新しい目で、常に学び、自分自身を向上させ続ける
・すぐ・まずやってみる、そして全員でやりきる
・謙虚で素直な心で仕事を楽しむ
(中長期的な会社の経営戦略等)
当社は、上述のビジョン・ミッション・バリューに基づき、顧客ニーズに応える以下の3つの軸を強化し、事業の拡大を図ってまいります。
① FCの開設と進化
FCごとの特徴を活かし、高効率運営を実現
自動化の推進、保管効率の向上
② 対象顧客・エリアの拡大
D2C(Direct to Consumer)などを目指すメーカー向けへのサービスを拡充し、新規顧客を獲得
ECの成長が著しいASEAN地域など海外に、提携した投資先と拠点を作り、日本企業の進出をサポート
③ バリューチェーン展開
フルフィルメントの前工程のWEBマーケティングと、後工程の再購入プロモーションをカバーしたサービスの提供
(目標とする経営指標)
当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高及び経常利益であります。
売上高は、当社及び業界の成長を表す指標と判断しており、業界、競合他社及び当社の成長度合いを計る指標として総合的に判断して決定し、売上高の拡大を目指してまいります。
売上高計画における具体的な策定方法といたしましては、物流業界、倉庫業界及び顧客となるEC業界の将来展望を指標として、当社独自の戦略により業界成長率にどの程度上乗せして成長できるかを見込んでおります。
経常利益については、当社が持続的な成長を実現するための源泉となり、人員計画や設備投資計画の実行や株主還元を行う上での重要な指標になると考え、総合的に判断して決定し、経常利益の拡大を目指してまいります。
売上高計画の策定内容に対して、必要コストの比率及び見込額を見積り、売上原価並びに販売費及び一般管理費を算出しております。具体的には、利益に影響が大きい人員計画、設備投資計画、運送料や賃借料等の動向を勘案し、策定しております。
(経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題)
当社は、今後のさらなる成長を実現する上で、以下の事項を経営課題として重視しております。
当社の通販物流事業を取り巻くBtoC-EC市場(注1)における物販系分野は、経済産業省「令和2年度 電子商取引に関する市場調査」によると、2020年の市場規模は12兆2,333億円と2019年(10兆515億円)から21.7%増となり、直近5年間の平均伸び率(8.6%)より急拡大しております。加えて、総務省の「家計消費状況調査」によると、ネットショッピング利用世帯割合の推移(二人以上の世帯)は、2020年の第1回目の緊急事態宣言解除後も50%超の水準で推移しており、ネットショッピングの利用増加は一過性の消費行動ではないことが見て取れます。
こうしたコロナ禍を契機とした消費行動の変容、キャッシュレス決済の普及・拡大、メーカーが自社商材をECサイト上で消費者に直接販売するD2C(Direct to Consumer)の広がりなどにより、EC市場の拡大スピードはさらに加速することが予想されております。
上記の見通しを踏まえ、当社は、変化する通販事業者の需要動向を考慮し、適切な人員配置や業務効率の改善、FCの延床面積の拡大に努めることにより、適正な収益を獲得しております。しかしながら、労働人口の減少や雇用情勢の改善から人材の確保は難しくなってきております。したがって、業容の拡大には人員の採用手法の多様化への対応や教育制度を整備するとともに国内外の先端技術を導入することによるシステマティックな効率化の向上が必要不可欠であると考えており、これらを強化することによって物流代行サービスの効率化を進めるとともに、収益性の向上を図り、財務体質の強化に積極的に取り組んでまいります。
(注1) BtoC-EC市場とは、消費者向け電子商取引のことをいいます。
当社は、持続的な成長を達成するためには、各分野で専門的な能力を持った優秀な人材の確保が重要であると考えております。しかしながら、労働人口の減少や雇用情勢の改善から人材の確保は難しくなってきております。したがって、採用手法の多様化への対応や教育制度を整備するとともに、従業員定着率の向上を目指し、福利厚生制度の拡充やワークライフバランスを考慮した働きやすい職場環境づくり等、就業環境の改善に積極的に取り組んでまいります。
当社は、持続的な成長を達成するためには、既存サービスの品質や業務効率の向上が重要であると認識しております。したがって、技術革新、通販事業者や通販利用者のニーズの変遷を迅速に取り入れ、新規・周辺領域サービスの拡充に積極的に取り組んでまいります。
当社は、顧客である通販事業者の注文に対する物流代行を行っており、購入者の個人情報を含む膨大な注文に関する情報を保有しております。そのため、システム設計、個人情報に関する社内でのアクセス権限の設定等、取り扱いには十分な注意を払っております。情報の取り扱いに際しては、ISMS認証(ISO27001)及びプライバシーマークを取得し、個人情報保護方針及び社内規程に基づき、情報管理体制の整備・運用を強化することで情報漏洩防止に取り組んでまいります。
当社は、経営目標を達成するためには健全かつ効率的な内部管理体制の強化が必要不可欠であると考えております。そのために業務フローの整備や文書化を進めるとともに内部監査等による運用状況の確認と改善に努めております。また、リスク管理やコンプライアンスについては、常勤役員が出席するリスクコンプライアンス委員会を運営することで恒常的に意識を高めており、引き続き経営者を中心とした内部管理体制の強化に積極的に取り組んでまいります。
本書に記載した事業の状況及び経理の状況等に関する項目のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある重要な項目を記載しております。また、当社が必ずしも事業等のリスクとは考慮していない項目についても、投資者に対する情報開示の観点から記載しております。
なお、文中の将来に関する項目は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社が属する通販物流業界は、EC市場の拡大、ネットショッピング利用者の増加、スマートデバイスの普及等により成長を続けてまいりました。このような傾向は今後も継続していくものと考えておりますが、セキュリティの脅威や法規制、その他の予期せぬ要因等によってEC市場の成長が阻害される状況が生じた場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、当社は営業力を強化し、有望分野を中心に新規顧客を継続的に獲得していくことで、主要顧客の売上高の変動による当社業績への影響の逓減を図ってまいります。
当社が属する通販物流業界は、EC市場の拡大に伴い、それを好機として競合他社は増加しつつあります。当社の提供する物流代行サービスや運営代行サービスは、通販事業者が満足する品質や価格の提供を維持することに努めており、競合他社が増加しつつあるものの、当社事業は順調に拡大しております。
しかしながら、競合他社との品質や価格等の競争が激化した場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、当社は従業員に対し、品質や業務効率の向上を目的とした改善提案活動を推奨しており、日々の創意工夫を実作業に反映し共有していく取り組みを継続しております。また、試験的ではあるものの自動搬送ロボット(AGV)、製函機や封函機の導入による「自動化・半自動化」を進めており、競合他社に対して品質や価格で対抗できる体制を整備し続けることで、当社業績への影響の逓減を図ってまいります。
当社の通販物流事業は、宅配事業者に宅配サービスを委託し、購入者に商品を届けることができることでサービスの提供が成り立っております。現在、宅配事業者を取り巻く市場環境は、重労働問題や雇用情勢改善による人手不足もあり、労働者の賃金値上げにより、当社も運賃値上げ等の影響を受けております。当社の宅配サービスの外注先については、大手宅配事業者に委託する割合が相対的に大きく、これらの会社が何らかの事情で宅配事業が行えなくなることやこれらの会社との取引ができなくなる可能性はゼロではありません。
このようなリスクを踏まえ、当社は既存の大手宅配事業者との継続的な交渉、他の大手宅配事業者や地域宅配事業者の新規開拓等に努めておりますが、これらの施策にも係わらず、運賃値上げや宅配個数制限の影響を回避できなかった場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社の通販物流事業は、拠点であるFCを賃貸借するにあたり、主に貸主と賃貸借契約を締結しております。定期賃貸借契約においては、契約期間中は解約できない旨が定められておりますが、契約期間満了後は貸主の意思等により必ずしも更新されるとは限りません。普通賃貸借契約においては、解約予告期間が定められており、貸主の都合等により中途解約が可能となっております。これらの賃貸借契約が何らかの要因で継続できない状況となった場合は、新規FCの開設や既存FCを活用する方針であります。
しかしながら、代替拠点を確保できない場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ FCの賃借料上昇のリスク
当社の通販物流事業は、④に記載のとおり、拠点であるFCを賃貸借するにあたり、主に貸主と賃貸借契約を締結しております。なお、定期賃貸借契約においては契約更新時、普通賃貸借契約においては契約期間中に、相場環境の上昇を理由に賃借料の引き上げを求められることが考えられ、その場合には適正な賃借料を検証し、貸主と協議を行ったうえで、賃借料の決定、契約の解約又は更新の可否を行う方針であります。しかしながら、貸主との協議にも係わらず、賃借料上昇に伴う価格の引き上げを通販事業者にご理解頂けない場合や契約の解約又は終了により、これに代替するFCの確保が困難となった場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、当社は既存貸主、物流不動産仲介会社及び金融機関から物流不動産情報を常時収集し、次のFC開設計画が滞ることがないよう努めており、当社業績への影響の逓減を図ってまいります。
なお、本書提出日現在、当社が賃借しているFC1件について、賃貸人から建物賃料増額等請求事案を提起されております。当社は、顧問弁護士と協議の上、妥当と判断する賃借料の増加金額を未払費用として計上しておりますが、賃貸人の請求を全面的に認める判決となった場合、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社の通販物流事業は、「倉庫業法」、「貨物利用運送事業法」、「個人情報保護法」等の法的規制が存在します。当社では、上記を含む各種法的規制について、法令遵守体制の整備・強化及び社員教育を行っております。
本書提出日現在において各種許認可等の取消事由は発生しておりませんが、今後新たな法令の制定や既存法令等の改正又は解釈の変更が行われ、当社が新たな規制に適時適切に対応することができない場合、許認可等の取消を受けた場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
現在、6つのFCは倉庫業法に基づく営業倉庫として、1つのFCは貨物利用運送事業法に基づく保管施設として許認可を受け、運営を行っております。
このようなリスクを踏まえ、当社はこれらの法令規則の改正又は解釈の変更については、顧問弁護士等に相談しつつ対応していくことにしております。例えば、通販事業者から新たな商品を預かることとなった場合、その商品の取り扱いにおいて許認可等の要否を当該通販事業者に確認し、場合に応じて顧問弁護士等に確認の上、取り扱いを開始することとしており、行政処分等により業務運営に支障をきたすことがないように留意しております。
当社は、今後のEC市場に伴う当社事業の需要拡大に備え、FCの新設や既存FCの機能強化等を目的とした設備投資を行っております。FCの新規開設を行った場合には、新規投資に見合う水準までFCの稼働率が上昇するまでに一定の期間を要するほか、借入面積の増加に伴う賃借料負担の増加や新FC立上げに伴う人員増強のための労務費増加等の先行投資が発生するため、一時的に営業損益の低下要因となる傾向があります。
さらに、事業環境の予期せぬ変化等により、計画した成果や資金回収が得られない場合又は資産が陳腐化した場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、当社は、設備投資案件の内容により、取締役会において、設備投資計画に基づく十分な検討を行った上で投資の意思決定をしており、また、投資実行後も定期的な事業計画の進捗確認を実施し、当社業績への影響の逓減を図ってまいります。
(4) 人材の採用及び育成について
当社事業が、持続的な成長を達成するためには、人材の確保及び育成が重要であると考えております。現在、労働人口の減少や雇用情勢の改善による人手不足の影響もあり、従業員の採用は厳しい状況であります。今後、雇用情勢がさらに悪化し、従業員の採用や育成した従業員の定着が順調に進まなかった場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、当社は、人事・教育部門の人員強化を継続して行い、新卒採用による人員の確保や採用手法の多様化への対応や教育制度の整備を継続しております。また、従業員定着率の向上を目指し、福利厚生制度の拡充やワークライフバランスを考慮した働きやすい職場環境づくり等、就業環境の改善に積極的に取り組み、従業員の定着と優秀な人材確保を図ることで、当社業績への影響の逓減を図ってまいります。
当社は、顧客である通販事業者の商品の配送に関して、購入者の個人情報を含む膨大な注文に関する情報を保有しております。そのため、システム設計、個人情報に関する社内でのアクセス権限の設定等、情報の取り扱いには十分な注意を払っており、ISMS認証(ISO27001)及びプライバシーマークを取得の上、個人情報保護方針及び社内規程を整備し、情報管理体制の運用を強化しております。
しかしながら、不測の事態による個人情報の喪失や外部への漏洩事故が発生した場合には、当社への損害賠償請求や信用失墜による顧客喪失等、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社の事業運営は、倉庫管理システムであるWMS(Warehouse Management System)等、主にインターネットを経由して処理されるよう設計されております。したがって、想定外の自然災害又は事故、コンピューターウィルスによる不正侵入もしくは誤操作等による大規模なシステム障害の発生により業務が停滞した場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、当社は、セキュリティレベルが高いと考えられるサーバーの利用、役職・役割に応じた適切なアクセス権限の設定等、システム障害の未然防止に努めるとともに、万が一のシステム障害の発生の事態に備え、外部機関と連携し対応するシステム部門の人員を継続的に強化し、システム障害による当社業績への影響の逓減を図ってまいります。
当社の代表取締役社長であり、創業者である角井亮一は、経営方針や経営戦略の決定等、当社の事業運営において重要な役割を果たしております。また、当社は特定の個人に過度に依存することがないよう、経営幹部役職者を拡充し、経営人材の育成及び権限委譲を進めております。
しかしながら、同人がなんらかの理由により経営者として業務執行ができなくなった場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、当社は、必要に応じて中途採用による経営幹部の採用を行うとともに教育制度を拡充することで、経営幹部育成を行い、特定人物への依存による当社業績への影響の逓減を図ってまいります。
当社は、リスク管理規程及びコンプライアンス規程に基づき、リスクコンプライアンス委員会を設置し、法令違反等のリスク低減について協議し、その結果を役職員の法令遵守体制の整備・強化及び社員教育に役立てております。
しかしながら、上記に反し当社の役職員が法令違反行為等を行うことや情報管理体制の不備による個人情報の喪失や外部への漏洩事故が発生した場合には、当社への損害賠償請求や社会的信用の失墜等、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、当社は、法的規制に対する情報収集と対応や、情報管理体制を整備し続けることで、訴訟等のリスクの軽減に努めております。その他業務における誤謬、事故や法令違反等についてリスクコンプライアンス委員会に報告・協議するとともに労働基準法やハラスメント防止法に係わる社員教育や内部通報制度の整備等により、重大な事態にならないよう未然防止策の導入を進め続けることで、訴訟等による当社業績への影響の逓減を図ってまいります。
当社は、役職員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。そのため、対象者に付与されている新株予約権が行使された場合には、既存株主の保有株式の株式価値が希薄化する可能性があります。
なお、当事業年度末現在における新株予約権による潜在株式数は281,200株であり、発行済株式総数3,481,800株の8.08%に相当します。
当社では、新型コロナウイルス感染症のまん延下においても、社会機能維持に関わる業務である物流代行サービスの提供は通常どおり継続することを基本方針としており、手洗い・うがいの励行、マスク着用やアルコール消毒の徹底、検温と報告体制の構築による体調不良の従業員の即時把握、ウェブ会議の活用等の感染防止対策を実施してまいりました。
引き続き、顧客や従業員の安全確保を最優先に、関係各所と連携し適切に対応してまいりますが、今後さらなる感染が拡大し、終息までの期間が長期化した場合、従業員への感染等によるFCの稼働低下、顧客の業績悪化による債権回収の停滞等により、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社はFCを運営し、顧客の商品の保管・発送業務を行っています。このため、地震や風水害等の災害により、FCが被害を受け、又は輸送経路が遮断されるなどの事態が発生した場合、物流業務が停滞し、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、当社は従業員が帰宅できなかった場合の食料品等の備蓄品を各FCに備えており、非常電源を設置しております。また、関東と関西にそれぞれ拠点を配置することで、どちらかの地域で事業が継続できる体制をとっております。経営管理面においては、社内サーバーをクラウド環境にて管理する等の体制を整えております。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大による世界的な経済活動の停滞により、依然として厳しい状況にあり、段階的に経済活動の再開による持ち直しの動きが見られたものの、先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような状況下、当社は『変化を先取りし、人々の感動体験を進化させ続ける』を経営ビジョンとして、引き続き新型コロナウイルス感染防止対策を実施しながら、多様なお客様のニーズに寄り添った対応をより深い次元で実現することに取り組んでおります。
当社は、物流業務をアウトソーシングされる通販事業者に対して、商品保管・ピッキング・流通加工・梱包・配送・代金回収等を行う「物流代行サービス」と、EC通販サイトの運営における、商品撮影・受注処理・お問い合わせ対応等のカスタマーサポートを行う「運営代行サービス」を、通販事業者や消費者(購入者)のニーズに対応したワンストップのフルフィルメントサービスとして提供する通販物流事業を運営しております。
当社の通販物流事業を取り巻くBtoC-EC市場における物販系分野は、経済産業省「令和2年度 電子商取引に関する市場調査」によると、2020年の市場規模は12兆2,333億円と2019年(10兆515億円)から21.7%増となり、直近5年間の平均伸び率(8.6%)より急拡大しております。加えて、総務省の「家計消費状況調査」によると、ネットショッピング利用世帯割合の推移(二人以上の世帯)は、2020年の第1回目の緊急事態宣言解除後も50%超の水準で推移しており、ネットショッピングの利用増加は一過性の消費行動ではないことが見て取れます。
こうしたコロナ禍を契機とした消費行動の変容、キャッシュレス決済の普及・拡大、メーカーが自社商材をECサイト上で消費者に直接販売するD2C(Direct to Consumer)の広がりなどにより、EC市場の拡大スピードはさらに加速することが予想されております。
当社では、このような事業環境を持続的成長のための投資フェーズと捉えており、売上高の高い成長を目指してまいります。これを実現するためにはFCの新規開設に加え、高付加価値サービスを提供し続ける必要があり、FCの新規開設や人材育成・採用、営業力の強化等、費用対効果を測りながら継続的に先行投資を実施する方針であります。この方針に基づき、2021年6月に埼玉県草加市に埼玉草加FCを新規開設いたしました。これにより、当社が運営するFC数は、東京都に2施設、千葉県に1施設、埼玉県に3施設、大阪府に1施設の合計7施設、総延床面積は49,600坪となりました。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。
財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べて、222,860千円増加し5,239,482千円となりました。これは主に、流動資産のうち、売掛金が169,843千円増加したこと、固定資産のうち、差入保証金が212,733千円増加した一方、現金及び預金が179,227千円減少したことなどによるものです。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べて、512,569千円増加し3,472,094千円となりました。これは主に、流動負債のうち、買掛金が136,066千円、未払金が373,420千円増加したことによるものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べて、289,708千円減少し1,767,388千円となりました。これは、新株の発行により資本金及び資本準備金が59,872千円増加した一方、当期純損失の計上等により繰越利益剰余金が353,458千円減少したことによるものです。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,070,057千円となり、前事業年度末と比べて179,227千円の減少となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は27,905千円(前事業年度は830,982千円の獲得)となりました。これは主に、減損損失102,263千円の計上や仕入債務136,066千円、未払金363,702千円の増加等により資金増加があった一方、税引前当期純損失291,161千円の計上や売上債権169,843千円の増加、法人税等132,846千円の支払等による資金減少があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は352,798千円(前事業年度は265,377千円の使用)となりました。これは主に、差入保証金の支出213,109千円、有形固定資産の取得による支出95,716千円による資金減少があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、得られた資金は201,440千円(前事業年度は806,540千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金による収入388,100千円及び新株の発行による収入59,822千円等の資金増加があった一方で、長期借入金の返済による235,363千円の支出等による資金減少があったことによるものです。
当社は、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
当社の受注実績は、販売実績とほぼ一致しておりますので、受注実績に関しては販売実績の項をご参照ください。
当事業年度における販売実績を示すと、以下のとおりであります。なお、当社の事業セグメントは、通販物流事業の単一セグメントであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。
※当事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売数に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、12,208,682千円となり、前事業年度に比べ1,511,815千円増加(前年度比14.1%増)となりました。
これは、11月から12月にかけての年末商戦期の出荷量が増加したほか、新規顧客の獲得及び稼働が順調に推移したことが主な要因であります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は11,637,503千円となり、前事業年度に比べ1,779,571千円増加(前年度比18.1%増)し、また、売上総利益は571,178千円となり、前事業年度に比べ267,755千円減少(前年度比31.9%減)となりました。
当事業年度においては、イベントグッズ関連の売上が回復せず、新規開設したFCの賃借料増加を吸収できなかったことと、新規顧客の立ち上げ準備に伴う労務費・人材派遣費等が増加したことが主な要因であります。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
当事業年度の販売費及び一般管理費は766,967千円となり、前事業年度に比べ166,459千円の増加(前年度比27.7%増)となりました。これは主に、新卒及び幹部人材の採用に伴う人件費が78,252千円及び採用費が22,350千円増加したこと等によるものであります。この結果、営業損失は195,789千円(前年度は営業利益238,426千円)となりました。
(営業外損益、経常損失)
当事業年度において、物品売却益5,093千円の計上を含め営業外収益を12,984千円計上いたしました。一方で営業外費用を7,393千円計上いたしました。この結果、経常損失は190,197千円(前年度は経常利益241,154千円)となりました。
(特別損益、当期純損失)
当事業年度における特別損益は△100,964千円となりました。これは主に、固定資産の減損損失102,263千円の計上によるものであります。また、法人税、住民税及び事業税22,931千円並びに法人税等調整額28,144千円を計上いたしました。この結果、当期純損失は342,238千円(前年度は当期純利益151,557千円)となりました。
財政状態の分析
財政状態の分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
キャッシュ・フローの状況の分析に関する情報については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社における資金需要は、主として荷造運賃、賃借料等の運転資金及びFC新設時の設備導入並びに保証金の差入等があります。運転資金の財源については自己資金により賄い、FC新設等の資金につきましては、株式上場時の新株発行による調達資金の活用及び金融機関からの調達を予定しております。なお、資金の流動性については、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は2,070,057千円となっており、また、取引銀行2行と当座貸越契約を締結しているため、十分な流動性を確保しているものと考えております。
当社の財務諸表等は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因にもとづき見積り及び判断を行っておりますが、不確実性があるため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 目標とする経営指標」に記載のとおり、売上高及び経常利益を重要指標としております。
第23期事業年度は、上記「① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおり、売上高は増加し経常利益は減少しました。今後も原価及び経費の低減を図りつつ、売上高及び経常利益の拡大に努めてまいります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。