当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項は、四半期に一度開催されるリスク管理委員会において網羅的に洗い出しを行い、リスクの発生頻度と影響度という2つの観点から重要性の高いリスク項目に対して具体的な検討を行っています。なお、リスク項目においては、マイナスの影響のみならず、プラスの影響も含まれることを念頭に、投資判断、あるいは当社の事業活動を理解する上で重要とリスク管理委員会が判断した事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載を行っています。
また、当社グループにおいては、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、マイナスの影響を与えるリスク発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。なお、以下の記載は当第3四半期連結会計期間の末日(2021年12月31日)において判断したもので、当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点にも留意が必要です。
(1)経営統合のリスク
当社は、経営統合による効果を高めるため、慎重に議論を重ねながら展開を図っていますが、当初期待した統合効果を十分に発揮できないことにより、結果として当社グループの財政状態及び業績に重大な悪影響を及ぼすおそれがあります。統合効果の十分な発揮を妨げる主な要因として経営統合により期待されるシナジー効果が十分に発揮されない場合、組織体系の相違等から合理化等に時間を要する場合、経営統合に伴う経営インフラの整備・統合等により想定外の追加費用が発生する場合等が考えられますが、これらに限定されるものではありません。
当該リスクに対しては、各事業会社の組織・事業状況などを把握し、密な連携を取りながら進めることでリスクの最小化に努めています。なお、その時期、程度、影響度は、実際のリスク事象により異なります。
(2)法的規制・コンプライアンスのリスク
当社グループの事業は建設業法、建築基準法、国土利用計画法、都市計画法、独占禁止法、廃棄物処理法、建設リサイクル法、労働安全衛生法、労働基準法、品質確保法、個人情報保護法、会社法、金融商品取引法等により法的な規制を受けています。
これらの法律の改廃、法的規則の新設、適用基準の変更等により、業績、事業運営等に影響を及ぼす可能性があります。また、内部統制機能が充分に働かずに公正取引の確保や環境汚染等の法令違反、財務報告の虚偽記載等が発生した場合には、事業活動が予定通り実行できなくなることもあり、その際は業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、法令改正等を注視し、社内規程類を適宜改定するとともに、リスク管理委員会の開催や全役職員への各種研修の実施によりコンプライアンス体制の充実に努めています。なお、その時期、程度、影響度は、実際のリスク事象により異なります。
(3)災害・気候変動リスク
地震、津波、洪水等の自然災害(気候変動によって発生するものを含む)、事故、感染症の流行、テロ行為等が発生した場合、当社グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、BCPの策定及び計画に基づいた訓練の実施による災害発生時の損害を最小限に抑え、事業の継続や復旧を図る体制を構築することにより影響の最小化に努めています。また、感染症についても検温や消毒を徹底し拡大防止に努めるとともに、必要に応じて時差出勤やリモートワークといった勤務形態を行うことによってリスクの最小化に努めています。なお、その時期、程度、影響度は、実際のリスク事象により異なります。
(4)製品・サービスの欠陥リスク
製品・サービスの品質管理には万全を期していますが、万が一欠陥が発生した場合には顧客に対する信頂を失うとともに、契約不適合責任及び製造物責任による損害賠償や対策費用を負担することもあり、その際には業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、品質・環境規程を定め、規程に則り各段階にて検討会を行い、品質管理のPDCAサイクルを実施することで、製品・サービスの品質向上に努めています。なお、その時期、程度、影響度は、実際のリスク事象により異なります。
(5)経済・財政状況の変化に伴うリスク
当社グループの事業においては、公共投資や民間投資の動向に大きく影響されます。公共投資においては国及び地方公共団体等における財政状況の逼迫による公共工事の削減や、民間投資においては国内外の経済情勢の変化に伴う企業の設備投資計画の縮小・延期等が行われた場合には、工事の受注減や製品の販売減により業績に影響を及ぼす可能性があります。また、土地等の資産を保有しているため、地価等の急激な変動により減損の必要性が生じた場合には、減損損失が発生し業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、市場動向を注視した利益管理の徹底や製品開発・生産量の調整、安定顧客の獲得、技術開発による環境配慮型製品の展開や新規領域への拡大による幅広いニーズの獲得により、リスクの最小化に努めています。また保有資産等については、適正な管理の徹底に努めています。なお、その時期、程度、影響度は、実際のリスク事象により異なります。
(6)事業戦略のリスク
当社グループは充分な検討を重ねた上でインフラ運営事業の展開を図っていますが、予期せぬ経済情勢の変化やマーケットの急激な変化、気象条件の悪化等により、事業展開が予定通りに実行できない、もしくは進行中のプロジェクトの収益が悪化する可能性があり、契約条項に含まれるリスク分担等により業績への影響を最小限に留めるものの、その程度、時期、影響度はリスク事象ごと、プロジェクトごとに異なります。
当該リスクに対しては、契約段階で、リスクが顕在化した場合のリスク分担をできる限り具体的かつ明確に規定するように努めています。なお、その時期、程度、影響度は、実際のリスク事象により異なります。
(7)環境リスク
当社グループが事業を遂行するにあたり、工事現場・工場・研究所における騒音・振動・悪臭・粉塵など、社会環境に悪影響を与える重大な問題が発生した場合、当社グループの信用の失墜につながり、事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、環境マネジメントシステムを効率的に運用し、継続的改善を行い、地球環境及び社会・生活環境の保全に積極的に取り組むとともに、建設廃材のリサイクル及びエネルギーや天然資源の消費量削減などに向けて、循環型社会形成システムの構築の推進に努めています。なお、その時期、程度、影響度は、実際のリスク事象により異なります。
(8)情報セキュリティ・ICTリスク
事業活動を行う過程で顧客の機密情報のセキュリティについては細心の注意を払っていますが、万が一保護すべき情報が漏洩した場合には、顧客や社会からの信頼が失墜するとともに、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、DXヘの適応、生産革新、業務の効率性及び正確性の確保のためにICTシステムの充実を図っていますが、想定外の不正な技術等に十分対応できない場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、情報セキュリティ方針に基づき、外部からの不正アクセスの防止、ウイルス対策及び暗号化技術の採用等のセキュリティ対策に努めています。なお、その時期、程度、影響度は、実際のリスク事象により異なります。
(9)資材調達リスク
災害その他の要因による原材料供給の不足や原材料・原油価格の高騰を請負価格や販売価格に反映することが困難な場合、調達コストの増加や納期の遅延が業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、価格動向のモニタリングによる予測精度の向上に取り組むほか、サプライヤー監査や調達先の多様化に努めています。なお、その時期、程度、影響度は、実際のリスク事象により異なります。
(10)人材労務に関するリスク
人口の都市部集中と地方の過疎化、少子高齢化に伴う人口減少などにより人材確保が困難になることで、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、過重労働やハラスメントにより従業員等の健康被害等の不利益が生じる他、労働基準法違反等によって行政処分等の対象になることにより、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、多様で柔軟な就業環境の整備、社員研修や福利厚生の充実等により新たな人材の確保を推進することで多様な人材が安心して働ける職場環境の構築に努めています。またIT・DX等デジタル技術の活用による生産性向上にも努めています。さらに、内部通報やこころとからだの健康相談ができる体制を展開し、ハラスメント等の抑制または早期発見に努めています。なお、その時期、程度、影響度は、実際のリスク事象により異なります。
(11)金融リスク
金融市場において、予期せぬ経済情勢の変化あるいはマーケットの急激な変化等により、金利の変動または株式の減損の必要が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、自己資本に大きな毀損が生じる場合にも一部の借り入れ取引に付されている財務制限条項に抵触し、期限の利益を喪失する可能性があります。
当該リスクに対しては、市場の動向を注視し、適正な資金調達に努めています。なお、その時期、程度、影響度は、実際のリスク事象により異なります。
(12)海外事業に伴うリスク
海外での事業においては、予期しない法律、規制、政策の変更、テロ、紛争、伝染病等が発生した場合や経済情勢の変化に伴う、事業の縮小・延期等が行われた場合には、当該事業の損益が悪化する可能性があります。また、外貨建ての資産・負債を有しているため、為替レートの急激な変動により多額の為替差損益が発生した場合には、営業外損益が大きく変動する可能性があります。
当該リスクに対しては、契約時における厳格な審査、平時からの情報収集、予防策の拡充等の危機管理機能の強化に努めています。なお、その時期、程度、影響度は、実際のリスク事象により異なります。
(13)偶発債務のリスク
発注者や協力会社が法的倒産等に陥った場合、売上代金の回収不能や製品・サービスの提供期間の遅れなどにより予定外の費用が発生することで業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、関係会社の借入金、工事入札・工事履行、ファイナンス・リース、デベロッパーに対するマンション売買契約手付金等に対し債務保証を行っているため、これら関係会社等の債務不履行が発生した場合には、保証の履行を債権者より求められる可能性があります。
当該リスクに対しては取引開始時の厳格な審査や対象者の経営状況のモニタリングにより早期の情報収集等の与信管理を行い、適切な債権保全策を講じることでリスクの最小化に努めています。なお、その時期、程度、影響度は、実際のリスク事象により異なります。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
当社は2021年10月1日に共同株式移転の方法により前田建設工業株式会社(以下「前田建設」という。)、前田道路株式会社(以下「前田道路」という。)及び株式会社前田製作所(以下「前田製作所」という。)の完全親会社として設立されましたが、経営統合以前、前田道路及び前田製作所は前田建設の連結子会社であり、当社の連結範囲は統合以前の前田建設の連結範囲と実質的な変更はありません。ただし、当第3四半期連結累計期間は、当社の設立後最初のものとなるため、前連結会計年度及び前年同四半期連結累計期間との対比は行っていません。
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響下において、ワクチン接種や各種政策の効果により社会経済活動の制約が徐々に緩和され、持ち直しの動きが見られるものの、変異株による感染拡大の恐れにより、先行きが未だ不透明であることから、厳しい状況が続きました。
建設業界においては、関連予算の執行により公共投資は高水準で推移していたものの、このところは弱含んでおり、住宅建設・設備投資は持ち直しの動きに足踏みも見られました。
このような状況のなかで、2021年10月1日に共同株式移転の方法により、前田建設、前田道路及び前田製作所の3社の完全親会社として当社を設立しました。当社のもとで、グループ全体が永続的成長を遂げることを目的に、中長期的に目指す姿を「総合インフラサービス企業」と定め、外的要因に左右されない「高収益かつ安定的な収益基盤」を確立し、実効性のあるガバナンス体制の構築やDXの推進等により迅速かつ適正な経営を実現し、社会変化への対応力を強化することで「あらゆるステークホルダーから信頼される企業」を目指します。
また、当社は2021年10月1日付で株式会社東京証券取引所より「新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果について」を受領し、「プライム市場」の上場維持基準に適合していることを確認しました。
この結果に基づき、2022年4月4日に移行が予定されている株式会社東京証券取引所の新市場区分については、2021年12月16日開催の取締役会において、プライム市場を選択することを決議し、所定の手続きに基づき選択申請を行い、受理されています。
当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高が4,822億円余、営業利益は175億円余となり、経常利益は179億円余となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益については、107億円余となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を旧親会社で株式移転完全子会社となった前田建設の第1四半期連結会計期間の期首から適用しています。詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」を参照ください。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
(建築事業)
建築事業は、手持工事高が国内建築工事における屋内スポーツ施設等の大型工事の受注や前期受注の再開発等の大型工事により堅調であったものの、工事の着工時期の影響によって当期出来高が伸び悩んだことにより、売上高は1,525億円余、セグメント利益は26億円余となりました。
(土木事業)
土木事業は、大型完成工事の減少や期首手持工事の工事中止等の影響により、売上高は992億円余、セグメント利益は88億円余となりました。
(舗装事業)
舗装事業は、舗装工事に係る建設工事等やアスファルト合材の製造・販売等が堅調に推移したものの、産油国による協調減産路線の維持等による原油価格の高騰に伴い、売上原価が上昇したことにより、売上高は1,672億円余、セグメント利益は12億円余となりました。
(機械事業)
機械事業は、建設機械関連商品の販売等については堅調に推移し、産業機械関連商品の販売等においても、新型コロナウイルス感染症による影響から持ち直しが見られたことにより、売上高は249億円余、セグメント利益は11億円余となりました。
(インフラ運営事業)
インフラ運営事業は、愛知道路コンセッション株式会社を中心とした連結子会社の施設運営利益により、売上高は118億円余、セグメント利益は17億円余となりました。
(その他)
売上高は264億円余、セグメント利益は11億円余となりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間における総資産は、9,244億円余となりました。負債は、5,671億円余となりました。また純資産は、3,572億円余となりました。以上の結果、純資産の額から非支配株主持分を控除した自己資本の額は3,482億円余となり自己資本比率は37.7%となりました。
当社は、「どこまでも、インフラサービスの自由が広がる世界。」の実現をビジョンに掲げ、「インフラストラクチャー・ビジネスの既成概念に挑み、イノベーティブなアイデアで世界中に最適なサービスを提供する。」を果たすべき使命と定め、企業活動を通じて、環境・社会課題の解決にとどまらず、社会そして地球の持続可能な発展に貢献する「総合インフラサービス企業」を目指しています。「社会・地域の安全安心とサステナビリティ」をバリューとし、グループ共通の価値観を醸成するとともに、企業が果たすべき社会的責任についての理解を共有し企業施策を実行していくことで、ステークホルダーの皆様の理解と共感が得られる開かれた経営に努めます。さらに、当社は、ステークホルダーの皆様の権利を尊重し、経営の監督機能と業務執行機能を明確に分離することにより経営の公正性・透明性を確保するとともに、適切な情報開示とステークホルダーの皆様との対話を通じ、良好かつ円滑な関係を維持しながら信頼関係を構築していくことで、共同の利益や長期的な価値を協創し、社会価値の創造に貢献します。
また、当社は2021年10月1日開催の取締役会において中期経営計画『INFRONEER Medium-term Vision 2024』を策定し、公表しました。中期経営計画の概要は以下のとおりです。
中期経営計画『INFRONEER Medium-term Vision 2024』の概要
Ⅰ.会社概要
Ⅱ.我々が目指す姿
当社のもと、グループ全体が永続的成長を遂げることを目的に以下を推進し、「あらゆるステークホルダーから信頼される企業」を目指します。
・目指すビジネスモデルを、インフラ運営の上流から下流をワンストップでマネジメントする「総合インフラサービス企業」と定め、グループ全体戦略として強力に推進することで、外的要因に左右されない「高収益かつ安定的な新たな収益基盤」を確立
・実効性のあるガバナンス体制の構築やDXの推進等により、迅速かつ適正な経営を実現し、「社会変化への対応力」を強化
Ⅲ.戦略三本柱と重点施策
当社の「目指す姿」の実現にむけた戦略三本柱とそれぞれの主な重点施策は以下のとおりです。
・生産性改革 :付加価値の最大化、固定費・管理コストの適正化、グループ金融戦略の推進
・新たな収益基盤の確立:インフラサービスにおける国内外での地位確立、事業領域の更なる拡大
・体質強化・改善 :グループ人材戦略の推進、ガバナンスの強化
Ⅳ.中期経営計画の位置づけ及び基本方針
当社の中期経営計画は、中長期経営計画における「成長フェーズ」に向けた「基盤構築フェーズ」と位置付けており、当該フェーズにおいて特に注力する施策の内容は以下のとおりです。
・グループシナジーの追求:グループ各社の実績・ノウハウを相互に応用した競争力の向上や、地域/顧客ネットワークの最大活用による事業基盤の強化等
・新規事業領域への体制構築:グループ各社の技術力、インフラ運営の実績・ノウハウ、ファイナンス力、地域ネットワークの強みを結集することによるインフラ運営市場における競争力の向上等
・DX/シェアード化の推進:グループ各社のデータ集約・一元管理といったデジタル活用による業務の効率化・高度化及びシェアード化によるコスト削減
・M&A推進:総合インフラサービス企業に必要な分野に関して不足領域をM&Aの実施により補完
Ⅴ.業績目標
当社の2024年度の業績目標について、以下のように定めています。
(注)営業利益及び純利益については、国際財務報告基準(IFRS)を基準としており、のれん償却を計上していない数値となっています。
Ⅵ.資本戦略・還元方針
当社の資本戦略・還元方針について、以下のように定めています。
(注)2021年11月15日開催の取締役会において、200億円を上限とする自己株式の取得を開始することを決議し、同年11月16日から取得を開始しています。
なお、当社は同年同日開催の取締役会において中長期経営計画『INFRONEER Vision 2030 中長期経営計画』を策定し、当社の2030年度の経営目標及び2021年度からの配当性向を以下のように定めています。
(注)営業利益及び純利益については、国際財務報告基準(IFRS)を基準としており、のれん償却を計上していない数値となっています。
今後の見通しについて、新型コロナウイルス感染症に関しては感染拡大の防止策や各種政策の効果により、持ち直しの兆しが見られましたが、新たな変異株の感染拡大の恐れから、収束時期は依然として不透明とみられます。引き続き状況を注視し、雇用や所得環境など、社会経済活動に与える影響に十分注意していく必要があります。
そのような中で、新型コロナウイルス感染症の拡大により、グループ会社の一部では売上高の減少とそれに伴う利益の減少を一定程度見込んでいるものの、当社グループ全体の業績への影響は軽微であると見込んでいます。なお、当社は政府の方針等に基づき、顧客並びに従業員等の安全確保と感染拡大防止を最優先に必要な対応を迅速に実施しています。今後の動向を注視し、当社の経営方針や経営戦略等に見直しが必要となった場合には、速やかに開示します。
また、建設業界においては、関連予算の執行により公共投資は高水準で推移していたものの、やや弱含みの傾向がみられ、企業の設備投資や住宅建設については、持ち直しの動きに足踏みが見られました。
これらの見通しを含め、当社グループを取り巻く経営環境においては、人口減少による税収減、高齢化の進展による社会保障費の増大により、国や地方公共団体の財政が今後ますます厳しくなる一方で、社会インフラが一斉に老朽化していくため、新規建設はおろか、既存インフラの維持管理・更新への投資もままならない状況になると予想されます。
また、少子高齢化に伴う生産年齢人口減少の影響による担い手不足の更なる深刻化や、デジタル化への変革、地球環境問題への対応等が不可避であることも考えると、建設産業においても従来の価値観が変わり、産業構造そのものが変化していくと考えています。
こうした環境の中でも、「すべてのステークホルダーから信頼される企業」として永続的な企業の発展を目指し、当社グループは前田建設・前田道路・前田製作所の3社経営統合によりホールディングス体制へと移行しました。
これまで以上に当社グループ間でのシナジーを向上させ、人材開発への積極的投資やIT・DX等のデジタルツールの活用拡大の推進、生産性の向上や新たな収益基盤の確立と収益力の向上、ガバナンスの強化改善により経営の更なる強化をグループ全体として推し進めていく所存です。
当第3四半期連結累計期間は、建築事業、土木事業、舗装事業、機械事業及びインフラ運営事業を中心に研究開発を行い、その総額は4,073百万円余です。
(建築事業・土木事業及びインフラ運営事業)
子会社である前田建設においては、「総合インフラサービス企業」に変革するため、生産性や品質の向上に加え、多様化する社会課題をビジネスを通じて解決することで社会的価値と事業価値の向上を同時に実現する研究開発を推進しています。
また、当第3四半期はホールディングス化に伴い、今後のR&D機能の在り方について各事業本部と検討しました。
当期の具体的な取り組み方針として、請負の自動化・省力化・DX分野、脱請負の更なる加速を目的としたマネジメント分野、また中長期にわたり取り組むべき社会課題として考えられるカーボンニュートラル分野などに重点を置いています。
当第3四半期は個々の研究テーマの開発業務、進捗を定期的に外部の視点を含め、審査、確認を実施しました。結果として、昨今の素早い事業環境の変化に即応した研究開発課題への絞り込みを行い、経営資源の選択と集中を図りました。
10月1日からは、技術開発を重ねた中から事業化を図りました「多軸加工機」の販売事業を開始しました。今後は、幅広く販売活動を展開することにより認知を高めると共に販売強化に努めます。
また、人材育成の面においては全社の研究開発の基本的スキルである知財の知識についてeラーニング教育を実施しました。
開設2年目を迎えた、ICI CAMPにおいては、前期に新型コロナウイルス感染症への対策を設備、運用面を中心に行いました。当期は、その対策を踏まえた上で、社内、グループ会社、外部関係先等との交流、深耕の場としての機能を拡充していく時期と考えています。そのような中、当第3四半期は、新型コロナウイルス感染症対策を万全にした中で、外部学術機関の社員向け研修を実施しました。
また、10月にはベンチャーキャピタル企業によるICI CAMPを利用した起業家向けイベントを実施し、様々な立場の方の交流の場としての機能を果たしています。
当第3四半期連結累計期間における研究開発費は2,919百万円余となっています。
(舗装事業)
子会社である前田道路においては、二酸化炭素等の温室効果ガスの放出による地球環境問題や道路交通騒音・振動等の沿道環境問題への対応、道路インフラの効率的保全、デジタル技術の活用等、社会及び国民の幅広いニーズに応えて、サステナブルな社会を創造すべく、「人と環境に配慮した技術」、「生産性の向上に寄与する技術」及び「持続可能な社会をつくる技術」を重点テーマにあげて研究開発に取り組んでいます。これらの研究により、低炭素合材の製造販売やリサイクル製品の製造工程における作業環境の改善、労働力不足の解消、品質の向上等を図ります。
また、アスファルト舗装の持続的再生利用や更なる品質向上が求められるため、再生アスファルト混合物の品質向上に関する様々な取り組みを行っていきます。
当第3四半期連結累計期間における研究開発費は874百万円余となっています。
(機械事業)
子会社である前田製作所においては、産業・鉄鋼機械等関連事業においてクレーン製品を中心とした新製品開発、その他事業では新分野における研究開発を行いました。
新製品開発においてはバッテリー仕様機種の展開拡大など、CO2排出量の削減による持続可能な社会の実現に向けた製品展開に取り組んでいます。また新分野においては、研究推進による新規分野拡大、自社製品へのIoT技術の応用展開の推進により、生産性及び安全性の向上を実現することで、少子高齢化による担い手不足の解消にも取り組みます。
当第3四半期連結累計期間における研究開発費は278百万円余となっています。
(吸収分割契約)
当社は、2021年11月15日開催の取締役会において、2021年12月20日を効力発生日として、当社の完全子会社である前田建設工業株式会社(以下「前田建設」という。)発行に係る社債の管理事業(以下「本事業」という。)に関する権利義務を、吸収分割(以下「本吸収分割」という。)により当社に承継させることを決議し、同年同日付で吸収分割契約を締結しました。
吸収分割契約の概要は以下のとおりです。
(1) 本吸収分割の目的
当社は、2021年10月1日付で、共同株式移転の方法により、前田建設、前田道路株式会社及び株式会社前田製作所の完全親会社として設立されました。本吸収分割は、当社の完全子会社である前田建設の本事業に関する権利義務を当社が承継することにより、当社グループの社債管理業務を当社に一元化するものです。
(2) 吸収分割期日
2021年12月20日
(3) 本吸収分割に係る割当
本吸収分割は、完全親子会社間での会社分割であり、本吸収分割に際し、当社は前田建設に対して分割対価を交付しません。
(4) 承継する部門の経営成績
当該業務の経営成績に関する記載事項はありません。
(5) 承継する資産、負債の項目及び金額
本吸収分割による継承資産・負債は以下のとおりです。
(6)本吸収分割の当事会社の概要
(注)1. 承継会社は、2021年11月15日付で承継会社の子会社である前田建設及びフジミ工研株式会社が保有する承継会社の株式100,571,964株を取得し、同年11月17日付で取得した当該自己株式のうち100,469,295株を消却しました。
2. 大株主及び持株比率については、2021年10月25日時点の数値となります。
3. 承継会社は、2021年10月1日に設立されたため、最終事業年度が存在しません。