当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営の基本方針
当社グループは「Happiness」「Beauty」「Wellness」をテーマに掲げています。当社グループの目的は、店舗を通して、当社グループの価値観をお客様に明確に提示し、幸福を感じていただける方を一人でも多く増やしていくことです。このテーマの下、当社グループでは年間約2万組(2025年9月期時点の当社のフォトウエディング撮影組数とHAPISTAの撮影組数の合計)のお客様にサービスを提供しており、お客様の「想い」に寄り添い、株主の皆様に信頼され、社会貢献できる経営を確立してまいります。
当社グループでは中期経営計画を策定しており、2024年11月5日に適時開示しました「2024年9月期決算及び中期経営計画説明資料」に記載している2028年9月期までの中期経営計画につきましてはローリングすることなく今後4年間で達成すべき目標として設定しています。今後は置かれている事業環境を踏まえ、必要なタイミングで新たな中期経営計画を策定してまいります。2028年9月期までのテーマとして「フォトウエディングサービスのさらなる成長」、「ライフフォトカンパニーの礎を創る」の2点を掲げています。フォトウエディングサービスの成長と、アニバーサリーフォトサービスの成長、その他のライフイベント領域への事業拡大について、具体的な戦略を策定し、これらスタジオ事業のより一層の成長に注力してまいります。
(2) 経営環境
当社グループを取り巻く経営環境は少子高齢化が一段と進み、厚生労働省が公表している「人口動態統計調査(2024年)」によれば平均婚姻年齢は2005年で男性29.8歳、女性28.0歳から2023年で男性31.1歳、女性29.8歳と上昇しています。また同調査によると年間の婚姻組数は長期に渡り減少傾向が続き、近年では2012年に一時的に増加した後は減少が続き、2019年には599千組に増加したものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けた2020年においては525千組、2021年においては501千組と大きく減少し、2023年は500千組を割り込む474千組まで落ち込みました。2024年には485千組と微増に転じたものの、長期視点での減少トレンドを覆す大きな変化ではなく、先行き不透明な状況が続いています。近年では家族を中心とした少人数での挙式や披露宴を行わない結婚スタイル、SNSを利用した体験の共有等、従来の結婚式の様式にとらわれない、新たな価値観が醸成されていると当社では考えています。このような環境下において、結婚写真についても従来は挙式会場で当日に撮影を行うスタイルが主流でしたが、当日の式場とは異なるスタジオ、ロケーションの中で、参列者に気兼ねすることなく、挙式当日には撮影できないような写真を残せるフォトウエディングサービスの需要が増加し、今後もその傾向は続いていくものと当社では考えています。また、披露宴を行わない結婚スタイルにおいてもフォトウエディングで花嫁衣裳に袖を通し、結婚の報告等を行うことで花嫁体験をするケースが認知されつつあると考えています。
2020年~2023年にかけて、ブライダル業界においては新型コロナウイルス感染症の蔓延の影響を受け、従来型の挙式・披露宴業態では参列者への感染防止の観点から挙式・披露宴の延期や中止による実施組数が減少しました。フォトウエディング業態は、新郎新婦だけで撮影が可能であることから挙式・披露宴の延期・中止が増える中で思い出を残したいカップルの写真へのニーズが高まったと当社では考えています。2023年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類」に移行したことにより行動制限が大きく緩和されたものの、コロナ禍において加速した結婚式に対する新たな価値観の浸透は今後も続き、フォトウエディングに対するニーズと存在感は今後さらに高まっていくものと当社は考えています。
(3) 経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記の経営の基本方針及び経営環境を踏まえた中長期的な経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりです。
スタジオ事業では「フレームを超える感動を」を行動指針として、「新しい感動体験をつくり、文化として浸透させる」を使命としています。
2028年9月期までの中期経営計画においては「フォトウエディングサービスのさらなる成長」、「ライフフォトカンパニーの礎を創る」をテーマとして、事業を成長させ使命を果たすために、以下の成長戦略を進めてまいります。
フォトウエディングサービスのさらなる成長
・2026年9月期は、送客提携強化による撮影件数増加、付加価値向上・販売力強化による客単価向上、閑散期の新たなニーズ獲得による売上創出に取り組むことで、既存店のさらなる成長を図る
・未出店地域、高ポテンシャル市場への出店を通して既存市場におけるシェアを拡大すると同時に、フォトウエディング検討層への撮影体験提供、フォト未実施層のニーズを開拓する商品開発及びプロモーションなど、フォトウエディング市場自体の拡大に向けたアプローチを行う
・事業規模を拡大と併せて商圏規模に合わせた投資額の最適化、人員の育成、充足による人員配置の最適化を進め、収益性を改善する
ライフフォトカンパニーの礎を創る
・アニバーサリーフォトサービスにおいて、フォトウエディングのノウハウ活用、複数の撮影スタイルを取り入れることにより、既存店のさらなる成長を図る
・顧客層の厚い首都圏における出店に加え、M&Aも活用した子ども写真の複数ブランド展開、成人式など未着手の事業領域進出に向けた検討、準備を進める
・オペレーション効率化による稼働率改善、店舗当たり人員配置の最適化により収益性を改善する
これらの成長戦略を実現するため、以下の具体的な取組を実行しています。
①フォトグラファー、メイクアップアーティストの人材確保及び育成
当社グループはフォトグラファー及びメイクアップアーティストについて、外注依存することなく自社で正社員として雇用しています。専門学校の卒業生や未経験者を積極的に正社員として採用し、当社グループの研修を行う専門部署が技術研修・指導を継続的に行うことにより、写真撮影に関わる職種ごとの専門技術・ノウハウを習得したプロフェッショナル人材として育成しています。
研修は当社で設定した技術等級に応じて実施され、等級別に以下の目標を設定しています。
第1等級(入社1年後):一般的・標準的な要求に対し、上位者の指示やマニュアル、研修で教わった内容のもとに対応できる、もしくは習得中の段階であり必要とされる基本的なスキルを知るレベル
第2等級(入社2年後):行動を振り返り習熟することで、一般的・標準的な要求に、独力で対応できるレベル
第3等級(入社5年超):難しさ・複雑さのある要求に、独力で対応できるような、プロとして完成するレベル
整備された教育システムにより、フォトグラファー及びメイクアップアーティストの技術力を高めつつ高水準で均質化し個人差を極小化することで、当社グループが提供するフォトウエディングサービスは安定した品質でのサービス提供が担保されていると当社では考えています。
また、撮影・メイクの専門技術を保有する人員を正社員として確保(2025年9月30日時点において、フォトグラファー:172名、メイクアップアーティスト:189名)していることで、フォトウエディングサービスの平均単価が上昇する春秋の繁忙期の需要を確実に取り込むことを可能としています。また、少人数で日程調整が容易かつ短時間で撮影可能なフォトウエディングの特性を活かし平日に顧客を取り込むことで人員と設備の稼働を平準化し、稼働が土日に集中する結婚式や披露宴と比較してより多くの撮影を可能としています。
なお、当社グループの成長にはこのような高い専門技術を持つプロフェッショナル人材を継続的に確保することが重要ですが、出店の加速とエリアの広がりに合わせてスキルの高い人材を配置することが重要であるため、新卒採用で十分な人員数を確保すると同時に、特に地方においては安定した人員確保のため中途採用を含めた現地採用を強化しています。
当社グループのフォトグラファー及びメイクアップアーティストの人員数の推移
(単位:人)
|
2021年9月 |
2022年9月 |
2023年9月 |
2024年9月 |
2025年9月 |
|
280 |
283 |
309 |
340 |
361 |
②Web集客力の強化
当社ではWebサイト制作について制作チームを内製化しており、適時適切なWebサイトの更新、SEO対策(*)、Web集客状況のモニタリング等を行っています。また、社員であるフォトグラファーやメイクアップアーティストからのSNSを通じた情報発信にも積極的に取り組んでいます。
「ゼクシィ結婚トレンド調査2024」(株式会社リクルートマーケティングパートナーズ)によれば、首都圏における顧客によるフォトウエディング事業者の選定媒体として、SNSが54.6%、その他インターネット上のWebサイトが28.5%と多く利用されています。
別撮りのスタジオ・ロケーション撮影の依頼先を検討する際に利用した情報源
(単位:%、複数回答可)
|
媒体 |
2021年 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
|
SNS |
47.4 |
48.7 |
52.8 |
54.6 |
|
その他Webサイト |
30.6 |
31.0 |
30.6 |
28.5 |
|
結婚情報サイト |
25.5 |
24.1 |
20.6 |
18.6 |
|
結婚式場の紹介 |
15.4 |
18.2 |
15.0 |
11.7 |
|
友人・知人の紹介 |
10.1 |
8.6 |
10.0 |
9.3 |
|
結婚情報誌 |
13.0 |
9.6 |
8.3 |
8.6 |
|
挙式会場などのHP |
5.6 |
7.8 |
6.7 |
8.9 |
(株式会社リクルートマーケティングパートナーズ「ゼクシイ結婚トレンド調査2021~2024」)
当社グループの接客は、自社Webサイトからの予約によるものが大半であり、その入口となるWeb検索においては、SEO対策(*)と、競合他社に先行してWebサイトからの集客に注力してきたことによる過去の検索数の蓄積等により、「フォトウエディング」「前撮り」等のキーワード検索で各地域において上位を占める結果を導いています。SNSを通じた情報発信にも積極的に取り組み、当社グループの提供するサービスの認知度を向上させる活動を進めています。スタジオ事業においては、各店舗の公式アカウントに加えて、技術水準等の社内認定基準を満たしたフォトグラファーやメイクアップアーティストについては個人アカウントを開設し、フォロワー数を増やし情報発信力を強化することによる認知度の向上に取り組んでいます。さらに、SNSにおいては当社グループのサービスに満足いただけた顧客自身により情報発信されることで、当社グループ・顧客の双方向からの情報発信が当社グループのサービスの認知度を高める仕組み作りを推進しています。
(*)「Search Engine Optimization」の略であり、インターネット検索結果でWebサイトを上位表示させたり、より多く露出するための一連の取組のことを「SEO」といいます。
③他社との送客提携の強化
当社グループにおいては、前項記載の通り、自社のWeb集客力を強みとして新規顧客の獲得を拡大してきましたが、Webで獲得できる顧客はフォトウエディングに対するニーズが顕在化した層であり、獲得できる数は婚姻組数の動向に大きく影響されるという点を鑑み、他社からの送客提携の強化に努めております。例えば株式会社IBJとは2025年4月25日付で事業シナジーを通じた両社の企業価値の向上を図ることを目的として資本業務提携契約を締結し、IBJグループの成婚者の当社グループへの送客を強化する取り組みを進めておりますが、他にも結婚式場を運営する企業やジュエリー販売の企業など、結婚に関連する事業者から当社に送客を行ってもらう事業提携を強化することにより、顧客獲得の安定化および拡大に努めております。
④営業力の強化
婚姻組数の減少傾向が続く中、当社或いは外部の調査結果を見ましてもフォトウエディングの実施率は上昇しており、これを受けた大小さまざまな事業者の新規参入によってプレイヤーが増えています。そのため、当社を含む数社の説明を聞いた上で事業者を選ぶ顧客も増えており、上記のWeb集客の強化だけではなく、より多くの顧客に当社を選んでいただけるよう、今まで以上に店舗やオンラインでの接客の重要性が増しています。そのため、当社グループでは自社で育成した高い技術と対応力を持ったフォトグラファーやメイクアップアーティストなどのプロフェッショナル人材によるハイクオリティな写真、高いサービスレベル、撮影体験の楽しさなど、当社の強みを丁寧にお伝えするための営業フローの刷新やマニュアルの整備、相談会での撮影やメイク体験による魅力の伝達機会の増加など、営業力の底上げを進めています。
⑤衣裳
当社グループではグループ全体の衣裳を管理する部門を設置し、定期的な衣裳の購入と廃棄、店頭在庫の入替等を行い衣裳デザインの陳腐化や使用過多・経年による劣化品の使用を防止することで品質を確保しています。衣裳の買付けにあたっては仕入先と直接交渉し、和装の品揃えの充実と、洋装ドレスはデザインを内製化して国内外の仕入先に直接発注することで最新のデザインのトレンドを取り入れた衣裳をいち早く提供することを可能としています。さらに今後は、当社がデザインするオリジナル衣装をさらに充実させていくことによって品質とコストを自社でコントロールしつつ、顧客に「多くの衣裳の中からお気に入りを選ぶ楽しさ」を提供し満足度を高める取組を進めています。
⑥地域に根差した店舗展開
当社グループは首都圏で「スタジオAQUA」、関西圏で「スタジオTVB」、名古屋で「スタジオ 8」、福岡で「スタジオAN」、沖縄で「スタジオSUNS」、北海道で「スタジオSOLA」を展開しており、それぞれの地域に応じたブランディング・店舗づくりを行っています。大都市圏の店舗はターミナル駅近辺を中心に出店することにより、地域のお客様にとって利便性の高い店舗展開を行っています。
今後は、未進出エリアへの店舗出店を進めることにより顧客獲得を目指すことに加え、接客専用の「ウエディングフォト相談カウンター」を大型店舗とは少し距離を置いたアクセスの良い場所に設けるなど、様々な手法で集客の強化を推進します。これらの施策と併せて、郊外や地方都市における中規模商圏に対応した省スペース・少人数で運営可能な地方都市型店舗の展開、リゾート地におけるフォトウエディングサービスを提供するリゾート型店舗の展開を推進してまいります。
⑦フォトウエディング市場を拡げる集客強化
当社グループでは、結婚式や披露宴とは別の日に結婚写真を撮影したい、或いは結婚式や披露宴を行わずに結婚の記念として写真を残したい、という顕在化したニーズを持つ顧客を主なターゲットとしてまいりました。国内における婚姻組数全体の減少トレンドが続く中、フォトウエディングの実施率は上昇傾向にあり、まだまだ上昇余地はありますので、撮影を検討していないお客様に対するプロモーションや、結婚を意識、あるいは予定している段階の顧客と接点を持つサービスの拡大など、さらにフォトウエディングの市場を拡げるような集客を強化しています。
⑧アニバーサリーフォトにおける撮影シーンの拡大
アニバーサリーフォトは当社グループが将来にわたって写真を軸に成長を目指すためには非常に重要な分野と位置付けています。事業展開済みの「ウエディング」からリピート利用につなげやすい「マタニティ」「結婚記念日」や、「七五三」「バースデー」「ファミリー」といったライフイベントからリピート利用につなげ、その後「ウエディング」につなげていく「成人式」関連事業への参入など、お客様のライフステージにおいて当社が撮影させていただくシーンを拡げることにより、生涯顧客化に向けた顧客あたり撮影回数の増加に取り組んでいます。
⑨インバウンド向けサービスの拡大
国内の婚姻組数について減少トレンドが続く一方で、アジアには写真を大切にする文化を持つ国が多く、コロナ禍明け以降急激に訪日観光客数が回復し、拡大が続いているインバウンド市場は、当社にとって非常に魅力的なマーケットとなっています。コロナ禍前から実施していた香港でのマーケティング活動だけでなく、シンガポール、インドネシアなどほかのアジア諸国へのマーケティング活動を開始しています。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社では、経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、調整後営業利益による評価を行っています。調整後営業利益は「営業利益±その他の収益・費用+本社費(※)」で算定しています。調整後営業利益の金額・内容は「4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容d.経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について」をご参照ください。
(※)本社費:管理部門等で発生する全社的な管理費用等
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループは、2001年の創業以来「Happiness(幸福)・Beauty(美)・Wellness(健康)」をテーマに掲げ、お客様のニーズに応えつつ新たな価値を生み出す様々なサービスを手掛けてまいりました。現在ではフォトウエディング事業を中心に、いつまでも残したい写真と、心に残る感動体験をリアルなサービスで提供することで、お客様の様々なライフステージでの「思い出づくり」の場を提供しています。こうした事業活動を通してお客様の豊かな暮らしの実現に貢献すると同時に、付加価値の高いサービスを提供することで、ウエディングフォトを中心にフォトビジネスの市場を拡大し、経済成長に貢献してまいります。それにより、社会全体の持続可能な発展に寄与できると考えています。
(1)ガバナンス
当社グループは、経営環境の変化への対応や重要事項の迅速な意思決定を行いながら透明性や公正性の確保された経営体制を維持していくことが重要であると考えており、取締役会において、戦略決定、重要な業務執行の決定等を行うとともに、取締役の業務執行を監督しています。サステナビリティに関する重要事項についても同様に取締役会にて報告、審議、決定を行う事としています。
(2)戦略
当社グループが事業活動を通してお客様の豊かな暮らしの実現や、フォトビジネスの市場拡大による経済成長に貢献していく上で、最も重要な経営資源が人材であると考えています。当社はプロフェッショナル人材を正社員として雇用し、技術管理部門が作成する当社独自の研修カリキュラムによる社内教育を通じて安定的に高品質なサービスを顧客に提供することを強みの1つと捉えており、専門技術を向上させると同時にフォト撮影に新たな付加価値をもたらすことが重要と考えています。
詳細につきましては、「
(3)リスク管理
サステナビリティ課題を含む事業リスク及び機会について当社グループでは、取締役会や経営会議、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会等の会議体を通じて、リスク及び機会の識別、優先的に対処すべきリスク及び機会の絞り込みについて協議し、経営戦略及び計画に反映しています。各リスク及び機会に対して主管部署を定め、定期的に対策状況を確認して、適宜更新することで継続的なリスク低減及び機会への対応に努めています。また、必要に応じて弁護士、公認会計士、弁理士、税理士、社会保険労務士等の外部専門家からアドバイスを受けられる体制を構築するとともに、内部監査及び監査役による監査を通じて、潜在的なリスク及び機会の早期発見に努めています。
(4)指標及び目標
人的資本に関する指標及び目標については、グループ企業の特性や業態の違い等から、主要な事業を営む連結子会社単体の記載としています。
全社員の女性比率が81.0%(2025年9月末時点)であり、積極的に女性の活躍できる場を設けています。また、管理職に占める女性労働者の割合は56.8%(目標:60.0%)となっており、当社グループの重要なポジションにて多くの女性が活躍しています。今後も引き続き、女性の活躍できる場を創造するため、社内制度の改定を含めた働きやすい職場環境作りを進めてまいります。
当社グループの事業遂行には様々なリスクを伴います。本書提出日現在において、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクは、以下のとおりです。なお、これらは、当社グループが事業を遂行する上で発生しうるすべてのリスクを網羅しているものではありません。また、将来に関する事項につきましては別段の記載がない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 事業環境について
①当社グループの事業について
当社グループはスタジオ事業を成長領域と捉え、フォトウエディング需要の増加に対応するため継続的に新規出店を行っていますが、予期せぬ事態によりフォトウエディング需要が大きく減少した場合には当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
中長期的な経営戦略を策定する中で、当社グループは、婚姻組数、撮影組数、撮影単価、コスト変動等の様々な前提を置いています。このような前提は必ずしも正しいという保証はなく、当社グループは前提が誤っていたことによる影響に対応して経営戦略又は事業運営を適時に変更することができない可能性があります。
②他社との競合について
当社グループの競合他社は、その資本力、サービス・商品、店舗開発力、価格競争力などにおいて、当社グループより優れている場合があります。競合他社がその優位性を現状以上に活用してサービスや商品の販売に取り組んだ場合には、当社グループが販売競争で劣勢に立たされ、当社グループの期待通りにサービス・商品を提供できない、又は現在の受注水準を維持できないことも考えられ、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、競合他社が当社グループと同等又はより優れたサービスを導入した場合や、競合他社が当社グループよりも低い価格でこれらを提供した場合には、当社グループの施策が期待した効果を上げることができないことも考えられ、当社グループの優位性が低下し、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③売上収益の季節的変動の影響について
当社グループのスタジオ事業において提供するフォトウエディングのサービスは、紅葉や桜を背景としたロケ地での撮影の需要が高まる秋と春に繁忙期を迎えます。一方コスト面については、当社はフォトグラファー及びメイクアップアーティストを直接雇用しており、店舗の賃料等も固定して発生することから固定費比率が高くなっています。そのため、当社グループの利益は第1四半期及び第3四半期に偏重する傾向があります。したがって当該期間中に台風等の天候不順や異常気象等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 法規制について
①法規制について
当社グループのスタジオ事業は、「美容師法」の適用を受けています。
当社グループは、内部管理体制の充実を図り、社内教育を推進することで法令の遵守に努めていますが、今後新たな法的規制の導入や現行の法的規制の強化もしくは変更等が行われた場合には、当社グループの財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、広告宣伝を行う際の各種制作物の表現について、「不当景品類及び不当表示防止法」の適用を受けています。当社グループは法令を遵守するために、グループで一元的な広告審査体制を構築していますが、万一、これらの法令に違反する行為が行われた場合には、当社グループが社会的信用を失う可能性があり、当社グループの財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
②個人情報等の漏洩リスクについて
当社グループは、個人情報取扱事業者として個人情報にかかる義務等の遵守を法令上求められています。
当社グループでは顧客情報管理規程を制定し、個人情報が記載された書類やデータについては保管庫における施錠管理やパスワード管理により管理を徹底する等、安全性及び信頼性に万全の対策を講じていますが、人為的過誤、自然災害、第三者によるセキュリティ侵害や予測しない不正アクセス等により、個人情報その他の顧客情報や当社グループの機密情報が漏洩し、また、その漏洩した情報が悪用された場合には、顧客の経済的・精神的損害に対する損害賠償等が発生する可能性があります。さらに顧客情報の漏洩等が当社グループの信用低下や企業イメージの悪化につながることで、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③労務管理について
当社グループは、労働基準法などの関係法令を遵守し、労働時間や有給休暇の取得状況を管理するなど、適正な労働環境の整備に努めています。
しかし、万一当社グループにおいて、これらの法令に抵触するなど労務管理が不十分な事態が生じた場合には、社会的な信用の低下を招き必要な人材の確保に支障をきたすなど、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 事業に関するリスク
①特定のサービスへの依存について
当社グループは、売上収益・利益共にフォトウエディングサービスへの依存率が高くなっています。今後もフォトウエディング市場は拡大するものと見込んでいますが、当該市場の成長が鈍化するような場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②人材の確保・育成について
当社グループは、今後の事業拡大を進めていくにあたり、優秀な人材を確保するとともに人材育成が重要な課題であると認識しています。このため、採用活動、教育研修等の充実、賃金の引上げ等の従業員満足度の向上に努めていますが、必要とする人材の確保ができなかった場合や中核となる優秀な人材の流出等が生じた場合、人材の育成が図れなかった場合には、出店計画の遅延や既存店舗での運営に支障をきたし、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③当社グループのWebサイトにおける外部検索エンジンによる集客について
当社グループのサービスの利用者の多くは、特定の検索エンジン(「Google」「Yahoo!JAPAN」等)を経由して当社グループのWebサイトを認知しており、今後も検索エンジンからの集客を強化すべくSEO(※)やインターネット広告によるマーケティング活動を実施していく予定です。
しかしながら、検索エンジンが検索結果を決定するロジック(アルゴリズム)を大幅に変更する等、何等かの要因により、これまでの手法が有効に機能しなかった場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(※)「Search Engine Optimization」の略であり、インターネット検索結果でWebサイトを上位表示させたり、より多く露出するための一連の取組のことを「SEO」といいます。
④システム障害について
当社グループのサービスの利用者の多くは、インターネット上の当社グループのWebサイトを通じて当社グループのサービスを認知しており、また、自社サイトを通じて予約を受け付けているため、事業の安定的な運用のためにシステム強化及びセキュリティ対策を行っています。
しかしながら、予期せぬ自然災害や不慮の事故等により当社グループが運営する媒体のコンピューターシステムに障害が発生した場合や、想定を超える急激なアクセス増等の一時的な過負荷によってコンピューターシステムが動作不能に陥った場合には、サービス停止により、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤出店について
当社グループは、売上収益拡大のために出店を積極的に進めてまいります。出店にあたっては店舗の立地が業績を左右する重要な要素となるため、出店にあたり緻密なマーケティングを行い、需要予測や採算性の評価を十分に行った上で出店の意思決定をしています。複数の展開地域で並行して店舗開発を進めているものの、出店立地として適切な候補物件が確保できない場合、出店に必要な人材が確保できない等の理由により出店予定時期までに出店ができない場合、又は出店実績が計画と乖離する場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥当社グループが提供するサービス及び商品に関するクレームについて
当社グループは、利用者からの品質に対する期待に応えつづけることが重要だと認識しており、日頃から従業員に対して高品質なサービス提供をするよう指導や教育を行っています。また、スタジオ事業における写真データ保存上の不備やアルバム等の納品漏れ等を事前に回避するための管理体制を確保しています。しかしながら、万一不具合などの問題を回避できずお客様に損害を与えた場合には、クレームや損害賠償請求等が発生する可能性があり、当社グループの信用や財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦風評等の影響について
当社グループが運営しているサービスは、それぞれ個人を対象としたサービスであるため、利用者の口コミやインターネット上の書き込み、マスコミ報道等により影響を受けるものと認識しています。これに対して当社グループでは、顧客満足度を高めるための意識や、コンプライアンスを遵守する意識を高く保つように従業員への教育を行っています。しかしながら、当社グループに不利益な情報や風評が流れた場合には、当社グループが提供するサービスの利用者が減少する等、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧内部管理体制について
当社グループは、今後の事業運営及び事業拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しています。今後、事業規模の拡大に合わせ、内部管理体制も充実・強化させていく方針ですが、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨自然災害について
万一、大規模地震や台風等の自然災害により、当社グループの本社や店舗又は顧客に甚大な被害が発生した場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑩新規事業について
当社グループは、現在までの事業活動を通して培ったスタジオ事業のノウハウを生かし、更なる成長を目指して写真撮影関連・周辺事業へ投資していく予定です。新規事業展開にあたっては慎重な検討を重ねた上で取り組んでまいりますが、当該事業を取り巻く環境の変化等により、当初の計画通りの成果が得られない場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) その他業績に影響を及ぼす可能性のある事項について
①有利子負債について
当社グループは、旧株式会社デコルテの株式取得資金等を金融機関からの借入れにより調達しています。また、当連結会計年度末時点で5,884,003千円の有利子負債(注1)を計上しており有利子負債比率(注2)は118.1%となっています。このうち三井住友銀行他計7行との相対取引による借入金残高1,747,998千円の金利については市場金利と連動して3ヵ月毎に見直される契約となっており、今後、市場金利が上昇した場合には当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(注1)有利子負債:借入金及びリース負債(主として店舗の物件賃借契約より生じたもの)
(注2)有利子負債比率:有利子負債÷資本×100
有利子負債比率が高水準であることから、下記の取組について今後も継続的に実施してまいります。
・収益性を重視した戦略立案と経営管理
当社グループは、収益性を重視した戦略立案と経営管理を行っています。具体的には、新規出店にあたり緻密なマーケティングを行い、需要予測や採算性の評価を十分に行った上で取締役会において新規出店の意思決定をしています。また、当社グループでは、各店舗を経営上の重要な単位として管理しています。
・財務バランスを意識した投資計画、資金計画の立案と実行
当社グループにおける主な資金需要は、新規出店の建設資金及びこれに関連した保証金の差入です。財務バランスを悪化させるような不必要な追加借入を発生させないため、営業活動によるキャッシュ・フローの実績等を参考にした設備投資計画及び出店計画を立案し、これに従って投資を実行しています。
②総資産に占めるのれんの割合が高いことについて
当社グループはIFRSに基づき連結財務諸表を作成しているため現行基準下では当該のれんの償却は不要となりますが、非流動資産にのれんとして当連結会計年度末時点で5,635,785千円を計上しており、総資産に占める割合が45.7%となっており、減損が発生した場合は当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
ただし、当連結会計年度末における回収可能価額は、のれんが含まれる資金生成単位又はそのグループの資産の帳簿価額を大幅に上回っていることから、減損テストに用いた主要な仮定が合理的な範囲内で変更されたとしても、当該資金生成単位又はそのグループの回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと考えています。仮に税引前割引率が160.4%上昇した場合又は将来キャッシュ・フローの見積額が57.1%減少した場合に減損損失が発生する可能性がありますが、今後5年間の成長率がゼロであった場合でも回収可能価額はのれんが含まれる資金生成単位又はそのグループの資産の帳簿価額を十分に上回るため、減損の可能性は低いと考えています。
当社グループでは、のれんの減損に係るリスクを逓減するため、事業の収益力強化に努めており、主に以下の取組を実施しています。
・緻密な出店戦略による収益構造の最適化
前述の「(4)①有利子負債について ・収益性を重視した戦略立案と経営管理」にて説明しましたとおり、当社グループの新規出店は緻密なマーケティング、十分な需要予測や採算性の評価を特徴としています。これにより、人件費の最適化、稼働率の向上等、費用構造の最適化を目指しています。今後も、緻密なマーケティング、十分な需要予測や採算性の評価を出店戦略の根本に据え、引き続き、売上収益の拡大及び利益率の向上に努める方針です。
・集客手法の工夫による受注組数の増加
スタジオ事業は、インターネット利用の増加とともに、顧客によるウェブ検索が増加傾向にあり、SNSを中心とした新たな情報発信手段の台頭等、当社グループを取り巻く事業環境は変化してきています。こうした変化を捉え、当社グループでは、紙面広告、ウェブ広告やその他メディアを利用した集客から店舗における接客、サービスの提供まで各部門を一気通貫したPDCAサイクルを運用し、受注組数の増加に努めています。
ただし、これらの取組が十分ではなく、のれんの対象となる事業の収益力が低下し減損損失を計上するに至った場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 14.非金融資産の減損」をご参照ください。
③投資に伴う減損リスクについて
当社グループの所有する固定資産は将来の収益を生み出すことを前提に資産として計上しています。しかしながら、事業環境や競争状況の変化等により期待する成果が得られない場合には、減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④賃貸借による店舗展開について
当社グループは、当連結会計年度末現在の建物賃貸借契約により賃貸人に差し入れている敷金及び保証金を567,208千円計上しています。この資産は、賃貸人の財政状態が悪化し、返還不能になったときは、賃料及び解体費用との相殺ができない範囲において貸倒損失が発生し、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤株式会社IBJとの関係について
当社は、株式会社IBJが主要株主である筆頭株主であり、当連結会計年度末現在において、当社発行済株式(自己株式を除く。)総数の32.96%を保有しています。株式会社IBJの今後の当社株式の保有方針によっては、当社株式の流動性や市場価格等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記32.後発事象」に記載のとおり、株式会社IBJ(以下「公開買付者」)により、当社を公開買付者の連結子会社とすることを主たる目的として、当社の普通株式(以下「当社株式」)に対する公開買付けが行われております。
⑥配当について
当社グループは、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして認識していますが、当面は内部留保の充実を図るため、当社は設立以来、配当を実施していません。将来的には、業績を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針です。現時点において配当実施の可能性及びその実施時期につきましては、未定です。
⑦M&Aについて
当社グループでは、新規事業やサービスの拡大のため、M&Aを有効な手段のひとつに位置付けており、今後も必要に応じてM&Aを実施する方針です。
M&Aに際しては、対象企業のビジネス、財務内容及び法務等について詳細なデューデリジェンスを行い、各種リスクの低減を図る方針です。しかしながら、これらの調査段階で想定されなかった事象が、M&A実行後に発生する場合や、事業展開が計画通りに進まず当初期待した業績への寄与の効果が得られない場合、実施後の業績未達等によるのれん等の減損が発生した場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、本書提出日現在において具体的に計画している企業買収や資本提携等の案件はありません。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、2025年に入って以降賃金の伸びを上回る物価の高騰により実質賃金の減少が8か月間続くも、内需が底堅く推移し外需の押し上げを受けることにより、緩やかな成長が継続しました。今後、物価上昇が鈍化することにより実質賃金が緩やかな増加に転じ、内需が回復に向かうという見方がある一方で、米国の関税政策の影響の本格化により2025年7~9月期は実質GDPのマイナス成長となり、さらに米国の関税政策を巡っては各国の協議が続き、交渉の結果次第では世界経済が減速に向かうリスクが懸念されるなど、依然として先行きの不透明な状況が続いております。
ブライダル業界においては、コロナ禍からの急激な婚姻組数の減少には落ち着きがみられるものの、伝統的な挙式・披露宴市場は本格的な回復には至らない状況が続いております。
一方で、コロナ禍を経て結婚式に対する価値観の多様化が進み、従前のような大人数での挙式・披露宴からフォトウエディングや少人数婚などへのシフトが加速しております。
特に、フォトウエディングは新たな結婚式のスタイルの一つとしてコロナ禍以降も市場の成長が続き、フォトウエディング市場には規模の大小を問わず新規参入を試みる事業者が増え市場の活性化を見る一方、一部地域においては低価格でサービスを提供する事業者も現れるなど、競争環境にも変化が生じております。
このような経営環境の下、主力業態であるフォトウエディングサービスにおいては、撮影やヘアメイク、衣裳などのサービスの質を高めつつ、集客チャネルの多様化および広告宣伝費の配分の最適化による集客の強化、フォトウエディングの魅力や当社の強みを伝える営業力の強化、顧客のニーズを汲んで撮影の満足度を高める提案力の強化等により、撮影件数・客単価の向上を通じて引き続き業績の拡大に取り組んでまいりました。また、フォトウエディングのリーディングカンパニーとして、フォトウエディングの認知度の向上や顧客のニーズと環境に合わせた取組を進め、市場拡大に取り組んでまいりました。
アニバーサリーフォトサービスにおいては、お宮参りや七五三等のイベントだけでなく、お子様を中心に家族でリピートしたくなるHAPPYな体験を得られるフォトサービスを提供してまいりました。現在全国で8店舗展開していますが、今後は既存店舗のブランド力を強化し顧客層の厚い首都圏での店舗展開を進めつつ、多様なニーズを取り込むための取組を強化し、事業拡大を目指してまいります。
当連結会計年度の経営成績は、フォトウエディングサービスにおいて婚姻組数の下げ止まりや、広告宣伝の最適化、接客品質向上による成約率の改善及び客単価の向上などの取り組みにより、売上収益は前年同期を上回りました。費用面では、人員数の増加及び売上増加によるインセンティブ増加に伴う人件費の増加やクレジットカードの料率変更、資本政策に関する一時的な費用の発生などによる支払手数料の増加等により、前年同期に比べ増加しました。加えて、事業効率改善のため2026年9月期連結会計年度の実施を決定した、フォトウエディング研修施設等の集約、アニバーサリーフォトスタジオの一部閉店、着物レンタルサービス都々路の閉店等に伴う減損損失135百万円を当連結会計年度において計上しました。これら一時的な費用や減損損失の計上もありましたが、売上収益は6,046百万円(前期比8.2%増)となり、前期に比べ456百万円増加、営業利益は294百万円(同34.3%増)となり、前期に比べ75百万円増加しました。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は145百万円(同37.1%増)となり、前期に比べ39百万円増加しました。
また、当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としている調整後営業利益は、当連結会計年度において928百万円となり前期比32.7%の増益となりました。
セグメントレベルの概況は以下のとおりです。
<スタジオ事業>
当連結会計年度のセグメント業績は、売上収益6,017百万円(前期比8.3%増)、セグメント利益318百万円(同40.7%増)となりました。
<その他>
フィットネスジムにおいては2023年11月末で40minutes芦屋店を閉店したことを受け、売上収益は前期を下回りました。
当連結会計年度のセグメント業績は、売上収益28百万円(前期比19.3%減)、セグメント損失23百万円(前期は6百万円の損失)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は809百万円となり、前連結会計年度末に比べ36百万円増加しました。これは主に現金及び現金同等物が107百万円増加したことによるものです。非流動資産は11,513百万円となり、前連結会計年度末に比べ492百万円減少しました。これは主に減価償却により使用権資産が510百万円減少したことによるものです。
この結果、資産合計は12,322百万円となり、前連結会計年度末に比べ455百万円減少しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は2,181百万円となり、前連結会計年度末に比べ251百万円増加しました。これは主に引当金が36百万円、営業債務及びその他の債務が26百万円増加するとともに、未払法人所得税が82百万円、その他の流動負債が78百万円増加したことによるものです。一方、非流動負債は5,159百万円となり、前連結会計年度末に比べ857百万円減少しました。これは主にリース負債が588百万円減少するとともに、非流動負債の借入金が355百万円減少したことによるものです。
この結果、負債合計は7,340百万円となり、前連結会計年度末に比べ606百万円減少しました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は4,982百万円となり、前連結会計年度末に比べ150百万円増加しました。これは主に、利益剰余金が145百万円増加したことによるものです。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は40.4%(前連結会計年度末は37.8%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は329百万円となり、前連結会計年度末と比べ107百万円の増加となりました。当連結会計年度の各活動におけるキャッシュ・フローとそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは前期比650百万円増加し、1,366百万円の収入となりました。主な要因は、税引前利益が198百万円となり、減価償却費及び償却費838百万円などのキャッシュの増加要因があった一方で、利息の支払額100百万円などのキャッシュの減少要因がありました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは264百万円の支出(前期は212百万円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産及び無形資産の取得による支出180百万円、資産除去債務の履行による支出57百万円などのキャッシュの減少要因がありました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは994百万円の支出(前期は1,089百万円の支出)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出475百万円や賃貸借物件の家賃支払いなどによるリース負債の返済による支出659百万円などのキャッシュの減少要因がありました。
④生産、受注及び販売の実績
a.仕入実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当連結会計年度の「生産実績」に代えて「仕入実績」を記載します。
|
サービスの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) |
|
|
金額(千円) |
前期比(%) |
|
|
フォトウエディング |
561,139 |
84.2 |
|
アニバーサリーフォト |
27,109 |
116.1 |
|
スタジオ事業 計 |
588,249 |
85.3 |
|
フィットネス |
231 |
90.8 |
|
その他 計 |
231 |
90.8 |
|
合計 |
588,480 |
85.3 |
(注)金額は仕入価格によっています。
b.受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、受注生産を行うものが存在しないため記載していません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりです。
|
サービスの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) |
|
|
金額(千円) |
前期比(%) |
|
|
フォトウエディング |
5,706,759 |
107.8 |
|
アニバーサリーフォト |
310,413 |
119.4 |
|
スタジオ事業 計 |
6,017,172 |
108.3 |
|
フィットネス |
28,999 |
80.7 |
|
その他 計 |
28,999 |
80.7 |
|
合計 |
6,046,172 |
108.2 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。
①重要な会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような会計上の見積り及び判断を必要としています。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、会計上の見積りを行っていますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しています。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の状況
スタジオ事業は「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおり、フォトウエディングサービスとアニバーサリーフォトサービスから構成されます。これらを分解した結果及び分析結果は以下のとおりとなります。
・フォトウエディングサービス
撮影件数は前年同期に比べ5.0%増加、撮影単価は前年同期に比べ2.8%増加したことにより、売上収益は前期に比べ413百万円増加し、5,706百万円(前期比7.8%増)となりました。
・アニバーサリーフォトサービス
前連結会計年度に開店した店舗が期初から収益貢献したことに加え、2025年7月に東京都立川市に「HAPISTA COMMONS立川立飛店」を新規に出店した結果、売上収益は50百万円増加し、310百万円(前期比19.4%増)となりました。
フィットネスジムについては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況 <その他>」に記載しています。
b.財政状態の状況
財政状態の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載したとおりです。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
(a)キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(b)財務政策
当社グループでは、運転資金及び設備資金については、内部留保により調達することを基本としていますが、新規店舗の出店に伴う比較的多額な設備資金が発生する場合や突発的な資金需要が発生した場合には、必要に応じて外部からの資金調達を行うことがあるとともに、季節的な変動に伴う資金需要に機動的に対応するために、当座貸越契約を締結しています。また連結財政状態計算書において当社による旧株式会社デコルテ株式の取得資金として長期借入金を計上しています。
当連結会計年度末において流動負債に計上した借入金は503百万円、非流動負債に計上した借入金は1,668百万円です。また、当座貸越契約の極度額は500百万円(借入未実行残高500百万円)です。
なお、子会社については、当社を通じての資金調達を原則としています。
d.経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について
当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、調整後営業利益があります。当社グループは、調整後営業利益を用いて業績を測定しており、当社グループの業績評価をより効果的に行うために有用かつ必要な指標であると考えています。
当連結会計年度における調整後営業利益は928百万円となり、前期比32.7%増加しました。
営業利益と調整後営業利益の調整は以下のとおりです。
|
(単位:千円) |
|
決算年月 |
国際会計基準 |
||||
|
第5期 |
第6期 |
第7期 |
第8期 |
第9期 |
|
|
2021年9月 |
2022年9月 |
2023年9月 |
2024年9月 |
2025年9月 |
|
|
営業利益 |
871,806 |
1,377,813 |
891,326 |
219,532 |
294,860 |
|
(減算)その他の収益 |
52,507 |
440,061 |
5,269 |
27,694 |
7,887 |
|
(加算)その他の費用 |
33,639 |
6,972 |
1,772 |
113,475 |
143,986 |
|
(加算)本社費(注) |
483,698 |
494,069 |
475,918 |
394,185 |
497,162 |
|
調整後営業利益 |
1,336,636 |
1,438,793 |
1,363,748 |
699,498 |
928,122 |
(注) 本社費は管理部門等で発生する全社的な管理費用等です。
e.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
f.経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
当社は、株式会社IBJ(住所 東京都新宿区西新宿1丁目23-7)との間で資本業務提携契約を締結しており、これには当社の企業統治(ガバナンス)等に影響を及ぼす重要な合意が含まれています。当該契約の概要等は以下のとおりです。
(1) 契約の概要
2025年4月25日付で締結した株式会社IBJ(以下「IBJ」といいます。)との資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」といいます。)には、主に以下のガバナンス及び株式の譲渡制限に関する合意が含まれています。
①ガバナンスに関する合意
IBJの議決権割合が20%以上である限り、IBJがその指名する者1名乃至2名を当社の取締役候補者として提案する権利を有すること。
②株式の譲渡制限に関する合意
IBJが、本資本業務提携契約の締結日(2025年4月25日)から1年後の応当日までの間、当社の書面による事前の承諾なく、当社の普通株式を第三者に対して譲渡、担保権の設定その他の処分を行ってはならないこと。
(2) 合意の目的
本資本業務提携は、デコルテグループ及びIBJグループ並びにその加盟店を含む企業グループ(以下「両社グループ」と総称する。)がそれぞれ保有する経営資源を活用することにより、それぞれのサービスの拡充及び新規事業の検討・開発・投資等を行うこと等により潜在顧客層の獲得と収益性の向上を図り、ひいては両社グループの企業価値向上に資することを目的としています。
(3) 意思決定に至る過程
当社取締役会は、2025年4月25日、上記(2)記載の目的に照らし、本資本業務提携契約を締結することが当社の企業価値の向上に資するものであり、株主共同の利益に合致するものであると判断し、本資本業務提携契約の締結を決議いたしました。
(4)合意が企業統治(ガバナンス)に及ぼす影響
本資本業務提携契約に基づく役員の派遣に関する合意(上記(1)①)は、当社の取締役会の構成に影響を及ぼす可能性があります。 本合意に基づき取締役が選任された場合、取締役会における構成員の一部が特定の株主の指名に基づき選任されることとなりますが、当社は引き続き、独立社外取締役を中心としたガバナンス体制のもと、法令及び定款に基づき、全ての株主の共同の利益の実現を念頭に置いた経営の監督及び意思決定を行ってまいります。
該当事項はありません。