文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営方針
当社グループは、企業理念に掲げるミッションである「ICTで世の中をもっと便利に」のもと「Update The World 変化し、変化させ、必要不可欠な会社に」を企業ビジョンとしており、インフラテック事業を推進することで、インフラ業界の抱えるデジタル化が遅れた非効率な現場作業や業界特有の多重下請けによる高コスト構造といった課題を解決し、より快適な社会の実現に貢献してまいります。
同時に、顧客へのサービス提供を通じて当社の社員が成長し続けることを支援し、結婚・出産といったライフステージの変化に合わせたテレワークやフレックス勤務の推進、多国籍な人材の登用などを促進するとともに、自律的でフラットな組織を構築し、顧客へ高い付加価値を提供できるプロフェッショナルの育成に努めます。
(2) 経営環境
当連結会計年度におけるわが国の経済は、内需を中心に持ち直しの動きがみられ、景気は緩やかな回復基調を示しました。一方で、実質賃金の伸び悩みや原材料価格や物流費の高止まり、継続する円安、中東情勢の不透明感など、企業活動を取り巻く不確実性は依然として高い状況が続いております。
このような経済環境のもと、モバイルエンジニアリングサービス領域については、通信キャリア各社における設備投資の抑制が依然として続いており、当該状況は当面続くことが想定されます。
(3) 中長期的な経営戦略
① 中核事業(モバイルエンジニアリングサービス)の維持・拡大
モバイルエンジニアリングサービスにおいては、ソフトバンクおよび楽天モバイルの投資抑制に伴い、2023年度は1兆3,609億円(前年度比12%減)、2024年度は1兆2,770億円(前年度比6.2%減)にまで落ち込みました。2025年度は若干の投資回復が見込まれるものの1兆3,000億円規模で推移する見込み(株式会社MCA「携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測 2024年版」)と試算されております。
そのため、6Gの導入に向けた情報収集を行いながら体制維持及び新規顧客へのアプローチを行っていきます。
② 成長事業(IoTエンジニアリングサービス)の圧倒的成長
機器設置のフロー案件から監視・保守のストック案件に事業を拡大していきます。また、新たにBLASの外販を開始するとともに、BLASをSaaS(※1)として提供するだけではなくBPO(Business Process Outsourcing)サービスと組み合わせたBPaaS(※2)として提供することで事業の拡大を目指します。これらにより新規顧客開拓、既存顧客深耕を進め、IoTエンジニアリングサービスを第2の柱として事業拡大していきます。また、IoTの顧客に対し、アップセル、クロスセルとなりうる商材・サービスを持っている企業のM&Aも積極的に検討していきます。
※1:SaaS(Software as a Service)は、クラウドを介して提供されるサブスクリプション型ソフトウェアサービスで、利用者はインターネット経由で柔軟にアクセス可能。BLASを有償化し、SaaSとして提供。
※2:BPaaS(Business Process as a Service)は、業務プロセスを外部企業へアウトソーシングし(BPO)、クラウド上のソフトフェア(SaaS)を使って、業務効率化を実現するサービス。
③ 育成事業(ITインフラ)の立ち上げ
これまでその他サービスはRPAのエンジニアリング等を行っておりましたが、サーバーやネットワーク関連のITインフラ領域にも事業拡大を進め、参入障壁の低い保守領域から参入し、より高単位な上流工程に事業拡大を計画しています。
▼事業ポートフォリオ図
(4) 目標とする経営指標
当社グループは、企業価値を向上させ株主価値を高めることが重要であると考えており、そのためには、より専門性を高め、事業拡大を進めていくことで収益性を向上させ、継続的な成長を目指すことが重要であると認識し、客観的な経営指標として、EBITDAを重視しております。2024年6月期、2025年6月期の売上高およびEBITDAは実績値、2026年6月期は2023年10月24日発表の中期経営計画(2024年6月期~2026年6月期)における目標となります。
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2024年6月期 |
2025年6月期 |
2026年6月期 |
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売上高(百万円) |
6,822 |
7,984 |
9,612 |
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EBITDA(百万円) |
138 |
253 |
753 |
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 収益基盤の多様化
当社グループの売上高に占める特定顧客への依存度は、IoTエンジニアリングサービスおよびITエンジニアリングサービスの拡大に伴い低下傾向にあります。今後も、安定的かつ持続的な成長を可能にする収益基盤の構築が引き続き重要であると認識しております。新規顧客の獲得に加え、既存顧客へのアップセル・クロスセルを推進するため、営業機能の一層の拡充・強化に取り組んでまいります。
② テクノロジーの強化
当社はインフラテックによるビジネスモデル変革を掲げ、業務のDX化を中核に据えています。自社開発の現場作業DXクラウドサービス「BLAS」については開発を強化し、一日あたり数千件に及ぶ現場案件の管理に加え、前工程(機器準備・現地情報確認等)および後工程(レポート作成等)の効率化を実現しています。さらに、運用で得られた知見や顧客・現場作業者からのフィードバックを踏まえ、監視や保守高度化等の「保守DX」の実現に向けた機能開発を進めております。引き続き「BLAS」の継続的な機能拡充と将来を見据えたシステム開発を推進すべく、内製体制の強化および他社との連携等を通じてテクノロジーの強化を図ってまいります。
③ 人材の確保と育成
当社グループとして、今後も継続的な成長を目指していくうえで、多様なバックグラウンドを持つ優秀な人材の確保と育成は不可欠であると考えております。引き続き積極的な採用活動を推進していくとともに、教育体制の強化に取り組んでまいります。当社グループの持続的成長には、多様なバックグラウンドを有する優秀な人材の確保・育成が不可欠です。引き続き積極的な採用を推進するとともに、階層別・職能別の教育体制の強化、リスキリングの機会提供、キャリアパス整備等を通じて人材力の向上に取り組んでまいります。
④ 個人情報の取り扱い及び情報管理体制の強化
当社グループは、事業活動を通じて顧客の取引先情報や個人情報等の機密性の高い情報を取り扱うことがあり、情報管理体制のより一層の強化が課題であると認識しております。当社では、情報セキュリティマネジメントシステム国際規格(ISO27001、ISO27017)を取得し、個人情報や機密情報の取り扱いを社内規程に定めておりますが、引き続き社内研修の継続実施等により、従業員のセキュリティ意識や情報リテラシーの向上に努めてまいります。
⑤ 法令遵守の体制強化
当社グループは、業務委託契約(準委任契約を含む)に基づき事業を行う場合があり、その際には労働者派遣事業との相違を明確に認識し、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(1986年4月17日 労働省告示第37号)に従い適切に運営しております。また、一部事業は建設業法や労働者派遣法の適用を受けるため、法令遵守体制の更なる強化が必要であると考えております。今後も入社研修や定期的な講習を通じ、法令遵守の重要性を継続的に周知徹底し、法令に則った事業運営に努めてまいります。
⑥ 内部管理体制、コーポレート・ガバナンスの強化
当社グループは、事業環境の変化に対応しつつ事業拡大を進めるため、内部管理体制およびコーポレート・ガバナンスの強化が重要であると認識しております。今後も体制の整備と実効性の向上を通じ、リスク管理の徹底や業務の効率化を図ってまいります。
⑦ 顧客、パートナー、従業員のエンゲージメントの可視化及び向上
当社グループは顧客、パートナー、従業員のエンゲージメントや満足度の可視化を図るため各種サーベイを導入しております。2019年より従業員エンゲージメントを可視化し満足度向上に向けた活動に取り組んでおります。また、2020年からはネットプロモータースコア(NPS)を導入し、顧客及びパートナーから自社の強み・課題並びにその要因をヒアリングし日々の業務における改善へと繋げるなど、ステークホルダー全体に係るエンゲージメントの向上を図ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、サステナビリティ推進体制を強化し、企業価値向上と持続可能な成長を目指して代表取締役を中心としたプロジェクトチームによりサステナビリティに関する議論を継続して行なっております。特に、人材を「戦略的な資本」として捉え、人事戦略の中核に据えることで、事業目標の達成と社員個々の成長を両立させる体制を構築してまいります。この戦略は、取締役会が監督する体制のもと、組織全体で共有され、各部門において実行されています。
取締役会はサステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有しており、管理するためのガバナンスに関しては、コーポレート・ガバナンス体制と同様となります。当社のコーポレート・ガバナンスの状況の詳細は、「
(2)戦略
当社グループはインフラテック事業が主要なサービスであり、「ICTで世の中をもっと便利に」というミッションを掲げております。今まで中間業者が担っていたアナログで非効率な業務に対してテクノロジーを駆使して生産性を高め、インフラテックプラットフォームを構築することで多重下請構造を解消し、サステナブルな社会を支えるICTインフラの構築・維持に貢献いたします。
サステナビリティの向上を推進するにあたり目指すべき社会の実現に向け、企業理念・中期経営計画・ステークホルダーからの期待を反映したマテリアリティを特定し、3か年ごとの中期経営戦略の策定に合わせ見直し、設定してまいります。
マテリアリティ特定プロセスは以下のとおりであります。
STEP 1:候補となる課題の抽出
ESG・SDGsやSASBスタンダードなどの国際的なコンセンサスや各種ガイドラインを社会課題の主な根拠として参照し、当社事業と強く関連し得る課題を経営陣と従業員を代表した社員複数名で検討を重ね、マテリアリティ要素を抽出しました。
STEP 2:重要度の評価
マテリアリティ要素案について、当社経営陣と意見交換を行い、その妥当性を検証するとともに経営課題との関連性を踏まえ、各要素について経済性と社会性の2軸で評価しました。
STEP 3:マテリアリティの特定
当社グループの経営会議において、経営陣における協議と承認を得て、マテリアリティとして決定いたしました。
当社のマテリアリティは「サステナブルな社会を支えるICTインフラを創る・守る」ことと、そこに「関わる人を
大切にする」ことであります。
サステナビリティに関わる活動をマトリックス図にて重要度を可視化し、各重点テーマでの具体的な取組みをサステナビリティへの取組みとして設定しました。事業推進と共に社会への価値提供を進めてまいります。
「サステナブルな社会を支えるICTインフラを創る・守る」ためには、そこに「関わる人を大切にする」こと、すなわち ICTインフラの知識や経験を豊富に有する人材を育成し活躍させることが、事業戦略を実現する上で最重要であると考えております。
上記マテリアリティを実現するためには、多様な人材を企業組織に受け入れ、 一人一人の能力を最大 限発揮できる人材育成を中心とした組織変革を行い、企業の成長と個人の幸福に繋げられるよう「ダイバーシティ経営」を当社サステナビリティ経営における戦略の根幹にすえ、全社を挙げて力強く推進してまいります。
<ミッション実現におけるダイバーシティ経営の位置づけ >
人的資本経営フレームワーク(田中弦モデル)/Unipos株式会社提供
<ダイバーシティ経営のフレームワーク>
当社グループの中長期ビジョンである通信インフラエンジニアリングの領域を超えたICTインフラ全般のエンジニアリングカンパニーへの進化を遂げるために、サステナビリティ経営の根幹に据えた「ダイバーシティ経営」を実践します。それを支えるためのフレームとして「人事戦略ポリシー」を策定し、具体的な「人材育成・人材活用方針」を定め推進してまいります。
当社グループでは、中期経営計画実現に向けた人事戦略の方針として「戦略的な人材活用を通じて、事業目標の達成と社員個人の成長を同時に促進する。」を掲げております。
この人事戦略方針を具体化するために、当社グループは人材を単なるリソースではなく、企業の成長を担う重要な資本と捉えています。そのため、社員の成長を事業戦略の達成と密接にリンクさせ、企業の成長が個人の成長に直結する仕組みを構築します。戦略的な人材活用とは、単なるスキルマッチングを超え、社員が自らの成長を通じて企業目標に貢献できるよう、長期的視点に立った育成・評価のサイクルが機能することを指します。これを実現するために、以下の具体的な施策を実施してまいります。
①事業戦略実現に向けた人材要件・役職要件の明確化
当社グループでは、事業戦略を効果的に推進するために、各役職に求められるスキルセットとリーダーシップ要件を明確化します。具体的には、現行の事業戦略と各業務プロセスを詳細に分析し、各ポジションに必要とされる専門的スキル(例:技術的スキル、マネジメント能力)と役職に応じたリーダーシップ要件を明確にします。
また、これらの要件は、採用プロセスにおいての評価基準となるだけでなく、既存の社員のキャリア開発にも活用します。具体的には、ポジションごとに期待される成果や目標を設定し、それに基づいた評価とフィードバックを通じて、社員の成長を促進します。さらに、この要件は社内の育成プログラムと連動させることで、計画的なスキルアップとリーダーシップの開発を推進します。
②キャリアパスの明確化
社員が長期的なキャリアプランを構築し、自己成長を実現できるように、キャリアパスの明確化を図ります。各職種や役職ごとにステージを定義し、各ステージで必要とされるスキルや能力を明確にしてまいります。
さらに、キャリアパスを進展させる上で必要なスキルや能力を社員が把握できるようにし、キャリアアップに向けた行動計画を立てられる支援体制を整えます。具体的には、メンター制度や成長支援プログラムを導入し、社員が自らのキャリアプラン実現に向けたスキル開発に取り組む環境を提供します。
③事業戦略に沿った人材育成
当社グループの事業戦略に直結した人材育成プログラムを強化します。特に、プロジェクトマネージャー(PM)の育成に焦点を当て、ビジネス基礎力を中心としたポータブルスキルとプロジェクトマネージャーに必要とされるテクニカルスキルの向上を目指した研修プログラムを展開します。
具体的には、プロジェクト管理、リスク管理、予算管理等の各スキルを強化する研修を導入し、実務に即したスキルを育成します。また、これらの研修は、個々の社員の役割を踏まえた上で事業戦略実現に直結しうる内容で設定されます。
さらに、研修終了後には、学んだスキルを現場で実践する機会を提供し、実際の業務に直結したスキル定着を支援します。これにより、事業戦略の実行に貢献できるリーダーを育成し、会社全体の競争力を高めます。
(3)リスク管理
当社において、全社的なリスク管理は代表取締役を中心としたリスク管理委員会において、各部門責任者のモニタリングによって行なっており、特に重要なリスク管理は取締役会へと報告され、取締役、監査役による協議を行なっております。 また、サステナビリティに係るリスクの識別、優先的に対応すべきリスクの絞り込みについては、プロジェクトチームの中でより詳細な検討を行ない、共有しております。優先的に対応すべきリスクの絞り込みについては、当社に与える財務的影響、当社が環境・社会に与える影響などの発生可能性を踏まえ行なわれ、重要なリスクは、取締役の協議を経て戦略、計画へと反映され、取締役会へ報告、監督されます。
サステナビリティに関するリスクへの対応状況は、プロジェクトチームにおいてモニタリングされ、その内容は取締役会へ報告されます。サステナビリティに関する機会の識別、評価や優先順位付けはプロジェクトチームにておいて行なわれ、重要と認識された機会については取締役の協議を経て、戦略、計画に反映され、取締役会へ報告、監督されます。
(4)指標及び目標
当社グループは、上記(2)戦略において記載した「ダイバーシティ経営」を遂行していくために人材の多様性の確保が重要と考えており、次の指標を用いております。当該指標に関する目標および実績は次のとおりであります。なお、当該指標に関する目標および実績は提出会社における記載となっており、連結子会社の実績は含んでおりません。
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指標 |
実績 (2023年6月期) |
実績 (2024年6月期) |
実績 (2025年6月期) |
目標 ( |
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27.1% |
26.3% |
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継続的に 前後を維持 |
|
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3.2% |
3.0% |
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- |
20.3% |
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12.5% |
12.5% |
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|
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|
100% |
100% |
|
|
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33.3% |
25.0% |
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66.0% |
68.8% |
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|
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20.2時間/月 |
18.6時間/月 |
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6.5% |
8.4% |
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継続的に 以下を維持 |
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77.6% |
87.2% |
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継続的に 前後を維持 |
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プロジェクトマネージャー認定者数 (注)2. |
- |
69人 |
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(注)1.全従業員を対象とし、週1回以上のテレワーク勤務を利用している者を集計しております。
2.社内の育成プログラムを受講し、実務経験を経て認定要件を満たした者を集計しております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しています。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。
① 事業環境及び顧客の動向について
当社グループは通信事業者(移動体通信キャリア)を主たる顧客としており、当社グループが展開するモバイルエンジニアリングサービス(通信インフラの施工や通信システム運営管理要員の提供等)は、利用機器であるスマートフォンが生活必需品となったことで定常的な需要があり、国内外の経済情勢や景気動向等の影響を受けづらいものであると考えております。しかしながら、顧客間における料金競争の激化や5G通信に対する設備投資費の縮小、顧客内内製化等により当社グループの提供するサービス領域が縮小する場合等には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、モバイルエンジニアリングサービスに加えて第二の柱としてIoTエンジニアリングサービスを立ち上げ、その拡大をもってリスクの低減に努めております。
② 法的規制等について
当社グループのモバイルエンジニアリングサービスの施工業務においては、「一般建設業(電気工事業、電気通信工事業)」等の許認可を得てサービスを提供しているほか、顧客先への派遣業務について「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」(労働者派遣法)の関係法規の規制を受けております。当社グループは法令遵守に努めており、当該法的規制等に抵触する事実はないものと認識しておりますが、今後何らかの理由により当該許認可等が取消となり、業務の全部若しくは一部の停止処分を受けた場合や新たな許可を取得することができなくなった場合、若しくは法的規制が変更となった場合、また新たな法規制により当社グループの事業展開に何らかの制約を受ける場合等には、当社グループの財務状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、顧問弁護士事務所による許認可維持要件の定期確認、その他にも日々の事業活動においてセルフチェックリストを用いることで、リスクの低減に努めております。
③ 自然災害・不測の事故等について
当社グループでは、地震や津波、台風等の自然災害、パンデミック、テロリストによる攻撃等が発生した場合、また事業遂行上重要な要素となっている情報システム・通信ネットワークがこれらの要因や停電等により遮断・停止となった場合には、担当・責任者を定め即座に対策本部を設置する他、情報収集や対策を速やかに実行できる体制を構築しております。しかしながら、これらの自然災害・不測の事故等が発生した場合、円滑な事業運営の阻害や事業活動の中断を通じて、当社グループの財務状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、BCP対策を整備・運用中であります。
④ 情報セキュリティについて
当社グループは、事業の性質上、個宅へ訪問しIoT機器を設置するなど顧客の機密情報及び個人情報に接する機会があり、また多くの顧客情報を保有しております。当社グループでは、業務における情報セキュリティ品質確保を重要な経営課題と認識し、「情報システム管理規程」及び「個人情報保護規程」を定め、情報セキュリティ推進体制を確立し、情報管理の強化を進めております。これらの方針・体制の下、顧客や社内の情報管理取り扱いをはじめとした情報セキュリティについて、社内ルールを運用徹底し、従業員の意識向上を図るべく教育・啓発活動に取り組んでおります。また、情報システム面からも、顧客より預かる情報資産並びに当社の情報資産を適切に保護するための体制を構築し、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格であるISO27001を2009年12月に、ISO27017を2024年6月に認証取得しております。
このように当社グループでは、顧客情報の保護、管理に徹底して取り組んでおりますが、万が一、情報漏洩等の情報セキュリティに関する問題が発生した場合には、賠償費用の発生や取引停止、当社グループの信用失墜を招き以降の営業活動に支障をきたすなどして、当社グループの財務状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、定期的なセキュリティ教育のほかISMSの定期監査を受け、また、個人情報漏洩時に損害を補填する保険にも加入をしております。
⑤ システムやサービスの品質について
当社グループは、システムやサービスに対する顧客の要求が常に高度化、複雑化し続けるなか、常に顧客のニーズに答えかつ安全なサービス提供を追求し続けております。
当社グループ独自に構築している業務管理システム「BLAS」を強みとしており、プロジェクトの進捗状況を一元管理するほか、機器の現地設置、ネットワーク工事、機器設定、動作確認においてAI(画像認識)を用い、リアルタイムに進捗や成果物管理が可能となる機能を実装しており、事後の報告書作成までも自動作成することで、事務工数並びに当該コストを低減しております。また、「BLAS」を導入し、作業を類型化することで、作業ミスを低減し、作業ミスや通信不具合による疎通未確認などの設備トラブルを回避することにも寄与しております。
しかしながら、当社グループではコントロール出来ない外部要因によって重大なシステム障害やその他の欠陥が生じた場合には、賠償費用の発生や取引停止、当社グループの信用失墜を招き以降の営業活動に支障をきたすなどして、当社グループの財務状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 特定取引先・業界に対する依存度が高いことについて
当社グループは情報通信ネットワークの構築・施工等を主な事業としていることから、各通信事業者との取引比率が高く、特にソフトバンク株式会社に対する売上高は当連結会計年度において1,954,064千円(24.5%)であり、この傾向は今後とも継続することが見込まれます。当社グループにおいては特定の通信事業者への依存リスクを低減するためにIoTエンジニアリングサービスにて新たな業界への新規顧客開拓を進めております。
しかしながら、他業界の新規顧客の開拓が進まず、情報通信業界の市況動向や技術革新等によりソフトバンク株式会社はじめ各通信事業者の設備投資行動が変化した場合、また何かしらの理由により継続的な取引が不可能となった場合、当社グループの財務状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 競合について
通信インフラ市場、リモートモニタリング関連市場については将来にわたり成長が見込まれる市場であるため、国内外の事業者がこの分野に参入してくる可能性がありますが、先行して事業を推進していくことで、全国規模のベイシスパートナーズやプロジェクトマネジメントにおける独自のノウハウを蓄積してきたことが優位性につながっており、実際に競合する状況は限定的であると考えております。例えば、大手通信工事会社が得意とする大型基地局の建設は、工事単価は高いものの技術進歩による機器の小型化が進んでおり長期的には飽和状態になると考えます。一方、小型モバイル機器やIoT機器の作業は簡易で件数も膨大ながら、工事単価が低くなることが予想されますが、当社グループでは作業の効率化を通じて十分な利益を確保して受託するよう努めております。
しかしながら、今後当社グループにおいて十分な差別化や機能・サービスの品質向上が図られなかった場合や、新規参入の増加により競争が激化した場合には、当社グループの財務状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 重大な人身・設備事故等の発生について
当社グループは、建設工事現場における人身・設備事故を未然に防ぐため、「安全・品質の確保」に対する取り組みは万全を期し、管理を強化することで事故の発生防止に日々努めています。
しかしながら、不測の事態により重大な人身・設備事故を発生させた場合、顧客からの信頼を低下させるほか、損害賠償義務の発生や受注機会の減少等により、当社グループの財務状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 内部管理体制について
当社グループでは、現在の規模においては適正な内部管理体制を構築していると考えておりますが、今後の事業拡大に合わせて、内部管理体制の一層の充実・強化を図る必要があると認識しております。
しかしながら、今後当社グループの事業規模の拡大に応じた体制構築に遅れが生じた場合、当社グループの事業や財務状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 優秀な人材の獲得、育成について
当社グループでは今後の企業規模拡大に伴い、当社グループの理念に共感し高い意欲を持った優秀な人材を継続的に採用し、強固な組織を構築していくことが重要であると考えております。今後、積極的な採用活動を行っていく予定ではありますが、当社グループの求める人材が十分に確保、育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、当社グループの事業展開や財務状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 業務委託先との取引関係について
当社グループは、個人又は法人に業務委託契約により一部を委託しております。当社グループでは全国規模でインフラの構築・運用の拡大を図るため、これら委託先であるベイシスパートナーズとの良好な関係を構築しておりますが、何らかの理由により維持継続できなくなった場合や、今後見込まれる新規パートナー企業の開拓が困難となる場合には、当社グループの事業展開や財務状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 多額の借入及び財務制限条項への抵触について
当社グループは、金融機関を貸付人とする借入契約を締結し多額の借入を行っており、2025年6月期末の当社グループ総資産に占める有利子負債比率は14.6%となっております。当社が締結している借入契約には、財務制限条項が付されております。かかる財務制限条項に抵触する場合、貸付人の請求があれば当該契約上の期限の利益を失うため、ただちに債務の弁済をするための資金の確保が必要となり当社グループの財政状態及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があるとともに、かかる資金の確保ができない場合は、当社グループの存続に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、財務制限条項は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結貸借対照表関係)」に記載しております。
⑬ 経営者への依存について
当社グループの創業者である代表取締役社長の吉村公孝は、創業以来当社グループの経営方針や事業戦略の決定をはじめ当社グループの企業運営全般にわたり重要な役割を果たしております。当社グループでは、取締役会やその他重要会議等における役員及び社員への情報共有や権限移譲を進めるなど組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社グループの経営執行を継続することが困難となる事態が生じた場合、当社グループの事業運営及び経営成績に影響を与える可能性があります。そのため、次世代の幹部人材を育成するための研修を継続実施しており、有事の際における備えをしております。
⑭ 情報システムのトラブルについて
当社グループでは、業務の特性上、自社開発のシステムを利用しており、専門業者であるデータセンターの利用等により、データの保全、電源確保、対不正アクセス等の対策を講じています。しかしながら、大規模な災害・停電、システムやネットワーク障害、不正アクセスやコンピューターウイルス等による被害が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑮ M&Aについて
当社グループは、M&Aを重要な成長戦略の一つとして位置付け、今後積極的に推進していく方針です。M&Aについては、既存事業とのシナジーやリスク等について十分な検討を行うことによりリスク低減を図る方針ですが、デューデリジェンスの限界等から法的もしくは事業上の新たなリスク要因が発生したり、期待した投資のリターンが得られない等の場合は当社グループの事業又は業績に影響を及ぼす可能性があります。また、期待した収益を得られず、保有する投資有価証券やのれん等の減損損失等が発生する場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、3,013,736千円で前連結会計年度末に比べ251,818千円の減少となりました。これは主に現金及び預金の減少53,225千円及び売掛金の減少117,649千円によるものであります。固定資産は、703,763千円で前連結会計年度末に比べて17,662千円減少いたしました。これは主にのれん、顧客関連資産の償却によるものであります。この結果資産合計は3,717,500千円となり、前連結会計年度末に比べ269,481千円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債合計は1,415,332千円で、前連結会計年度末に比べ296,289千円の減少となりました。これは主に短期借入金の減少400,000千円によるものであります。固定負債は255,575千円となり、前連結会計年度末に比べ48,798千円の減少となりました。これは主に長期借入金の返済による減少45,000千円によるものであります。この結果負債合計は1,670,908千円となり、前連結会計年度末に比べ345,088千円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、2,046,592千円で前連結会計年度末に比べ75,606千円の増加となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加96,644千円が自己株式の取得による減少26,679千円を上回ったことによるものであります。この結果、自己資本比率は55.1%となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、内需を中心に持ち直しの動きがみられ、景気は緩やかな回復基調を示しました。一方で、実質賃金の伸び悩みや原材料価格や物流費の高止まり、継続する円安、中東情勢の不透明感など、企業活動を取り巻く不確実性は依然として高い状況が続いております。
このような経済環境のもと、モバイルエンジニアリングサービス領域については、通信キャリア各社における設備投資の抑制が依然として続いており、第4四半期において大規模な常駐人数の削減が影響した結果、売上計画を下回る結果となりました。他方で、IoTエンジニアリングサービス領域およびITエンジニアリングサービス領域においては、スマートメーターの設置・交換が堅調に推移したことに加えて、顧客先にエンジニアが常駐し、監視・保守等のサービスを提供するストックビジネスが拡大しました。また、2023年9月より販売を開始したSaaS「BLAS(ブラス)」については、導入企業数も順調に増加しており、営業活動も順調に進んでおります。
営業利益については、上記のIoTエンジニアリングサービスにおけるストックビジネスの拡大および販売単価の向上を全社的に推進したことが奏功して、営業利益率が前連結会計年度から大きく改善いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は7,984,144千円(前年同期比17.0%増)、営業利益177,862千円(前年同期比119.5%増)、経常利益167,855千円(前年同期比114.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益96,644千円(前年同期比458.9%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度と比較して53,225千円減少し、917,631千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは464,976千円の収入(前連結会計年度は38,956千円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益167,855千円、売上債権の減少117,649千円、減価償却費58,291千円等の増加要因が、仕入債務の減少35,189千円及び法人税の支払額28,412千円の減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは52,164千円の支出(前連結会計年度は317,271千円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出6,778千円、無形固定資産の取得による支出35,468千円および敷金及び保証金の差入による支出15,395千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは466,037千円の支出(前連結会計年度は187,498千円の収入)となりました。これは主に自己株式の取得による支出26,679千円、長期借入金の返済による支出45,000千円、短期借入金の減少400,000千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。
|
当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
|||
|
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
7,138,230 |
112.3 |
1,509,176 |
64.1 |
(注) 当社グループはインフラテック事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
|
当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
7,984,144 |
117.0 |
(注)1.当社グループはインフラテック事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
ソフトバンク株式会社 |
2,172,092 |
31.8 |
1,954,064 |
24.5 |
|
SBエンジニアリング株式会社 |
707,016 |
10.4 |
1,080,847 |
13.5 |
|
東京電力パワーグリッド株式会社 |
694,594 |
10.2 |
957,555 |
12.0 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成の基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、7,984,144千円(前期比17.0%増)となりました。主な要因は、IoTエンジニアリングサービス領域におけるストックビジネスの拡大および2023年11月より連結子会社となったアヴァンセ・アジルの業績が通年で寄与したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、6,119,713千円(前期比17.1%増)となりました。主な要因は売上高の増加に伴う増加であり、その主な内訳は人員増加による給与等の人件費の増加447,203千円であります。
この結果、売上総利益は1,864,430千円(前期比16,8%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,686,568千円(前期比11.3%増)となりました。主な要因は人員増加による給与等の人件費の増加80,871千円及び賃借料の増加20,282千円等であります。
この結果、営業利益は177,862千円(前期比119.5%増)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、1,839千円(前期比2.6%増)、営業外費用は、11,846千円(前期比150.7%増)となりました。営業外費用の主な要因は支払利息の増加2,748千円及び保険解約損4,688千円によるものであります。
この結果、経常利益は167,855千円(前期比114.9%増)となりました。
(特別損益、当期純利益)
当連結会計年度における法人税、住民税及び事業税は、83,898千円となりました。また、法人税等調整額は△12,498千円となりました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は96,644千円(前期比458.9%増)となりました。
c.キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
e.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。当社グループは、事業上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、営業活動によるキャッシュ・フローにより獲得した自己資金に加え、一部資金を銀行借入等により調達しており、これらの資金調達方法の優先順位等は、資金需要の額や用途に合わせて柔軟に検討を行う予定であります。なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は917,631千円となっており、当面事業を継続していくうえで十分な流動性を確保しております。
f.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
これまで進捗を追っていたKPIにつきまして事業環境、ビジネスモデルの変化により、当該指標がそれらの目的を果たさず投資者の投資判断に影響を及ぼさなくなったと考えられるため取りやめることとなりました。
理由としましては、IoTエンジニアリングサービスにおいては、設置台数を成長を示すKPIとしていましたが、売上高の因数分解としては設置台数×単価や対応作業×件数、月額単価×作業数などサービス拡大に伴い様々なケースが発生しており、設置台数のみをKPIとして成長性を示すことが難しくなりました。実際に設置台数は計画未達ではありますが、IoTエンジニアリングサービス自体の売上計画は達成となっており、成長性と連動せず、目的を果たしておりません。
また、稼働人員数については安定性を判断するKPIとしておりましたが、こちらもストック要素の強い案件が、従量課金形態を取っており、稼働数では表せないケースなどが発生しております。
これらの状況を鑑みたときに当該指標が目的を果たさず投資者の投資判断に影響を及ぼさなくなったと考えられるため取りやめることとなりました。
なお、KPIにつきましては引き続き適切な指標について検討していく予定です。
該当事項はありません。
該当事項はありません。