文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「すべてのステークホルダーに価値と成長をもたらす100年企業グループ」創出というグループビジョンを掲げ、中小企業経営の近代化(使命)と、よき伝統の尊重と戦略合理的経営を追求していくこと(価値観)を目指しております。中小企業経営において変化が求められる今の時代に、古き良き伝統のみに縛られるのではなく、経営の変革により企業価値を継続・発展させていくことを基本的な経営方針としております。
(2)経営上目標とする客観的な指標
当社グループは経営上目標とする指標として、経常利益を選定しております。
当社はM&Aを実行する際、各子会社の正常収益力を基にLBOファイナンス(※)によって買収資金を調達しており、各子会社の事業活動そのものだけでなくM&Aスキーム一連のファイナンスアレンジの巧拙も、事業パフォーマンスの評価軸として重要と考えております。そのため、各子会社の本業からもたらされる収益力の改善のみならず、財務の健全化に取り組み金融費用の最適化を行い、当社及び子会社毎に経常利益の確保を目標に設定、管理しております。
(※)LBOファイナンスとは、企業やファンドが他社を買収する際、自己資金だけではなく、買収先の資産や将来のキャッシュ・フローを見合いとした借入等で調達した資金を元手に買収を行う方法です。
(3)経営環境
①事業承継・M&A市場
中小企業庁より2017年7月に発表された「中小企業の事業承継に関する集中実施期間について(事業承継5ヶ年計画)」によると、今後5年間で30万以上の経営者が70歳になるにもかかわらず、6割が後継者未定と発表されております。また、高齢化が進むと企業の業績が停滞していること(売上増は70代で14%、30代で51%)や、70代の承継準備を行っている経営者は約半数とされていることも報告されています。
また、同じく中小企業庁より2019年12月に発表された「第三者承継支援総合パッケージ」によると、中小企業のM&Aは年間4,000件弱に留まり、潜在的な後継者不在の中小企業数(127万弱)からして不十分であり、このうち2025年までに黒字廃業の可能性のある約60万社の第三者承継を促すことを目標とした施策が報告されています。更には、市場規模のベースとなる中小企業(資本金1千万円以上1億円未満)の売上高規模は、2017年度で約130兆円となっており、このうち、わが国のモノづくりを支える製造業は約11%にのぼります。事業承継を中心とした2017年度のM&A件数は、わが国全体で3,050件の成約実績があり、中小企業の実施状況は非公表であるものの、上場しているM&A仲介会社3社の発表を合計すると526件の実績となっております(中小企業白書2018年版)。事業承継課題を抱える中小企業は今後益々増加していくものと考えられ、市場は拡大傾向にあります。
②自動車内外装部品・自動車精密部品製造市場
自動車内外装部品に絞った業界数値は公表されておりませんが、日本自動車部品工業会がまとめた2019年度「自動車部品出荷動向調査結果」によると、自動車車体部品合計で4兆6,050億円の出荷額となっております(2019年4月~2020年3月)。今後、自動車の電動化が進む中、防音性・静粛性は益々求められる傾向にあり、市場は拡大傾向にあります。
また、当社の自動車精密部品製造分野においては、IEA(国際エネルギー機関)発表のトランスミッション別自動車市場予測によると、2025年のハイブリッド電気自動車(HEV)、オートマチックトランスミッション(AT)、マニュアルトランスミッション(MT)は合計で年間1億台の見通しとなっており、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)は増加見込みであるものの、AT関連の需要は当面続くものと予測されております。
電動化や自動運転など次世代技術の開発競争が激化し、「100年に1度」と言われる自動車業界の変革期を生き抜くため規模拡大で競争力を強化する動きが活発化しております。業界再編の波が押し寄せる中、サプライヤーも大手・中堅を中心に再編が進む一方、中小サプライヤーの事業継続が大きな課題となっております。
③FA装置製造市場
経済産業省の「2017年スマートファクトリーロードマップ」によると、IoT・AI・ロボット等の活用によるモノづくりのスマート化に向けた取組がグローバル競争を勝ち抜くために必要である旨発表されています。IoTやロボットによるデータ活用により、エンジニアリングチェーンやサプライチェーンのネットワーク化・最適化・自動化を進め、製品化・商品化の時間短縮や生産性向上等を実現していくことが未来のモノづくりに求められております。
当社グループにおけるコネクタ自動機等のFA装置製造事業は、省人化、スマートファクトリー化の推進関連事業であります。主力製品であるコネクタ自動機においては、スマートフォンやタブレット端末(携帯型情報端末)の普及拡大により小型・薄型化に対応した高速・多機能対応コネクタが登場しております。また、安全性や快適性、環境性能の向上から電子化が進む車載向けでは、高速・大容量のデータ伝送性能を持つコネクタや高電圧対応の小型コネクタなどが開発され自動車技術の進化に貢献しております。これらコネクタを製造する自動機においても需要は継続的に見込まれるものと推測されます。
(4)経営戦略
①基本方針
当社グループは、M&A及び子会社の変革・進化を通じてグループ全体の成長を図るビジネスモデルとなっております。上記経営環境の下、当社グループとして持続的な成長を維持する基本方針として、以下の施策を実施してまいります。
(ⅰ)M&A・アライアンス戦略(セレンディップインベストメントスタンダード)
当社グループは高付加価値分野、成長性の見込めるスマートファクトリー(※)分野、更にはオートモーティブサプライヤー分野を主なターゲットとしてM&A戦略を実行していく予定であります。投資プロセスの標準化に注力し、特定の事業分野・地域に偏らないM&A戦略を実行し、ターゲット企業に対しプロ経営者を派遣することで、当社が蓄積してきたPMIに関する独自のノウハウを活かすことにより経営体質の強化と長期的な企業価値の向上を目指してまいります。また、投資プロセスの標準化と品質の向上に併せて、短期投資にも対応可能な回収モデルを確立してまいります。
共同投資を前提とした金融機関や事業会社との戦略的アライアンスや、当社グループ事業分野である自動車内外装部品製造事業・FA装置製造事業の成長に必要なR&D(新技術の研究開発活動)を活性化するためのベンチャー投資も積極的に戦略化・実行してまいります。
(※)スマートファクトリーとは、工場内のあらゆる機器や設備、工場内で行う人の作業などのデータを、IoT(モノのインターネット)などを活用して取得・収集し、このデータを分析・活用することで新たな付加価値を生み出せるようにする工場を指します。
(ⅱ)PMI標準化、R&D投資戦略(セレンディップスマートサクセッション)
当社は、M&A成立後にプロ経営者をチームで派遣することにより、経営課題の洗い出し、バックオフィスの生産性向上施策、業務改善と組織基盤の整備等を行っております。M&A成立後の統合プロセスであるPMIにおいては、「見える化」による課題抽出と課題解決のための仮説の「体系化」、「標準化」の実行により課題解決成功事例の共有化を図っており、これらを当社グループの独自ノウハウとして蓄積しております。M&A後の統合で培われたこのノウハウの更なる向上と独自性の強化を図るための「PMIスタンダード」の確立、教育の徹底によるプロ経営者の育成を継続的に実施してまいります。
子会社工場をスマートファクトリーのモデル工場とし、製造現場に操作が容易でマルチランゲージにも対応したユーザーインターフェース(タブレット端末等)を設置すること等により、データ収集及びデータ活用を促進し生産性向上を図ってまいります。その他、R&Dの強化、事業承継関連サービス開発、高度設計人材のグループ内での活用等も積極的に進めてまいります。
(ⅲ)財務の健全化、資金調達の多様化、グループ経営の効率化、企業価値の最大化(セレンディップグループマネジメントシステム)
当社グループは、グループ経営の課題として収益基盤の安定化と子会社財務の健全化を目指しております。具体的には、投資効率と財務健全性の最適バランス化、当社グループ内の資金を有効活用し最適配分を行うための事業ポートフォリオ戦略によるグループ財務の安定、更には予算精度向上による継続的な収益力の改善を図ってまいります。
事業ポートフォリオ戦略による投資余力の確保、金融、会計、法律等の多分野にわたる複雑で高度な専門知識やノウハウを組み合わせて「全体最適」な資金調達手段を導き出し、機動的・多様な資金調達を目指してまいります。
グループ経営の品質向上とリソースの共有による業務平準化・効率化を図るため、グループシェアードサービス(※1)を推進してまいります。
当社グループ全体の企業価値の最大化と保護を目指し、事業承継プラットフォーム(※2)機能の強化やガバナンス、リスクマネジメント、コンプライアンス、情報セキュリティの強化・教育の徹底推進にも努めてまいります。
(※1)当社がいう「グループシェアードサービス」とは、人事・労務・経理・財務・法務・IT部門等のバックオフィス業務の標準化することにより、新たに当社グループ傘下となった企業を短期間に業務品質・生産性向上できる基盤を指します。
(※2)当社がいう「事業承継プラットフォーム」とは、M&A案件発掘から経営執行まで一貫した組織、プロ経営者がチームマネジメントを組成できるプロフェッショナルの集合、ナレッジ(知識)の蓄積とノウハウの還流を実現するための基盤であり、経営を軸とした有機的な仕組みを指します。
②成長戦略
当社グループとして更なる成長のための戦略として、以下の施策を実施してまいります。
(ⅰ)新市場への進出
「CASE(※1)」「AI/IoT」「5G」「医療機器」等の新たに注目されている分野・市場への調査研究及び開発の実施、「研究開発」「販売・アフターサービス」といったスマイルカーブ(※2)における付加価値の高い領域への進出を検討してまいります。
(※1)「CASE」とは「Connected:コネクティッド化」「Autonomous:自動運転化」「Shared/Service:シェア/サービス化」「Electric:電動化」の4つの頭文字をとったもので、自動車の製造・販売会社から、クルマを移動するための手段としてサービスを提供する会社への変化を意味します。
(※2)スマイルカーブとは、一般的に事業プロセスの上流や下流は高い利益率を上げることができるが、中流の部分は高い利益率を上げることが厳しく、そのような両端が少し上がった形の曲線をいいます。
(ⅱ)技術革新・現場改革
「リサイクル率向上」「低騒音化」といった環境に配慮した持続的目標の設定、「工場の省人」「無人化による生産性及び品質の向上」といった生産技術革新、「DX推進によるアナログプロセスを撤廃する」等の生産現場改革を更に追求してまいります。
(ⅲ)海外展開等
海外生産拠点として北米やASEAN地域へ現地アライアンスを活用した進出を検討してまいります。その際には、「高品質デリバリー」「リモート生産管理体制」等の技術伝承を提供する予定であります。また、高度外国人材の採用・育成・活用にも注力してまいります。
(5)優先的に対処すべき事実上及び財務上の課題
当社グループは、M&Aによる事業承継により傘下に収めた子会社の成長を通じてグループ全体の成長を図るビジネスモデルとなっており、子会社における既存事業の成長のため、及び上記のソリューション拡充のため、以下の課題に注力してまいります。
①M&A対象企業の発掘・事業の成長
当社グループはM&A案件の発掘に際し、金融機関、M&A仲介会社等様々なリソースを活用し、精緻な企業分析、M&A後の成長戦略、PMI戦略、グループシナジー等を十分に勘案した上で戦略化・実行していくことが重要であると認識しております。ターゲット案件に対しては、当社取締役を中心とした経営層及び関係部門で構成する投資委員会において、十分な審議、戦略立案等を行い、当社グループの成長に結び付くM&Aの実行に注力してまいります。
②プロ経営者の積極的採用・育成強化
当社グループの最も重要な経営資源は人材であり、M&A後のプロ経営者派遣を行う上で人材の採用・育成強化は継続的な経営課題であると認識しております。他社との差別化を推進していくため、更にはM&A案件の成功に対応するため、当該分野における優秀な専門家人材を積極的に採用し、育成強化してまいります。
③当社グループの一体化・意思統一
当社は、M&Aを実行しグループ内に取り込み成長することを基本的な事業戦略としております。グループ企業が増加する過程においては、各社のこれまでの歴史・企業風土・文化の違いから価値観の相違が生まれる等、一つのグループ企業として全社が同じ目標に向かい一体化していくことは容易では無いものと認識しております。
これらの課題に対し、各社横断的な会議体やコミュニケーションの場を設け、積極的な信頼関係の構築に努めてまいりたいと考えております。更には年に一度、方針説明会を開催しており、グループ方針を理解するとともに一体化・意思統一を図ってまいります。
④グローバル展開
当社グループは、子会社における海外人材の採用や海外取引は存在するものの、グローバル案件を遂行するため、業務提携・技術提携、新たな販売先・仕入先開拓等のグルーバルな事業展開に対応できる人材の強化、ネットワークの構築等は必要であると判断しております。今後、グローバルな事業展開力や経営執行力を当社グループの機能に取り込むことにより、グローバル対応力の充実に努めてまいります。
⑤新市場への挑戦、技術革新・現場改革
当社グループの一部の子会社が身を置く自動車業界では、環境規制の強化による電動化の進展、自動運転技術の進化、コネクティッドカーの普及、クルマが所有するものからシェア(共有)するものへ変わるといったライフスタイルの変化など、いわゆるCASE領域の進展がめざましく、加えて車外騒音規制の強化など自動車産業の構造は、『100年に一度の大変革期』を迎えています。事業の枠組みや前提条件が大きく変わろうとする中、新市場への挑戦、新しい技術(技術革新)・新しいやり方(現場改革)に果敢に挑戦してまいります。
⑥財務体質の改善
当社はM&Aを実行する際、各子会社の正常収益力を基にLBOファイナンスによって買収資金を調達しているため有利子負債比率が高い水準にあります。利益の蓄積のほか、様々な資金調達手法を活用し、財務体質の強化を図ってまいります。
⑦内部統制の充実
企業経営の透明性と開示情報の正確性の確保、諸法規等の遵守のため、内部統制システムの整備・充実を継続的に推進し、内部管理体制の強化に取り組んでまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社グループ全体に関するリスク
①中期経営計画について
当社グループは、単年度予算及び中期経営計画を策定し、継続的な発展をめざして事業展開を行っております。しかしながら、中期経営計画については、策定時点の外部環境・市場環境に基づくものであり、経済情勢や所属する各種業界に想定外の変化が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、当社グループはM&Aによる事業承継により傘下に収めた子会社の変革・進化を通じてグループ全体の成長を図るビジネスモデルでもあり、M&Aの実施により当社グループの資産及び負債が増減するとともに、キャッシュ・フローの状況も変動します。今後のM&A戦略の実行により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
②投資のリスク
当社の投資先企業には、事業や経営組織の再構築中の企業が含まれる可能性があり、これらの企業は、将来の不確定要因を多分に含んでおり今後発生し得る様々な要因により投資先企業の業績が変動するリスクがあります。また、投資先企業の財政状態や経営成績の変動により、当社グループの業績が大きく変動する可能性があります。買収当初の見通しに対し、急激な事業環境の変化、PMIの計画遅れ等により当初の事業計画が達成できない可能性があります。
③プロ経営者の確保・流出について
当社は、M&A成立後の統合プロセスであるPMIについて独自のノウハウを蓄積しており、グループ全体の成長を牽引・実現してきた経緯がございます。今後、当社グループの事業を拡大していく上で、専門性の高い優秀なプロ経営者となり得る候補者の確保ができなかった場合、若しくは専門性の高い優秀な人材が流出した場合、当社グループの事業遂行に影響を与える可能性があります。
④子会社の業績変動について
当社グループは、子会社各社の財政状態及び経営成績の状況が当社グループ全体に与える影響が大きいため、子会社の業績が変動することにより当社グループの業績に影響を与える可能性があります。現在、当社においてグループ全社及び各社の経営戦略の立案や経営管理全般の統括管理を実行しておりますが、各子会社の事業運営が順調に遂行できない場合、または当社グループに予期しない変動が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑤新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社グループでは、役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、当社の新株予約権(以下、「ストックオプション」という。)を付与しております。また、今後におきましても、役員及び従業員に対してインセンティブとしてストックオプションを付与する可能性があります。これらのストックオプションが権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
⑥事業を取り巻く環境の変化について
当社グループは、事業の遂行にあたり経済情勢、景気及び株式市場の動向に大きく影響を受ける可能性があり、これらの要因によって企業収益が悪化した場合、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。このため、予想した投資回収の時期のズレにより当社グループの業績が大きく変動する可能性があります。
⑦連結子会社増加に伴う連結決算体制に関するリスク
当社は、事業承継を必要とする中小企業に対して、M&Aを行い連結子会社化しておりますが、投資対象企業の管理体制が不十分であり適時適切に決算を行うことができない場合、連結決算作業が適時適切に行えない可能性があります。
⑧のれんの減損リスク
当社グループは、企業買収に伴い発生したのれんを連結貸借対照表に計上し、原則として投資回収計画の算定基礎となった期間で償却しております。事業環境の変化等により期待する成果が得られない場合は、当該のれんについて減損損失を計上し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑨投資有価証券の減損リスク
当社グループが保有する投資有価証券について、株式市場の動向や有価証券発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合において、評価額の引き下げに伴う減損損失を計上し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑩金利変動のリスク
当社グループは、企業買収に関する資金を主に金融機関からの借入により調達しております。有利子負債は総資産に比して高い水準にあるため、資金調達方法の見直しや有利子負債の抑制を行っておりますが、金利上昇となった場合、支払利息の増加を招き利益を圧迫する要因となる可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑪財務制限条項について
各子会社における金融機関からの借入金の一部において、子会社単体の各年度の年度決算における損益計算書の経常損益、各年度の年度決算期末における貸借対照表における純資産の部の金額を基準とした財務制限条項が付加されており、利率の上昇又は請求により期限の利益を喪失する等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑫情報管理システムについて
当社グループでは、製品、販売及び個人情報等の情報をシステム管理しており、システム上のトラブル等、万が一の場合に備え保守・保全の対策を講じる等、情報管理体制を構築しております。しかしながら想定を超えた技術による不正アクセスや予測不能のコンピュータウィルス感染等によって情報漏洩が発生した場合、顧客及び取引先からの損害賠償請求を含め、当社グループの社会的信用に大きく影響を与える事象が発生するリスクがあります。
また、事業買収等により取得した子会社等に対し、適切なグループガバナンスが及ばず、またはシステム・セキュリティを含む様々なリスクに対するモニタリングやコントロールが十分に及ばない等、リスクマネジメントが適切に機能しない場合には、当社グループの事業運営、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑬インサイダー情報に関するリスク
当社グループの事業は、各子会社全てが顧客企業の機密情報を取得することが前提であり、顧客企業や将来的に顧客になる可能性のある企業に対して守秘義務を負っております。当社グループでは守秘義務遵守のための教育・指導を継続的に行っておりますが、何らかの理由により機密情報が外部に漏洩した場合、信用を失墜する等により、当社グループの事業戦略及び経営成績等に影響を与える可能性があります。また、当社グループはインサイダー取引防止の観点から、グループ内役職員に教育・指導を実施しておりますが、万が一当社グループの役職員及び従業員が顧客企業の機密情報を元にインサイダー取引を行った場合、当社グループの事業戦略、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑭法的規制について
当社グループの主要事業を制限する直接的な法的規制は存在しないと考えております。しかしながら、当社子会社である三井屋工業株式会社は自動車内外装部品製造を行っており、「四輪車走行騒音規制」に準じた製造事業を行っております。また、技術者派遣事業を行っているセレンディップ・テクノロジーズ株式会社は「労働者派遣法」「職業安定法」に基づいて事業を行っております。両社では関係法令の遵守に努めておりますが、関係法令に違反するような行為・事象が発生した場合は、当該事業が行えなくなるリスクがあります。更には、当社が行う事業承継、企業買収、業務提携等において、直接的若しくは間接的に制限する法的規制の新規制定や変更が行われた場合、当社グループの事業戦略、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑮重要な訴訟等
当社グループは、有効なコンプライアンス体制の確立に努めておりますが、M&A等の事業戦略の実施に伴い、各種紛争等が発生する可能性があり、これらの紛争が訴訟等に発展する可能性があります。訴訟等が提起され、風評被害や損害賠償義務等に発展した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑯会計制度・税制等の導入・変更
当社グループは、新たな会計制度や税制等の導入・変更等に対し、速やかに対応するよう努めておりますが、これらの導入・変更に対応することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります
⑰自然災害等について
当社グループは、中部・東海地区及び東北地区に子会社や工場等の拠点が点在しており、販売先についても日本全国及び一部海外にも拡がっております。このため、大地震・豪雨等の自然災害により、当社グループの事務所・工場等の建物・機械設備等が破損・停止する可能性があります。また、想定外の自然災害が発生した場合、電力・水・ガス等の供給停止、交通・通信網の停止、サプライチェーンの被害等の発生により販売先への商品・製品の出荷停止や遅延に繋がることにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑱配当政策について
当社では株主の皆様に対する利益還元を経営の最重要課題のひとつとして認識しております。現在、当社グループは引き続き成長過程にあると考えており、持続的成長に向けた積極的な投資に資本を充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると判断しております。このことから創業以来配当は実施していません。
将来的には、各期の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案したうえで株主に対して利益還元策を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその時期等については未定です。
⑲新型コロナウイルス感染症の拡大
新型コロナウイルス感染症の拡大により、当社グループの役員及び従業員が感染するなど事業活動に重大な支障が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性がありますが、その収束時期や将来的な影響は依然として不透明であり、影響額について合理的に算定することは困難であります。
なお、当社グループでは感染症対策の強化を図るとともに、時差出勤の推奨やリモートワークの導入など、柔軟に事業を継続できる体制整備に努めております。
(2)モノづくり事業におけるリスク
①主要販売先業種の業績等による影響について
当社の主力子会社である三井屋工業株式会社、佐藤工業株式会社は、いずれも自動車業界への売上構成比が高く、特にトヨタ自動車グループ、アイシングループの生産・販売台数及び設備投資計画により、当社グループの業績が大きく影響を受ける可能性があります。さらには、トヨタ自動車グループ、アイシングループの主要市場である日本、北米、欧州、アジア等における景気後退、及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。天竜精機株式会社においては自動化技術による自動機製造を行っておりますが、得意先である各種メーカーの設備投資計画によって受注状況に大きく影響を与える結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
②技術・製品開発
自動車産業は、CASE(コネクテッド化、自動運転化、シェア/サービス化、電動化)関連技術の導入により部品メーカーを含め業界全体が大きな変革期に突入しております。当社グループにおいてもこの変革に対して、三井屋工業株式会社、佐藤工業株式会社においてEV車を含む電動車に多用される部品の自社生産に向けて研究・開発を進めております。しかし、競合他社における新技術の開発や、市場ニーズの変化に伴う開発途中段階での技術の新規性の喪失によるコスト優位性の低下などで売上が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
③原材料、部品価格の上昇・依存に関するリスク
当社の主力子会社における製造は、原材料・部品を複数のサプライヤーより仕入れており、鉄鋼・樹脂関連部品等、材料・部品価格の上昇は、製造コストの上昇に繋がり、製品単価に十分に転嫁できない場合があります。また、当社グループはサプライヤーと基本取引契約を締結し、原材料・部品の安定的な取引を安定的な生産・製造の前提としておりますが、世界的に供給が逼迫する状況やサプライヤーにおける不慮の事故等により、生産・製造遅延を招く恐れがございます。これらの事由により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
また、当社の主力子会社である佐藤工業株式会社が顧客へ供給する製品には、自社で生産しているものと外注先に生産を委託しているものがありますが、製品によっては特定の外注先に依存しております。当該外注先に不測の事態が起きた場合には、製品の供給が受けられなくなり、佐藤工業株式会社が顧客に対して供給責任を果たせなくなる可能性があります。
④製品の品質不具合・契約不適合責任のリスク
当社の主力子会社は、品質管理に重点を置き、顧客のニーズに沿った高品質な製品作りに全社を挙げて取り組んでおります。しかしながら、全ての製品について品質不具合がなく、将来的にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償(PL)については保険に加入していますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の品質不具合は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
また、当社の主力子会社はいずれも製造業であり、引き渡した製品について、重要な不具合等を原因としたリコール、アフターサービスにより多額の補償費用の発生が見込まれる場合には、当該案件を対象とした製品保証引当金の計上が必要となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑤棚卸資産の収益性の低下
当社の主力子会社を取り巻く市場環境の急変及び販売見込みの相違等の理由により滞留在庫を抱えた場合、もしくは販売価額が大幅に下落した場合等には、棚卸資産の簿価を切り下げなければならない可能性があります。この場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑥知的財産権について
当社グループが事業を優位に展開していく上で、知的財産権は重要な役割を果たしております。当社グループが保有する知的財産権については、適切な保護及び管理を行っておりますが、第三者が当社グループの技術等を使用し、市場において当社グループの競争力に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないよう留意し、調査を行っておりますが、万が一、当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、対価の支払いや損害賠償請求の訴訟等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑦固定資産の減損について
当社グループにおける製造業を営む子会社については、自社で工場を有しており、生産設備等多額な有形固定資産を保有しております。事業収益の著しい低下や生産設備の遊休化、陳腐化等に伴い、固定資産の回収可能価額が大きく下落し帳簿価額を下回った場合には、減損損失の計上の可能性があり、この場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
第15期連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善がみられたものの、米中貿易摩擦の長期化や世界経済の減速、消費税率の引上げ等の影響により景気低迷の傾向にありました。さらに、新型コロナウイルス感染拡大を受けた世界的な経済活動の縮小等により、不確実性の高い状況が続いております。
当社グループの事業領域である中小企業の「事業承継」におきましては、中小企業の事業承継問題がますます深刻化する中で、事業承継手段としてのM&Aニーズ(譲渡ニーズ)が一段と増加いたしました。また、オーナー経営者の高齢化に伴い高い技術力・製品力がありながら後継者不在により事業の継続が困難となり、技術・産業の承継が進まないという社会的課題が顕在化しております。これに対して、中小企業庁による2019年12月の「第三者承継支援総合パッケージ」及び2020年3月の「中小M&Aガイドライン」の策定など国もこの課題に取り組んでおり、引き続き事業承継に関連する市場は拡大傾向にあると考えます。
一方、当社グループのもう一つの事業領域である「モノづくり」におきましては、米中貿易摩擦などにより消費マインドが低迷している中、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって世界全体の経済が深刻な打撃を受けた結果、中国や北米、欧州など主要市場での自動車販売台数の減少、半導体製造装置や工作機械等の機械関連の減速と厳しい状況が続いております。
このような状況の中、経営執行にコミットしたプロ経営者をチームで派遣し現場・財務・経営の見える化を徹底し、バックオフィスの生産性向上や製造現場での幅広いITの活用に取り組み、ムダ・ムリ・ムラの排除を推進してまいりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は15,196,337千円(前期比17.2%増)、営業利益は290,840千円(前期比47.5%増)、経常利益は215,265千円(前期比85.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益に負ののれん発生益を計上した前連結会計年度と比べ、当連結会計年度は特別利益が僅少であったため91,380千円(前期比75.8%減)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(プロフェッショナル・ソリューション事業)
当セグメントには、当社及び株式会社サンテクト(現 セレンディップ・テクノロジーズ株式会社)が含まれております。「プロフェッショナル・ソリューション事業」におきましては、当社への持込案件は増加したものの人的リソースを内部管理体制の整備に充てたため、戦略的に一定規模以上の事業承継型のM&A案件を制限し、又経営コンサルティング案件の受注を抑制いたしました。エンジニア派遣におきましては、採用が順調に進みエンジニア社員数は増加し、稼働率の増加及び時間外労働増加による稼働時間が増加いたしました。
これらにより、売上高は743,194千円(前期比134.7%増)、セグメント利益は27,524千円(前期はセグメント損失36,932千円)となりました。
(モノづくり事業)
当セグメントには、三井屋工業株式会社、佐藤工業株式会社及び天竜精機株式会社のモノづくり企業が含まれております。自動車内外装部品製造におきましては、前連結会計年度に当社グループ入り(連結子会社化)し、当社の強みである経営にコミットしたPMIにより通期を通じて黒字化いたしました。自動車精密部品製造におきましては、主要顧客の生産低迷の影響により売上高の減少傾向が続きましたが、人員の自然減を作業効率向上でカバーするなどし人員の最適化を図り、また物流コストの見直しや各種経費の削減などを着実に実行いたしました。FA装置製造におきましては、車載関連顧客中心へシフトし新規の顧客開拓も進みましたが、電池関連自動機の市場悪化の傾向が続き、また新製品の完成遅れによる影響がありましたが、設計部門を中心に設計技術強化と設計コスト力強化に取組み、製造部門を中心に製造工程管理力強化に取り組んでまいりました。
これらにより、売上高は14,711,667千円(前期比14.7%増)、セグメント利益は、263,320千円(前期比12.5%増)となりました。
第16期第3四半期連結累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年12月31日)
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動の大幅な縮小により景気が悪化し、未だ収束の見通しが立たない不透明な経済状況となっております。
当社グループの事業領域である中小企業の「事業承継」におきましては、中小企業の事業承継問題が深刻化する中で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、経済・社会活動が大きく停滞したことに後押しされ、事業承継手段としてのM&Aニーズ(譲渡ニーズ)が一段と増加いたしました。
一方、当社グループのもう一つの事業領域である「モノづくり」におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、経済・社会活動が大きく停滞したことで大きな打撃を受けました。このような状況のもと、当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大以前から経営執行にコミットしたプロ経営者をチームで派遣し現場・財務・経営の見える化を徹底し、バックオフィスの生産性向上や製造現場での幅広いITの活用に取り組み、ムダ・ムリ・ムラの排除を実施してまいりました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大、長期化懸念から、徹底的なコストの削減・見直しに注力しました。
その結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高10,551,015千円、営業利益312,850千円、経常利益384,462千円、親会社株主に帰属する四半期純利益は、特別利益に保険解約返戻金195,903千円を計上したため370,791千円となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(プロフェッショナル・ソリューション事業)
当セグメントには、当社、株式会社サンテクト(※)及び株式会社エムジエク(※)が含まれております。当セグメントの当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高831,267千円、セグメント利益64,728千円となりました。事業承継課題を抱える中小企業が今後益々増加していく社会的背景のみならず、今般の新型コロナウイルス感染拡大に伴い経済活動の停滞の影響を受け業績が悪化している中小モノづくり企業から、事業承継案件、企業再生案件の当社への持ち込みが増加しております。
(※)2021年4月1日付で株式会社サンテクトは株式会社エムジエクと合併(株式会社サンテクトが存続会社、同時にセレンディップ・テクノロジーズ株式会社(現・連結子会社)へ社名変更)いたしました。
(インベストメント事業)
当セグメントには、セレンディップ・フィナンシャルサービス株式会社が含まれております。当セグメントの当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高890,500千円、セグメント利益154,590千円となりました。第1四半期連結会計期間におきましては設立間もなかったため費用計上が先行しておりましたが、第2四半期連結会計期間以降において、営業投資有価証券の第三者への売却によるキャピタルゲインの獲得やファイナンシャルアドバイザリー案件の増加等によって利益を計上することとなりました。
(モノづくり事業)
当セグメントには、三井屋工業株式会社、佐藤工業株式会社及び天竜精機株式会社のモノづくり企業が含まれております。当セグメントの当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高9,160,799千円、セグメント利益93,531千円となりました。
自動車部品製造におきましては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う自動車生産台数及び販売台数減少の影響を受け業績が悪化しておりましたが、当第3四半期連結会計期間におきましては売上が回復してまいりました。FA装置製造におきましても、新型コロナウイルス感染拡大の影響は残るものの、業績は回復傾向にあります。
② 財政状態の状況
第15期連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(資産の部)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ1,274,545千円減少し、5,503,349千円となりました。これは主に、銀行借入の一部を一括返済したことにより現金及び預金が481,317千円減少したこと、新型コロナウイルス感染症拡大による受注の減少により受取手形及び売掛金が357,005千円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ23,660千円減少し、7,481,219千円となりました。これは主に、減価償却により有形固定資産が81,581千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は12,984,569千円となり、前連結会計年度末に比べ1,298,206千円の減少となりました。
(負債の部)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ613,443千円減少し、4,946,293千円となりました。これは主に、受注減少に伴う仕入及び外注の抑制により支払手形及び買掛金が795,942千円減少し、短期借入金が100,000千円減少し、前受金が291,313千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ773,722千円減少し、5,744,121千円となりました。これは主に、銀行借入の一部を一括返済したため長期借入金が825,800千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は10,690,415千円となり、前連結会計年度末に比べ1,387,165千円の減少となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ88,959千円増加し、2,294,153千円となりました。これは主に、利益剰余金が91,380千円増加したことによるものであります。
第16期第3四半期連結累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年12月31日)
(資産の部)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ988,866千円増加し、6,492,216千円となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症の一段の感染拡大と長期化に備え銀行借入を実施したため現金及び預金が1,137,851千円増加し、受取手形及び売掛金が274,047千円減少したことによるものであります。
当第3四半期連結会計期間末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ705,945千円増加し、8,187,164千円となりました。これは主に、子会社新工場立上のため建設仮勘定が698,303千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は14,679,381千円となり、前連結会計年度末と比べ1,694,812千円の増加となりました。
(負債の部)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ721,123千円増加し、5,667,417千円となりました。これは主に、販売回復による仕入及び外注の増加により支払手形及び買掛金が382,690千円、短期借入金が475,300千円増加し、前受金が166,420千円減少したことによるものであります。
当第3四半期連結会計期間末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ376,265千円増加し、6,120,387千円となりました。これは主に、新型コロナウイルスの一段の感染拡大と長期化に備え銀行借入を実施したため長期借入金が500,153千円増加し、役員退職慰労引当金が163,008千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は11,787,805千円となり、前連結会計年度末に比べ1,097,389千円の増加となりました。
(純資産の部)
当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ597,422千円増加し、
2,891,576千円となりました。これは主に、利益剰余金が370,844千円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
第15期連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、営業活動により1,547,061千円の増加、投資活動により983,467千円の減少、財務活動により1,058,627千円の減少となった結果、前連結会計年度末に比べ、495,332千円減少し2,392,343千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した現金及び現金同等物は、1,547,061千円(前連結会計年度は197,250千円の獲得)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益212,494千円、減価償却費977,876千円、売上債権の減少額357,005千円、未収入金の減少額212,649千円、仕入債務の減少額795,942千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した現金及び現金同等物は983,467千円(前連結会計年度は3,249,577千円の使用)となりました。
これは主に、「モノづくり事業」セグメントにおいて生産能力増強のため設備投資を行ったことによる有形固定資産の取得による支出877,156千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した現金及び現金同等物は1,058,627千円(前連結会計年度は2,650,056千円の獲得)となりました。
これは主に、銀行借入の一部を借換(リファイナンス)したことによる長期借入金の返済による支出2,588,300千円、銀行借入の一部を借換(リファイナンス)したことによる長期借入れによる収入1,700,000千円、短期借入金の減少額(純額)100,000千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
第15期連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
第15期連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前期比(%) |
|
プロフェッショナル・ソリューション事業(千円) |
484,670 |
350.6 |
|
モノづくり事業 (千円) |
14,744,625 |
116.6 |
|
合計(千円) |
15,229,295 |
119.2 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
第15期連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前期比(%) |
受注残高(千円) |
前期比(%) |
|
モノづくり事業 |
1,417,385 |
75.8 |
869,112 |
72.6 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.モノづくり事業の自動車内外装部品製造及び自動車精密部品製造は、受注生産形態をとらないため受注高及び受注残高に含めておりません。
c.販売実績
第15期連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
第15期連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前期比(%) |
|
プロフェッショナル・ソリューション事業(千円) |
484,670 |
350.6 |
|
モノづくり事業 (千円) |
14,711,667 |
114.7 |
|
合計(千円) |
15,196,337 |
117.2 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.当連結会計年度において、プロフェッショナル・ソリューション事業の販売実績に著しい変動がありました。これは、株式会社サンテクト(現 セレンディップ・テクノロジーズ株式会社)を2018年12月31日に連結子会社化したことによるものです。
4.最近2連結会計年度及び第16期第3四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
第14期連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
第15期連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
第16期第3四半期連結累計期間 (自 2020年4月1日 至 2020年12月31日) |
|||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
アイシン・エィ・ダブリュ㈱ (注)2 |
5,497,928 |
42.4 |
4,529,626 |
29.8 |
3,155,586 |
29.9 |
|
トヨタ自動車㈱ |
2,605,679 |
20.1 |
2,876,648 |
18.9 |
1,934,807 |
18.3 |
|
トヨタ紡織㈱ |
2,743,512 |
21.2 |
2,536,590 |
16.7 |
1,278,883 |
12.1 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.アイシン・エィ・ダブリュ㈱は、2021年4月1日付でアイシン精機㈱と経営統合し、㈱アイシンに社名を変更しております。
d.営業投資活動の状況
当社グループは、他社との共同投資により、モノづくり企業を中心とした中堅・中小企業への投資を行っております。
当社グループの営業投資活動(共同投資及びマイノリティ投資)を示すための投資残高は次のとおりです。
第15期連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
① 投資実行額
(単位:千円)
|
エクイティ投資実行額:業種別 |
第14期連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
第15期連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
|
- |
- |
- |
|
合計 |
- |
- |
② 投資残高
(単位:千円)
|
エクイティ投資残高:業種別 |
第14期連結会計年度 (2019年3月31日) |
第15期連結会計年度 (2020年3月31日) |
|
製造業 |
- |
10,000 |
|
合計 |
- |
10,000 |
第16期第3四半期連結累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年12月31日)
① 投資実行額
(単位:千円)
|
エクイティ投資実行額:業種別 |
第16期第3四半期連結累計期間 (自 2020年4月1日 至 2020年12月31日) |
|
製造業 |
607,446 |
|
合計 |
607,446 |
(注)2020年4月1日付で、株式会社協立製作所株式(営業投資有価証券)567,446千円、2020年12月17日付で、株式会社アペックス株式(営業投資有価証券)40,000千円の投資実行をいたしました。
② 投資残高
(単位:千円)
|
エクイティ投資残高:業種別 |
第16期第3四半期連結会計期間 (2020年12月31日) |
|
製造業 |
40,000 |
|
合計 |
40,000 |
(注)2020年9月18日付で、株式会社協立製作所株式(営業投資有価証券)577,446千円を売却いたしました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は本書提出日現在において、判断したものであります。
第15期連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループでは、オーナー経営者の高齢化に伴い高い技術力・製品力がありながら後継者不在により事業の継続が困難となり、技術・産業の承継が進まないという社会的課題が顕在化している環境下において、多様なソリューションを提案・提供し、信頼を得ることが当社グループの成長に繋がると認識しております。この認識の下、当社グループでは、事業承継に課題を抱える中小企業を対象として、「経営の近代化」に向け、事業承継型M&Aや経営コンサルティングを通じて、「すべてのステークホルダーに価値と成長をもたらす100年企業グループ」創出を目指しております。
当社の事業領域である「事業承継×モノづくり」のうち「事業承継」において当社への持込案件は増加したものの、内部管理体制の整備に重点をおいたため一定規模以上の事業承継型M&Aを制限し、上場後を見据えた案件の発掘・開拓に注力いたしました。また、セレンディップ・フィナンシャルサービス株式会社を設立し、事業承継問題に機動的に対応する体制を構築いたしました。
もう一方の「モノづくり」につきましては、前連結会計年度に当社グループ入り(連結子会社化)した三井屋工業株式会社が、当社の強みである経営執行にコミットしたPMIにより、前事業年度の税引前当期純損失74,159千円に対し当事業年度税引前当期純利益70,742千円とV字回復いたしました。なお、経営成績については、以下の通りです
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、2018年10月より連結対象となった「モノづくり事業」セグメントに属する三井屋工業株式会社の売上高が期を通して寄与したことにより、15,196,337千円(前期比17.2%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、12,776,324千円(前期比14.3%増)となりました。これは主に、売上高同様に三井屋工業株式会社による増加であります。一方で、子会社各社に対する経営執行にコミットしたPMIによる物流コストの見直しや生産効率向上等の原価低減施策を継続的に実施したため、売上総利益は、2,420,013千円(前期比35.6%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、2,129,172千円(前期比34.2%増)となりました。これは主に、人件費の増加によります。この結果、当社グループの当連結会計年度の営業利益は、290,840千円(前期比47.5%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外収益は、受取配当金49,730千円等により100,021千円(前期比52.0%減)、営業外費用は、支払利息98,415千円等により175,596千円(前期比39.4%減)となり、この結果、経常利益は、215,265千円(前期比85.7%増)となりました。
b.財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況 第15期連結会計年度」に記載されているとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載されているとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、当社グループ事業領域の「モノづくり」における設備投資及び研究開発活動に伴う投資資金、「事業承継」におけるLBOファイナンスに対する買収資金の返済があります。これらの資金需要に対して安定的な資金供給を行うための財源については、主に内部資金により確保しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたり重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
この連結財務諸表の作成にあたって、経営者より一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
・固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングを各社及び工場ごとに行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しています。固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
・投資有価証券の減損
当社グループは、製造・販売等に係る取引会社及び関係会社の株式を保有しています。これらの株式は、株式市場の価格変動リスクや、経営状態・財務状況の悪化による価値下落リスクを負っているため、投資有価証券の評価額の切り下げを行うこととなった場合、翌期以降の当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
・繰延税金資産
将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを基に、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。
将来の課税所得見込額はその時の経営環境等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、繰延税金資産の修正を行うため、当社グループの繰延税金資産を取り崩す可能性があります。
第16期第3四半期連結累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年12月31日)
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動の大幅な縮小により景気が悪化し、未だ収束の見通しが立たない不透明な経済状況となっております。
当社グループにおきましては、傘下に収めるモノづくり企業は新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の停滞等の影響を受けたものの、自動車部品製造においては、当第3四半期連結会計期間において売上が回復しております。
一方、当該停滞の影響を受け業績が悪化している中小モノづくり企業から、事業承継案件、企業再生案件の当社グループへの持ち込みが増加いたしました。
このような状況の中、傘下に収めるモノづくり企業に対しては、経営執行にコミットしたプロ経営者チームによる現場・財務・経営の見える化を徹底し、バックオフィスの生産性向上や製造現場での幅広いITの活用に取組み、ムダ・ムリ・ムラの排除を徹底いたしました。また、業績が悪化している中小モノづくり企業からの事業承継案件、企業再生案件の増加に対応するため、専門性の高い人材を積極的に採用いたしました。
このような環境の下、当社グループの当第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高10,551,015千円、営業利益312,850千円、経常利益384,462千円、親会社株主に帰属する四半期純利益370,791千円となりました。
b.財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当第3四半期連結累計期間の財政状態の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況 第16期第3四半期連結累計期間」に記載されているとおりであります。
② 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 第15期連結会計年度 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」に記載した会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
該当事項はありません。
当社グループでは、「高まる経営の難易度(グローバル化や少子高齢化によって市場や産業構造が大きく変化しており、新たなテクノロジーがかつてないスピードで変化をもたらす環境下では、今までのやり方を前提とした経営では成長することが困難となること)」に対応するため、「技術革新・現場改革」を当社グループ戦略の一つとして掲げております。
第15期連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
当連結会計年度におきましては、「モノづくり支援(技術革新によるロスの撲滅・職場環境の見える化)」「ロボット、IoT、AI」「設計・モデルベース開発」等を付加価値を高める分野と考え、R&D活動及びグループ間連携の強化を図り、当連結会計年度の研究開発費の総額は
当社グループが支出した研究開発費はすべて「モノづくり事業」において発生しております。
第16期第3四半期連結累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年12月31日)
当第3四半期連結累計期間におきましては、「モノづくり支援(技術革新によるロスの撲滅・職場環境の見える化)」「ロボット、IoT、AI」「設計・モデルベース開発」等を付加価値を高める分野と考え、R&D活動及びグループ間連携の強化を図り、当第3四半期連結累計期間において、当社グループが支出した研究開発費の総額は
当社グループが支出した研究開発費はすべて「モノづくり事業」において発生しております。