文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
<経営理念>
「革新と挑戦と夢」
<ビジョン(目指す姿)>
「食を通じておいしさと楽しさを提供し、お客様の明るく健康な生活に貢献する会社」
<経営方針>
ビジョンの実現のために、以下の取組みを進めております。
・おいしさと楽しさを「タンパク加工技術」と「品質衛生管理技術」の融合により実現し、お客様の満足度を向上し続けます。
・食に関する幅広い事業展開により、社会の発展と豊かなライフスタイルの確立に貢献するグローバルな企業グループを目指します。
(2)中期的な経営戦略等
<基本戦略>
当社は、2021年4月から開始した3カ年の中期経営計画において、「収益性向上・財務体質改善による『持続的成長サイクルの確立』」を基本戦略としております。持続的に成長できる企業体質を構築すべく、現中期経営計画期間は「成長性と収益性の基盤づくり」の期間と位置付けております。
<中期経営計画の基本方針>
当社グループは、「創造と改革により成長性と収益性ある企業グループ」を目指し、以下を現中期経営計画の基本方針としております。
①成長の加速
国内における事業の安定成長と、海外における事業の拡大を図ります。
国内食品事業においては、高たんぱくや低脂質、低糖質などの健康志向と簡便性、たのしさ等のお客様のニーズに合致した商品ラインアップの充実、SNSを活用したプロモーションの実施、小売店での店頭演出の強化、販売チャネルの拡大等によって、着実な成長を目指します。
海外食品事業においては、マーケティング機能と商品開発の強化により、和食・水産練り製品を通じた現地食文化への浸透と、市場トレンドである健康志向ニーズに対応した商品展開を進めるとともに、新規市場開拓を進めてまいります。また、そのためにグローバルワイドでの供給能力の増強を図ります。
食品関連事業においては、ITと物流の高度な連動を更に強化し、高品質かつ環境負荷に配慮したチルド物流サービスを推進するとともに、グループ企業との事業で培ったノウハウの外販にも取り組んでまいります。
②経営効率の改善
トータルコストを見直し、コスト競争力のある強靭な企業体質を目指します。
最近の国際的な需給変化や国際情勢に関する地政学的リスクの高まりによる原材料、エネルギー、運送費等の急速なコスト増に対応するため、継続的な生産効率の改善に加え新規原材料の開発や製造技術の革新に取り組み、中長期視点での原材料相場に左右されない経営体質構築を図ってまいります。販売費及び一般管理費については、コロナ禍を契機とする新常態(ニューノーマル)に対応した業務効率の最適化と更なる進化を通じ、継続した低減を図っていきます。
③経営基盤の整備
将来の成長に向けた「おいしさと健康」という新たな商品価値創造の基盤となる研究開発を推進します。
また、持続的に成長しつつ、社会に求められ支持される存在であるために、気候変動問題や人的資本・知的財産への投資等の企業活動のサステナビリティに関する課題にも取り組み、経営の進化を続けます。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2021年度から2023年度までの中期経営計画において、年度ごとに売上高と経常利益の金額を数値目標として設定しております。売上高については成長性を把握する指標、経常利益については事業の収益性を把握する指標と認識しており、重要視しております。
中期経営計画の2年目にあたる2022年度の連結業績は、売上高1,040億円、経常利益33億円を目指します。なお、中長期の目標として、現中期経営計画終了時の目標とする指標は、(2)の<基本戦略>に記載のとおりであります。
(4)経営環境と戦略
当社グループを取り巻く経営環境は、後述のように食のグローバル化と新常態により事業機会が拡大しつつあります。半面、ウクライナ情勢に見られる地政学的リスクの顕在化などによるエネルギー価格高騰や経済回復状況にある国々の金融政策変更等に起因する為替変動リスク、インフレ懸念からの原材料等の上昇から、対応すべき様々なリスクが混在していると認識しております。また、新型コロナウイルス感染の世界的な拡大と減少の繰り返し、国際的な政治情勢の変化などによりグローバルなサプライチェーンの寸断等による影響も顕在化しており、世界経済全体の不透明感に懸念が示されております。
(国内食品事業)
国内食品事業を取り巻く経営環境は、全体として厳しい状況が継続すると想定しております。依然として「低価格志向」のような全体的な消費の下押し圧力は避けられず、また、最近の食料品価格の値上げと勤労者所得の低迷から消費者の節約志向は一層強まると予想しております。一方、新型コロナウイルス感染症対策を契機とする新常態から、消費者の「内食需要」の高まりも見られ、2020年4月以降の国内における水産練り製品については、主要企業の主力商品年間販売高が前年同時期より伸長(㈱富士経済「2022年食品マーケティング便覧」より)している等、消費者向けマーケットでは明るい兆しも見えてきております。
水産資源の世界的な需要拡大による需給バランスの不安定化の影響を受け、水産練り製品の原材料となるすり身価格は過去最高水準に達しております。
中長期的には、総務省「令和2年(2020年)国勢調査」によると日本の総人口は我が国の人口は2015年以降95万人程度減少しており、今後も高齢化率を上昇させながら総人口は減少していくことが予測されております。国内食品事業の主力商品である水産練り製品は、50代から70代の年齢層をロイヤルユーザーとしており、統計上この年齢層の人口は安定して増加するとされております。また、共働きや単身世帯の増加、女性の就業率上昇により、平均世帯人員の減少と世帯数の増加が進んでおります。これらの影響と新常態により、簡便性や即食性の高い商品や賞味期限を長期化したロングライフ商品、健康志向に応える高付加価値食品の需要が増加し、加えて宅配、中食市場の拡大が予想されます。
以上から、国内食品事業では、以下の事業戦略を展開しております。
・主力の商品カテゴリーでの更なるシェア拡大
・お客様ニーズに合致した商品拡充、販売チャネル拡大
・既存商品生産設備の更新及び新商品生産設備の新設
・コストバランスの最適化、業務改善
(海外食品事業)
海外食品事業を取り巻く経営環境は、和食への関心が世界的に広がりを見せる中において、同時に健康志向も高まっており、市場規模の成長・拡大が継続すると想定しております。アジア・アフリカの人口が増加し、特にアジア諸国の購買力が向上する中で、品質を重視する方向へ消費者の嗜好が変化しております。また、水産練り製品のグローバル商品となったカニカマは、当社グループにおいて年々販売数量が増加傾向にあり、当事業の主力生産拠点であるタイ王国の工場の供給が逼迫する状況となっております。
一方で、欧米を中心に多くの地域では飲食業を含む経済活動再開の動きが見られるものの、米中貿易摩擦に端を発した米国による中国経済デカップリングの動きや欧州におけるウクライナ情勢緊迫化等の国際的政治対立、加えて新型コロナウイルス感染の減少と再拡大の繰り返しによる世界経済の不透明感や国際物流の混乱から、海外での事業活動の見通しについては予断を許さない状況が続いております。
以上から、海外食品事業では、以下の事業戦略を展開しております。
・和食、水産練り製品を通した現地食文化への展開拡大
・市場トレンドである健康志向ニーズに対する商品展開
・マーケティング機能及び商品開発の強化
・グローバルワイドでの供給能力の増強
(食品関連事業)
食品関連事業を取り巻く経営環境は、物流事業の参入規制・価格規制の撤廃等の規制緩和により物流のボーダーレス化が進む中、通信販売をはじめとする物流需要の増加による競争の激化が予想されます。
一方、安全・安心、環境への関心の高まりやトラック乗務員の労働環境改善の潮流を背景として物流事業に関する規制が強化され、管理コストや運賃の上昇等コストが増加しております。これら経営環境の変化に端を発した物流業者間の提携や合併の動きを含め、多様な物流サービスを選択肢として提供するソリューションの展開が活発化すると予想されます。
また、AIやIoT等の高度化した情報技術と車の自動運転やドローン等の新技術が融合し、省人化や自働化への応用が活発化していくことにより、市場規模だけでなく物流サプライチェーン自体が変容していく可能性があります。
以上から、食品関連事業では、以下の事業戦略を展開しております。
・ITと物流の高度な連動の更なる強化
・高品質かつ環境負荷に配慮したチルド物流サービスの推進
・グループノウハウの外販
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く環境は、国内においては消費者の節約志向が一層強まる中、世界的な原材料費の上昇傾向、生産現場と物流における人件費とエネルギーコストの上昇が起きております。また、海外では、世界的な和食への関心の広がり、健康志向の高まり等から、当社グループ事業の成長・拡大の機会が予想される中、現地の需要にマッチした商品の供給能力拡大が求められております。
加えて、エシカル消費などの生活者の意識・行動の変化及びESGやサステナビリティに対する意識の高まりがみられ、企業行動にも変化を求められております。
こうした中で、当社グループが対処すべき課題は、以下のとおりと認識しております。
①収益力強化への取組み
国内での市場環境が厳しい中、国内事業の安定成長のために、流通企業との直接取引による全国販売網・チルド配送システム等によって築いてきた水産練り製品シェア№1(㈱富士経済「2022年食品マーケティング便覧」より)の強みを活かし、また物流の高度化にも取り組むことで、既存商品市場でのより一層のシェア拡大に取り組みます。
また、国内外における健康志向の高まりを事業機会とするため、水産練り製品によるたんぱく質摂取及び糖質0g麺の糖質オフ等を訴求して、健康価値を備えたおいしい商品を多様なチャネルで提供してまいります。
さらに、これらの取組みを支えるものとして、生産設備の刷新により生産力向上を図るとともに、生産効率の改善により製造原価の低減にも取り組んでまいります。
②海外事業拡大への取組み
当社グループの更なる成長のためには海外事業の拡大が必須であります。北米・中国・東南アジアを重点地区にカニカマを中心とした水産練り製品の現地食文化への一層の浸透、食による健康に貢献する「Healthy Noodle(糖質0g麺)」等の商品を北米に加え他地域への展開を進めることにより、マーケットの拡大を強力に進めてまいります。
③原材料調達力から製造段階までの一貫した競争優位性の追求と研究開発
世界的な和食への関心の広まりを背景とした「魚」の需要拡大、海洋環境の変化と生産国での資源保護政策等に起因する原材料価格の上昇を踏まえ、原材料の調達力から配合ノウハウ等の製造段階までの一貫した競争優位性を追求します。
また、成長を加速させるため、食分野における既存事業と親和性の高い領域での商品開発等、新規事業分野の開拓に取り組みます。
さらに、将来の成長に向けた「おいしさと健康」といった新たな商品価値創造の基盤となる基礎研究、また、「安全・安心」という商品価値向上のための商品の保存性・安全衛生の向上、環境負荷を低減する容器包装の改良等に向けた研究開発を推進します。
④商品のロングライフ化
食品業界では、消費者のライフスタイルの多様化に伴い、調理の簡便性・即食性・保存食等のロングライフ商品の需要が高まっており、チルド商品のロングライフ化のみならず、レトルト商品等の常温保存商品にも取り組み、これらの需要に応えてまいります。
⑤財務体質の改善と経営基盤整備
更なる成長と経営効率の改善を図るためには、財務面から経営の効率化を図る必要があります。売上成長と収益性の向上による営業キャッシュ・フローの拡大と低収益性資産の圧縮に努め、自己資本比率の向上と財務体質の改善に取り組んでまいります。
また、今後の成長に向けた経営基盤として、グループの成長に資する有能な人材の確保・育成が必要と考えております。マーケティング・商品開発・製造技術・安全衛生・研究開発・海外市場開拓・内部統制等の各分野において、将来の当社グループの中核を担う有能な人材の確保と育成に、ダイバーシティに配慮しつつ取り組んでまいります。
⑥ESG課題への取組み
現中期経営計画の基本方針における「経営基盤の整備」の一環として、社会課題の解決を軸とした持続的成長とESG課題への対応を両立すべく、2021年9月にサステナビリティ委員会を設置しております。その中で検討を重ねた結果、当社が重点的に取り組むべき重要事項(マテリアリティ)として、「温室効果ガス(GHG)排出削減」、「食品ロスの削減」、「持続可能な原料調達」、「プラスチック使用量の削減」、「人材育成」の5項目を軸に、「2030年度までの目標」を次のとおり設定しております。
その目標の実現に向けた各施策の遂行状況や、経営方針・経営計画をサステナビリティ視点で横断的に検討・議論し、その内容を取締役会に報告・提言を行うことでESG経営を推進してまいります。
重点的な取組み項目と当社目標
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取組み項目 |
2030年度までの当社目標 |
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温室効果ガス排出量の削減 |
・CO₂総排出量を30%削減(2013年度比) |
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食品ロスの削減 |
・フードロス(食品廃棄物量)20%以上削減(2019年度比) ・食品廃棄物の再利用率99%を達成 |
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持続可能な原料調達 |
・MSC漁業認証(※1)等を受けた持続可能な漁業によるすり身の使用率75%以上 ・IUU漁業(※2)からの調達ゼロ |
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プラスチック使用量の削減 |
・プラスチック使用量を30%削減(2018年度比) |
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人材育成 |
・女性管理職比率15%を達成 |
※1 MSC漁業認証・・・Marine Stewardship Council(海洋管理協議会)による、持続可能で適切に管理されている漁業であることを認証する制度
※2 IUU漁業・・・Illegal, Unreported and Unregulated 漁業(違法・無報告・無規制に行われている漁業)
以下では、当社グループの事業の状況及び経理の状況に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクを記載しております。併せて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断に重要な影響を及ぼすと当社グループが考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。
当社グループは、これらのリスクの顕在化の可能性を認識した上で、当該リスクの回避及び顕在化した場合の対応に努める方針であります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる可能性がありますので、ご留意ください。
(1)事業環境の変化に関するリスク
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リスク項目 |
リスクの説明 |
リスク対策 |
顕在化の可能性(高・中・低)及び時期 |
影響度(大・中・小)及び影響の内容 |
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①原材料の市況と業績との関係について |
当社グループの主力商品である水産練り製品の主原料は、国内外から調達するスケソウダラのすり身をはじめとした水産資源であります。水産資源の減少や漁獲規制による水揚げ数量の減少、あるいは国際的な水産資源の需要変化に伴う供給減等により原料価格が上昇するリスクがあります。 さらに、海外での原油等の需給逼迫が起きた場合には、包装資材、容器類等の価格も上昇するリスクがあります。 |
当社グループでは、安定的な原料確保に努め、これらを複数のルートから調達しております。 また、当社グループでは、原料調達国の多様化及び包装資材の見直し等を進め、原材料の調達価格の安定化を図っております。 |
(高) 水産資源と原油等の資源については自然環境や世界的な需給動向の大きな変化があり、施策が奏功せず又は想定を超えて原材料市況が高騰した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
(大) 売上原価の上昇 |
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②天候の変化と売上の影響について |
当社グループの主力商品である水産練り製品は、季節に応じて需要の変動が生じます。特に、おでん・鍋物等の寒冷な時期に需要が増加する商品が多いことから、世界的な気候変動により夏季の長期化や暖冬等といった秋冬期の気温の変動は、当社グループの事業に影響を及ぼすリスクとなります。 |
当社グループでは、これに対して一年を通してお客様の需要を取込むための新商品開発や販売促進活動の強化等、業績の季節変動を最小限に抑えるための対策、又は生産設備の更新又は新設による環境負荷の低減策等を講じております。 |
(中) 秋冬期に想定以上の温暖な天候、特に暖冬傾向が続く場合は、おでん・鍋物関連商品を中心に売上が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
(大) 売上の減少 |
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③価格競争について |
当社グループは、主力商品である水産練り製品の小売りの市場では、激しい価格競争のリスクがあります。 |
当社グループでは、価格競争に巻き込まれないように、競合他社に対する差別化等の競争力の確保を図っております。 |
(高) 今後競争がさらに激化した場合には、販売数量の減少又は販売促進費用の増加等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
(中) 利益率の低下 |
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④海外事業について |
当社グループは、海外においても製造及び販売活動を行っており、事業活動に伴うカントリーリスクがあります。 |
当社のグループ会社統括部門において、月次事業概況報告を徴求するほか、日常的には国際事業統轄部門が業況を把握しております。 |
(低) 事業を展開する各国における政治・経済・社会情勢の変化等、予期せぬ事象により当該事業の活動に問題が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
(中) 海外事業セグメントの業績悪化 |
(2)当社グループの事業活動に関わるリスク
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リスク項目 |
リスクの説明 |
リスク対策 |
顕在化の可能性(高・中・低)及び時期 |
影響度(大・中・小)及び影響の内容 |
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①食品の安全性について |
近年、食品業界におきましては、食品の安全性に対する関心が一層高まっております。当社グループでは、お客様に安全な食品を提供するために当社商品衛生管理室及び㈱紀文安全食品センターを設置、また当社グループの工場には品質管理課を設けて品質衛生基準に基づき日々管理しております。 しかし万が一、提供する商品に問題が発生した場合には、社会的信用の低下等により、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。 |
商品の製造ではHACCP(注1)の考え方に則った衛生管理をしており、これを確実にするために、主要な工場では食品安全マネジメントシステムの認証取得を推進し、製造委託先及び仕入先についても品質衛生基準に基づく管理を行っております。 さらに㈱紀文安全食品センター及び当社グループ工場の品質管理課では微生物検査、理化学検査を実施し、食品の安全を保証する活動に努めております。 |
(低) 当社グループの徹底した品質管理システムにも関わらず、提供する商品に問題が発生した場合には、社会的信用の低下等により商品の販売の悪化、商品の回収や損害賠償等にかかる費用の発生等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
(大) 社会的信用の低下等による販売状況の悪化、商品回収・損害賠償等の費用の発生、及びこれらによる業績の低下 |
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②業績の季節変動について |
当社グループの業績は、第3四半期連結会計期間の売上高及び利益が他の四半期連結会計期間に比べ高くなる傾向があります(注2)。 これは、主力商品である水産練り製品・惣菜(おでん・鍋物・おせち料理等)は10月~12月の第3四半期連結会計期間に需要が集中するためであり、業績の季節変動リスクがあります。 |
当社グループでは、これに対して国内においては春夏商品の開発及びプロモーション展開、また海外において通年での販売拡大に取り組んでおります。 |
(中) 当該四半期連結会計期間の販売状況によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
(中) 年度業績の低下 |
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③為替レートの変動による影響について |
当社グループは、原材料を海外から調達していると共に、海外においても製造・販売の事業を営んでおります。そのため、製商品と原材料の輸出入取引において為替変動のリスクがあります。 |
当社グループでは、原材料の調達における円建て取引や為替変動リスクをヘッジするための為替予約取引を利用しております。 |
(高) 予測の範囲を超える急激な為替レートの変動が起きた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
(小) 年度業績の低下 |
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④顧客情報管理について |
当社は個人向けにオンラインショップの運営を行っており、不正アクセスや運用トラブル等による顧客情報の漏洩リスクがあります。 |
顧客情報管理につきましては「個人情報管理規程」、「情報セキュリティガイドライン」等の社内ルールを制定・運用しており、特に個人情報の取扱いに細心の注意を払っております。 |
(低) 外部漏洩事件や事故等が発生し訴訟等の問題に発展した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
(中) 訴訟等の費用の発生 社会的信用の低下による販売状況の悪化 |
(3)法的規制・訴訟に関するリスク
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リスク項目 |
リスクの説明 |
リスク対策 |
顕在化の可能性(高・中・低)及び時期 |
影響度(大・中・小)及び影響の内容 |
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①法的規制について |
当社グループは日本国内におきましては、食品衛生法、食品表示法等の法的規制を受けていると共に、海外においても各国の法的規制を受けております。将来において予期し得ない法的規制等が設けられた場合、当社グループの事業活動が制限され業績に影響を及ぼすリスクがあります。 |
当社グループでは、関係法令の改廃動向について、コンプライアンス委員会、各部署門が行政機関や加盟団体主催セミナーや外部専門家からの情報提供から把握し、周知徹底を行っております。また、相談窓口としての弁護士事務所とも契約しております。 |
(低) 将来において現在予期し得ない法令等の改正や新たな行政規制などにより、当社グループの事業活動が制限された場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
(中) 売上の低下、新たなコストの発生 |
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②訴訟による影響について |
当社グループは、厳格な品質管理体制に基づき商品の製造をしておりますが、商品のクレームや事故による訴訟を提起された場合は、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。 |
当社グループでは、前記「(2)‐①食品の安全性について」に記載のとおり、厳格な商品衛生管理及び品質管理のもとに製造を行っております。 |
(低) 現在まで業績に影響を及ぼす訴訟を提起されている事実はありません。 |
(中) 訴訟等の費用の発生 |
(4)自然災害等に関するリスク
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リスク項目 |
リスクの説明 |
リスク対策 |
顕在化の可能性(高・中・低)及び時期 |
影響度(大・中・小)及び影響の内容 |
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①自然災害による影響について
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当社グループの国内における工場等の事業所の多くは、東京都・神奈川県・千葉県・静岡県・岡山県・北海道に立地し、日本全国のマーケットをカバーしております。 したがって、消費地又は製造拠点において大規模な地震や水害等が発生した場合には、当社グループ業績に影響を及ぼすリスクがあります。 |
当社グループでは、自然災害の発生等の非常事態時の事業継続のための供給体制を整備しております。 |
(中) 消費地又は製造拠点において想定を超える大規模な地震や水害等が発生した場合には、当社グループ工場の操業中断による売上高の減少、さらに設備の修復のための費用の発生、物流の停滞等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
(大) 売上の低下、 災害復旧費用等の発生 |
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②新型コロナウイルス感染症拡大の影響について |
新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大している中、現時点においては、新型コロナウイルス感染症が当社グループに及ぼす影響は重大なものとはなっておりませんが、さらに感染が拡大した場合、当社グループの業績等に影響を及ぼすリスクがあります。 |
当社グループでは、感染症拡大防止及び事業継続のため、衛生管理の徹底や不要不急の出張自粛・社内外でのリモート会議の利用・テレワーク・時差出勤等の効率的な事業運営を実施しております。 |
(中) 感染症がさらに拡大した場合、社員の感染による操業停止や世界的なサプライチェーンの停滞等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 |
(大) 工場の操業停止、サプライチェーン停滞による売上低下と原価の上昇 |
(5)財務状況に関するリスク
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リスク項目 |
リスクの説明 |
リスク対策 |
顕在化の可能性(高・中・低)及び時期 |
影響度(大・中・小)及び影響の内容 |
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①借入依存度について |
当社グループの借入依存度(総資産における長期借入金、短期借入金、社債を合計した金額の割合)は、2022年3月期で40.5%であります。したがって今後金利水準が上昇した場合は、業績に影響を及ぼすリスクがあります。 |
借入実行に際しては金利動向に応じ、適宜、変動ないし固定金利にて調達している他、金利スワップ等のデリバティブ取引を活用することで、支払利息の増加を防いでおります。 |
(低) 今後予期せず金利水準が上昇した場合は、当社グループが望む条件での資金調達が十分に行えず、業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
(中) 支払利息の増加 |
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②固定資産の減損に係るリスク |
当社グループでは、生産工場の土地建物等を自社保有しており、これらの生産設備の収益性が低下し業績が悪化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。 |
設備投資の実施にあたっては、事前に収益性や投資回収の可能性について様々な観点から検討を行っております。 現時点では、当社グループの業績等に大きな影響を及ぼす減損損失処理は終了していると認識しております。 |
(低) 将来において事業環境の急変等によりこれらの生産設備の収益性が低下し業績が悪化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
(中) 特別損失の計上 |
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③退職給付会計に係る変動リスク |
当社グループは、主に確定給付型を中心とした複数の退職給付制度を有しております。 そのため、当社グループの退職給付費用及び退職給付に係る資産及び負債は、年金資産と退職給付債務の動向によって変動し、財政状態又は業績に影響を及ぼすリスクがあります。 |
年金資産について、定期的に退職給付債務の将来予測に基づく資産運用方針、運用機関の見直しを行っております。 また、数理計算上の前提条件と年金資産の期待運用収益率についても、毎年度事業年度開始前に検討のうえ見直しを行っております。 |
(低) 割引等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率が変更された場合や、企業年金基金の運用成績が著しく悪化した場合には、年金資産、退職給付債務及び退職給付費用が大きく変動し、当社グループの財政状態又は業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
(大) 多額の退職給付費用の発生、 退職給付に係る資産の減少による純資産額の減少 |
(注1)HACCPとは、健康危害を及ぼす恐れがある危害要因をあらかじめ把握(Hazard Analysis)した上で、原材料の入荷から製品出荷までの全工程の中で、危害要因を除去及び低減させるために特に重要な工程(Critical Control Point)を管理し、製品の安全性を確保する衛生管理手法であります。
(注2)業績の季節変動
連結業績(2022年3月期連結会計年度)
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売上高 |
営業利益 |
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金額(百万円) |
百分比(%) |
金額(百万円) |
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当連結会計年度の第1四半期連結会計期間(4月~6月) |
20,833 |
21.0 |
140 |
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当連結会計年度の第2四半期連結会計期間(7月~9月) |
21,713 |
21.9 |
42 |
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当連結会計年度の第3四半期連結会計期間(10月~12月) |
31,719 |
32.0 |
3,059 |
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当連結会計年度の第4四半期連結会計期間(1月~3月) |
24,936 |
25.1 |
567 |
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合 計 |
99,203 |
100.0 |
3,809 |
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は27,899百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,150百万円増加いたしました。この主な要因は現金及び預金が3,327百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が935百万円、商品及び製品が1,621百万円、原材料及び貯蔵品が843百万円増加したことによるものであります。
固定資産は35,614百万円となり、前連結会計年度末に比べ911百万円増加いたしました。この主な要因は退職給付に係る資産が1,378百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、63,514百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,062百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は27,097百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,014百万円増加いたしました。この主な要因は支払手形及び買掛金が772百万円、短期借入金が1,136百万円、ワンイヤーの振替による1年内返済予定の長期借入金が3,085百万円増加したことによるものであります。
固定負債は22,233百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,250百万円減少いたしました。この主な要因は社債が289百万円、リース債務(固定)が225百万円、繰延税金負債が663百万円増加した一方で、長期借入金が3,531百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、49,331百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,764百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は14,182百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,297百万円増加いたしました。この主な要因は新株の発行により資本金が1,942百万円、資本剰余金が1,942百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,898百万円の計上等により利益剰余金が1,668百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は21.8%(前連結会計年度末は15.5%)となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症が当期の前半にはおおむね沈静化に向かい、それに伴う経済活動再開の動きが拡大し、景気回復への期待が高まりました。一方、我が国では感染防止策の適用・解除が繰り返され、全体として厳しい状況が継続しました。さらに原材料価格の高騰、エネルギーコストや人件費・物流費等の高止まりなど各種コスト増が継続しており、依然として景気は先行不透明な状況にあります。
食品業界におきましては、小売市場では堅調な内食需要に加えて、簡便・即食や健康志向といった食に対する期待感が常態化しました。一方で飲食店向け等の業務用市場では、当期の後半から持ち直しの傾向は見られるものの期初の落ち込みを取り戻すまでには至らず、依然として厳しい経営環境が続いております。
このような環境下において、当社グループは2021年4月よりスタートした中期経営計画のもと、収益性向上と財務体質改善による『持続的成長サイクルの確立』を目指した取組みを推進し、創造と改革により成長性と収益性のある企業グループを目指し活動しております。
当連結会計年度においては、新しい生活様式に適合した食に対する時短・簡便志向や健康志向、さらに賞味期限を延長したロングライフ需要にお応えする製品の開発と安定供給に努めるとともに、成長領域として捉えている海外食品事業での展開を強め売上確保を図りました。また様々なモノの価格や輸送費、燃料費などのコスト上昇に対応しつつ、商品の原材料の安定調達を図るとともに、継続的な生産性向上への取組みや条件改定など原価率低減の活動を行い、利益拡大に努めました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高99,203百万円、営業利益3,809百万円、経常利益3,396百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は繰延税金資産の一部(245百万円)を取り崩し、法人税等調整額を計上したことにより1,898百万円となりました。なお、当連結会計年度から適用した「収益認識に関する会計基準」の影響により、売上高が3,210百万円減少しております。
(単位:百万円)
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売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に 帰属する当期純利益 |
|
2022年3月期連結会計年度 |
99,203 |
3,809 |
3,396 |
1,898 |
|
2021年3月期連結会計年度 |
99,851 |
3,634 |
3,293 |
2,579 |
(注)1.2021年3月期の実績については、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用前の数値を記載しております。
2.顧客への財又はサービスの提供における当社グループの役割が代理人に該当する取引について、従来は顧客から受け取る対価の総額を収益として認識しておりましたが、当連結会計年度より、顧客から受け取る額から商品の仕入先に支払う額を控除した純額で収益を認識する方法に変更しております。また、当社グループにおいて、従来は販売費及び一般管理費で処理しておりました一部の販売協力費等について、顧客に支払われる対価として当連結会計年度より、売上高から控除する方法に変更しております。
3.当連結会計年度における経営成績等に関する説明は、前連結会計年度と比較しての増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。
なお、当社グループの売上高・営業利益は、主力商品である水産練り製品・惣菜が秋季・冬季に需要が高まることと12月のおせち料理関連商品の売上により、第3四半期に集中する傾向にあります。前期及び当期における当社グループの各四半期における売上高及び通期の売上高に対する割合、営業利益は次のとおりであります。
(単位:百万円)
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(参考)2021年3月期 前連結会計年度 |
2022年3月期 当連結会計年度 |
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第1 四半期 |
第2 四半期 |
第3 四半期 |
第4 四半期 |
第1 四半期 |
第2 四半期 |
第3 四半期 |
第4 四半期 |
|
|
売上高 |
21,297 |
22,988 |
32,165 |
23,399 |
20,833 |
21,713 |
31,719 |
24,936 |
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(通期割合) |
(21.3%) |
(23.0%) |
(32.2%) |
(23.5%) |
(21.0%) |
(21.9%) |
(32.0%) |
(25.1%) |
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営業利益又は 営業損失(△) |
△100 |
△8 |
3,337 |
405 |
140 |
42 |
3,059 |
567 |
(注)前連結会計年度の実績については、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用前の数値を参考に記載しております。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(国内食品事業)
国内食品事業では、国内において食品の製造及び販売を行っております。
売上面では、主力である水産練り製品・惣菜製品は、簡便・即食に対応した食材として、また家庭の冷蔵庫内の備蓄食材として、主に竹輪やはんぺん、当社オリジナル製品であるチーちく®やカニカマが年間を通して好調に推移しました。当社独自の製法で作られたすみっコぐらしかまぼこ等のキャラクター蒲鉾も好評を得て、水産練り製品の認知及び消費拡大の一助となりました。また、健康価値のニーズに適した糖質0g麺も、カップタイプを含め引き続き順調に販売を拡大しました。さらに秋冬商戦を中心におでん商品や鍋だねなど季節性の高い商品カテゴリーや、正月商戦では盛り付けるだけの手軽なおせちセット商品が売上を伸ばしました。一方、前期に見られた特需的な内食需要増の反動もあり、水産練り製品ではさつま揚類が、惣菜系では中華餃子が対前年比で売上減となりました。販売促進として、年間を通して販売店様と一体となった売場展開や、SNSを通じて健康価値や時短・簡便ニーズに適した食材である旨を訴求するプロモーション施策等を実施しました。なお、当社では2022年2月28日店着分より、一部商品に対して価格改定を実施いたしました。本施策による効果が本格的に業績に寄与する時期は、2022年度と想定しております。
利益面では、継続的に生産効率向上に向けた取組みを実施しているものの、通期で高止まりが続く原材料価格や燃料コストの増加影響が大きく、また販売促進活動を積極的に行ったことから広告宣伝費等が増加しております。
この結果、売上高70,839百万円、セグメント利益2,010百万円となりました。なお、当連結会計年度から適用した「収益認識に関する会計基準」の影響により、売上高が3,153百万円減少しております。
(単位:百万円)
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
売上高 |
セグメント利益 |
売上高 |
セグメント利益 |
|
73,182 |
2,607 |
70,839 |
2,010 |
(注)前連結会計年度の実績については、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用前の数値を記載しております。
(海外食品事業)
海外食品事業では、海外において食品の製造及び販売を行っております。
売上面では、米国、中国、アジア、欧州の各市場での経済活動の回復に伴い、販売促進活動を強化いたしました。中国や東南アジアでは、新規取引先の開拓や日系及び現地小売店への展開拡充、取引先のECサイトでの当社商品の取り扱い開始などの活動を行い、カニカマをはじめとする水産練り製品の販売が大きく拡大しました。また、糖質オフ・低カロリー・グルテンフリーなど高い健康価値を食に求める消費者に受け入れられている商品「Healthy Noodle(糖質0g麺)」が、米国での販売エリアを拡大し、引き続き好調に推移しました。海外拠点が展開するエリア別の売上実績でも、北米、中国と中国以外のアジア、欧州の各地において、いずれも現地通貨ベースで対前年比2桁の伸びを達成しております。一方ではコンテナ不足による製品供給の遅延等、一部の地域では販売の機会損失も発生しております。
利益面では、積極的な販促活動による販売促進費や、グローバルサプライチェーンの混乱が長期化し、深刻なコンテナ不足や海上運賃の高止まり等により運送費が増加しました。しかし、利益率の高い水産練り製品をはじめとする自社製品の販売量増加と、タイ工場での生産効率向上に向けた継続的な取組みが増益要因として寄与しました。
この結果、売上高11,134百万円、セグメント利益1,117百万円となりました。
(単位:百万円)
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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|
売上高 |
セグメント利益 |
売上高 |
セグメント利益 |
|
9,394 |
581 |
11,134 |
1,117 |
(注)前連結会計年度の実績については、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用前の数値を記載しております。
(食品関連事業)
食品関連事業では、国内において食品の運送、その他食品に関連した事業を行っております。
売上面では、当事業セグメントの中心である物流事業で、小売店・問屋向けの日配系チルド物流の共同配送分の物量が通期で好調に推移いたしました。また、一部エリアで配送業務を新規受託する等の継続的な売上確保に向けた活動が奏功いたしました。当期前半は緊急事態宣言発出による経済活動の低迷があり、物流量は減少しておりましたが、同宣言解除に伴い期の後半から外食・百貨店向けの物量は増加傾向にあります。また情報システム事業でも、システム機器販売として虹彩認証をベースとした入室管理システムを展開する等、新分野を開拓し着実な取組みを行っております。
利益面では、取引先様との条件改定の効果と配送効率を向上させる取組みが、引き続き増益に寄与しました。さらに物流センターの統廃合による不動産賃借料の削減や、オンライン会議の活用など新常態に適応した費用削減に取り組みました。
この結果、売上高17,229百万円、セグメント利益807百万円となりました。なお、当連結会計年度から適用した「収益認識に関する会計基準」の影響により、売上高が57百万円減少しております。
(単位:百万円)
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
売上高 |
セグメント利益 |
売上高 |
セグメント利益 |
|
17,274 |
489 |
17,229 |
807 |
(注)前連結会計年度の実績については、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用前の数値を記載しております。
③ キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
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前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
5,788 |
155 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
532 |
△871 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
△4,637 |
4,044 |
|
現金及び現金同等物の増減額 |
1,704 |
3,368 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
2,560 |
4,265 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
4,265 |
7,633 |
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ3,368百万円増加し、7,633百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業キャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益3,352百万円及び減価償却費1,910百万円によって増加し、棚卸資産の増加額2,375百万円、売上債権の増加額846百万円及び退職給付に係る資産及び負債の減少額1,884百万円によって減少したこと等から、155百万円の収入となりました。
前連結会計年度と比しては、税金等調整前当期純利益の増加により158百万円の収入増となったものの、棚卸資産の増加により3,329百万円及び売上債権の増加により1,840百万円の収入減となったことなどから、5,633百万円の収入減となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出878百万円などから、871百万円の支出となりました。
前連結会計年度と比しては、有形固定資産の売却による収入が1,445百万円減少したことなどから、1,403百万円の支出増となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、株式の発行による収入3,885百万円などから、4,044百万円の収入となりました。
前連結会計年度と比しては、株式の発行による収入3,885百万円及び短期借入金の純増減額が3,335百万円増加したことなどから、8,682百万円の収入増となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
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金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
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国内食品事業 |
65,799 |
105.9 |
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海外食品事業 |
6,655 |
117.8 |
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食品関連事業 |
- |
- |
|
合計 |
72,455 |
106.9 |
(注)食品関連事業は、食品の配送等を主な事業とするセグメントであることから、生産に該当する事項がありませんので、記載しておりません。
b.受注実績
当社グループは、見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
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|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
国内食品事業 |
70,839 |
- |
|
海外食品事業 |
11,134 |
- |
|
食品関連事業 |
17,229 |
- |
|
合計 |
99,203 |
- |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
3.当社グループは、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。当連結会計年度の数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっており、前年同期比は記載しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しており、連結財務諸表の作成に当たり、資産、負債、収益及び費用の報告に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。これらの見積り及び仮定に基づく会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、次の会計方針は、連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響は少なくとも一定期間続くものと仮定し、連結財務諸表作成時までに入手可能であった実績等を考慮した結果、当連結会計年度末の見積りに大きな影響を与えるものではないと判断しております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症による影響は不確定要素が多く、翌連結会計年度の連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。
a.退職給付会計の基礎率
当社グループは、確定給付型を含む複数の退職給付制度を有しております。
確定給付制度の債務の現在価値及び関連する勤務費用等は、数理計算上の仮定に基づいて算定しております。数理計算上の仮定については、割引率、年金資産の長期期待運用収益率や予想昇給率等の変数についての見積り及び判断が求められます。
数理計算上の仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
b.固定資産の減損
当社グループは、減損損失の認識の判定及び測定を行う単位として資産のグルーピングを行い、減損の兆候の有無を判定しております。減損の兆候が存在する場合、当該資産又は資産グループから得られる将来キャッシュ・フローに基づき、減損損失の認識の要否を判定しております。
減損損失を認識すべきと判定された資産又は資産グループについては、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。回収可能価額は使用価値又は正味売却可能価額により算定しております。使用価値は、当該資産から得られる将来キャッシュ・フローに基づき算定しております。
将来キャッシュ・フローの算定には、中期経営計画の前提となった数値を基に、主原料価格の過去の推移も踏まえた将来の相場予測、当社グループ内で用いている将来の収益予測等の仮定を考慮して見積っております。
当該見積り及び仮定については、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果が異なった場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、固定資産の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
c.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できること、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産に計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りとなるため、事業環境等の変化により見積りが減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態及び経営成績の分析
当連結会計年度における財政状態及び経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要① 財政状態の状況及び② 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要は、主に水産練り製品・惣菜向けの製造設備に係る設備投資であります。これらの資金の源泉は、営業キャッシュ・フロー及び金融機関からの借入等により調達することとしております。調達した資金は、成長と経営効率改善のための投資を実施し、資本の充実と借入の返済を進めるとともに、株主還元の安定的拡大を目指してまいります。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
d.経営戦略の現状と見通し
当社グループは、経営理念である「革新と挑戦と夢」を企業行動の軸とし、「創造と改革により成長性と収益性のある企業グループ」となるよう、2021年4月から3カ年の中期経営計画2023を策定しました。活動の基軸は「成長の加速」、「経営効率の改善」、「経営基盤の整備」の3点とし、着実に企業価値向上に努めてまいります。
中期目標として、次期中期経営計画の最終年度である2026年度に、海外売上高比率を15%、営業利益率を5%、自己資本比率を40%と設定しました。その第1ステップとして、今回の中期経営計画2023では、成長性と収益性の基盤づくりに取り組み、海外売上比率13%、営業利益率4.2%、自己資本比率30%を目標値としております。
中期経営計画初年度の2021年度実績は、前述の「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
今後も成長と企業価値向上に向け、事業セグメント別に取り組みを充実させてまいります。
国内食品事業では、市場ニーズとトレンドに合致した製品展開と需要創出、販路拡大を通じて、国内市場での更なるシェア拡大を図りながら、安定した成長を図ってまいります。また健康志向や、簡便性、たのしさ等のお客様のニーズに合致した水産練り製品や惣菜類の商品ラインアップを充実させるとともに、店頭演出の強化等によってお客様への訴求力向上に加え、SNSを活用したプロモーションの実施により若年層を中心とする次世代層への認知と消費の拡大につなげてまいります。同時に、生産効率の向上や生産能力の増強のための設備投資を通じて、成長性と収益性を高めてまいります。
海外食品事業は、当社グループの成長ドライバーとして注力する商品とエリアを定め、業容拡大に向けた取組みを実施いたします。グローバル戦略商品として、海外市場でも需要が右肩上がりのカニカマと、健康価値を求められるお客様ニーズに合致した糖質オフでグルテンフリーの商品「Healthy Noodle」を商品ラインアップの中心に据え、北米・中国・東南アジアで重点的かつ積極的に販売拡大を図り、海外食品市場での存在感を高めつつ連続的な成長を実現してまいります。
食品関連事業では、当社グループの強みである高度な温度管理を求められるチルド物流事業において、環境負荷低減の観点からも注目されている共同配送事業の運営に一層注力してまいります。さらに物流と情報システムを連動させた配送網の拡充に取り組み、多様な物流サービスの選択肢をバランス良く提案しつつ、市場ポジションを高めてまいります。
また食品製造業としてこれまで培ったノウハウを活かし、収益性の向上に向けて自働化・省人化の推進による生産効率向上への取組みや、高付加価値商品の生産能力増強などを行うとともに、「食の安全・安心」を最優先とした製造管理と品質衛生管理を強化してまいります。加えて「おいしさと健康」の視点から商品価値創造の基盤となる基礎研究を推進しつつ、新規原材料の開発や製造技術の革新に取り組みます。これらを通じて、中長期視点で原材料相場に左右されない経営体質の構築を図ります。
当社グループは、事業目標の達成と社会課題解決の実現は両立できるものであると考え、事業を通じて社会課題を解決するよう持続可能(サステナブル)な取組みを積極的に牽引する組織として、2021年9月にサステナビリティ委員会を設置しました。同委員会では、サステナビリティ活動の基本方針と行動規範を定めつつ、重点的に取り組むべき5項目として「温室効果ガス排出量の削減」、「食品ロスの削減」、「持続可能な調達」、「プラスチック使用量の削減」、「人材育成」を設定し、それぞれ2030年までの達成目標を掲げて活動してまいります。
e.経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループでは、差別化された技術を開発するため、当社商品開発室研究開発部が中心となり研究開発活動に取り組んでおります。
当社グループの研究開発活動は、原材料の研究と製品の機能性向上に関連する新技術・新工法の開発、製品の健康価値に関する研究及び新規事業に関する研究が大きなテーマであります。
当社グループ製品の原材料となるスケソウダラ等の漁獲変動に加え、水産資源の世界的な需要増加の影響を受けてすり身価格が上昇しているほか、消費者の低価格志向の継続や健康志向の高まりなど、当社グループを取巻く経営環境は大きく変化しております。
そうした環境下でも安定した事業を継続するために、水産練り製品の持続可能性の向上を企図した原材料の研究及び大豆タンパク加工食品の研究開発を中心に活動を行っております。当連結会計年度における主要な研究開発活動は次のとおりであります。
(1)原材料及び製品の機能性向上に関する研究
新たな原料魚の探索を目的として、これまで利用実績のない新規すり身の品質評価を行いました。また「未利用資源」に関する基礎・加工研究を行い、ゲル化特性等を見出しております。
従来のすり身と比べ、糖質量を抑えた冷凍すり身開発に関する基礎研究を行い、その成果を学術専門誌にて発表いたしました。
(2)健康価値の探求
糖質0g麺の食後血糖に関する研究を行い、糖質0g麺が小麦麺と比べ食後の血糖上昇を優位に抑えることを明らかといたしました(論文発表)。また、水産練り製品(つみれ)の健康価値に関する基礎研究を行い、その成果を学術専門誌で論文発表いたしました。
おでん具材の食感に関する分析・評価を行い、その結果を当社Webサイト内で紹介いたしました。
(3)事業領域・技術領域を拡大するための技術開発
植物原料及び天然資源を用いた開発研究・基礎研究を行い、新たな加工技術を開発いたしました。
これらの結果として、当連結会計年度において支出した研究開発費は
なお、これらの研究開発活動は基礎技術の確立が中心であり、いずれも当社のみで行っております。その成果は当社グループ全体の製造・販売活動に還元しており、各セグメントには配分できないため、セグメント別の記載はしておりません。