当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
<経営理念>
「革新と挑戦と夢」
<ビジョン(目指す姿)>
「食を通じておいしさと楽しさを提供し、お客様の明るく健康な生活に貢献する会社」
<経営方針>
ビジョンの実現のために、以下の取組みを進めております。
・おいしさと楽しさを「タンパク加工技術」と「品質衛生管理技術」の融合により実現し、お客様の満足度を向上し続けます。
・食に関する幅広い事業展開により、社会の発展と豊かなライフスタイルの確立に貢献するグローバルな企業グループを目指します。
(2)中期的な経営戦略等
<基本戦略>
当社は、2021年4月から開始した3カ年の中期経営計画2023において、「収益性向上・財務体質改善による『持続的成長サイクルの確立』」を基本戦略としております。持続的に成長できる企業体質を構築すべく、現中期経営計画期間は「成長性と収益性の基盤づくり」の期間と位置付けております。
<中期経営計画の基本方針>
当社グループは、「創造と改革により成長性と収益性ある企業グループ」を目指し、以下を現中期経営計画の基本方針としております。
①成長の加速
国内における事業の安定成長と、海外における事業の拡大を図ります。
国内食品事業においては、高たんぱくや低脂質、低糖質などの健康志向と簡便性、たのしさ等のお客様のニーズに合致した商品ラインアップの充実、SNSを活用したプロモーションの実施、小売店での店頭演出の強化、販売チャネルの拡大等によって、着実な成長を目指します。
海外食品事業においては、マーケティング機能と商品開発の強化により、和食・水産練り製品を通じた現地食文化への浸透と、市場トレンドである健康志向ニーズに対応した商品展開を進めるとともに、新規市場開拓を進めてまいります。また、そのためにグローバルワイドでの供給能力の増強を図ります。
食品関連事業においては、ITと物流の高度な連動を更に強化し、高品質かつ環境負荷に配慮したチルド物流サービスを推進するとともに、グループ企業との事業で培ったノウハウの外販にも取り組んでまいります。
②経営効率の改善
トータルコストを見直し、コスト競争力のある強靭な企業体質を目指します。
最近の国際的な需給変化や国際情勢に関する地政学リスクの高まりによる原材料、エネルギー、運送費等の急速なコスト増に対応するため、継続的な生産効率の改善に加え新規原材料の開発や製造技術の革新に取り組み、中長期視点での原材料相場に左右されない経営体質構築を図ってまいります。販売費及び一般管理費については、コロナ禍を契機とする「新しい生活様式」に対応した業務効率の最適化と更なる進化を通じ、継続した低減を図っていきます。
③経営基盤の整備
将来の成長に向けた「おいしさと健康」という新たな商品価値創造の基盤となる研究開発を推進します。
また、持続的に成長しつつ、社会に求められ支持される存在であるために、気候変動問題や人的資本・知的財産への投資等の企業活動のサステナビリティに関する課題にも取り組み、経営の進化を続けます。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2021年度から2023年度までの中期経営計画において、年度ごとに売上高と経常利益の金額を数値目標として設定しております。売上高については成長性を把握する指標、経常利益については事業の収益性を把握する指標と認識しており、重要視しております。
中期経営計画の3年目にあたる2023年度の連結業績は、新型コロナウイルス感染症の社会活動への影響の長期化や、地政学リスクに伴うコスト上昇など、計画策定時の事業環境とは異なるマクロ的な状況の変化による影響を加味した結果、売上高1,069億円、経常利益31億円を目指しております。
(4)経営環境と戦略
当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は落ち着きを見せ、社会活動が平準化に向かう中、後述のように食のグローバル化により事業機会が拡大しつつあります。半面、ウクライナ情勢に見られる地政学リスクの顕在化等によるエネルギー価格高騰やグローバルなサプライチェーンの寸断等の可能性、経済回復状況にある国々の金融政策変更等に起因する為替変動リスク、インフレ懸念からの消費意欲の減退など、対応すべき様々なリスクが混在していると認識しており、世界経済全体の不透明感に懸念が示されております。
(国内食品事業)
国内食品事業を取り巻く経営環境は、全体として厳しい状況が継続すると想定しております。依然として「低価格志向」のような全体的な消費の下押し圧力は避けられず、また、最近の食料品価格の値上げと勤労者所得の低迷から消費者の節約志向は一層強まると予想しております。一方、新型コロナウイルス感染症対策を契機とする「新しい生活様式」から、消費者の「内食需要」の高まりも見られ、2020年4月以降の国内における水産練り製品については、主要企業の主力商品年間販売高が前年同時期より伸長(㈱富士経済「2023年食品マーケティング便覧」より)している等、消費者向けマーケットでは明るい兆しも見えてきております。
しかしながら、水産資源の世界的な需要拡大による需給バランスの不安定化の影響を受け、水産練り製品の原材料となるすり身価格は過去最高水準に達する等、不安定な相場環境が継続しております。
中長期的には、総務省「令和2年(2020年)国勢調査」によると日本の総人口は、2015年以降95万人程度減少しており、今後も高齢化率を上昇させながら総人口は減少していくことが予測されております。国内食品事業の主力商品である水産練り製品は、50代から70代の年齢層をロイヤルユーザーとしており、統計上この年齢層の人口は安定して増加するとされております。また、共働きや単身世帯の増加、女性の就業率上昇により、平均世帯人員の減少と世帯数の増加が進んでおります。これらの影響により、簡便性や即食性の高い商品や賞味期限を長期化したロングライフ商品、健康志向に応える高付加価値食品の需要が増加し、加えて宅配、中食市場の拡大が予想されます。
以上から、国内食品事業では、以下の事業戦略を展開しております。
・主力の商品カテゴリーでの更なるシェア拡大
・お客様ニーズに合致した商品拡充、販売チャネル拡大
・既存商品生産設備の更新及び新商品生産設備の新設
・コストバランスの最適化、業務改善
(海外食品事業)
海外食品事業を取り巻く経営環境は、和食への関心が世界的に広がりを見せる中において、同時に健康志向も高まっており、市場規模の成長・拡大が継続すると想定しております。アジア・アフリカの人口が増加し、特にアジア諸国の購買力が向上する中で、品質を重視する方向へ消費者の嗜好が変化しております。また、水産練り製品のグローバル商品となったカニカマは、当社グループにおいて年々販売数量が増加傾向にあり、当事業の主力生産拠点であるタイ王国の工場の供給が逼迫する状況となっております。
一方で、欧米を中心とした多くの地域では、新型コロナウイルスによる停滞から飲食業を含む経済活動に再開の動きが見られ、国際物流の混乱も徐々に落ち着きを取り戻しつつあるものの、依然として米中貿易摩擦に端を発した米国による中国経済デカップリングの動きや欧州におけるウクライナ情勢緊迫化等の国際的政治対立による世界経済の不透明感は継続しており、海外での事業活動の見通しについては予断を許さない状況が続いております。
以上から、海外食品事業では、以下の事業戦略を展開しております。
・和食、水産練り製品を通した現地食文化への展開拡大
・市場トレンドである健康志向ニーズに対する商品展開
・マーケティング機能及び商品開発の強化
・グローバルワイドでの供給能力の増強
(食品関連事業)
食品関連事業を取り巻く経営環境は、物流事業の参入規制・価格規制の撤廃等の規制緩和により物流のボーダーレス化が進む中、通信販売をはじめとする物流需要の増加による競争の激化が続くものと予想されます。
さらに、安全・安心、環境への関心の高まりや、トラック乗務員の労働環境改善の潮流を背景とした「2024年問題」と称される物流事業に関する規制が強化され、管理コストや運賃の上昇等コストが増加しております。これら経営環境の変化に端を発した物流業者間の提携や合併の動きを含め、多様な物流サービスを選択肢として提供するソリューションの展開が活発化すると予想されます。
また、AIやIoT等の高度化した情報技術と車の自動運転やドローン等の新技術が融合し、省人化や自働化への応用が活発化していくことにより、市場規模だけでなく物流サプライチェーン自体が変容していく可能性があります。
以上から、食品関連事業では、以下の事業戦略を展開しております。
・ITと物流の高度な連動の更なる強化
・高品質かつ環境負荷に配慮したチルド物流サービスの推進
・グループノウハウの外販
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く環境は、国内においては消費者の節約志向が一層強まる中、世界的な原材料費の上昇傾向、生産現場と物流における人件費とエネルギーコストの上昇が起きております。また、海外では、世界的な和食への関心の広がり、健康志向の高まり等から、当社グループ事業の成長・拡大の機会が予想される中、現地の需要にマッチした商品の供給能力拡大が求められております。
加えて、エシカル消費などの生活者の意識・行動の変化及びESGやサステナビリティに対する意識の高まりがみられ、企業行動にも変化を求められております。
こうした中で、当社グループが対処すべき課題は、以下のとおりと認識しております。
①収益力強化への取組み
国内での市場環境が厳しい中、国内事業の安定成長のために、流通企業との直接取引による全国販売網・チルド配送システム等によって築いてきた水産練り製品シェア№1(㈱富士経済「2023年食品マーケティング便覧」より)の強みを活かし、また物流の高度化にも取り組むことで、既存商品市場でのより一層のシェア拡大に取り組みます。
また、国内外における健康志向の高まりを事業機会とするため、水産練り製品によるたんぱく質摂取及び糖質0g麺の糖質オフ等を訴求して、健康価値を備えたおいしい商品を多様なチャネルで提供してまいります。
さらに、これらの取組みを支えるものとして、生産設備の刷新により生産力向上を図るとともに、生産効率の改善により製造原価の低減にも取り組んでまいります。
②海外事業拡大への取組み
当社グループの更なる成長のためには海外事業の拡大が必須であります。北米・中国・東南アジアを重点地区と定め、グローバル戦略商品であるカニカマを中心とする水産練り製品と、食による健康に貢献する「Healthy Noodle(糖質0g麺)」等の商品を、重点的かつ積極的に販売を拡大することにより、水産練り製品の現地食文化への一層の進展と業容拡大を図り、海外食品市場での存在感を高めつつ連続的な成長を実現してまいります。
③原材料調達力から製造段階までの一貫した競争優位性の追求と研究開発
世界的な和食への関心の広まりを背景とした「魚」の需要拡大、海洋環境の変化と生産国での資源保護政策等に起因する原材料価格の上昇を踏まえ、原材料の調達力から配合ノウハウ等の製造段階までの一貫した競争優位性を追求します。
また、成長を加速させるため、食分野における既存事業と親和性の高い領域での商品開発等、新規事業分野の開拓に取り組みます。
さらに、将来の成長に向けた「おいしさと健康」といった新たな商品価値創造の基盤となる基礎研究、また、「安全・安心」という商品価値向上のための商品の保存性・安全衛生の向上、環境負荷を低減する容器包装の改良等に向けた研究開発を推進します。
④商品のロングライフ化
食品業界では、消費者のライフスタイルの多様化に伴い、調理の簡便性・即食性・保存食等のロングライフ商品の需要が高まっており、チルド商品のロングライフ化のみならず、レトルト商品等の常温保存商品にも取り組み、これらの需要に応えてまいります。
⑤財務体質の改善と経営基盤整備
更なる成長と経営効率の改善を図るためには、財務面から経営の効率化を図る必要があります。売上成長と収益性の向上による営業キャッシュ・フローの拡大と低収益性資産の圧縮に努め、自己資本比率の向上と財務体質の改善に取り組んでまいります。
また、今後の成長に向けた経営基盤として、グループの成長に資する有能な人財の確保・育成が必要と考えております。マーケティング・商品開発・製造技術・安全衛生・研究開発・海外市場開拓・経営管理等の各分野において、将来の当社グループの中核を担う有能な人財の確保と育成に、ダイバーシティに配慮しつつ取り組んでまいります。
⑥ESG課題への取組み
現中期経営計画の基本方針における「経営基盤の整備」の一環として、社会課題の解決を軸とした持続的成長とESG課題への対応を両立すべく、サステナビリティ委員会(委員長:代表取締役社長)を設置しております。その中で検討を重ねた結果、当社が重点的に取り組むべき重要事項(マテリアリティ)として特定した「温室効果ガス排出量の削減」、「食品ロスの削減」、「持続可能な原料調達」、「プラスチック使用量の削減」、「人財育成」の5項目を軸に、「2030年までの目標」を以下のとおり設定しております。
これらの目標の実現に向けた各施策の遂行状況や、経営方針・経営計画をサステナビリティ視点で横断的に検討・議論し、その内容を取締役会に報告・提言を行うことでESG経営を推進してまいります。
重点的な取組み項目と当社目標
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取組み項目 |
2030年度までの当社目標 |
|
温室効果ガス排出量の削減 |
・CO₂総排出量を30%削減(2013年度比) |
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食品ロスの削減 |
・フードロス(食品廃棄物量)20%以上削減(2019年度比) ・食品廃棄物の再利用率99%を達成 |
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持続可能な原料調達 |
・MSC漁業認証(※1)等を受けた持続可能な漁業によるすり身の使用率75%以上 ・IUU漁業(※2)からの調達ゼロ |
|
プラスチック使用量の削減 |
・プラスチック使用量を30%削減(2018年度比) |
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人財育成 |
・女性管理職比率15%を達成 |
※1 MSC漁業認証・・・Marine Stewardship Council(海洋管理協議会)による、持続可能で適切に管理されている漁業であることを認証する制度
※2 IUU漁業・・・Illegal, Unreported and Unregulated 漁業(違法・無報告・無規制に行われている漁業)
⑦気候変動への対応
当社グループでは、気候変動は、地球環境や企業活動に重大な影響を及ぼすものであり、気候変動問題への対応や改善に向けた取組みにより紀文グループの持続可能性(サステナビリティ)が高まるとの考えのもと、TCFD提言に基づく情報開示に取り組んでおり、その内容は以下のとおりです。
1)ガバナンス
当社グループのサステナビリティに関する基本方針や重要事項等を検討・議論する場としてサステナビリティ委員会を設置しており、このうち、気候変動に関するサステナビリティ課題については、サステナビリティ委員会事務局が中心となり構成する気候変動ワーキンググループにて検討し、その内容はサステナビリティ委員会に報告し、審議のうえ決定しております。
同委員会で決定した事項は取締役会に上程し、審議・決議された後に関連する各部門/各社に展開し、それぞれの経営計画・事業運営に反映いたします。
2)戦略
当社グループの中長期的なリスクの一つとして気候変動を捉え、関連するリスク及び機会を踏まえた戦略と組織のレジリエンスについて、検討しております。IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)による気候変動シナリオ(2℃未満シナリオ※4および4℃シナリオ※5)を参照したシナリオ分析を実施し、国内食品事業を中心に考察した、2030年・2050年時点で想定される事業への影響は以下のとおりです。
今後、特定したリスク・機会は当社グループの戦略に反映し、対応してまいります。
<2℃未満シナリオ>
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要因 |
分類 |
内容 |
影響度 |
|
炭素税の導入 |
リスク |
すり身価格や包装材価格に炭素税が賦課され、調達コストが増加する |
大 |
|
|
リスク |
操業時のCO₂排出量に炭素税が賦課され、操業コストが増加する。 |
大 |
|
|
機会 |
省エネ設備への投資を積極的に進め、消費エネルギー量を減少させることで炭素税影響を軽減し、かつ生産効率が向上する。 |
中 |
|
再生可能エネルギーの導入 |
リスク |
温室効果ガス排出削減の観点から再生可能エネルギー使用比率を高めることにより、エネルギー調達コストが増加する。 |
小 |
|
環境配慮意識の向上 |
機会 |
脱炭素への取組みを推進することで、取引先との連携が強まる、また他業種との業容拡大につながる。 |
中 |
|
|
機会 |
温室効果ガス排出量の大きい畜産肉から水産資源へと消費者の嗜好が変化し、水産加工品の需要が高まる。 |
中 |
これら認識したリスク/機会への対応のため、以下の取組みに注力してまいります。
・生産効率の改善による消費エネルギー量の削減
・再生可能エネルギーやグリーン電力、バイオマス燃料等の導入
・環境負荷の少ない包材資材の導入
・環境政策や新技術に合わせた投資計画の適宜見直し
<4℃シナリオ>
|
要因 |
分類 |
内容 |
影響度 |
|
気象災害の激甚化 |
リスク |
調達先、取引先、納品先等の被災による操業停止や店舗営業の混乱等が発生し、サプライチェーンが寸断される。 |
大 |
|
|
リスク |
工場/本社が大雨や洪水等の自然災害を受け、操業停止となる。 |
大 |
|
|
リスク |
真夏日の劇的な増加による、品質衛生リスクが上昇する。 |
大 |
|
秋冬期の気温上昇 |
リスク |
秋冬期の平均気温が上昇することで、主力のおでん・鍋物関連商材の売上が減少し、収益に影響を与える。 |
大 |
|
夏季日数の増加 |
機会 |
真夏日などは、家庭で火を使用した調理が好まれなくなることから、調理が手軽な商材の需要が高まる。 |
中 |
これら認識したリスク/機会への対応のため、以下の取組みに注力してまいります。
・原料産地の多様化と、調達ルート/輸送ルートの複線化
・適正な在庫量の検討
・代替すり身の導入に向けた研究開発の推進
・工場の水害対策の強化(浸水防止策/浸水被害軽減策の実施等)
・衛生認証の取得による品質管理水準の向上
・当社および仕入先/協力企業の衛生管理、社員の健康管理の強化
・秋冬期における水産練り製品のおでん/鍋物以外の利用シーンの外部訴求
・新たな商品カテゴリーの開発を推進
・通年需要がある商品の開発を強化
・季節変動が少ない事業分野(海外食品事業など)を伸長
・調理の手間が少ない商品の開発を推進、外部訴求を強化
3)リスク管理
気候変動ワーキンググループにて実施したシナリオ分析により、想定される気候関連リスク・機会を、発生可能性と影響度に基づき優先順位付けを実施しております。その結果、上記の重要度の大きな事項に注力して取り組み、そのリスク・機会に関する分析、対策の立案と推進、進捗管理等の状況はサステナビリティ委員会を通じて管理してまいります。
なお、サステナビリティ委員会で分析・検討した内容は、取締役会に報告し、全社的リスク管理と統合しております。
4)指標と目標
温室効果ガスの総排出量の削減を指標として設定し、気候関連問題が経営に及ぼす影響を評価・管理しております。2030年度までの温室効果ガス削減目標として、CO₂総排出量の30%削減(2013年度比)を掲げております。
※3 TCFD・・・Task Force on Climate-related Financial Disclosures(気候変動関連財務情報開示タスクフォース)の略で、G20財務大臣・中央銀行総裁会議の要請を受けた金融安定理事会(FSB)により、気候関連の情報開示及び気候変動への対応を検討するため、2015年12月に設立された。
※4 2℃未満シナリオ・・・気温上昇を最低限に抑えるための規制の強化や市場の変化等、積極的な対策が取られるシナリオ
※5 4℃シナリオ・・・気温上昇の結果、異常気象などの物理的影響が生じるシナリオ
当社グループは、自然から素材をいただき“豊かな食”へと創造させる企業集団として、また企業市民として、自然の恵みに感謝し、環境との調和を図らなければならないと考えており、現在の「紀文グループ中期経営計画2023」においても「ESGに配慮した経営の推進」を掲げております。そのため、当社グループの各工場においては、省エネルギー対応やCO₂削減等の地球温暖化対策に向け、製造設備や消費エネルギー量に留意した対応、あるいは環境配慮型パッケージの採用等を進めております。それら持続可能な社会の実現のための各種取組みの基礎となる基本方針及び行動規範は以下のとおりです。
<サステナビリティ基本方針>
私たち紀文グループは、社是である『感謝即実行』に基づき、自然の恵みとお客様・ステークホルダーに感謝し、SDGs(※1)の達成を柱としてESGに配慮した経営を推進する。
<基本方針に基づく行動規範>
私たち紀文グループは、「革新と挑戦と夢」という経営理念の下、「食を通じておいしさと楽しさを提供し、お客様の明るく健康な生活に貢献する会社」を目指し、事業活動を行っています。この行動規範は、私たちが事業活動を行う上で遵守すべき基本的な事柄を定めたものです。
1)安心・安全な商品・サービスを提供します
2)公正な事業活動を行います
3)事業資産・情報を保全し適切に利用します
4)働きやすい環境の整備を行います
5)人権、個性を尊重します
6)社会の共有財である資源や環境に配慮します
7)各国、地域の伝統、文化を尊重します
8)事業活動に係る情報を適切に開示します
※1 Sustainable Development Goalsの略称。2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すための国際目標
(1)ガバナンス
当社グループのサステナビリティに関する活動を推進・管理するための組織としてサステナビリティ委員会(委員長:代表取締役社長)を設置しております。同委員会においては、サステナビリティ課題を横断的に検討・議論していく体制を整え、経営方針や経営計画に対するサステナビリティ視点での検証を行うとともに、サステナビリティ基本方針等の策定や「2030年までの目標」の設定及び進捗管理を行っており、その内容は適宜取締役会に報告・提言を行っております。
(2)戦略
当社グループの経営戦略に大きな影響を及ぼし得るサステナビリティ関連のリスク及び機会のうち、気候変動に対応するためTCFD提言に基づく情報開示に取り組み、その内容を開示しております。詳細は、「
また、当社グループにとっては<人>こそが経営資源のすべてであり、人以外の経営資源もまた、すべて<人>が中心となって生み出すことから、「企業は、人だけ」という理念を掲げており、人材を「人財」と呼称しております。当社グループの経営計画及び成長戦略を達成するため、また当社グループが強みとする「商品開発力」・「販売力」及び「企業ブランド」を維持向上させるため、同理念に基づき人財の育成や職場環境の整備に取り組んでおり、当社グループが目指す「ありたい人財像」としては、以下の内容を定義しております。
<ありたい人財像>
・企業のビジョン達成のため、柔軟な発想でお客様に満足と安心を提供し続けられる人財
・変化を先取りし、常に新しいこと/困難なことに能動的に挑戦する人財
・自律的なキャリア育成を通じて、自身と組織の可能性を広げられる人財
当社(提出会社及び一部の連結子会社)の人事制度の骨子は、「適所適材」の考え方に基づく人員配置と、会社が期待する「役割」の達成度に応じて評価・処遇を行う「役割等級制度」としております。業務を通じたリーダーシップや専門性の向上と、ワーク・ライフバランスの両立を図るため、自らの意思でキャリアプランを選択可能とする、複線型の人事制度(管理職を除く。)としております。
また、個人が持つ能力を最大限発揮できるような職場環境とすべく、総労働時間数の削減や有給休暇取得の促進、育児支援策の拡充、各種ハラスメント撲滅研修の実施等の労働環境の整備にも取り組んでおります。
(3)リスク管理
当社グループを取り巻くリスクについて、リスク管理委員会(委員長:代表取締役社長)にて網羅的に把握し、管理しております。このうち、サステナビリティに関するリスクについては、サステナビリティ委員会を主管部門として、その対応策の立案や進捗の管理を行っております。
(4)指標及び目標
当社グループを取り巻くサステナビリティ課題のうち、重要度の高いものを抽出して「2030年までの目標」として設定しており、その内容は「
①温室効果ガスの排出量の削減
当社のCO₂の総排出量は、30,783t-CO₂(2021年度)であり、「2030年までの目標」の基準年度である2013年度に比して14.4%削減しております。今後、生産設備の更新や生産効率の改善、再生可能エネルギーの導入等により、さらなる削減に取り組んでまいります。
②食品ロスの削減
当社の食品廃棄物量の再生利用率は、99.8%(2022年度)でありますが、食品廃棄物総量は、基準年度である2019年度に比して増加(102.3%)しております。今後、工程改善等により、不良・廃棄削減に取り組んでまいります。
③持続可能な原料調達
当社が使用している「すり身」のうち、米国産が約5割、国産が約2割を占めており、大部分はMSC認証取得をはじめとする資源管理がなされたものを使用しております。今後、さらにその比率を高めるため、またIUU漁業からの調達ゼロを達成するため、「持続可能な原料調達」を推進し、サプライヤーと協働した各種取組みを進めてまいります。
④プラスチック使用量の削減
包装形態の変更等によりプラスチック使用量の削減に取り組んでおりますが、商品のロングライフ化(バリア性能向上のための包材の厚肉化)や小容量・個包装化に伴い、包材の使用量としては増加しております。今後、包材使用量のさらなる削減や、代替プラスチック等への置換を進めてまいります。
⑤人財育成
当社の2023年3月末日現在の女性管理職比率は5.8%でありますが、「2030年までの目標」である15%を達成するための各種施策に取り組んでおります。当事業年度における、当社の人財育成・職場環境整備に関連する指標ならびに施策の実施状況は以下のとおりです。
<提出会社における指標・実施状況>
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項目 |
数値・その他 |
補足説明 |
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男性の育児休業取得率 |
22.2% |
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女性の育児休業取得率 |
100.0% |
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新規入社した社員に占める女性の割合 |
42.9% |
当事業年度における新規学卒者 |
|
入社3年以内離職率(直近3期間) |
12.8% |
2021年3月期~2023年3月期に入社した新規学卒者のうち離職した人数 |
|
一人当たり平均時間外労働時間 |
20.9時間/月 |
目標:前事業年度比 10%の削減 (参考:前事業年度 21.9時間/月) |
|
平均有給休暇取得日数 |
11.9日 |
目標:新規付与日数の70% (参考:前事業年度 13.0日) |
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ハラスメント研修実施回数/年 |
3回 |
|
当社グループの事業の状況及び経理の状況に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクと、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断に重要な影響を及ぼすと当社グループが考える事項について、積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。
当社グループは、これらのリスクの顕在化の可能性を認識した上で、当該リスクの回避及び顕在化した場合の対応に努めております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる可能性がありますので、ご留意ください。
|
影響の大きさ |
大 |
2-① 食品の安全性に関するリスク |
2-② 業績の季節変動リスク 2-③ 為替レートの変動リスク |
1-① 原材料の市況に関するリスク 1-② 気候変動に関するリスク 2-④ 情報セキュリティに関するリスク 4-① 自然災害に関するリスク |
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中 |
3-② 訴訟によるリスク |
1-⑤ 海外事業に関するリスク 3-① 法的規制リスク 4-② 新型コロナウイルス等の感染症発生リスク |
1-③ 秋冬期の気温と売上の関係によるリスク 1-④ 価格競争に関するリスク 5-① 借入依存度に係るリスク 5-③ 退職給付会計に係る変動リスク |
|
|
小 |
5-② 固定資産の減損に係るリスク |
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|
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低 |
中 |
大 |
|
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発生の可能性 |
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(1)事業環境の変化に関するリスク
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リスク項目 |
リスクの説明 |
リスク対策 |
影響の内容 |
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① 原材料の市況に関するリスク |
当社グループの主力商品である水産練り製品の主原料は、国内外から調達するスケソウダラのすり身をはじめとした水産資源であります。水産資源の減少や漁獲規制の強化、あるいは国際的な水産資源の需要変化に伴う供給減等により原料価格が上昇する可能性があります。 また、原油等の需給逼迫が起き原材料市況が高騰した場合には、包装資材、容器類等の価格も上昇する可能性があります。 |
当社グループでは、安定的な原料確保に努め、これらを複数のルートから調達しております。 また、当社グループでは、包装資材の削減や包装形態・材質の見直し等を進めており、原材料の調達価格の安定化を図りつつ原材料消費量の削減にも取り組んでおります。 |
・売上原価の上昇 |
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② 気候変動に関するリスク |
世界的な気候変動により、年平均気温の上昇や気象災害の激甚化が引き起こされた場合には、サプライチェーンの途絶や消費者の購買行動の変化等により、当社グループ事業に影響を及ぼす可能性があります。 また、将来的な気候変動対策として炭素税が導入される等の場合には、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、気候変動による事業への影響を低減させるため、あるいはそれに適応するため、TCFD提言に基づく影響度分析及び情報開示に取り組んでおり、その内容は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等-(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題-⑦気候変動への対応」に記載しております。 |
・事業所の被災による事業の停止又はサプライチェーンの途絶 ・災害復旧費用等の発生
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③ 秋冬期の気温と売上の関係によるリスク |
当社グループの主力商品である水産練り製品は、季節に応じて需要の変動が生じます。特に、おでん・鍋物等の寒冷な時期に需要が増加する商品が多いことから、秋冬期に想定以上の温暖な天候、特に暖冬傾向が続く場合は、おでん・鍋物関連商品を中心に売上が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、これに対して一年を通してお客様の需要を取込むための新商品開発や販売促進活動の強化等、業績の季節変動を最小限に抑えるための対策、又は生産設備の更新又は新設による環境負荷の低減策等を講じております。 |
・年度業績の低下 |
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④ 価格競争に関するリスク |
当社グループは、主力商品である水産練り製品の小売り市場において、今後さらに競争が激化した場合には、販売単価の低下又は販売促進費用の増加等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、価格競争に巻き込まれないように、競合他社に対し差別化した商品の開発やプロモーション施策等の実施により、競争力の確保を図っております。 |
・年度業績の低下 |
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⑤ 海外事業に関するリスク |
当社グループは、海外においても製造及び販売活動を行っており、事業を展開する各国における政治・経済・社会情勢の変化等、予期せぬ事象により当該事業の活動に問題が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社のグループ会社統括部門において、月次事業概況報告を徴求するほか、日常的には国際事業統轄部門が業況を把握しております。 |
・海外事業セグメントの業績悪化 |
(2)当社グループの事業活動に関わるリスク
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リスク項目 |
リスクの説明 |
リスク対策 |
影響の内容 |
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① 食品の安全性に関するリスク |
当社グループでは、お客様に安全な食品を提供するために、当社商品衛生管理室及び当社グループの工場に品質管理課を設け、品質衛生基準に基づき、日々徹底した衛生管理を行っております。また、㈱紀文安全食品センターを設置し、品質衛生管理体制を強化しております。 しかし万が一、当社グループが提供する商品に問題が発生した場合、お客様への健康被害に加え、社会的信用の低下等による商品の販売の悪化、商品の回収や損害賠償等にかかる費用の発生等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、商品の製造にあたりHACCP(注1)の考え方に則った衛生管理をしており、これを確実にするために、主要な工場では食品安全マネジメントシステムの認証取得を推進し、製造委託先及び仕入先についても品質衛生基準に基づく管理を行っております。 さらに㈱紀文安全食品センター及び当社グループ工場の品質管理課では微生物検査、理化学検査を実施し、食品の安全を保証する活動に努めております。 |
・社会的信用の低下 ・販売状況の悪化 ・商品回収、損害賠償等の費用の発生 |
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② 業績の季節変動リスク |
当社グループの業績は、第3四半期連結会計期間の売上高及び利益が他の四半期連結会計期間に比べ高くなる傾向があります(注2)。 これは、主力商品である水産練り製品・惣菜は10月~12月の第3四半期連結会計期間に需要が集中(おでん・鍋物・おせち料理等)するためであり、当該四半期連結会計期間の販売状況によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、国内においては春夏商品の開発及びプロモーション展開、また季節変動の少ない海外において販売拡大に取り組むことで、通年での事業拡大を進めております。 |
・年度業績の低下 |
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③ 為替レートの変動リスク |
当社グループは、原材料を海外から調達していると共に、海外においても製造・販売の事業を営んでおり、製商品の輸出入も行っております。 そのため、製商品と原材料の輸出入取引において予測の範囲を超える急激な為替レートの変動が起きた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、原材料の調達における円建て取引や為替変動リスクをヘッジするための為替予約取引を利用しております。 |
・年度業績の低下 |
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④ 情報セキュリティに関するリスク |
近年、コンピューターウイルスや不正アクセス等のサイバー攻撃が高度化してきており、それら外部からのサイバー攻撃を受け、当社グループのシステムが停止又は混乱することで、事業に大きな影響が出る可能性があります。 また、当社は個人向けにオンラインショップを運営しており、不正アクセスや運用トラブル等により、個人情報が外部漏洩する事件・事故が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、情報セキュリティ強化のため、サイバー攻撃等への対策や従業員に対する教育訓練に取り組んでおります。 また、顧客情報管理につきましては「個人情報管理規程」、「情報セキュリティガイドライン」等の社内ルールを制定・運用しており、特に個人情報の取扱いに細心の注意を払っております。 |
・事業の一部又は全部の停止 ・訴訟費用等の発生 ・社会的信用の低下による販売状況の悪化
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(3)法的規制・訴訟に関するリスク
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リスク項目 |
リスクの説明 |
リスク対策 |
影響の内容 |
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① 法的規制リスク |
当社グループは日本国内においては、食品衛生法、食品表示法等の法的規制を受けていると共に、海外各国においても法的規制を受けております。 将来において予期し得ない法的規制等が設けられた場合、当社グループの事業活動が制限され業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、関係法令の改廃動向について、コンプライアンス委員会、各部署門が行政機関や加盟団体主催セミナーや外部専門家からの情報提供から把握し、周知徹底を行っております。また、相談窓口としての弁護士事務所とも契約しております。 |
・売上の低下 ・対応コストの発生 |
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② 訴訟によるリスク |
当社グループは、現在まで業績に影響を及ぼす訴訟を提起されている事実はありませんが、商品のクレームや事故等により訴訟を提起された場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、前術の「(2)‐①食品の安全性について」に記載のとおり、厳格な商品衛生管理及び品質管理のもとに製造を行っております。 |
・訴訟費用等の発生 |
(4)自然災害等に関するリスク
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リスク項目 |
リスクの説明 |
リスク対策 |
影響の内容 |
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① 自然災害に関するリスク |
当社グループの国内における工場等の事業所の多くは、東京都・神奈川県・千葉県・静岡県・岡山県・北海道に立地し、日本全国のマーケットをカバーしております。 したがって、消費地又は製造拠点において大規模な地震や想定を超える水害等が発生した場合には、当社グループ工場の操業停止による売上高の減少、さらに設備の修復のための費用の発生、物流の停滞等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、自然災害の発生等の非常事態時の事業継続のための供給体制を整備しております。 |
・事業所の被災による事業の停止、又はサプライチェーンの途絶 ・災害復旧費用等の発生 |
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② 新型コロナウイルス等の感染症発生リスク |
現時点においては、新型コロナウイルス感染症が当社グループに及ぼす影響は重大なものとはなっておりませんが、今後再び同感染症の感染が拡大した場合、あるいは新たな感染症の世界的な流行が発生した場合、社員の感染による操業停止やサプライチェーンの停滞等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、感染症拡大防止及び事業継続のため、衛生管理の徹底、社内外でのリモート会議の利用の推進と出張の削減、テレワーク・時差出勤等の効率的な事業運営を実施しております。 |
・工場の操業停止 ・サプライチェーンの停滞による売上低下と原価の上昇 |
(5)財務状況に関するリスク
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リスク項目 |
リスクの説明 |
リスク対策 |
影響の内容 |
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① 借入依存度に係るリスク |
当社グループの借入依存度(総資産における長期借入金、短期借入金、社債を合計した金額の割合)は、2023年3月期で41.2%であります。 したがって、今後予期せず金利水準が上昇した場合には、当社グループが望む条件での資金調達が十分に行えず、業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
借入実行に際しては金利動向に応じ適宜、変動ないし固定金利にて調達している他、金利スワップ等のデリバティブ取引を活用することで、支払利息の増加を防いでおります。 |
・支払利息の増加 |
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② 固定資産の減損に係るリスク |
当社グループでは、生産工場の土地建物等を自社保有しております。 将来において、事業環境の急変等により業績が悪化し、これらの事業用設備の収益性が低下した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
設備投資の実施にあたっては、事前に収益性や投資回収の可能性について様々な観点から検討を行っております。 現時点では、当社グループの業績等に大きな影響を及ぼす減損損失処理は終了していると認識しております。 |
・特別損失の計上 |
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③ 退職給付会計に係る変動リスク |
当社グループは、主に確定給付型を中心とした複数の退職給付制度を有しております。 そのため、当社グループの退職給付費用及び退職給付に係る資産及び負債は、年金資産と退職給付債務の動向によって変動し、当社グループの財政状態又は業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
年金資産について、定期的に退職給付債務の将来予測に基づく資産運用方針、運用機関の見直しを行っております。 また、数理計算上の前提条件と年金資産の期待運用収益率についても、毎年度事業年度開始前に検討のうえ見直しを行っております。 |
・多額の退職給付費用の発生 ・退職給付に係る資産の減少による純資産額の減少 |
(注1)HACCPとは、健康危害を及ぼす恐れがある危害要因をあらかじめ把握(Hazard Analysis)した上で、原材料の入荷から製品出荷までの全工程の中で、危害要因を除去及び低減させるために特に重要な工程(Critical Control Point)を管理し、製品の安全性を確保する衛生管理手法であります。
(注2)業績の季節変動
連結業績(2023年3月期連結会計年度)
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売上高 |
営業利益 |
|
|
金額(百万円) |
百分比(%) |
金額(百万円) |
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当連結会計年度の第1四半期連結会計期間(4月~6月) |
22,848 |
21.6 |
△70 |
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当連結会計年度の第2四半期連結会計期間(7月~9月) |
23,940 |
22.7 |
△715 |
|
当連結会計年度の第3四半期連結会計期間(10月~12月) |
34,982 |
33.1 |
2,371 |
|
当連結会計年度の第4四半期連結会計期間(1月~3月) |
23,921 |
22.6 |
437 |
|
合計 |
105,691 |
100.0 |
2,022 |
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は27,965百万円となり、前連結会計年度末に比べ65百万円増加いたしました。この主な要因は商品及び製品が937百万円、原材料及び貯蔵品が517百万円増加した一方で、現金及び預金が1,197百万円減少したことによるものであります。
固定資産は35,785百万円となり、前連結会計年度末に比べ170百万円増加いたしました。この主な要因は退職給付に係る資産が249百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、63,750百万円となり、前連結会計年度末に比べ236百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は25,381百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,716百万円減少いたしました。この主な要因は短期借入金が533百万円、未払金が381百万円増加した一方で、借り替え等により1年内返済予定の長期借入金が2,539百万円減少したことによるものであります。
固定負債は24,530百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,296百万円増加いたしました。この主な要因は社債が771百万円、長期借入金が1,717百万円増加した一方で、リース債務(固定)が337百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、49,911百万円となり、前連結会計年度末に比べ579百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は13,839百万円となり、前連結会計年度末に比べ342百万円減少いたしました。この主な要因は為替換算調整勘定が517百万円増加した一方で、退職給付に係る調整額が938百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は21.2%(前連結会計年度末は21.8%)となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による停滞から社会活動の平準化に向けた取組みが進む中で、地政学リスクの高まりや為替相場の急激な変動など、依然として先行不透明な状況が継続しました。
食品業界におきましては、一部で人流の再開に伴う回復基調が見られ、内食需要に加え簡便・即食や健康志向といった顕在化した消費者のし好変化への対応も求められました。しかし急激な原材料やエネルギーの価格上昇を要因としたコスト増が通年で影響を及ぼし、厳しい経営環境が続きました。
このような環境下において、当社グループは2021年4月よりスタートした中期経営計画2023のもと、収益性向上と財務体質改善による『持続的成長サイクルの確立』を目指した取組みを推進し、創造と改革により成長性と収益性のある企業グループを目指し活動しております。
当連結会計年度においては、「新しい生活様式」に適合した食に対する時短・簡便志向や健康志向、さらに賞味期限を延長したロングライフ需要にお応えする製品の開発と安定供給に努めるとともに、成長領域として捉えている海外食品事業での展開を強め売上拡大を図りました。一方で年間を通して原材料や資材、エネルギーなど事業運営上必要な価格が想定以上に上昇し続け、商品の価格改定などを行うとともに生産や業務の効率化に取り組み、原価率低減と利益改善に努めましたが、コスト上昇分を吸収するまでには至りませんでした。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高105,691百万円(前年同期比6.5%増)、営業利益2,022百万円(前年同期比46.9%減)、経常利益1,760百万円(前年同期比48.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は442百万円(前年同期比76.7%減)となりました。
(単位:百万円)
|
|
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に 帰属する当期純利益 |
|
2023年3月期連結会計年度 |
105,691 |
2,022 |
1,760 |
442 |
|
2022年3月期連結会計年度 |
99,203 |
3,809 |
3,396 |
1,898 |
なお、当社グループの売上高・営業利益は、主力商品である水産練り製品・惣菜が秋季・冬季に需要が高まることと12月のおせち料理関連商品の売上により、第3四半期に集中する傾向にあります。前期及び当期における当社グループの各四半期における売上高及び通期の売上高に対する割合、営業利益は次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
|
2022年3月期 前連結会計年度 |
2023年3月期 当連結会計年度 |
||||||
|
第1 四半期 |
第2 四半期 |
第3 四半期 |
第4 四半期 |
第1 四半期 |
第2 四半期 |
第3 四半期 |
第4 四半期 |
|
|
売上高 |
20,833 |
21,713 |
31,719 |
24,936 |
22,848 |
23,940 |
34,982 |
23,921 |
|
(通期割合) |
(21.0%) |
(21.9%) |
(32.0%) |
(25.1%) |
(21.6%) |
(22.7%) |
(33.1%) |
(22.6%) |
|
営業利益又は 営業損失(△) |
140 |
42 |
3,059 |
567 |
△70 |
△715 |
2,371 |
437 |
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(国内食品事業)
国内食品事業では、国内において食品の製造及び販売を行っております。
売上面では、主力である水産練り製品は、簡便・即食に対応した食材として、また家庭の冷蔵庫内の備蓄食材として、主に生竹輪やはんぺん、当社オリジナル製品であるチーちく®やカニカマが年間を通して好調に推移しました。当社独自の製法で作られたすみっコぐらしかまぼこ等のキャラクター蒲鉾も好評を得て、若年層などに向けた水産練り製品の認知及び消費拡大の一助となりました。さらに秋冬商戦を中心におでん商品や鍋だねなど季節性の高い商品カテゴリーや、正月商戦では盛り付けるだけの手軽なおせちセット商品が売上を伸ばしました。一方、前期に見られた特需的な内食需要増からの反動減もあり、惣菜商品の中華餃子が対前年比で売上減となりました。また、健康価値のニーズに適した糖質0g麺は、「糖質オフの麺状商品」という新しい食品カテゴリーを創出しましたが、消費者の健康に対する意識の多様化により影響を受け、対前年比で売上減となりました。販売促進として、年間を通して販売店様と一体となった売場展開や、SNSを通じて水産練り製品の健康価値や時短・簡便ニーズに適した食材である旨を訴求するプロモーション施策等を実施しました。なお、当社では2022年2月末に続き、2022年8月末より秋冬商品の、同年12月には正月商品の一部商品に対して価格改定を実施しましたが、価格改定後も全般的に売上数量・金額とも好調に推移いたしました。
利益面では、価格改定により利益率の改善、生産や業務効率の向上に向けた取組みを実施しているものの、想定を超える原材料やエネルギー価格の上昇が続き大きく影響を受けました。このため2023年2月末より春夏商品の一部商品に対して再度価格改定を実施しております。
この結果、当セグメントの売上高は75,420百万円(前年同期比6.5%増)となり、セグメント利益は40百万円(前年同期比98.0%減)となりました。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
売上高 |
セグメント利益 |
売上高 |
セグメント利益 |
|
70,839 |
2,010 |
75,420 |
40 |
(海外食品事業)
海外食品事業では、海外において食品の製造及び販売を行っております。
売上面では、米国、アジア・オセアニア、欧州の各市場での経済活動の回復に伴い、販売促進活動を強化いたしました。新規取引先の開拓や日系及び現地小売店への展開拡充、取引先のECサイトでの当社商品の取り扱い開始などの活動を行い、水産練り製品や仕入商材の販売が拡大しました。また、糖質オフ・低カロリー・グルテンフリーなど高い健康価値を食に求める消費者に受け入れられている商品「Healthy Noodle(糖質0g麺)」が、引き続き米国で安定した需要を獲得し好調に推移しました。海外拠点が展開するエリア別の売上実績でも、米国やシンガポールの市場では現地通貨ベースで対前年比2桁の伸びを達成しております。一方で年度後半には、中国での感染急拡大に伴う経済活動の停滞や、米国でのインフレ懸念と、消費者心理の悪化による在庫調整圧力の増加の影響が顕在化しています。
利益面では、利益率の高い水産練り製品をはじめとする自社製品の販売量増と、グローバルな調達ネットワークを生かした仕入商材の販売が、増益要因として奏功しました。
この結果、当セグメントの売上高は12,654百万円(前年同期比13.7%増)となり、セグメント利益は1,128百万円(前年同期比1.0%増)となりました。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
売上高 |
セグメント利益 |
売上高 |
セグメント利益 |
|
11,134 |
1,117 |
12,654 |
1,128 |
(食品関連事業)
食品関連事業では、国内において食品の運送、その他食品に関連した事業を行っております。
売上面では、当事業セグメントの中心である物流事業で、小売店・問屋向け日配系チルド物流の共同配送分の物量が通期で好調に推移するとともに、行動制限の緩和に伴い外食・百貨店・観光地土産物店向け等の物量が増加しました。また情報システム事業でも、システム機器販売として虹彩認証をベースとした入室管理システムを展開する等、新分野を開拓し着実な取組みを行っております。
利益面では、エネルギー価格の上昇により冷蔵倉庫の電力費が上昇したものの、売上増収効果と配送効率の向上により増益となりました。
この結果、当セグメントの売上高は17,616百万円(前年同期比2.2%増)となり、セグメント利益は891百万円(前年同期比10.5%増)となりました。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
売上高 |
セグメント利益 |
売上高 |
セグメント利益 |
|
17,229 |
807 |
17,616 |
891 |
③ キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
155 |
921 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△871 |
△1,422 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
4,044 |
△755 |
|
現金及び現金同等物の増減額 |
3,368 |
△1,238 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
4,265 |
7,633 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
7,633 |
6,395 |
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ1,238百万円減少し、6,395百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業キャッシュ・フローは、921百万円の収入(前連結会計年度は155百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益1,652百万円、減価償却費1,929百万円、棚卸資産の増加額996百万円及び退職給付に係る資産及び負債の減少額1,608百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,422百万円の支出(前連結会計年度は871百万円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出1,379百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、755百万円の支出(前連結会計年度は4,044百万円の収入)となりました。これは、リース債務の返済による支出767百万円などによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
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|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
国内食品事業 |
61,912 |
94.1 |
|
海外食品事業 |
6,561 |
98.6 |
|
食品関連事業 |
- |
- |
|
合計 |
68,473 |
94.5 |
(注)食品関連事業は、食品の配送等を主な事業とするセグメントであることから、生産に該当する事項がありませんので、記載しておりません。
b.受注実績
当社グループは、見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
国内食品事業 |
75,420 |
106.5 |
|
海外食品事業 |
12,654 |
113.7 |
|
食品関連事業 |
17,616 |
102.2 |
|
合計 |
105,691 |
106.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しており、連結財務諸表の作成に当たり、資産、負債、収益及び費用の報告に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。これらの見積り及び仮定に基づく会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、次の会計方針は、連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えております。
a.退職給付会計の基礎率
当社グループは、確定給付型を含む複数の退職給付制度を有しております。
確定給付制度の債務の現在価値及び関連する勤務費用等は、数理計算上の仮定に基づいて算定しております。数理計算上の仮定については、割引率、年金資産の長期期待運用収益率や予想昇給率等の変数についての見積り及び判断が求められます。
数理計算上の仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
b.固定資産の減損
当社グループは、減損損失の認識の判定及び測定を行う単位として資産のグルーピングを行い、減損の兆候の有無を判定しております。減損の兆候が存在する場合、当該資産又は資産グループから得られる将来キャッシュ・フローに基づき、減損損失の認識の要否を判定しております。
減損損失を認識すべきと判定された資産又は資産グループについては、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。回収可能価額は使用価値又は正味売却可能価額により算定しております。使用価値は、当該資産から得られる将来キャッシュ・フローに基づき算定しております。
将来キャッシュ・フローの算定には、翌期の事業計画の前提となった数値を基に、主原料価格の過去の推移も踏まえた将来の相場予測、当社グループ内で用いている将来の収益予測等の仮定を考慮して見積っております。
当該見積り及び仮定については、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果が異なった場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、固定資産の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
c.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できること、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産に計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りとなるため、事業環境等の変化により見積りが減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態及び経営成績の分析
当連結会計年度における財政状態及び経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要① 財政状態の状況及び② 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要は、主に水産練り製品・惣菜向けの製造設備に係る設備投資であります。これらの資金の源泉は、営業キャッシュ・フロー及び金融機関からの借入等により調達することとしております。調達した資金は、成長と経営効率改善のための投資を実施し、資本の充実と借入の返済を進めるとともに、株主還元の安定的拡大を目指してまいります。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
d.経営戦略の現状と見通し
当社グループは、経営理念である「革新と挑戦と夢」を企業行動の軸とし、「創造と改革により成長性と収益性のある企業グループ」となるよう、2021年4月から3カ年の中期経営計画2023を策定しました。活動の基軸は「成長の加速」、「経営効率の改善」、「経営基盤の整備」の3点とし、着実に企業価値向上に努めてまいります。
中期目標として、次期中期経営計画の最終年度である2026年度に、海外売上高比率を15%、営業利益率を5%、自己資本比率を40%と設定し、その第1ステップとして、今回の中期経営計画2023では、成長性と収益性の基盤づくりに取り組み、海外売上比率13%、営業利益率4.2%、自己資本比率30%を目標値としておりました。最終年度である2023年度の業績見通しでは、会計基準変更の影響分を加味した売上伸長率と、成長のドライバーとして示した海外売上比率は目標値を上回ります。一方、営業利益率及び自己資本比率は、新型コロナウイルス感染症の社会活動への影響の長期化や、地政学リスクに伴うコスト上昇など、策定時の事業環境とは異なるマクロ的な状況の変化による影響が大きく、今回中期目標値には未達となりますが、対前連結会計年度では上回る見通しです。当社グループは引き続き成長性と収益性の基盤づくりに取り組み、次期中期経営計画へ繋げる活動をしてまいります。
なお、中期経営計画の2年目にあたる2022年度の実績は、前述の「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
今後も成長と企業価値向上に向け、事業セグメント別に取組みを充実させてまいります。
国内食品事業では、市場ニーズとトレンドに合致した製品展開と需要創出、販路拡大を通じて、国内市場での更なるシェア拡大を図りながら、安定した成長を図ってまいります。また健康志向や、簡便性、たのしさ等のお客様のニーズに合致した水産練り製品や惣菜類の商品ラインアップを充実させるとともに、店頭演出の強化等によってお客様への訴求力向上に加え、SNSを活用したプロモーションの実施により若年層を中心とする次世代層への認知と消費の拡大につなげてまいります。同時に、生産効率の向上や生産能力の増強のための設備投資を通じて、成長性と収益性を高めてまいります。
海外食品事業は、当社グループの成長ドライバーとして注力する商品とエリアを定め、業容拡大に向けた取組みを実施いたします。グローバル戦略商品として、海外市場でも需要が右肩上がりのカニカマと、健康価値を求められるお客様ニーズに合致した糖質オフでグルテンフリーの商品「Healthy Noodle」を商品ラインアップの中心に据え、北米・中国・東南アジアの各エリアで重点的かつ積極的に販売拡大を図り、海外食品市場での存在感を高めつつ連続的な成長を実現してまいります。
食品関連事業では、当社グループの強みである高度な温度管理を求められるチルド物流事業において、環境負荷低減の観点からも注目されている共同配送事業の運営に一層注力してまいります。さらに物流と情報システムを連動させた配送網の拡充に取り組み、多様な物流サービスの選択肢をバランス良く提案しつつ、市場ポジションを高めてまいります。
また、食品製造業としてこれまで培ったノウハウを活かし、収益性の向上に向けて自働化・省人化の推進による生産効率向上への取組みや、高付加価値商品の生産能力増強等を行うとともに、「食の安全・安心」を最優先とした製造管理と品質衛生管理を強化してまいります。加えて「おいしさと健康」の視点から商品価値創造の基盤となる基礎研究を推進しつつ、新規原材料の開発や製造技術の革新に取り組みます。これらを通じて、中長期視点で原材料相場に左右されない経営体質の構築を図ります。
当社グループは、事業目標の達成と社会課題解決の実現は両立できるものであると考え、事業を通じて社会課題を解決するよう持続可能(サステナブル)な取組みを積極的に牽引する組織として設置したサステナビリティ委員会を中心に、サステナビリティ活動の基本方針と行動規範を定めつつ、重点的に取り組むべき5項目として「温室効果ガス排出量の削減」、「食品ロスの削減」、「持続可能な調達」、「プラスチック使用量の削減」、「人財育成」を設定し、それぞれ2030年度までの達成目標を掲げて活動してまいります。
e.経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループでは、差別化された技術を開発するため、当社開発室研究開発部が中心となり研究開発活動に取り組んでおります。
当社グループの研究開発活動は、原材料の研究と製品の機能性向上に関連する新技術・新工法の開発、製品のおいしさ・健康等のお客様への提供価値に関する研究及び新規事業に関する研究が大きなテーマであります。
当社グループ製品の原材料となるスケソウダラ等の漁獲変動に加え、水産資源の世界的な需要増加の影響を受けてすり身価格が上昇しているほか、消費者の低価格志向の継続や健康志向の高まりなど、当社グループを取巻く経営環境は大きく変化しております。
そうした環境下でも安定した事業を継続するために、水産練り製品の持続可能性の向上を企図した原材料の研究及び大豆タンパク加工食品の研究開発を中心に活動を行っております。当連結会計年度における主要な研究開発活動は以下のとおりであります。
(1)原材料及び製品の機能性向上に関する研究
新たな原料魚の探索を目的として、これまで利用実績のない新規すり身の品質評価を行いました。また「未利用資源」に関する基礎・加工研究を行い、ゲル化特性等を見出しております。
既存製品の課題や要望に対する品質改良及びロングライフ(LL)化研究を行い、有用な加工条件やLL化条件を見出しております。
(2)おいしさ・健康等の提供価値の探求
水産練り製品(つみれ・さつま揚)の健康価値に関する基礎研究を行い、その成果を学術専門誌で論文発表(国際誌1報告、国内誌1報告)いたしました。また、原料および製品(カニカマ・ちくわ等)の健康価値に関する基礎研究を行い、魚肉と植物を混合させる相乗効果について国内特許を出願いたしました。
既存製品の健康価値に関する学術論文情報に加え、はんぺんのふわふわ食感に関する分析・評価を行い、その結果を当社コーポレートサイト内で紹介いたしました。
(3)事業領域・技術領域を拡大するための技術開発
植物原料及び大豆タンパク質に関する基礎研究および加工研究を行い、植物素材の特徴に関する成果を国際誌にて発表いたしました。
これらの結果として、当連結会計年度において支出した研究開発費は
なお、これらの研究開発活動は基礎技術の確立が中心であり、いずれも当社のみで行っております。その成果は当社グループ全体の製造・販売活動に還元しており、各セグメントには配分できないため、セグメント別の記載はしておりません。