第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。

(1) 経営の基本方針

 当社グループは「Happiness」「Beauty」「Wellness」をテーマに掲げています。当社グループの目的は、店舗を通して、当社グループの価値観をお客様に明確に提示し、幸福を感じていただける方を一人でも多く増やしていくことです。このテーマの下、当社グループでは年間約2万組(2022年9月期時点の当社のフォトウエディング撮影組数とHAPISTAの撮影組数の合計)のお客様にサービスを提供しており、お客様の「想い」に寄り添い、株主の皆様に信頼され、社会貢献できる経営を確立してまいります。

 当社グループでは、3年間の中期経営計画を策定していますが、1年経過するごとに新たな3年間の計画に更新し、経営目標を設定しています。当社は従前より「フォトウエディング市場のリーディングカンパニーからライフフォトカンパニーへ」との将来像を掲げてまいりましたが、現行の2023年9月期から2025年9月期までの中期経営計画においては「フォトウエディングサービスのさらなる成長」と「ライフフォトカンパニーの礎を創る」をテーマとして、フォトウエディングサービスの成長と、アニバーサリーフォトサービス「HAPISTA」の成長、その他のライフイベント領域への事業拡大について、具体的な戦略を策定し、これらスタジオ事業のより一層の成長に注力してまいります。

 

(2) 経営環境

 当社グループを取り巻く経営環境は少子高齢化が一段と進み、厚生労働省が公表している「人口動態統計調査(2021年)」によれば平均婚姻年齢は2005年で男性29.8歳、女性28.0歳から2021年で男性31.0歳、女性29.5歳と上昇しています。また同調査によると年間の婚姻組数は長期に渡り減少傾向が続き、近年では2012年に一時的に増加した後は減少が続き、2019年には599千組に増加したものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けた2020年においては525千組、2021年においては501千組と大きく減少しました。一方で、近年では家族を中心とした少人数での挙式や披露宴を行わない結婚スタイル、ソーシャルネットワークサービスを利用した体験の共有等、従来の結婚式の様式にとらわれない、新たな価値観が醸成されていると当社では考えています。このような環境下において、結婚写真についても従来は挙式会場で当日に撮影を行うスタイルが主流でしたが、当日の式場とは異なるスタジオ、ロケーションの中で、参列者に気兼ねすることなく、挙式当日には撮影できないような写真を残せるフォトウエディングサービスの需要が増加し、今後もその傾向は続いていくものと当社では考えています。また、披露宴を行わない結婚スタイルにおいてもフォトウエディングで花嫁衣裳に袖を通し、結婚の報告等を行うことで花嫁体験をするケースが認知されつつあると考えています。

 2020年以降は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、ブライダル業界においては、従来型の挙式・披露宴業態では参列者への配慮からの「3密」回避や、大人数のイベントの自粛傾向の強まりを受け、挙式・披露宴の延期や中止による実施組数が減少しました。フォトウエディング業態は、新郎新婦だけで「3密」を回避しつつ撮影が可能であり、挙式・披露宴の延期・中止が増える中で思い出を残したいカップルの写真へのニーズが高まったと当社では考えています。2022年に入り新型コロナウイルス感染拡大時の行動制限が緩和され、挙式・披露宴市場は徐々に回復しつつありますが、コロナ禍において加速した結婚式に対する新たな価値観の浸透は今後も続き、フォトウエディングに対するニーズと存在感は今後さらに高まっていくものと当社は考えています。

 

(3) 経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 上記の経営の基本方針及び経営環境を踏まえた中長期的な経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりです。

 

 スタジオ事業では「フレームを超える感動を」を行動指針として、「新しい感動体験をつくり、文化として浸透させる」を使命としています。

2025年9月期までの中期経営計画においては「フォトウエディングサービスのさらなる成長」と「ライフフォトカンパニーの礎を創る」をテーマとして、事業を成長させ使命を果たすために、以下の成長戦略を進めてまいります。

 

フォトウエディングサービスのさらなる成長

・フォトウエディングのリーディングカンパニーとして自ら市場を広げる活動とともに、出店ペースを上げ、さらなる成長を目指す。

・顧客層の厚い大都市圏への出店を進めつつ、2025年9月期には地方都市型店舗の展開を開始、商圏を拡げていく。

・一部センター化を開始した衣裳管理に加え、オンライン接客のセンター化など、店舗運営の効率化に向けた取組も進める。

ライフフォトカンパニーの礎を創る

・アニバーサリーフォトを提供するHAPISTAの展開を加速、2026年9月期末までに50店舗体制へ拡大。

・成人式写真は事業化に向けた動きを加速、他のライフイベント領域への進出も検討。

 

これらの成長戦略を実現するため、以下の具体的な取組を実行しています。

 

①フォトグラファー、メイクアップアーティストの人材確保及び育成

 当社グループはフォトグラファー及びメイクアップアーティストについて、外注依存することなく自社で正社員として雇用しています。専門学校の卒業生や未経験者を積極的に正社員として採用し、当社グループの研修を行う専門部署が技術研修・指導を継続的に行うことにより、写真撮影に関わる職種ごとの専門技術・ノウハウを習得したプロフェッショナル人材として育成しています。

 研修は当社で設定した技術等級に応じて実施され、等級別に以下の目標を設定しています。

第1等級(入社1年後):一般的・標準的な要求に対し、上位者の指示やマニュアル、研修で教わった内容のもとに対応できる、もしくは習得中の段階であり必要とされる基本的なスキルを知るレベル

第2等級(入社2年後):行動を振り返り習熟することで、一般的・標準的な要求に、独力で対応できるレベル

第3等級(入社5年超):難しさ・複雑さのある要求に、独力で対応できるような、プロとして完成するレベル

 整備された教育システムにより、フォトグラファー及びメイクアップアーティストの技術力を高めつつ高水準で均質化し個人差を極小化することで、当社グループが提供するフォトウエディングサービスは安定した品質でのサービス提供が担保されていると当社では考えています。

 また、撮影・メイクの専門技術を保有する人員を正社員として確保(2022年9月期末時点において、フォトグラファー:135名、メイクアップアーティスト:148名)していることで、フォトウエディングサービスの平均単価が上昇する春秋の繁忙期の需要を確実に取り込むことを可能としています。また、少人数で日程調整が容易かつ短時間で撮影可能なフォトウエディングの特性を活かし平日に顧客を取り込むことで人員と設備の稼働を平準化し、稼働が土日に集中する結婚式や披露宴と比較してより多くの撮影を可能としています。

 

当社グループのフォトグラファー及びメイクアップアーティストの人員数の推移

(単位:人)

2018年9月

2019年9月

2020年9月

2021年9月

2022年9月

266

271

262

280

283

 

②Web集客力の強化

 当社ではWebサイト制作について制作チームを内製化しており、適時適切なWebサイトの更新、SEO対策(*)、Web集客状況のモニタリング等を行っています。また、社員であるフォトグラファーやメイクアップアーティストからのSNSを通じた情報発信にも積極的に取り組んでいます。

 「ゼクシィ結婚トレンド調査2022」(株式会社リクルートマーケティングパートナーズ)によれば、首都圏における顧客によるフォトウエディング事業者の選定媒体として、SNSが48.7%、その他インターネット上のWebサイトが31.0%と多く利用されています。

 

別撮りのスタジオ・ロケーション撮影の依頼先を検討する際に利用した情報源

(単位:%、複数回答可)

媒体

2020年

2021年

2022年

SNS

39.4

47.4

48.7

その他Webサイト

27.6

30.6

31.0

結婚情報サイト

19.3

25.5

24.1

結婚式場の紹介

14.2

15.4

18.2

結婚情報誌

11.6

13.0

9.6

友人・知人の紹介

11.3

10.1

8.6

挙式会場などのHP

6.1

5.6

7.8

(株式会社リクルートマーケティングパートナーズ「ゼクシイ結婚トレンド調査2022」)

 

 当社グループの接客件数のうち90%以上は自社Webサイトでの予約によるものであり、その入口となるWeb検索においては、SEO対策(*)と、競合他社に先行してWebサイトからの集客に注力してきたことによる過去の検索数の蓄積等により、「フォトウエディング」「前撮り」等のキーワード検索で各地域において上位を占める結果を導いています。SNSを通じた情報発信にも積極的に取り組み、当社グループの提供するサービスの認知度を向上させる活動を進めています。スタジオ事業においては、各店舗の公式アカウントに加えて、技術水準等の社内認定基準を満たしたフォトグラファーやメイクアップアーティストについては個人アカウントを開設し、フォロワー数を増やし情報発信力を強化することによる認知度の向上に取り組んでいます。さらに、SNSにおいては当社グループのサービスに満足いただけた顧客自身により情報発信されることで、当社グループ・顧客の双方向からの情報発信が当社グループのサービスの認知度を高める仕組み作りを推進しています。

(*)「Search Engine Optimization」の略であり、インターネット検索結果でWebサイトを上位表示させたり、より多く露出するための一連の取組のことを「SEO」といいます。

 

③衣裳

 和装の品揃えの充実と、洋装ドレスはデザインを内製化して国内外の仕入先に直接発注することで最新のデザインのトレンドを取り入れた衣裳をいち早く提供することを可能とし、品質とコストを自社でコントロールしつつ、顧客に「多くの衣裳の中からお気に入りを選ぶ楽しさ」を提供し満足度を高める取組を進めています。

 

④地域に根差した店舗展開

 当社グループは首都圏で「スタジオAQUA」、関西圏で「スタジオTVB」、名古屋で「スタジオ 8」、福岡で「スタジオAN」、沖縄で「スタジオSUNS」、北海道で「スタジオSOLA」を展開しており、それぞれの地域に応じたブランディング・店舗づくりを行っています。大都市圏の店舗はターミナル駅近辺を中心に出店することにより、地域のお客様にとって利便性の高い店舗展開を行っています。

 今後は、大都市圏においては大規模なターミナル店舗とその周辺に展開する中小規模のサテライト店舗を組み合わせ、商圏内のシェアを引き上げる戦略を推進します。また、オンライン接客等のセンターオペレーション化や衣裳管理のリモート化等を進めることで、店舗の業務とスペースの効率化及び既存店稼働率の向上を推進します。これらの施策と併せて、郊外や地方都市における中規模商圏に対応した省スペース・少人数で運営可能な地方都市型店舗の展開、リゾート地におけるフォトウエディングサービスを提供するリゾート型店舗の展開を推進してまいります。

 これらの取組により、当社グループでは、2025年9月期までの中期経営計画期間においてフォトウエディングサービスの店舗を11店舗、アニバーサリーフォトサービス(HAPISTA)の店舗を31店舗出店する計画です。

スタジオ事業の店舗数の推移は以下のとおりです。

 

2009年

2010年

2011年

2012年

2013年

2014年

2015年

店舗数

2

5

7

9

11

12

15

(ウエディング)

2

5

7

8

10

11

13

(アニバーサリー)

1

1

1

2

出店数

0

3

2

2

2

1

3

退店数

0

0

0

0

0

0

0

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

店舗数

17

19

19

18

20

22

26

(ウエディング)

15

17

17

16

17

18

20

(アニバーサリー)

2

2

2

2

2

3

5

(ペット・成人式写真)

1

1

1

出店数

2

2

1

0

2

3

4

退店数

0

0

1

1

0

1

0

(注)2009年から2021年は12月末の情報であり、2022年は9月末現在の情報です。

 

⑤衛生管理

 当社グループでは新型コロナウイルス感染症対策を含めた適切な衛生管理体制を構築するため、各店舗への必要な衛生設備の配置及び衛生管理の指導を徹底し、お客様が安心してサービスの提供を受けることができる環境を整備しています。

 

⑥衣裳の品質管理

 当社グループではグループ全体の衣裳を管理する部門を設置し、定期的な衣裳の購入と廃棄、店頭在庫の入替等を行い衣裳デザインの陳腐化や使用過多・経年による劣化品の使用を防止することで品質を確保しています。衣裳の買付けにあたっては仕入先と直接交渉し、デザイン・品質を確認した上で大量購入することで低価格を実現しています。

 

⑦新型コロナウイルス感染症拡大への対応

 当社では新型コロナウイルス感染症への対応として、非接触でコロナ禍においても安心して撮影申込が可能な「オンライン専門相談カウンター」によるオンライン接客の拡充、長距離の移動が制約を受ける中で都市近郊の旅行先でのフォトウエディングを提供する「フォトジェニックジャーニー」の実施等、顧客のニーズをとらえ環境に合わせた施策を実行してまいります。

 

⑧フォトウエディング事業領域の拡大及びライフイベント領域への展開加速

 近郊の旅行先でフォトウエディングを行う「フォトジェニックジャーニー」、新郎新婦だけでなく家族と一緒に撮影する「家族フォトウエディング」、フォトウエディングにオンライン結婚式を組み合わせた「フォトパブリックウエディング」、本格的なチャペルでフォトウエディングを行う「チャペルフォトプラン」等の取組や、入国規制緩和及び円安により市場の再拡大が見込めるインバウンド需要の取込みを推進し、フォトウエディング事業領域の拡大を加速してまいります。

 また、スマートフォンやコンパクトデジタルカメラによる手軽な個人撮影とは異なる写真に対する消費者のニーズに対し、当社グループの持つフォトグラフィック技術を活用し、ライフイベント領域への展開に取り組んでまいります。既に多店舗展開を進めている、家族や子供の記念日(アニバーサリー)をテーマとしたフォトスタジオである「HAPISTA」については、中期経営計画において店舗展開をさらに加速し、事業基盤を強固なものとしてまいります。また、成人式フォトサービスの「NALU」については事業化に向けた取組を加速してまいります。この他、貸切スタジオでの撮影や散歩等の日常を切り取るようなペット写真サービス等、様々なライフステージにおいて顧客に寄り添ったサービスの展開を推進してまいります。

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 当社では、経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、調整後営業利益による評価を行っています。調整後営業利益は「営業利益±その他の収益・費用+本社費(※)」で算定しています。調整後営業利益の金額・内容は「3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容d.経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について」をご参照ください。

(※)本社費:管理部門等で発生する全社的な管理費用等

2【事業等のリスク】

 当社グループの事業遂行には様々なリスクを伴います。本書提出日現在において、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクは、以下のとおりです。なお、これらは、当社グループが事業を遂行する上で発生しうるすべてのリスクを網羅しているものではありません。また、将来に関する事項につきましては別段の記載がない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 事業環境について

①当社グループの事業について

 当社グループはスタジオ事業を成長領域と捉え、フォトウエディング需要の増加に対応するため継続的に新規出店を行っていますが、予期せぬ事態によりフォトウエディング需要が大きく減少した場合には当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 中長期的な経営戦略を策定する中で、当社グループは、婚姻組数、撮影組数、撮影単価、コスト変動等の様々な前提を置いています。このような前提は必ずしも正しいという保証はなく、当社グループは前提が誤っていたことによる影響に対応して経営戦略又は事業運営を適時に変更することができない可能性があります。

 

②他社との競合について

 当社グループの競合他社は、その資本力、サービス・商品、店舗開発力、価格競争力などにおいて、当社グループより優れている場合があります。競合他社がその優位性を現状以上に活用してサービスや商品の販売に取り組んだ場合には、当社グループが販売競争で劣勢に立たされ、当社グループの期待通りにサービス・商品を提供できない、又は現在の受注水準を維持できないことも考えられ、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、競合他社が当社グループと同等又はより優れたサービスを導入した場合や、競合他社が当社グループよりも低い価格でこれらを提供した場合には、当社グループの施策が期待した効果を上げることができないことも考えられ、当社グループの優位性が低下し、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③売上収益の季節的変動の影響について

 当社グループのスタジオ事業において提供するフォトウエディングのサービスは、紅葉や桜を背景としたロケ地での撮影の需要が高まる秋と春に繁忙期を迎えます。一方コスト面については、当社はフォトグラファー及びメイクアップアーティストを直接雇用しており、店舗の賃料等も固定して発生することから固定費比率が高くなっています。そのため、当社グループの利益は第1四半期及び第3四半期に偏重する傾向があります。したがって当該期間中に台風等の天候不順や異常気象等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 法規制について

①法規制について

 当社グループのスタジオ事業は、「美容師法」の適用を受けています。

 当社グループは、内部管理体制の充実を図り、社内教育を推進することで法令の遵守に努めていますが、今後新たな法的規制の導入や現行の法的規制の強化もしくは変更等が行われた場合には、当社グループの財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、広告宣伝を行う際の各種制作物の表現について、「不当景品類及び不当表示防止法」の適用を受けています。当社グループは法令を遵守するために、グループで一元的な広告審査体制を構築していますが、万一、これらの法令に違反する行為が行われた場合には、当社グループが社会的信用を失う可能性があり、当社グループの財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

②個人情報等の漏洩リスクについて

 当社グループは、個人情報取扱事業者として個人情報にかかる義務等の遵守を法令上求められています。

 当社グループでは顧客情報管理規程を制定し、個人情報が記載された書類やデータについては保管庫における施錠管理やパスワード管理により管理を徹底する等、安全性及び信頼性に万全の対策を講じていますが、人為的過誤、自然災害、第三者によるセキュリティ侵害や予測しない不正アクセス等により、個人情報その他の顧客情報や当社グループの機密情報が漏洩し、また、その漏洩した情報が悪用された場合には、顧客の経済的・精神的損害に対する損害賠償等が発生する可能性があります。さらに顧客情報の漏洩等が当社グループの信用低下や企業イメージの悪化につながることで、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③労務管理について

 当社グループは、労働基準法などの関係法令を遵守し、労働時間や有給休暇の取得状況を管理するなど、適正な労働環境の整備に努めています。

 しかし、万一当社グループにおいて、これらの法令に抵触するなど労務管理が不十分な事態が生じた場合には、社会的な信用の低下を招き必要な人材の確保に支障をきたすなど、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 事業に関するリスク

①特定のサービスへの依存について

 当社グループは、売上収益・利益共にフォトウエディングサービスへの依存率が高くなっています。今後もフォトウエディング市場は拡大するものと見込んでいますが、当該市場の成長が鈍化するような場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②人材の確保・育成について

 当社グループは、今後の事業拡大を進めていくにあたり、優秀な人材を確保するとともに人材育成が重要な課題であると認識しています。このため、採用活動、教育研修等の充実に努めていますが、必要とする人材の確保ができなかった場合や中核となる優秀な人材の流出等が生じた場合、人材の育成が図れなかった場合には、出店計画の遅延や既存店舗での運営に支障をきたし、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③当社グループのWebサイトにおける外部検索エンジンによる集客について

 当社グループのサービスの利用者の多くは、特定の検索エンジン(「Google」「Yahoo!JAPAN」等)を経由して当社グループのWebサイトを認知しており、今後も検索エンジンからの集客を強化すべくSEO(※)やインターネット広告によるマーケティング活動を実施していく予定です。

 しかしながら、検索エンジンが検索結果を決定するロジック(アルゴリズム)を大幅に変更する等、何等かの要因により、これまでの手法が有効に機能しなかった場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(※)「Search Engine Optimization」の略であり、インターネット検索結果でWebサイトを上位表示させたり、より多く露出するための一連の取組のことを「SEO」といいます。

 

④システム障害について

 当社グループのサービスの利用者の多くは、インターネット上の当社グループのWebサイトを通じて当社グループのサービスを認知しており、また、自社サイトを通じて予約を受け付けているため、事業の安定的な運用のためにシステム強化及びセキュリティ対策を行っています。

 しかしながら、予期せぬ自然災害や不慮の事故等により当社グループが運営する媒体のコンピューターシステムに障害が発生した場合や、想定を超える急激なアクセス増等の一時的な過負荷によってコンピューターシステムが動作不能に陥った場合には、サービス停止により、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤出店について

 当社グループは、売上収益増大のために出店を積極的に進めてまいります。出店にあたっては店舗の立地が業績を左右する重要な要素となるため、出店にあたり緻密なマーケティングを行い、需要予測や採算性の評価を十分に行った上で出店の意思決定をしています。複数の展開地域で並行して店舗開発を進めているものの、出店立地として適切な候補物件が確保できない場合、出店に必要な人材が確保できない等の理由により出店予定時期までに出店ができない場合、又は出店実績が計画と乖離する場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥当社グループが提供するサービス及び商品に関するクレームについて

 当社グループは、利用者からの品質に対する期待に応えつづけることが重要だと認識しており、日頃から従業員に対して高品質なサービス提供をするよう指導や教育を行っています。また、スタジオ事業における写真データ保存上の不備やアルバム等の納品漏れ等を事前に回避するための管理体制を確保しています。しかしながら、万一不具合などの問題を回避できずお客様に損害を与えた場合には、クレームや損害賠償請求等が発生する可能性があり、当社グループの信用や財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦風評等の影響について

 当社グループが運営しているサービスは、それぞれ個人を対象としたサービスであるため、利用者の口コミやインターネット上の書き込み、マスコミ報道等により影響を受けるものと認識しています。これに対して当社グループでは、顧客満足度を高めるための意識や、コンプライアンスを遵守する意識を高く保つように従業員への教育を行っています。しかしながら、当社グループに不利益な情報や風評が流れた場合には、当社グループが提供するサービスの利用者が減少する等、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧内部管理体制について

 当社グループは、今後の事業運営及び事業拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しています。今後、事業規模の拡大に合わせ、内部管理体制も充実・強化させていく方針ですが、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨自然災害について

 万一、大規模地震や台風等の自然災害により、当社グループの本社や店舗又は顧客に甚大な被害が発生した場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩感染症について

 インフルエンザ等の感染症の大流行により長期にわたる営業休止を余儀なくされた場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪新型コロナウイルス感染症について
 新型コロナウイルス感染症拡大リスクに対して、店舗におけるマスク着用、消毒等の衛生管理徹底の指示、フェイスガードやパーテーション等の衛生管理用品の導入、スタジオやメイクルーム、接客スペース等の店舗設備・備品への抗菌コーティングの実施等の感染拡大防止策を講じています。

 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大及び政府等によるその対応策により長期に渡る営業休止を余儀なくされた場合や顧客の外出自粛、消費意欲の減少等により来店数や受注数が減少した場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫新規事業について

 当社グループは、現在までの事業活動を通して培ったスタジオ事業のノウハウを生かし、更なる成長を目指して写真撮影関連・周辺事業へ投資していく予定です。新規事業展開にあたっては慎重な検討を重ねた上で取り組んでまいりますが、当該事業を取り巻く環境の変化等により、当初の計画通りの成果が得られない場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) その他業績に影響を及ぼす可能性のある事項について

①有利子負債について

 当社グループは、旧株式会社デコルテの株式取得資金等を金融機関からの借入れにより調達しています。また、当連結会計年度末時点で6,929,622千円の有利子負債(注1)を計上しており有利子負債比率(注2)は162.8%となっています。このうちシンジケートローン契約による借入金残高2,831,761千円の金利については市場金利と連動して3ヵ月毎に見直される契約となっており、今後、市場金利が上昇した場合には当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(注1)有利子負債:借入金及びリース負債(主として店舗の物件賃借契約より生じたもの)

(注2)有利子負債比率:有利子負債÷資本×100

 

 また、シンジケートローン契約には財務制限条項(財務コベナンツ)が付されており、2021年9月期以降の決算期末における借入人の連結ベース(日本基準)での純資産の部の合計金額及び経常利益の金額について下記記載の水準を維持する必要があります。

・直近の事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の75%に相当する金額以上

・2021年9月期末日及びそれ以降の各事業年度末日における連結損益計算書に記載される経常損益を2回連続して損失としないこと

 これらの財務コベナンツに一つでも違反した場合は、当該借入についての期限の利益を喪失し、借入金の一括返済を求められる可能性があります。

 当社グループでは、上記の金融機関からの多額の借入に関係した、金利上昇に係るリスクと財務コベナンツへ

の抵触による一括返済リスクに対応するため、主に以下の取組を実施しています。

 

・収益性を重視した戦略立案と経営管理

 当社グループは、特に赤字計上等による財務コベナンツへの抵触を回避するため、収益性を重視した戦略立案と経営管理を行っています。具体的には、新規出店にあたり緻密なマーケティングを行い、需要予測や採算性の評価を十分に行った上で取締役会において新規出店の意思決定をしています。また、当社グループでは、各店舗を経営上の重要な単位として管理しています。

・財務バランスを意識した投資計画、資金計画の立案と実行

 当社グループにおける主な資金需要は、新規出店の建設資金及びこれに関連した保証金の差入です。財務バランスを悪化させるような不必要な追加借入を発生させないため、営業活動によるキャッシュ・フローの実績等を参考にした設備投資計画及び出店計画を立案し、これに従って投資を実行しています。

 

②総資産に占めるのれんの割合が高いことについて

 当社グループはIFRSに基づき連結財務諸表を作成しているため現行基準下では当該のれんの償却は不要となりますが、非流動資産にのれんとして当連結会計年度末時点で5,635,785千円を計上しており、総資産に占める割合が44.8%となっており、減損が発生した場合は当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 ただし、当連結会計年度末における回収可能価額は、のれんが含まれる資金生成単位又はそのグループの資産の帳簿価額を大幅に上回っていることから、減損テストに用いた主要な仮定が合理的な範囲内で変更されたとしても、当該資金生成単位又はそのグループの回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと考えています。仮に税引前割引率が347.0%上昇した場合又は将来キャッシュ・フローの見積額が74.5%減少した場合に減損損失が発生する可能性がありますが、今後5年間の成長率がゼロであった場合でも回収可能価額はのれんが含まれる資金生成単位又はそのグループの資産の帳簿価額を十分に上回るため、減損の可能性は低いと考えています。

 当社グループでは、のれんの減損に係るリスクを逓減するため、事業の収益力強化に努めており、主に以下の取組を実施しています。

 

・緻密な出店戦略による収益構造の最適化

 前述の「(4)①有利子負債について ・収益性を重視した戦略立案と経営管理」にて説明しました通り、当社グループの新規出店は緻密なマーケティング、十分な需要予測や採算性の評価を特徴としています。これにより、人件費の最適化、稼働率の向上等、費用構造の最適化を目指しています。今後も、緻密なマーケティング、十分な需要予測や採算性の評価を出店戦略の根本に据え、引き続き、売上収益の拡大及び利益率の向上に努める方針です。

・集客手法の工夫による受注組数の増加

 スタジオ事業は、インターネット利用の増加とともに、顧客によるウェブ検索が増加傾向にあり、SNSを中心とした新たな情報発信手段の台頭等、当社グループを取り巻く事業環境は変化してきています。こうした変化を捉え、当社グループでは、紙面広告、ウェブ広告やその他メディアを利用した集客から店舗における接客、サービスの提供まで各部門を一気通貫したPDCAサイクルを運用し、受注組数の増加に努めています。

 

 ただし、これらの取組が十分ではなく、のれんの対象となる事業の収益力が低下し減損損失を計上するに至った場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 15.非金融資産の減損」をご参照ください。

 

③投資に伴う減損リスクについて

 当社グループの所有する固定資産は将来の収益を生み出すことを前提に資産として計上しています。しかしながら、事業環境や競争状況の変化等により期待する成果が得られない場合には、減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

④賃貸借による店舗展開について

 当社グループは、当連結会計年度末現在の建物賃貸借契約により賃貸人に差し入れている敷金及び保証金を470,445千円計上しています。この資産は、賃貸人の財政状態が悪化し、返還不能になったときは、賃料及び解体費用との相殺ができない範囲において貸倒損失が発生し、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤株式会社MIXIとの関係について

 当社は、株式会社MIXIが主要株主である筆頭株主であり、当連結会計年度末現在において、当社発行済株式総数の27.03%を保有しています。株式会社MIXIの今後の当社株式の保有方針によっては、当社株式の流動性や市場価格等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥新株予約権による株式の希薄化について

 当社グループでは、役員、従業員等を対象として、業績向上に対する意欲・士気向上、及び優秀な人材の確保のため、ストックオプション制度を採用しています。

 これらのストックオプションの行使が行われた場合には、発行済株式総数が増加することにより1株当たりの株式価値が希薄化し、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦配当について

 当社グループは、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして認識していますが、当面は内部留保の充実を図るため、当社は設立以来、配当を実施していません。将来的には、業績を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針です。現時点において配当実施の可能性及びその実施時期につきましては、未定です。

 

⑧M&Aについて

 当社グループでは、新規事業やサービスの拡大のため、M&Aを有効な手段のひとつに位置付けており、今後も必要に応じてM&Aを実施する方針です。

 M&Aに際しては、対象企業のビジネス、財務内容及び法務等について詳細なデューデリジェンスを行い、各種リスクの低減を図る方針です。しかしながら、これらの調査段階で想定されなかった事象が、M&A実行後に発生する場合や、事業展開が計画通りに進まず当初期待した業績への寄与の効果が得られない場合、実施後の業績未達等によるのれん等の減損が発生した場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、本書提出日現在において具体的に計画している企業買収や資本提携等の案件はありません。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。

(1) 経営成績等の状況の概要

①経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国の経済は、当初は新型コロナウイルスの国内感染状況が改善に向かい、行動制限の緩和により企業・個人ともに消費動向に持ち直しの動きが見られました。しかし、その後の感染第6波・第7波における感染者の急増による消費活動の停滞、ロシアによるウクライナ侵攻や円安の影響等による資源・原料価格の上昇等が国内経済に悪影響を及ぼすなど、先行き不透明な状況が続いています。

 ブライダル業界においては、従来型の挙式・披露宴業態では一部で実施組数が回復しつつあるものの、コロナ禍における「結婚式」に対する価値観の変化の加速とも相まって、新型コロナウイルス感染拡大前の水準を下回って推移しています。オンライン挙式や少人数挙式へのシフトを図ることで顧客の要望に応える動きも出ていますが、参列者数の減少による単価の低下もあり、本格的な回復には至っていない状況が続いています。

 一方で、コロナ禍において様々な新しい結婚のかたちが浸透していく中、フォトウエディングも新たな結婚式のスタイルの一つとして注目を集め、新規参入を試みる事業者も現れるなど、フォトウエディング市場は活況を呈してまいりました。

 このような経営環境の下、主力業態であるフォトウエディングサービスにおいては、「撮る結婚式」に対する期待の高まりに応えるべく、非接触でコロナ禍においても安心して撮影申込が可能な「オンライン専門相談カウンター」の拡充、行動制限が緩和される中では旅行先でのフォトウエディングサービスを提供する「フォトジェニックジャーニー」の強化等、顧客のニーズと環境に合わせた施策を実行してまいりました。ニーズの高まりを受け、当連結会計年度においても新たに2店舗を出店しています。

 また、アニバーサリーフォトサービスの「HAPISTA」においては、お宮参りや七五三等のイベントだけでなく、お子様を中心に家族でリピートしたくなるHAPPYな体験を得られるフォトサービスを提供してまいりました。当連結会計年度においては新たに2店舗を出店、今後はさらに出店数を増やし、事業拡大を目指してまいります。

 当連結会計年度の経営成績は、新型コロナウイルス感染の第6波・第7波の影響を受けましたが、スタジオ事業、フィットネス事業ともに売上収益は前期を上回り、連結で過去最高の売上収益となりました。費用面では、前期において抑制していた広告宣伝を今後の受注活動のため一部強化したこと、新規出店の加速と出店地域の広がりに対応するための人材の先行採用と育成の強化の取組を進めたこと等を主な要因として増加しました。一方で、2022年1月31日付で譲渡したデコルテ浅草ビルの譲渡益として、その他の収益437百万円を計上しました。これらの結果、売上収益は5,322百万円(前期比15.9%増)となり、前期に比べ730百万円増加しました。営業利益は1,377百万円(同58.0%増)となり、前期に比べ506百万円増加しました。親会社の所有者に帰属する当期利益は1,018百万円(同77.1%増)となり、前期に比べ443百万円増加しました。

 また、当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としている調整後営業利益は、当連結会計年度において1,438百万円となり、既存店の成長と前連結会計年度以降に出店した新店の貢献による売上収益の成長が、広告宣伝の強化や新規出店の加速に伴う費用の増加を吸収し、前期比7.6%の増益となりました。

 セグメントレベルの概況は以下のとおりです。

 

<スタジオ事業>

 スタジオ事業においては、上記のとおり、当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染の第6波・第7波により特に来店客数と撮影件数に影響を受けましたが、フォトウエディングサービスへのニーズの高まりに対応した多様なプランや新たなサービスの提供により撮影単価が上昇、また、コロナ禍に対応した施策の実施により、売上収益及び営業利益は前期を上回り過去最高となりました。

 当連結会計年度のセグメント業績は、売上収益5,230百万円(前期比16.2%増)、セグメント利益1,367百万円(53.8%増)となりました。

 

<その他>

 フィットネスジムにおいては依然として新型コロナウイルス感染症への警戒感が残る中でコロナ禍以前の水準までの回復には至りませんでしたが、売上収益及び営業利益は前期を上回り、黒字を回復しました。

 当連結会計年度のセグメント業績は、売上収益91百万円(前期比1.5%増)、セグメント利益10百万円(前期は17百万円の損失)となりました。

 

②財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は1,723百万円となり、前連結会計年度末に比べ93百万円増加しました。これは主に現金及び現金同等物が62百万円増加したことによるものです。非流動資産は10,865百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,341百万円増加しました。これは主に当連結会計年度に新店舗の開店等により賃貸借契約期間中の賃借料等に相当する使用権資産が1,167百万円増加したことによるものです。

 この結果、資産合計は12,588百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,435百万円増加しました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は1,844百万円となり、前連結会計年度末に比べ109百万円増加しました。これは主に営業債務及びその他の債務が126百万円、リース負債が67百万円それぞれ増加する一方で、その他の流動負債が108百万円、未払法人所得税が28百万円それぞれ減少したことによるものです。非流動負債は6,486百万円となり、前連結会計年度末に比べ896百万円増加しました。これは主に当連結会計年度の新店舗の開店等により賃貸借契約期間中の賃借料等に相当するリース負債が1,095百万円増加する一方で、借入金の返済等により借入金が218百万円減少したことによるものです。

 この結果、負債合計は8,331百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,005百万円増加しました。

 

(資本)

 当連結会計年度末における資本合計は4,257百万円となり、前連結会計年度末に比べ429百万円増加しました。これは主に、利益剰余金が1,018百万円増加する一方、自己株式を600百万円取得したことに伴い資本が減少したことによるものです。

 この結果、親会社所有者帰属持分比率は33.8%(前連結会計年度末は34.3%)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,350百万円となり、前連結会計年度末と比べ62百万円の増加となりました。当連結会計年度の各活動におけるキャッシュ・フローとそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは前期比94百万円減少し、1,152百万円の収入となりました。主な要因は、継続事業からの税引前利益が1,264百万円となり、減価償却費及び償却費648百万円などのキャッシュの増加要因があった一方で、固定資産売却損益437百万円、法人所得税の支払額345百万円などのキャッシュの減少要因がありました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは198百万円の収入(前期は356百万円の支出)となりました。主な要因は、2022年1月31日付でデコルテ浅草ビルを譲渡したことにより有形固定資産の売却による収入614百万円のキャッシュの増加要因があった一方で、当連結会計年度に開店した新店舗の賃貸借物件契約等に起因する投資の取得による支出が178百万円、有形固定資産及び無形資産の取得による支出237百万円などのキャッシュの減少要因がありました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは1,288百万円の支出(前期は1,189百万円の支出)となりました。主な要因は、自己株式の取得による支出601百万円、賃貸借物件の家賃支払い等によるリース負債の返済による支出440百万円、長期借入金の返済による支出243百万円などのキャッシュの減少要因がありました。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.仕入実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当連結会計年度の「生産実績」に代えて「仕入実績」を記載します。

サービスの名称

当連結会計年度

(自 2021年10月1日

至 2022年9月30日)

金額(千円)

前期比(%)

フォトウエディング

552,565

125.6

アニバーサリーフォト

18,712

125.8

スタジオ事業 計

571,278

125.7

フィットネス

17

17.4

その他 計

17

17.4

合計

571,296

125.6

 (注)金額は仕入価格によっています。

 

b.受注実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、受注生産を行うものが存在しないため記載していません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりです。

サービスの名称

当連結会計年度

(自 2021年10月1日

至 2022年9月30日)

金額(千円)

前期比(%)

フォトウエディング

5,057,355

115.7

アニバーサリーフォト

173,425

133.0

スタジオ事業 計

5,230,780

116.2

フィットネス

91,637

101.5

その他 計

91,637

101.5

合計

5,322,418

115.9

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。

 

①重要な会計上の見積り

 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような会計上の見積り及び判断を必要としています。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、会計上の見積りを行っていますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。

 なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しています。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の状況

 スタジオ事業は「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおり、フォトウエディングサービスとアニバーサリーフォトサービスから構成されます。これらを分解した結果及び分析結果は以下のとおりとなります。

 

・フォトウエディングサービス

 挙式・披露宴の実施組数は一部で回復しつつあるものの、結婚式に対する価値観の変化が加速する傾向にあること等により、フォトウエディング等の新たな結婚式のかたちへの関心が高まる中で、顧客のフォトウエディングサービスに対するニーズが広がり、スタジオ+ロケーションなど複数の場所での撮影や、和装・洋装両方の衣裳での撮影など当社の提供するサービスの中でも高単価のサービスの需要が増加したこと、また、2022年5月より提供を開始した新たな画像レタッチサービス「ライブレタッチ」の利用者の急増等により、既存店の平均単価は10.9%上昇し、既存店売上高が前年同期比7.0%増加しました。加えて、前連結会計年度に開店した2店舗が期初から収益貢献すると同時に、当連結会計年度にスタジオTVBなんばパークス店、スタジオ8名古屋駅前店を出店したこと等により、売上収益は前期に比べ685百万円増加し、5,057百万円となりました。

 

・アニバーサリーフォトサービス

 前期と比較して行動制限が緩和された中、新型コロナウイルス感染の第6波・第7波による影響は受けつつも、前連結会計年度に開店した1店舗が期初から収益貢献すると同時に、当連結会計年度に「HAPISTA江坂店」、「HAPISTA枚方T-SITE店」を出店したこと等により、売上収益は43百万円増加し、173百万円となりました。

 

 フィットネスジムについては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況 <その他>」に記載しています。

 

b.財政状態の状況

 財政状態の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載したとおりです。

 

c.資本の財源及び資金の流動性についての分析

 (a)キャッシュ・フローの状況

 キャッシュ・フローの状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

(b)財務政策

 当社グループでは、運転資金及び設備資金については、内部留保により調達することを基本としていますが、突発的な資金需要が発生した場合には、必要に応じて外部からの資金調達を行うことがあります。また連結財政状態計算書において当社による旧株式会社デコルテ株式の取得資金として長期借入金を計上しています。

 当連結会計年度末において流動負債に計上した借入金は258百万円、非流動負債に計上した借入金は3,126百万円です。

 なお、子会社については、当社を通じての資金調達を原則としています。

 

d.経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について

 当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、調整後営業利益があります。当社グループは、調整後営業利益を用いて業績を測定しており、当社グループの業績評価をより効果的に行うために有用かつ必要な指標であると考えています。

 当連結会計年度における調整後営業利益は1,438百万円となり、前期比7.6%増加しました。これは既存店の成長と前連結会計年度以降に出店した新店の貢献による売上収益の成長が、広告宣伝の強化や新規出店の加速に伴う費用の増加を吸収したことが要因です。

 

 営業利益と調整後営業利益の調整は以下のとおりです。

(単位:千円)

 

決算年月

国際会計基準

第3期

第4期

第5期

第6期

2019年9月

2020年9月

2021年9月

2022年9月

営業利益

886,244

416,731

871,806

1,377,813

(減算)その他の収益

3,100

143,645

52,507

440,061

(加算)その他の費用

13,212

242,438

33,639

6,972

(加算)本社費(注)

487,675

472,701

483,698

494,069

調整後営業利益

1,384,030

988,226

1,336,636

1,438,793

(注) 本社費は管理部門等で発生する全社的な管理費用等です。

 

e.経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

f.経営者の問題意識と今後の方針について

 経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社は、2021年12月16日開催の取締役会において、当社の所有するデコルテ浅草ビルを譲渡することを決議するとともに、同日付で譲渡契約を締結しています。

 

(1) 譲渡の理由

この度譲渡するデコルテ浅草ビルは、当社の前身となる旧株式会社デコルテが2004年に吸収合併した株式会社斎憲より承継し、建物の底地については賃借する形で自社の店舗物件として運用してまいりました。

しかし、当該物件については既に建築後50年以上が経過し、老朽化が進んだ設備については更新のための設備投資を実施しつつ、将来的な建て替えの必要性等についての検討を続けてまいりました。

今般、底地の所有者である株式会社ジェイ・ワン・プランニングより当該物件の購入の打診があり、当社が継続所有し維持管理や建て替え等に多額の投資を行うよりも、新規店舗の出店等の事業投資に振り向けるべきとの判断に至り、当該物件の譲渡を決定いたしました。

 

(2) 譲渡資産の内容

(単位:百万円)

資産の名称及び所在地

譲渡価額

帳簿価額

譲渡益

現 況

デコルテ浅草ビル

(東京都台東区)

614

177

435

店舗として使用

※譲渡益は譲渡価額から帳簿価額及び譲渡にかかる諸経費を控除した金額です。

 

(3) 相手先の概要

名称

株式会社ジェイ・ワン・プランニング

所在地

東京都千代田区有楽町1丁目1-2

東京ミッドタウン日比谷32階

代表者の役職・氏名

代表取締役 岡 則広

事業内容

不動産売買事業、不動産売買仲介事業

資本金

30百万円

設立年月日

2002年3月4日

純資産

486百万円 ※2021年1月末現在

総資産

3,600百万円 ※2021年1月末現在

大株主及び持株比率

岡 則広(83.3%)

上場会社と

当該会社の関係

資本関係

該当する事項はありません。

人的関係

該当する事項はありません。

取引関係

デコルテ浅草ビルの底地について、当該会社を賃貸人、当社を賃借人とする賃貸借契約を締結しております。

関連当事者への該当状況

該当する事項はありません。

 

(4) 譲渡の日程

取締役会決議日

2021年12月16日

契約締結日

2021年12月16日

物件引渡期日

2022年1月31日

 

(5) 今後の見通し

 当該物件については、当面は当社が賃借し店舗物件として引き続き使用いたしますが、2023年4月30日を物件明渡期日としており、明渡期日までに新たな賃借物件に店舗を移転する予定です。

 

(6) 当該事象の連結損益に与える影響額

 当該事象の発生による影響額は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 25.その他の収益及びその他の費用」をご参照ください。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。