当社及び連結子会社(以下「当社グループ」という。)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、グループ経営理念を以下のとおりとし、グループの総合力を発揮するなか、お客さまや地域の課題解決に取り組むことで、地域の持続的な成長に貢献してまいります。
〔グループ経営理念〕
「グループ経営理念」は、株式会社十六銀行の基本理念を受け継ぎ、十六フィナンシャルグループにおける基本的な精神として、全役職員の活動のよりどころとするものであり、「私たちの使命」、「私たちのめざす姿」、「私たちの価値観」で構成しております。また、これを実践していくための役職員の具体的な行動を「私たちの行動基軸」としております。

(2) 中長期的な経営戦略
当社グループは、2023年4月からグループ経営の羅針盤となる「長期ビジョン」(10年間)と、長期ビジョンの前半5か年を計画期間とする「第2次中期経営計画」をスタートさせております。
① 長期ビジョン「16Vision-10」(2023年4月~2033年3月)
10年後のなりたい姿である長期ビジョンのテーマは、「一歩先を行き、いつも地域の力になる」としております。140年超の歴史を有する株式会社十六銀行が培った、広く深い顧客基盤や日々集積する情報、張り巡らされた人的ネットワークを活用するとともに、事業領域の拡大等への環境完備を強みとして、常に一歩先を行き、いつも地域の力になる地域総合金融サービスグループを目指してまいります。

〔長期ビジョンで大切にする価値観〕
当社グループでは、長期ビジョンの実現に向け、「お客さま」や「役職員」への在り方につきまして、以下のとおり定めております。全役職員がこの価値観を大切にし、共有するなか、私たちが生まれ育ったこの地域で、キラリと輝く人や企業を育ててまいります。

② 第2次中期経営計画(2023年4月~2028年3月)
長期ビジョンの前半5か年を計画期間とする第2次中期経営計画を「1st stage」とし、10年後のなりたい姿からバックキャストで描いた「トランスフォーメーション戦略」「ヒューマンイノベーション戦略」「マーケットインアプローチ戦略」「地域プロデュース戦略」の4つの基本戦略を全社的な取組みとして推進していくことで長期ビジョンの実現を目指してまいります。

〔長期ビジョン実現に向けた変革〕
長期ビジョンを実現させるためには、従来からの既成概念に捉われず、新たな発想でトランスフォーメーションを巻き起こしていく必要があり、『C~E』のXを軸とする7つのトランスフォーメーションにより、サステナビリティを実現させてまいります。

(3) 目標とする経営指標
① 長期ビジョン:2023年4月~2033年3月(10年間)
当社は、長期ビジョンの実現に向けて、社会課題の解決と、企業としての持続的な成長や企業価値向上を両立していく方針であります。
付加価値の向上や効率化の推進により、預貸金や為替といったコアビジネスの真価を発揮しつつ、事業領域の拡大や新規事業への挑戦により、総合金融サービス機能をフル活用するなかで、成長分野での収益拡大を目指してまいります。

② 第2次中期経営計画:2023年4月~2028年3月(5年間)
長期ビジョンの前半5か年を計画期間とする第2次中期経営計画におきましては、「総合金融サービスグループ」として、グループシナジーを最大限に発揮するなか、収益性・効率性・健全性の向上をはかり、着実な利益成長と強固な財務基盤を目指してまいります。

③ 第2次中期経営計画の達成状況
第2次中期経営計画の2年目である2024年度におきましては、連結当期純利益について、2027年度の200億円以上の目標に対し208億円、連結ROEについて、5%以上の目標に対し4.81%、連結修正OHRについて、50%台の目標に対し58.17%、連結自己資本比率について、11%以上の目標に対して11.23%の実績となりました。
4つの基本戦略のもと、グループの収益性・効率性・健全性は向上しており、第2次中期経営計画は順調に進捗しております。
<計数目標2027年度>
(4) 対処すべき課題
雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、国内景気は緩やかな回復基調が続くと見込まれております。一方で、継続的な物価上昇や深刻な人手不足により、先行きには依然として不透明感が漂っております。また、米国の通商政策をめぐる動きが世界経済に急激な変化をもたらし、不確実性を一層高める要因となっております。
加えて、地域経済は、人口減少や超高齢社会の進展と産業構造の変化や事業承継・後継者問題を背景とする企業数の減少により、将来的な市場規模の縮小が懸念されております。
こうした環境のなか、当社グループは、2023年4月からグループ経営の羅針盤となる「長期ビジョン」(10年間)と、長期ビジョンの前半5か年を計画期間とする「第2次中期経営計画」をスタートさせております。
長期ビジョンのテーマは、「一歩先を行き、いつも地域の力になる」としており、いかなる環境変化にも備えられるよう変革を進めてまいりました。「異業種との連携」や「新会社の設立」により築き上げてきた幅広い事業領域を強みとして、地域にとって大切なテーマでお客さまの一歩先を行き、地域でリーダーシップを発揮していける存在を目指しております。
創立150周年の節目である2027年10月まで残り3年余りとなりました。この3年間で「ホップ・ステップ・ジャンプ!」する成長イメージを描き、大きな飛躍を実現してまいります。そして、2025年度は、力強い第一歩「ホップ」を踏み出します。グループ一丸となって、全社員が力強い一歩を踏み出すチャレンジングな1年としてまいります。
新時代を拓く「地域総合金融サービスグループ」へと進化するために、当社グループは、グループ経営理念に掲げる、「お客さま・地域の成長と豊かさの実現」を果たしつつ、企業価値の向上をはかることで、お客さま、株主のみなさまをはじめとする全てのステークホルダーの方々のご期待にお応えしてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1) サステナビリティ
当社グループでは、サステナビリティを巡る取組みについての基本的な方針として「サステナビリティ方針」を策定しています。
また、「サステナビリティ方針」のもと、環境、社会、ガバナンスの分野における行動指針として、各種方針を定めています。
サステナビリティに関する主な方針

① ガバナンス
当社グループでは、「サステナビリティ方針」で公表しているとおり、サステナビリティへの取組みを重要な経営課題と認識しています。また、「十六フィナンシャルグループSDGs宣言」では、「地域経済の活性化」「地域社会の持続的発展」「環境保全と気候変動対策」「多様な人材の活躍推進」「ガバナンスの高度化」を重点課題(マテリアリティ)としています。
② 戦略
多様化・複雑化する環境・社会課題を解決し、「お客さま・地域の成長と豊かさの実現」に貢献することが、金融機関としての大きな役割であり、当社グループにとっての重要な戦略となります。
「十六フィナンシャルグループSDGs宣言」では、当社グループの経営理念、事業内容、地域特性等を考慮し、5つの重点課題(マテリアリティ)を設定しています。また、これらの重点課題に取り組むため、ビジネス、マネジメントの両面から特に注力すべき取組施策を定め、当社グループ全体で取り組んでいます。

③ リスク管理
当社グループは、サステナビリティ関連の機会とリスクを、ビジネス、環境、D&Iなどの観点から認識し、サステナビリティ会議にて審議しています。サステナビリティ関連のリスクを低減しつつ、ビジネス機会を創出することで、当社グループの企業価値向上に努めています。
また、当社グループでは、経営に重大な影響をもたらす可能性があるリスクをトップリスクと位置付けています。トップリスクについては、蓋然性及び影響度の観点から、今後約1年以内に事業戦略に支障をきたし収益力を低下させるなど、財政状態、経営成績に重大な影響をもたらす可能性があるリスクを、取締役会にて選定します。2025年3月の取締役会においては、「気候変動に関するリスク」「自然災害リスク」を含む10のトップリスクを選定しています。気候変動に関するリスク管理については、「(2)気候変動 ③リスク管理」において後述します。
④ 指標と目標
当社グループは、サステナビリティへの取組みを一層強化していくために、5つの重点課題(マテリアリティ)に対して、10項目の「サステナビリティKPI」を設定しています。「サステナビリティKPI」の進捗状況については、サステナビリティ会議にてモニタリングし、その結果を取組みに反映しています。

(2) 気候変動
気候変動に伴う自然災害や異常気象は経済活動に様々な影響を及ぼし、取引先が実施する気候変動対策は取引先の企業価値を左右する重要な要素となるとともに、その対応次第では当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
こうしたなか、当社グループはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明し、同提言が開示を推奨する枠組みに基づく情報開示に取り組んでいます。
① ガバナンス
気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティのガバナンスに組み込まれています。詳細については「(1)サステナビリティ ①ガバナンス」をご参照ください。
② 戦略
(気候変動に伴う機会とリスク)
当社グループでは「短期」「中期」「長期」の時間軸を設定し、気候変動に伴うリスクと機会を分析しています。シナリオ分析結果等を活用し、脱炭素社会に向かうお客さまをサポートする能動的な対話(エンゲージメント)の実施や、グリーンファイナンス、サステナブルファイナンス、トランジションファイナンス等の金融支援により、事業機会の創出やリスク低減につなげていきます。
※ 「短期」:5年程度、「中期」:10年程度、「長期」:30年程度
(気候変動に伴うビジネス機会への対応)
脱炭素社会への移行に伴い、お客さまの資金需要の拡大や事業再編、新たな金融商品・サービスの需要増加が見込まれ、当社グループにとってはビジネス機会が増えています。当社グループは、金融・非金融機能を活用した様々なファイナンスやソリューションの提供に積極的に取り組み、お客さまの課題解決に努めます。
◇環境課題解決へのファイナンス
お客さまの脱炭素経営や環境配慮への取組みに向けた資金調達に対応するため、ファイナンス商品のラインナップを充実させて、提供しています。
◇地域企業の脱炭素化支援
お客さまの脱炭素経営を支援するため、各種コンサルティングサービスを順次開発し、ラインナップを充実させています。
GHG排出量の可視化、削減目標の設定を実施する脱炭素コンサルティングは、2021年8月の取扱開始以降、352社に提供しています。また、そのうち6割以上の企業が当社グループのサポートにより、中小企業版SBTの認定を取得しています。
(気候変動に伴うリスクの事例)
当社グループは、気候変動リスクを4つのカテゴリーに整理しています。気候変動から生じる物理的リスク及び移行リスクについては、以下のような事例が想定されます。
(シナリオ分析)
気候変動に関するリスクが当社グループに及ぼす影響を把握するため、「物理的リスク」「移行リスク」についてシナリオ分析を実施しています。
◇物理的リスク
雨が多い日本では、毎年大雨による河川の氾濫などにより、水害が発生しています。また、近年は、局地的に短時間で激しい雨が降るゲリラ豪雨が増加傾向にあり、当社グループの営業エリアにおいても大きな被害が発生しています。
物理的リスクでは、気候変動による大規模洪水の発生頻度の上昇を想定し、「RCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)」を前提に、岐阜県・愛知県内において、気候変動に起因する大規模水害が発生した場合の与信関係費用への影響を試算したところ、約66億円の増加が見込まれるという結果となりました。
◇移行リスク
与信エクスポージャーが大きいセクターやTCFD提言が定義する炭素関連セクター等を対象に定性的な分析を行った結果、当社グループにおいて移行リスクの影響が大きいセクターとして「電力セクター」「自動車セクター」を選定しました。
移行リスクでは、「RCP2.6シナリオ(2℃シナリオ)」「NZEシナリオ(1.5℃シナリオ)」を前提に、炭素税の導入など脱炭素社会への移行に伴う費用増加や売上高減少、市場の将来動向などを勘案のうえ、与信関係費用への影響を試算したところ、約22億円の増加が見込まれるという結果となりました。
※ IPCC (Intergovernmental Panel on Climate Change) : 気候変動に関する政府間パネル
※ IEA (International Energy Agency) : 国際エネルギー機関
分析結果は、一定の前提条件のもとに試算しています。今回の分析範囲においては、当社グループの財務への影響は限定的なものとなりましたが、引き続きシナリオ分析の高度化に努めていきます。
(炭素関連資産)
2025年3月末の株式会社十六銀行の貸出残高に占める炭素関連資産の割合は以下のとおりです。
※ 貸出残高=貸出金、外国為替、支払承諾等の合計
※ エネルギーセクターは、水道事業、再生可能エネルギー発電事業を除く
③ リスク管理
(リスクの特定・評価プロセス)
当社グループでは、経営に重大な影響をもたらす可能性があるリスクをトップリスクと位置付けています。トップリスクについては、蓋然性及び影響度の観点から、今後約1年以内に事業戦略に支障をきたし収益力を低下させるなど、財政状態、経営成績に重大な影響をもたらす可能性があるリスクを、取締役会にて選定します。2025年3月の取締役会においては、「気候変動に関するリスク」「自然災害リスク」を含む10のトップリスクを選定しています。異常気象・自然災害の増加や、気候変動対策における国際的機運の高まりを踏まえてふまえて選定したものであり、これらのリスクへの対応の遅れ等による貸出先の業績悪化やビジネスモデルの陳腐化をリスクシナリオとした予兆管理やリスクコントロール策を講じています。
(リスクの管理プロセス)
当社グループでは、統合的リスク管理の枠組みを整備しており、グループ全体の金融リスクを「信用リスク」「市場リスク」「流動性リスク」「オペレーショナル・リスク」に分類のうえ、管理しています。気候変動リスクや自然災害リスクについては、金融リスクのリスクドライバーであるとの考えのもと、信用リスクやオペレーショナル・リスクなどのリスク管理の枠組みで管理しています。
また、収益、リスク、資本を有機的に結合し、一体管理を通じて企業価値の向上を目指す観点から、リスクアペタイト・フレームワーク(RAF)を導入しています。気候変動リスク、自然災害リスクについては、モニタリング指標を「サステナブルファイナンス年間実行額」と定め、持続可能な社会の実現に向けた取組みについて、適切な管理に努めています。
(投融資方針の策定)
当社グループでは、「持続可能な社会の形成に向けた投融資方針」を定めています。気候変動リスクの低減や生物多様性の保全など環境・社会的課題に向けポジティブな影響を及ぼす取組みへの投融資に積極的に取り組む一方で、重大なリスクまたはネガティブな影響を与える可能性のある投融資は禁止または慎重に対応することを定めています。また、気候変動、生物多様性・自然資本の損失、人権課題には相互関係があり、これらの課題に対して統合的に取組みを進めるべきであると認識しています。
◇基本方針
1 環境・社会的課題解決に向けポジティブな影響を及ぼす投融資
環境・社会的課題解決に向けポジティブな影響を及ぼす、以下の投融資については積極的に取り組みます。
(1) 再生可能エネルギーや省エネルギーなど気候変動リスクの低減に資する取組み
(2) 水資源や森林資源の保護など生物多様性の保全に資する取組み
(3) 創業、イノベーション創出、事業承継など地域経済の持続的発展に資する取組み
(4) 高齢化、少子化等の課題に対応する医療、福祉、教育の充実に資する取組み
2 環境・社会に対する重大なリスクまたはネガティブな影響を与える可能性のある投融資
環境・社会に対する重大なリスクまたはネガティブな影響を与える可能性がある投融資については以下の方針とします。
(1) セクター横断的に禁止する投融資
(2) 特定セクターに対する取組方針
④ 指標と目標
(GHG排出量実績)
当社グループでは、自社のGHG排出量(Scope1,2)に加え、サプライチェーンにおける排出量(Scope3)についても算定しています。
2024年度 GHG排出量実績(速報値)
※ Scope3カテゴリ15投融資の内訳は、後述の「(投融資先のGHG排出量(Scope3カテゴリ15)の削減目標と実績)」に記載
(当社グループのGHG排出量(Scope1,2)の削減目標と実績)
当社グループのエネルギー使用に伴って発生するGHG排出量(Scope1,2)について、2030年度までにカーボンニュートラルを達成することを目標とし、脱炭素社会の実現に向けて取り組みます。
当社グループのGHG排出量(Scope1,2)

2024年度のGHG排出量は、2013年度比77.2%の削減となりました。店舗照明のLED化や高性能な空調設備への更新などの省エネ施策を実施したほか、CO2フリー電気の導入を拡大し、再エネ比率の向上にも努めました。CO2フリー電気は、2021年11月より株式会社十六銀行本店ビル、2023年10月より同行電算センター・事務センタービル、2024年6月より同行岐阜県87店舗等に導入しています。また、環境価値の地産地消を目的に、岐阜県内の水力発電により創出されたFIT非化石証書3,000MWhを購入し、1,263t-CO2をオフセットしました。引き続き、CO2フリー電気の導入拡大や環境配慮型店舗の導入、営業車両のHV・EV化等を検討のうえ、GHG排出量削減に向けて取り組みます。
なお、2021年度から2023年度までの実績については、数値の信頼性を確保するため、独立した第三者の保証を取得しています。
(投融資先のGHG排出量(Scope3カテゴリ15)の削減目標と実績)
金融機関のGHG排出量においては、投融資を通じた間接的な排出(Scope3カテゴリ15)が大きな割合を占めるため、これらの算定、モニタリング、削減への取組みを進めることが重要となります。当社グループでは、PCAFスタンダードの算定手法を活用し、保有有価証券(国内上場株式・社債)及び事業性融資(国内法人向け融資)を対象として投融資先のGHG排出量を算定しています。引き続き算定対象範囲の拡大や算定精度の向上に努めるとともに、算定結果を活用して投融資先の脱炭素に向けた取組みを支援し、投融資先のGHG排出量について2050年度までにカーボンニュートラルを達成することを目指します。
なお、PCAF算定基準の変更や投融資先のGHG排出量の開示拡大等により、今後の算定結果が大きく変化する可能性があります。
投融資先のGHG排出量(Scope3カテゴリ15)(速報値)
(t-CO2)
(サステナブルファイナンス実行額目標)
当社グループでは、お客さまの環境課題の解決に向けた取組みを本業を通じて支援し、脱炭素社会の実現に貢献するため、サステナブルファイナンスの実行額について以下の目標を設定しています。
※サステナブルファイナンス:持続可能な社会の実現に資するSDGs・ESGへの取組みに向けた投融資等
※環境分野:環境への負荷を軽減する取組みに向けた投融資等
(3) 人的資本
① ガバナンス
人材の採用や育成及び人員配置など、人的資本経営にかかる各種施策については、取締役社長を議長とし、取締役副社長、取締役専務執行役員及び取締役常務執行役員を構成員とするグループ経営会議での審議を経て決定しております。
② 戦略
当社グループは、グループ経営理念において、私たちの価値観(value)のひとつとして「多様性と受容(Diversity & Inclusion)」を掲げております。これを受け、2023年度から2027年度を計画期間とする第2次中期経営計画では「ヒューマンイノベーション戦略」を掲げ、長期ビジョンである「一歩先を行き、いつも地域の力になる」の実現を目指し、以下の方針のもと、人材の価値を最大限に引き出すとともに、役職員一人ひとりが自立的に活躍できる組織環境を整備しております。
●人材育成方針
当社グループでは、お客さまや地域の成長と豊かさ、サステナビリティ、長期ビジョン「一歩先を行き、いつも地域の力になる」の実現のため、能力を最大限に発揮し、お客さまとの信頼関係を構築でき、グループの各種戦略を積極的にチャレンジできる人材の育成に努めてまいります。

●社内環境整備方針
当社グループでは、グループ経営で最も重要な人材の育成を中心に、役職員のモチベーションアップやスキル向上に資する取組みを実行し、役職員一人ひとりが自立的に活躍できる組織環境を整備してまいります。

●経営戦略と人事戦略の融合
<長期ビジョンの実現に向けた人材戦略>
グループ経営理念の追求及び長期ビジョンへの到達には、職員一人ひとりがサステナビリティ方針や第2次中期経営計画において展開される戦略及び施策に対応できるスキルの定着を目指すとともに、その職員一人ひとりの成長に向けて適切に環境を整備し提供していくことで、人材の価値の最大化をはかっていく必要があります。
IT・DXについては、情報処理安全確保支援士や応用情報技術者試験、基本情報技術者試験などの上位デジタル資格・試験の合格者及びITデジタル関連業務の6か月以上経験者を「IT・DX人材」と定義し、戦略を支える人材ポートフォリオとして、2030年度末に300名の目標を掲げて育成しております。(2024年度末現在238名)
また、地域企業の脱炭素経営を支援するため、炭素会計アドバイザー資格3級の合格者数を2025年度末に600名とする目標を掲げ、2024年度末において417名が合格し、カーボンニュートラルナビゲーター(脱炭素経営コンサルティング)の契約件数352件(2024年度末までの累計)に繋げております。
このほか、地域企業の経営承継の課題解決に貢献するための知識習得として、2024年度末において金融業務2級 事業承継・M&Aコースに1,198名が合格しております。経営承継・M&A分野にて、より高度な専門性を有する職員の育成に取り組むことで、2023年7月に株式会社日本M&Aセンターホールディングスとの合弁会社として設立したNOBUNAGAサクセション株式会社とともに、経営承継コンサルティング件数の増加に繋げております。
<重要ポジション人材の育成と登用>
2023年度より導入した「エキスパート制度」には、2024年度中に23名の応募があり、新たに10名をエキスパートに任命しております。エキスパートに任命した職員は22名となり、本人の同意なく他部署への異動を行わず、専門性を重視した評価を行うことで、経営戦略の実現を担う重要ポスト人材の育成をはかっております。
●チャレンジングな組織風土の醸成
<グループ全体における人的リソースの最適化>
2023年4月に株式会社十六銀行に籍を置く全職員が、持株会社である当社に転籍し、当社を起点として連結子会社への人的リソースの最適配分や、職員の個性を活かした配置を進めております。また、グループ会社間での昇進・昇格を伴うクロス人事も実施しており、人材交流を通じた新たな経験による成長とグループ連携の一層の強化を進めております。
<新人事制度の浸透>
2023年4月からは、新たな人事制度をスタートしております。職員が「マイビジョン(私のめざす姿)」を表明し、グループ経営理念と重ね合わせるなかで、実現したいこと、チャレンジしたいことをコミットする「マイビジョン・コミット」や、職員の趣味、特技、資格、地域貢献活動、仕事から離れた特性などを評価する「ダイバーシティレビュー」など、新たな評価制度を通じて、職員の自立性、独自性、独立性に基づくサステナブルな成長を促すとともに、多様性を引き出し、職員一人ひとりが地域の生活者として豊かな人生を実現することを目指しております。
<キャリア選択機会の提供>
各種業務への社内公募を行うキャリアチャレンジ制度には、2024年度は延べ86名から応募が寄せられました。職員が自身の「マイビジョン(私のめざす姿)」をイメージし、自分らしく成長できる機会を提供することで、今後も意欲的でチャレンジングな職員の成長を後押ししてまいります。
●適切な人的資本投資
<自立的な成長支援>
長年に亘って続いてきた金融緩和政策が歴史的転換点を迎えるなど、急速に変化する環境に柔軟に対応し、持続的な成長を目指していくためには、過去に得た知見や経験だけでは物事に対処することは困難であり、知識のアップデートや学び直し(リスキリング)など、職員一人ひとりの主体的かつ継続的な学びが重要となります。
こうしたなか、当社グループでは職員に対し、階層別・業務別に多様な研修カリキュラムを提供しております。階層別研修では、新入社員に対する入社後3か月間の研修のほか、入社後2年間を育成期間と位置づけた「新入社員基礎力養成研修」「新任役席者研修」や「新任管理職研修」、新任支店長や新任マネージャーを対象とした「マネジメント研修」を実施しております。また、業務別研修では、「融資業務研修」や「預り資産営業研修」に加え、「対話力やソリューション営業力の強化に向けた研修」を実施しております。さらに、サクセッションプランの一環として、次代を担うミドルマネージャーを育成するために当社のエグゼクティブ・アドバイザーである一條和生IMD教授を講師に招き、全29名の受講のもと「リトリート・ワークショップ2024」を開催いたしました。
これらの研修を実施した結果、2024年度の研修費用は76,966千円、研修時間(延べ)は89,066時間となりました。
また、職員の積極的な自己啓発を支援するために「自己啓発資格取得奨励金制度」を設け、指定する資格・検定試験に合格した場合に奨励金を支給しており、2024年度の「自己啓発資格取得奨励金制度」の利用件数は418件、合計奨励金額は6,098千円となりました。なお、2025年4月には、新たに4つの資格を制度の対象に加えるなど、多様なチャレンジを後押ししております。
<能力と職務に応じた給与体系と賃上げ>
2023年4月にスタートした新人事制度では、年齢ではなく、能力と職務に応じた処遇を実現する給与体系を構築いたしました。また、2025年7月には、3年連続のベースアップを実施し、定期昇給と合わせ、平均4.4%の賃上げを実施いたします。シニア層について重点的な配分を行うとともに、2026年4月には初任給を月額28万円に引き上げるなど、優秀かつ多様な人材の確保に努めております。
●人材・働き方の多様性確保
<新卒採用の強化>
優秀かつ多様な人材の確保を目的に、新卒採用活動においては、多様なバックグラウンドを持つ学生との接点を強化しております。これにより、2025年度入社につきましては、計画どおり、地域、学部、専攻分野など、多様な属性を持つ人材を2009年度以来となる150名採用いたしました。
<女性の活躍支援>
当社グループでは、職員一人ひとりが性別にかかわらず多様な活躍ができるよう、リスキリングの機会充実に努めております。また、女性管理職の育成を目指す「次世代リーダー研修」や「女性管理職向け融資業務研修」など、女性の活躍推進に向けた研修を継続的に実施しております。こうした取組みの結果、2024年度末時点の女性管理職比率は11.2%となりました。
<仕事と生活の両立支援>
当社グループでは、職員が仕事と生活の調和をはかりながら能力を十分に発揮できるよう、両立支援制度の拡充に取り組んでおります。
2023年4月より、育児短時間勤務と育児時間外勤務免除の期間を子が小学校3年生を修了するまでに拡充しました。加えて、育児短時間勤務の勤務時間を6時間または7時間とし、始業時刻から終業時刻の範囲内で柔軟な勤務を可能とした結果、2024年度の利用者数は117名となりました。このほか、職員の0歳から小学校就学前までの子供を保育する企業内保育施設「じゅうろくスマイルルーム」を2016年より運営しており、2024年度は15名の職員が利用しております。また、2017年4月に導入した配偶者出産休暇(3日間の特別休暇)の取得は社内で定着しており、2024年度の男性の育児休業取得率(7日以上)は95.4%となりました。現在は、男性職員による長期の育児関連休暇・休業の取得促進にも注力しております。
さらに、仕事と生活の両立・有給休暇取得促進のため導入されている半日年次有給休暇の活用や、休暇が取得しやすい職場づくりを通して有給休暇取得率の向上に努めており、2024年度の取得率は59.6%となりました。
<外部連携・人材交流による多様性の確保>
当社グループは、人的資本経営における多様性の確保が持続的な成長に不可欠であるとの認識のもと、多様なバックグラウンドや知見を持つ人材の活躍を推進するため、外部との連携を通じた積極的な人材交流を行っております。
具体的には、協業先であるソフトバンク株式会社からの人材受入れ(2024年度末6名)及び当社からの人材派遣(2024年度末2名)をはじめ、業務提携先である株式会社りそなホールディングス(2024年度末1名)、STATION Ai株式会社(2024年度末1名)、東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社(2024年度末2名)への人材派遣を実施しております。加えて、東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社、株式会社電算システムホールディングス、株式会社日本M&Aセンターホールディングスとの合弁によるグループ会社運営を通じた連携など、多様な形態での人材交流により、組織内に幅広い視点や専門性を取り込み、当社グループ全体の多様性の確保に繋げております。
<設備環境>
設備面では、職員全員に業務用スマートフォンを貸与し、場所を問わず円滑なコミュニケーションが可能となる環境を整備しております。また、2023年9月からの「Google Workspace」導入により、ファイルの共同編集、グループチャット、オンライン会議、カレンダー共有などをスムーズに行うことができる環境を整え、効率的なデジタルコミュニケーションを実現しております。さらに、2025年4月より、Google版生成AIモデルである「Gemini」の利用を開始し、より一層の業務効率化と生産性向上を推進しております。
<エンゲージメントサーベイの実施>
当社グループは、人的資本を経営の重要な基盤と位置づけ、職員のエンゲージメント向上を推進しております。その施策の一つとして、エンゲージメントサーベイを2024年7月(第1回)と2025年2月(第2回)に実施いたしました。これらのサーベイ結果に基づき、引き続き当社グループ全体の持続的な成長を支える職場環境の構築に注力していくことで、職員がより高い働きがいを実感できるよう努めてまいります。(2025年度以降は毎年1回実施予定)
(注) 株式会社リクルートのサーベイ「Geppo」を利用し、職員エンゲージメントを調査しております。調査結果から、組織や環境、エンゲージメントに関する現状分析を行い、組織改善のための施策に繋げております。
③ リスク管理
当社グループでは、財政状態、経営成績に重大な影響をもたらす可能性があるトップリスクの一つとして「人的・コンプライアンスリスク」を選定しております。
具体的には、地域総合金融サービス業として相応しい知識とコンプライアンス意識を持った人材が確保できないこと、人材の過度な流出、不適切な行為による当社グループの企業価値低下といった事象が、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響をもたらす可能性があると認識しております。
当社グループでは、人材確保のために新卒採用を中心とした採用活動に注力するとともに、人材育成や処遇の向上、多様で柔軟な働き方や社内DXの推進を通じて定着を支援しております。また、健全な企業文化を醸成するため、コンプライアンス研修の継続・徹底、倫理方針の遵守徹底、内部通報制度の周知などに努めております。
さらに、当社グループでは、グループ経営理念に掲げる「お客さま・地域の成長と豊かさの実現」に向けて人権の尊重が重要な経営課題であると認識し、「人権方針」を制定しております。ハラスメント行為の禁止や時間外労働の低減、役職員一人ひとりに対する人権啓発研修等の実施などを行動指針として、事業活動における人権尊重の取組みを推進しております。
〔人材育成の5つの柱〕

④ 指標と目標
<指標の内容並びに指標を用いた目標及び実績>
(注) 1 IT・DX人材とは、情報処理安全確保支援士や応用情報技術者試験、基本情報技術者試験などの上位デジタル資格・試験の合格者及びIT・デジタル関連業務の6か月以上経験者としております。
2 社内の育児目的休暇を含む育児休業等を7日以上取得した者の人数により算出しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社グループでは、蓋然性及び影響度の観点から「今後約1年以内に、事業戦略に支障をきたし収益力を低下させるなど、財政状態、経営成績に重大な影響をもたらす可能性があるリスク事象」をトップリスクとして選定し、あらかじめ必要な対策を講じてリスクを制御するとともに、リスクが顕在化した場合にも機動的に対応可能とする管理に努めています。
2025年3月の取締役会にて選定したトップリスクは以下のとおりです。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、上記トップリスクに係る分析を踏まえ、株主・投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、株主・投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項は、株主・投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
自然災害の激甚化、深刻な感染症の流行やサイバー攻撃などの外的要因によるリスクへの対応としてそれぞれにリスク事案を想定した業務継続計画を策定し、重要な業務を維持すべき水準において提供し続けるために、外部環境の変化に合わせ計画内容の見直し及び初動対応訓練を適宜実施しておりますが、不測の事態が発生した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があり、さらには社会的評価の低下を招く可能性があります。
信用リスクとは、与信先の財務状況の悪化等により、資産の価値が減少ないし消失し、当社グループが損失を被るリスクをいいます。その主な内容及び対応は以下のとおりであります。
市場リスクとは、金利、為替及び株式等の様々な市場のリスク・ファクターの変動により、資産及び負債の価値が変動し損失を被るリスク並びに資産及び負債から生み出される収益が変動し損失を被るリスクをいいます。その主な内容及び対応は以下のとおりであります。
流動性リスクとは、資金の運用と調達に絡み正常な取引を履行できないリスクをいいます。その主な内容及び対応は以下のとおりであります。
当社は、連結自己資本比率を「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第20号)に定められた国内基準である4%以上に維持しなければなりません。また、株式会社十六銀行は、連結自己資本比率及び単体自己資本比率を「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)に定められた国内基準である4%以上に維持しなければなりません。これらの自己資本比率が基準である4%を下回った場合には、金融庁長官から、業務の全部または一部の停止等を含む様々な命令を受けることとなります。
本項に記載した様々なリスク要因の不利益な展開に伴い自己資本が毀損した場合、自己資本比率の基準及び算定方法が変更された場合には、連結・単体の自己資本比率に悪影響を及ぼす可能性があります。
オペレーショナル・リスクとは、業務の過程、役職員等の活動もしくはシステムが不適切であること、または外生的な事象(自然災害や外部からの不正等)により損失を被るリスクをいいます。その主な内容及び対応は以下のとおりであります。
現時点の会計基準に基づき、将来実現すると見込まれる税務上の便益を繰延税金資産として計上しておりますが、繰延税金資産が会計上の判断または何らかの制約により減額された場合には、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
固定資産の減損に係る会計基準または適用指針が変更された場合、あるいは保有する固定資産に損失が発生した場合には、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
退職給付債務及び退職給付費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件が変更された場合、または実際の年金資産の時価が下落した場合には、未積立退職給付債務が増加することにより、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは事業活動を遂行していくうえで、顧客情報を大量に保有しているため、情報管理に関する規程及び体制の整備、役職員等一人ひとりに対する教育の徹底をはかっておりますが、当社グループの役職員等が正確な事務を怠る、あるいは不正等を起こすことにより、外部への漏洩や紛失、改竄及び災害による消失等を招いた場合には、取引先からの損害賠償請求など直接的な損害や、風評上に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、外部委託先が委託業務の遂行に支障をきたす事態となった場合、顧客情報の漏洩等があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、外部委託する対象業務には銀行基幹システムにかかる運用・保守も含まれ、委託先のデータセンター等で何らかの障害が発生した場合には、銀行業務の運営に支障をきたし、その程度によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
キャッシュカードの盗難や振り込め詐欺をはじめとする金融犯罪が多発している現状を踏まえ、当社グループは、セキュリティ強化をはかっております。しかしながら、金融犯罪の高度化等により、被害を受けた取引先への補償や、未然防止対策に係る費用が必要となる場合には、当社グループの経費負担が増大し、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
現在特に記載すべき事項はありませんが、今後の事業活動の過程で訴訟等を提起される可能性があります。
当社及び株式会社十六銀行は外部格付機関から格付を取得しておりますが、仮に格付が引き下げられた場合には、当社グループの資本及び資金調達における条件が悪化し、収益性の低下から経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、現時点での規制(法律、政策、実務慣行を含む)に従って業務を遂行しておりますが、将来におけるこれらの規制の新設・変更・廃止によって生じる事態が、業務の遂行、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は銀行持株会社であり、当社の収入の大部分は子会社である株式会社十六銀行から受領する配当金等に依存しております。一定の状況下では、様々な規制上または契約上の制限により、この金額が制限される場合があります。また、株式会社十六銀行が十分な利益を計上することができず、当社に対して配当金等を支払えない等の状況が生じた場合には、当社は株主に対する配当の支払いができない可能性があります。
(5) その他の重要なリスク
① ビジネス戦略が奏功しないリスク
当社グループは、経営計画に基づく様々なビジネス戦略を実施しておりますが、各種施策は必ずしも奏功するとは限らず、以下のような要因が生じた場合など、当初想定した成果をもたらさない場合は、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
・日本銀行の政策金利引き上げ等に伴う預金の調達コストの上昇により、貸出における利鞘が改善しないこと
・手数料収入が想定とかい離すること
・効率化等各種変革の効果が想定とかい離すること
・出資・資本提携等の効果が想定とかい離し、のれん等の無形固定資産の価値が毀損すること
② 競争に関するリスク
当社グループは岐阜県及び愛知県を主な営業基盤としていますが、当該営業基盤における他金融機関との競争に加え、金融制度の大幅な規制緩和等により、AIやブロックチェーン等のデジタル技術の進展をもとにした他業種からの金融業界への参入が相次いでおり、競争が一段と激化してきております。その結果、当社グループの競争力が相対的に低下し、業務の遂行及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 業務範囲の拡大に伴うリスク
当社グループは、地域金融機関を取り巻く環境の変化に対応するため、2021年10月1日に持株会社体制へ移行し、規制緩和に対応した新規事業への参入など、事業領域を拡大することで、経営成績の維持、向上に取り組んでおりますが、新たな事業領域におけるリスクが、想定を上回る、または想定していなかったものであった場合には、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度のわが国経済は、マイナス金利の解除や物価上昇などデフレからの脱却を実現しつつ、緩やかな回復基調を維持しました。企業部門においては、価格転嫁の進展などにより収益が堅調に推移し、脱炭素化や自動化・DX化への設備投資が幅広い分野で進みました。鉱工業生産は弱含みの業種がみられたものの、インバウンド需要は好調を維持しました。家計部門においては、高水準の賃上げが継続し、雇用・所得環境が改善するなかで、個人消費も底堅く推移しました。海外では、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化などの地政学リスクが引き続き意識されていますが、世界経済は、インフレの沈静化とそれに伴う金融緩和期待が高まるなかで推移しました。また、日本銀行の政策変更と米国の金利動向を背景に、夏場に1ドル160円を超えた為替相場はその後一転急速な円高に転じ、年末にかけては再び円安方向へ向かうなど激しい乱高下を見せました。
一方で2024年7月には、日経平均株価がバブル後の最高値を更新したことに加え、年末の終値も過去最高値を更新しました。直近では、2025年1月に就任した米国トランプ大統領の保護主義的な政策により、世界経済の不確実性が高まっています。日本銀行が2024年3月にマイナス金利政策を終了し、段階的に政策金利を引き上げるなど、日本は長らく続いた超低金利の状況から脱し、「金利のある世界」へ回帰しつつあります。
当社グループの主要な営業基盤である岐阜・愛知両県におきましても、大手自動車メーカーの一部車種の生産停止があったものの、設備投資は堅調に推移し、輸送用機械を中心に生産や輸出が増加しました。さらに、インバウンド需要の増加により、飲食や観光などのサービス業が復調するなど、地域経済全体としては緩やかな回復が続きました。
こうした状況のなか、当連結会計年度の連結業績は、次のとおりとなりました。
当連結会計年度末の連結財政状態につきましては、総資産は前連結会計年度末比599億97百万円増加の7兆5,954億77百万円となり、負債は前連結会計年度末比879億11百万円増加の7兆1,719億27百万円となりました。また、純資産は前連結会計年度末比279億14百万円減少の4,235億50百万円となりました。
主要な勘定残高につきましては、預金等(譲渡性預金含む)は前連結会計年度末比338億64百万円減少の6兆3,678億70百万円、貸出金は前連結会計年度末比1,655億33百万円増加の5兆39億47百万円、有価証券は前連結会計年度末比1,662億83百万円減少の1兆3,070億46百万円となりました。
<経営成績>
当連結会計年度の連結経営成績につきましては、経常収益は、資金運用収益および株式等売却益が増加したことなどから、前連結会計年度比74億66百万円増加の1,363億1百万円、経常費用は、資金調達費用が増加したことなどから、前連結会計年度比41億35百万円増加の1,050億62百万円となりました。この結果、経常利益は前連結会計年度比33億30百万円増加の312億38百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比15億22百万円増加の208億40百万円となりました。
報告セグメントの損益状況につきましては、銀行業におきましては、経常収益は前連結会計年度比56億19百万円増加の1,008億92百万円、経常費用は前連結会計年度比33億10百万円増加の720億54百万円となり、セグメント利益(経常利益)は前連結会計年度比23億8百万円増加の288億37百万円となりました。
リース業におきましては、経常収益は前連結会計年度比10億96百万円増加の284億44百万円、経常費用は前連結会計年度比7億48百万円増加の276億36百万円となり、セグメント利益(経常利益)は前連結会計年度比3億47百万円増加の8億7百万円となりました。
金融商品取引業、クレジットカード業等のその他におきましては、経常収益は前連結会計年度比28億28百万円増加の181億34百万円、経常費用は前連結会計年度比4億9百万円増加の94億28百万円となり、セグメント利益(経常利益)は前連結会計年度比24億19百万円増加の87億6百万円となりました。
〔キャッシュ・フローの状況〕
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、借用金の増加などにより28億76百万円の収入(前連結会計年度は1,567億68百万円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却などにより1,078億34百万円の収入(前連結会計年度は706億57百万円の収入)となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払などにより89億12百万円の支出(前連結会計年度は65億43百万円の支出)となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、当連結会計年度中に1,017億97百万円増加し1兆700億66百万円となりました。
資金運用収支は前連結会計年度比15億22百万円増加の544億16百万円、役務取引等収支は前連結会計年度比10億80百万円減少の175億11百万円、その他業務収支は前連結会計年度比17億19百万円増加の△106億74百万円となりました。
(注) 1 「国内業務部門」とは、当社及び連結子会社の円建取引であります。
「国際業務部門」とは、連結子会社の外貨建取引(含むユーロ円建取引)であります。
ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 「相殺消去額」は、国内業務部門と国際業務部門との間における取引額等であります。
3 国内業務部門の資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度-百万円、当連結会計年度4百万円)を控除して表示しております。
資金運用勘定の平均残高は前連結会計年度比4,066億56百万円増加の7兆1,105億98百万円となり、資金運用利回りは前連結会計年度比0.01ポイント上昇の0.89%となりました。資金調達勘定の平均残高は前連結会計年度比215億63百万円増加の6兆9,903億85百万円となり、資金調達利回りは前連結会計年度比0.04ポイント上昇の0.13%となりました。
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、当社及び株式会社十六銀行以外の連結子会社については、月末毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 「国内業務部門」とは、当社及び連結子会社の円建取引であります。
ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
3 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度439,287百万円、当連結会計年度63,061百万円)を、資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度7,000百万円、当連結会計年度7,000百万円)及び利息(前連結会計年度-百万円、当連結会計年度4百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、株式会社十六銀行以外の連結子会社については、月末毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 「国際業務部門」とは、連結子会社の外貨建取引(含むユーロ円建取引)であります。
ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
3 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度33百万円、当連結会計年度31百万円)を控除して表示しております。
(注) 1 「相殺消去額」は、国内業務部門と国際業務部門との間における取引額であります。
2 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度439,321百万円、当連結会計年度63,092百万円)を、資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度7,000百万円、当連結会計年度7,000百万円)及び利息(前連結会計年度-百万円、当連結会計年度4百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
役務取引等収益は前連結会計年度比6億17百万円減少の241億10百万円となり、役務取引等費用は前連結会計年度比4億64百万円増加の65億99百万円となりました。
(注) 1 「国内業務部門」とは、当社及び連結子会社の円建取引であります。
「国際業務部門」とは、連結子会社の外貨建取引(含むユーロ円建取引)であります。
ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 「相殺消去額」は、国内業務部門と国際業務部門との間における取引額であります。
○ 預金の種類別残高(末残)
(注) 1 「国内業務部門」とは、連結子会社の円建取引であります。
「国際業務部門」とは、連結子会社の外貨建取引(含むユーロ円建取引)であります。
ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 「相殺消去額」は、国内業務部門と国際業務部門との間における取引額であります。
3 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
4 定期性預金=定期預金
(注) 「国内」とは、連結子会社であります。
該当事項はありません。
○ 有価証券残高(末残)
(注) 1 「国内業務部門」とは、当社及び連結子会社の円建取引であります。
「国際業務部門」とは、連結子会社の外貨建取引(含むユーロ円建取引)であります。
ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 「相殺消去額」は、国内業務部門と国際業務部門との間における取引額であります。
3 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は株式会社十六銀行1社です。
(注) 共同信託他社管理財産については、前連結会計年度及び当連結会計年度の取扱残高はありません。
(ロ) 元本補填契約のある信託の運用/受入状況(末残)
(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用し、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては2024年3月31日は粗利益配分手法、2025年3月31日は標準的計測手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、株式会社十六銀行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
株式会社十六銀行(単体)の資産の査定の額
(生産、受注及び販売の状況)
「生産、受注及び販売の状況」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の業績は次のとおりであります。
〔連結損益状況〕
(注) 1 連結コア業務粗利益=資金利益+役務取引等利益+その他業務利益(除く国債等債券損益)
2 連結コア業務純益=連結コア業務粗利益-経費(除く臨時処理分)
3 連結実質業務純益=連結コア業務純益+国債等債券損益
〔連結コア業務純益〕
連結コア業務粗利益は、資金利益、その他業務利益(除く国債等債券損益)が増加したことなどから、前連結会計年度比34億77百万円増加の768億53百万円となりました。
資金利益は、貸出金利息が増加したことなどから、前連結会計年度比15億22百万円増加の544億16百万円となりました。
役務取引等利益は、クレジットカード業務、証券関連業務が堅調に推移しましたが、住宅ローンの団信保険料やローン保証料などの支払手数料の増加により、前連結会計年度比10億82百万円減少の175億13百万円となりました。
その他業務利益(除く国債等債券損益)は、資金調達コストが減少したことなどから、前連結会計年度比30億35百万円増加の49億22百万円となりました。
また、経費(除く臨時処理分)は、ベアの実施や戦略的なDX投資の実施などにより物件費が増加したことなどから、前連結会計年度比5億31百万円増加の447億7百万円となりました。
これらの結果、連結コア業務純益は前連結会計年度比29億45百万円増加の321億45百万円となりました。
〔経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益〕
国債等債券損益は、円債の入替えオペレーションを実施したことなどから、前連結会計年度比13億17百万円減少の△155億97百万円となりました。
与信関係費用は前連結会計年度比12億28百万円増加の21億45百万円となりました。
また、株式等関係損益は、引き続き政策投資株式の売却を進めたことから、前連結会計年度比25億20百万円増加の158億51百万円となりました。
これらの結果、経常利益は前連結会計年度比33億30百万円増加の312億38百万円となりました。
特別損益は、退職給付信託の一部返還を実施したことによる特別利益を計上したこと、16FGオフィス&パーク移転に先立ち関連会社本部ビルの減損損失を計上したことなどにより、前連結会計年度比5億9百万円減少の△6億15百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比15億22百万円増加の208億40百万円となりました。
② 財政状態の分析
〔預金等(譲渡性預金を含む)〕
預金等残高(末残)につきましては前連結会計年度末比338億64百万円減少の6兆3,678億70百万円となりましたが、預金等残高(平残)では前連結会計年度比649億95百万円増加の6兆3,720億55百万円となりました。
(注) 「法人預金その他」とは、法人預金、公金預金、金融機関預金の合計であります。
〔貸出金〕
貸出金残高(末残)につきましては、地域のお客さまの資金繰り相談などに積極的にお応えしたことや、住宅ローンを中心とした個人ローンの取組みなどにより、前連結会計年度末比1,655億33百万円増加の5兆39億47百万円となりました。
〔有価証券〕
有価証券残高(末残)につきましては、市場環境の変化に柔軟に対応しつつ、リスクとリターンのバランスが保たれるポートフォリオを構築し、中長期的に総合損益の拡大を目指すという基本方針のもと、適切な運用に努めた結果、前連結会計年度末比1,662億83百万円減少の1兆3,070億46百万円となりました。
(注) 「その他」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
〔不良債権〕
当連結会計年度末の銀行法及び金融機能の再生のための緊急措置に関する法律に基づく債権額は、危険債権が減少したことなどにより、前連結会計年度末比47億12百万円減少の608億68百万円となりました。
銀行法及び金融機能の再生のための緊急措置に関する法律に基づく債権
〔連結自己資本比率(国内基準)〕
当連結会計年度末の連結自己資本比率は、内部留保の蓄積などから自己資本が増加したことなどにより、前連結会計年度末比0.42ポイント上昇の11.23%となりました。
キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「(キャッシュ・フローの状況)」における記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、成長分野への投資・新規事業への参入をはじめ、設備投資や株主還元等の支出については、自己資金での対応を基本としております。また、貸出金や有価証券での運用については、顧客からの預金にて大部分を調達するとともに、必要に応じて、日銀借入金等により調達を行っております。
なお、重要な資本的支出の予定及びその資金の調達方法等については、「第3 設備の状況」中、「3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
〔貸倒引当金〕
連結子会社の貸倒引当金は、予め定めている償却・引当基準に則り、債務者区分に応じて必要と認める額を以下のとおり計上しております。
貸倒引当金の計上方法は、「第5 経理の状況」中、「1連結財務諸表等」の「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項 (5) 貸倒引当金の計上基準」に記載しております。
また、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況」中、「1連結財務諸表等」の「(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社の経営者は、貸倒引当金の計上にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、貸倒引当金は適切に計上されていると判断しております。
⑤ 目標とする経営指標についての分析
目標とする経営指標についての分析につきましては、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。