文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「新しい可能性を、次々と。」をミッションとし、社会における様々な「課題」を、テクノロジーを活用したサービス創造を通じて解決する事業を複数擁するデジタル・トランスフォーメーション・カンパニーとして、社会に貢献してまいります。
今後の方向性としては、主力サービス『ビズリーチ』を含むHR Tech領域でのさらなる事業成長とともに、社会的課題を捉えた新規事業の継続的な創出、国内外の有望な企業への投資とノウハウ提供を通じて、当社グループの事業領域拡大と企業価値の向上を図ってまいります。
当社グループは、事業規模と収益性を測る指標として、売上高及び営業利益を重視しております。なお、営業利益の着実な拡大は維持しながらも、中長期的な企業価値の向上のため、新規事業への積極的な先行投資を継続することを企図しております。また、サービス別では主要サービスである『ビズリーチ』においては、人材採用プラットフォームのアクティビティが重要であると考えていることから、累計導入企業数及びスカウト可能会員数の拡大を重視しております。『HRMOS』においては、サブスクリプション(定期購入による継続課金)型のサービス提供をしているため、利用中企業数の拡大及びChurn rateを低く抑える事を重視しております。
① 市場での『ビズリーチ』の明確なポジショニングと更なる拡大余地
『ビズリーチ』の主なターゲットとなる、日本における従業員101名以上の企業数は、48,645社(「都道府県別一般事業主行動計画策定届の届出及び認定状況(2020年3月末時点)」(厚生労働省)を加工して算出)存在し、ビズリーチをご利用いただいたことのある累計導入企業数は、15,500社以上(2021年1月末時点)です。現在の市場においても、今後、未利用企業の新規開拓及び利用企業への深耕営業の更なる促進により、更なる成長可能性を有しております。
また、人材紹介業及びネット転職情報サービスの国内市場規模はそれぞれ年々拡大しており、両者の合算値ベースで、2015年度の3,028億円(人材紹介業2,100億円、ネット転職情報サービス928億円)から、2019年度には4,395億円(人材紹介業3,080億円、ネット転職情報サービス1,315億円、合算値につき2015-2019年度年平均成長率9.8%)まで成長しております(出所:矢野経済研究所「人材ビジネスの現状と展望2020年版」2020年9月)。雇用の流動化により、ホワイトカラーの転職活動が中長期的にさらに活発化していくポテンシャルが存在しております。
当社グループの主力サービスである『ビズリーチ』は、経営幹部等のプロフェッショナル人材の採用を支援するサービスであり、顧客企業が抱える経営課題を解決する性質を有しております。スカウト可能な123万名以上(2021年1月末時点)のプロフェッショナル人材のデータベースを擁し、顧客企業と経営上のパートナーとしての関係性を築いております。
② 各採用領域における充実したサービスラインナップ
当社グループは、新卒をターゲットとする『ビズリーチ・キャンパス』、最初の転職である20代の若手転職を支援する『キャリトレ』、企業活動の中核を担うプロフェッショナル人材の採用を支援する『ビズリーチ』とキャリア形成における各ステージのサービスを提供することに加えて、ハイスキルITエンジニア向け転職サイト『BINAR』、パートタイマー・アルバイト領域の求人検索エンジン『スタンバイ』を通じて、各領域特化型の採用サービスを提供しております。国内における人材獲得競争が激しさを増す中、当社グループは採用に関する総合的なプラットフォーマーとして、確かな地位を築くことを目指しております。
③ 収益構造の多様化
当社グループは、『ビズリーチ』に代表されるフロー型の収益構造に加え、『HRMOS』シリーズに代表されるサブスクリプション(定期購入による継続課金)のサービス提供を通して、収益構造の多様化を図り、安定的かつ継続的な収益構造を目指しております。
④ 幅広い領域における新規事業創出能力
当社グループは、採用領域における事業開発のみならず、HR SaaS領域における『HRMOS』シリーズ、M&A領域における『BizReach SUCCEED(ビズリーチ・サクシード)』、サイバーセキュリティ領域における『yamory(ヤモリー)』等、幅広い領域において新規サービスを生み出してまいりました。新規事業に特化した戦略子会社であるビジョナル・インキュベーション株式会社の設立等の取り組みを含め、当社グループは、継続的な新規事業創りに対する強いコミットメントを有しております。
また、当社グループは、新規事業を創出し、一定の規模に育てた上で、当該事業を高く評価するパートナー企業に持分を譲渡することを通じて、成長資金を獲得してきた実績もあります。具体的には、株式会社ビズリーチが2010年に開始したセレクト・アウトレット型EC事業『ルクサ』については、当該事業を株式会社ルクサとして分社させた後に、2015年にKDDI株式会社への株式売却を行いました。また、株式会社ビズリーチが2015年に開始した求人領域特化型検索エンジン事業『スタンバイ』については、2019年にZホールディングス株式会社と株式会社ビズリーチの合弁事業会社として事業開始した株式会社スタンバイに対して、事業の吸収分割を行いました。これらの取引より得られた資金は、グループのさらなる成長のため、新規事業開発等に再投資されております。
⑤ プラットフォーマーとしてのポジショニング
当社グループは、主力サービス『ビズリーチ』運営で培ったプラットフォーム運営ノウハウを活かし、他領域でも主要なプラットフォーマーとしての地位を確立しております。
物流業界のデジタル・トランスフォーメーションを推進する荷主・運送企業を結ぶオンラインプラットフォーム『トラボックス』、国家課題でもある事業承継をはじめとする資本の流動化を支援する事業承継M&Aプラットフォーム『BizReach SUCCEED(ビズリーチ・サクシード)』の運営を行っております。
『トラボックス』は、2020年の年間累計での荷物情報登録件数97万件となっており、荷主・運送企業を結ぶ国内最大級のプラットフォームとなっております。『BizReach SUCCEED(ビズリーチ・サクシード)』は、2021年1月時点で6,600社以上の買い手企業と460社以上のM&Aアドバイザリー事業者が参画するサービスに成長し、2020年10月からは中小企業庁との連携も行うなど、HR領域以外の領域においてもキープレイヤーとしての地位を確立しつつあります。
人材ビジネス市場は、リーマンショック時の市場急降下から回復に向かっておりましたが、2020年初め頃より新型コロナウイルス感染症の拡大による経済活動の停滞等により、有効求人件数、有効求人倍率は減少に転じております。
しかしながら、新型コロナウイルスの影響によるリモート勤務や、企業寿命と労働寿命のミスマッチ、製造業からサービス業への基幹産業の移行、年功序列/終身雇用から成果主義/ジョブ型への働き方の変化等、社会構造の変化と技術の進化により、「働き方」や「転職への考え方」が根底から変化し、日本における「雇用の流動化」は益々加速していくと考えております。また、日本における採用市場の成長は続くとともに、米国市場と比べると、雇用の流動化による市場拡大余地が大いにあると考えております。
例えば、独立行政法人労働政策研究・研修機構が発表した労働力調査によると、2017年7月現在の勤続1年未満の雇用者の割合は、米国の22.3%に対し日本は7.9%(注1)と中途採用を選択する従業員の数は比較的少ないと考えております。また、2002年から2019年までの平均年間売上高に基づくと、日本の人材紹介市場は、米国の2.6兆円に対し、0.3兆円(注2)と小さく、雇用の流動化による市場拡大が起こると考えております。
(注)1.「データブック国際労働比較 2019」(独立行政法人労働政策研究・研修機構)より
2.米国市場はAmerican Staffing Association「Annual sales of search and placement services in the United States from 2002 to 2019 (in billion U.S. dollars)」(2020年8月31日発刊)より、Statistaのサイトより2020年10月27日に取得使用しているデータは2019年におけるSearch (エグゼクティブサーチ) 及びPlacement(一般職業紹介)の市場規模の合計値を1ドル=109円(2019年末TTM)で換算。日本市場は矢野経済研究所「人材ビジネスの現状と展望2020年度版」より人材紹介業の2019年度市場規模の推計値「データブック国際労働比較 2019」(独立行政法人労働政策研究・研修機構)より
(6) 事業上及び財務上の対処すべき課題
(2)記載の経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりです。
① 採用市場における「ダイレクトリクルーティング」の浸透
前項「経営環境」にて記載の通り、当社グループの中核をなすHR関連サービスにとって、「ダイレクトリクルーティング」の浸透が大きな成長ドライバーとなっております。そのため、当社グループは、東京・大阪・名古屋・福岡の各拠点における営業活動、TVコマーシャルなどの積極的な広告宣伝、各種メディアを活用した戦略的な広報等により、当社サービスの知名度の向上とともに「ダイレクトリクルーティング」の周知・啓蒙に努め、一定の成果をあげて参りました。これにより、「ダイレクトリクルーティング」の代表的なサービスとしての認知を得ることに成功しています。
一方で、国内すべての正社員転職件数を潜在的な市場とみなした場合、当社グループサービスを経由した転職件数が占める比率はまだ低い水準にあると考えております。当社グループサービスの認知度の高まりを、当社グループサービスを経由した転職件数の更なる増加に繋げることで、今後の収益増を実現してまいります。このために、「ダイレクトリクルーティング」の具体的な成功事例の積み上げと周知に努めるとともに、経営者・採用担当者による実践を助けるノウハウを手厚く提供してまいります。
② 収益源の多様化
当社グループは、事業規模の指標である売上については、殆どの事業において順調に成長している一方で、収益性の指標である営業利益については、ビズリーチ事業への依存度が高い状態にあります。中長期に亘って成長するグループであるために、ビズリーチ事業に続く収益の柱を確立することが重要であると考えております。
③ 優秀な人材の確保
当社グループは、今後も事業領域を広げつつ、各事業の成長を目指していく上で、多様なバックグラウンドを持つ優秀な人材を採用し続けることが不可欠であると考えております。これまでも、経営者、事業責任者、採用担当者などが自ら候補者を見つけ出してアプローチする「攻め」の採用手法と、求人メディアへの出稿や人材紹介会社の利用といった従来型の「待ち」の採用手法を組み合わせて、あらゆる選択肢の中から主体的に最善手を選びながら「ダイレクトリクルーティング」を実践する中で、従業員1,000名を超える組織を築いてまいりました。今後も、多様な採用手法を用いて優秀な人材の獲得に努め、「ダイレクトリクルーティング」のコンセプトを体現してまいります。
④ 情報管理体制の強化
当社グループが運営する事業においては、顧客情報、個人情報を多く取り扱っており、これらの情報管理については重要課題と認識しております。
個人情報保護方針及びインサイダー取引の未然防止を含む社内規程の整備並びに規程の運用の徹底、社内研修の実施を通じて、これらの情報については厳正に管理しておりますが、引き続き関連社内システムの一層のセキュリティ強化、社内研修の更なる整備等を図り、情報管理のための管理体制を拡充してまいります。
また、株式会社ビズリーチは、一般社団法人日本情報経済社会推進協会が運営するプライバシーマーク制度の認証を取得しております。
⑤ 内部管理体制の強化
当社グループは、急速に事業が成長しており、求められる機能も拡大しております。継続的に当社グループが成長を遂げていくためには、経営上のリスクを適切に把握し、当該リスクをコントロールするための内部管理体制の強化が重要な課題と考えております。このため、今後も事業運営上のリスク管理や定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、監査等委員会による監査等を基軸とするコーポレート・ガバナンス機能の充実等を図ってまいります。また、当社グループの成長速度に見合った人材の確保及び育成のため、継続的な採用活動と研修活動を行ってまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主なリスクは、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
当社グループの業績は、景気変動等の経済情勢、社会情勢及び地政学的状況に影響を受けます。特に、当社グループが主力とするHR Techセグメントの事業は、景気変動や雇用情勢等の動向に影響を受けやすい特性があります。雇用情勢は、企業業績及び政府の雇用政策等の影響を受けます。また、Incubationセグメントの事業についても、経済情勢の悪化により、想定しているとおりの成長を達成できない可能性があります。さらに、経済情勢等によって、当社グループの提供するサービスの価格に対する値下げ圧力が増す可能性があります。当社グループは、幅広い採用領域においてサービスを提供することによって環境変化に影響を受けにくい収益構造を目指しておりますが、何らかの要因により、企業の人材採用需要が減退した場合や経済情勢の変化等が当社グループのサービスの需要低下や収益性の低下等を招いた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による当社グループへの影響については、「(19) 新型コロナウイルス感染症の影響について」をご参照下さい。
当社グループが事業を展開する市場では、各分野において既に多数の競合他社が存在しており、一定の競争環境があるものと認識しております。
当社グループの中核事業であるビズリーチ事業では、ビジネスプロフェッショナル向けの人材採用市場において、「ダイレクトリクルーティング」という新しい仕組みを普及させ、これを実践するプラットフォームをいち早く市場へ投入し、また効果的な広告宣伝活動によるプラットフォーム利用者の増加により、すでに一定の市場における競争優位性を確立しているものと認識しております。今後も当社グループのサービスの競争優位性の強化に尽力してまいりますが、伝統的な人材紹介業者等との競争に加えて、国内の人材紹介業者や求人情報サービス業者等がオンラインサービスや人材採用プラットフォームのサービスを拡充したり、オンラインの人材採用プラットフォームをグローバルに展開する海外の競合他社が日本市場でのサービスをより強化する等の場合には、それらの他の人材採用プラットフォームとの競争が激化する可能性があります。
人材採用プラットフォームに関して優れたビジネスモデルを有する競合他社が現れた場合等には、競争の激化により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループでは効果的な広告宣伝活動を継続する方針ではありますが、今後においても広告宣伝活動により、プラットフォーム利用者が増加する保証はなく、プラットフォーム利用者が増加しないこと等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
HRMOS事業についても、日本におけるクラウドベースでのHCM向けの市場は比較的新しく、新たな競合他社が日本の当該市場に参入した場合や、当社がHRMOS事業のサービスを更に拡大し、または既存の競合他社が自社の事業を拡大した場合等には、競争の激化により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
さらに、Incubationセグメントでは、デジタル・トランスフォーメーションを進めることができる市場ポテンシャルを有すると当社グループが戦略的に考える領域において新規の事業を行っており、今後も行う方針でありますが、当該領域における競合他社との競争や類似の戦略を採用する他社との競争に直面する可能性があります。
さらに、当社グループが事業を展開する市場は技術の変化が激しいため、技術革新に対応できず、当社グループのサービスの競争力が低下した場合等には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3) 特定事業への依存リスク
当社グループはビズリーチ事業を中核事業と位置付けております。2020年7月期における売上高(25,879百万円)に占める同事業の売上高(20,945百万円)の比率は80.9%であり、その依存度は高い状況にあります。ビジネス・プロフェッショナル向けの人材採用市場は今後も継続して拡大すると想定しておりますが、転職・中途採用を受け入れる社会意識やビジネス慣習の変化は、当社が期待するほどには進まない可能性があります。また、日本におけるオンライン採用ソリューション市場は、従来型の採用サービス市場ほどは成熟していないため、当社グループの見込み通りにオンライン採用ソリューションの利用が増加するとは限らず、事業環境の変化や当社サービスの競争力低下が生じた場合等は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、ビズリーチ事業は、直接採用企業、ヘッドハンター及び求職者から対価を受領して収益を上げており、同事業の継続的な成長にはこれらの顧客の獲得及び維持が重要です。当社サービスの顧客誘引力が低下した場合や、これらの顧客に対する販売・マーケティング活動が奏功しない場合等には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4) 新規事業について
現在、当社グループの収益の大部分は、ビズリーチ事業から生み出されています。当社グループは、中長期的な事業規模の拡大と収益源の多様化を実現するために、ビズリーチ事業で生み出した収益の範囲内で、当社グループの経営ノウハウを活かした新規事業の創出に積極的に取り組む方針であります。新規事業の展開にあたってはリスクを軽減するために必要な情報収集及び検討を実施しておりますが、現時点で新規事業の多くは黒字化を達成しておらず、新規事業の拡大・成長が当初の予測通りに進まない場合、投資資金を回収できず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、本「2 事業等のリスク」に記載の様々な要因により、ビズリーチ事業から十分な収益を生み出すことができない場合には、新規事業に投資する能力が制限される可能性があります。さらに、新規事業の立ち上げに関して想定以上のコストがかかる場合や、新規事業の収益実現が遅れた場合等には、計画していた投資や事業拡大からの撤退を決定する可能性があり、そのような戦略的な撤退により多額の費用が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
特にHRMOS事業については、「勤怠」「労務」「給与」等のサービスの開発を推し進める等、事業の拡大を目指しておりますが、これらのサービスの開発が予定通りに進まなかった場合や収益化が実現できず投資資金を回収できなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5) システム障害等について
当社グループの事業は、インターネットを利用しているため、自然災害、事故、不正アクセスなどによって通信ネットワークの切断、サーバー等ネットワーク機器に作動不能などのシステム障害が発生する可能性があります。当社グループでは、稼働状況の定期的なモニタリング、異常発生時の対応方法等の明確化などシステム障害の発生防止のための対策を講じておりますが、このような対応にもかかわらず大規模なシステム障害が発生した場合等には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループは、その事業の重要な分野で外部のサービスプロバイダーに依存しています。特に、クラウドベースのサービスのほとんどは、外部クラウドサーバー(Amazon Web Services社が提供するサービス(以下、「AWS」という。))を利用して提供されています。そのため、顧客へのサービス提供が妨げられるようなシステム障害の発生やサイバー攻撃によるシステムダウン等を回避すべく、複数の地理的リージョン(注1)とアベイラビリティゾーン(注2)の利用による冗長性の確保や定期的な脆弱性診断及び各種不正アクセス対策等によるセキュリティの対応、また、システム稼働状況の監視等を実施しております。しかしながら、このような対応にもかかわらず自然災害、事故、不正アクセスなどによってAWS等のシステム障害が発生した場合、又は外部のサービスプロバイダーとの契約が解除される等によりAWS等の利用が継続できなくなった場合等には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(注)1.地理的に独立したサーバーの設置エリアのことを意味します。
2.リージョンの中の個々の独立したデータセンターの名称のことを意味します。
(6)サービス等の不具合
高度なソフトウェアは不具合の発生を完全に解消することは不可能であると言われており、当社グループのアプリケーション、ソフトウェアやシステムにおいても、各種不具合が発生する可能性があります。
今後も信頼度の高い開発体制を維持・構築してまいりますが、当社グループ事業の運用に支障をきたす致命的な不具合が発見され、その不具合を適切に解決できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 情報セキュリティについて
当社グループは、事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあり、また、営業上の機密情報を保有しています。当社グループでは、当社グループ共通の「情報セキュリティ基本規程」に基づき、当社グループ全体の情報管理を統括する権限を業務執行役員CISOに付与し、業務執行役員CISOのもとでグループ基準に適合した情報の管理体制を構築するとともに、情報の取扱い等に関する規程類の整備・充実や従業員等への周知・徹底を図るなど、情報セキュリティを強化しております。しかしながら、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルスの侵入、情報セキュリティの欠陥等により、万一これらの情報が流出した場合や重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、当社グループの信用を低下させ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 特定人物への依存について
当社の代表取締役社長である南壮一郎は、創業以来当社グループの事業に深く関与しており、また、インターネット関連事業に関する豊富な経験と知識を有していることから、経営戦略の構築やその実行に際して極めて重要な役割を担っております。当社グループは、特定の人物に依存しない経営体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏の当社グループにおける業務執行が困難になった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 人材の確保・育成について
当社グループは、事業運営にあたり、各事業領域や職能において専門性を有する人材が必要であり、今後とも事業拡大に応じて継続的な人材採用・育成を行うことが欠かせません。当社グループは、「ダイレクトリクルーティング」のコンセプトを自ら体現し、人材の採用のため多様な採用手法を用いて優秀な人材の獲得に努めていく予定ではありますが、将来的に、優秀な人材の獲得が困難となる、人材の育成が計画通りに進まなくなる、在職する人材が社外流出する等の事態が生じる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 内部管理体制の構築について
当社グループの継続的な成長のためには、コーポレート・ガバナンスが適切に機能することが必要不可欠であると認識しております。業務執行役員CFOのもとで業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、各社内規程及び法令遵守を徹底してまいりますが、事業が急速に拡大・多角化することにより、コーポレート・ガバナンスが有効に機能しなかった場合には、適切な業務運営を行うことができず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) コンプライアンスについて
当社グループでは、企業価値の持続的な拡大を図るにはコンプライアンスが重要であると認識しています。そのため、当社グループでは、当社代表取締役社長を議長とするグループコンプライアンス会議を原則として四半期に1回開催し各子会社からコンプライアンスに関する事項について報告を求めています。また、「コンプライアンス規程」やビジョナルグループ行動規範を設け、イントラネット上に明示するとともに、定期的な社内研修を実施しています。しかしながら、これらの取り組みにもかかわらず、法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループのブランドイメージ及び業績に影響を与える可能性があります。
(12) レピュテーションリスクについて
当社グループの事業においては、当社グループ及び当社グループが提供するサービスの顧客認知度、ブランドイメージや社会的信用の維持及び向上が重要ですが、当社グループによるプロモーション活動が奏功する保証はありません。
また、マスコミ報道やインターネット・ソーシャルメディアの書き込み等において、当社グループに対する否定的な風評が発生し流布した場合又は不適切な事象の発覚等に端を発して、社名が報道・公表された場合、関係各所が連携し適切に対応できる体制となっておりますが、当社サービスの欠陥や個人情報及び機密情報の流出等並びに当社グループや当社グループに関する風評の発生等により、当社グループや当社グループが提供するサービスのブランドイメージや社会的信用が低下し、その結果として、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(13) 法規制・動向について
①一般的な法的規制について
当社グループが提供するサービスを規制する主な法律として「電気通信事業法」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「特定商取引に関する法律」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)」、及び「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」等があります。
当社グループは、これらの規制に準拠したサービス運営を実施しており、今後も法令順守体制の強化や社内教育の実施等を行ってまいりますが、新たな法規制の制定や改正が行われ、当社グループが運営するサービスが新たな法規制の対象となる場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
②個人情報の保護
当社グループは、求職者の職務経歴書や応募情報等の個人情報を取得し、利用しているため「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務が課されております。
当社グループは、個人情報の外部漏洩、改ざん等を防止するため個人情報の管理をサービス運営上の重要事項として捉え、個人情報保護方針を定め、個人情報の取得の際には利用目的を明示し、その範囲内でのみ利用するとともに、個人情報の管理につきましても、役員及び従業員を対象とした個人情報の取扱いに関する社内研修や、社内でのアクセス権限の設定、アクセスログの保存、個人情報管理に関する規程の整備を行っております。
しかしながら、外部からの不正なアクセスや当社グループ関係者の故意又は過失により個人情報が流出するなどの問題が発生した場合には、当社グループへの損害賠償請求や信用の低下等により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。また、新たな法規制の制定や改正が行われ、又は既存法令等の解釈変更等がなされ新たな規制が生じた場合等には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
③HR Tech事業に関する法的規制について
当社グループが運営する『ビズリーチ』及び『キャリトレ』等の採用に関するプラットフォームは、「職業安定法」が定める募集情報等提供事業として個人情報の適切な管理等の義務が課されております。
また、当社グループが運営する『BINAR』は「職業安定法」が定める有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受け事業を行っております。有料職業紹介事業の許可について、取得後の初回については3年、それ以後は5年ごとの更新が義務付けられており、本書提出日現在の許可の有効期限は2022年10月31日であります。
当社グループは、規制に準拠したサービス運営を実施しており、今後も法令順守体制の強化や社内教育の実施等を行ってまいりますが、新たな法規制の制定や改正が行われ、又は既存法令等の解釈変更等がなされ当社グループが運営するサービスが新たな法規制の対象となる場合、許可の追加取得が必要となる場合、又は、許可の取消し、業務停止命令若しくは業務改善命令の対象となる場合等には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
④運送事業に関する法規制について
当社グループが運営する『トラボックス』は、当社グループが運送の受託を受けるものではなく、プラットフォーム上において荷主と運送会社が直接マッチングをおこなうため「貨物利用運送事業法」等の各種運送事業に関する義務は課されておりません。
当社グループは、今後も法令順守体制の強化や社内教育の実施等を行ってまいりますが、新たな法規制の制定や改正が行われ、又は既存法令等の解釈変更等がなされ当社が運営するサービスが新たな法規制の対象となる場合等には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑤知的財産権について
当社グループが運営する各サービスに関連する商標、ソフトウェア、システム等の知的財産権は当社グループにとって重要であり、当社グループはそれらの獲得に努めておりますが、それらが不正使用されない保証はありません。
また、当社グループが運営する各サービスにおいて使用する商標、ソフトウェア、システム等については、現時点において第三者の知的財産権を侵害するものではないと認識しております。今後においても、侵害を防ぐため著作権等を含めた管理を顧問弁護士、顧問弁理士と協力して行っていく方針でありますが、当社グループの事業分野で当社の認識していない知的財産権が既に成立している、又は新たに当社グループの事業分野で第三者の知的財産権が成立する可能性もあります。
そのような場合には、当社が知的財産権を侵害したことによる損害賠償請求や使用の差し止め、権利に関する使用料等の支払い請求等がなされることが想定されます。そのような事態が発生する場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 第三者との係争について
当社グループは、コンプライアンス研修の推進等、役員及び従業員の法令違反等の低減努力を実施しております。しかしながら、当社グループ並びに役員及び従業員の法令違反等の有無にかかわらず、取引先、従業員その他第三者との予期せぬトラブル、訴訟等が発生する可能性があります。
個々の係争が発生する可能性を予測することはできず、また個々の係争に係る発生時期も予測することは困難ですが、訴訟等の結果にかかわらず、多大な訴訟対応費用の発生や信用及びブランドイメージ低下等により当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、訴訟等の結果、当社グループのサービスの停止等の事態が生じた場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15) M&A等を含む投融資について
当社グループは、事業規模の拡大を目指すため、既存事業の強化・経営ノウハウを活かせる事業など新規事業領域への参入とその強化を通じた企業価値の最大化を経営上重要視しており、そのための手法の一つとして、今後、M&A 等を含む投融資活動を実施しており、今後、これを強化していきます。対象企業について事前に可能な限り詳細な審査を行い、十分にリスクを検討した上で、M&Aを進めてまいりますが、買収後に未認識債務の判明や偶発債務の発生等事前の調査で把握できなかった問題が生じること、買収後の事業の展開等が計画通りに進まないこと、買収後の事業維持につき想定以上のコストが生じることや事業提携先の企業が後に競合相手となり当社グループとの提携中に獲得したノウハウ等を利用されること等が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、M&A等により、当社グループが行っていなかった新たな事業が加わる際には、その事業固有のリスク要因が加わることとなります。
(16) M&Aにおけるのれん等の減損リスク
当社グループでは、2020年7月末時点で、企業結合により生じたのれんを1,186百万円、顧客関連資産を1,265百万円計上しております。これらの資産については、今後の事業計画との乖離等によって期待されるキャッシュ・フローが生み出されない場合、減損損失が計上されること等により当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(17) 持分法適用関連会社(株式会社スタンバイ)について
当社ではZホールディングス株式会社との合弁会社である株式会社スタンバイ(本項目において、以下「同社」という。)を共同経営しています。同社では、求人検索エンジン「スタンバイ」を運営しています。同社への出資比率は、当社が40.0%(Zホールディングス株式会社は60.0%)であり、当社にとって同社は持分法適用関連会社であります。
同社の事業の立ち上げにあたっては、HR Techビジネスにノウハウをもつ当社グループが重要な役割を担う必要があることから、同社の代表取締役社長には当社代表取締役社長である南壮一郎が就任し、また同社の従業員の多くが当社グループからの出向者等により構成されています。今後、同社に予期せぬ事象が発生し、当社代表取締役社長南壮一郎が同社代表者としての責任を問われる場合、当該兼務先における経営責任者としての職務の負荷が想定を超えて過大になる場合及び出資比率の変更等があった場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(18) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社グループは、役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし新株予約権(以下「ストック・オプション」という。)を付与しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用する可能性があり、現在付与しているストック・オプションに加え、今後も付与されるストック・オプションについて権利行使された場合には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。本書提出日現在でストック・オプションによる潜在株式数は6,248,400株であり、発行済株式総数及び潜在株式の合計39,711,800株の15.73%(小数点以下第3位を四捨五入)に相当しております。なお、第1回新株予約権から第26回新株予約権について、提出日の前月末現在における行使可能日が到来する期別の新株予約権の目的となる株式の数は以下のとおりです。
(注)1.3,615,800株のうち109,000株は2021年8月1日より、3,506,800株は上場日翌日から1年後の2022年4月23日より行使可能となります。
2.上場日翌日から2年後の2023年4月23日より行使可能となります。
3.上場日翌日から3年後の2024年4月23日より行使可能となります。
4.上場日翌日から4年後の2025年4月23日より行使可能となります。
5.上場日翌日から5年後の2026年4月23日より行使可能となります。
6.上場日翌日から6年後の2027年4月23日より行使可能となります。
7.上場日翌日から7年後の2028年4月23日より行使可能となります。
8.上場日翌日から8年後の2029年4月23日より行使可能となります。
(19) 新型コロナウイルス感染症の影響について
2020年4月から5月にかけ、全国に緊急事態宣言が発出され、当社グループもその影響を受けてまいりました。2021年1月には地域等を限定した緊急事態宣言が発出されるなど、新型コロナウイルス感染症拡大は、終息時期がいまだ見通せない状況にあります。新型コロナウイルス感染症の拡大に対して、フレックス制度を活用した時差出勤や、全従業員を対象として必要に応じた在宅勤務(テレワーク)の実施に加え、Web会議の開催や不要不急の出張を制限する等の慎重な対応を行う等の対策を講じております。今後、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、経済活動が停滞した場合、当社グループの提供するサービスへの需要の減少を招く事態となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、当社は2020年2月3日に株式会社ビズリーチの完全親会社として設立されましたが、当社の連結範囲は株式会社ビズリーチの連結範囲と実質的な変更はないため、前連結会計年度と比較を行っている項目については株式会社ビズリーチ(連結)の2019年7月期(自 2018年8月1日 至 2019年7月31日)と比較しております。
第1期連結会計年度(自 2019年8月1日 至 2020年7月31日)
当連結会計年度における我が国経済は、雇用環境は改善傾向にあったものの、消費税増税や米中貿易摩擦の長期化に伴う世界経済の先行き不透明感に加え、新型コロナウイルス感染症拡大による生産活動の停滞、個人消費の失速等により経済活動は大幅に落ち込み、厳しい状況が続きました。
しかし、当社を取り巻く事業環境においては、新型コロナウイルス感染症の拡大による経済活動の停滞の影響を一部受けたものの、その影響は第4四半期から発現したこと及びそれ以前の安定した業績を背景に、当連結会計年度における当社グループ業績に与える影響は限定的でありました。
特に、当社グループの主力事業であるビズリーチ事業が属するプロフェッショナル人材領域における新型コロナウイルス感染症拡大による企業の採用需要への影響は限定的なものとなりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は25,879百万円(前連結会計年度比20.4%増)、営業利益は2,186百万円(前連結会計年度比325.1%増)、経常利益は2,254百万円(前連結会計年度比340.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,658百万円(前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は335百万円)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
HR Techセグメントは『ビズリーチ』、『HRMOS』及びその他のHR Techサービスで構成されています。
当連結会計年度のセグメント売上高は24,914百万円(前連結会計年度比17.7%増)となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症の拡大による経済活動への影響が発現する前までの経済環境やひっ迫した労働市場及び継続した広告宣伝活動、セールスチームの増強、プロダクトの機能改善等を背景にビズリーチ事業の売上高が20,945百万円(前連結会計年度比24.3%増)、HRMOS事業の売上高が931百万円(前連結会計年度比49.2%増)と伸長したこと等によります。
当連結会計年度のセグメント利益は3,343百万円(前連結会計年度比93.0%増)となりました。これは主に積極的なプロダクト開発、広告宣伝活動、人材採用などの投資を継続し売上を獲得したこと及び新型コロナウイルス感染症拡大の動向を注視し、コストをコントロールした結果、ビズリーチ事業の管理部門経費配賦前の営業利益(注)9,232百万円(前連結会計年度比50.5%増)と増益したこと及びHRMOS事業の管理部門経費配賦前の営業損失(注)1,159百万円(前連結会計年度の管理部門経費配賦前の営業損失は664百万円)と拡大したこと等によります。
(注)経理、法務、人事機能等の経営管理に携わる人件費や付随する外注費等の費用及び、情報システム部門やデザイン部門のうち直接製品に費用を賦課することの出来ない人件費や付随する外注費等の費用を事業に負担させる前の事業の営業利益又は営業損失
Incubationセグメントは『トラボックス』、『BizReach SUCCEED(ビズリーチ・サクシード)』『BizHint(ビズヒント)』等のサービスで構成されています。また、2019年11月に取得したトラボックス株式会社の業績をIncubationセグメントのセグメント業績に含めております。
当連結会計年度のセグメント売上高は892百万円(前連結会計年度比182.1%増)、セグメント損失は868百万円(前連結会計年度のセグメント損失は663百万円)となりました。これは主に、HR Techセグメントの利益の範囲内で適切な人材採用、広告宣伝活動を行ったこと等によります。
第2期第2四半期連結累計期間(自 2020年8月1日 至 2021年1月31日)
当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続いており、依然として先行きは不透明な状況にあります。
当社グループを取り巻く環境につきましても、国内雇用情勢は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、企業の採用活動は引き続き慎重な動きが見られます。当社グループの主力事業であるプロフェッショナル領域に特化したビズリーチ事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも売上高は同感染症禍前の水準まで回復しており、順調に推移しております。今後、雇用の流動化や働き方の多様化が加速することで、人材採用領域や人材マネジメント領域に対する需要がより高まることが見込まれております。
このような状況のもと、当第2四半期連結累計期間の実績は、売上高は12,167百万円、営業利益は1,512百万円、経常利益は1,665百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,086百万円となりました。セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
HR Techセグメントは『ビズリーチ』、『HRMOS』及びその他のHR Techサービスで構成されています。
ビズリーチ事業においては、プロフェッショナル人材領域の底堅い人材需要を背景に売上高は10,120百万円となりました。また、2021年1月より新たなTVコマーシャルを放映するなど広告宣伝やプロダクト開発などへの投資は継続しつつも、新型コロナウイルス感染症の動向を注視し人材採用をコントロールしたことにより、管理部門経費配賦前の営業利益(注)は4,189百万円となりました。
HRMOS事業においては、売上高は554百万円、管理部門経費配賦前の営業損失(注)は687百万円となりました。2020年8月に新規機能である「組織診断サーベイ」(変化し続ける組織においても、正しく組織課題を把握し、アクションにつなげることを目的とした新機能)、10月に「HRMOS採用 新卒エディション」(中途採用領域で培ってきた採用管理のノウハウや技術を生かし、通年採用にも対応した採用管理クラウド)をリリースいたしました。
この結果、当第2四半期連結累計期間のセグメント売上高は11,410百万円、セグメント利益は2,141百万円となりました。
(注)経理、法務、人事機能等の経営管理に携わる人件費や付随する外注費等の費用及び、情報システム部門やデザイン部門のうち直接製品に費用を賦課することの出来ない人件費や付随する外注費等の費用を事業に負担させる前の事業の営業利益又は営業損失
Incubationセグメントは『トラボックス』、『BizReach SUCCEED(ビズリーチ・サクシード)』、『BizHint(ビズヒント)』等で構成されています。
当第2四半期連結累計期間のセグメント売上高は675百万円、セグメント損失は329百万円となりました。これは主に、HR Techセグメントの利益の範囲内で適切な人材採用、新規プロダクト開発、広告宣伝を行ったこと等によります。
第1期連結会計年度(自 2019年8月1日 至 2020年7月31日)
当連結会計年度末における総資産は17,722百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,866百万円増加しました。これは主に株式会社スタンバイの事業分離による収入により、現金及び預金が増加した一方、当該収入に対する法人税等の支払増や、下期における新型コロナウイルス感染症拡大に備えたコストの抑制による現金預金の保全の結果、現金及び預金が4,352百万円増加し9,114百万円となったことに加え、Cloud Solutions株式会社及び株式会社トラボックス株式取得により、顧客関連資産が1,265百万円、のれんが1,186百万円それぞれ増加し無形固定資産が2,488百万円となったこと等によります。
当連結会計年度末における負債は8,516百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,207百万円増加しました。これは主にスタンバイの事業分離における移転利益に関して持分法の適用を行ったことに伴い、持分法適用に伴う負債を3,070百万円計上したこと等によります。
以上の結果、当連結会計年度末における純資産は9,205百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,658百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益を4,658百万円計上したこと等によります。
第2期第2四半期連結累計期間(自 2020年8月1日 至 2021年1月31日)
当第2四半期連結会計期間末における総資産は21,066百万円で、前連結会計年度末に比べ3,344百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が2,611百万円増加し11,726百万円となったこと、第2四半期において売上高が伸長したことにより受取手形及び売掛金が639百万円増加し2,651百万円となったこと及び2021年3月までの請負契約による仕掛品が322百万円増加し489百万円となったこと等によるものであります。
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は10,122百万円で、前連結会計年度末に比べ1,606百万円の増加となりました。これは主に、第2四半期においてリカーリング売上が伸長したことにより未経過分の前受収益が491百万円増加し2,409百万円となったこと及び新型コロナウイルス感染症拡大に備えた借入の実施により長期借入金が700百万円となったこと等によるものであります。
当第2四半期連結会計期間末における純資産は10,944百万円で、前連結会計年度末に比べ1,738百万円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金1,086百万円の増加及び新株予約権の行使により資本金が336百万円増加し436百万円となったこと及び資本剰余金が336百万円増加し4,400百万円となったこと等によるものであります。
第1期連結会計年度(自 2019年8月1日 至 2020年7月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は9,114百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果、減少した資金は234百万円となりました。税金等調整前当期純利益を7,023百万円計上しておりますが、事業分離による移転利益△4,799百万円、法人税等の支払額△2,966百万円等の結果、営業活動によるキャッシュ・フローは△234百万円となりました。これは主に、下期における新型コロナウイルス感染症拡大に備えコストを抑制したものの、営業活動によるキャッシュ・フローについては、株式会社スタンバイの事業分離により発生する益金に対し課税された結果、法人税等の支払額が△2,966百万円等になったことによるものであります。
投資活動の結果、増加した資金は4,799百万円となりました。これは主に、株式会社スタンバイの事業分離による収入8,000百万円、有形固定資産の取得による支出△447百万円、Cloud Solutions株式会社及び株式会社トラボックス株式取得に伴う子会社株式の取得による支出△2,363百万円等によるものであります。
財務活動の結果、減少した資金は19百万円となりました。これは主に、事業分離前の株式会社スタンバイの第三者割当増資による収入120万円、長期借入金の返済による支出△86百万円、リース債務の返済による支出△52百万円等によるものであります。
第2期第2四半期連結累計期間(自 2020年8月1日 至 2021年1月31日)
当第2四半期連結会計期間末における資金の期末残高は11,726百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は1,062百万円となりました。これは主に、前期から継続して新型コロナウイルス感染症拡大に備えたコストの抑制による現金預金の保全を優先したことによるものであります。結果、税金等調整前四半期純利益1,665百万円の計上、減価償却費224百万円等の非資金的損益、第2四半期において売上が伸長したことにより売上債権の増加額△639百万円、前期に計上した法人税等の支払額△495百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、増加した資金は23百万円となりました。これは主に、子会社株式の取得による支出△300百万円、金銭の信託の解約による収入300百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は1,525百万円となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,000百万円及び、新株予約権の行使による株式の発行による収入651百万円等によるものであります。
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、受注状況の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
第1期連結会計年度及び第2期第2四半期連結累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記の他に不動産賃貸収入が第1期連結会計年度に72百万円、第2期第2四半期連結累計期間に80百万円計上されております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しておりますが、判断時には予期し得なかった事象等の発生により、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の状況の分析
第1期連結会計年度(自 2019年8月1日 至 2020年7月31日)
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、25,879百万円(前年対比20.4%増)となりました。主な内訳としては、ビズリーチ事業が20,945百万円(前年対比24.3%増)、HRMOS事業が931百万円(前年対比49.2%増)と伸長しております。ビズリーチ事業においてはオンライン広告とマス広告の効果的運用により、高い認知度を獲得しスカウト可能会員111万人(前年対比24万人増)となり売上の伸長に寄与いたしました。また、新型コロナウイルス感染症によるプロフェッショナル人材領域への採用需要の影響が限定的であったこともあり、2020年7月期末の累計導入企業数は13,800社以上と、2019年7月期末の11,200社以上に比べ増加いたしました。
HRMOS事業においてはユーザー目線を重視したUI・UXを意識したプロダクト開発により、重要指標としているChurn rateは新型コロナウイルス感染症の影響により2020年7月期の下期後半より悪化したものの、Churn rateは12か月平均であるため、2020年7月期末は1.15%と低い水準にて推移した結果、2020年7月期末時点での利用中企業数は797社(前年対比159社増)となり売上高の伸長に寄与いたしました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、4,104百万円(前年対比27.1%増)となりました。これはエンジニア採用を積極的に行ったことにより労務費が増加したことによるものであります。この結果、売上総利益は21,775百万円(前年対比19.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は19,588百万円(前年対比10.4%増)となりました。これは、M&Aによるのれん償却費及び人員の拡大に伴う給与手当等の人件費等が増加した一方、下期において新型コロナウイルス感染症拡大に備えコストを抑制した結果、営業利益は2,186百万円(前年対比325.1%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外収益は持分法による投資損益等により80百万円、営業外費用は新株予約権発行費等により11百万円となり、この結果、経常利益は2,254百万円(前年対比340.4%増)となりました。
(特別利益、特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益は事業分離における移転利益4,799百万円、特別損失は事務所閉鎖関連による中途解約及び閉鎖損失引当金繰入等により31百万円となり、税金等調整前当期純利益は7,023百万円(前年対比6,630百万円増)となりました。また、法人税等を2,364百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は4,658百万円(前年対比4,323百万円増)となりました。
第2期第2四半期連結累計期間(自 2020年8月1日 至 2021年1月31日)
(売上高)
当第2四半期連結累計期間における売上高は、12,167百万円となりました。主な内訳としては、ビズリーチ事業が10,120百万円、HRMOS事業が554百万円となりました。ビズリーチ事業においては2021年1月より新たなTVコマーシャルを放映したこと等によりスカウト可能会員123万人となり売上の伸長に寄与いたしました。また、新型コロナウイルス感染症によるプロフェッショナル人材領域への採用需要の影響が限定的であったこともあり、2021年1月末の累計導入企業数は15,500社以上と、2020年7月期末の13,800社以上に比べ増加しました
HRMOS事業においては新型コロナウイルスの影響により、12ヵ月平均であるChurn rateは、1.43%と2020年7月期末の1.15%と比べ悪化しました。2020年8月に新規機能である「組織診断サーベイ」、10月に「HRMOS採用 新卒エディション」をリリースした事等により利用中企業数は849社と2020年7月期の797社から52社の増加となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は1,551百万円となりました。これはエンジニア採用を継続的に行ったことにより労務費が増加したことによるものであります。この結果、売上総利益は10,615百万円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は9,103百万円となりました。これは広告宣伝、人員の拡大に伴う給与手当等の人件費等が増加したことによるものであります。しかしながら前年より取り組んできた新型コロナウイルス感染症拡大に備えたコスト抑制により、営業利益は1,512百万円となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外収益は持分法による投資損益等により160百万円、営業外費用はコミットメントフィー及び支払利息等により6百万円となり、この結果、経常利益は1,665百万円となりました。
(特別利益、特別損失、親会社株主に帰属する四半期純利益)
特別利益及び特別損失の計上はなく、税金等調整前四半期純利益は1,665百万円となりました。また、法人税等を579百万円計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,086百万円となりました。
b.財務状況の分析
財務状況の分析については、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に含めて記載しております。
c.キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な資金需要は、営業活動にかかる広告宣伝費や人件費です。必要な資金は主に営業活動によって得られるキャッシュ・フローと、金融機関などからの借入れにより調達しております。また、運転資金については、当社及び連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、グループ内資金を当社が一元管理しております。各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」をご参照下さい。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針に関して
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。
該当事項はありません。
第1期連結会計年度(自 2019年8月1日 至 2020年7月31日)
当社グループは、HCMエコシステム構築に向けたHRMOSの追加機能開発のための研究開発に力を入れています。また、市場変化に迅速に対応し、時代がもたらす様々な課題を解決する、より魅力あるサービスを提供するために研究開発活動を行っております。
上記活動に伴い、当連結会計年度の研究開発費は
第2期第2四半期連結累計期間(自 2020年8月1日 至 2021年1月31日)
当社グループは、HCMエコシステム構築に向けたHRMOSの追加機能開発のための研究開発に力を入れています。また、市場変化に迅速に対応し、時代がもたらす様々な課題を解決する、より魅力あるサービスを提供するために研究開発活動を行っております。
上記活動に伴い、当第2四半期連結累計期間の研究開発費は