第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1)経営の基本方針

 当社は、「赤ちゃんの笑顔でいっぱいに -A Sea of Smiling Babies-」をキーワードに、妊娠・出産に関わる全ての方の毎日を「赤ちゃんとの毎日をもっとラクに!もっと楽しく!」していくサービスを提供しております。毎年約90万人の赤ちゃんが生まれてくることに感謝しつつ、本当に必要な情報を正しく提供しつづけることを大切にし、ユーザーからのご意見を伺いながらサービスレベルの向上を継続していき、妊娠・出産領域になくてはならない会社を目指し、事業を展開しております。

 

(2)目標とする指標

 当社は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高、営業利益及び経常利益の前年比増による成長性を重視するとともに収益性も意識しながら、拡大、成長を実現していくことを目標としております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社が事業展開するインターネット関連業界は、市場規模を拡大し続けている一方、技術の進歩や流行の変化が早く、競争の激しい業界でもあります。当社はこういった環境下において、マーケットの新たな需要や変化に迅速かつ的確に対応していくこと、ベースとする産婦人科向け事業の安定化を中長期的な経営の方針としております。

 

(4)経営環境

 厚生労働省の2019年人口動態統計月報年計(概算)によると、2019年の日本の出生数は、90万人割れとなり、この先も逓減していく傾向にあります。加えて妊娠・出産を支える産婦人科の施設数も出生数の低下と後継者不足などの理由から減少傾向となっております。出生数が年々減少している一方で妊娠・出産に関する消費市場は微増傾向で推移しており、矢野経済研究所「ベビー関連ビジネスの市場記推移(2018年)」によりますと、2018年の市場規模は4兆円超(前年比4.5%増)となっております。それに伴い子供一人当たりに対する支出も増加傾向にあります。一方で産婦人科のサービスも高度化する傾向にあり産婦人科の選別の主な要因となっております。

 その様な環境のもと、当社は、妊娠・出産に対する不安を解消すべく、専門家の監修によるコンテンツの展開、妊娠から1歳までのママ・家族との多面的な接点、コンテンツを生み出し続ける一方で、産婦人科のサービス向上の経営施策にITを使ったソリューションを提供しております。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

①メディア事業における取組について

 メディア事業におきましては、妊娠、出産、育児領域の専門サイト「ベビーカレンダー」の認知度は高まっておりますが、さらなる収益獲得のためには、PV数及びUU数の増加及び他領域への進出が欠かせません。これまでのコンテンツ、SEO強化に加え、女性の一生をサポートするサービスへと拡大し、幅広い年齢層に遡及する施策に取り組んで参ります。

 

②産婦人科向け事業における取組について

 産婦人科向け事業におきましては、当社の核となるストックビジネス「ベビーパッド」については既存顧客のリプレースと新規顧客の開拓を、新サービスのホームページ制作、かんたん診察予約システム並びにエコー動画館の拡販は、自社の営業人員で行うことの他に、販売代理店契約提携会社との連携強化を図りながら積極的な営業活動を行うとともに、ストーリー性を持たせた集患・増患に向けたダイレクトメールの発送を年2回から年4回に増やし効果的な営業アプローチ作りに注力し、近年、医療機関でも需要が増しているホームページ制作の受注拡大等も視野に入れ収益向上に取り組んで参ります。

 

③市場変化への対応

 インターネット関連市場は、今後も技術革新や新たなサービスモデルにより、既存サービスの陳腐化、代替サービス、類似サービス等の登場により競争が激化する傾向にあります。これらの変化に対応するために、市場動向を考察し、顧客企業にとって最適なソリューションを提供し続けられるよう努めております。今後も市場のニーズを先取りした商品・サービスを開発し、市場の変化に対応していくため、優秀な人材の確保、迅速な意思決定できる経営体制の構築を図っていく方針であります。

 

④優秀な人材の確保と育成

 当社は、継続的に事業拡大を行っていくために、優秀な人材を十分に確保することが課題と考えております。今後は、営業、制作、開発、管理等の幅広い分野で、高い専門性を有した管理職を育成することで、当社が市場の変化に耐えうる組織基盤を構築する考えであります。事業規模に応じた少人数での効率的な運営を意識しつつ、社内外の研修など教育制度を整備し、人事評価制度の改善やイノベーションを推奨する労働環境を作ることで従業員のモチベーションを高め、優秀な人材の確保と定着を推進していく方針であります。

 

⑤内部管理体制の強化

 当社は、今後継続的に事業が拡大していく中で、効率的な経営を行うために内部管理体制についてより一層の強化が求められていくものと認識しております。これに対応するために、当社では、各分野に専門性を有した人員を配置し、社内管理体制の強化を図っており、今後においても引き続き充実させていく方針であります。

 

⑥情報管理体制の強化

 当社では、情報セキュリティリスクに対する安全管理措置を行い、当社が所有する情報資産及び当社の取り扱う個人情報等の保護を目的として、「情報システム関連規程」及び「個人情報保護基本規程」等の諸規程を定め、情報セキュリティ体制を強化しております。同規程の下で、経営管理部が主管となり、管理体制の構築・運用及び情報セキュリティ教育を実施しております。

 

⑦安定的な収益基盤の強化

 当社では、持続的な成長を実現するためには安定的な収益基盤が必要であると考えております。収益基盤強化に向けて、既存事業においては、現在の事業領域で継続的な収益を確保しつつ、新領域での事業の開発に取り組むことで収益構造の多様化を進めてまいります。

 

⑧収益源の多角化

 当社は、これまで「赤ちゃんの笑顔でいっぱいに」をテーマに妊娠・出産に関わる事業を展開してまいりましたが、今後は「女性の笑顔でいっぱいに」をテーマに女性の一生をサポートする企業を目指し、妊娠・出産期以外の新しい領域へ積極的に進出し、事業の拡大を図る一方で、事業ポートフォリオの最適化を推進していくことで、経営の健全化を図ってまいります。

 

2【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社はこれらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した際の対応に取り組む方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

1.当社の事業について

(1)メディア事業の市場動向について

 メディア事業は、インターネットを中心とした顧客企業からの広告収入が主な収入源です。顧客企業のマーケティング投資は今後も増加すると推察しており、当社の売上拡大の余地は大きいものと考えております。しかしながら、経済情勢により顧客企業の広告費用が縮小した場合、メディア事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)出生数の減少について

 日本における出生数は、減少傾向にありますが、当社のメディア事業は顧客企業からの広告収入が主な収入源であり、母体となる「ベビーカレンダーサイト」においては様々な機能の追加及びリニューアルの実施、またコンテンツ提供先の新規開拓および拡充にともなうユーザー流入数の増加により、売上拡大の余地は大きいものと考えております。また、産婦人科向け事業は、産院のみならず、産婦人科に来院する妊産婦を対象としたサービス提供が収入源となっており、顧客となる産婦人科施設に対して、サービスを複合提供することによる取引先あたり契約単価の底上げと、産婦人科施設全体に占める当社のシェアを拡大していくことで売上拡大の余地は大きいものと考えており、当社が現在提供しているサービスを産婦人科以外の医療機関へ展開することも視野に入れております。しかしながら、今後さらに出生数が減少することによりメディア事業のPV数停滞ならびに外部提供先からの流入数減少にともなう業績への影響、ならびに産婦人科向け事業においては顧客となる産婦人科の減少が発生した場合は、産婦人科向け事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)競合他社について

 インターネットの利用者は年々増加しており、それに伴いインターネットに関連する事業への参入も年々増加しております。ただ、インターネット関連事業は多岐に亘るため、関連企業の全てが競合他社とはならない一方で、参入障壁が低い面もあり、参画企業の増加による競合激化リスクが存在します。当社では、顧客及びサービス利用者からのニーズに対応し、当社の優位性の確保とサービス向上に努め、企業価値の向上を図っていく方針ではありますが、それらの取り組みにより想定する成果を上げられない場合、ユーザーの流出や集客コストの増加等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)コンテンツの信頼性について

 当社が運営するメディアにおいて掲載するコンテンツの制作につきましては、関係者への法令遵守の徹底と記事制作におけるルールに従って掲載しております。専門家による記事への監修体制も構築し、コンテンツ内容の信頼性の担保を維持できるように努めております。

 しかし、何らの理由により正確性、安全性、確実性に欠けたコメントが掲載された場合、当社の事業及び業績、社会的な信用に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)サイトのコンテンツ等の充実について

 コンテンツの企画・制作における品質等につきましては、他社との差別化を図り、競争力を高めるためにユーザーの嗜好に深く根ざした飽きの来ないコンテンツを提供することを心掛けております。しかしながらコンテンツの内容、品質等の面で競合企業との差別化を図れず、当社サイトの閲覧数が想定どおりに確保できない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)特定取引先への集中について

 2019年12月期の売上高の17.3%が株式会社ベネッセコーポレーションとなっており、本書提出日現在、同社とは良好な取引関係を構築しております。しかしながら、同社との契約条件の変更等があった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社のメディア事業では、外部メディアへのコンテンツ提供によるユーザー獲得の取り組みを行っておりますが、提供先のメディアの規模により一部のコンテンツ提供先への依存度が高まっております。本書提出日現在、コンテンツ提供先各社とは良好な取引関係を構築しており、今後も新たなコンテンツ提供先の開拓を行ってまいりますが、これらコンテンツ提供先と永続的な取引が確約されているものではありません。主要なコンテンツ提供先との契約条件の変更等があった場合、ユーザーの流入が鈍化してPV数が減少する恐れがあり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)新規事業の展開について

 当社は、企業価値を高めるために事業規模の拡大をすべく、今後も新規事業を展開していく予定であります。新規事業については事業計画を十分に検討した上で実施することとしておりますが、その事業計画には予想や仮説に基づく部分も存在するため、当該予想や仮説が現実と大きく違った場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)検索エンジンへの対応について

 当社が運営する各サイトにおきまして、特定の検索エンジン(「Google」、「Yahoo!JAPAN」等)から多くのユーザーを集客しております。そのため、当社ではSEO(検索エンジン最適化)等の必要な施策を講じて集客力を強化しております。また、Web広告や外部配信といった多様な集客施策によりリスク分散を図っております。

 しかしながら、検索エンジンにおける表示結果(順位)は、その運営者のロジックや判断によるものであり、当社が関与する余地はなく、そのため、検索エンジン運営者の方針やロジック変更等により、これまでのSEOが有効に機能しなくなった場合、集客効果が低下し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)技術革新について

 当社の属するインターネット関連業界は、技術革新や顧客の求めるサービスの変化が早いことから、当社としては、新技術や変化する顧客のニーズに遅れることなく、柔軟に対応する方針でありますが、新技術対応や顧客のニーズへの対応が遅れた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)システムに関するリスクについて

 当社の事業において、サーバー等ハードウェアを用いてサービスを提供しております。当社は外部からの不正侵入を防ぐ対策等を行っており、システム障害の発生を未然に防ぐことに努めております。

 しかしながら、アクセス集中によるサーバー負荷の増大や自然災害、事故及び外部からの不正アクセス等により、システムダウンが発生し、重要なデータが消失または漏洩した場合や、サービスが提供できなくなった場合には、損害賠償の発生や信用低下等により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)法的規制について

 当社は、広告主による広告、メディアについて、法令を遵守したものであること、公序良俗に反しないものであることが重要であると考えております。

 当社事業に関連する可能性がある法令等として、「個人情報の保護に関する法律」、「特定商取引に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」、「下請代金支払遅延等防止法」、「消費者契約法」、「医療法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」、「健康増進法」等があります。当社では、これらの法令等に抵触しない様、管理体制を構築しておりますが、当社が取り扱うコンテンツや広告、メディアが法令や公序良俗に反し、あるいは法令違反に該当する事象が発生した場合、損害賠償の発生や信用低下等により当社の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)個人情報の管理について

 当社の事業におきまして、ユーザー及び各種プレゼントの応募者等の住所、氏名、電話番号等の個人を特定できる情報を取得しており、当社は、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務が課せられております。

 当社では、同法及び関連法令等を遵守することとしており、そのため、従業員向けの個人情報の取扱いに関する勉強会を定期的に実施するとともに、個人情報の保管されているデータベースへのアクセス権限を設けること等、各種情報セキュリティ対策を講じておりますが、情報管理に関する社内体制の不備や社外からの不正アクセス等により、これらのデータが外部に漏洩した場合、当社への信用低下や損害賠償請求等によって当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)知的財産権について

①知的財産権の保全について

 当社は、特許権・商標権等の出願により積極的に当社の有する知的財産権を保全していく方針であります。しかし、当社の行った登録出願が認定されなかった場合等、知的財産権の保全が不十分になった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②当社による第三者の知的財産権の侵害

 当社が制作するコンテンツについて、第三者の商標権・著作権等の知的財産権を侵害しないように留意し、調査を行っておりますが、完全に調査することは極めて困難であります。当社が第三者の知的財産権を侵害してしまった場合には、損害賠償または当該知的財産権の使用に関する対価の支払等が発生する場合があり、その結果、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)新型コロナウイルス感染症の影響について

 当社としてはテレワークを推進するなどの対応を継続しつつ状況を注視しておりますが、感染症が長期化することで経済活動が停滞する可能性があります。現在、新規取引先拡大における営業活動において一部影響がありますが、業績に大きな影響を与えるような事象は発生しておりません。

また、一方でメディア事業においては、新型コロナウイルス感染拡大防止のための生活様式変容(巣ごもり消費など)により当社メディアのPV数の継続的な増加が期待できるものの、経済活動の停滞が長期化した場合は、当社の顧客である医療機関や広告クライアント等の業績悪化により経営方針が変更となり、商談中の案件が失注となる可能性があるほか、商談の中断等により制作物の納品までのリードタイムが長期化し売上の計上時期が遅れ、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

2.当社の事業体制について

(1)代表者への依存について

 当社代表取締役安田啓司は、当社の重要事項に関する意思決定、基幹事業の推進等において、重要な役割を果たしております。従いまして、同氏が何らかの理由により当社の業務を遂行することが不可能あるいは困難となった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)小規模組織であることについて

 当社は、組織規模が小さく、規模に応じた業務執行体制となっており、各業務分野、内部管理において少人数の人材に依存しております。当社では特定の人員に過度の依存をしないよう組織的な経営体制を整備し、全般的な経営リスクの軽減に努めると共に、内部管理体制の整備・強化を図ってまいりますが、何らかの理由で従業員等に業務遂行上の支障が生じた場合、あるいは従業員が社外に流出した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)人材の獲得・定着及び育成について

 当社は、競争力の向上及び今後の事業展開のため、優秀な人材の獲得・定着及び育成が重要であると考えております。しかしながら、優秀な人材の獲得・定着及び育成が計画通りに進まない場合や優秀な人材の社外流出が生じた場合には、競争力の低下や事業規模拡大の制約要因になる可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3.その他

(1)配当政策について

 当社は、設立以来、経営基盤の長期安定に向け財務体質の強化と今後の事業展開に備えるため内部留保の充実を図ってまいりました。そのため、現在に至るまで配当は実施しておりません。しかし株主へ利益還元を行うことを経営戦略の重要な軸に据えているため、今後、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等を勘案しつつ利益配当を検討する所存であります。

 

(2)新株予約権行使による株式価値の希薄化について

 当社は、取締役、従業員に対し、インセンティブを目的とした新株予約権(以下「ストック・オプション」を付与しております。これらのストック・オプションに加え、今後付与されるストック・オプションの行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化し、株価形成に影響を与える可能性があります。なお、本書提出日現在におけるストック・オプションによる潜在株式数は140,000株であり、発行済株式総数743,000株の18.8%に相当しております。

 

(3)調達資金の使途について

 今回計画している公募増資による調達資金の使途につきましては、既存システムの開発投資、新サービスの開発投資、人材採用費及び人件費、広告宣伝費等に充当する予定であります。

 しかしながら、経営環境の急激な変化等により、上記の資金使途へ予定通り資金を投入したとしても、想定された投資効果を上げられない可能性があります。また、市場環境の変化から計画を変更する必要が生じた場合、調達資金を当初の予定以外の目的で使用する場合がありますが、その場合は速やかに資金使途の変更について開示を行う予定です。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態の状況

第29期事業年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)

(資産)

 当事業年度末における資産合計は、373,292千円となり前事業年度末に比べ122,694千円増加しております。

主な増減要因は、第三者割当増資の実施による現金及び預金の増加104,647千円、新規登録会員キャンペーンに伴うプレゼント品の製作費の前払いとして前渡金の増加8,817千円、繰延税金資産の回収可能性の見直しに伴う増加31,568千円、12月単月比較におきまして産婦人科向け事業におけるリース契約に伴う売上が減少したことによる売掛金の減少8,546千円、産婦人科向け事業における在庫の適正化を図ったことによる原材料及び貯蔵品の減少7,885千円、通常償却に伴うのれんの減少4,046千円によるものであります。

 

(負債)

 当事業年度末における負債合計は89,369千円となり前事業年度末に比べ1,558千円減少しております。主な増減要因は、人員増による人件費及びサービス拡大におけるソフトウェア開発費の増加により未払金が13,188千円増加したものの返済スケジュールによる長期借入金の減少7,992千円および繰延税金資産の回収可能性の見直しに伴う繰延税金負債の減少7,191千円があったためです。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は283,923千円となり前事業年度末に比べ124,252千円増加しております。主な増減要因は、利益剰余金の増加70,756千円、新株発行による第三者割当増資による資本金の増加26,790千円、資本準備金の増加26,790千円によるものであります。この結果、自己資本比率は76.0%となり、前事業年度末に比べ12.3%増加しております。

 

第30期第3四半期累計期間(自 2020年1月1日 至 2020年9月30日)

(資産)

 当第3四半期会計期間末における資産合計は、467,432千円となり前事業年度末に比べ94,139千円増加しております。主な増減要因は、四半期純利益を計上したこと及び合併時の借入金の借り換えによる現金及び預金の増加28,855千円、既存セグメントにおける売上増及び合併による売掛金の増加21,371千円、合併時におけるのれんの増加50,325千円、合併による有形固定資産の増加5,088千円、開発ソフトウェアの運用開始及び追加開発費による無形固定資産(のれんを除く)の増加8,722千円、利益計上に伴い繰越欠損金が減少し繰延税金資産が減少したことに伴う投資その他の資産の減少24,186千円によるものであります。

 

(負債)

 当第3四半期会計期間末における負債合計は125,332千円となり前事業年度末に比べ35,963千円増加しております。主な増減要因は、合併時の借り換えにより1年内返済予定の長期借入金の増加5,396千円及び長期借入金の増加13,606千円、合併に伴う資産除去債務の増加5,124千円によるものであります。

 

(純資産)

 当第3四半期会計期間末における純資産合計は342,099千円となり前事業年度末に比べ58,176千円増加しております。主な増加要因は、利益剰余金の増加58,176千円によるものであります。この結果、自己資本比率は73.1%となり、前事業年度末に比べ2.9%減少しております。

 

② 経営成績の状況

第29期事業年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)

 当事業年度における我が国経済は、雇用・所得環境や企業収益の改善が続き、景気は緩やかな回復基調で推移したものの、米中貿易摩擦の激化による世界経済の減速懸念や、欧米の政治動向などの不確実性リスクの高まりなどもあり、依然として先行き不透明な状況で推移しました。

 このような経営環境のもと当社は産婦人科向け事業による安定収益をベースとしながら、メディア事業でさらなる進展を図ることに注力した結果、当事業年度の売上高は600,045千円(前年比122.8%)、営業利益は32,547千円(前期は17,836千円の営業損失)、経常利益は32,742千円(前期は17,313千円の経常損失)、当期純利益は70,756千円(前期は19,208千円の当期純損失)となりました。

 セグメント別の状況は次のとおりであります。

 

(メディア事業)

 メディア事業におきましては、「妊娠・出産・育児」領域の専門サイト「ベビーカレンダー」の運営、広告案件の受注を目指して活動してまいりました。専門サイト「ベビーカレンダー」につきましては、当初月次でのサイト閲覧数目標を2,500万PVに設定しておりましたが、11月に計画を大幅に上回る5,500万PVまで伸長しました。さらに、12年ぶりに改訂された厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」に完全対応した離乳食ムック本を6月に出版、10月にアンチエイジングサイト「ウーマンカレンダー」、11月に「介護カレンダー」と他領域の専門サイトを続々と立ち上げました。

 この結果、同セグメントの売上高は409,947千円(前年比135.4%)、セグメント利益は127,890千円(前年比120.3%)となりました。

 

(産婦人科向け事業)

 産婦人科向け事業におきましては、主力である「ベビーパッド」の新規開拓及び既存取引先からのリプレース、ホームページ制作、並びにエコー動画館、かんたん診察予約システムといった新サービスの受注を目指して活動してまいりました。

 この結果、同セグメントの売上高は190,098千円(前年比102.3%)、セグメント利益は19,659千円(前期は35,930千円のセグメント損失)となりました。

 

第30期第3四半期累計期間(自 2020年1月1日 至 2020年9月30日)

 当第3四半期累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルスの収束が見えず、依然として予断を許さない状況が続いております。

 このような経営環境のもと、当社の営業概況におきましては、メディア事業による専門サイト「ベビーカレンダー」の認知度アップ施策や自社サイト及び紙面広告の広告枠販売による収益確保に注力いたしました。産婦人科向け事業では、産院向けの各種サービスの提供や来院患者向けのコンテンツ提供により安定した収益を計上しております。さらに第1四半期会計期間中におきましてWebマーケティング事業を主とするgaデザイン株式会社の株式を100%取得し、のちに吸収合併したことに伴い新たにWebマーケティング事業を創設いたしました。Webマーケティング事業では、ホームページ制作といったWebデザインやグラフィックデザイン、広告事業といったWebマーケティングの収益確保に注力いたしました。この結果、当第3四半期累計期間の売上高は663,456千円、営業利益は93,263千円、経常利益は93,603千円、四半期純利益は58,176千円となりました。

 セグメント別の状況は次のとおりであります。

(メディア事業)

 メディア事業においては、「妊娠・出産・育児」領域の専門サイト「ベビーカレンダー」の運営、広告案件の受注を目指して活動してまいりました。専門サイト「ベビーカレンダー」につきましては、想定した閲覧数で推移しております。広告案件においては、自社サイトの認知度アップに伴って、当初の想定を上回る受注を確保できております。

 この結果、同セグメントの売上高は433,662千円、セグメント利益は165,609千円となりました。

 

(産婦人科向け事業)

 産婦人科向け事業においては、「ベビーパッド」の新規受注及びリプレース、エコー動画館、かんたん診察予約システムといった新サービス、ホームページ制作の受注を目指して活動してまいりました。「ベビーパッド」のリプレースにつきましては、当初の想定通りに推移しております。また、ホームページ制作につきましては、今後の収益を支えるサービスの一つと位置付けておりますので引き続き受注活動を継続してまいります。

 この結果、同セグメントの売上高は168,231千円、セグメント利益は41,886千円となりました。

 

(Webマーケティング事業)

 Webマーケティング事業においては、官公庁および医療施設を中心としたホームページ制作、各種広告掲載、印刷物などの受注を目指して活動してまいりました。また、主に産婦人科向け事業のホームページ制作の内製化などにも寄与しており、今後のサービス拡大にも期待しております。

 この結果、同セグメントの売上高は61,562千円、セグメント利益は1,365千円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

第29期事業年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末より104,647千円増加し、当事業年度末には173,012千円となりました。

 

当事業年度における各キャッシュ・フローとそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によって獲得した資金は、68,480千円(前事業年度は38,879千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益32,626千円、売上債権の減少額8,546千円、たな卸資産の減少額7,885千円によるものであります。売上債権が減少した要因は、当事業年度において産婦人科向け事業におけるリース契約に伴う売上が減少したことによります。また、たな卸資産の減少の要因は、産婦人科向け事業における在庫の適正化を図ったことにより原材料及び貯蔵品が減少したことによります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、8,434千円(前事業年度は22,833千円の使用)となりました。これは主に、人員増加に伴うパソコン及び電話工事などの有形固定資産の取得による支出2,219千円、当社がリリースしたアプリおよび当社サイトの改修などの無形固定資産の取得による支出7,797千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は、44,601千円(前事業年度は22,389千円の使用)となりました。これは主に株式の発行による収入53,580千円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社の事業は、受注から納品までの期間が短く、受注に関する記載を省略しております。

 

c.販売実績

 第29期事業年度及び第30期第3四半期累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

第29期事業年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

第30期第3四半期累計期間

(自 2020年1月1日

至 2020年9月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

メディア事業

409,947

135.4

433,662

産婦人科向け事業

190,098

102.3

168,231

Webマーケティング事業

61,562

合計

600,045

122.8

663,456

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2事業年度及び第30期第3四半期累計期間における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

3.第30期においてWebマーケティング事業を主とするgaデザイン株式会社の株式を100%取得し、のちに吸収合併したことに伴い、報告セグメントとして「Webマーケティング事業」を新たに追加しております。

相手先

第28期事業年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

第29期事業年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

第30期第3四半期累計期間

(自 2020年1月1日

至 2020年9月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社ベネッセコーポレーション

93,410

19.1

103,961

17.3

77,939

11.7

株式会社日医リース

57,035

11.7

43,443

7.2

67,337

10.1

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりまして、経営者により、一定の会計基準の範囲内で、かつ合理的と考えられる見積りが行われている部分があり、資産・負債、収益・費用の金額に反映されております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

② 経営成績等の分析

第29期事業年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)

(売上高)

 当事業年度における売上高は600,045千円(前年同期比22.8%増)となりました。これは主にメディア事業における閲覧数の増加を背景に当社インターネットサイト並びにアプリの広告枠の販売が増加したことによるものです。

 

(売上原価、売上総利益)

 当事業年度における売上原価は、241,236千円(前年同期比7.3%減)となりました。これは主に、前事業年度において、在庫廃棄費用を計上したことによるものであります。

 この結果、売上総利益は358,809千円(前年同期比57.3%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当事業年度における販売費及び一般管理費は、326,262千円(前年同期比32.6%増)となりました。これは主に人件費、採用費及び広告宣伝費の増加によるものであります。

 この結果、営業利益は、32,547千円(前年同期は17,836千円の損失)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用)

 当事業年度における営業外収益は、284千円(前年同期比62.9%減)、営業外費用は、89千円(前年同期比63.4%減)となりました。

 この結果、経常利益は、32,742千円(前年同期は17,313千円の損失)となりました。

 

(当期純利益)

 特別利益に投資有価証券売却益170千円、特別損失に固定資産除却損286千円計上しております。

 この結果、当事業年度の税引前当期純利益は、32,626千円(前年同期は17,410千円の損失)となりました。

 法人税につきましては、課税所得に伴う法人税、住民税及び事業税586千円(前年同期比4.3%増)、繰延税金資産の増加に伴う法人税等調整額△38,716千円の計上により、法人税等合計額は△38,129千円となりました。

 以上により当期純利益は70,756千円(前年同期は19,208千円の損失)となりました。

 

第30期第3四半期累計期間(自 2020年1月1日 至 2020年9月30日)

(売上高)

 当第3四半期累計期間における売上高は663,456千円となりました。これは主に2020年3月に実施したgaデザイン株式会社との合併による効果とメディア事業の閲覧数の増加によるものです。

 

(売上原価、売上総利益)

 当第3四半期累計期間における売上原価は、217,734千円となりました。これは主に、売上増加に伴う機器の仕入及び外注費の計上によるものであります。

 この結果、売上総利益は445,721千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当第3四半期累計期間における販売費及び一般管理費は、352,457千円となりました。これは主に人件費、採用費及び広告宣伝費の計上によるものであります。

 この結果、営業利益は、93,263千円となりました。

 

(営業外収益、営業外費用)

 当第3四半期累計期間における営業外収益は、942千円、営業外費用は、602千円となりました。

 この結果、経常利益は、93,603千円となりました。

 

(四半期純利益)

 この結果、当第3四半期累計期間の税引前四半期純利益は、93,603千円となりました。

 法人税につきましては、課税所得に伴う法人税、住民税及び事業税1,489千円、法人税等調整額33,938千円の計上により、法人税等合計は35,427千円となりました。

 以上より四半期純利益は58,176千円となりました。

 

③ 財政状態の分析

 財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」をご参照下さい。

 

④ 経営方針、経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等

 当社、持続的な成長と収益力を高めることで企業価値を向上させることを重視しており、「売上高」・「営業利益」及び「経常利益」を重要な指標として位置付けております。これらの指標の状況は以下のとおりとなります。

 売上高は計画比85千円増(0.0%増)となりました。これは、メディア事業において当社サイト閲覧数の増加を背景とした広告枠の販売が増加したことによるものです。営業利益は計画比6,035千円増(22.7%増)となりました。これは、産婦人科向け事業において在庫の適正化を図ったことにより原材料及び貯蔵品が減少したことによるものです。経常利益は計画比6,103千円増(22.9%増)となりました。

 当事業年度におけるこれら指標はすべて達成しておりますが、引き続き当該指標の達成に邁進していく所存であります。

指標

第29期(計画)

(自2019年1月1日

 至2019年12月31日)

第29期(実績)

(自2019年1月1日

至2019年12月31日)

計画比

売上高(千円)

599,960

600,045

(前年比22.8%増)

85千円増

(0.0%増)

営業利益(千円)

26,512

32,547

(前年は17,836千円の損失)

6,035千円増

(22.7%増)

経常利益(千円)

26,639

32,742

(前年は17,313千円の損失)

6,103千円増

(22.9%増)

 (注) 当社は、前第3四半期累計期間については四半期財務諸表を作成していないため、前年同四半期累計期間との比較分析は行っておりません。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、前述の「2.事業等のリスク」をご参照ください。

 

⑥ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析について

 当社の当事業年度のキャッシュ・フローについては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社の運転資金需要のうち、主なものは販売費及び一般管理費の営業費用であり、投資を目的とした資金需要は、有形固定資産及び無形固定資産の取得によるものであります。

 運転資金の調達については、営業活動による現金収入を主としており、投資資金は借入金及び自己資金により賄っています。

 

⑦ 経営者の問題認識と今後の方針について

 当社が高品質なサービスを継続的に提供していくために、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の経営課題に対処することが必要であると認識しております。また、当社を取り巻く外部環境及び内部環境を適宜適切に把握し、市場におけるニーズを識別して経営資源の最適化に努めてまいります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社は、2020年1月14日開催の取締役会において、gaデザイン株式会社が発行する株式の全部を取得して子会社とすることを決議し、2020年1月15日付にて同社株式を取得いたしました。そののち、2020年1月21日開催の取締役会において、gaデザイン株式会社を吸収合併することを決議し、同日付で合併契約を締結し、2020年3月1日付にて株式会社ベビーカレンダーを存続会社、gaデザイン株式会社を消滅会社とする吸収合併をいたしました。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」の(重要な後発事象)に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。