第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

なお、当中間会計期間より会計年度の税引前当期純利益に対する税効果会計適用後の実効税率を合理的に見積り、税引前中間純利益に当該見積実効税率を乗じて計算する方法に変更しております。

会計方針の変更についての詳細は、「第4 経理の状況 1 中間財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 ① 経営成績

 当中間会計期間におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善等により、緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、不安定な国際情勢、資源・エネルギー及び原材料価格の高騰、世界規模での金融引き締め、消費者物価の上昇など、依然として先行き不透明な状況が継続しております。

当社事業を取り巻く環境につきましては、IT業界では、情報セキュリティ強化やペーパーレス化といったオンラインを前提とした業務改善におけるITの活用やDXの進展により、主力事業のIT営業アウトソーシング事業における大手IT企業の人材派遣に対する需要は引き続き旺盛であり、市場は概ね堅調に推移しております。又、介護業界においては慢性的な人手不足により現場の負担感が増す中で、介護現場でのDX化への潜在的な需要は依然として高い状況が続いております。

 このような環境のもと、当社は引き続きIT営業アウトソーシング事業とヘルスケアビジネス事業の2つの事業に注力してまいりました。

 その結果、当中間会計期間の売上高は730,016千円、(前中間会計期間比6.6%増)、営業損失は25,095千円(前中間会計期間は営業損失4,737千円)、経常損失は25,092千円(前中間会計期間は経常利益19,289千円)、中間純損失は20,759千円(前中間会計期間は中間純利益12,446千円)となりました。

 

(IT営業アウトソーシング事業)
 IT営業アウトソーシング事業につきましては、大手IT企業に対してIT営業に特化した営業アウトソーシング事業の派遣人員の拡大に向け、引き続き若年層を中心とした採用を積極的に行い、当社が保有する「BCC-LaPT(Lecture and practical training)プログラム(注1)」を活用し、未経験者をIT営業人材に育てるリスキリングに注力し、大口顧客、既存顧客への営業活動に加え、デジタルマーケティングを推進し、新規顧客の獲得にも注力することで、派遣及び業務委託の人員は過去最大の160名となりました。

 又、「BCC-LaPTプログラム」を体系化し、IT未経験・営業未経験の人材をIT営業に育てることに特化したeラーニングサービス「LAPTRE(ラプトレ)」の提供を開始しました。

  中小企業向け新規開拓営業の代理店を中心としたソリューション事業では、これまでのネットワーク販売実績の集大成としてBM X(注2)のサービスを拡大し計画を大きく上回り、好調に推移しております。

  以上の結果、売上高は638,636千円(前中間会計期間比7.8%増)、セグメント利益は109,746千円(前中間会計期間比0.6%減)となりました。

 
(ヘルスケアビジネス事業)
 ヘルスケアビジネス事業につきましては、ヘルスケア関連施設等の運営受託業務及びヘルスケア分野への新規参入・事業拡大を目指す企業への市場調査やプロモーション支援等を提供するヘルスケア支援事業では、これまで培ってきた介護従事者・自治体及び大手IT企業とのネットワークを生かし、自治体からの業務請負を継続して契約し、介護施設への介護ロボット導入支援に注力しました。その一環として、当社が受託運営する「ATCエイジレスセンター」内に介護現場の生産性向上を目的としたワンストップ相談窓口として開設された「大阪府介護生産性向上支援センター(注3)」の運営に協力しております。

 なお、ヘルスケア関連施設等の運営受託業務のひとつである大阪府高石市における「高石健幸リビング・ラボ」事業の管理運営業務は2025年3月31日をもって契約期間満了による終了となりました。又、新たに大阪府阪南市の「はんなん健康応援プラン推進事業業務」において、当社が受託事業者となり、2025年4月より業務を開始いたします。

 介護レクリエーションを通して、介護現場で高齢者を支える方々を支援する介護レクリエーション事業では、高齢者との接し方、高齢期に起こることなど、高齢者を支えていくために必要な知識を学ぶことができ、家族や地域の高齢者をサポートできる力を身につける「高齢者健幸サポーター」資格を創設し、提供を開始しました。
  以上の結果、売上高は85,631千円(前中間会計期間比5.4%減)、セグメント利益は1,036千円(前中間会計期間は10,707千円のセグメント損失)となりました。

 

(その他事業)

 その他事業につきましては、企業の経営戦略を学び、創り、支援するサービスとして2023年4月から提供を開始しましたクラウドサービス「bizcre(注4)」をはじめ、企業の経営支援を行いました。 

 又、当社のキャリアアップ支援事業が経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」の補助事業「DX人材及びIT営業人材育成のためのリスキリング学習を通じたキャリアアップ支援事業」に採択され、本格的に事業を開始し、主に20代~30代前半の接客・販売業などの異業種就労者を対象にしたIT営業職へのキャリア形成支援、リスキリング、転職支援サービス「Merry Mew(メリーミュー)(注5)」を開始しました。

 以上の結果、売上高は5,748千円(前中間会計期間比278.3%増)、セグメント損失は29,651千円(前中間会計期間は11,965千円のセグメント損失)となりました。

 

(注) 1.BCC-LaPT(Lecture and practical training)プログラムとは、基礎教育(Lecture)だけではなく、中小企業のIT化推進を目的に新規開拓営業を行っているソリューション事業にて実際の営業現場で経験(practical training)を積むことで、「営業マインド」「営業スキル」「IT知識」を習得する当社独自の教育プログラムです。

 

2.BM X(ビーエムクロス)とは、当社が創業から培ってきたネットワークソリューション導入実績を基に、企業にとって運用負荷を軽減し、必要な機能を選択、組み合わせることで、最適なネットワークソリューションを提供し、DX推進をサポートするサービスです。

 

3.大阪府介護生産性向上支援センターとは、介護現場の生産性向上や人材確保の取組みの推進を目的として、大阪府介護生産性向上総合相談センター事業共同企業体(構成員は株式会社NTTデータ経営研究所とアジア太平洋トレードセンター株式会社)が受託した大阪府の介護生産性向上総合相談センター事業です。

 

4.bizcre(ビズクリ)とは、当社が開発した、経営戦略の策定・管理をデジタル化し、経営者のガイドランナーとして経営戦略の策定を支援するWebアプリ(ビズクリクラウド)、経営戦略に関する情報配信等のメディアサイト(ビズクリナレッジ)、専門家によるアドバイス(ビズクリサポート)、中小企業診断士がスキルアップするためのeラーニング(ビズクリメソッド実践講座)を提供する複合サービスです。

 

5.Merry Mew(メリーミュー)とは、ITスキルを使って企業の課題を解決するITソリューションアドバイザーを20年以上自社で育ててきた当社が運用するキャリアスクール・コミュニティです。キャリアサポーターによるオンライン面談のなかで、キャリアパスの構築、最適な学習カリキュラムを構築し、独自のノウハウを詰め込んだ動画で、基礎的なビジネスマナーからIT業界のスキルを基礎から学ぶことができます。

 

 ② 財政状態

   当中間会計期間末の総資産は、前事業年度末より37,437千円減少し、871,981千円となりました。

主な内訳は、投資その他の資産の増加4,754千円、無形固定資産の増加4,353千円、売掛金の増加3,150千円、現金及び預金の減少41,736千円及び流動資産のその他の減少6,150千円であります。

投資その他の資産の増加の要因は主に繰延税金資産の増加によります。無形固定資産の増加の要因は主に人材管理システムの導入に係るソフトウエアの取得によります。売掛金の増加の要因は主にIT営業アウトソーシング事業の営業アウトソーシング事業の配属人数増加、ソリューション事業の案件の増加によります。現金及び預金の減少の要因は主に仕入債務の減少、固定資産の取得及び金融機関の融資の返済によります。流動資産のその他の減少の要因は主に前事業年度に納付した法人税等の還付によります。

負債は、前事業年度末より16,930千円減少し、250,645千円となりました。

主な内訳は未払金の増加7,089千円、賞与引当金の増加4,593千円、短期借入金の減少10,000千円、買掛金の減少7,116千円、流動負債のその他の減少5,234千円及び長期借入金の減少4,998千円であります。

未払金の増加の要因は主に労働保険料の精算、ヘルスケアビジネス事業の外注費の増加及び新規事業のリスキリング事業構築支援費用の増加によります。賞与引当金の増加は支給対象人数の増加及び派遣の継続期間に応じた褒賞制度の導入等による夏季賞与の追加支給によるものであります。短期借入金の減少の要因は金融機関の融資の返済によります。買掛金の減少の要因はヘルスケアビジネス事業の前事業年度の商品販売に係る仕入代金の支払いによります。流動負債のその他の減少の要因は主に未払消費税等の減少によります。長期借入金の減少の要因は金融機関の融資の返済によります。

純資産は、前事業年度末より20,506千円減少し、621,336千円となりました。主な内訳は利益剰余金の減少20,759千円であります。利益剰余金の減少の要因は中間純損失の計上によります。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、535,672千円となり、前事業年度末と比べ41,736千円減少しました。

当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により減少した資金は、16,230千円(前中間会計期間は9,931千円の資金の増加)となりました。これは主に、法人税等の還付額6,185千円、賞与引当金の増加額4,593千円、減価償却費3,289千円及び棚卸資産の減少額2,316千円の資金の増加に対し、税引前中間純損失の計上26,520千円、仕入債務の減少額7,116千円の資金の減少があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により減少した資金は、10,507千円(前中間会計期間は26,768千円の資金の減少)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出5,800千円、有形固定資産の取得による支出4,442千円の資金の減少があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により減少した資金は、14,998千円(前中間会計期間は2,916千円の資金の増加)となりました。これは短期借入金の純減額10,000千円、長期借入金の返済による支出4,998千円の資金の減少があったことによるものであります。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

2024年12月25日に提出した有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当中間会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 

当中間会計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6)研究開発活動 

該当事項はありません。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。