第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります

 

(1)経営方針

当社は「“最強の売れるノウハウ®”を用いて関わるすべての企業を100%成功に導くことで世界中にたくさんのドラマを創る」という企業理念を掲げ、D2C(ネット通販)事業者のネット広告の費用対効果を改善するためのクラウドサービス及びマーケティング支援サービスを開発・提供しております。

当社は「広告の本質は物を売ること」と考えており、「いかにクライアントのネット広告の費用対効果を改善できるか」、「いかにネット広告によってクライアントの売上を伸ばすことができるか」に注力し、クライアントが売上を拡大するためのネット広告出稿の仕組みの構築を今後も追求し、提供し続けてまいります。

 

また、当社の強みと特徴としては下記となっております。

 

 ①   A/Bテストの結果に基づくノウハウの提供

当社ではD2C(ネット通販)のネット広告の仕組みの構築に特化し費用対効果を徹底的に検証するため、1,200回以上のA/Bテストを行い、5社中4社以上で成果の上がったものを基準として“最強の売れるノウハウ®”と呼称し蓄積しております。

 “最強の売れるノウハウ®”はD2C(ネット通販)クライアントで1,200回以上のA/Bテストを行ってきた結果のうち5社中4社以上で成果の上がったものであるため、1社のみでしか成果が上がらないものではなく、多くのクライアントに横展開しても再現性があるものでございます。

 また、当社は下記の流れにて新しいノウハウを生み出し続けております。

 1.部署の隔たりなく、全社員がA/Bテストアイデアを考える

 2.A/Bテスト全アイデアを選別・精査し、すべてのクライアントへ提案・実施する

 3.組織としてA/Bテスト結果を蓄積・共有し、新たなアイデアの創出に繋げる

 この一連の流れにより今後も新しいノウハウを生み出し続けることで競争力を担保してまいります。

 

②「売れる広告」へのこだわり

当社はネット広告の力でクライアントの商材を「売る」ことに特化しております。

いわゆるダイレクトレスポンスマーケティングの考え方に基づき、ユーザーに特定の行動を喚起し、レスポンスを得ることを目的とする手法を徹底しております。

長く市場を牽引し続けてきたテレビ広告や新聞広告の多くは、イメージ型広告であり企業イメージを向上させることや店舗販売の商品広告をメインとしているため、広告により消費者に強く記憶してもらい、その後消費者が実際に店舗を訪れた際に広告を思い出して購入を促す仕組みとなっております。

一方、D2C(ネット通販)において活用されるネット広告は、広告を閲覧した消費者がその場で購入をすることが可能であるため、広告の目的は消費者に記憶をさせることではなく、広告を見た消費者にその場で購入を促すことが非常に重要となります。

当社は「D2C(ネット通販)」×「ネット広告」領域に特化しているため、消費者にその場で購入を促す仕組みを提供しております。

 

(広告手法の違い)

 


 

(ダイレクト広告)

イメージやブランドの認知を目的とするのではなく、見込み客からの直接的な反応(レスポンス)を獲得する 

ことを目的とした広告・マーケティング手法。

 

③リスクを抑えた成果報酬型広告の提供

「成果報酬型広告」とは、新規顧客による商品の購入やサービスの利用などの成果が達成された場合にのみ、広告料が発生する広告形式です。新規顧客がクライアントの商品を購入するためにかかる、新規顧客の獲得単価をあらかじめ決定し、その決められた単価で新規顧客の獲得を行うサービスを提供しております。

・クライアントの新規顧客の獲得単価を決定

・「最強の売れるメディアプラットフォーム」に商品情報と希望獲得単価を登録

・媒体社が希望獲得単価にて広告を出稿

・獲得した新規顧客数に応じて請求金額が確定

当社の「成果報酬型広告」は、クライアントにとっては成果に応じて広告費用が発生することから、顧客1人を獲得することに対し、事前に決められた一定の対価のみの支払で済むため、顧客獲得単価が確定されるということになり、サービスの導入が行いやすくなっております。

 

(2)中期的な会社の経営戦略

①クライアントのさらなる拡大

当社クラウドサービスの「売れるD2Cつくーる」においては課金クライアント数が2023年7月末時点で169社に達しており、順調に拡大を続けております。加えて、物販系分野のEC市場は大きく成長を続けているため当社サービスは潤沢な開拓余地が残されていると考えております。

当社は、費用対効果を鑑みながら成長に必要な広告費を投下することでリード母数の最大化及び質の強化を進めてまいります。

また、研修等の活用やトークスクリプト等による標準化、将来を担う人材の新卒採用を積極的に実施することでクライアントのさらなる拡大を行ってまいります。

 

②顧客単価の拡大

当社マーケティング支援サービスである最強の売れるメディアプラットフォームの利用者数を拡大することで顧客単価の向上を目指してまいります。そのためには利便性の向上が必須となるため利用可能媒体のさらなる開拓及びシステムの改修を積極的に実施してまいります。

 

③解約率の低下

当社の「売れるD2Cつくーる」の解約率は2020年7月期は23%でございましたが、2021年7月期より値引き等を実施した影響でクライアント数が増加した一方で、解約社数も増加したことを受けて2021年7月期は62%、2022年7月期は58%と推移しております。当社のクラウドサービスは年間契約のストック型であるため、解約率を低下させることは重要な施策でございます。解約率低下の施策としましては、「売れるD2Cつくーる」への改善要望に対する迅速な対応、カスタマーサポートの増員、電話・メールに加えZoomやチャットボット等のオムニチャネル型のサポート、担当コンサルタントの往訪等による充実したサポート体制の構築を進めてまいります。

 

④プロダクトの進化

「売れるD2Cつくーる」についてはクライアントからの改善要望・新たなノウハウの実装・新テンプレートの追加等により、さらに利便性の高いサービスをクライアントに提供することが可能となります。これを受け、クライアントの広告の費用対効果が改善することによりクライアントの売上が増加することで、当社の「最強の売れるメディアプラットフォーム」の利用が拡大し、最終的には当社売上高も増加する好循環を生み出す一因となります。

「売れるD2Cつくーる」の進化は当社の新規クライアントの獲得・取引単価の拡大・解約率の低下すべてに影響を与える重要施策となりますので、今後も積極的な開発を進めてまいります。

 

⑤ノウハウの進化

上記に記載したとおり、当社の強みの一つは、費用対効果を徹底的に検証するため、1,200回以上のA/Bテストを行い、5社中4社以上で効果のあった “最強の売れるノウハウ®”にあります。このノウハウは常に更新し、他社の追随を許さない最新のものである必要があります。常に全社員でノウハウを生み出し続け、A/Bテストを徹底的に実行して最新のノウハウを創出する体制の構築を目指してまいります。

 

⑥異業種への展開

当社は、健康食品・化粧品市場を中心にサービスを提供してまいりましたが、D2C(ネット通販)は、幅広い業種であることから、異業種への展開を推進してまいります。健康食品・化粧品で今まで培ってきたダイレクトマーケティングのノウハウ、高い分析力は食品などの異業種においても流用することが可能と考えております。今後は、積極的に異業種に展開しながら、データを蓄積し、クラウドサービス及びマーケティング支援サービスの提供を進めてまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社はD2C(ネット通販)向けデジタルマーケティング支援事業における収益基盤の強化、セミナー開催の実施等による積極的な営業活動を行うことで、売上高、売上総利益、営業利益、売れるD2Cつくーるクライアント社数を成長させ企業価値の向上を目指してまいります。

 

(4)経営環境について

当社が深く関係している市場は、大きくインターネット広告市場及びD2C(ネット通販)市場と考えております。

インターネット広告市場につきましては、我が国におけるインターネット利用者は増加を続けており、株式会社電通の「2022年日本の広告費」によると、2022年の日本の総広告費は、7兆1,021億円(前年比104.4%)であり、上半期は、コロナ禍からの回復に伴う行動制限の緩和や、北京2022冬季オリンピック・パラリンピックなどにより好調を維持しました。下半期は、ウクライナ情勢や欧米の金融政策の転換による経済環境の大きな変化、新型コロナウイルスの再拡大などの影響を受けたものの、社会・経済活動の緩やかな回復に伴い「外食・各種サービス」「交通・レジャー」を中心に広告需要が高まりました。当社の事業が属するインターネット広告市場は継続して高い成長率を保ち、インターネット広告費が3兆912億円(前年比114.3%)となり、2兆円を超えた2019年からわずか3年で約1兆円増加しました。

経済産業省が実施した「令和3年度産業デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、2021年における日本国内の消費者向け電子商取引市場規模は前年比107.3%の20兆6,950億円に増加し、当社の主なD2C(ネット通販)支援先が属する「物販系分野」における電子商取引市場規模は前年比108.6%の13兆2,865億円となりました。

 

(5)対処すべき課題

今後の当社を取り巻く経営環境を展望すると、業界全体の成長基調の継続に伴い、新規参入や大手による競争の激化が予想されます。

係る状況下で、当社が対処すべき当面の課題としては、①新規クライアント獲得の増加・サービス満足度の向上・継続率の向上、②人材の確保と育成の強化、③情報セキュリティ体制の更なる整備、④内部管理体制の強化、⑤システムの安定性確保が挙げられます。

 

① 新規クライアント獲得の増加・サービス満足度の向上・継続率の向上

  当社は、ネット広告/ランディングページ特化型クラウドサービス「売れるD2Cつくーる」において、クライアント社数の増加及びサービス満足度の向上が業績拡大のための重要な課題であると考えております。これまでもクライアント獲得のための積極的な広告宣伝活動及びサービス満足度向上に向けた商品力の強化を継続的に行ってまいりました。今後も引き続き、新規クライアントの獲得に向けた広範な営業活動を展開するとともに、サービス品質を高め、継続率の向上を図ってまいります。

 

② 人材の確保と育成の強化

  当社は、今後も事業を拡大していくためには、優秀な人材の確保と育成が必要不可欠であると考えております。この課題に対処するために、当社は、知名度の向上、教育の充実を図り、優秀な人材が長期にわたってやりがいを感じて働くことができる職場環境の整備を進めるとともに、採用活動の柔軟化により適時人材の確保と育成に努めてまいります。

 

③ 情報セキュリティ体制の更なる整備

  当社は、クライアントと取引を行うにあたり、クライアント情報、個人情報及び営業機密等の機密情報を取り扱うことがあります。

情報セキュリティ体制の整備を引き続き推進していくとともに、情報の取り扱いに関する社内規程の適切な運用、役職員の機密情報管理に関するリテラシーの向上、役職員による機密情報の取り扱いに関する内部監査等を通じ、情報セキュリティ体制の強化を図ってまいります。

 

④ 内部管理体制の強化

  当社は、急速な事業環境の変化に適応し、継続的な成長を維持していくために、内部管理体制の強化が重要であると認識しております。このため、事業規模や成長ステージに合わせバックオフィス機能を拡充していくとともに、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでおります。具体的には、事業運営上のリスク管理や定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、社外役員の招聘・監査等委員監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実等を行ってまいります。

 

⑤ システムの安定性確保

  当社は、インターネット上で顧客にサービスを提供しており、安定した事業運営を行うにあたり、市場シェア拡大や新規プロダクトの提供を念頭に置いた、サーバー設備の増強や負荷分散システムの導入等が必要不可欠であると認識しております。今後のクライアント数増加を見据え、中長期的な視点から設備投資を行い、システムの安定稼働及びセキュリティ管理体制の維持構築に取り組んでまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)事業環境等に関するリスク

① インターネット広告市場について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:大)

当社の事業が属するインターネット広告市場は、D2C(ネット通販)市場と深く連動しており、2022年において前年比114.3%の3兆912億円となり、広告市場全体の伸びを上回る成長が続きました。(出典:株式会社電通の「2022年日本の広告費」)

このようにインターネット広告市場は拡大しておりますが、企業の広告宣伝・広報関連予算は企業の景況感に応じて調整される可能性があります。こうした状況を踏まえ、当社はその時々においてスピード感をもってサービス提供を進行し、経済状況及びインターネット広告市況に応じたサービス提供、広告運用を柔軟に選択することができるよう努めておりますが、環境整備や新たな法的規制の導入等何らかの要因によってインターネット広告市場の発展が阻害される場合には、当社の事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 技術革新について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)

インターネット業界においては、事業に関連する技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が早く、それに基づく新サービスが常に生み出されております。また、インターネット広告業界においても、新しい広告手法やテクノロジーが次々と開発されております。継続して技術革新及び情報技術の動向を捉えつつ、自社サービスの充実を図ってまいりますが、当社の技術革新への対応が遅れ、競合他社がより優れたサービスを提供した場合には、当社の競争力が低下する可能性があります。

 

③ 競合環境が激化するリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、

  影響度:中)

当社の事業領域は規制業種ではなく、また、デジタル広告領域については参入障壁も低いことから、広告関連領域においては参画企業の増加による競合激化リスクが存在します。当社は、これまで1,200回以上のA/Bテストの結果により培った独自のノウハウを活用したサービスを提供し、また、新規顧客獲得のための戦略的な施策を展開することで、継続的な事業成長に努めております。引き続き、A/Bテストを継続して実施し、消費者の購買傾向を反映したノウハウを蓄積、活用することで競争優位性を維持してまいります。

しかしながら、既存の競合企業の競争力の向上や他社の参入を含む競争環境の変化に伴って、当社及び当社のサービス等に対する評価や信頼性を維持することができず、又はその優位性が失われる場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 法的規制等の適用について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:大)

当社では販売先の広告、インターネット広告枠について、法令に則ったものであること、公序良俗に反しないものであることが重要であると考えております。

当社に関連する広告規制等としては、「不当景品類及び不当表示防止法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」等の法律の他、一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)が定める「インターネット広告倫理綱領及び掲載基準ガイドライン」等があります。

一次的には販売先の責任となるものの、売れるD2Cつくーるのサービス範囲内で作成した制作物に関しては一定の責任が及ぶと考えております。

当社では、これらの法令等に抵触しないよう制作物に関するチェックリストを整備し運用しております。また、広告配信後はサンプルチェックを実施し、不適切な広告配信がなされていないことを確認しております。関連法令等の改正情報や動向については、役職員による情報収集、業界団体による通知、管轄省庁による発表、専門家との連携により情報収集を実施し、リスク・コンプライアンス委員会等の会議体にて周知徹底することで管理体制を構築しておりますが、何らかの事情で関連法令の改正情報や動向に関して適時の対応ができず、当社が取り扱うコンテンツや広告、メディアが法令や公序良俗に反し、あるいは法令違反に該当する事象が発生した場合、当社の信用が低下し、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 新型コロナウイルス感染症について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、

  影響度:小)

世界的に拡大した新型コロナウイルス感染症は、ワクチン接種の進展や医療体制の強化によって感染拡大の終息に向けて着実な進展が見られていますが、完全な終息時期は依然として不透明な状況にあります。

当社は、従来の対面式ではなくWebによるセミナー開催等を通じた営業面での対策を講じることで、コロナ禍においても効果的な営業活動を展開しております。また、コロナ禍における外出自粛等により店舗販売から通信販売、特に、インターネットによる通信販売にシフトする企業も増加傾向にあることから、受注機会は拡大しております。

当社は、新規クライアント獲得に注力し、影響を低減又は回避できるよう努めております。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、経済の停滞が長期に亘る場合には、クライアントによる広告予算の大幅な削減等、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 不適切な広告配信について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)

当社は、クライアントに提供する価値を担保するために、当社が配信する広告に係る品質管理の徹底が重要

 な課題であると認識しております。

当社が制作した広告物や当社のツールを利用して制作した広告物については、具体的に、「不当景品類及び不当表示防止法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「健康増進法」並びに「著作権法」等の各種法令により一定の制約が掛けられており、広告を実施する事業者としては、これらの法令に抵触することがないよう、広告内容の適法性の確保を図る必要があります。

また、他社制作の広告物を含め、当社が実施する広告出稿に関しては不正な広告表示、錯誤を誘発する広告表示及び違法コンテンツを掲載するインターネットメディアへの広告配信の監視、また、成人向け広告の取り扱いに関する社内方針を定め、制作物に関するチェックリストを用いた確認及び内部監査人による社内審査体制の確認を実施することで健全性及び網羅性を担保し、該当する広告取引を行わないよう努めております。

しかしながら、万一、予期せぬ要因により、これらの対応に不備が生じた場合、顧客への損害補填が必要となる等、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業内容等に関するリスク

① 「成果報酬」型によるサービスを展開するリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期

 (又は頻度):常時、影響度:大)

当社は、成果報酬型広告によるマーケティング支援サービスを提供しています。これは、当社の行うD2C(ネット通販)支援により、クライアントの得るマーケティングの成果に基づいて当社が請求を行う契約形態であり、クライアントとの契約段階においては、成果単価が確定していますが、マーケティングの成果が確定しない限り当社の売上高は確定いたしません。

このため、当社は、クライアントに対するマーケティングの成果を出す為に、リスクを抑えた成果報酬型広告の提供を行っております。しかしながら、これらのノウハウの蓄積やリスクコントロールが機能しなかった場合には、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② システム障害について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:大)

当社のサービスは24時間稼働での運用を前提に提供されております。システムサーバーに障害が発生することはサービスの停止を意味するため、システムの安定性、安全性には細心の注意を払っております。また、インプレッション数(広告の表示回数)の増加を考慮したサーバー設備の強化や、アクセスが集中した際のサーバー負荷を分散するなどシステム障害を未然に防ぐ体制を整えております。しかしながら、ソフトウエアの不備、コンピューターウィルスの侵入、物理的な破壊行為及び自然災害等当社の想定していない事象の発生により、当社が管理するシステムに障害が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 個人情報等の取り扱いについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)

当社は、事業を実施するうえで、クライアント等の個人情報を少なからず入手しており、当社の個人情報の取り扱いについては「個人情報の保護に関する法律」が適用されます。そのため、当社においては、個人情報管理に関する規程を制定するとともに、個人情報を取り扱う際の業務フローや社内体制を明確にしたうえで、関連ルールの存在を全社に周知し、役職員の意識向上を図っております。また、一般財団法人日本情報経済社会推進協会が認証するプライバシーマークを取得しております。

しかしながら、不測の事態により、個人情報が外部に流出した場合には、当社に対する損害賠償の請求や信用力の失墜により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 特定事業への依存について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)

当社は、D2C(ネット通販)向けデジタルマーケティング支援事業の単一セグメントであり、当該事業に経営資源を集中させております。現在は事業領域の拡大を推進しております。しかしながら、事業環境の変化等により、当該事業が縮小し、その変化への対応が適切でない場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 特定の販売先への依存について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期(又は頻度):常時、

  影響度:中)

当事業年度における売上高について、上位10社の全体に占める割合は56.6%であり、特定のクライアントに対する依存度が高い傾向にあります。

当社は特定のクライアントに依存しない体制、事業基盤の盤石化を図るため、積極的に「売れるD2Cつくーる」の新規クライアント獲得による売上拡大に注力しております。

しかし、今後も特定のクライアントに対して依存度が高い状況が続き、業績不振やメディア出稿の停止等何らかの急激な変化等の事情により、取引額の減少若しくは取引の継続が困難な事態に陥った場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社は売上高全体の20%超を占めているクライアントを、高依存の状況であると判断しておりますが当事業年度は20%を占める取引先はございません。

 

⑥ 知的財産権の管理について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:大)

当社は、「売れるネット広告社」、「確認画面でアップセル」等の社名及びサービス名について商標登録を行っており、今後も知的財産権の保全に取り組む予定であります。

しかしながら、当社の知的財産権が第三者に侵害された場合には、解決までに多くの時間及び費用が発生するなど、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は、第三者の知的財産権侵害の可能性については、専門家と連携し、調査可能な範囲で対応を行っておりますが、当社の事業領域において第三者が保有する知的財産権を完全に把握することは困難であり、当社が認識せずに他社の知的財産権を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合、速やかに情報開示し、誠意をもって協議したうえで建設的な解決を目指すこととしております。しかしながら、場合によっては損害賠償請求、使用差止請求や当社の社会的信用を失うこと等が想定され、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 外注先の確保について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)

当社は、制作案件・システム開発業務において、企画立案は自社内にて行うものの、実作業の多くは各分野における専門会社等に外注しております。

これまで当社は、十分なスキルとノウハウを共有し、当社のクライアントニーズに対する品質を維持できる外注先を安定して確保できており、各外注先と良好な関係を構築しております。また、業界団体への加入やセミナー等の活動を通じてインターネット広告業界のネットワークの構築を進めており、外注先の確保に関するリスクヘッジを維持しております。

しかしながら、外注先の何らかの事情により当社との取引が継続できなくなった場合、若しくはクライアントが要求する品質の維持ができなくなった場合において、当社が迅速かつ十分に対応できない場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 調達資金の使途について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)

東京証券取引所グロース市場への上場に伴う、公募増資による調達資金については、将来の成長や事業拡大に寄与すると考えられる既存サービスの更なる機能拡充を目的とした開発費、優秀な人材の確保に伴う人件費に充当する計画としております。

しかしながら、当社が所属する業界の環境変化やこれに伴う事業計画の見直し等により、投資による効果が期待できなくなる可能性や資金使途の変更が生ずる可能性があります。この場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、市場環境の変化が激しく、計画の変更を迫られ調達資金を上記以外の目的で使用する可能性があり、その場合は速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。

 

⑨ 新規事業、業務提携や買収等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、

  影響度:中)

当社は、新規事業への挑戦、他社との業務提携や企業買収等が、将来の成長性を確保するために必要不可欠な要素であると認識しております。しかしながら、当初想定した成果を得ることができず、のれんの減損や、事業再編等に伴う事業売却損、事業清算損その他これに伴う費用等が発生した場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 解約リスク(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)

当社が提供するクラウドサービスの契約期間は1年間となっており、その後、自動更新となり解約を希望する場合は事前の申し出が必要となっております。代金については月額利用料を受領しております。

当社は、売れるD2Cつくーるの利用契約が継続されるよう、契約締結後、充実したカスタマーサポートの提供、営業活動を通じたクライアントのニーズの継続的な把握及び当該ニーズを反映するための機能の改善及び拡充開発に取組んでおります。しかしながら、何らかの要因により多数のクライアントから解約の申し出がなされた場合、事故等により多数のクライアントに対してサービス提供が不可能となった場合、将来計上される売上が無くなる可能性があります。このような状況となった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪ ソーシャル・メディア等を通じた情報発信・営業活動に関するリスク(顕在化の可能性:低、顕在化の時期

   (又は頻度):常時、影響度:小)

    当社ではソーシャル・メディア等を活用した広告宣伝によりセミナーへの集客活動等を実施しております。今後より積極的な広告宣伝活動により当社の認知度を向上させ、セミナーへの集客数の確保に努めてまいります。ソーシャル・メディア等を活用した情報発信に関しては、役職員への定期的な研修の実施及び適切なアカウント管理、社内規程等の整備をし周知徹底することで管理体制を構築しております。仮に何らかの理由でアカウントが凍結された場合でも他の集客活動等を実施していることから影響は軽微なものと考えております。しかしながら、役職員による不適切な内容の投稿、炎上リスク、ソーシャル・メディア等上での不適切な交流・共演等が発生した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)組織体制に関するリスク

① 特定の人物に対する依存について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)

当社の代表取締役社長CEOである加藤公一レオは、当社の創業者であり、創業以来の最高経営責任者であります。同氏はインターネット広告業界に関する豊富な知識と経験を有しており、経営戦略の構築等に際して重要な役割を担っております。当社は特定の人物に依存しない体制を構築すべく組織体制の強化を図り、適切な権限委譲を進めることで、同氏に過度に依存しない経営体制を整備しておりますが、何らかの理由により同氏の当社における業務執行が困難になった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 人材の採用・育成について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)

当社は急激な事業拡大に伴って優秀な人材の確保とその育成が重要な課題と認識しており、内部での人材育成と抜擢及び外部からの人材招聘に努めております。しかしながら、優秀な人材をタイムリーに獲得することは容易ではないため、必要な人材を採用できない、あるいは採用が遅れた場合には、適切かつ十分な組織対応ができず、効率的な事業運営に支障をきたす可能性があります。係る事態が生じた場合、当社の競争力に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 内部管理体制について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)

当社は企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけ、多様な施策を実施しております。また、業務の適正性及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 組織の規模について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)

当社は、小規模な組織であり、現在はクライアントのニーズに適時かつ柔軟に対応が可能な規模であります。今後も、業容の拡大及び従業員の増加にあわせて組織整備、内部管理体制の拡充を図る予定ですが、整備・拡充が順調に進まなかった場合には、当社の業務に支障が生じ、業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 与信管理について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)

    当社は、取引開始の事前に与信調査を行うとともに、取引開始後も継続的に与信調査を行っております。新

   規顧客の増加に伴い、売上債権の滞留が発生する可能性がございますが、与信管理ツールで与信限度額を設定

   し、定期的なモニタリングを実施することにより管理体制を構築しております。

  また、債権回収については対応フローを整備し必要に応じて専門家と連携し対応いたします。しかしなが

 ら、通常予測しえない何らかの事情により、クライアントの信用力が急激に悪化し、債権回収の不調等による

 経済的損失が発生した場合、当社の財政状態及び業績等に影響を与える可能性があります。

 

(4)その他

① 大株主について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)

本書提出日現在、当社の支配株主(第2位の大株主)である株式会社レオアセットマネジメントは加藤公一レオ氏の資産管理会社であります。当社の支配株主(第3位の大株主)である加藤一恵氏は加藤公一レオ氏の配偶者であります。株式会社レオアセットマネジメント、加藤一恵氏の直接所有分と加藤公一レオ氏個人の直接所有分を合算すると当社株式の100%を保有していることとなります。

本売出しによって所有株式の一部を売却する予定ではありますが、加藤公一レオ氏は安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。また、当社としても同氏は安定株主であると認識しておりますが、将来的に何らかの事情により、大株主である同氏の株式の多くが減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 訴訟について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)

当事業年度末において開示すべき損害賠償を請求されている事実及び訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、システムダウンによりサービスが停止した場合や、知的財産権の侵害等の予期せぬトラブルが発生した場合等、これらに起因する損害賠償を請求される、あるいは訴訟を提起される場合があります。また、損害賠償の金額、訴訟の内容及び結果によっては、財政状態及び業績並びに社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ レピュテーションリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)

当社は、法令遵守、サービス品質の確保、知的財産権管理、個人情報管理等に努めておりますが、風評に関する情報が流れる可能性があります。当社に関する風評被害は定期的にモニタリングすることで確認を実施しております。必ずしも事実に基づいたものとは限りませんが、当社を取り巻く環境、競合他社及び競業他社を取り巻く環境において何らかの問題が発生した場合、取引先の評価に悪影響を与え、それにより当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 自然災害等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:大)

当社は万一に備え、クラウドサーバーの分散化を実施しており、定期的にシステムのバックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの事前防止又は回避に努めておりますが、地震、台風、津波等の自然災害、火災、停電、未知の感染症の拡大、国際紛争等が発生した場合、当社の事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 配当政策について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)

当社は株主の皆様に対する安定的な利益還元は重要な経営課題であると認識しております。配当については、今後の業績動向を考慮しながら、将来の事業や収益の拡大に必要な資金需要や財政状態を総合的に勘案し、適切に実施していく方針であります。しかしながら、当社を取り巻く経営環境の悪化や当社が展開する事業の状況によって配当金額の減少や配当を実施しない可能性があります。

 

⑥ 当社株式の流動性について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)

     当社は、東京証券取引所グロース市場への上場を予定しており、上場に際しては、公募増資及び売出しによ

    って当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、取引所の定める流通株式比率は新規上場時にお

    いて約25%にとどまる見込みです。今後は、当社の事業計画に沿った成長資金としての公募増資による調達、ス

    トック・オプションの行使による流通株式数の増加分を勘案し、これらの組み合わせにより、流動性の向上を

    図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市

    場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性がありま

    す。

 

   ⑦ 新株予約権の行使による希薄化について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響 

     度:小)

      当社は、会社の利益と役員及び従業員個々の利益を一体とし、職務に精励する動機付けを行うため、      

    また、社外のリソースを有効に活用し当社事業の円滑な遂行を図る目的で、当社の役員、従業員及び社外協力

    者等に対し新株予約権を付与しております。本書提出日現在における当社の発行済株式総数は3,000,000株であ

    りますが、これに対して、新株予約権の対象である株式数の合計は325,700株であります。当該新株予約権が行

    使された場合は、当社の株式価値は希薄化することとなり、株価へ影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

第13期事業年度(自 2021年8月1日 至 2022年7月31日)

(資産)

 当事業年度末の資産合計は、前事業年度末と比べ167,299千円減少し、879,647千円となりました。これは主に、オフィスの移転等により有形固定資産が189,229千円増加し、また、売れるD2Cつくーるの開発を進めた結果ソフトウエアが6,595千円、ソフトウエア仮勘定が15,205千円増加した一方で、仕入債務の支払い等により現金及び預金が374,666千円減少したことによるものであります。

(負債)

 当事業年度末の負債合計は、前事業年度末と比べ114,387千円減少し、349,910千円となりました。これは主に、未払金が13,216千円、買掛金が101,981千円、未払法人税等が16,764千円、未払消費税等が10,913千円減少したことによるものであります。

(純資産)

 当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末と比べ52,911千円減少し、529,736千円となりました。これは利益剰余金が52,911千円減少したことによるものであります。なお、自己資本比率は60.2%となりました。

 

    第14期第3四半期累計期間(自 2022年8月1日 至 2023年4月30日)

(資産)

 当第3四半期会計期間末の資産合計は、前事業年度末と比べ101,298千円増加し980,946千円となりました。これは主に、流動資産のその他が50,814千円、減価償却により有形固定資産が19,980千円減少した一方で、業績が好調に増収増益で推移したこともあり現金及び預金が160,006千円、売掛金が25,186千円増加したことによるものであります。

(負債)

 当第3四半期会計期間末の負債合計は、前事業年度末と比べ18,349千円増加し368,260千円となりました。これは主に、今期は堅調に利益を計上することができており未払法人税等が28,004千円増加したことによるものであります。

(純資産)

 当第3四半期会計期間末の純資産合計は、前事業年度末と比べ82,949千円増加し612,685千円となりました。これは四半期純利益の計上により利益剰余金が82,949千円増加したことによるものであります。 なお、自己資本比率は62.5%となっております。

 

② 経営成績の状況

第13期事業年度(自 2021年8月1日 至 2022年7月31日)

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けております。各種政策や経済活動の段階的な再開に伴い持ち直しの動きがみられるものの、感染拡大の終息はいまだ見通しがつかず、依然として極めて厳しい状況が続いております。

 上記のような環境のもと、株式会社電通の「2021年日本の広告費」によると、2021年の日本の総広告費は、6兆7,998億円(前年比110.4%)であり、上半期は、2020年から続く新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う緊急事態宣言・まん延防止等重点措置などに伴い、前年同様に新型コロナウイルスの影響を大きく受けましたが、下半期にかけて緩和され、広告市場全体が大きく回復しました。当社の事業が属するインターネット広告市場は継続して高い成長率を保ち、インターネット広告費が2兆7,052億円(前年比121.4%)に達し、マスコミ四媒体広告費の総計2兆4,538億円(前年比108.9%)を初めて上回りました。

 このような環境の中で、クラウドサービスにおいては、売れるD2Cつくーるクライアント数は2022年度7月末時点で150社と2021年7月末163社からは微減となりましたが、第9期事業年度101社・第10期事業年度98社・第11期事業年度111社であったことを考慮すると近年増加傾向にあり、堅調に推移いたしました。なお、解約率については、値引きを廃止した影響もあり58.3%となっております。

 マーケティング支援サービスにおいては、第11期まで一部のクライアントに限定したマーケティング支援サービスの提供対象クライアントを、売れるD2Cつくーる契約クライアントへ拡大したことにより、利用クライアントは増加したものの、既存大口取引先1社の取引金額が減少したことから、全体の売上は減少し、減収の要因となっております。

 また、費用面としましてはクラウドサービス「売れるD2Cつくーる」の新機能開発、採用の強化、人材の育成や組織の仕組化を強固にすることを目的とした研修実施、福岡・東京オフィスともに今後の業容拡大に備えて大規模な移転及び拡張を行なって参りました。

 この結果、売上高は843,801千円となりました。また、営業損失は77,911千円(前事業年度は営業利益184,458千円)、経常損失は67,008千円(前事業年度は経常利益194,429千円)、当期純損失は52,911千円(前事業年度は当期純利益134,736千円)となりました。

 なお、当事業年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。これに伴い、当事業年度における売上高は、前事業年度と比較して大きく減少しております。そのため、当事業年度における経営成績に関する説明は、売上高については前事業年度と比較しての増減額を記載せずに説明しております。
 詳細は、「第5 経理の状況1財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

   また、当社はD2C(ネット通販)向けデジタルマーケティング支援事業の単一セグメントであるため、セグメン
  トごとの経営成績に関する記載は省略しております。

 

  第14期第3四半期累計期間(自 2022年8月1日 至 2023年4月30日)

 第3四半期累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け依然として厳しい状 況にあるものの、各種政策の効果や経済活動の段階的な再開に伴って、持ち直しの動きが続くことが期待されております。

 国内EC市場規模は2020年20兆円から2026年には29兆円に拡大(「ITナビゲーター2021年版」発表データ)が予想されており、国内外においてEC市場規模は急速に拡大しております。

 一方、WEBマーケティング広告における「不当景品類及び不当表示防止法(景表法)」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」の規制は厳しさを増しており、より慎重な広告表現が求められる状況です。保守的な広告表現への見直しによって広告効率が悪化する場合もありますが、当社では、これらの法規制等を遵守しながら、A/Bテストを繰り返し、広告効率の向上に努めております。

 このような環境の中で、クラウドサービスにおいては、売れるD2Cつくーるクライアント数は2023年4月末時点で158社と2022年7月末150社から8社増加し堅調に推移しております。なお、解約率については、2023年4月末時点で36.7%となっております。

 費用面としましては前期はオフィス移転・拡張等、積極的な投資を行っておりましたが、当第3四半期は投資の選択と集中を行うことで販売管理費は404,751千円となりました。

 以上の結果、売上高は699,785千円、営業利益は110,168千円、経常利益は122,855千円、四半期純利益は82,949千円となりました。

 

   なお、当社はD2C(ネット通販)向けデジタルマーケティング支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の経営成績に関する記載は省略しております。

 

③ キャッシュ・フローの状況

第13期事業年度(自 2021年8月1日 至 2022年7月31日)

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、減収減益で着地となったため169,751千円と前事業年度末に比べ374,666千円の減少となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果支出した資金は65,881千円(前事業年度は6,042千円の支出)となりました。これは主に、減収減益となった影響により売上債権の減少額87,897千円、減価償却費の計上60,931千円の一方で、税引前当期純損失の計上67,008千円、仕入債務の減少による支出101,980千円、法人税等の支払いによる支出44,617千円などによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果支出した資金は306,959千円(前事業年度は63,320千円の支出)となりました。これは主に、オフィス移転拡張に関する建物・工具器具備品の取得及び当社のD2C(ネット通販)クラウドサービス「売れるD2Cつくーる」の新機能開発に関するソフトウエア等の固定資産の取得280,163千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果支出した資金は1,826千円(前事業年度は10,199千円の支出)となりました。これはリース債務の返済1,826千円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績

 当社が営む事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。

 

b 受注実績

 当社が営む事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。

c 販売実績

 第13期事業年度及び第14期第3四半期累計期間における販売実績を示すと、次のとおりであります。

サービスの名称

内訳

第13期事業年度

(自 2021年8月1日 

  至 2022年7月31日)

第14期第3四半期累計期間

(自 2022年8月1日 

   至  2023年4月30日)

販売高(千円)

前事業年度比(%)

販売高(千円)

ネット広告/ランディングページ特化型クラウドサービス

売れるD2Cつくーる

251,742

104.3

200,777

売れるネット広告でざいん

94,144

58.1

102,399

売れるネット広告こんさる

50,500

160.8

42,566

マーケティング支援サービス

447,414

-

354,042

合計

843,801

-

699,785

 

(注)1.当社はD2C(ネット通販)向けデジタルマーケティング支援事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に代えてサービス区分毎の販売実績を記載しております。各サービス内容及び内訳の詳細は「第1 企業の概況3事業の内容(2)マーケティング支援サービス」に記載のとおりであります。

   2.当事業年度における販売実績の著しい変動の要因は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりであります。

    3. 当事業年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。これに伴い、当事業年度におけるマーケティング支援サービスの販売高は、前事業年度と比較して大きく減少しております。そのため、当事業年度におけるマーケティング支援サービスの販売高及び合計販売高については前年同期比の記載を省略しております。

4.最近2事業年度及び第14期第3四半期累計期間の主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

第12期事業年度

(自 2020年8月1日

    至 2021年7月31日)

第13期事業年度

(自 2021年8月1日

    至 2022年7月31日)

第14期第3四半期累計期間

(自 2022年8月1日

    至 2023年4月30日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

株式会社フィネス

540,433

22.5

162,427

19.2

55,003

7.9

株式会社ランクアップ

750,886

31.3

127,643

15.1

128,894

18.4

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 この財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社の財務諸表等の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

 「(1)経営成績等の状況 ①財政状態の状況」をご参照ください。

b.経営成績の分析

 「(1)経営成績等の状況 ②経営成績の状況」をご参照ください。

c.キャッシュ・フローの分析

 「(1)経営成績等の状況 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性について

 当社における主な資金需要は、売上原価、販売費及び一般管理費の営業費用による運転資金及び設備投資資金であります。当社は自己資金でまかなうことを基本とし、必要に応じて借入による資金調達を実施します。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社の経営成績は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載したリスク等の要因により重大な影響を受ける可能性があります。当社は、内部統制の運用、コンプライアンスに関する教育等を行うことにより、これらのリスク要因に対応してまいります。

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 当社は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、売上高、売上総利益、営業利益、売れるD2Cつくーるクライアント社数の4指標を重視しております。当社はD2C(ネット通販)向けデジタルマーケティング支援事業における収益基盤の強化、セミナー開催の実施等による積極的な営業活動を行うことで、売上高、売上総利益、営業利益、売れるD2Cつくーるクライアント社数を成長させ企業価値の向上を目指してまいります。

 

⑥ 売上高に係る参考情報

  当社は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載の

 とおり、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」

 という。)等を、第13期の期首から適用している影響で、当社の役割が代理人に該当する取引について総額表

 示から純額表示に変更を行った結果、第12期から第13期にかけて売上高が大きく減少しております。なお、売

 上総利益、営業損失、経常損失及び税引前当期純損失には影響ありません。

 各期の売上高に係る比較可能性を担保するための参考情報として、以下をご参照ください。

 

回次

第9期

第10期

第11期

第12期

第13期

決算年月

2018年7月

2019年7月

2020年7月

2021年7月

2022年7月

取扱高(千円)(注)1

1,499,409

1,889,256

2,769,801

2,400,656

2,188,905

売上高(千円)(注)2

1,499,409

1,889,256

2,769,801

2,400,656

843,801

 

(注)1.収益認識会計基準等を適用しなかった場合の売上高(取扱高)であります。また、当該数値については、有

          限責任監査法人トーマツの監査を受けておりません。

   2.収益認識会計基準等を第13期の期首より適用した財務諸表上の売上高であります。また、第9期、第10期及

          び第11期の数値については、有限責任監査法人トーマツの監査を受けておりません。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません