当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループでは、以下のとおり経営理念を掲げ、全役職員が共有しております。
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日本のITサービスを変えるテクノロジーコンサルティング
● 企業を変革するビジネスパートナー 我々はレガシーと最先端の双方を熟知したITプロフェッショナル集団。システム構築から内製化まで高付加価値サービスを提供し、クライアントのビジネスモデル変革や新規サービス開発を実現します。
● 時代が求める、時代に先駆けるIT人材を育成 デジタル技術が企業変革を加速する時代。1)世界レベルのテックナレッジによりシステムを最適構築するアーキテクト、2)デジタル変革を成功に導くプロジェクトマネジメント、3)システム内製化を具現するイネーブルメントの3つをコア・コンピタンスとしたITプロフェッショナルを育成します。
● 健全な企業文化と健全な経営 挑戦・互助・公正を尊重する企業文化を育み、楽しく豊かに働く環境を提供。日本を支えるITサービス産業の一員として正々堂々と経営を行い、社会の発展に貢献します。
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当社グループは2003年4月の設立当初から、ITコンサルティング力とアウトソーシングを融合し、お客様にとってより付加価値の高いサービスの提供を目指して事業を行ってまいりました。
これまで培ってきた確実なサービスデリバリーの能力は、プロジェクトマネジメント力や技術力の向上により一層安定したものとなっております。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が2025年6月に公表した「DX動向2025」によれば、日本企業のDX取組率は米国と同水準に達しており、生産性向上や業務効率化といった“効率化DX”については一定の成果が得られております。一方で、新規サービスの創出、ビジネスモデルの変革、市場シェア拡大など“成長DX”に関しては依然として成果が限定的であり、競争力強化に向けた取り組みが大きな課題となっております。
AI、IoT、ビッグデータなどのテクノロジーが成熟する中で、多くの企業は「テクノロジーを活用した新たな価値創出」へ視点を移しつつあります。今後は効率化にとどまらず、顧客体験や新規事業領域を含めた持続的成長を実現するために、いかにテクノロジーを戦略的に活用するかがより重要になってまいります。
IPA「DX動向2025」から明らかになった日本企業の課題は以下のとおりです。
・成果の可視化不足:成果が「わからない」と回答した企業が約26%に上り、投資効果の評価が不十分である
・成長DXの弱さ:新サービス創出やビジネスモデル変革など成長志向のDX取組みが限定的である
・専門人材の不足:DX推進人材が不足している企業は8割を超え、人材確保が深刻な制約となっている
当社グループは、以下の強みによって上記の日本企業の課題を克服し、競争優位を確立できると考えております。
・一気通貫の支援体制:課題発見から戦略立案、実装・運用までをトータルに支援できる体制
・高いデリバリー力:確実なプロジェクト遂行と安定した品質を担保するプロジェクトマネジメント力
・人材とナレッジの蓄積:多様な業界経験を有するITコンサルタントとエンジニアによる総合力
・顧客基盤の厚み:設立から20年を超えるサービス提供で培った長期的な顧客接点を活用した成長DXへの展開余地
当社グループは、上記の競争優位を保ちつつ、持続的な成長に資する経営環境を整備するために以下を推進してまいります。
・成果の可視化支援:DX効果を測定可能にするKPI設定・データ分析基盤の提供
・成長DXの加速:新規事業創出や顧客体験向上に直結するコンサルティングサービスの拡充
・人材強化:リスキリング支援や社内外の人材交流を通じたDX人材の確保と育成
当社グループは、上述した領域を主とした「テクノロジーコンサルティング」の強化と、当社発の革新的な製品・サービスの創出を通じて、クライアント企業の効率化と成長の両立を支援し、お客様の持続的な競争力向上に貢献することを経営方針として事業を展開しております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは持続的な成長を通じた企業価値の向上を目指しており、事業拡大の観点から売上高を重要な経営指標と位置づけ、収益力の強化に邁進してまいります。また、強固な経営基盤及び高利益体質を構築すべく、営業利益及び営業利益率を重要な経営指標と位置づけ、経営の効率化を図ってまいります。
(3)経営環境及び経営戦略
当社がターゲットとするDX市場は、株式会社富士キメラ総研が2024年3月に発表した「2024 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編」によると、国内市場規模は2022年度の3兆4,838億円から、2030年には8兆350億円へと拡大する見通しであり、年平均成長率(CAGR)は11.0%と予測されています。さらに、グローバル市場については、GII(Global Information, Inc.)が提供する「Digital Transformation (DX) Market Share Analysis」によれば、2025年に1.67兆米ドル、2030年には4.4兆米ドルへと拡大し、CAGRは21.3%に達するとされています。
こうした背景には、AI・IoT・ロボティクスといった既に実用段階にある基盤技術の浸透に加え、生成AIやAIエージェント、デジタルツインなどの新たな先端技術への投資が世界的に加速していることがあります。特に、製造業のスマートファクトリー、金融業のデジタルバンキング、小売・外食業の現場DX、物流業のデジタル倉庫など、主要産業でのDX投資が重点領域となっています。また、DX人材アセスメントサービスなどの新興分野も急速に立ち上がりを見せています。
このような市場環境のもと、当社グループはこれまで培ってきた技術力と確実なデリバリー実績を基盤に、業界横断的な知見を活かした一気通貫のDX支援を強化してまいります。特に、顧客企業の「効率化DX」を超えた「成長DX」を支援し、投資効果の可視化(KPI設定・ROI評価)や新規サービス創出を後押しすることで、クライアントの持続的な競争力向上に寄与してまいります。
How志向からWhat志向のDXへ
作業の生産性向上からデジタル技術による顧客への新たな価値提供という本来の目的に向けたデータ活用や、顧客接点のデジタル化といった当社グループの得意領域へ、DXのフォーカスが移行するものと考えております。
個別適用アプローチの限界から全体最適へ
DXの本来の目的に沿った新旧技術の融合・最適運用が求められるようになり、当社グループが創業以来培ってきた、事業の全体像を見通して最適なシステムやビジネスモデルを設計する「アーキテクチャ思考」アプローチが重要になると考えております。
変革を共に推進するパートナーが必要に
AI、生成AIの利活用や、ビジネス判断、経営判断のためのデータ利活用は、高付加価値化、新たな価値創出を実現するための手段としてなくてはならないものです。そのためには、ビジネスに対する理解、変革の推進を補佐するスキル、テクノロジーに対する知見が必要であり、当社が提供するコンサルティングサービスの需要は今後も継続するものと考えております。
このような経営環境の下、当社グループはこれまで培ってきた最新ITソリューション及びクラウドサービスの活用力等を活かして、DXによる新たな価値創出を念頭に、各種テックを統合的な視点から最適運用し、プロジェクトの規模を問わず将来的な拡張性を維持し、活用する中で発生する新たな課題に対して素早く対応することのできるシステムやサービスを提供してまいります。
当社グループは今後の経営戦略において、まずテックパートナーとの協業推進により、様々なテクノロジーの活用機会を広げ、顧客への提供価値を高めてまいります。さらに、マーケティングへの投資を通じて、書籍出版やセミナー開催などにより接点を拡充し、継続的に新規顧客を獲得するための仕組みの構築・強化を進めてまいります。
これらの施策を通じて顧客基盤の拡大を図るとともに、並行して既存サービスの高収益化を推進し、アカウントマネジメントの強化や生産性向上を実現してまいります。加えて、新たな収益機会の創出として、データリテラシーエンジニアリングやAIを活用した新サービスの開発・提供を進め、サービス領域の拡張と顧客一社あたりの収益最大化を目指します。
また、中長期成長の実現に向けては、人材を競争優位の源泉と位置づけ、採用・育成・調達を通じて高付加価値人材を継続的に確保し、成長を支える基盤を強化してまいります。さらに、戦略的なM&Aについても継続的に検討することで、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。
■テックパートナーとの協業推進
DX推進に必要なソフトウエアやクラウドサービスを提供するテックパートナーとは、その顧客に対してソフトウエアやクラウドサービスの活用支援を当社が行うことで協力関係を強固なものにし、継続的な新規顧客開拓を実現します。
ソリューションごとの主要テックパートナー
・ビジュアルによる分析ソリューション:Tableau、PowerBI
・CRMプラットフォーム:Salesforce
・大規模言語モデル:AI inside
・ビッグデータ分析プラットフォーム:ThoughtSpot
・データマネジメント:Snowflake、Vertica
・クラウドインフラ:Microsoft Azure、Amazon Web Services、Google Cloud Platform
また、当社は2025年6月にアクセンチュア株式会社が保有するソフトウエアの一部について、日本国内における販売代理店パートナーシップ契約を締結しました。アクセンチュアの先進的なソフトウエアと、当社が強みとする導入・運用ノウハウや現場密着型のサポート力を組み合わせることで、より多彩かつ実効性の高いソリューションをお客様に提供することが可能になります。
当契約に基づく取り組みを通じて得られる効果をもとに、より多様な業界・業種におけるお客様のDX推進に一層貢献します。
販売代理店パートナーシップ契約を通じて得られる効果
・サービスラインアップの拡充を通じて新たな顧客層との接点を創出
・既存顧客に対する提案機会の幅を広げさらなる提供価値を向上
・競争力ある製品を迅速かつ効率的に市場へ展開
■マーケティングへの投資
各種マーケティング施策を企画・実行し、当社のブランド認知を高め、新規顧客との接触機会を増加させることで顧客獲得能力の増強を図ります。
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マーケティング施策 |
期待される効果 |
概 要 |
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書籍出版 |
・ブランド認知向上 ・興味喚起 |
当社のブランド認知向上や営業ツールとして活用する目的で書籍の出版を行っております。以降も継続して書籍の出版を行い、当社が掲げるサービスのコアコンセプトやエッセンスを体系的に整理し、市場への訴求を行ってまいります。 |
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ウェビナー |
・ブランド認知向上 ・リード獲得 |
個別テックやその導入・活用Tipsに関するウェビナーを定期開催しております。ブランド認知向上とともに、新規顧客の獲得を目指します。 また、当社の事業と親和性の高いビジネスパートナー、テクノロジーパートナーとのセミナーの実施や、よりインタラクティブなコミュニケーションを目的とした小規模勉強会の実施を通して、ターゲット企業との接点の増加、リードの獲得を目指します。 |
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オウンドメディア制作 |
・ブランド認知向上 ・技術力アピール |
当社の事業や組織運営、人材開発などに関する認知を向上させることを目的とし、定期的なPR発行を中心とした発信を実施します。 ・コーポレートサイト IR情報、事業やサービス、採用情報など、経営情報全般を随時更新しています。 ・サービスサイト 当社サービスに関する情報発信に特化したサービスサイトを開設し、クライアント企業のインタビュー記事や事例紹介などを通して、当社の得意領域の周知、優位性の訴求を行います。 |
■M&A
持続的な成長と企業価値の向上を実現するために、戦略的なM&Aについて検討を行っています。M&Aを通じて、新たな業界・地域における顧客接点を獲得し、より幅広い市場へのアクセスを実現します。また、専門性の高い人材や独自技術を有する企業をグループに迎え入れることで、当社単独では保有していなかったケイパビリティを迅速に獲得し、当社が顧客に提供するバリューに幅と深みを付加することが可能となります。
M&Aを成長戦略の重要な選択肢の一つと位置付け、既存事業とのシナジーを最大限に発揮させながら、お客様に対する提供価値の向上と当社事業の持続的拡大を目指します。
■既存サービスの高収益化
当社は、高度な専門性を有するコンサルタントを中心に構成するアカウントマネジメント専任部署を新設し、取引先との緊密な関係構築を通じて顧客課題の解決を図っております。これにより、取引先あたりの売上高の向上を目指してまいります。さらに、コンサルタントの稼働率を高めることにより、案件ごとの収益性向上を実現し、当社全体の収益基盤の強化につなげてまいります。
■新たな収益機会の創出
当社は、既存事業に加え、新たな収益機会の創出にも注力しております。具体的には、データリテラシーエンジニアリング事業の立ち上げを通じて、顧客企業のデータ活用力を高める取り組みを推進しております。また、AIエージェント関連サービスの提供により、業務効率化や意思決定の高度化を支援し、顧客のDX推進に資する新たな価値を提供してまいります。これらの取り組みにより、当社のサービス領域を拡張し、持続的な成長基盤の確立を目指してまいります。
■中長期成長に向けた人材戦略
当社は、中長期的な成長の実現に向けて、人材こそが競争優位の源泉であると考えております。そのため、マーケットの需要に応える高付加価値な人材の育成・調達を戦略的に進めております。具体的には、人材戦略に基づきスキルターゲットを定めた研修の実施や、コンサルタントのスキルを「見える化」するタレントマネジメントシステムを導入し、継続的な人材力の強化に取り組んでおります。
人材戦略においては、「人材・タレント要件」「人材ポートフォリオ」「行動規範」を設定し、採用・育成・評価を一体的に推進いたします。育成・調達の面では、社員や採用人材、ビジネスパートナーを対象に、コアスキルトレーニングやコンサルタント育成研修を実施し、現場で即戦力となる人材を計画的に育成してまいります。
さらに、組織改革にも取り組み、社員の意識改革や組織の風土改革を進め、エンゲージメント向上を図っております。これらを支えるオペレーション基盤として、評価制度の整備やタレントマネジメント、サーベイ・モニタリングの仕組みを導入し、データに基づいた人材マネジメントを実現しております。
このように、当社は「育成・調達」「組織改革」「オペレーション基盤」を三位一体で推進することにより、多様な人材が成長し続けられる環境を整備し、ひいては中長期的な企業価値向上に寄与してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①最先端IT技術への対応
これまでIT業界は生成AI、クラウド、データ分析、セキュリティなどの様々な技術により発展を遂げてきました。IT技術の進化は現在も急速に進んでおり、IT技術をどのように活用してクライアント企業のビジネスを高度化していくかということがこれまで以上に重要になってきています。当社グループでは、最先端IT技術の発掘に取り組むとともに、それらに対する理解を深め、活用方法を日々研究しております。また、最先端技術と既存技術との融合も視野に入れることで、より付加価値の高いサービスの提供を目指しております。
②新規顧客の開拓と営業体制の強化
当社グループは、事業拡大に向けて、既存顧客への支援継続、及びアップセル、クロスセルの積極的な提案とともに新規顧客の獲得にも積極的に取り組んでまいります。また、顧客ニーズの多様化に対応し、ターゲット市場における認知度の向上及び新規顧客を獲得するため、書籍の出版やセミナーの実施などのマーケティング活動を行い、潜在顧客との接点を増やし効率的な営業活動を展開します。また、営業人員の育成・体制強化や外部パートナーの連携を強化することで、既存顧客との関係強化と新規顧客開拓を同時に進めるための営業体制の強化を図ります。
③当社グループ及び当社グループのサービスの認知度向上
当社グループは、最新のIT技術を活用したサービス及び製品を提供しており、事業の拡大に向けて、より多くの方に安心してサービス・製品を利用していただけるよう、当社グループ及び当社グループのサービス・製品の知名度や信頼を向上させることが重要であると認識しております。当社グループは引き続き高品質のサービス・製品の提供を通じて、信頼の獲得に努めるほか、プロモーション活動の強化にも努め、認知度向上を図ってまいります。
④優秀な人材確保と組織体制の強化
当社グループは、継続的に事業拡大を行うために、優秀な人材を十分に確保することが課題と考えております。今後は、高い専門性を有した人材を育成することで、市場の変化に耐えうる組織基盤を構築する考えであります。
そのため、新卒採用の強化と経験者の中途採用、及び社内外の研修など教育制度を整備、人事評価制度の改善など、イノベーションを奨励する労働環境の継続的な創出、改善を通して従業員のモチベーションを高め、優秀な人材の確保と定着を促進していく方針であります。
⑤内部管理体制の強化
当社グループでは、企業価値最大化のため、業務の拡大に合わせて内部管理体制を強化することが必要であると認識しております。今後も、財務分析の強化、リスク管理の徹底等、健全な企業経営に必要な体制を強化するよう取り組んでまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
現在、そして将来、デジタル技術が企業変革を加速させる中、当社はお客様のビジネスをテクノロジーで支え、課題を解決し、新しい可能性を実現するために継続的に支援しております。当社の事業の拡大を通じ、企業価値の向上とすべてのステークホルダーの皆様と共に、持続可能な未来を実現するために前進していきます。
当社は、現状ではサステナビリティに係る基本方針を定めておりませんが、サステナビリティに関する課題について、当社が具体的に対処すべき課題を明確にし、その具体的な対処法をリスク管理と収益化の観点を含め、開示できるような取り組みを、継続的に検討してまいります。
(1)ガバナンス
当社では、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めておらず、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し、管理するためのガバナンスの過程、統制及び手続等の体制をその他のコーポレート・ガバナンスの体制と区別しておりませんが、当社が置かれている経営環境を踏まえ、サステナビリティに関連するリスク及び機会について、重要性に応じて経営会議で識別・監視し、取締役会に報告を行う体制としております。
詳細は、「
(2)戦略
当社では、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めていないことから、サステナビリティ関連の戦略における喫緊の重要性を鑑みた記載はいたしません。
なお、当社における人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針としては、ビジネスとテクノロジーを結びつけ、企業価値向上に貢献する成果を生む人材を育成しつづけるための教育・評価制度を整備することが重要であると認識しております。研修プログラムや、実践(OJT)、評価制度を連動させ、社員全員のモチベーションを維持・向上させながら、テクノロジーやビジネスの知識・能力、パフォーマンスに直結するコンピテンシーを持ったITプロフェッショナルを育成しています。
また、当社において、従業員が働きやすい就業環境を確保するために行っている取り組みは以下の通りです。
■ダイバーシティ&インクルージョン
多様な働き方を実現するための施策として、コミュニケーションやコラボレーションを促進するオフィス、個人が集中できるリモートワーク、そして最適なロケーションや環境で作業できるレンタルオフィスの活用という3つの選択肢を提供しています。これにより、より効率的かつ生産性の高い働き方を実現しています。
また、従業員全員に平等な機会と、公平な評価を受けられる環境を整え、アップデートを続けています。そして、よりフェアな社会を目指し、性別、国籍、年齢、キャリア、障がい、雇用形態、育児・介護中など多様な背景をもつ人材に、これまで以上に活躍いただき、今後はさらにこの多様性を高めて参ります。
他方で、当社の状況を「性別」にフォーカスして数値的にみると、当社の従業員構成は、男性が74%、女性が26%ですが、現時点で女性管理職が存在しない状況にあり、多様性向上の課題と認識しております。今後は女性人材の採用・育成を強化し、管理職への登用を進めていく方針です。なお、男性育児休業については取得率100%を達成しており社会全体のジェンダー平等推進に貢献していると考えております。
■健康と安全
企業が成長・発展し続けるためには、従業員が健全な状態で、安心して働ける職場環境を整備することが重要です。当社では、安全衛生管理体制をはじめ、過重労働の防止に関する施策として、健康診断及び定期的なストレスチェックを通じたメンタルヘルスケアに加え、専門機関であるメンタルヘルス外部相談窓口を設置し、従業員のメンタルヘルス不調にいち早く気付ける環境を整備しています。加えて四半期に一度、全社員を対象にパルスサーベイを実施し、エンゲージメントや健康状態の把握と課題の改善に努めております。また、ハラスメント防止対策研修を定期的に実施し、全従業員がハラスメントをしない、させない、より安心・安全な職場づくりを目指す取り組みも進めております。長時間労働の防止についても、出退勤管理システムやPC稼働ログを活用し、勤務時間のモニタリングを行い、定期的に注意喚起や指導を継続し、ワークライフバランスの充実に取り組んでいます。
■人的資源の育成
当社では、新卒や経験の浅い中途採用者の成長促進のために、メンター制度を導入しています。1対1の定期的なミーティングを行い、個人の成長に合わせたサポートを提供しています。また、プロジェクトが仕事の基本単位である当社において、人は仕事を通じて成長するとの考えから、プロジェクト開始時、中間期、終了時にプロジェクトの責任者とメンバーとで対話の機会を設け人材育成を推進する仕組みを導入予定です。
(3)リスク管理
当社では、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めていないことから、サステナビリティ関連のリスク管理における詳述な記載は省略いたします。なお、今後、リスク管理に係る方針について、必要に応じて検討し、具体的な取り組みを進めていくこととしておりますが、サステナビリティ関連のリスク及び機会について、経営会議において当社に関連するものを識別・評価し、その結果、当社の経営に重要な影響を与える内容について管理するとともに、重要性に応じて、取締役会に報告及び対処を行うようにしております。
現状のリスク管理は、コーポレート・ガバナンスの範疇と体制にて行われており、詳細は、「
(4)指標及び目標
当社では、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めていないことから、サステナビリティ関連の指標及び目標の記載はいたしません。
また、当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率、及び労働者の男女の賃金の差異を指標として用いておりますが、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めていないことから、当該指標に関する目標は定めておりません。
なお、当該指標の実績の詳細は、「
当社グループは、リスク管理に関して「リスク管理規程」を定め、リスク管理体制を整備しております。
以下では、当社グループの経営成績及び財政状況等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクを記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業環境に関するリスク
①DX投資の動向の影響について
当社グループの事業は国内市場に依存しており、国内顧客企業のDX投資の動向に影響を受けます。国内外の経済情勢の悪化や景気動向の減速等により、顧客企業のDX投資意欲が減退した場合、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
②技術革新への対応について
当社グループの主要な事業領域は、生成AI、クラウド、データ分析、セキュリティ関連を含むIT技術の進化及びそれに基づく新サービスの導入が頻繁に行われており変化の激しい業界となっております。これらの技術への対応が遅れた場合、当社グループが提供するサービスの競争力が低下する可能性があります。また、想定外の新技術への投資が必要となる場合、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
③競合について
当社グループのデジタルトランスフォーメーション事業は、新規企業の参入障壁も低く、競争が激化する傾向にあります。当社グループでは、市場環境の変化や同業他社の動向をタイムリーに把握することや特許や商標の出願・登録を積極的に進めるほか、価格だけでなく付加価値で対抗できるブランディングを図っておりますが、今後、同業他社による新商品や新サービスの出現等によって価格競争が激化する結果、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
④パンデミック発生等によるリスクについて
新型コロナウイルス感染症の影響は縮小しましたが、今後も新たな感染症や変異株の発生、あるいは国際的な移動制限やサプライチェーン混乱が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑤自然災害等の発生について
当社グループでは、大規模な地震や台風等の自然災害に加え、気候変動による集中豪雨や猛暑などによって事業活動が制約される可能性を認識しております。事業継続計画(BCP)の策定やテレワーク体制などを整備しておりますが、大規模災害時には事業活動が停止あるいは著しく制約される可能性があり、その内容によっては、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業運営に関するリスク
①優秀な人材の確保及び育成について
当社グループが事業拡大を進めていくためには、優秀な人材の確保、育成及び定着が最重要課題であると認識しております。特に、生成AI、クラウド領域、データ解析など新分野に精通した人材の獲得競争が激化しております。当社グループでは、将来に向けた積極的な採用活動、人事評価制度の改善や研修の実施等の施策を通じ、新入社員及び中途入社社員の育成、定着に取り組んでいます。当社グループでは今後もこれらの施策を継続していく予定ではありますが、必要な人材が十分に確保・育成できなかった場合や、採用後の人材流出が進んだ場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
②協力会社の活用について
当社グループでは、必要に応じてシステムの設計、構築等について協力会社等に外注しております。現状では、協力会社と長期的かつ安定的な取引関係を保ち、エンジニアの確保に注力しておりますが、協力会社において技術力及び技術者数が確保できない場合及び外注コストが高騰した場合には、サービスの円滑な提供及び積極的な受注活動が阻害され、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
③不採算案件の発生について
当社グループでは、業務管理部門、品質管理部門は各プロジェクトの品質、コスト及び納期等の状況を見極め、異常を検知・予測し、早期に対策を講じて不採算案件の発生防止に努めております。しかしながら、このような取り組みにもかかわらず障害が防止できない場合、追加費用が発生して採算が悪化し、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
④特定の仕入先への依存について
当社グループは、株式会社PKSHA Associatesと販売パートナー契約を締結し、当社グループの商品である「ipaSロボ」に不可欠であるRPAエンジンの仕入を行っております。当社グループでは、同社との良好な取引関係の構築に引き続き取り組むとともに、取引基本契約を締結し、必要量を安定的に確保できる体制を整えておりますが、同社の事業方針の変更等により、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑤特定の販売先への依存について
当社グループの最近の2連結会計年度において販売依存度が総販売実績の10%を超える取引先は、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要④生産、受注及び販売の実績c.販売実績」に記載のとおりであります。
当社グループとこれらの販売先は良好な取引関係を維持しており、今後も継続的な取引を見込んでおりますが、当該会社の事業方針の変更等により、取引関係の解消又は取引条件の大幅な変更等があった場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑥新規事業について
当社グループでは、企業価値の継続的な向上を目指し、事業規模の拡大と収益基盤を多様化するために、新規事業への取り組みを進めていく方針ですが、新規事業が安定して収益を生み出すまでには一定の時間を要することが予想され、当社グループ全体の利益率を低下させる可能性があります。また、新規事業が当社グループの目論見どおり推移せず、新規事業への投資に対し十分な回収を行うことができなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦Salesforce社との取り組みについて
当社グループは、米国のSalesforce社(旧Tableau社)より2013年12月にアライアンスパートナー(Tableau Alliance Partner Program)に認定され、同社製品の導入支援を顧客企業に対し行ってまいりました。また、2020年10月にはTableau委託先公式サプライヤーに認定されたことで、同社のプロフェッショナルサービスの一員として同社の顧客に対してサービスを提供しております。このような活動の中で、日本市場における同社の顧客への高品質な技術提供をより強力に推進するとともに、企業のDX推進に向けた様々なサービスを提供しております。今後もTableauに関する技術の研鑽を行い、Tableau関連のサービスの品質を高く維持することで同社と良好な取引関係を継続することや、同社以外のテックパートナーの開拓による同社に依存しない収益構造の構築に努めてまいりますが、仮に新規テックパートナーの開拓が進まないなか、同社の事業方針の変更等により、取引関係の解消又は取引条件の大幅な変更がなされた場合や、Tableauの競争力が低下し、市場規模が縮小した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑧代表者依存度について
創業以来、代表取締役を務めている阪口琢夫は、当社グループの経営方針や事業戦略構築等において重要な役割を果たしております。当社グループは、事業拡大に伴い代表者に依存しない経営体制の構築を進めておりますが、現状においては何らかの理由により代表者が退任するような事態が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3)コンプライアンスに関するリスク
①内部管理体制について
当社グループは、今後も事業を拡大していくためには、内部管理体制を強化する必要があると認識しております。今後の事業展開に応じて、採用・能力開発等によって内部管理体制の充実を図ってまいりますが、当初計画を超えて事業が成長し体制構築が追い付かない場合や、新たな人材の採用及び育成が順調に進まなかった場合、急な欠員等が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
②情報セキュリティについて
当社グループは業務遂行の一環として、個人情報や機密情報を取り扱うことがあります。当社グループではISMS認証を取得しており、情報管理に取り組んでおります。しかしながら、これらの情報について、サイバー攻撃等による情報セキュリティ事故が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
③係争や訴訟について
本書提出日現在において当社グループの業績に重要な影響を及ぼす係争や訴訟は提起されておりませんが、取引先とのトラブルの発生等、何らかの問題が生じた場合には係争や訴訟に発展する可能性があり、その内容及び結果によっては、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(4)その他のリスク
①借入金について
当社グループは必要に応じて資金を金融機関からの借入金により調達しております。当社グループの業績や財政状態の悪化、風説、風評の流布等が発生した場合、あるいは金融不安等が発生した場合には、必要な資金を合理的な条件で確保できず資金繰りが困難になる可能性があります。また、今後の金利動向に著しい変化が生じた場合には支払利息の増加等により、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
②新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社グループでは、当社グループの取締役及び従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。本書提出日の前月末日現在の新株予約権による潜在株式総数は688,300株であり、発行済株式総数4,859,000株の14.2%に相当します。これらの新株予約権が行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
③投資リスクについて
当社グループでは、企業価値の継続的な向上を目指し、必要に応じて企業買収等の投資を実施することがあります。買収企業や出資先の業績が計画どおりに伸長せず、投資した金額が回収できない場合や追加の費用が発生した場合等において、減損等の損失が発生する可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
④ESG・人的資本リスク
当社グループは、気候変動対応や人的資本開示(働き方改革・多様性推進)などの取り組みを進めております。当取り組みが不十分であると投資家や顧客から判断された場合、当社グループの評価低下につながり、受注機会損失や企業価値低下に発展する可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、雇用、所得環境の持ち直しとともに、個人消費や設備投資が堅調に推移し、緩やかな回復が続きました。一方、物価の上昇や円安、国際情勢の不透明さも影響し、先行きが不透明な状況が続いております。
このような状況のなか、当社グループのデジタルトランスフォーメーション事業は、クライアントのデジタルプラットフォーム構築のハブとなるDXパートナーとして、高い技術知見によってクラウド、AI(人工知能)やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)など先端技術を活用し、クライアントのビジネスモデル変革や新たなサービス開発に最適なシステム像を描き、クライアントの企業価値の最大化に貢献してまいりました。
当連結会計年度における売上高は前期比で微増となりましたが、人件費や採用関連費用、教育研修費用の増加に加え、営業人員の増加やマーケティング体制の拡充に伴う広告宣伝費、外注費等が増加したことから、営業利益は211,779千円から51,788千円へと減少しました。これらの支出は中長期的な成長に向けた戦略的投資であります。また、当連結会計年度において当社は、アカウントマネジメントの強化、新規エンドユーザー獲得のためのマーケティング活動の強化、パートナービジネスの強化など、事業成長に向けた各種施策を積極的に展開してまいりました。特に当期より本格始動したアカウントマネジメントでは、顧客との信頼関係構築を重視した課題解決型アプローチを実施し、成果が表れ始めております。本施策による顧客満足度の向上や収益性の改善といった手応えは、特に下半期における売上高の伸長に貢献しております。
その結果、当連結会計年度における経営成績については、売上高は2,740,744千円(前年同期比1.4%増)、営業利益は51,788千円(前年同期比75.5%減)、経常利益は60,273千円(前年同期比71.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は35,023千円(前年同期比77.5%減)となりました。
なお、当社グループの報告セグメントはデジタルトランスフォーメーション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,305,919千円となり、前連結会計年度末に比べ3,620千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が96,895千円、その他に含まれる未収入金が7,640千円減少した一方、売掛金及び契約資産が103,686千円、前払費用が6,354千円増加したことによるものであります。固定資産は178,415千円となり、前連結会計年度末に比べ6,401千円減少いたしました。これは主に繰延税金資産が10,423千円増加した一方、有形固定資産が14,193千円減少したこと及び無形固定資産が1,757千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は1,484,334千円となり、前連結会計年度末に比べ2,780千円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は342,590千円となり、前連結会計年度末に比べ31,400千円減少いたしました。これは主に、賞与引当金が36,783千円、契約負債が7,829千円、買掛金が7,705千円増加した一方、未払法人税等が52,583千円、未払消費税等が28,154千円減少したことによるものであります。固定負債は29,122千円となり、前連結会計年度末に比べ17,034千円減少いたしました。これは主に、長期借入金が17,234千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は371,712千円となり、前連結会計年度末に比べ48,435千円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,112,622千円となり、前連結会計年度末に比べ45,654千円増加いたしました。これは主に、譲渡制限付株式報酬として処分したため自己株式が15,487千円減少したことと、親会社株主に帰属する当期純利益を35,023千円計上したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ96,895千円減少し、860,933千円となりました。
また、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、66,484千円の支出(前年同期は257,881千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を60,138千円計上した一方、売上債権が103,416千円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、9,851千円の支出(前年同期比69.1%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得により8,560千円、無形固定資産の取得により2,183千円を支出したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、19,954千円の支出(前年同期比63.2%減)となりました。これは株式の発行により2,490千円の収入があった一方、長期借入金の返済により22,444千円の支出があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、デジタルトランスフォーメーション事業の単一セグメントであるため、受注及び販売の実績については、セグメント情報に代えて事業部門ごとに記載しております。
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは、デジタルトランスフォーメーション事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年8月1日 至 2025年7月31日) |
|||
|
受注高(千円) |
前連結会計年度比(%) |
受注残高(千円) |
前連結会計年度比(%) |
|
|
デジタルトランスフォーメーション事業 |
2,846,215 |
102.1 |
437,829 |
131.7 |
c.販売実績
当社グループは、デジタルトランスフォーメーション事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年8月1日 至 2025年7月31日) |
|
|
販売高(千円) |
前連結会計年度比(%) |
|
|
デジタルトランスフォーメーション事業 |
2,740,744 |
101.4 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年8月1日 至 2025年7月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
トランス・コスモス株式会社 |
673,064 |
24.9 |
415,696 |
15.2 |
|
アクセンチュア株式会社 |
62,077 |
2.3 |
277,668 |
10.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。なお、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり認識しており、これらのリスクについては発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。
(売上高)
当社グループでは、持続的な成長を通じた企業価値向上を目指しており、事業拡大の観点から売上高を重要な経営指標と位置づけ、収益力の強化に取り組んでおります。
当連結会計年度は、2024年7月期の後半における大型案件の終了後から当期の序盤にかけて案件の獲得が下振れしたものの、期初から取り組みをはじめたアカウントマネジメントの効果が徐々に発現し、下半期においては増収のトレンドに回帰いたしました。この結果、当連結会計年度における売上高は2,740,744千円(前期比1.4%増)となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は1,685,506千円(前期比9.7%減)となりました。高付加価値案件の獲得により単価が向上したことと、人材調達の面で内製化を推進したことに加え、当連結会計年度の期首に行った組織改編と人事異動で原価部門の人員が減少したことにより、売上総利益率が38.5%(前期は31.0%)となりました。
この結果、売上総利益は1,055,237千円(前期比26.0%増)となりました。
(営業利益)
当社グループは、強固な経営基盤及び高利益率体質を構築すべく、営業利益及び営業利益率を重要な経営指標と位置づけ、経営の効率化に努めております。
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、人件費や採用関連費用、教育研修費用の増加に加え、営業人員の増加やマーケティング体制の拡充に伴う広告宣伝費、外注費等が増加したことから、1,003,449千円(前期比60.4%増)となりました。
この結果、営業利益は51,788千円(前期比75.5%減)となり、営業利益率は1.9%(前期は7.8%)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度において、営業外収益は主に助成金収入の計上により10,194千円(前期比583.8%増)となりました。一方、営業外費用は為替差損や支払利息等の計上により1,708千円(前期比44.9%減)となりました。
この結果、経常利益は60,273千円(前期比71.3%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において、特別利益の計上はありませんでしたが、固定資産の除却損のため特別損失を135千円計上しております。また、法人税、住民税及び事業税を35,538千円、法人税等調整額を△10,423千円計上しております。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は35,023千円(前期比77.5%減)となりました。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローにつきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループでは、事業規模の拡大を進めるために、最先端IT技術の発掘や各種IT技術を活用した製品開発及びサービスの向上に取り組んでおります。これらの資金需要は、主として人件費や外注費であり、手元資金及び営業キャッシュ・フローで補っておりますが、必要に応じて銀行借入れ等の有利子負債による調達を実施します。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されており、その作成過程においては経営者による会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定を含んでおります。これらの見積り及び仮定は、過去の実績及び決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいておりますが、その性質上、将来においてこれらの見積り及び仮定とは異なる結果となる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることを見込んでおり、その結果回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減少又は増加し、この結果、税金費用が増減する可能性があります。
なお、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
④ 経営戦略の現状と見通し
当社は、テクノロジーコンサルティングを通じて、お客様の持続的な競争力向上に貢献することを経営方針として事業を展開しております。
引き続き、クラウド、IoTデバイスまで、幅広いシステムアーキテクチャにおけるシステム開発・実装経験を有するコンサルティングサービスを提供するほか、AIや自動言語処理、アナリティクスなどの各種IT技術をマイクロサービスと組み合わせた独自のアプリケーションの企画・開発に取り組んでまいります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループの経営者は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループが今後さらなる成長を遂げるためには、さまざまな課題に対処することが必要であると認識しております。
それらの課題に対応するために、経営者は常に事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、最先端IT技術の発掘及び次世代商品開発による競合との差別化を推進し、さらなる事業拡大を図ってまいります。
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相手方の名称 |
国名 |
契約の名称 |
契約 締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
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Tableau Software,Inc. (現:Salesforce, Inc.) |
米国 |
Tableau Alliance Partner Program Agreement |
2013年 12月16日 |
BI及び分析ソフトウエア(Tableau)のアライアンスパートナー契約 |
2013年12月16日から2014年12月15日まで以後1年ごとの自動更新 |
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株式会社PKSHA Associates |
日本 |
販売パートナー契約 |
2015年 5月4日 |
RPAエンジン(ipaSロボライセンス)の購入契約 |
2015年5月4日から2016年5月3日まで以後1年ごとの自動更新 |
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株式会社セールスフォース・ジャパン |
日本 |
グローバルサービス契約書 |
2020年 9月11日 |
Tableau professional serviceに関するサプライヤー契約 |
2020年9月11日から2021年9月10日まで以後1年ごとの自動更新 |
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アクセンチュア株式会社 |
日本 |
販売代理店パートナーシップ契約 |
2025年 6月20日 |
アクセンチュアが保有する一部ソフトウェアの正規代理店契約 |
2025年6月20日から2026年5月31日まで以後1年ごとの自動更新 |
当連結会計年度における研究開発費の総額は
当社グループは、最先端のIT技術を活用したサービスの提供及び製品の開発等を通じてクライアント企業のビジネスの効率化等を支援しております。IT技術の進化は早く、当社グループが更なる成長を図るためには、最先端テクノロジーの発掘及び最先端技術と既存技術との融合が不可欠と考えており、今後当社グループで取り扱うべき技術に関する広範囲な調査と、そこで選定した個別技術に関する研究、その技術を活用したサービスの開発を行っております。