当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、物価高による消費の抑制が続いている中、能登半島地震や自動車認証不正問題等の影響もあり、景気回復は足踏み状態にあります。設備投資は、一部自動車メーカーの生産・出荷停止の影響があるものの、海外の半導体関連企業等が対日投資を発表するなど、底堅い状況は続いています。
一方、米国経済は、消費や設備投資の増加による景気の拡大が続いており、ドル高円安の要因となっています。金融引締め策実施下においてのインフレ率上昇により、利下げ時期が遅れるとの観測が強まるなど、早期における円安是正は期待薄であるといった見方が優勢となっています。中国経済は、政策効果によって景気は下支えされていますが、不動産業における市況低迷の長期化は、景気回復のペースを緩やかにしています。
また、当社グループに関係が深い統計指数は、次のようになっています。
機械工具関連では、工作機械受注が1-3月期で内需は前年同期比14.7%減、外需は同5.4%減となったものの、前の期と比べるとマイナス幅は縮小しました。鉱工業生産は、1月、2月の工場稼働停止などの影響を受けて自動車工業等が低下し、3月は上昇したものの1-3月期は前年同期比4.5%減となりました。
建設関連では、建築着工床面積が3月まで5ヶ月連続で減少しており、1-3月期は前年同期比10.8%減となりましたが、非居住用は3ヶ月ぶりに増加しました。新設住宅着工戸数は10ヶ月連続の減少となり1-3月期は前年同期比9.6%減となりました。
a.財政状態
(総資産)
当第1四半期連結会計期間末の流動資産は81,595百万円、固定資産は38,121百万円であり、その結果、資産合計は119,717百万円と前連結会計年度末比625百万円の減少となりました。主な増加要因は、有形固定資産の増加998百万円、投資その他の資産の増加1,002百万円、主な減少要因は、現金及び預金の減少1,024百万円、受取手形及び売掛金の減少922百万円、電子記録債権の減少930百万円です。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末の流動負債は44,700百万円、固定負債は2,655百万円であり、その結果、負債合計は47,355百万円と前連結会計年度末比267百万円の減少となりました。主な増加要因は、支払手形及び買掛金の増加981百万円、主な減少要因は電子記録債務の減少925百万円、短期借入金の減少467百万円です。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末の純資産合計は72,362百万円と前連結会計年度末比357百万円の減少となりました。主な増加要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上698百万円、有価証券評価差額金の増加693百万円、主な減少要因は、剰余金の配当1,375百万円、為替換算調整勘定の減少363百万円です。
b.経営成績
当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は40,362百万円と前年同期比3,418百万円減(7.8%減)となりました。損益面では、減収の影響に加え、主要製品の販売減少等による利益率の低下により、営業利益は950百万円と前年同期比816百万円減(46.2%減)となりました。経常利益は1,135百万円と前年同期比728百万円減(39.1%減)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は698百万円と前年同期比539百万円減(43.6%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(機械・工具セグメント)
機械分野は、国内において自動車認証不正問題の影響により設備投資の環境は悪化がみられましたが、その中においても電動化技術への投資は継続的に行われています。自動車においては停止していた工場の生産も順次稼働を始めており、今後は投資も再開されるものと思われます。自動車業界以外はまずまずの水準で推移しました。北米においてはインフレ抑制の金融引締め策やストライキ等で製造業は影響を受け、工作機械、射出成形機共に厳しい成約状況となりました。中国においては自動車の生産・販売とも安定感を欠き、新エネルギー車では価格競争が激化しています。そのような中、増加傾向にあるハイブリッド車の動きが継続するようであれば日系自動車メーカーにとっても期待が持てる状況となります。
工具分野は、1月、2月における鉱工業生産の低下により需要の減少が見られました。半導体関連分野での需要減が大きく影響しましたが、3月に半導体販売高がプラスに転じ、今後の増産が期待されます。自動車認証不正問題による生産・出荷の停止の影響も徐々に回復に向かうものと思われます。
以上の結果、機械の国内売上が減少、機械の海外売上は中国における前年の大型案件の影響などにより大幅減、工具は微増となったことから、機械・工具セグメントの売上高は26,634百万円と前年同期比3,661百万円減(12.1%減)となりました。営業利益は552百万円と前年同期比717百万円減(56.5%減)となりました。
(建設資材セグメント)
鉄構資材分野は、鉄骨系建築物の需要において減少傾向が続いており、特に中小物件の減少幅が大きく、主要製品の販売に影響しました。鋼材、建材価格や人件費等の上昇による建設物価の高止まりは、製造業の設備投資計画にも影響を及ぼしており、厳しい状況が続いています。
配管資材分野は、生産設備の新設・改修案件の減少や、ステンレス関連など一部の商品価格の下落の影響を受けました。
住宅設備分野は、新設住宅向けは需要の減少により厳しい状況が続いています。リフォーム向けは補助金の後押し等の効果で案件は動き始めていますが、今後は資材高騰の影響が懸念されます。
以上の結果、鉄構資材、配管資材共に減少となり、住宅設備は増加したことから、建設資材セグメントの売上高は10,300百万円と前年同期比608百万円減(5.6%減)となりました。営業利益は302百万円と前年同期比237百万円減(44.0%減)となりました。
(建設機械セグメント)
国内向けの建設機械出荷額は、公共投資の増加を背景として微増で推移しました。年度末決算期における需要の増加に、製造問題の解消による機械の出荷状況の回復が重なり、販売、レンタル共に増加しました。再開発計画等での杭の大口径化による大型基礎機械、クレーンの大型機の需要増も収益向上に寄与しました。
その結果、建設機械セグメントの売上高は2,481百万円と前年同期比656百万円増(35.9%増)となり、営業利益は82百万円と前年同期比78百万円増(1687.9%増)となりました。
(IoTソリューションセグメント)
セキュリティ機器全体の需要は一部で設備投資抑制の動きがみられるものの堅調に推移しており、2019年と同等の規模までに回復しています。製品タイプ別ではIPカメラが中心で、利便性の高さや低価格化の進展により需要が堅調であり、この先も順調な伸びが予想されます。プロジェクト関連では、大型データセンター向けセキュリティ案件の受注など堅調に推移しています。人手不足の影響によるDX化、省人化の流れから、AI画像解析の活用が増えており、今後も市場の拡大が期待されます。
その結果、IoTソリューションセグメントの売上高は947百万円と前年同期比195百万円増(26.0%増)となり、営業利益はコスト削減効果もあり、95百万円と前年同期比66百万円増(222.7%増)となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当社は、2024年4月15日開催の取締役会において、株主還元方針の変更を決議し、財務資本戦略における株主還元強化策として、配当方針をDOEに基づいた継続的な増配を基本とする内容に変更することといたしました。
さらには、新たな配当方針による普通配当に加えて、利益水準や財務状況に応じた機動的な株主還元として、特別配当や自己株式取得などを追加的に実施してまいります。
変更内容は下記となります。
(変更前)
・当社は、株主の皆様への利益還元を重視し、連結業績に連動した利益配分に基づき配当します。
・連結ベースでの配当性向は、親会社株主に帰属する当期純利益に対して、35%程度を基本とし、最低、年間15円の安定配当につとめます。
(変更後)
・当社は、株主の皆様に対して長期にわたり安定した配当を行うことを重視しつつ、中長期的な利益成長による配当の増加につとめます。
・普通配当については、中長期的な株主還元目標を「DOE(株主資本配当率)3.5%以上」とし、継続的に増配を行うこと(累進配当)を基本方針とします。
・DOEは2024年12月期より段階的に引き上げ、次期中期経営計画期間内(2027年12月期~2029 年12月期)でのDOE3.5%の達成を目指します。
・普通配当に加え、特別配当や自己株式取得などを活用し、利益水準や財務状況に応じて機動的に株主還元の追加を実施します。
変更時期については、2024年12月期の中間配当(第2四半期末)から実施いたします。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は1百万円であり、セグメント別の内訳は、機械・工具セグメントが1百万円、IoTソリューションセグメントが0百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。