当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは企業理念「豊かな明日へ、信頼の架け橋を~ふれあいの輪を拡げ、地域と共に豊かな未来を築きます~」およびブランド理念「北國フィナンシャルホールディングスは、世のため人のために存在し活動する、人々の生活をより良いものにする、より良い社会にするために活動する(ブランドスローガン「Quality Company,Good Company.ともに、未来へ。」)」を掲げ、健全経営を堅持しながら、地域の社会運営、経済、文化、生活などに対する高い見識に基づいた総合的な情報と金融サービスの提供に加えて地域のさまざまな活動の推進のリーダーシップをとることによって、信頼を獲得し、地域の豊かな未来への架け橋となることを目指しております。
(2)会社の経営の現状認識
当社グループを取り巻く経営環境は、日銀の金融政策修正による金利上昇の兆しや、物価上昇、米国の新政権による関税政策の変化などにより経済の不確実性が高まっている状況です。加えて生成AIやフィンテック技術の急激な加速に伴い、異業種の金融サービスへの参入やフィンテック企業が台頭したことで地方銀行の競争環境は一段と厳しくなっています。
そのような環境の中、当社グループでは事業領域の更なる拡大を目的に、2025年10月に持株会社である「北國フィナンシャルホールディングス」の商号を「CCIグループ」へ変更し、新たなブランディング戦略の始動を予定しております。北國銀行の進化と発展を基盤としたブランドと、コンサルティング、海外事業、投資・運用などの銀行業務以外の事業を進化させるブランドの二軸で戦略を展開していくことで、地域内外に向けてより高度な金融サービスやビジネス支援、投資機会を提供いたします。また、このような事業領域の拡大とともに率先してデジタルトランスフォーメーションやAIを活用し、地域全体の業務効率化とイノベーションの促進に貢献いたします。
地域経済の活性化や高齢化対策など地域課題への対応が求められ、お客さまの価値観も多様化する中で、銀行の枠を超え北陸地域だけでなく首都圏や海外への展開・発信を強化することで、未来を構想し、挑戦し、創造するビジョナリーリージョンを実現していきます。
(3)中期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
①経営戦略
当社グループは、「中期経営戦略」を策定し、急速に変化する社会情勢・環境をとらえ、より柔軟かつスピーディーな戦略実行を行うため、中長期的に目指す水準と経営戦略を毎期アップデートしていく方針としております。
従来の銀行業の枠にとらわれることなく、柔軟な発想とスピード感を持って各種施策を実施し、ビジネス領域の拡大や生産性の高い業務運営、継続的なコスト削減による経営効率化に取り組んでまいります。今後も、お客さまとのコミュニケーションをより一層深め、地域のみなさまとコラボレーションを行うことで、北國ブランドを確立するとともに、地域全体のクオリティ向上に貢献することを基本方針として行動してまいります。
②目標とする経営指標
「中期経営戦略」(2025年4月公表)で定めた各経営指標の中期的に目指す水準は以下のとおりであります。
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項目 |
2026年3月期 (1年後) |
2027年3月期 (2年後) |
2028年3月期 (3年後) |
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銀行事業収益※1 |
483億円 |
546億円 |
583億円 |
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新事業収益※2 |
212億円 |
217億円 |
225億円 |
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経常利益(連結) |
180億円 |
198億円 |
225億円 |
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当期純利益(連結)※3 |
110億円 |
124億円 |
147億円 |
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連結ROE(国内基準)※4 |
5.1% |
5.0%以上 |
6.0%以上 |
※1 「金融事業(融資・リース、消費者ローン、為替)」「市場運用(国債・外債、政策保有株式)」
※2 「市場運用(株式・マルチアセット)」「コンサルティング」「キャッシュレス」「ファンド」「デジタル・システム」「地域活性化」
※3 親会社株主に帰属する当期純利益
※4 国内基準行ベースのバーゼルⅢコア資本に対する親会社株主に帰属する当期純利益額により算出
(4)会社の対処すべき課題
企業価値向上に向けて、株主資本や利益の質を重視したROEの向上、ガバナンス高度化や人的資本投資の強化、情報開示等による資本コスト抑制のための各施策実行に取組んでまいります。
①ROE向上の取組み
・株主還元は配当を基本と位置づけ、持続的な利益をベースとした配当を実施することとし、基本方針を「総還元性向50%以上」から「配当性向40%程度、機動的な自社株買い」へ見直し
・金利ある世界での収益モデルを確立し、地域のファイナンス事業の収益拡大
・伝統的銀行業務は経営効率を高め、安定した利益を計上できるコスト構造を実現
・新たな事業領域では、コンサルティング・キャッシュレス・ファンドを中心に収益拡大
・新たな事業領域への人材・システム開発などの投資を強化
②ガバナンス・人的資本への取組み
・2ブランド体制確立のためのガバナンス体制の強化、取締役会の実効性を向上させる取組み
・新たな事業領域に対応できるスキル人材の採用・育成を強化し、人的ポートフォリオ見直し
(令和6年能登半島地震および奥能登豪雨について)
2024年1月に発生した「令和6年能登半島地震」および2024年9月に発生した「令和6年奥能登豪雨」は、当社グループが地盤とする石川県を中心に甚大な被害をもたらしました。当社グループの役職員に大きな人的被害はありませんでしたが、一部店舗にて臨時休業を余儀なくされるなどの被害を受けました。当社グループといたしましては、金融仲介機能、コンサルティング機能、ソリューション力を最大限発揮し、地域社会・地域経済の一日も早い復旧、そして復興に向けた取組みを当社グループ一丸となって実施してまいります。
北國フィナンシャルホールディングスグループ(以下「当社」といいます。)のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)サステナビリティに対する考え方及び当社のマテリアリティ
①サステナビリティに対する考え方
当社は、サステナビリティ方針において「事業活動を通じてESG(環境・社会・ガバナンス)課題の解決に積極的に取組むことで、地域社会をはじめとした全てのステークホルダーの皆さまと共に、持続可能な社会を実現することを目指す。」ことを定めております。
事業活動を通したESG課題解決と、持続的な収益向上の好循環により、企業理念「豊かな明日へ、信頼の架け橋を~ふれあいの輪を拡げ、地域と共に豊かな未来を築きます~」およびブランド理念「北國フィナンシャルホールディングスは、世のため人のために存在し活動する、人々の生活をより良いものにする、より良い社会にするために活動する(ブランドスローガン「Quality Company,Good Company.ともに、未来へ。」)」の実現につながると考えています。
②当社のマテリアリティ
当社は、こうしたサステナビリティ関連の方針にもとづく具体的な取組を推し進めるために、サステナビリティをめぐる諸課題について、外部環境・社会動向の把握及び取引先や機関投資家からの期待を基に課題の抽出を行い、経営理念やブランド理念との整合性等の観点から検証・議論し、取締役会における決議を経て、マテリアリティ(重点項目)として特定しております。
<当社のマテリアリティ特定プロセス>
具体的には、「①気候変動対応、環境保全」、「②地域経済活性化への貢献」、「③地域のクオリティ向上に貢献できる人材の育成」、「④株主・投資家との対話による経営の透明性の向上」の4つのマテリアリティを特定しており、これらのマテリアリティにもとづいたリスクや機会を事業活動に反映して事業を推進することを通して、地域社会をはじめとしたすべてのステークホルダーの皆さまとともに、持続可能な社会の実現を目指します。
<当社のマテリアリティについて、リスク及び機会の認識、具体的な取組>
なお、有価証券報告書提出日現在、マテリアリティのアップデートに向けた社内議論を進めております。アップデート後のマテリアリティにつきましては、2025年8月発刊予定の統合報告書において開示する予定です。
(URL)https://www.hfhd.co.jp/ir/annualreport/
(2)ガバナンス
①執行体制
サステナビリティへの取組は、グループ戦略会議での議論を踏まえて当社の戦略に反映されております。
当社のサステナビリティの体制について、当社ではサステナビリティに関する専門的な委員会は設置しておりませんが、経営企画部が主体となり、経営管理部や北國銀行マーケティング部、コンサルティング子会社である株式会社CCイノベーション等を含めた部署横断的なプロジェクトにより、サステナビリティに関する課題を抽出・議論する体制を構築しております。
また、当社は、経営方針に基づく各戦略の執行を協議・報告する機関としてグループ戦略会議を設置しております。グループ全体のサステナビリティ実現に向けた施策はグループ戦略会議で協議されております。
当連結会計年度においてグループ戦略会議において協議された主な議題は以下の通りです。
・TCFD提言への対応について
・ESG・SDGsに関する法人営業の振り返りと今後の取組みについて
・地域GX(グリーントランスフォーメーション)に向けた取組みについて
・人材育成方針の策定と「ジョブ・チャレンジ」制度の開始について
②監督体制
当社の取締役会は、法令および定款に定める事項のほか、当社の業務執行に関する重要事項を決定するとともに、取締役の職務の執行を監督しております。
取締役会は、サステナビリティに関する知見・経験を有する取締役で構成されております。取締役会ではサステナビリティ経営の最終的な監督が行われ、サステナビリティに関するリスク及び機会への対応の観点から審議が行われております。
(3)戦略
①気候変動(マテリアリティ「①気候変動対応、環境保全」への対応)
当社では、気候変動への対応を重点項目と捉え、地域・お客さまの持続的な成長を支援するため、2021年5月に北國銀行として、2022年5月に北國フィナンシャルホールディングスとしてTCFD(気候変動関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明しました。
ア.気候変動に伴うリスクおよび機会と影響の認識
当社では、気候変動問題の顕在化に伴う外部環境や業務環境の変化をあらかじめ想定し、様々な波及経路に基づいてリスク事象を洗い出すことで、当社への財務的影響を特定しております。当社が想定するリスク事象の概要と主な影響は以下のとおりであります。
a.移行リスク
炭素排出量抑制コストの増加により、投融資先の収益減少や既存資産等の減損が発生
国内外の気候変動関連規制に対応するコストの増加
脱炭素化に向けた技術開発の失敗や遅れによる、投融資先の収益減少や既存資産等の減損が発生
製品・サービスの需給環境の変化により投融資先の収益減少や既存資産等の減損が発生
情報開示の不足による外部評価の低下
気候変動対策が不十分な取引先との取引継続による評判悪化
事業継続性強化のための設備費用やエネルギーコストの増加
b.物理的リスク
営業拠点等、保有不動産被災により事業が継続できないリスクや、対策・復旧によるコスト増加のリスク
自然災害による投融資先の業績悪化や担保毀損に伴う与信関係費用の増加
気候災害による市場や投資環境、投資先企業の信用悪化に伴って保有有価証券等の価値が変動
c.機会
ペーパーレス化等、業務効率化に伴うオペレーションコストの低減
省エネ設備の導入によるエネルギー使用の高効率化
保有設備の効率的な運用
エネルギー源のシフトによる調達コスト低下
再生エネルギー・脱炭素関連の設備投資ニーズ増加に伴うファイナンス機会・リース機会の拡大
脱炭素化に関連するコンサルティング機会の拡大
ペーパーレス化や業務効率化ニーズ増加に伴うコンサルティング機会の拡大
事業変革に向けた経営戦略策定ニーズ増加に伴うコンサルティング機会の拡大
気候関連情報の開示促進による企業イメージの向上
災害対策のためのインフラ投資等によるファイナンス機会の拡大
災害対策のためのBCP対策ニーズ増加に伴うコンサルティング機会の拡大
イ.気候変動に伴うシナリオ分析
シナリオ分析では、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表しているシナリオを参照の上、パリ協定や2021年11月の国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)における合意内容等をふまえ、2つのシナリオ分析を実施いたしました。
a.分析プロセス
移行リスクのシナリオ分析対象セクターを決定
移行リスク、物理的リスクともに分析対象に応じたシナリオを設定し、影響を分析
b.移行リスク
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内容等 |
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シナリオ |
IPCCの2℃シナリオ |
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対象セクター |
金属鉱業、陸運鉄道/航空物流サービス、食品、機械、繊維アパレル・贅沢品、建設土木、電力、電気設備、自動車、化学の10セクターについて、各セクターの与信額上位10社(合計100社) |
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対象期間 |
2050年まで |
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指標 |
与信関連費用 |
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分析結果 |
2050年までの与信関連費用増加額は約26億円と分析 |
c.物理リスク
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内容等 |
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シナリオ |
IPCCの2℃シナリオおよび4℃シナリオ |
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対象地域 |
北陸3県(石川県、富山県、福井県) |
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対象期間 |
2050年まで |
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対象先 |
ⅰ)事業性与信先の建物 ⅱ)当社保有物件 |
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指標 |
ⅰ)与信関連費用 ⅱ)建物毀損額 |
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分析結果 |
ⅰ)最大48億円程度の与信関連費用増加 ⅱ)最大6億円程度の建物毀損の発生 |
ウ.地域の脱炭素化に向けた取組
a.事業性理解を通じたお客さまへの気候変動意識の啓蒙
当社では、事業性理解を通じて、お客さまの気候変動対応等に対する意識向上の取組を行っています。脱炭素化に向けた融資やリース等の資金需要への対応はもちろん、気候変動対応をはじめとするESG課題を共有することで、コンサルティングやアドバイス等のビジネス機会を創出してまいります。
b.コンサルティング&アドバイザリー
当社の重点取組業務であるコンサルティング&アドバイザリー事業では、お客さまのサステナブル経営に向けたサポートを行うべく「ESG・SDGsコンサルティング」をメニュー化しています。
気候変動への対応は、企業にとって重要かつ喫緊の課題ですが、GX(グリーントランスフォーメーション)はDX等と同様に、お客さまがビジョンを達成するための一つのパーツであると考えております。
当社は事業性理解を通じ、お客さまの課題を共有することで、トランスフォーメーションのサポートを行ってまいります。
②地域経済(マテリアリティ「②地域経済活性化への貢献」への対応)
当社は地域経済活性化への取組を通じて企業理念およびブランド理念の実現を目指しております。
ア.地域経済に関するリスクおよび機会の認識
a.リスク
・地域企業の生産性が向上しないことによる競争力の低下、業績悪化による与信コストの増加
・地域のお客さまの金融リテラシーが高まらず、資産の形成や有効活用が進まない結果、地域経済が低迷
・キャッシュレス、デジタル化進展への対応不足によるサービスの競争力低下
b.機会
・ビジネスモデルと企業文化の変革による地域のクオリティ向上への貢献
・事業性理解を起点とし、課題の共有・解決を目指すコンサルティング&アドバイザリーの展開
・高齢化社会、人生100年時代を見据えた資産形成・運用や資産の有効活用、相続・資産承継に対する意識の高まり
・NISA恒久化などの制度改正
・地域での資金循環、生産性向上を目指したキャッシュレス、デジタル戦略の展開
イ.地域経済活性化に対する当社の取組
・プライベートエクイティを通じた成長支援
・地方公共団体とのコラボレーションによる生産性向上への貢献
・コンサルティング&アドバイザリー機能の発揮
・ライフプラン・資産形成サポート、職域含む金融教育への取組
・デジタル・キャッシュレス社会創出への貢献
・金融機能の安定性の維持
③ステークホルダー(マテリアリティ「④株主・投資家との対話による経営の透明性の向上」への対応)
当社は、株主・投資家のニーズ把握に基づいた積極的な情報開示による経営の透明性の向上や、適切な企業統治やシステムリスク管理、セキュリティ対応の充実による社会的信頼の確保に取り組んでいます。
ア.株主・投資家との対話による経営の透明性の向上に関するリスクおよび機会の認識
a.リスク
・株主・投資家ニーズ把握や積極的な情報開示の欠如による、経営の透明性の悪化
・デジタル対応の不足による、社内生産性の低下
・不適切な企業統治やシステムリスク管理、セキュリティ対応の不足による社会的信用失墜
b.機会
・個別面談重視のIR活動を通じた深い対話による、株主・投資家ニーズの把握、経営戦略や情報開示への反映
・DX、システム戦略を起点とした全体改革による戦略遂行力の強化
イ.株主・投資家との対話による経営の透明性の向上に向けた当社の取組
・DXを活用したコーポレート・トランスフォーメーションによる社内情報および社内議論プロセスの見える化
・業務効率化
④人的資本(マテリアリティ「③地域のクオリティ向上に貢献できる人材の育成」への対応)
ア.経営戦略と人材戦略の連動:事業ポートフォリオに沿った人材ポートフォリオの構築
当社は、2021年にグループシナジーを最大化し、持続的な成長を実現するため、持株会社体制へ移行しました。
そして2025年10月からは、従来の「北國銀行ブランド」に加え、地域金融の枠を超えて事業領域を広げ、地域外や海外への展開を強化する新たな「CCIブランド」を導入し、2つのブランドによる体制へと移行します。
この新たなビジネスモデルを成功させ、事業領域をさらに広げていくためには、再構築された事業ポートフォリオに合わせた最適な人材配置が急務であり、経営の最重要事項の一つと位置付けています。事業の成長領域や強化領域に適所適材となる人材配置を進めることが、人的創造性を高め、付加価値拡大につながると考えています。
そのため、多様な価値観と誰もが活躍できる「ダイバーシティ&インクルージョンの実現」、全社的な経営視点をもって案件・施策に取組む「オーナーシップマインドの醸成」、そして社会や顧客起点で考え新たな価値を生み出す「人材の育成」に注力してまいります。
イ.人材戦略を支える基盤:人材エコシステム
当社では、社内外(地域)で活躍できる人材プラットフォームを構築するため、「人材エコシステム」の考え方を掲げています。この人材エコシステムの土台は、心理的安全性のあるフラットな組織風土、全社員が「ベーススキル」と「インテグリティ」を兼ね備えていること、そして社員一人ひとりが身体的、精神的、社会的に満たされている状態であることです。この強固な土台の上に、当社の企業理念・ブランド理念に共感し、志をともにする新な人材を「採用」し、学びと挑戦を通して新たな価値を生み出すことができるプロフェッショナル人材を「育成」し、働きがいのある環境で「活躍」を支援し、地域に価値提供ができる経営人材・専門人材を「輩出」する一連のサイクルを回すことで、人材を通じて地域の価値向上への貢献を行っています。
さらに、社内外の多様なステークホルダーと「協創・協業」できる新たな‘場‘をつくり、個人の成長を後押ししながら、コラボレーションにより新たな価値を創出します。これにより、組織と地域社会の持続的な成長を支える基盤を築いていきます。
ウ.人材育成・能力開発:プロフェッショナル人材の輩出に向けて
当社は、変化する事業環境に対応し、事業戦略を実現するために必要な能力獲得と、地域社会への貢献を担うプロフェッショナル人材の育成に注力しています。
・キャリア型人事制度
2022年に導入した「キャリア型人事制度」は、社員の働き方やマインドセットを大きく変える原動力となりました。この制度は「キャリア自律」「対話を通じた脱・年功序列型の給与見直し」「人材の流動化に対応した退職一時金制度の変革」の3つを柱としています。
社員は自らキャリアを描き、主体的に高度な学びに取り組むことで組織や地域への価値の提供を目指しています。社員が働きがいとモチベーションをもって成長し、組織の付加価値を上げるため、賃金はスキル・役割・生産性・貢献度の4つの着眼点に応じて決定される仕組みを導入しています。また、退職一時金制度を廃止し、毎月の給与に「キャリア支援金」として上乗せ支給することで、社員の自己投資や資産運用を支援し、キャリア採用者が不利なく活躍できる土壌を整えています。
・リスキリング・リカレント教育
人材育成として、自律して学び続ける「リカレント教育」の重要性を推奨しています。自己啓発講座の費用補助を行い、リスキリング・リカレント教育を継続しています。働きながら大学・大学院に通う社員は80名を超えており、卒業研究にて構想したビジネスプランが当社の新ビジネスとしてスタートするなどイノベーション創出の機会となっています。
(今後の重点項目)
AIの活用推進が必要であり、AI活用を含めデジタル人材の育成に向けた方針と打ち手の開示を行い促進する。
・事業ポートフォリオに合わせた人材シフト
DX推進や戦略的な拠点統廃合に伴い、フロントオペレーション領域から今後10年で約150名の社員にキャリアチェンジを促進する方針であり、これを実現するため「ジョブ・チャレンジ制度」を導入しました。この制度により、「法人コンサルティング領域」や「システム・デジタル領域」といった重点ビジネス領域への人材シフトを進め、事業ポートフォリオと人材ポートフォリオの整合を進めています。
(今後の重点項目)
事業ポートフォリオに応じた最適な人材ポートフォリオの構築のため、適切な人材要件の可視化とキャリアとスキルによるマッチングを実現する。
・地域へのプロフェッショナル人材輩出
当社で育成・活躍している経営人材やエキスパート人材は、社内だけでなく、地域企業や自治体の経営幹部や専門人材として地域で活躍することで、地域全体の価値向上に直接的に貢献しています。
(今後の重点項目)
企業の成長と存続のため、会社の根幹となる経営や主要ポジションを担う人材が求められており、経営に係る人材を育成する。
エ.多様性(ダイバーシティ&インクルージョン):誰もが活躍できる組織へ
当社では多様な価値観を認め合い、誰もがその能力を最大限に発揮できる環境の実現を目指しています。希望の職種の公募制・昇進の手挙げ制などにより、若手や女性の挑戦を後押ししています。
・女性活躍推進
女性管理職の登用を積極的に進めており、今後の経営幹部への女性登用を支援するため、異業種で活躍する女性役員・社員との合同研修会や、次世代の経営幹部候補である女性社員と女性社外取締役との意見交換会を実施しています。
また、女性の活躍フィールド拡大のため、パートタイマーからの正社員化を推進しています。年収の壁と言われる短期的な収入の多寡に焦点をあてるのではなく、将来的なマネープランと資産形成に焦点をあて積極的な登用を行っており、一人ひとりがキャリアに応じて最大限の能力を発揮できる環境を構築しています。
加えて、出産後のスムーズな復職をサポートするため、産休前、育児休業中の社員に対し、継続的にワークショップを開催しています。様々なライフイベントがある中でもキャリアを止めず、活躍できる組織を目指しています。
(今後の重点項目)
女性が、自身のキャリアプランに応じて活躍の場を選択でき、将来的に、多様な職種やより高度なポジションに挑戦する意欲を醸成する。
・多様なバックグラウンドを持つ人材の採用
キャリア型人事制度の導入により、多様なバックグラウンドを持つ人材が活躍できる環境が整備されたことでキャリア採用者数が増加しており、2024年度は61%となりました。
多様な人材の獲得を目指し、2023年から専門職採用(エキスパートコース)を新設しました。新たなイノベーション創出のため、異なる文化的背景を持つ外国人留学生の採用も2023年度より本格的に開始しています。
・多様な働き方を可能にする制度
社員一人ひとりの働きやすさを追求し、休暇や短時間勤務制度を育児や介護以外の理由でも利用できるように対象者を拡大しています。2024年3月よりフレックスタイム制度の対象者を拡大し、5月末現在で、約6割の社員が制度を利用しています。コアタイムを撤廃したスーパーフレックス制度を導入し、短時間勤務制度との併用で週4日勤務など柔軟な働き方も実現可能としました。
男性の育児休業取得率は152.3%となり、さらなる長期取得を推進しています。
オ.組織風土とエンゲージメント:フラット&アジャイルな働きがいのある会社
当社は、フラットな組織で、働きやすく働きがいのある会社を目指しています。
・心理的安全性とフラットな組織風土
年齢、性別、立場・役割に関係なく、社員一人ひとりが自律して考え発言し、対話できる環境を大切にしています。全社ペーパーレス化やMicrosoft Teamsの活用による議論の見える化、対話を重視したコミュニケーションなどの取り組みにより、心理的安全性が高くフラットな組織風土を実現しています。
また、CEO自らが全社員に戦略や方針等を毎週発信している「トップメッセージ」や、「CEOと社員持株会との対話の機会」、「入社時のCEOを交えたウェルカムミーティング」など、CEOの考えを直接的に聞く機会を設けることで、戦略の背景・目的から理解を深め、社員自らがオーナーシップマインドをもち、主体的な行動につなげるための取り組みを実施しています。
・社員の健康とウェルビーイング
地域のクオリティ向上に貢献していく人材の土台には、社員が心身ともに満たされている状態であることが不可欠と考えています。心身両面の健康をサポートするため「ウェルネスサポートチーム」を設立し、メンタルヘルスケア、健康相談、復職支援など年間2,800回の面談を実施しています。これらの取り組みの結果、「健康経営優良法人」ホワイト500に4年連続で認定されています。また、業務効率化により時間外労働時間は月平均4時間程度、有給休暇取得率も約90%と、働きやすい環境が醸成されています。働きやすさに加え、働きがいも兼ね備えた「プラチナ企業」として認められています。
・対話とコミュニケーション
コミュニケーションとコラボレーションを通して、お客さま・地域・社会のイノベーションに貢献し、新しい価値の創造を行っていきます。特に、お客さまとの「対話」を最も重要と考えており、真の課題解決のためにお客さまを理解し、コミュニケーションを行うことが当社の強みです。今後は、より対話の機会を増やし、年齢や 立場に関係なく活発な議論ができるよう促していきます。
カ.コンプライアンス・安全な職場環境
当社では、コンプライアンスの強化に加え、社員一人ひとりが自らの良心と判断に基づき行動する「インテグリティ」の向上を重要なテーマと位置付けています。
経営層からの継続的なメッセージ発信に加え、研修や教育、実践的なディスカッションを通じて、社員一人ひとりのコンプライアンス意識の醸成を図っています。また、各業務部門や営業店等では、コンプライアンス責任者が中心となり、違反行為の未然防止に向けた取組を強化しています。これにより、ルールの自己解釈や形骸化を防ぎ、社員が自律的に行動できる環境づくりを目指しています。コンプライアンス統括部門は、これらの取組を支える実効性のあるモニタリング体制を整備し、継続的な改善を図っています。
毎年実施している「コンプライアンス意識調査」では、社員の意識浸透や企業風土の変化を把握し、その結果や内外環境の変化を踏まえ、コンプライアンス・プログラムの内容を継続的に見直しています。
上記のように、当社は「人こそが経営の根幹である」という考えのもと、経営戦略、特に新しい2ブランド体制における事業ポートフォリオと強く連動した人材戦略を推進してまいります。事業領域の拡大と地域貢献という高次の目標達成のため、多様な人材の採用、育成、活躍支援、働きがいのある組織風土の醸成、そして強固なガバナンスと安全な職場環境の構築に、全社を挙げて積極的に投資し、取り組んでまいります。
(4)リスク管理
①統合的リスク管理におけるサステナビリティ関連リスク
当社では、リスク管理に関する基本事項を「統合的リスク管理規程」として制定し、各グループ会社の管理部門が適切なリスク管理を実施し、統括部署として当社経営管理部が統合的にリスク全体の管理を行っております。具体的には、サステナビリティ関連リスクを含む各種リスクについて定期的にグループ会社等の直面するものを洗い出し、洗い出したリスクの規模・特性を踏まえ、管理対象とするリスクを特定しています。
具体的なサステナビリティ関連のリスク及び機会を認識・評価および管理するプロセスは以下の通りです。
②サステナビリティ関連リスク及び機会を識別・評価するプロセス
当社では経営企画部、経営管理部を中心とし、北國銀行マーケティング部、コンサルティング子会社である株式会社CCイノベーション等を含めた部署横断的なプロジェクトによりサステナビリティ関連リスクを識別・評価したうえで、リスクに対する機会を識別・評価する体制を取っております。
③サステナビリティ関連リスクおよび機会を管理するプロセス
②で識別・評価されたリスク及び機会については、上記プロジェクトの枠組みにおいて管理し、随時対応について議論・協議を行っております。また、「(2)ガバナンス」記載の通り定期的にグループ戦略会議で協議されるとともに、取締役会に報告されております。
サステナビリティ関連リスクおよび機会を管理するための主な手法は以下の通りです。
ア.シナリオ分析
フォワードルッキングな業務戦略の策定・遂行のため、ストレステストにより、危機発生時のグループの影響等をあらかじめ分析・把握するように努めています。
サステナビリティ関連リスクにおいては、物理的リスクや移行リスクに関して、ストレステストの手法を活用したシナリオ分析を実施し、当社への財務的影響をあらかじめ把握しています。シナリオ分析の詳細は「(3)戦略 ①気候変動への対応」をご参照ください。
イ.セクター別のリスクコントロール
当社は、サステナビリティ方針とマテリアリティに基づき、投融資方針およびセクターポリシーを設定し、環境・社会に悪影響を及ぼす可能性の高い投融資を低減・回避するよう努めております。
<投融資方針>
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積極的に支援する事業 |
お客さまの環境・社会・ガバナンスにかかる取組及びその事業 |
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投融資を禁止する事業 |
反社会的勢力および事業 児童労働・強制労働を行っている事業 核兵器・化学兵器等の大量破壊兵器やクラスター弾等の非人道的な兵器を開発・製造する事業 |
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特定セクター (セクターポリシーに基づき判断) |
石炭火力発電セクター・クラスター弾製造セクター・森林セクター・パーム油農園開発セクター |
<セクターポリシー>
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石炭火力発電事業 |
気候変動リスクへの対応や環境保護、持続可能なエネルギーへの取組 を踏まえ、石炭火力発電事業に対する投融資については、個別案件ごとに慎重に対応を検討します。 |
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クラスター弾製造関連事業 |
クラスター弾の非人道性を踏まえ、クラスター弾を製造している企業向け投融資については禁止します。 |
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森林伐採事業 |
大規模な森林伐採事業に対する投融資については、お客さまの環境・社会への配慮の状況や地域の環境・社会への影響を踏まえて、慎重に対応を検討します。 |
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パーム油農園開発事業 |
森林資源や生物多様性の保全、人権保護の観点から、パーム油農園開発向け投融資について禁止します。 |
(5)指標と目標
①気候変動に関する指標と目標(マテリアリティ「①気候変動対応、環境保全」に関する指標と目標)
当社は、気候変動に係るリスク並びに機会を測定・管理するため、また地域の気候変動に対する意識の啓蒙のため、GHG排出量や取引先のESG・SDGsの考え方についてのヒアリング状況などの指標を活用しております。
ア.当社におけるGHG排出量
当社は、自社GHG排出量(Scope1,2)における2030年度に2013年度比100%削減を実現する目標を掲げており、当社及び当社連結子会社の国内外拠点を対象に、GHGプロトコルに沿った精緻な排出量把握と削減に向けた取組を進めております。
イ.Scope1,2について
2024年度の当社によるCO₂排出量削減実績は
2030年度の目標である2013年度比100%削減に向けて以下の取組を進めております。
・店舗新築時のZEB対応の実施(2022年度から累計で6店舗)
・店舗屋上での太陽光発電設備設置(2022年度から累計で5店舗)
・営業車両の削減(2013年度比75台削減(501台⇒426台))
・EV(HV)車への入替(2013年度比86台増加(2台⇒88台)
ウ.Scope3について
Scope3のうち特にカテゴリー15の投融資によるCO₂排出量は、金融機関において重要なCO₂排出量削減の対象であり、今年度より北國銀行事業性貸出先を対象に試算を行いました。試算結果は以下の通りです。
CO₂排出量
また、Scope3カテゴリー15(投融資分)上位3業種の排出量は以下の通りです。
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業種 |
排出量(単位:t-CO₂) |
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一般機械 |
337,775 |
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金属製品 |
316,684 |
|
建築工事業 |
247,984 |
エ.地域の気候変動に対する意識の啓蒙のための取組
当社では、地域での気候変動に対する意識の啓蒙のため以下の指標と目標を設定しております。
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2024年度実績 |
2025年度 |
2026年度 |
2027年度 |
|
事業性理解を通じたESG・SDGsへの考え方についての肯定先数 |
2,691 |
3,000 |
4,000 |
5,000 |
|
事業性理解を通じた温暖化ガス排出量の計測、記録状況 記録先数のヒアリング件数 |
117 |
1,450 |
3,150 |
4,800 |
|
サステナブルファイナンス取扱件数(リース、融資) |
119 |
150 |
220 |
300 |
②地域経済(マテリアリティ「②地域経済活性化への貢献」に関する指標と目標)
地域経済活性化への取組についての戦略を進めるにあたり、当社では次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。
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戦略 |
項目 |
目標(2025年度) |
2024年度実績 |
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ⅰ)地方公共団体とのコラボレーションによる生産性向上への貢献 |
・トチカユーザー数(※) ・トチツーカ加盟店数(※) ・トチポ取扱自治体数(※) |
・100,000人 ・5,000先 ・3件 |
・9,707人 ・2,342先 ・3件 |
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ⅱ)コンサルティング&アドバイザリー機能の発揮 |
・コンサルティング契約件数 |
・570件 |
・642件 |
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ⅲ)ライフプラン・資産形成サポート、職域含む金融教育への取組 |
・投資信託・北國おまかせNavi、401K口座数 ・遺言信託・遺産整理・投資助言契約件数 |
・45,000件
・115件
|
・41,458件
・108件
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ⅳ)デジタル・キャッシュレス社会創出への貢献 |
・北國Visaデビットカード会員数 ・北國Visaデビットカード利用率 ・カード加盟店数 |
・342,500人 ・40% ・7,200件 |
・342,000人 ・35.6% ・7,035先 |
※トチツーカとは自治体が発行するポイント(トチポ)、北國銀行が発行するステーブルコイン(トチカ)の総称をいいます。
③ステークホルダー(マテリアリティ「④株主・投資家との対話による経営の透明性の向上」に関する指標と目標)
ステークホルダーに関するガバナンス向上についての戦略を進めるにあたり、当社では次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。
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戦略 |
項目 |
目標 |
2024年度実績 |
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コーポレート・ガバナンス体制 |
・社外取締役比率 ・取締役会開催回数 ・指名報酬委員会開催回数 ・グループ戦略会議開催回数 ・CEOによる1on1MT実績 |
目標は定めておりませんが、各項目についてPDCAを回す体制となっております。 |
・55% ・12回 ・6回 ・50回 ・53回 |
④人的資本に関する指標と目標
人材育成戦略を進めるにあたり、当社では次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。
なお、「新規採用に占めるキャリア採用比率」「男性育休取得率」については、2024年度実績にて目標値に到達しておりますが、サステナビリティの観点から継続的に目標水準を達成することが必要不可欠と認識し記載しております。
また、「配属公募(ジョブ・チャレンジ制度手挙げ含む)、昇進公募」「新規事業開発公募」「研修、講座の受講者数」「社内コラボレーション参加人数」については、目標(達成時期)は定めておりませんが、人材育成戦略上重要な指標であることから実績のみ記載しております。
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戦略 |
項目 |
目標(達成時期) |
2024年度実績 |
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全体 |
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新事業人員割合 |
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採用 |
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育成 |
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(※5) |
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活躍 |
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手挙げの挑戦人数 ① |
- |
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② |
- |
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③ |
- |
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④ |
- |
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環境 |
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輩出 |
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(※1)コンサルティング、海外戦略、キャッシュレス、デジタル・システム、投資・運用、地域活性化に関する業務を担う社員の割合
(※2)チーフ職以上の社員の採用割合
(※3)研修費、研修にかかる旅費、受講費用補助、難関資格取得費用補助等
(※4)AIツールアクティブユーザー比率
(※5)オンライン講座、ビジネススクールの受講者及び難関資格に挑戦する社員
(※6)従業員向け譲渡制限付株式制度(RS)付与分を含む
(※7)社員のキャリア形成支援の一環として他部署の業務を体験する制度
(※8)当社社員が発揮している仕事の出来(パフォーマンスの状態)
(※9)出向先において、部長級以上の職位を担う人材
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの財政状態、経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクとして、以下に記載したリスクのうち(1)信用リスク及び(2)市場リスクがあげられます。
当社グループは、当該リスクについて、統計的手法であるVaRを用いて、ある確率(信頼区間99.9%)のもと一定期間(信用リスク1年間、市場リスク半年間)に被る可能性のある最大損失額(リスク量)を見積り・把握しております。
これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績・業務運営に影響を及ぼす可能性があるため、当社グループでは業務の継続性を確保する観点から、リスク量が自己資本の範囲内に収まるよう資本配賦制度(リスク量に対する資本の割り当て)を用いた業務運営を行い、経営戦略と一体となったリスク管理を実践しております。
なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であり、これらのリスク管理体制等については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。
(1)信用リスク
①不良債権の状況
景気動向、不動産価格及び株価の変動、与信先の経営状況悪化等により不良債権が増加する可能性があります。その結果、現時点の想定を上回る信用コストが発生した場合、当社グループの業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
②貸倒引当金の状況
当社グループは、与信先の状況、担保価値及び過去の貸倒実績率等に基づいて貸倒引当金を計上しております。しかしながら、与信先の経営状況の悪化、不動産価格及び株価の下落に基づく担保価値の低下等により貸倒引当金の積み増しが必要となり、当社グループの業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
③与信先への対応
当社グループは、与信先の経営状況が悪化した場合や債務不履行となった場合においても、債権回収の実施や法的権利を行使せずに、与信先の再生計画等に基づき債権放棄や金融支援等を行うことがあります。しかしながら、そうした対応、支援にもかかわらず企業再生が奏功しない場合、不良債権や与信関連費用の増加に繋がり、当社グループの業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
④権利行使の困難性
不動産市場における流動性の欠如、または不動産価格及び株価の下落等の事情により、担保権を設定した不動産等を換金し、または与信先の保有する資産に対して強制執行することが事実上できない可能性があります。この場合、信用コストが増加するとともに不良債権処理が進まない可能性があります。
(2)市場リスク
市場リスクとは、金利、為替、株式等の様々な市場のリスク・ファクターの変動により、保有する資産・負債(オフ・バランスを含む)の価値及び資産・負債から生み出される収益・費用が変動し損失を被るリスクであり、要因別に次のとおりであります。
①金利リスク
当社グループの資産及び負債には主要業務である貸出金、有価証券及び預金等があり、主たる収益源は資金運用と資金調達の利鞘収入であります。これらの資産・負債には金利や期間のミスマッチが存在しており、金利が変動することで利鞘収入の低下ないし損失を被るおそれがあり、当社グループの業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
②為替リスク
当社グループの資産及び負債の一部は外貨建てとなっております。これらの外貨建資産と負債の額が通貨毎に同額で相殺されない場合、または適切にヘッジされていない場合には、為替相場の不利な変動によって、当社グループの業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
③価格変動リスク
当社グループは、市場性のある国債等の債券や市場価格のある株式等の有価証券を保有しており、将来、それらの価格が当社グループに不利に変動した場合、当社グループの業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)オペレーショナルリスク
①事務リスク
当社グループでは、各種取引に伴う事務を各種事務規程に則り行っておりますが、故意または過失による事故が発生した場合、経済的損失や信用失墜により、当社グループの業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
②システムリスク
コンピューターシステムの停止、誤作動等が発生した場合や、コンピューターの不正使用、サイバー攻撃等により情報の破壊や流出が発生した場合、各種サービスの停止や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループではクラウドシステムに基づく基盤整備により、通常時のシステムリスク軽減に努めております。なおクラウド上の大規模障害等の場合には当社グループの業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
③情報リスク
当社グループで管理している顧客情報や経営情報の漏洩、紛失、不正利用等が発生した場合には、社会的信用の失墜等により当社グループの業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)コンプライアンスリスク
当社グループでは法令等遵守態勢の確立を経営の最重要課題として位置付け、法令等遵守態勢の充実と強化に取り組んでおりますが、法令等違反行為が発生した場合には、経済的損失や社会的信用失墜により、当社グループの業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)格付低下のリスク
当社及び子会社である株式会社北國銀行は、外部格付機関より格付を取得しております。今後、収益力、資産の質の悪化等により格付が引き下げられた場合、資金調達コストの上昇や資金調達が困難になる等、当社グループの業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)競争
近年、金融制度は大幅に緩和されてきており、競争が一段と激化しております。その結果、他金融機関等との競争により当社グループが優位性を得られない場合、当社グループの業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)自己資本比率
当社グループは、連結自己資本比率を「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第20号)に定められる国内基準以上に維持しなければなりません。また、当社の連結子会社である株式会社北國銀行も、単体自己資本比率を「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第19号)に定められる国内基準以上に維持しなければなりません。(現時点におけるこれらの国内基準は4%となっております)
当社グループの自己資本比率が要求される水準を下回った場合には、金融庁長官から、業務の全部または一部の停止等を含む様々な命令を受けることとなります。
当社グループの自己資本比率に影響を与える要因には以下のものが含まれます。
・不良債権処理費用の増加に伴う与信関係費用の増加
・有価証券ポートフォリオの価値の低下
・繰延税金資産の回収可能性判断に基づく繰延税金資産の取崩による自己資本の減少
・自己資本比率の基準及び算定方法の変更
・その他の不利益な展開
(8)退職給付債務
当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づき算出しております。年金資産の時価下落、前提条件の変更等により、退職給付費用が増加し、当社グループの業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)規制・制度変更リスク
当社グループは、現時点の規制(法律、規則、政策、実務慣行等)に従って業務を行っており、将来においてこれらの規制が変更となった場合、当社グループの業務遂行や業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)風評リスク
当社グループに対するネガティブな風評等が発生した場合、その内容の正確性に関わらず、当社グループの株価や業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)資金繰りリスク
資金繰りリスクについては、流動性リスクの一環として適切に管理しておりますが、経済的損失や社会的信用失墜により資金の調達自体が不能となる、もしくは通常より著しく不利な条件での資金調達等を余儀なくされることになった場合、当社グループの業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12)その他のリスク
①当社グループの経営戦略、事業戦略が奏功しないリスク
当社グループは2025年4月に公表した「中期経営戦略2025」に基づき、様々な経営戦略、事業戦略を実施しておりますが、各種要因によりこれらの戦略が当初想定していた結果をもたらさず、収益性が悪化した場合、当社グループの業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
②特定地域経済への依存に係るリスク
当社グループの主要な子会社である株式会社北國銀行は、石川県を主要な営業基盤としており、同地域向けの貸出の比率が総貸出金の約4分の3を占めております。貸出金や信用リスクの増減等は、石川県の景気動向に影響を受けるおそれがあり、当社グループの業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
③災害リスク
災害リスクについては、非常時に備え体制を整え、訓練を繰り返し、改善を行っており、そのリスクを適切に管理しておりますが、大規模な災害が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
④固定資産の減損会計
当社グループが保有する固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。これにより保有する固定資産に減損損失が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤持株会社のリスク
当社は銀行持株会社であるため、その収入の大部分を傘下の銀行子会社から受領する配当金等に依存しております。一定の状況下で、様々な規制上又は契約上の制限により、その金額が制限される場合があります。また、銀行子会社が十分な利益を計上することができず、当社に対して配当等を支払えない状況が生じた場合には、当社株主に対する配当の支払いが不可能となる可能性があります。
この「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」は、経営成績等(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況)に重要な影響を与えた事象や要因を経営者の視点から分析・検討したものです。なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
わが国経済は、堅調な企業業績に支えられ、緩やかな景気回復が続いています。物価高を上回る賃上げや設備投資の拡大といった前向きな動きが広がることで、内需主導の景気回復の本格化に期待が高まりますが、トランプ米大統領による経済・外交政策やそれを受けた海外経済の動向、特に自動車や中国への関税引き上げによる国内製造業への影響には注意が必要となります。
当地経済は、雇用・所得環境が持ち直す中で、北陸新幹線の敦賀延伸効果の持続なども見られることから、引き続き緩やかな景気回復の動きが続いています。住宅投資や公共工事は復旧復興関連工事などにより着実に増加している一方、人手不足が一層深刻化しており、経済成長に向けた人手確保への対応が急務となっています。
このような環境の中、当社グループの2025年3月期の連結ベースの経営成績は以下の通りとなりました。
主要勘定では、預金は、公金預金が増加し、前期末比2,051億円増加の4兆8,848億円となりました。貸出金は、事業性貸出が増加し、前期末比1,809億円増加の2兆5,994億円となりました。有価証券は前期末比3,836億円増加の1兆8,720億円となりました。
損益面におきましては、経常収益は、株式等売却益の減少により、前期比12億63百万円減少の895億76百万円となりました。経常費用は、預金利息や不良債権処理費用の増加等により前期比8億98百万円増加の772億77百万円となりました。この結果、経常利益は前期比21億62百万円減少の122億98百万円となりました。一方で、固定資産の減損損失の減少等により、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比9億34百万円減少の81億20百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次の通りとなりました。
(銀行業)
当セグメントにおきましては、経常収益は前期比19億円減少の760億38百万円、セグメント利益は前期比20億6百万円減少の118億79百万円となりました。
(リース業)
当セグメントにおきましては、経常収益は前期比7億31百万円増加の138億90百万円、セグメント利益は前期比1億22百万円減少の4億45百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、債券貸借取引受入担保金や預金の増加等により4,903億73百万円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出等により△4,129億69百万円、財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出等により△57億20百万円となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は期首に比べ716億80百万円増加の1兆6,422億36百万円となりました。
③国内業務・国際業務部門別収支
資金運用収益は、国内業務部門で423億57百万円、国際業務部門で49億91百万円、全体で472億87百万円となりました。
資金調達費用は、国内業務部門で44億42百万円、国際業務部門で54億59百万円、全体で98億40百万円となり、資金運用収支は全体で374億46百万円となりました。
また、役務取引等収支は、71億99百万円となり、その他業務収支は、△37億55百万円となりました。
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種類 |
期別 |
国内業務部門 |
国際業務部門 |
相殺消去額 (△) |
合計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
資金運用収支 |
前連結会計年度 |
33,904 |
△496 |
- |
33,407 |
|
当連結会計年度 |
37,914 |
△468 |
- |
37,446 |
|
|
うち資金運用収益 |
前連結会計年度 |
34,063 |
6,976 |
△2 |
41,042 |
|
当連結会計年度 |
42,357 |
4,991 |
62 |
47,287 |
|
|
うち資金調達費用 |
前連結会計年度 |
158 |
7,472 |
△2 |
7,634 |
|
当連結会計年度 |
4,442 |
5,459 |
62 |
9,840 |
|
|
信託報酬 |
前連結会計年度 |
0 |
- |
- |
0 |
|
当連結会計年度 |
0 |
- |
- |
0 |
|
|
役務取引等収支 |
前連結会計年度 |
6,288 |
53 |
- |
6,341 |
|
当連結会計年度 |
7,132 |
66 |
- |
7,199 |
|
|
うち役務取引等収益 |
前連結会計年度 |
9,877 |
106 |
- |
9,983 |
|
当連結会計年度 |
10,993 |
114 |
- |
11,107 |
|
|
うち役務取引等費用 |
前連結会計年度 |
3,588 |
53 |
- |
3,642 |
|
当連結会計年度 |
3,861 |
47 |
- |
3,908 |
|
|
その他業務収支 |
前連結会計年度 |
1,041 |
△11,427 |
- |
△10,385 |
|
当連結会計年度 |
△467 |
△3,287 |
- |
△3,755 |
|
|
うちその他業務収益 |
前連結会計年度 |
14,819 |
26 |
- |
14,845 |
|
当連結会計年度 |
15,194 |
1,151 |
- |
16,345 |
|
|
うちその他業務費用 |
前連結会計年度 |
13,777 |
11,453 |
- |
25,230 |
|
当連結会計年度 |
15,661 |
4,439 |
- |
20,101 |
(注)1 「国内業務部門」とは、円建諸取引に係る損益等であり、「国際業務部門」とは外貨建諸取引、円建貿易手形及び円建対非居住者諸取引(非居住者円貨証券を含む。)に係る損益等であります。なお、連結子会社は「国内業務部門」に含めております。(以下の表についても同様であります。)
2 資金運用収益及び資金調達費用の相殺消去額(△)は、「国内業務部門」と「国際業務部門」の間の資金貸借の利息であります。
3 資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度11百万円)を控除して表示しております。
④国内業務・国際業務部門別資金運用/調達の状況
資金運用勘定は、国内業務部門において平均残高で5兆3,016億円となり、利息額は423億57百万円、利回りは0.79%となりました。国際業務部門においては平均残高で1,779億66百万円となり、利息額は49億91百万円、利回りは2.80%となりました。また、資金調達勘定は、国内業務部門において平均残高で5兆1,724億円となり、利息額は44億42百万円、利回りは0.08%となりました。国際業務部門においては平均残高で1,828億53百万円となり、利息額は54億59百万円、利回りは2.98%となりました。
a.国内業務部門
|
種類 |
期別 |
平均残高 |
利息 |
利回り |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
(%) |
||
|
資金運用勘定 |
前連結会計年度 |
4,783,200 |
34,063 |
0.71% |
|
当連結会計年度 |
5,301,633 |
42,357 |
0.79% |
|
|
うち貸出金 |
前連結会計年度 |
2,435,332 |
23,152 |
0.95% |
|
当連結会計年度 |
2,421,898 |
25,871 |
1.06% |
|
|
うち商品有価証券 |
前連結会計年度 |
1 |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
4 |
0 |
0.02% |
|
|
うち有価証券 |
前連結会計年度 |
1,253,794 |
10,392 |
0.82% |
|
当連結会計年度 |
1,497,726 |
12,802 |
0.85% |
|
|
うちコールローン及び 買入手形 |
前連結会計年度 |
624,489 |
135 |
0.02% |
|
当連結会計年度 |
471,611 |
1,395 |
0.29% |
|
|
うち預け金 |
前連結会計年度 |
428,628 |
450 |
0.10% |
|
当連結会計年度 |
871,201 |
2,134 |
0.24% |
|
|
資金調達勘定 |
前連結会計年度 |
4,953,088 |
158 |
0.00% |
|
当連結会計年度 |
5,172,485 |
4,442 |
0.08% |
|
|
うち預金 |
前連結会計年度 |
4,376,850 |
79 |
0.00% |
|
当連結会計年度 |
4,623,408 |
2,294 |
0.05% |
|
|
うち譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
6,976 |
11 |
0.17% |
|
|
うちコールマネー及び 売渡手形 |
前連結会計年度 |
413,457 |
△131 |
-0.03% |
|
当連結会計年度 |
254,099 |
631 |
0.24% |
|
|
うち売現先勘定 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち債券貸借取引 受入担保金 |
前連結会計年度 |
226,050 |
23 |
0.01% |
|
当連結会計年度 |
333,387 |
813 |
0.24% |
|
|
うち借用金 |
前連結会計年度 |
8,735 |
6 |
0.07% |
|
当連結会計年度 |
6,325 |
33 |
0.52% |
(注)1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、株式会社北國銀行以外の連結子会社については、半期毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度3,185億78百万円、当連結会計年度366億84百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度135億円、当連結会計年度135億円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度11百万円)をそれぞれ控除して表示しております。
b.国際業務部門
|
種類 |
期別 |
平均残高 |
利息 |
利回り |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
(%) |
||
|
資金運用勘定 |
前連結会計年度 |
241,081 |
6,976 |
2.89% |
|
当連結会計年度 |
177,966 |
4,991 |
2.80% |
|
|
うち貸出金 |
前連結会計年度 |
27,420 |
1,552 |
5.66% |
|
当連結会計年度 |
15,380 |
804 |
5.23% |
|
|
うち商品有価証券 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち有価証券 |
前連結会計年度 |
203,354 |
5,204 |
2.55% |
|
当連結会計年度 |
156,816 |
4,161 |
2.65% |
|
|
うちコールローン及び 買入手形 |
前連結会計年度 |
2 |
0 |
5.65% |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち預け金 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
資金調達勘定 |
前連結会計年度 |
232,505 |
7,472 |
3.21% |
|
当連結会計年度 |
182,853 |
5,459 |
2.98% |
|
|
うち預金 |
前連結会計年度 |
8,263 |
82 |
0.99% |
|
当連結会計年度 |
7,986 |
69 |
0.87% |
|
|
うち譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うちコールマネー及び 売渡手形 |
前連結会計年度 |
39,013 |
2,174 |
5.57% |
|
当連結会計年度 |
17,784 |
923 |
5.19% |
|
|
うち売現先勘定 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち債券貸借取引 受入担保金 |
前連結会計年度 |
105,929 |
5,212 |
4.92% |
|
当連結会計年度 |
97,344 |
4,584 |
4.70% |
|
|
うち借用金 |
前連結会計年度 |
97 |
6 |
6.28% |
|
当連結会計年度 |
55 |
3 |
5.66% |
(注)1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しております。
2 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度43百万円、当連結会計年度27百万円)を控除して表示しております。
c.合計
|
種類 |
期別 |
平均残高(百万円) |
利息(百万円) |
利回り (%) |
||||
|
小計 |
相殺 消去額 (△) |
合計 |
小計 |
相殺 消去額 (△) |
合計 |
|||
|
資金運用勘定 |
前連結会計年度 |
5,024,281 |
- |
5,024,281 |
41,039 |
△2 |
41,042 |
0.81% |
|
当連結会計年度 |
5,479,600 |
- |
5,479,600 |
47,349 |
62 |
47,287 |
0.86% |
|
|
うち貸出金 |
前連結会計年度 |
2,462,752 |
- |
2,462,752 |
24,705 |
- |
24,705 |
1.00% |
|
当連結会計年度 |
2,437,278 |
- |
2,437,278 |
26,676 |
- |
26,676 |
1.09% |
|
|
うち商品有価証券 |
前連結会計年度 |
1 |
- |
1 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
4 |
- |
4 |
0 |
- |
0 |
0.02% |
|
|
うち有価証券 |
前連結会計年度 |
1,457,149 |
- |
1,457,149 |
15,596 |
- |
15,596 |
1.07% |
|
当連結会計年度 |
1,654,543 |
- |
1,654,543 |
16,964 |
- |
16,964 |
1.02% |
|
|
うちコールローン 及び買入手形 |
前連結会計年度 |
624,491 |
- |
624,491 |
135 |
- |
135 |
0.02% |
|
当連結会計年度 |
471,611 |
- |
471,611 |
1,395 |
- |
1,395 |
0.29% |
|
|
うち預け金 |
前連結会計年度 |
428,628 |
- |
428,628 |
450 |
- |
450 |
0.10% |
|
当連結会計年度 |
871,201 |
- |
871,201 |
2,134 |
- |
2,134 |
0.24% |
|
|
資金調達勘定 |
前連結会計年度 |
5,185,593 |
- |
5,185,593 |
7,631 |
△2 |
7,634 |
0.14% |
|
当連結会計年度 |
5,355,338 |
- |
5,355,338 |
9,902 |
62 |
9,840 |
0.18% |
|
|
うち預金 |
前連結会計年度 |
4,385,113 |
- |
4,385,113 |
162 |
- |
162 |
0.00% |
|
当連結会計年度 |
4,631,394 |
- |
4,631,394 |
2,364 |
- |
2,364 |
0.05% |
|
|
うち譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
6,976 |
- |
6,976 |
11 |
- |
11 |
0.16% |
|
|
うちコールマネー 及び売渡手形 |
前連結会計年度 |
452,470 |
- |
452,470 |
2,042 |
- |
2,042 |
0.45% |
|
当連結会計年度 |
271,884 |
- |
271,884 |
1,555 |
- |
1,555 |
0.57% |
|
|
うち売現先勘定 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
|
うち債券貸借取引 受入担保金 |
前連結会計年度 |
331,979 |
- |
331,979 |
5,236 |
- |
5,236 |
1.57% |
|
当連結会計年度 |
430,731 |
- |
430,731 |
5,398 |
- |
5,398 |
1.25% |
|
|
うち借用金 |
前連結会計年度 |
8,832 |
- |
8,832 |
12 |
- |
12 |
0.14% |
|
当連結会計年度 |
6,381 |
- |
6,381 |
36 |
- |
36 |
0.57% |
|
(注)1 資金運用勘定及び資金調達勘定の相殺消去額(△)は、「国内業務部門」と「国際業務部門」の間の資金貸借の利息であります。
2 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度3,186億21百万円、当連結会計年度367億12百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度135億円、当連結会計年度135億円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度11百万円)をそれぞれ控除して表示しております。
⑤国内業務・国際業務部門別役務取引の状況
全体で、役務取引等収益が111億7百万円、役務取引等費用が39億8百万円となりました。
|
種類 |
期別 |
国内業務部門 |
国際業務部門 |
合計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
役務取引等収益 |
前連結会計年度 |
9,877 |
106 |
9,983 |
|
当連結会計年度 |
10,993 |
114 |
11,107 |
|
|
うち預金・貸出業務 |
前連結会計年度 |
1,692 |
- |
1,692 |
|
当連結会計年度 |
1,715 |
- |
1,715 |
|
|
うち為替業務 |
前連結会計年度 |
2,025 |
98 |
2,124 |
|
当連結会計年度 |
2,109 |
104 |
2,214 |
|
|
うち信託関連業務 |
前連結会計年度 |
50 |
- |
50 |
|
当連結会計年度 |
49 |
- |
49 |
|
|
うち証券関連業務 |
前連結会計年度 |
728 |
- |
728 |
|
当連結会計年度 |
747 |
- |
747 |
|
|
うち代理業務 |
前連結会計年度 |
230 |
- |
230 |
|
当連結会計年度 |
233 |
- |
233 |
|
|
うち保証業務 |
前連結会計年度 |
261 |
- |
261 |
|
当連結会計年度 |
274 |
9 |
283 |
|
|
役務取引等費用 |
前連結会計年度 |
3,588 |
53 |
3,642 |
|
当連結会計年度 |
3,861 |
47 |
3,908 |
|
|
うち為替業務 |
前連結会計年度 |
279 |
53 |
332 |
|
当連結会計年度 |
361 |
47 |
408 |
⑥国内業務・国際業務部門別残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
|
種類 |
期別 |
国内業務部門 |
国際業務部門 |
合計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
預金合計 |
前連結会計年度 |
4,672,578 |
7,115 |
4,679,694 |
|
当連結会計年度 |
4,876,599 |
8,210 |
4,884,810 |
|
|
うち流動性預金 |
前連結会計年度 |
3,209,928 |
- |
3,209,928 |
|
当連結会計年度 |
3,474,820 |
- |
3,474,820 |
|
|
うち定期預金 |
前連結会計年度 |
1,219,205 |
- |
1,219,205 |
|
当連結会計年度 |
1,193,840 |
- |
1,193,840 |
|
|
うちその他 |
前連結会計年度 |
243,444 |
7,115 |
250,560 |
|
当連結会計年度 |
207,939 |
8,210 |
216,149 |
(注)流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金
⑦国内業務・国際業務部門別貸出金残高の状況
a.業種別貸出状況(末残・構成比)
|
業種別 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
国内(除く特別国際金融取引勘定分) |
2,418,522 |
100.00 |
2,599,491 |
100.00 |
|
製造業 |
308,164 |
12.75 |
329,861 |
12.69 |
|
農業,林業 |
5,866 |
0.25 |
5,790 |
0.22 |
|
漁業 |
796 |
0.03 |
365 |
0.01 |
|
鉱業,採石業,砂利採取業 |
814 |
0.03 |
640 |
0.03 |
|
建設業 |
118,272 |
4.89 |
103,205 |
3.97 |
|
電気・ガス・熱供給・水道業 |
30,740 |
1.27 |
33,231 |
1.28 |
|
情報通信業 |
11,813 |
0.48 |
19,062 |
0.73 |
|
運輸業,郵便業 |
40,343 |
1.67 |
47,448 |
1.83 |
|
卸売業,小売業 |
209,911 |
8.68 |
191,735 |
7.38 |
|
金融業,保険業 |
13,466 |
0.56 |
47,943 |
1.84 |
|
不動産業,物品賃貸業 |
149,492 |
6.18 |
196,066 |
7.54 |
|
各種サービス業 |
313,299 |
12.95 |
283,866 |
10.92 |
|
地方公共団体 |
292,959 |
12.11 |
393,951 |
15.16 |
|
その他 |
922,581 |
38.15 |
946,322 |
36.40 |
|
海外及び特別国際金融取引勘定分 |
- |
- |
- |
- |
|
合計 |
2,418,522 |
- |
2,599,491 |
- |
(注) 国内には国内業務・国際業務部門の貸出金残高を含んでおります。
b.外国政府等向け債権残高(国別)
該当事項はありません。
⑧国内業務・国際業務部門別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
|
種類 |
期別 |
国内業務部門 |
国際業務部門 |
合計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
国債 |
前連結会計年度 |
233,819 |
- |
233,819 |
|
当連結会計年度 |
551,229 |
- |
551,229 |
|
|
地方債 |
前連結会計年度 |
371,537 |
- |
371,537 |
|
当連結会計年度 |
428,083 |
- |
428,083 |
|
|
短期社債 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
社債 |
前連結会計年度 |
160,954 |
- |
160,954 |
|
当連結会計年度 |
188,448 |
- |
188,448 |
|
|
株式 |
前連結会計年度 |
137,497 |
- |
137,497 |
|
当連結会計年度 |
127,296 |
- |
127,296 |
|
|
その他の証券 |
前連結会計年度 |
424,049 |
160,600 |
584,650 |
|
当連結会計年度 |
430,263 |
146,749 |
577,013 |
|
|
合計 |
前連結会計年度 |
1,327,858 |
160,600 |
1,488,459 |
|
当連結会計年度 |
1,725,321 |
146,749 |
1,872,071 |
(注) 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
⑨「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況
連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は株式会社北國銀行1社であります。
○ 信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表)
|
資産 |
||||
|
科目 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
銀行勘定貸 |
167 |
100.00 |
136 |
100.00 |
|
合計 |
167 |
100.00 |
136 |
100.00 |
|
負債 |
||||
|
科目 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
金銭信託 |
167 |
100.00 |
136 |
100.00 |
|
合計 |
167 |
100.00 |
136 |
100.00 |
○ 元本補填契約のある信託の運用/受入状況(末残)
|
科目 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||||
|
金銭信託 (百万円) |
貸付信託 (百万円) |
合計 (百万円) |
金銭信託 (百万円) |
貸付信託 (百万円) |
合計 (百万円) |
|
|
銀行勘定貸 |
167 |
- |
167 |
136 |
- |
136 |
|
資産計 |
167 |
- |
167 |
136 |
- |
136 |
|
元本 |
167 |
- |
167 |
136 |
- |
136 |
|
負債計 |
167 |
- |
167 |
136 |
- |
136 |
(自己資本比率等の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースで算出しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては、2024年3月31日は基礎的手法を、2025年3月31日は標準的計測手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準) (単位:億円、%)
|
|
2024年3月31日 |
2025年3月31日 |
|
1.連結自己資本比率(2/3) |
10.37% |
9.85% |
|
2.連結における自己資本の額 |
2,208 |
2,179 |
|
3.リスク・アセットの額 |
21,292 |
22,102 |
|
4.連結総所要自己資本額 |
851 |
884 |
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当社の連結子会社である株式会社北國銀行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返等の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
株式会社北國銀行(単体)の資産の査定の額
|
債権の区分 |
2024年3月31日 |
2025年3月31日 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
|
|
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 |
298 |
287 |
|
危険債権 |
335 |
414 |
|
要管理債権 |
49 |
53 |
|
正常債権 |
27,786 |
32,486 |
生産、受注及び販売の実績
「生産、受注及び販売の実績」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって重要な会計上の見積りの変更はありません。なお、当社が財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下の通りであります。
・貸倒引当金の計上
当社グループの貸出金、支払承諾見返等の債権の残高は多額であり、経営成績等に対する影響が大きいため、会計上の見積りにおいて重要なものと判断しております。
当社グループにおける貸倒引当金の計上基準については「第5 経理の状況 1(1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
当社の経営者は、債権の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、貸倒引当金は十分計上され、債権が回収可能な額として計上されていると判断しております。ただし、債権の評価には経営者が管理不能な不確実性が含まれております。このため、予測不能な前提条件の変化等により債権の評価が変動する可能性があり、この場合には、将来連結子会社が貸倒引当金を増額又は減額する可能性があります。
債務者区分の判定に当たっては、与信先の財務情報、将来見込情報、融資契約条件、取引履歴、その他の定性情報等の情報に基づき、これらを総合的に勘案した判断を行っておりますが、これらのうち、特に将来の業績改善を見込んだ経営改善計画や今後の経営改善計画の策定見込みなどの債務者に係る将来見込については、一定の仮定を置いて判断しております。
経営改善計画等の合理性及び実現可能性は、与信先を取り巻く経営環境の変化や与信先の事業戦略の成否、与信先に対する支援方針によって影響を受ける可能性があります。
当該仮定のもと現時点で入手可能な情報により債務者区分を判定し、貸倒引当金の見積りを行っております。
・繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しており、会計上の見積りにおいて重要なものと判断しております。
当社の経営者は、繰延税金資産の計上にあたって用いた会計上の見積りは合理的であると判断しております。ただし、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
・固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しており、会計上の見積りにおいて重要なものと判断しております。
当社の経営者は、固定資産の減損処理にあたって用いた会計上の見積りは合理的であると判断しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
・退職給付債務
退職給付債務は、主に数理計算で設定される前提条件に基づいて計算しています。前提条件には、割引率、死亡率、一時金選択率、予想昇給率、退職率などの要素が含まれております。
当社グループの退職給付に係る会計処理の方法については「第5 経理の状況 1(1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
当社の経営者は、退職給付債務の計算にあたって用いた会計上の見積りは合理的であると判断しております。ただし、前提条件に変動が生じ退職給付債務が増加した場合、その影響は累積され将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループを取り巻く経営環境は、日銀の金融政策修正による金利上昇の兆しや、物価上昇、米国の新政権による関税政策の変化などにより経済の不確実性が高まっている状況です。加えて生成AIやフィンテック技術の急激な加速に伴い、異業種の金融サービスへの参入やフィンテック企業が台頭したことで地方銀行の競争環境は一段と厳しくなっています。
地域経済の活性化や高齢化対策など地域課題への対応が求められ、お客さまの価値観も多様化する中で、銀行の枠を超え北陸地域だけでなく首都圏や海外への展開・発信を強化することで、未来を構想し、挑戦し、創造するビジョナリーリージョンを実現していきます。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「3 事業等のリスク」に記載のリスクが挙げられます。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、銀行業の特性上自己資本比率規制を意識した資本の財源管理を行い、地域のお客さまよりお預かりした預金を財源に、地域の中小企業向け貸出を中心に運用しております。ALM管理による適切な運用調達を行うことで、安全性を保つことを目標としております。なお、自己資本比率(国内基準)は連結ベースで9.85%となっております。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
連結キャッシュ・フロー計算書の状況を以下の通り分析しております。営業活動によるキャッシュ・フローは、債券貸借取引受入担保金や預金の増加等により4,903億73百万円増加、投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出等により4,129億69百万円減少、財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出等により57億20百万円減少、現金及び現金同等物の期末残高は期初に比べ716億80百万円増加の1兆6,422億36百万円となりました。
資本の財源及び資金の流動性については以下の通りであります。当面の設備投資、成長分野への投資ならびに株主還元等は主に自己資金で対応する予定であります。
また、当社グループは正確な資金繰りの把握及び資金繰りの安定に努めるとともに、適切なリスク管理体制の構築を図っております。貸出金や有価証券の運用については、大部分を顧客からの預金にて調達するとともに、必要に応じて外貨建てを中心にコールマネー等により資金調達を行っております。なお、資金の流動性の状況等については定期的にグループ戦略会議に報告しております。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)当連結会計年度の経営成績の分析
|
|
前連結会計年度 (百万円)(A) |
当連結会計年度 (百万円)(B) |
増減(百万円) (B)-(A) |
|
資金運用収支 ① |
33,407 |
37,446 |
4,038 |
|
資金運用収益 |
41,042 |
47,287 |
6,244 |
|
資金調達費用 |
7,634 |
9,840 |
2,206 |
|
信託報酬 ② |
0 |
0 |
0 |
|
役務取引等収支 ③ |
6,341 |
7,199 |
857 |
|
役務取引等収益 |
9,983 |
11,107 |
1,123 |
|
役務取引等費用 |
3,642 |
3,908 |
265 |
|
その他業務収支 ④ |
△10,385 |
△3,755 |
6,629 |
|
その他業務収益 |
14,845 |
16,345 |
1,500 |
|
その他業務費用 |
25,230 |
20,101 |
△5,129 |
|
連結業務粗利益(=①+②+③+④) ⑤(注) |
29,365 |
40,891 |
11,526 |
|
営業経費 ⑥ |
33,764 |
34,274 |
510 |
|
貸倒償却引当等費用 ⑦ |
4,619 |
6,076 |
1,456 |
|
一般貸倒引当金繰入額 |
△711 |
△3,664 |
△2,952 |
|
個別貸倒引当金繰入額 |
3,983 |
9,672 |
5,689 |
|
貸出金償却 |
1,237 |
59 |
△1,178 |
|
債権売却損他 |
110 |
8 |
△102 |
|
償却債権取立益 ⑧ |
370 |
419 |
49 |
|
株式等関係損益 ⑨ |
22,597 |
11,121 |
△11,476 |
|
その他 ⑩(注) |
512 |
217 |
△295 |
|
経常利益(=⑤-⑥-⑦+⑧+⑨+⑩)⑪ |
14,461 |
12,298 |
△2,162 |
|
特別損益 ⑫ |
△1,599 |
△660 |
938 |
|
特別利益 |
121 |
17 |
△103 |
|
特別損失 |
1,720 |
677 |
△1,042 |
|
税金等調整前当期純利益(=⑪+⑫) ⑬ |
12,862 |
11,638 |
△1,223 |
|
法人税、住民税及び事業税 ⑭ |
3,587 |
3,510 |
△76 |
|
法人税等調整額 ⑮ |
△826 |
△311 |
514 |
|
法人税等合計(=⑭+⑮) ⑯ |
2,761 |
3,199 |
438 |
|
当期純利益(=⑬-⑯)⑰ |
10,100 |
8,438 |
△1,662 |
|
非支配株主に帰属する当期純利益 ⑱ |
1,045 |
317 |
△727 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益(=⑰-⑱) |
9,055 |
8,120 |
△934 |
(注) 連結業務粗利益=(資金運用収益-資金調達費用)+信託報酬+(役務取引等収益-役務取引等費用)+(その他業務収益-その他業務費用)
なお、資金調達費用から金銭の信託運用見合費用を控除しており、該当分を「その他」に含めています。
ア 連結業務粗利益(資金運用収支+信託報酬+役務取引等収支+その他業務収支)
・資金運用収支
資金運用収益は、貸出金利息の増加等により、前期比62億44百万円増加し、資金調達費用については預金利息の増加等により、前期比22億6百万円増加となり、結果として、資金運用収支は前期比40億38百万円増加の374億46百万円となりました。
・役務取引等収支
役務取引等収益は、コンサルティング手数料の増加等により、前期比11億23百万円増加し、役務取引等費用は、カード関連手数料の増加等により、前期比265百万円増加となり、結果として、役務取引等収支は前期比8億57百万円増加の71億99百万円となりました。
・その他業務収支
国債等債券売却損の減少等により、その他業務収支は前期比66億29百万円増加の△37億55百万円となりました。
イ 経常利益
・営業経費
物件費の増加等により、営業経費は前期比5億10百万円増加し、342億74百万円となりました。
・貸倒償却引当等費用
個別貸倒引当金繰入が増加したことなどにより、貸倒償却引当等費用は、前期比14億56百万円増加の、60億76百万円となりました。
・株式等関係損益
株式等売却益の減少等により、株式等関係損益は前期比114億76百万円減少の、111億21百万円となりました。
その他、償却債権取立益が前期比49百万円増加し、4億19百万円となりました。結果、経常利益は前期比21億62百万円減少の122億98百万円となりました。
ウ 特別損益及び当期純利益
・特別損益
特別利益は、前期比1億3百万円減少しました。また、特別損失は、前期比10億42百万円減少しました。結果として、特別損益は前期比9億38百万円増加の△6億60百万円となりました。
また、法人税等合計は、前期比4億38百万円増加しました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比9億34百万円減少の81億20百万円となりました。
(2)当連結会計年度の財政状態の分析
ア 預金等
|
|
前連結会計年度 (億円)A |
当連結会計年度 (億円)B |
増減(億円) (B)-(A) |
|
預金等(末残) |
46,796 |
48,848 |
2,051 |
|
うち個人預金 |
29,519 |
30,075 |
555 |
預金等は、公金預金が順調に推移し、前期末比2,051億円増加の4兆8,848億円となりました。
イ 貸出金
|
|
前連結会計年度 (億円)A |
当連結会計年度 (億円)B |
増減(億円) (B)-(A) |
|
貸出金(末残) |
24,185 |
25,994 |
1,809 |
|
うち住宅ローン |
9,609 |
9,281 |
△328 |
貸出金は、事業性貸出の増加を主因に、前期末比1,809億円増加の2兆5,994億円となりました。
ウ 連結リスク管理債権
|
|
前連結会計年度 (億円)A |
当連結会計年度 (億円)B |
増減(億円) (B)-(A) |
|
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 |
306 |
295 |
△11 |
|
危険債権 |
337 |
418 |
81 |
|
三月以上延滞債権額 |
11 |
10 |
△0 |
|
貸出条件緩和債権額 |
39 |
43 |
3 |
|
合 計 |
694 |
767 |
72 |
連結リスク管理債権は、前期末比72億円増加し、767億円となりました。
エ 有価証券
|
|
前連結会計年度 (億円)A |
当連結会計年度 (億円)B |
増減(億円) (B)-(A) |
|
有価証券(末残) |
14,884 |
18,720 |
3,836 |
|
国債 |
2,338 |
5,512 |
3,174 |
|
地方債 |
3,715 |
4,280 |
565 |
|
社債 |
1,609 |
1,884 |
274 |
|
株式 |
1,374 |
1,273 |
△102 |
|
その他の証券 |
5,846 |
5,770 |
△76 |
有価証券については、国債の増加を主因に、前期末比3,836億円増加し、1兆8,720億円となりました。
なお、投資信託はその他の証券に含まれております。
(3)当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析
|
|
前連結会計年度 (億円)(A) |
当連結会計年度 (億円)(B) |
増減(億円) (B)-(A) |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
1,836 |
4,903 |
3,067 |
|
うち貸出金の純増(△)減 |
1,050 |
△1,809 |
△2,860 |
|
うち預金の純増減(△) |
3,188 |
2,051 |
△1,137 |
|
うちコールローン等の純増(△)減 |
△249 |
140 |
389 |
|
うちコールマネー等の純増減(△) |
△1,088 |
1,363 |
2,452 |
|
うち債券貸借取引受入担保金の純増減(△) |
△423 |
2,806 |
3,229 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
514 |
△4,129 |
△4,643 |
|
うち有価証券の取得による支出 |
△3,007 |
△5,978 |
△2,970 |
|
うち有価証券の売却による収入 |
2,550 |
1,296 |
△1,253 |
|
うち有価証券の償還による収入 |
916 |
519 |
△397 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△125 |
△57 |
68 |
|
うち配当金の支払額 |
△25 |
△26 |
△0 |
|
うち自己株式の取得による支出 |
△99 |
△30 |
69 |
ア 営業活動によるキャッシュ・フロー
債券貸借取引受入担保金の増加等により、前期比3,067億円増加の4,903億円となりました。
イ 投資活動によるキャッシュ・フロー
有価証券の取得による支出の増加等により、前期比4,643億円減少の△4,129億円となりました。
ウ 財務活動によるキャッシュ・フロー
自己株式の取得による支出の減少等により、前期比68億円増加の△57億円となりました。
該当事項はありません。
該当事項はありません。