第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

   文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 (1)経営方針

 「道を表し示す灯になりたい」

 

 当社の歴史は、地図・案内サインにその源流があります。

 駅の利用者・街の生活者の利便性・快適さそして豊かさを追求するため、地域の企業・事業主等のクライアント

の皆様とともに考え、歩んできました。

 当社は、総合広告代理業として、広告を単なる商業広告として捉えず、地域社会のインフォメーション発信・コミュニケーション媒体として考えています。そして企業・事業主等クライアントの皆様のビジネスパートナーとして、地域社会に役立つ・生活者を豊かにする、情報・メッセージをクリエイトし発信します。

 一方、これまでの経験や実績を生かし、地図上の図形に模様を入れることにより色弱者の方が地図を認識できるようにした、色弱者の方への色覚バリアフリーマップを開発しました。このマップは、国土交通省による平成19年度[バリアフリー整備ガイドライン]に、色覚障がい者に配慮した地図の手本として掲載され、現在も継承されています。また、災害時の避難誘導マップ、地域の特性が分かりやすいイラストマップや鳥瞰図(パノラマ図)を採用した観光マップを作成する等、社会のインフラ整備にもお役に立ちたいと考えています。更にはインターネットを最大限活用すべく開発部署を立ち上げ、この理念を将来に亘って追求してゆくことといたしました。

それが皆様に喜んでいただく、社会に貢献するための当社の使命だと信じています。

ナビタとメディアとサイン、私たちの全ての事業を通して誓います。

いつの時代にも「道を表し示す灯になりたい」

灯を目指し続ける企業。私たちは表示灯です。

 

 (2)経営戦略等

  ①新規媒体の開発

 Web広告の強化を含め開発本部を2本部制にします。第1開発本部は、「鉄道・神社・空港」、「自治体・市民センター」、「医療施設」、「Web関連」、「都市整備開発」、「新規事業企画」の6部門、第2開発本部は、「交番・運転免許センター」の1部門を担当し、それぞれの担当組織が専門業種の開発に特化した開発営業活動を行うことで早期の媒体開発を図ります。当社の成長は駅・自治体庁舎に比する新たなプラットフォームに対する広告媒体設置拡大によるところが大きくなります。以下のプラットフォームへの拡大に注力します。

・メディカルナビタの拡大

大学病院等の特定機能病院や公立病院等の地域医療支援病院、200床以上の病床数を持つ病院の内、当該病院のHPあるいは当該病院の館内の登録医一覧等で確認した、おおむね100以上の登録医・提携医療機関を持つ569病院をメインターゲットとして2017年より本格的に設置を進めています。既に144病院(2021年1月31日現在)に設置済みです。

・神社ナビタの拡大

参拝者数の多い神社や観光名所となっている113神社を開発ターゲットとして、2018年より本格的にデジタルサイネージ設置を進めています。既に60神社(2021年1月31日現在)に設置済みです。同様に今後は寺院への設置も進めていきます。

・コミュニティバスへの拡大

コミュニティバスへの広告モニター設置を新たに試験的に開始しました。愛知県刈谷市のコミュニティバス『かりまる』のバス10台にデジタルサイネージを設置し、広告放映を行っており、運営バス事業に対し、広告納金をお支払いすることで、行政サービス運用維持への財源として活用いただいております。今後は、コミュニティバスを運行している1,058市町村を開発ターゲットとして本格的に設置を進めていきます。

・ハローワークのロケーションを活かした広告活用

ハローワークの特徴を活かし、デジタルサイネージによる広告媒体を展開します。企業主が当該広告に募集要項等を掲載することができるほか、企業イメージを発信することでハローワーク利用者への求人訴求効果を高めます。設置実績はまだありませんが、全国544ヵ所(2021年1月31日現在)のハローワークをターゲットに設置営業を行います。

  ②ナビタのデジタルサイネージ(電子看板)化

 インバウンド旅行者を含むナビタ利用者の利便性を図るために、ナビタのデジタルサイネージ化の推進を行います。また、既存のナビタのデジタルサイネージ化により、媒体価値を向上させ売上拡大にも結び付けます。

③制作関連のコストダウン

 最近の筐体は広告掲出面にモニターを使用するデジタルサイネージが多く、1機当たりの製造コストも従来に対して高額となるため、生産本部は、営業本部、開発本部と連携し、コストパフォーマンスを高める研究を行います。また新筐体の開発も含め、ナビタ関連製品の生産性向上に重点的に取組みます。

④DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務効率化・生産性の向上

 既存業務の自動化、デジタル管理の活用等により営業社員の非生産的業務をDX化し、生産的業務時間の拡充をはかります。また、DXを積極的に取り込むことにより、業務効率が向上し事業拡大における収益につなげたいと考えております。

 

 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社では売上高、営業利益を重要な指標と考え、目標管理しております。当社の主力事業であるナビタ事業とアド・プロモーション事業は、契約期間が複数月に亘ることから、社内での目標管理の徹底を図るため、財務会計ベースの月次計画と併せて管理会計ベースの目標設定も行い、全社、全部門への周知を行っています。毎月開催する経営会議、取締役会においても財務会計ベースの月次利益計画と併せて管理会計ベースの目標の単月、累計の利益計画の進捗度合いの報告、分析を行います。管理会計ベースの利益計画においては、売上内容をナビタの種類別、事業所別に分析することにより実態の把握をし易くしており、各事業所への指導にも使用されております。

 

 (4)経営環境及び対処すべき課題

 当社は、今後持続的な成長を図っていくためには、事業の成長や業容の拡大に伴い、経営管理体制のさらなる充実・強化が課題であると認識しており、株主やその他ステークホルダーに信頼される企業となるために、コーポレート・ガバナンスへの積極的な取組みが不可欠であると考えております。そのため、優秀な人材の採用・育成により業務執行体制の充実を図り、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するような仕組みを強化・維持していくとともに、業務の適正性及び財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底しております。新型コロナウイルス感染症拡大の影響もある中、当社が当面対処すべき課題としては下記の6点があります。

①Web商品の強化、開発

 ナビタ事業においても、デジタルサイネージ化による多言語化(英語、中国語、韓国語等)、サービスの高機能化(動画による伝達情報量の拡大)、競争力の強化が必要と考え対応しております。更にはデジタルサイネージ化の流れの延長線上にあるWeb商品への対応も必要不可欠です。当社においてもナビタと連動したe‐ナビタから業態に特化したTAXFREESHOPS.JP、e-グルメ、目的地までの道案内機能を持つ(ここからGO!)等のサービスを提供しておりますが、Web商品の強化は喫緊の課題と考えております。そのためWeb関連ビジネスの推進を目的に経験ある人材の登用により体制強化を進めております。

②人材の育成

 今後業績を維持、成長させていくためにも人材の採用・育成は不可欠です。営業担当社員への実績管理により教育のみならず、ロールプレイング研修、タブレットを利用した営業ツールの共有、同行営業等を行い、営業力のボトムアップを行います。また、業務管理担当社員に対しては、外部コンサルタントによる研修を含め、各自の業務処理能力に合わせてのスキルアップを行います。

③システム強化による効率化の推進

 売上規模の増大、提供サービスの増加に伴い管理部門の強化が必要となりますが、システム化等の業務効率化の整備を進めることで、必要人員を検証し適正な人員数を目指しております。そのための基幹システムの改修も計画しております。

④ナビタ事業におけるスポンサーへのアド・プロモーション商材の提案営業

 アド・プロモーション事業は、現在も駅構内の看板や車両広告を中心に、全国規模のネットワークや、ナビタ事業におけるスポンサー・自治体との繋がり等、当社独自の強みを生かし事業を進めておりますが、ナビタ事業におけるスポンサーへのアド・プロモーション商材の提案営業に一層注力していきます。今後、一定エリアの道路上に複数設置されるロードサイン等へ企業等が本社主導で一括して広告掲出等を行うことも想定されることから従来の個々の店舗への営業にとどまらず本社向け営業を強化しナショナルクライアント(全国的な知名度、ブランドを持つ企業)の獲得を目指します。

⑤テレワークの推進

 新型コロナウイルスのような感染症の流行・自然災害時においても、事業活動を存続させるためテレワークに対応できる管理体制構築の必要性を強く感じています。タブレット端末のみならず、VPN環境を設定したノートPCを増設する等の対応を行っています。また、営業活動においてもWeb営業への取り組みを開始し更なるテレワークの推進を行います。

⑥プラットフォームを活かした新規ビジネス

 様々な業種に広がるナビタ事業におけるスポンサーとのネットワークや自治体・病院・鉄道会社等のロケーションオーナーとのネットワークを活かした新しいサービス提供を行うため自社開発にこだわらず様々な企業との業務提携やM&Aも検討していきます。プラットフォーム内に蓄積された情報をもとに新規ビジネスを創出することで、ライフスタイルナビゲーターとしての役割を担える存在を目指します。

 

2【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがあります。当社は、これらのリスクを十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針です。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営管理体制に関するリスク

①内部管理体制の整備状況にかかるリスクについて

 当社では、企業価値を継続的かつ安定的に高めていくためには、コーポレート・ガバナンスが有効的に機能するとともに、適切な内部管理体制の整備が必要不可欠であると認識しています。業務の適正性および財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な整備・運用と、法令・定款・社内規程等の遵守を徹底しています。しかしながら事業の急速な拡大により、適切な業務運営が困難となった場合には、当社の業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

  ②人材の確保および育成について

 当社のナビタ事業の営業は、設置個所の多さから常に一定数の営業社員の確保が必要となります。また、原則として単独で営業を行うため、営業社員の育成は重要課題ですが、募集に対する応募件数は都道府県により大きく差があります。また、技術関連については専門分野に対応した人材の採用が必須となるため、採用活動に注力し、採用した社員への教育・研修体制の充実・強化を図り、早期戦力化と人材の定着に努めております。しかしながら、必要な人材の確保及び育成が計画通り進まない場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、当社の業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③コンプライアンス体制について

 当社は、企業価値を高めていくためにはコンプライアンス体制が有効に機能することが重要と考えています。そのため、コンプライアンスに関する社内規程を策定し、全役員および全社員を対象に周知徹底を図り、併せてコンプライアンス体制の強化に取り組んでいます。しかしながら、当社の事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、当社の業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業環境に関するリスク

①情報システム・情報管理について

 当社では、複数のITシステムを使用して業務処理・管理を行っており、安定した運用を行うためのシステム強化及びセキュリティ対策に注力しています。しかしながら、これらのシステムについて事故・災害、人為的ミス等により、その機能に重大な障害が発生した場合、当社の事業運営に重大な影響を与え、当社の業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

②サイン工事に関連する事故について

 当社は、一般建設業許可を取得しており、看板等の設置工事も行っております。安全のためのサインマニュアルを配備すると共に、施工にあたっては事故防止に向けた対策を行っております。しかしながら、当社が施工した看板等が落下、倒壊等により人的被害が発生した場合は、その事故の規模により当社の業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③与信管理について

 当社は取引先に対し、必要に応じて与信調査の実施、与信限度額の設定等、与信管理に努めております。しかしながら、取引先の経営破綻または信用状況の悪化により当社が保有する債権が回収不能になる信用リスクがあります。このような事態が生じた場合、当社の業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④経済状況について

 当社は、多様な媒体において広告代理業に従事しております。特定の業種及び取引先に依存することなく、市場の動向を注視し業績の拡大を図っております。しかしながら、マクロ経済の悪化・関連市場の動向・国内外の景気変動等は、当社の業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤モバイル機器の普及について

 現在では視認性が高く地域が広範囲に把握できるナビタの有用性はスポンサーから支持されておりますが、色弱者対応、多機能化等、更なる利便性の向上にも努めております。また、「ここからGO!」等のスマートフォン向けのアプリの開発にも注力しております。しかしながら、今後モバイル機器の地図ソフト等が更に高性能化することにより、ナビタへの顧客の獲得・維持が困難になる可能性があり、当社の業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥法的規制等について

 当社は、ナビタ事業、アド・プロモーション事業の一部においては、屋外広告物法に基づく各地方公共団体の屋外広告物条例の規制を受け、サイン事業においては、一般建設業許可(有効期限2022年12月16日まで)を有し建設業法の規制を受けております。屋外広告物許可は、本社において許認可期間を管理することにより失効を未然に防止しています。また、サインマニュアルにより社員への法令順守体制の構築と強化を図っております。しかしながら、法令に違反した場合は指名停止、許可の取り消し等の処分を受ける場合があり、当社の業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦個人情報の保護について

 当社は、「個人情報の保護に関する法律」に基づく「個人情報取扱事業者」として社員及び顧客の個人情報を保有しており、これらの個人情報については、適正な管理に努め万全を期しております。しかしながら、個人情報が外部へ漏えいするような事態が発生した場合には、社会的信用の失墜、損害賠償による費用の発生等により、当社の業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

  ⑧大株主について

 当社の取締役会長である吉田大士氏(同氏の資産管理会社である喜平会株式会社及び、TYシエル株式会社を含む)は、発行済株式総数の47.9%を所有しており、取締役副会長である栗本肇氏(同氏の資産管理会社であるHKO株式会社、YKT株式会社及びMKT株式会社を含む)は、発行済株式総数の46.1%を所有しております。本書提出日現在で両名が所有する株式は、発行済株式総数の94.0%です。当社株式の上場時において、その所有する当社株式の一部を売却する予定ではありますが、引き続き大株主となる見込みです。

両氏は、当社の創業者であり、当社の事業に関する豊富な知識と経験、人脈を有しており、代表取締役社長である上田正剛とともに、当社の経営指針の検討において重要な役割を果たしております。両氏は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使に当たっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。当社といたしましても、両氏は安定株主であると認識しております。しかしながら、将来的に何らかの事情により両氏により当社株式が売却された場合には、当社株式の市場価格、流通状況及び議決権行使の状況に影響を及ぼす可能性があり、当社の業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨他社との競合について

 アド・プロモーション事業、サイン事業には、多くの競合他社があります。当社におきましても媒体開発、カスタマーサービスの向上等により競争優位性の維持・向上に努めてまいります。しかしながら、販売競争、価格競争により、当社が顧客を獲得・維持できず、当社の事業活動や業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩訴訟について

 当社は、2021年3月4日現在において、重要な訴訟を提起されている事実はありません。また、コンプライアンス規程を定め、コンプライアンス委員会を四半期単位で開催することを通して全社において法令順守の維持・向上に取り組んでおります。しかしながら、当社が事業活動を展開する中で、知的財産権、製造物責任、債権債務、労務等、様々な訴訟の対象となるリスクがあります。何らかの要因で訴訟を提起される可能性があり、当社の事業活動や業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪固定資産の減損について

 当社では、支店を資産グループとして認識し、営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フロー、回収可能価額を著しく低下させる変化、経営環境の著しい悪化等を確認し、減損の兆候の有無を把握しております。しかしながら、減損の兆候がある資産グループが十分な将来キャッシュ・フローを創出できないと判断される場合には減損損失を計上することも予測され、当社の業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫ビジネスモデルに関するリスク

 アド・プロモーション事業での壁面広告のデジタルサイネージ化、また、ナビタ事業における筐体表示部分のデジタルサイネージ化は、表示できる情報量が増加し利用者の利便性を高め顧客満足につながる反面、材料費、維持費等のコストが増加します。当社は設置箇所の市場性を勘案し設置コストの最適化を図ってスポンサーへの提案を行うことで、コストの増加抑制に努めております。しかしながら、コストの増加がスポンサーの掲出料金の値上げにつながり、スポンサー離れ、またはナビタ事業での契約の継続率低下につながる場合には、当社の業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬納品の季節変動について

 当社のサイン事業での納品は、建設業界の慣習的な要因もあり年度末に集中する傾向があります。同様にナビタ事業に関しましても、自治体等ロケーションオーナーの要請もあり年度末に設置が集中する傾向があります。こうした傾向に対し当社では、納期管理を徹底し計画通りに完成、納品ができるよう努めております。しかしながら、多くの企業が3月期決算であることから、期末に向けて受注、納品が活発になるという季節変動があり、仕入、制作等を含め業務が第4四半期に集中する傾向があります。ナビタ事業においては売上の期間計算を行うため、納品の集中がそのまま業績の集中にはなりませんが、何らかの理由により計画通りの納品ができない場合には、納期遅れ、工期遅れとなり、当社の信用および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)自然災害・感染症等の発生に関するリスク

①自然災害について

 当社のナビタ事業、アド・プロモーション事業は、広告掲載料が売上構成比の多くを占めております。大規模な自然災害に備えて、当社では基幹システムのサーバーを災害に対して堅牢なソフトバンク株式会社のデータセンターへ移管する等、防災化に努めております。しかしながら災害が発生した際は、ナビタ筐体自体を含め広告の掲出施設、場所が被災し損壊することにより掲出の継続が困難となり、また、スポンサーが被災することにより一時的に事業が継続出来なくなる可能性があります。被災地ではない地域でも、節電施策が取られた際は、筐体のデジタルサイネージ、照明が使用できなくなることから所定の役務を提供できなくなる場合があり、当社の業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

②新型コロナウイルス感染症拡大の影響について

 当社は、社内において営業時のマスクの着用、テレワークの推進等の感染防止対策を行っております。しかしながら、感染拡大により営業活動の停止、事業所および広告媒体の設置施設の一時閉鎖等のリスクがあり、その結果、当社の事業活動や業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、感染症拡大に伴い飲食、宿泊施設等の業績が悪化している業種の協賛スポンサーにおいては、契約の継続率の低下や未回収リスクが高まり、その結果、当社の事業活動や業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 第54期事業年度(自2019年4月1日 至2020年3月31日)

 当事業年度におけるわが国経済は、雇用情勢や個人所得環境に改善が見られ、緩やかな回復基調にありましたが、当期終盤に発生した新型コロナウイルス感染拡大の影響により、先行き不透明感が高まっています。

 こうした経済状況の中、広告業界におきましては、インターネット広告の分野が大きく伸びる中、クライアン

トのニーズの多様化によって、インターネット広告のみで解決できないマーケティング課題を、従来からある媒

体と組み合わせる等して解決する統合ソリューションがより深化しております。

 当社におきましては、スポンサーニーズに合わせて様々なロケーションにおいて積極的な媒体設置に取り組み、従来の鉄道駅、市役所・区役所等の自治体設置に加えて、全国の病院や空港、運転免許センター、神社、市民センター等へのデジタルサイネージ媒体を設置し、多面的なコンテンツ提供を可能にしてまいりました。また、資材調達コストの見直しを通じて収益性の改善を図り、さらなる広告媒体への拡大に取り組んでまいりました。3月までの売上に関わる営業活動は2月までにほぼ終了していたことから新型コロナウイルス感染拡大は当期の営業成績には大きな影響はありませんでした。

 以上の結果、当事業年度の売上高は13,065百万円(前期比7.8%増)、営業利益は1,058百万円(同13.7%

増)、経常利益は1,204百万円(同6.6%増)、当期純利益は807百万円(同1.8%減)となりました。

なお、セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。

(ナビタ事業)

 媒体価値を向上させるため、引き続き「デジタルサイネージ化」を推進するとともに、さらなる新規・拡大

の獲得に取り組んでまいりました。ステーションナビタ事業におきましては、東京メトロによる駅工事等が相

次ぎ筐体の一時撤去を余儀なくされていることもあり、低調な推移となりました。シティナビタ事業及び公共

ナビタ事業における昨年の新規・拡大の契約増加が当事業年度の売上にも大きく寄与し、売上高は8,461百万円

(前期比5.1%増)、セグメント利益は1,231百万円(同8.1%増)となりました。

(アド・プロモーション事業)

  広告各種における最適な企画・プレゼンテーション等によるトータルプランニングのサービスの向上を図る

 とともに、新たな付加価値の創造によるサービスの拡大に取り組んできたことから、売上高は2,271百万円(

 前期比5.8%増)、セグメント利益は87百万円(同79.5%増)となりました。

(サイン事業)

 快適で機能的な生活空間の創造をコンセプトとし、美しいデザインと機能性を併せもつ便利なサインの提供

に引き続き努め、また、東京メトロの駅工事等による大型工事を獲得したことにより、売上高は2,332百万円

(前期比21.8%増)、セグメント利益は165百万円(同35.5%増)となりました。

 

 第55期第3四半期累計期間(自2020年4月1日 至2020年12月31日)

 当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大にともない、国内においても4月に緊急事態宣言が出され、社会・経済活動が急速に停滞し、個人消費や輸出が縮小したことから、極めて厳しい状況となりました。緊急事態宣言の解除後には経済活動が再開されましたが、新型コロナウイルス感染症の収束時期は未だ見通せず、景気の先行きについては予断を許さない状況となっております。

 広告業界(注1)においても、新型コロナウイルスの感染拡大により、第1四半期は前年を2割以上割り込み、その後、テレビ等のマス広告は回復基調にあるものの、屋外広告、交通広告は回復の兆しが見られませんでした。また東京2020オリンピックが延期されたことも広告需要の減退につながりました。

 当社におきましても4月からの緊急事態宣言中は、新規顧客獲得営業活動がほとんど行えず、既存顧客の継続勧奨に注力せざるを得ない状況となりました。このような環境下、4月に新型コロナウイルスの飛沫感染防止のためのアクリル板「安心ガード」を発売し、5月に「ワークガード」「フェイスガード」、7月に「テーブルガード」、9月に「伸縮する安心ガード」を発売し、病院、一般企業、公共機関を中心に12月末までに269百万円の売上をあげることができました。

 また、ナビタ事業については、3年契約ですが、毎年、地図・広告を最新版に更新しており掲出期間を1年毎としております。更新後1年間にわたり売上が計上されるため、当第3四半期累計期間における売上高は、感染拡大の影響のなかった2020年3月期に獲得した契約が寄与する結果、新型コロナウイルス感染拡大の影響は大きくはありませんでした。一方、アド・プロモーション事業については、新型コロナウイルス感染拡大の影響により広告需要は大きく減退しました。サイン事業については、4月からの緊急事態宣言による工事の中断が見られましたが、その後、工事が再開され完工したため、新型コロナウイルス感染拡大の売上への影響は軽微でした。

 以上の結果、当第3四半期累計期間の売上高は、9,725百万円となりました。営業利益は943百万円となり、経常利益は983百万円、四半期純利益は655百万円となりました。

(注1)「特定サービス産業動態統計調査」(経済産業省2021年2月8日公表)によります。

 セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。

(ナビタ事業)

 ステーションナビタ事業においては、前年度の東京メトロの駅工事による筐体の一時撤去の影響がありましたが緩やかに回復し、シティナビタ事業及び公共ナビタ事業においては、前年度の新規・拡大の契約増加が寄与し、売上高は6,308百万円、セグメント利益は1,004百万円となりました。

(アド・プロモーション事業)

 新型コロナウイルスの影響による広告需要の減退から、新規契約が減少するとともに既存契約についても解約が増加したことから、売上高は1,369百万円、セグメント利益は13百万円となりました。

(サイン事業)

 新型コロナウイルスの影響により一部の工事は中断、延期になりましたが、9月までには、東京メトロの駅工事等の大型工事が相次いで完成したことに加え、「安心ガード」等の販売が寄与し、売上高は2,046百万円、セグメント利益は244百万円となりました。

 

② 財政状態の状況

 第54期事業年度(自2019年4月1日 至2020年3月31日)

  当事業年度末の総資産は12,065百万円(前年度末比814百万円増)となりました。

 資産、負債及び純資産の状況については以下のとおりであります。

 a.資産

流動資産は、現金及び預金、売掛金の増加により、6,102百万円(同658百万円増)となりました。

固定資産は、ナビタ事業における設備投資増により、有形固定資産が増加したことなどから、5,962百万円

(同155百万円増)となりました。

 b.負債

流動負債は、仕入債務や前受収益が増加したことなどにより、6,708百万円(同247百万円増)となりました。

固定負債は、長期借入金の返済等により、183百万円(同38百万円減)となりました。

 c.純資産

剰余金の配当194百万円実施した一方、当期純利益807百万円の計上による繰越利益剰余金の増加等から純資

産は5,173百万円(同606百万円増)となりました。

 

 第55期第3四半期累計期間(自2020年4月1日 至2020年12月31日)

 当第3四半期会計期間末の総資産は12,442百万円(前年度末比377百万円増)となりました。

資産、負債及び純資産の状況につきましては、以下のとおりであります。

 a.資産

 流動資産につきましては、売上債権は減少したものの、現金及び預金の増加等により6,527百万円(同424百万

円増)となりました。

 固定資産につきましては、ナビタ事業における設備投資が減少するとともに、減価償却による有形・無形固定

資産の減少により、5,915百万円(同46百万円減)となりました。

 b.負債

 流動負債につきましては、仕入債務の減少等により、6,569百万円(同138百万円減)となりました。

 固定負債につきましては、長期借入金の返済等により、176百万円(同7百万円減)となりました。

 c.純資産

 剰余金の配当を136百万円実施した一方、四半期純利益655百万円の計上等から純資産は5,697百万円(同523

百万円増)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 第54期事業年度(自2019年4月1日 至2020年3月31日)

 当事業年度末における現金及び現金同等物は、3,644百万円(前年度末比275百万円増)となりました。

 現金及び現金同等物の主な変動要因については、次のとおりであります。

a.営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益1,182百万円に対し、法人税等の支払額が326百万

円、売上債権の増加額が346百万円、支出を伴わない減価償却費の計上が670百万円あったことなどから、

1,318百万円の収入(前期比247百万円減)となりました。

b.投資活動によるキャッシュ・フロー

  投資活動によるキャッシュ・フローは、駅他周辺案内図その他広告媒体設備等の有形固定資産の取得による支出が679百万円、デジタルサイネージのソフトウェア等の無形固定資産の取得による支出が107百万円発生したことなどから、805百万円の支出(同52百万円増)となりました。

c.財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出が39百万円、配当金の支払額が194百

万円発生したことなどから、236百万円の支出(同1百万円増)となりました。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

      当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

      当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

    c.販売実績

 第54期事業年度及び第55期第3四半期累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとお

りであります。

セグメントの名称

第54期事業年度

(自2019年4月1日

至2020年3月31日)

前年同期比(%)

第55期第3四半期累計期間

(自2020年4月1日

 至2020年12月31日)

ナビタ事業       (千円)

8,461,520

105.1

6,308,818

アド・プロモーション事業(千円)

2,271,722

105.8

1,369,772

サイン事業       (千円)

2,332,158

121.8

2,046,659

合計(千円)

13,065,401

107.8

9,725,250

 (注)1.セグメント間の取引については該当事項はありません。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合

が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

  当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。こ

 の財務諸表の作成に当たりまして、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積

 りを行っております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しており

 ますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。

  詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響等につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 第54期事業年度(自2019年4月1日 至2020年3月31日)

 (売上高)

  当事業年度の売上高は13,065百万円(前期比7.8%増)となりました。これは、新型コロナウイルス感染拡大

 の影響はほとんどなく、ナビタ事業、アド・プロモーション事業、サイン事業ともに堅調に推移し、特にサイン 事業において、東京メトロの駅工事等の大型工事により売上を大きく伸ばしたことによるものです。

(売上原価、売上総利益)

 当事業年度の売上原価は、7,276百万円(前期比9.8%増)となりました。これは、制作費、広告納金、外注

費、筺体償却費等が増加しましたが、特にサイン工事の増加により外注費が大きく増加したことによるもので

す。この結果、売上総利益は5,788百万円(前期比5.5%増)となりました

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は、4,730百万円(前期比3.8%増)となりました。これは、主に人件費、

旅費交通費の増加によるものです。この結果、営業利益は1,058百万円(前期比13.7%増)となりました

(経常利益)

 当事業年度において、保険解約返戻金等で営業外収益が161百万円、営業外費用が15百万円発生しておりま

す。この結果、経常利益は1,204百万円(同6.6%増)となりました

(当期純利益)

 当事業年度において、固定資産除却損18百万円を特別損失に計上したこと、所得拡大税制の適用がなかったこ

となどにより、当期純利益は807百万円(同1.8%減)となりました。

 

第55期第3四半期累計期間(自2020年4月1日 至2020年12月31日)

(売上高)

 当第3四半期累計期間の売上高は9,725百万円となりました。これは、ナビタ事業の売上高は、新型コロナウ

イルス感染拡大の影響がなかった前年度に獲得した契約が大きく寄与したこと、サイン事業が東京メトロの駅工

事等の大型工事が相次いで完成したことに加え、「安心ガード」等の販売が寄与したことによるものです。

(売上原価、売上総利益)

 当第3四半期累計期間の売上原価は5,392百万円となりました。これは、主にサイン事業における外注費が大

きく増加したことによるものです。この結果、売上総利益は4,332百万円となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当第3四半期累計期間の販売費及び一般管理費は3,389百万円となりました。これは、主に人件費、旅費交

通費の減少によるものです。この結果、営業利益は943百万円となりました。

(経常利益)

 当第3四半期累計期間において、営業外収益が52百万円、営業外費用が12百万円発生しております。この結

果、経常利益は983百万円となりました。

(四半期純利益)

 当第3四半期累計期間において、固定資産除却損7百万円を特別損失に計上したことなどにより、四半期純利

益は655百万円となりました。

 

③財政状態の分析

  当事業年度末の総資産は12,065百万円(前年度末比814百万円増)となりました。

 資産、負債及び純資産の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載

 のとおりであります。

 

   ④キャッシュ・フロー状況

  当事業年度末における現金及び現金同等物は、3,644百万円(前年度末比275百万円増)となりました。

 キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」

 に記載のとおりであります。

 

⑤当社の資本の財源及び資金の流動性について

    a.資金需要

     当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、広告納金、外注費、製造経費、販売費及び一般管理費

    等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。また、株主還元に

    については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。

    b.財政政策

     当社は、事業活動の維持拡大に必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針として

    おります。運転資金及び投資を目的とした資金の調達につきましては、自己資金を基本としており、自己資金

    で補うことができない場合は金融機関からの借入を基本としております。

 

   ⑥経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析

     当社では売上高、営業利益を重要な経営指標として位置付けております。最近2事業年度及び第55期第3四

    半期累計期間の推移は以下のとおりであります。

経営指標

第53期事業年度

(自2018年4月1日

  至2019年3月31日)

第54期事業年度

(自2019年4月1日

  至2020年3月31日)

第55期第3四半期累計期間

(自2020年4月1日

  至2020年12月31日)

   売上高 (千円)

12,116,179

13,065,401

9,725,250

   営業利益(千円)

931,065

1,058,474

943,899

     今後も新規媒体の開発に取り組むことによって、売上高及び営業利益の増加を目指してまいります。

 売上高、営業利益の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとお

 りであります。売上高は、第53期事業年度においてデジタルサイネージを活用した広告媒体の増加により前期比

 増収の12,116,179千円、第54期事業年度においてナビタ事業における新規・拡大契約の増加やサイン事業におけ

 る大型工事の受注等が寄与し前期比増収の13,065,401千円となりました。また、第53期事業年度及び第54期事業

 年度において営業利益は生産部門の効率化等により931,065千円及び1,058,474千円となりました。

 

   ⑦経営成績に重要な影響を与える要因について

     経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとお

    り、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

     そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化、優秀な人材の確保、市場のニーズにあ

    ったサービスの展開等により、当社の経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応

    してまいります。

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。