当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、全体として緩やかな回復傾向が続いていますが、一部の自動車メーカーにおける生産・出荷停止に伴う設備投資への影響など、懸念材料も見受けられました。米国経済は、良好な雇用環境を背景に個人消費が堅調に推移しましたが、足元のインフレ指標に減速感がみられることから、市場では利下げのタイミングを探り始めています。中国経済は、不動産不況の影響が継続しており、雇用環境の厳しさから消費意欲は鈍く、景気の下振れリスクがあります。
また、当社グループに関係が深い統計指数は、次のようになっています。
機械工具関連において、工作機械受注は4-6月期で内需は前年同期比6.9%減、外需は同5.3%増となりました。鉱工業生産は自動車工業が2月と4月に2桁減となったこと等により1-3月の同4.3%減に続き4-6月も同2.8%減となりました。
建設関連において、建築着工床面積は前年同月比マイナスが8ヶ月連続となり4-6月期は同4.2%減となりました。新設住宅着工戸数は4月に前年同月比2桁プラスとなったものの5月以降再びマイナスに転じたため4-6月期は同0.5%増となりました。
このような状況の下、当社グループは、「『叶えたい』が、あふれる社会へ。」を実現したい未来に掲げ、経済的価値と社会・環境価値の両立を目指し、持続的な企業価値の向上に向けた「資本コスト経営」の方針の下、ROIC経営の推進、株主還元の強化、人的資本経営などを進めております。
a.財政状態
(総資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は84,542百万円、固定資産は35,219百万円となり、その結果、資産合計は119,761百万円で、前連結会計年度末と比べ580百万円減少しました。現金及び預金が4,874百万円、有形固定資産が937百万円増加し、受取手形及び売掛金が5,324百万円、投資有価証券が1,665百万円減少したことなどによります。
(負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は44,987百万円、固定負債は2,057百万円となり、その結果、負債合計は47,044百万円で、前連結会計年度末と比べ578百万円減少しました。契約負債が1,556百万円増加し、支払手形及び買掛金が1,590百万円、短期借入金が444百万円減少したことなどによります。
(純資産)
当中間連結会計期間末の純資産合計は72,717百万円で、前連結会計年度末と比べ2百万円減少しました。利益剰余金が1,487百万円、自己株式が743百万円増加し、その他有価証券評価差額金が853百万円減少したことなどによります。
b.経営成績
当中間連結会計期間の経営成績は、売上高は78,845百万円と前年同期比6,314百万円減(7.4%減)となりました。損益面では、減収の影響と、人件費および運賃が増加したことなどにより、営業利益は1,706百万円と前年同期比1,479百万円減(46.4%減)、経常利益は2,160百万円と前年同期比1,470百万円減(40.5%減)となりました。政策保有株式売却による特別利益を計上したことで親会社株主に帰属する中間純利益は2,862百万円と前年同期比264百万円増(10.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(機械・工具セグメント)
国内機械分野は、自動車業界で続けざまに起こった認証不正問題による新たな設備投資案件の停止に影響されましたが、これらが解消されるのは年明け以降になると見なしております。半導体業界では、生産・在庫状況や市場見通しが用途ごとに異なっており需要回復がまだら模様となっていることから、設備投資は様子見の状態が続いています。半導体製造装置関連の投資回復は年末になるとの見方が大半を占めています。中小企業の設備投資の多くは、全般的に政策補助金の採択に左右される状況が続きました。これらの状況により、当分野の売上高は前年同期比で2桁の減少となりました。
海外機械分野は、米国事業においては、高金利による買い控えに加え、新型コロナ期に射出成形機などの設備を導入した企業も多く、自動車関係ではEVの先行き不透明感による新規投資先延ばしの影響を受けました。米国事業での足元の受注は回復傾向にあります。中国事業においては、日系自動車メーカーを中心に受注の回復が見られず、この傾向は今後も続くものと思われます。東南アジア事業においては、新型車の生産・販売が日本国内の自動車認証不正問題の影響を受け、設備投資の計画は無期延期状態となっています。これらの状況により、当分野の売上高は前年同期比で3割以上の減少となりました。
国内工具分野は、期の半ばから自動車業界の認証不正問題による生産停止の影響を受ける形となりました。一部のメーカーにおいては下期も引き続き生産計画に影響するものと見られています。半導体においては一部の用途向けで需要の回復が見られたものの、全体としては弱含みで推移しました。これらの状況により、当分野の売上高は前年同期比で微減となりました。
以上の結果、機械・工具セグメントの売上高は51,226百万円と前年同期比7,099百万円減(12.2%減)となりました。営業利益は843百万円と前年同期比1,393百万円減(62.3%減)となりました。
(建設資材セグメント)
鉄構資材分野は、工期の長期化や建設コストの上昇等の要因により、大型案件、中小型案件共に計画の延期や見直しが行われ、鉄骨建築需要が当初の予測を下回る中、一部の商品群で販売量の増加がみられましたが、大口案件を中心に利益率が低下しました。先行き需要の底打ち感はあるものの中小型案件の回復には不透明感が残ります。これらの状況により、当分野の売上高は前年同期比で微増となりました。
配管資材分野は、重工業を中心としたプラント向けや建築設備向けの受注が低調であり、特に大口案件の減少が顕著に見られました。ステンレス商品等の主要商品の市場価格低下の影響を受けました。これらの状況により、当分野の売上高は前年上期と比較して2桁の減少となりました。
住宅設備分野は、前年の給湯器供給不安の解消による売上の回復と、施工込み案件や直需案件の増加による売上利益の嵩上げが見られました。これらの状況により、当分野の売上高は前年同期比で微増となりました。
以上の結果、建設資材セグメントの売上高は21,780百万円と前年同期比349百万円減(1.6%減)となりました。営業利益は745百万円と前年同期比261百万円減(26.0%減)となりました。
(建設機械セグメント)
建設機械メーカーの価格改定により新車案件の引き合いは減少傾向にある中、中古車の販売に注力した結果、当セグメントの売上高は4,036百万円と前年同期比787百万円増(24.2%増)となり、営業利益は77百万円と前年同期比87百万円の改善となりました。
(IoTソリューションセグメント)
セキュリティ機器の需要は堅調に推移する中、営業強化の効果等により大型プロジェクト案件の受注など結果が伴いました。自動搬送ロボットの引き合いも増加傾向にあります。
以上の結果、当セグメントの売上高は1,802百万円と前年同期比347百万円増(23.9%増)となり、営業利益は124百万円と前年同期比104百万円増(527.6%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、24,852百万円で、前連結会計年度と比較して4,677百万円の増加となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において営業活動の結果得られた資金は、6,421百万円となりました。この主な要因は、税金等調整前中間純利益4,426百万円、投資有価証券売却益2,265百万円、売上債権の減少7,717百万円、棚卸資産の増加1,216百万円、仕入債務の減少1,388百万円、法人税等の支払額1,141百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において投資活動の結果得られた資金は、885百万円となりました。この主な要因は、定期預金の預入による支出1,051百万円、定期預金の払戻による収入872百万円、有形固定資産の取得による支出1,580百万円、無形固定資産の取得による支出240百万円、投資有価証券の売却による収入2,909百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において財務活動の結果使用した資金は、2,657百万円となりました。この主な要因は、
短期借入金の純減少額450百万円、自己株式の取得による支出810百万円、配当金の支払額1,372百万円等によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当社は、2024年4月15日開催の取締役会において、株主還元方針の変更を決議し、財務資本戦略における株主還元強化策として、配当方針をDOEに基づいた継続的な増配を基本とする内容に変更することといたしました。
さらには、新たな配当方針による普通配当に加えて、利益水準や財務状況に応じた機動的な株主還元として、特別配当や自己株式取得などを追加的に実施してまいります。
変更内容は下記となります。
(変更前)
・当社は、株主の皆様への利益還元を重視し、連結業績に連動した利益配分に基づき配当します。
・連結ベースでの配当性向は、親会社株主に帰属する当期純利益に対して、35%程度を基本とし、最低、年間15円
の安定配当につとめます。
(変更後)
・当社は、株主の皆様に対して長期にわたり安定した配当を行うことを重視しつつ、中長期的な利益成長による配
当の増加につとめます。
・普通配当については、中長期的な株主還元目標を「DOE(株主資本配当率)3.5%以上」とし、継続的に増配を行
うこと(累進配当)を基本方針とします。
・DOEは2024年12月期より段階的に引き上げ、次期中期経営計画期間内(2027年12月期~2029 年12月期)での
DOE3.5%の達成を目指します。
・普通配当に加え、特別配当や自己株式取得などを活用し、利益水準や財務状況に応じて機動的に株主還元の追加
を実施します
変更時期については、2024年12月期の中間配当(第2四半期末)から実施いたします。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は13百万円であり、セグメント別の内訳は、機械・工具セグメントが6百万円、IoTソリューションセグメントが7百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。