第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、以下の経営理念・ビジョン・アイデンティティ・事業コンセプトを策定し全従業員で共有しております。

 

経営理念

人と企業の架け橋となる価値ある情報サービスを提供し、人々の生活向上と社会発展に貢献する

VISION

Make everyone Wonderful

私たちは人の心を満たす商品・サービスがあふれる社会を目指している

IDENTITY

Professional team for client success

私たちは生活者の喜びのために顧客を成功に導くプロフェッショナル集団である

CONCEPT

Customer driven marketing

生活者起点のマーケティング支援会社

 

 

当社グループは、「人と企業の架け橋となる価値ある情報サービスを提供し、人々の生活向上と社会発展に貢献する」を経営理念に掲げ、会社を永続的に存在させ、顧客と社会に貢献出来る組織として成長し続けることを主題に置いております。お客様の課題を本質的に解決し、お客様の事業を成功に導くためのサービスを開発し続けることによって、世の中に良い商品や素晴らしいサービスが溢れ、企業は成功し、人々の生活が豊かになる社会を実現していくことを目指しております。現代の成熟社会では商品やサービスを開発する際に優位な差別化が困難になっておりますが、お客様と共にイノベーションを共創できるよう新規事業開発を行っております。

 

(2) 経営戦略等

当社グループは、クライアントのマーケティングプロセスを一気通貫でサポート出来るサービス体制の強化と優良な地方企業の開拓を積極的に行っていくことを成長戦略として掲げております

2022年9月期の売上目標を22億円としており、達成するために次の3つの活動に注力することを基本的な戦略としております

(基本戦略)

① マーケティングコンサルタントの増員

当社グループにとってマーケティングコンサルタントを安定的・継続的に採用し育成していくことが、顧客企業に手厚いサポートを実施出来る体制を構築するうえで大きな課題となります。

当社グループでは、人材こそ最重要の経営リソースと位置付け、新卒・中途を問わず採用から教育、エンゲージメント向上まで一貫した施策を実行しておりますが、一連のプロセスをブラッシュアップし、さらなる競争優位性を獲得してまいります。

② 顧客数の増大

定期的なウェブセミナーを開催し参加者へのアプローチ、自主調査結果・ホワイトペーパーをダウンロードいただいた見込客への提案、インサイドセールスの強化、エボークトセットメディア(※)運営を通じての情報発信等の集客施策を実施し問い合わせや引き合いを増加させるとともに、顧客数を増大してまいります。

また、地方拠点の設置も視野に入れた営業活動により、優良な地方企業の開拓を積極的に行ってまいります。

※消費者が商品やサービスを購入する前に検討の対象として頭の中に想起するブランドの組み合わせについて、調査結果を掲載しているウェブサイト。

③ 顧客単価の増大

当社の戦略はマーケティングプロセスの開始地点である、生活者インサイトの発見において顧客企業と接点を持ち、取引がスタートした後は、商品開発やプロモーション・効果測定といった後に続く工程においても顧客企業と伴走し、顧客1社当たりの取引単価を最大化していくことにあります。それを実現するために、当社グループの営業担当となるマーケティングコンサルタントがクライアントとの窓口となり、クライアントが抱えるマーケティング課題に対し、当社が独自に開発した「マーケティングフレームワーク4K」に基づいて最適な解決策を提案しております。一人のマーケティングコンサルタントが複数のクライアントを担当し、クライアントごとに最適なマーケティング支援サービスを提案できることが強みであるため、「マーケティングフレームワーク4K」の教育を徹底し、提案機会を創出することで取引量を増加させてまいります

 

(3) 経営環境

近年とみに、生活者の趣味嗜好やライフスタイルの複雑化、多様化が進み、さらに新型コロナウイルスと共生していくWithコロナ時代に突入したことにより生活者意識や購買行動が大きく変化しております。それに伴い流行や商品サイクル・サービスサイクルの短命化に拍車がかかっております。企業活動においても製品開発、価格・コンセプト決定、チャネル構築、販売促進というあらゆるフェーズで戦略を策定しにくい環境になっており、生活者のニーズやインサイトを的確に捉え、売れる商品、成功するサービスを生み出すことが難しくなってきていると当社は考えております。変化が激しく不確実性の高い時代であるからこそ、当社グループに期待される使命や役割はより一層大きなものになりマーケティングサービスへの需要は拡大していくと考えております

当社グループの主なサービスが該当するデジタルマーケティング業界、マーケティングリサーチ業界、PR業界はいずれも市場が成長基調にあり、とりわけデジタルマーケティング業界はデジタル化の推進やD2C(自ら企画生産した製品を生活者にダイレクトに販売する手法)の普及に伴って大きな成長が見込まれる市場となっています。当社は成長市場に属する各サービスを、独自の「マーケティングフレームワーク4K」に基づいて一気通貫で提供可能な点が特長となっております。この優位性を活かして2,000社超の既存顧客基盤に対して当該サービス提供を加速し顧客単価を増大してまいります

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、より高い成長性及び収益性を確保する観点から、「マーケティングコンサルタント人員数」「顧客数」「顧客単価」を重要な経営指標とし引き続き事業を推進してまいります。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループは、マーケティングコンサルタントの増員・顧客数の増大・顧客単価の増大の3つの活動に注力することを基本的な経営戦略としており、変化の激しい経営環境のなかで常に新しいマーケティングソリューションを産み出し続けることによって着実に成長を続けております。今後も、顧客と共にイノベーションを創造し価値ある情報サービスを提供することにより事業規模の拡大を推進するためには、この3つの基本的な経営戦略を優先的に対処すべき事業上の課題とし、以下のとおり重点的に対処してまいります

① マーケティングコンサルタントの増員

当社グループの成長には、質の高い提案を行うことができるマーケティングコンサルトの増加が重要となりますが、当社グループが提供するサービスについての知識やノウハウを吸収し、顧客に対する提案力を向上させていくためには相当程度の時間を要することが課題となっております。そのため、当社グループの提供するサービスに適応力の高い優秀な人材を採用するため、求人媒体による採用活動だけではなくリファラル採用や人材紹介会社からの紹介による採用にも積極的に取り組んでまいります。また、採用した人材をいちはやく戦力化するための社内教育体制の構築に取り組んでまいります

② 顧客数の増大

当社グループが、安定的に新規取引先を増やし成長していくためには、当社グループが見込顧客と接点を持つきっかけとして、お問い合わせをしていただくための導線や仕掛けの構築を含めた自社のマーケティング活動が新規顧客獲得のための重要なファクターになります。自社メディアを活用した導線強化や見込顧客を顧客化していく仕組みの構築に取り組んでまいります

また、当社グループが見込顧客から指名されて業務を委託いただく、あるいは企画コンペティションに参加する確率を上げるためには、知名度を相当程度向上させていく必要があると認識しております。自社の強みを明確化しブランディングと知名度を向上すべく取り組んでまいります。

③ 顧客単価の増大

顧客最優先と品質至上を徹底し、信頼性を高め、価値ある製品とサービスを提供します。具体的には、社会が急激にデジタルトランスフォーメーションに舵を切り、インフラやデバイスの技術革新が激しい環境の中で、継続的に価値ある製品とサービスを提供し続けるためには、新技術の有用性の見極めと適時の対応を行うことが重要であると考えております。当社グループは、次々と登場する新技術やデバイスを吟味し応用していくことが重要であると認識し、必要な対応や積極的な投資を行ってまいります。

 

当社グループは、優先的に対処すべき財務上の課題として、資本コストを上回る高い自己資本利益率(ROE)の実現と、安定的かつ継続的な株主還元の充実を目指すため、以下のとおり重点的に対処してまいります

① 収益性の向上

事業上の重点経営課題への取組みを積極的に推進する中で、必要な設備投資・システム投資については積極的に実施する一方で、グループ全社を挙げて、合理化・効率化等によるコスト削減に取組み、収益性の向上を図ってまいります

② 財務基盤の強化

売掛金の回収促進により必要運転資金の最小化を図るとともに、投資効率の更なる向上に努めることで資産効率を高め、財務基盤の強化を図ってまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる事項を以下に記載しております。投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の蓋然性がある全てのリスクを網羅的に記載しているものではありません。また、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、顕在化した場合に当社グループの事業、業績及び財務状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため、記載しておりません。

 

(1) 事業運営上のリスク

① 人材の確保と維持について

当社グループは、業容の拡大に伴って各分野における一定水準以上の専門知識やスキルを有するマーケティングコンサルタントを確保していくことが重要だと考えております。もっとも必要な人材の確保が計画どおりに進まない場合や、重要な人材が退職した場合には、競争力が低下したり事業拡大に制約がかかったりする可能性があり、その結果、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。そこで、当社グループでは、新卒採用だけでなくリファラル採用や中途採用を積極的に進めるとともに、社内公募による上級職への挑戦や他部署への異動等、既存の従業員に対しても新たなチャレンジの機会を提供し、従業員のモチベーション・満足度を高める施策を実施しております。

なお、当社グループでは、事業の競争優位性を維持するため、人材の教育に時間と費用をかけて取り組んでいるため、現時点でリスクが顕在化する可能性は低いと考えておりますが、短期間に複数名のマーケティングコンサルタントの退職が発生した場合は、一時的に人材の確保や中途入社のマーケティングコンサルタントの教育効果が十分に出ず、売上及び売上総利益の減少により当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります

 

② 生活者パネルを確保できないリスクについて

当社グループでは、自社開発のアイリサーチのサイトを用いて生活者パネルを確保しております。現時点では、一定数の生活者パネルの登録を維持できているためリスクが顕在化する可能性は低いと考えておりますが、今後も一定数の生活者パネルの登録を維持するためにはアイリサーチの競合となる他社サイトと同水準かそれ以上のポイントを付与する必要があり、競合となる他社サイトよりも優位性を示すことができなければ、生活者パネルの確保が進まず、一定数の生活者パネルの登録を維持が出来なくなる可能性があります。その結果、生活者パネルが不足し、案件を受注することができず、売上及び売上総利益の減少により当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります

また、アイリサーチだけでは、生活者パネルを十分に確保できない場合、顧客へのサービス提供に必要な生活者パネルを複数のパートナー企業と連携しながら相互に調達する仕組みを構築しております。当社グループと協力関係にあるパートナー企業に不測の事態が生じまたは何らかの理由により連携が出来なくなった場合にも、顧客へのサービス提供基盤が脆弱になり生活者パネルが不足し、案件を受注することができず、売上及び売上総利益の減少により当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります

 

③ 新規事業について

当社グループは事業規模の拡大及び収益基盤の強化のため、今後も新サービスや新規事業の展開に積極的に取り組んでまいります。もっとも、新サービスや新規事業への取り組みを開始してから安定的な収益を生み出すまでに通常であれば半年から1年程度を必要とし、かつ、その過程において人材の採用やシステム開発等の追加的投資が必要になります。

また、新サービスや新規事業については、事業のレピュテーションリスクにも留意して組織横断的なリスクの洗い出し・評価・対応策の検討を行っております。

現時点で、業績に影響を及ぼす新サービスや新規事業の計画がないことからリスクが顕在化する可能性は低いと考えておりますが、今後新サービスや新規事業が計画及び実施され、計画通りに進まない場合は見込んでいた売上高を計上できず、かつ、回収できなくなった投資額を損失に計上せざるを得なくなり、売上及び売上総利益の減少、特別損失の計上により当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります

 

④ M&Aに関するリスクについて

当社グループは、成長戦略の一つとして、既存事業の関連分野におけるM&Aを検討・実施しております。現時点で公表済みのM&Aの計画はありませんが、今後M&Aが実施され、その後における事業環境の急速な悪化や想定外の事態の発生等により、取得した事業の損益が当初の目標どおりに推移しない可能性、のれんの減損が必要になる等、特別損失の計上により当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります

 

⑤ 季節変動要因について

当社グループは、例年の傾向として多くの企業の決算月付近である2~3月に売上高が増加する傾向にあるため、当社グループの売上高には一定の季節変動があります。2021年9月期は、第2四半期(2021年1月~3月)の売上構成比率は31.6%となっており、通期の業績に占める第2四半期会計期間の比重が他の四半期会計期間に比べ相対的に高くなっております。

当社グループは、決算月の異なる顧客を含む幅広い顧客層の開拓に取り組み、年間を通じたサービスの平準化に努めておりますが、季節変動の傾向は現時点では解消されておりません。そのため、第2四半期累計期間の業績と同程度の利益等が第3四半期以降の6か月間で獲得できないリスクが顕在化する可能性は、前期実績と同程度は発生するものと認識しております

また、現状の取引実績ではリスクが顕在化する可能性は低いと考えておりますが、来期以降第2四半期会計期間において、顧客のマーケティング支援需要の低下や当社の営業活動阻害要因等が発生した場合は、売上及び売上総利益の減少により通期の業績に影響を与える可能性があります

なお、2021年9月期における四半期ごとの業績は次の通りです。

 

 2021年9月
2020年10月1日2021年9月30日

第1四半期

(10~12月期)

 第2四半期

(1~3月期)

 第3四半期

(4~6月期)

 第4四半期

(7~9月期)

合計

(通期)

売上高(千円)

415,522

577,433

404,353

431,967

1,829,276

構成比(%)

22.7

31.6

22.1

23.6

100.0

 

 

⑥ 小規模組織であることについて

当社グループの組織は小規模であり、内部管理体制も企業規模に応じたものとなっております。その結果、今後の成長に伴う事業規模の拡大によっては、適切かつ充分な組織対応ができない状況も想定されます。

また、特定の人員に過度に依存しないよう、優秀な人材の確保及び育成により経営リスクの軽減に努め、今後の業容拡大を見据えて内部管理体制のさらなる充実を図る方針です。

 

⑦ 経済情勢について

当社グループが行うマーケティング支援事業は、充分な検討を重ねた上で展開を図っておりますが、予期せぬ日本国内外の経済状況、各業界の動向、各企業の経営成績やマーケティング予算、広告代理店の広告取扱高の変動等による影響を受ける可能性があります。当社グループの売上の大部分を占める日本では、消費税率の増加や政府・日本銀行の政策・世界経済の動向等によって、個人消費の減速や企業活動の停滞が発生する可能性があり、当社グループの顧客の商品・サービスの市場規模や活動が縮小し又は停滞する場合には、当社グループのサービスに対する需要が減退する等、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループでは、今後の事業規模の拡大にあわせて、人件費が増加することが見込まれますが、人件費は固定費であることから、景気の変動等で急激に需要が縮小した場合は、結果として相対的に人件費の負担が増加し、当社グループの利益を損なう可能性があります。

 

(2) 偶発的リスク

① システム障害に関するリスクについて

当社グループの事業は、サービスの基盤をインターネット通信網に依存しております。そのため、大規模なシステム障害が発生した場合には、サービスの提供に支障をきたし、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。そこで、顧客へのサービス提供が妨げられるようなシステム障害の発生やサイバー攻撃によるシステムダウン等の発生に備えて、稼働状況の監視等を実施しております。

 

② 情報セキュリティ及び個人情報漏えいに関するリスクについて

当社グループは「個人情報の保護に関する法律」における個人情報取扱事業者として同法の適用を受けております。現在、当社グループの主要なサービスの利用にあたっては会員登録を求めており、氏名、性別、年齢、居住地等の個人を特定出来る情報を取得しております。これらの情報の管理について、当社グループでは「プライバシーマーク」及び「ISO27001」の認証を取得し、個人情報や機密情報の保護に最大限の注意を払い、法令並びに行政機関のガイドラインを遵守し、適切な管理を行っております。

しかしながら、BOT型ウイルス(※)や不正な手段による外部からのシステムへの侵入、システム障害、役職員の過誤、自然災害等による情報流出の可能性は皆無とは言えず、情報が流出した場合には社会的信用の低下等に直面し当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このため、当社グループは、社内に専門組織を設置し、各種認証の取得や情報セキュリティ教育を推進するとともに、ビジネス基盤におけるセキュリティ対策を随時実施し、情報管理体制の強化に努めております。

BOT型ウイルスとは、コンピュータを外部から遠隔操作するためのコンピュータウイルスです。

 

③ 新型コロナウイルス等の感染症に伴うリスクについて

当社グループは、クライアントにマーケティング支援サービスを提供する企業として事業活動を継続し社会機能を維持する役割を果たすため、新型コロナウイルス感染症等に対応するための行動基準を整備しております。

今般の新型コロナウイルス感染症への対応においては、迅速な情報収集と適切な対応に努めるとともに、従業員に対してはリモートワークの活用といった体制の整備・運用を通じて感染防止に努めております。

しかしながら、従業員やクライアントの罹患等により営業活動に制約が生じた場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 自然災害等のリスクについて

当社グループは全国の生活者パネルを組織化し、そこから収集した情報を活用していくことを事業の一つの柱としております。地震、火災等の自然災害や、戦争、テロ等により、当社グループにおいて人的被害または物的被害が生じた場合、または、外部通信インフラ、コンピュータネットワークに障害が生じた場合等の事由によって当社グループの業務の遂行に支障が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループにおいては、自然災害等が発生した場合に備え、事業継続計画の策定等有事の際の対応策の検討を推進しておりますが、各種災害等の発生による影響を完全に防止できる保証はなく、各種災害等による物的、人的損害が甚大である場合には事業の継続自体が困難または不可能となる可能性があります。

 

(3) その他のリスク

① 財務報告に係る内部統制に関するリスクについて

当社グループは、財務報告の信頼性に係る内部統制の整備及び運用を重要な経営課題の一つとして位置づけ、グループを挙げて管理体制等の点検・改善等に継続的に取り組んでおります。しかし、内部統制報告制度のもとで当社グループの財務報告に係る内部統制に重要な不備が発見される可能性は否定できず、また、内部統制には本質的に内在する固有の限界があるため、今後、当社グループの財務報告に係る内部統制が有効に機能しなかった場合や財務報告に係る内部統制に重要な不備が発生した場合には、当社グループの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。

 

② 資金使途について

資金使途については、充分な検討を重ねた上で主に当社グループ及び当社グループのサービスの知名度向上のための広告宣伝費、専門性の高い優秀な人材の確保に係る採用費及び人件費、マーケティングサービスの強化及びブラッシュアップのための投資等を行ってまいります。しかしながら、急激な経営環境の変化が生じ、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても想定した投資効果が得られない可能性があります。

 

③ 知的財産権について

当社グループによる第三者の知的財産権の侵害の可能性については、調査可能な範囲で対応を行っておりますが、当社グループの事業領域に関する第三者の知的財産権を完全かつ網羅的に把握する事は困難であり、認識せずに第三者の知的財産権を侵害してしまう可能性は否定できません。かかる事態が発生した場合には、損害賠償請求やロイヤリティの支払い要求等が行われることにより、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 配当政策について

当社は、設立以来配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しております。しかしながら、当社は成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当し、一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元につながると考えております。将来的には、各期の財政状態及び経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討してまいりますが、現時点において配当の実施及びその実施時期等については未定であります。

 

⑤ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社グループでは、株主価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役員及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、当社の役職員に対して新株予約権を付与しております。本書提出日現在、新株予約権による潜在株式は160,800株であり、発行済株式総数の6.6%に相当しております。

これらの新株予約権が行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化し、当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末の総資産につきましては、1,500,514千円となり、前連結会計年度末に比べ518,449千円増加いたしました。これは主に、償却等による固定資産の減少11,514千円があったものの、新規上場に伴う新株式の発行等による現金及び預金の増加449,092千円、受取手形及び売掛金の増加33,786千円、仕掛品の増加25,987千円があったことによるものです。

(負債)

当連結会計年度末の負債につきましては、703,494千円となり、前連結会計年度末に比べ66,682千円減少いたしました。これは主に、前受金の増加74,771千円、未払金の増加13,409千円、未払法人税等の増加13,054千円があったものの、自己資本比率の改善を目的として長期借入金の返済を進めた結果160,470千円減少したことによるものです

(純資産)

当連結会計年度末の純資産につきましては、797,019千円となり、前連結会計年度末に比べ585,131千円増加いたしました。これは主に、新規上場に伴う新株式の発行及び自己株式の処分により、資本金が33,120千円、資本剰余金が281,150千円増加するとともに、親会社株主に帰属する当期純利益206,002千円の計上による利益剰余金の増加があったためです

 

② 経営成績の状況

当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により多くの産業において経済活動の縮小・停滞等の状況が継続している状況は変わらないものの、ワクチン接種や緊急事態宣言の解除に向けた動きなど、その影響の縮小を目指した兆しがみられます。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、当社グループにおいては、前連結会計年度より従業員の安全・安心を守る施策として、二酸化炭素濃度測定器導入による換気と密の回避、始業前の全従業員への非接触型検温測定の義務付け、全社的なテレワークの推奨とそれに向けての機器及びルールの整備・体制の構築等の対策について、グループ一丸となって取り組んでまいりました。

当社グループのメインの顧客層である製造業のお客様においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は他業種との比較において軽微であり、当社グループが業績面において受けた影響も限定的なものとなりました。

このような状況の中、日本のマーケティング研究における第一人者である早稲田大学の恩藏直人教授と共同でエボークトセット(想起集合)研究プロジェクトを立上げ、エボークトセットを用いた調査サービスの提供を開始いたしました。エボークトセットとは、例えば「ビールが飲みたい」「洗剤を買おう」と思った時に、頭の中でイメージされるブランドの集合体のことを指します。リアル店舗において商品棚を眺めながら値札やパッケージを吟味して行う買い物のプロセスでは、エボークトセットに入っていない商品が購買される可能性もありましたが、オンライン上で購買が完結される場合、Webの指名検索から商品の購買につながることが多いため、検索される段階で想起されないブランドは今まで以上に購買されにくくなっております。そのような背景から、エボークトセットはECやD2C等オンライン販売が加速する現代において重要なマーケティング指標になると考え、新たなサービスとして開発いたしました

また、当社は2021年8月にコミュニケーションデザイン機能を内製化し、これによりエボークトセット調査で課題が明らかになったクライアント企業に対し、第一想起獲得の為のマーケティング戦略を立案し実行するまでのシームレスな支援が可能となりました。

営業面での取り組みにおいては、獲得した顧客に対し、独自に開発した「マーケティングフレームワーク4K」に基づいてクロスセル・アップセルの提案活動を進行する体制を整備し、案件単価増大に向けた流れを構築いたしました。

見込顧客の獲得や営業リード獲得戦略につきましては、マーケティングに関連するWebセミナーを毎週開催する体制を整備し、セミナー参加者を顧客に引き上げる仕組みを構築し、オンライン商談による営業効率化との相乗効果で案件創出機会が増大いたしました。

それらに加え、KPIとして重視しているマーケティングコンサルタントの採用確保と、顧客との商談数、新規顧客獲得数が計画通り進捗したことが寄与し、増収増益と過去最高の経営成績を達成いたしました

以上の取り組みの結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,829,276千円(前年同期比28.1%増)、営業利益303,454千円(同74.8%増)、経常利益286,536千円(同65.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益206,002千円(同76.6%増)となりました。

なお、当社グループはマーケティング支援事業の単一セグメントであるため、セグメント毎の記載はしておりません。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ449,092千円増加し、925,551千円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは278,967千円の収入(前期は233,185千円の収入)となりました。これは主に、売上債権の増加額33,786千円、たな卸資産の増加額26,822千円、法人税等の支払73,092千円があったものの、税金等調整前当期純利益289,017千円、減価償却費8,613千円、のれん償却費16,966千円、前受金の増加74,771千円等があったためです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは1,139千円の支出(前期は156,164千円の支出)となりました。これは主に、子会社の清算による収入10,213千円があったものの、有形固定資産の取得による支出5,080千円、無形固定資産の取得による支出3,090千円、差入保証金の差入による支出3,282千円等があったためです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは171,377千円の収入(前期は80,842千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出191,385千円があったものの、株式の発行による収入66,240千円、自己株式の処分による収入314,640千円があったためです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループでは、提供するサービスに生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載を省略しております。

 

b.受注実績

当社グループでは、概ね受注から納品までの期間が短く、受注管理を行う必要性が乏しいため記載を省略しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。マーケティング支援事業につきましては、前連結会計年度の売上実績からのリピート売上率と新規の顧客獲得による売上が順調に推移したことにより前年同期比128.1%となりました。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

マーケティング支援事業

1,829,276

128.1

 

(注) 1.当社グループはマーケティング支援事業の単一セグメントであります。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、見積りが必要な事項については過去の実績や現状等を考慮し、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。但し、将来に関する事項には不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる可能性があります。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、特に重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。また、特に重要なものについては、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度から401,721千円増加し、1,829,276千円(前年同期比28.1%増)となりました。これは主に、マーケティングコンサルタントの増員により取引顧客数が増加し、「マーケティングフレームワーク4K」に基づくクロスセル・アップセルの提案活動等の効果により、各サービス総じて増収基調で伸長したことによるものです。

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度から190,073千円増加し、909,637千円(前年同期比26.4%増)となりました。社内業務運用効率化と外注比率最適化の施策により、売上高の増加率28.1%に比して売上原価の増加率は26.4%に抑える事ができました。この結果、売上総利益は、前連結会計年度から211,647千円増加し、919,639千円(前年同期比29.9%増)となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度から81,792千円増加し、616,184千円(前年同期比15.3%増)となりました。これは主に成長に向けた人材採用を積極的に行ったことによるものです。この結果営業利益は、前連結会計年度から129,854千円増加し、303,454千円(前年同期比74.8%増)となりました。

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は、2,714千円となりました。これは主に補助金収入によるものです。営業外費用は19,631千円となりました。これは主に当社が東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)市場に上場したことに伴う上場関連費用によるものです。この結果、経常利益は、前連結会計年度から112,884千円増加し、286,536千円(前年同期比65.0%増)となりました。

(特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の特別利益は2,480千円となりました。これは子会社清算益によるものです。特別損失はありませんでした。法人税、住民税及び事業税86,146千円、法人税等調整額△3,131千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、206,002千円(前年同期比76.6%増)となりました。

 

b 財政状態の分析

財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」をご参照ください。

 

c キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、外注費等の売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、短期運転資金は自己資金を基本とし、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、資金の流動性については、営業債権の回収、営業債務の支払とともに概ね2ヶ月以内に滞りなく処理されており、営業活動に伴う資金収入を安定的に確保しております。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、2 事業等のリスク及び 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」に記載しているとおりであります。

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、より高い成長性及び収益性を確保する観点から、「顧客数」「顧客単価」「マーケティングコンサルタント人員数」を重要な経営指標としております。

直近2期の経営指標推移は下記のとおりです。

 

2020年9月期

2021年9月期

顧客数

1,372社

1,413社

顧客単価

1,040千円

1,299千円

マーケティングコンサルタント人員数

26人

34人

 

引き続き当該経営指標の向上に努めてまいります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。