第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 経営の基本方針

当社は、2021年10月1日に、前田建設工業(株)、前田道路(株)及び(株)前田製作所の完全親会社として設立されました。「どこまでも、インフラサービスの自由が広がる世界。」の実現をビジョンに掲げ、「インフラストラクチャー・ビジネスの既成概念に挑み、イノベーティブなアイデアで世界中に最適なサービスを提供する。」を果たすべき使命と定め、企業活動を通じて、環境・社会課題の解決にとどまらず、社会そして地球の持続可能な発展に貢献する「総合インフラサービス企業」を目指しています。

「社会・地域の安全安心とサステナビリティ」をバリューとし、当社グループ共通の価値観を醸成するとともに、企業が果たすべき社会的責任についての理解を共有し企業施策を実行していくことで、ステークホルダーの皆様の理解と共感が得られる開かれた経営に努めます。

また、当社は、ステークホルダーの皆様の権利を尊重し、経営の監督機能と業務執行機能を明確に分離することにより経営の公正性・透明性を確保するとともに、適切な情報開示とステークホルダーの皆様との対話を通じ、良好かつ円滑な関係を維持しながら信頼関係を構築していくことで、共同の利益や長期的な価値を協創し、社会価値の創造に貢献します。

 


 

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社は、当社グループ全体として永続的成長を遂げることを目的に、中長期的に目指す姿を「総合インフラサービス企業」と定め、事業会社の従来の事業における強みを活かしつつ、事業領域を拡大し安定的に高収益を上げ続けるビジネスモデルへ転換することや、生産性改革に向けたデジタル化戦略、技術開発及び人材育成等の協働推進による経営基盤強化に取り組んでいます。また、実効性のあるガバナンス体制の構築やDXの推進等により迅速かつ適正な経営を実現し、社会変化への対応力を強化することで、「あらゆるステークホルダーから信頼される企業」を目指しています。今後も、社会・地域・お客様とともにインフラの可能性を広げ、最適なサービスを提供していきます。

これらの実現のため、当社設立時に『INFRONEER Vision 2030 中長期経営計画』(以下、中長期経営計画)を策定しています。中長期経営計画において定める当社グループの「目指す姿」、それを実現するための中長期経営ビジョンの内容は以下のとおりです。

 

①会社概要

商号

インフロニア・ホールディングス株式会社

(英文名 INFRONEER Holdings Inc.)

設立

2021年10月1日

資本金

200億円

機関設計

指名委員会等設置会社

証券コード

5076(東京証券取引所プライム市場)

Vision

どこまでも、インフラサービスの自由が広がる世界。

Mission

インフラストラクチャー・ビジネスの既成概念に挑み、イノベーティブなアイデアで世界中に最適なサービスを提供する。

Value

社会・地域の安全安心とサステナビリティ

 

 

②経営環境認識

当社グループを取り巻く現状の経営環境については、以下のとおりと認識しています。

今後、国内の新規建設の請負市場は、財政上の制約から縮小していくと予測

・その解決策として、官民連携によるインフラの維持管理・更新や新規建設の新たな市場が拡大すると予測

さらにカーボンニュートラルに向けた政策推進により、再生可能エネルギー市場も急速に拡大すると予測

・担い手不足に対して、働き方改革、抜本的な生産性改革の推進が必須

・長期的な企業成長のためには、ESG経営の更なる推進、より高い水準のガバナンス体制が必須

デジタル技術の急激な進展による社会変化の加速に対し、迅速かつ機動的な経営体制の確立が急務

 

③我々が目指す姿

当社グループが「目指す姿」は、以下のとおりです。

・外的要因に左右されずに持続的成長を実現するビジネスモデルの確立を目指し、インフラ運営の上流から下流までをワンストップでマネジメントする「総合インフラサービス企業」をグループ全体戦略として強力に推進する

・グループ各社のエンジニアリング力の集結と、積極的なM&Aによる事業領域の拡大により、競争力を早期に最大化し、外的要因に左右されない「高収益かつ安定的な新たな収益基盤」を確立する

・さらに、実効性のあるガバナンス体制の構築やDXの推進等により、迅速かつ適正な経営を実現し、「社会変化への対応力」を強化することで、「あらゆるステークホルダーから信頼される企業」を目指す

 


 

④戦略三本柱と重点施策

当社グループが「目指す姿」の実現にむけた戦略三本柱とそれぞれの主な重点施策の内容は、以下のとおりです。

・「インフロニアのビジネスモデルに基づく収益基盤の確立」

・「付加価値の最大化」

・「体質強化・改善」

 


 

 

⑤マルチステークホルダーに対する付加価値分配方針

当社が生み出す付加価値を、社会からの要請に応えつつあらゆるステークホルダーへバランスよく配分することで、付加価値を最大化するサイクルを構築し、持続的な成長を実現していきます。

・人財投資:モチベーション向上や人財の成長や豊かさに繋がる従業員への還元策の推進

・成長投資・恒常的投資:安全で質の高いインフラサービス、M&A、IT・DX投資等への「攻めの投資」と、生産設備投資の最適化や重複資産の統廃合等の「守りの投資」の両輪により、付加価値を最大化

・事業パートナー(連携企業、協力会社など):パートナーのニーズに合わせて付加価値を分配し、競争力の強化、事業領域の拡大、経営の安定化、生産性向上をともに目指し、質の良い供給力・体制を確立

・株主・市場:タイムリーな情報開示や対話といった「定性的な還元」と、配当や資本政策に応じた戦略的自社株買い等の「定量的な還元」により、市場からの信頼を獲得し当社株価の継続的な上昇を目指す

 

2030年度の目標数値及び2021年度からの配当性向を以下のように定めています。

 

2030年度目標

 

 

2021年度以降

事業利益

1,000億円以上

 

配当性向(注2)

30%以上

当期利益

700億円以上

 

 

 

ROE

12%以上

 

 

 

 

(注)1.上記数値は、IFRSに基づいています。

2.2025年度から2027年度までの3か年を対象期間とする『INFRONEER Medium-term Vision 2027 中期経営計画』においては、中長期経営計画で定めた目標を上回る40%以上を目標としています。

 

 

(3) 『INFRONEER Medium-term Vision 2024 中期経営計画』の振り返り

当社は、2021年10月の当社設立に伴い、2024年度までの3年間を対象期間とする『INFRONEER Medium-term Vision 2024 中期経営計画』(以下、前中期経営計画)を策定し、公表しました。

業績については、国内のバイオマス発電事業の動向等に鑑み、予定していた再生可能エネルギー事業の売却を延期しましたが、建築、土木、舗装事業における高水準な受注時利益率の確保、施工管理の徹底、設計変更の確実な獲得により、計画からは未達となったものの、3年間において堅調な成長を達成しています。また、重要指標としていた付加価値額も順調に増加しており、前中期経営計画の最終年度となる2024年度においては、計画を上回る1,777億円となりました。

資本戦略・還元方針に係る計画の達成状況については、日本風力開発(株)の完全子会社化による影響で一部計画未達となったものの、配当性向は増配により30%を上回る水準で推移し、自己株式の取得も目標である累計400億円を早期に達成しました。政策保有株式については、2027年度までに保有ゼロとする目標を新たに掲げました。2024年度においては株式52銘柄を売却(内、29銘柄は保有する全株式を売却。売却金額合計約240億円)する等、政策保有株式の縮減に向けた取り組みを加速しています。

 

  <業績数値>                                   (単位:億円)

 

2022年度

(2023年3月期)

2023年度

(2024年3月期)

2024年度

(2025年3月期)

前中期

経営計画

計画対比

売上高

7,118

7,933

8,475

8,750

△275

付加価値額(注3)

1,598

1,742

1,777

1,550

+227

売上総利益

977

1,119

1,155

1,145

+10

事業利益

464

515

485

590

△105

当期利益(注4)

335

326

324

400

△76

EBITDA

805

845

839

 

(注)1.億円未満を四捨五入して表示しています。

     2.計画対比は2024年度(2025年3月期)との比較により表示しています。

3.加算法または控除法により算出します。加算法による場合、事業利益、総人件費、減価償却費、研究開発費の総和により算出される額とします。控除法による場合、売上高から外部購入費用を控除して算出される額とします。

     4.親会社の所有者に帰属する当期利益です。

 

  <資本戦略・株主還元>

 

2022年度

(2023年3月期)

2023年度

(2024年3月期)

2024年度

(2025年3月期)

前中期

経営計画

計画対比

ROE

9.4%

8.6%

7.1%

9.5%

△2.4%

自己資本比率

37.0%

28.4%

35.8%

30%以上

+5.8%

D/Eレシオ

0.4倍

1.1倍

0.8倍

0.6倍以下

△0.2倍

配当性向

42.5%

46.0%

48.3%

30%以上

+18.3%

自己株式の

取得

累計300億円

累計400億円

累計400億円

以上

早期達成

政策保有株/

純資産割合

19.8%

25.8%

14.7%

20%以下

+5.3%

保有資産の

売却

46億円

非効率な資産の

売却・統合を検討

 

   (注)計画対比は2024年度(2025年3月期)との比較により表示しています。

 

(4) 経営環境と対処すべき課題、新中期経営計画の概要

①経営環境と対処すべき課題

当連結会計年度末現在における当社グループを取り巻く経営環境においては、人口減少による税収減、高齢化の進展による社会保障費の増大により、国や地方公共団体の財政がますます厳しくなる一方で、高度経済成長期に整備された膨大な数の社会インフラが一斉に老朽化していくため、新規建設はおろか、既存インフラの維持管理・更新への投資もままならない状況になると予想されます。また、少子高齢化に伴う生産年齢人口減少の影響による担い手不足の更なる深刻化や、デジタル化への変革、地球環境問題等への対応が不可避であることも考えると、建設産業においても従来の価値観が変わり、産業構造そのものが変化していくと考えられます。

このような社会課題を解決するため、当社は、前田建設工業(株)、前田道路(株)、(株)前田製作所、日本風力開発(株)をはじめとしたグループ各社が有する従来の事業における強みを活かしつつ、グループのシナジーを発揮することが重要と考えています。

当社グループは引き続き、インフラに関わる事業の企画提案、施工、運営・維持管理、再投資等のインフラのライフサイクル全体をマネジメントする「総合インフラサービス企業」への転換に挑戦し、「どこまでも、インフラサービスの自由が広がる世界。」の実現を目指してまいります。

 

②『INFRONEER Medium-term Vision 2027 中期経営計画』の概要

前中期経営計画における取り組みと成果を踏まえ、当社は、2025年度から2027年度までの3年間を対象期間とする『INFRONEER Medium-term Vision 2027 中期経営計画』(以下、新中期経営計画)を策定し、2025年3月に公表しました。新中期経営計画では、2030年度までを対象期間とする『INFRONEER Vision 2030 中長期経営計画』で掲げている目指す姿の実現に向けて、前中期経営計画での成長を基盤に今後3年間を「投資事業拡大フェーズ」と位置付け、財務規律に則り、バリュー思考に基づく積極的な成長投資を推進します。EBITDAを重要指標として収益力を正確に把握し、特にインフラ事業における持続的成長を目指します。

また、当社は、2021年10月の設立時から機関設計として「指名委員会等設置会社」を採用していますが、経営の監督と執行の機能を明確に分離し、透明・公正かつ果断な意思決定を行うための仕組みであるコーポレート・ガバナンスのあるべき体制をさらに進化させ、未来志向の事業戦略と実行力で企業価値向上と社会貢献の両立を実現してまいります。

 

 ビジネスモデル

当社は、インフラの上流から下流までをワンストップでマネジメントする「総合インフラサービス企業」を目指し、グループ全体が外的要因に左右されずに持続的な成長を実現するビジネスモデルの確立に取り組んでいます。請負事業の強化と脱請負事業の拡大により、成長サイクルの好循環を目指してまいります。

 


 

新中期経営計画の位置付け

当社は、新中期経営計画の3年間を、「投資事業拡大フェーズ」と位置付けています。官民連携事業や再生可能エネルギー事業への投資拡大や、請負を活かした新事業の実行、M&Aの更なる推進に注力してまいります。

 


 

業績目標

 2027年度の業績目標について、以下のとおり定めています。

 

事業利益

700億円

EBITDA(注1)

1,100億円

当期利益

430億円

付加価値額(注2)

2,250億円

 

   (注)1.事業利益に減価償却費を加算して算出します。

2.加算法または控除法により算出します。加算法による場合、事業利益、総人件費、減価償却費、研究開発費の総和により算出される額とします。控除法による場合、売上高から外部購入費用を控除して算出される額とします。

 

資本戦略・還元方針

資本戦略・還元方針について、以下のとおり定めています。資産の効率化と収益性の向上を通じてROEを9.0%まで引き上げるほか、自己資本比率30%以上を維持し、D/Eレシオを1.0倍以下に抑えることで、財務健全性を確保します。また、年間配当金の下限を普通株式1株当たり60円とし、配当性向の目標を前中期経営計画の30%以上から引き上げ40%以上とすることで、安定かつ成長に連動した還元を維持してまいります。

政策保有株式については2027年度までに保有ゼロを目標とし、保有不動産については新中期経営計画期間中に100億円以上の売却を推進します。これらの売却により得られる経営資源を官民連携事業や再生可能エネルギー事業等の成長投資に振り向け、事業領域の拡大と利益の最大化を目指します。

 

ROE

9.0%

 

配当性向

40%以上

自己資本比率

30%以上

 

下限配当

60円/株

D/Eレシオ

1.0倍以下

 

 

 

政策保有株/純資産割合

0%

 

 

 

保有不動産の売却

100億円以上

 

 

 

 

 

 


 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

当社は、「どこまでも、インフラサービスの自由が広がる世界。」をビジョン(目指す未来)に掲げ、「インフラストラクチャー・ビジネスの既成概念に挑み、イノベーティブなアイデアで世界中に最適なサービスを提供する。」をミッション(使命)と定め、「社会・地域の安全安心とサステナビリティ」をバリュー(約束する価値)とし、企業活動を通じて、環境・社会課題の解決にとどまらず、社会そして地球の持続可能な発展に貢献する「総合インフラサービス企業」を目指しています。

当社の考えるサステナビリティは、「インフラサービスを取り巻く社会課題の解決に取り組み、自社の成長と企業価値向上に努め、良質なインフラサービスの提供とその社会的価値向上を図り、社会に貢献する企業」を目指す事業活動そのものであると考えています。社会には多数の課題が存在しており、環境課題や社会課題は個別の課題ではなく総合的に考えるべき課題であり、当社グループ全体の事業の中で解決しなければなりません。また、これらの課題解決を確実に推進するために、高度なガバナンス体制を採用し適正なリスクマネジメントを行っています。

 

(1)ガバナンス

当社は、代表執行役社長を議長とし、全執行役及び事業会社担当役員を委員とするサステナビリティ委員会を設置しています。当委員会は、企業価値に影響を与える中長期リスク・機会、社会課題に対し、企業の持続的発展を図るための検討を実施し、当社グループの経営計画に反映することを目的としています。

定期的に当委員会を開催し、サステナビリティ関連の方針、目標の制定・見直しや気候変動シナリオの選定及び移行計画(設備・開発投資)の立案、これらの施策を補完するためのステークホルダーエンゲージメントを行い、当社グループ全体のサステナビリティを推進しています。また、当委員会における検討内容は、定期的に取締役会に報告し、取締役会の監督が適切に行われるよう体制を整えています。

当連結会計年度においては、2024年5月、8月、11月、2025年3月の計4回開催し、主な審議事項は以下のとおりです。

 

開催日

主な審議事項

2024年5月10日

・インフロニアグループ サステナビリティステートメント策定について

・2023年度「地球への配当」実績報告について

2024年8月8日

・インフロニアグループ 人権方針改定について

・TCFD提言に基づく開示内容の更新について

2024年11月11日

・2024年度「地球への配当」上半期実績報告について

2025年3月10日

・RE100目標の更新について

・インターナルカーボンプライシングの導入について

 

 


 

 

(2)戦略

当社の考えるサステナビリティは上記のとおり、当社の事業活動そのものです。

サステナビリティに関する課題及びマテリアリティの特定にあたっては、少子高齢化や財源不足、担い手不足などわが国のインフラが抱える課題や当社グループを取り巻くステークホルダー、バリューチェーンなどの分析を行いました。

課題の抽出・統合・絞込みを行い、マテリアリティとして「安全安心とより快適な社会の創造」、「攻めの環境配慮社会の実現」、「バリューチェーンの強化」、「守りの環境配慮社会の実現」、「価値創造人材と相互尊重」、「ガバナンスの強化」を特定しています。これらのマテリアリティの解決を通じて、事業を通じた社会課題解決及び事業基盤の強化に取り組み、社会の持続的な発展と当社グループの持続的な成長の両立を目指します。

これら6つのマテリアリティは、中長期経営計画の戦略三本柱「インフロニアのビジネスモデルに基づく収益基盤の確立」、「付加価値の最大化」、「体質強化・改善」とも連動しており、それぞれに2030年の中長期目標(達成ビジョン)及びKPIを定め、実現に向けた施策を実行・推進しています。なお、中長期目標、KPI、実績の詳細につきましては、「(4)指標と目標」に記載のとおりです。

参照URL: https://www.infroneer.com/jp/sustainability/materiality.html

 

(3)リスク管理

マテリアリティ特定プロセスにおいて、事業会社(セグメント)別のサステナビリティに関するテーマについて、抽出・統合・絞込みを行い、29項目の重要テーマに分類し、グループ全体及び事業会社へ及ぼすリスク・機会を検討し重要性を評価しています。特に重要なテーマについては、各マテリアリティに対応するサブ課題として整理しています。

これらサステナビリティに関するリスク・機会に関して、サステナビリティ委員会及びリスク管理委員会において具体的な検討を行い、リスクの低減及び機会の獲得・創出に努めています。

参照URL: https://www.infroneer.com/jp/sustainability/materiality.html

 

(マテリアリティ特定プロセス)


 

 

(4)指標と目標

6つのマテリアリティに対して、サブ課題、2030年の中長期目標(達成ビジョン)、KPIを定め、目標達成に向けて進捗管理を行っています。上記ガバナンスにおいて各指標の進捗状況をモニタリングし、今後の取り組みに反映しています。

マテリアリティ、サブ課題、中長期目標、KPI、2023年度実績は以下のとおりです。

 

マテリア

リティ

サブ課題

2030中長期目標

(達成ビジョン)

KPI

(2030年度目標)

2023年度実績

安全安心とより快適な社会の創造

・インフラ運営事業の拡大(コンセッション事業を通じた社会課題解決への貢献)

 

・建設物(建物・橋・トンネル・道路・ダム等)商品の安全性と品質の確保

 

・建設物(建物・橋・トンネル・道路・ダム等)の機能性、快適性向上に貢献する商品・工法の開発・販売・施工の推進

 

・防災・減災の推進

・ポートフォリオの充実と収益性拡大

 

 

・顧客からの高評価獲得(品質、安全 、機能性、快適性と付加価値提案)

・請負と脱請負の営業利益比50:50

 

 

 

 

 

 

・建築:顧客満足度調査 80/100点以上

 

・土木:工事成績評点 80/100点以上

 

・舗装:顧客満足度調査 80/100点以上

 

 

・機械:顧客満足度調査 5段階評価中、4以上

 

102:▲2

※2023年度は戦略的にインフラ売却を先送りしたため、脱請負の営業利益が低くなっています。

 

 

87点

 

 

81.2点

 

 

工事部門:89.14点

製造部門:85.2点

 

 

3.9

攻めの環境配慮型社会の実現

・再生可能エネルギーによる発電及び発電施設の建設・運営

 

・環境負荷低減を実現する工法、設備・商品の設計・施工・製造の推進(ZEB、木造建築等)

・再生可能エネルギー関連事業の拡大

 

 

・カーボンニュートラルの実現に寄与する設計施工施設への取り組み強化

・開発した累積総発電量:100万MWh/年

 (1,000GWh/年)

 

・設計施工比率(建築) 70%(3年平均)

 

・木造・木質化建築における炭素固定量

   2,000t-CO2/年

 

・設計施工非住宅案件のZEB採用率 40%

 

54.6万MWh/年

(546GWh/年)

 

 

63.29%(3年平均)

 

 

 

496t-CO2/年

 

 

29%

バリューチェーンの強化

・地域コミュニティへの公益向上/地域での優先調達

 

・協力会社との連携強化/供給能力強化と生産性向上(担い手確保・教育)

 

・建設現場の省力化、効率化に貢献する工法、技術、商品の設計・施工/開発・製造の推進

・地方拠点社員の地元採用率、地域内発注の拡大

 

・協力会社の供給能力向上と担い手育成

 

・建設現場の省力化、効率化、適正化

 

・シェアード化による業務効率最大化と販管費最小化による経営資源の適正配分

 

・建設現場の省力化、効率化に貢献する認定技術/商品の開発を加速する

・地域人材の積極的雇用

 

 

 

 

・建設キャリアアップシステム現場登録率:2023年度100%

 

 

・一人当たり完工高

 1.37億円/人(土木)

 1.53億円/人(建築)

 

 

・ROIC 策定中

 

・認定技術基準の早期作成 策定中

前田建設が運営するコンセッション事業でのSPC社員に占める現地採用の割合 56.4%

 

事業者登録率:75%

技能者登録率:75%

現場登録率:100%

 

 

 

1.07億円/人(土木)

1.25億円/人(建築)

 

 

4.0%

 

 

 

マテリア

リティ

サブ課題

2030中長期目標

(達成ビジョン)

KPI

(2030年度目標)

2023年度実績

守りの環境配慮型社会の実現

・バリューチェーン全体の温室効果ガス排出の削減

 

・化石資源由来原材料の削減

 

・再生材の利用率向上と廃棄物ゼロに向けた取り組み

 

・生物多様性の保全

・バリューチェーン全体の温室効果ガス排出量削減を実現する

 

・全社の非化石証書の導入

 

・プラントからの温室効果ガス排出量削減を実現する

 

・工場における廃棄物大幅削減を実現する

 

・新設工事における再生材利用率向上

 

・生物多様性保全に向けたマネジメント制度を確立

 

・生物多様性保全技術を幅広く展開する

 

・森づくりの活動の継続と発展

・スコープ1・2

 2030年度40%削減

 (2018年度比)

 2050年度排出実質ゼロ

 

・スコープ2

 再生可能エネルギー

 (電力)利用率

 2030年度RE60

 2050年度RE100

 

・スコープ3

 2030年度までに40%削減(2018年度比)

 

・新設工事における廃棄物排出量 

前年度比改善/総量ベース

 

 

 

 

 

 

・新設工事における再生材利用率

前年度比改善/総量ベース

 

 

 

 

 

・生物多様性と生態系サービスの維持に資する「地球への配当」の金額

 前年度比増

 

▲29%

 

 

 

 

62%

 

 

 

 

 

▲47%

 

 

 

 

合計数値:83万t

前田建設:51万t

(前年度比▲16万t)

前田道路:31万t

(前年度比▲2万t)

前田製作所:0.07万t

(前年度比+0.03万t)

 

 

 

アスファルト:78%

(前年度比+2%)

コンクリート:32%

(前年度比+10%)

スチール:58%

(前年度比+10%)

 

 

 

 

8百万円

(前年度比+3百万円)

 

 

 

マテリア

リティ

サブ課題

2030中長期目標

(達成ビジョン)

KPI

(2030年度目標)

2023年度実績

価値創造人材と相互尊重

・グループ人材戦略の推進教育(研修の充実と推進)

 

・労働者の就労環境・条件の改善/安全衛生の推進

 

・人材の多様性の受入れと活躍の場の拡大/人権への理解向上と侵害防止

 

・不法就労/強制労働の防止(外国人労働者への対応)

・それぞれの社員にとって必要な研修の完全受講を実現する

 

・出産・育児等の休職・休暇取得率向上の実現

 

・適切な総労働時間の実現

 

・労働者の心身の健康を維持継続

 

・働き甲斐のある職場の実現

 

・障がい者、女性社員、女性技能社員の雇用率を向上

 

・全社員が人権尊重に対する認識を高め適切な判断と行動ができるようになる

 

・施工現場で働く外国人の全てが正当な就労条件の下で働いていることの維持継続

・多様な人材が活躍できる企業風土・制度の構築による社員エンゲージメントの向上

 強みの強化と伸びしろ(弱み)の改善(フィードバック・施策の実施)

 女性社員雇用率の向上 前年度比増

 

・重大災害ゼロ度数率の低減

 度数率を2030年度まで継続して0.6以下(前田建設)

 

・個の力向上に向けた人材育成の実施

 人事部主催の研修への参加率 100%

 

 

 

 

 

 

 

16%

(前年度比▲1.3%)

 

 

 

 

度数率:0.5

強度率:0.02

 

 

 

 

94.6%

 

ガバナンスの強化

 

・実効性あるガバナンス体制の構築

 

・コンプライアンスの遵守と不当競争・腐敗の防止

 

・情報セキュリティ

 

・顧客プライバシー

 

・リスク管理の強化

 

・社外取締役を過半数とする取締役会の実現

 

・指名委員会・報酬委員会・監査委員会の運営

 

・サステナビリティ委員会を中心としたESG施策の推進

 

・ステークホルダーから信頼されるガバナンス体制であること

 

・重大な法令違反件数をゼロとする

 

・重大な情報セキュリティ事故を起こさない

 

・顧客プライバシーの漏洩事故を起こさない

 

・リスク管理体制の適切な運用の維持

・社外取締役比率:50%

 

 

・取締役会議長及び指名・報酬・監査委員長への独立社外取締役起用

 

・社長をリーダーとするサステナビリティ委員会の下PDCAの実施

 

社外取締役比率:55.5%(5名/9名)(注)

 

取締役議長及び指名・報酬・監査委員長は独立社外取締役を起用

 

サステナビリティ委員会

開催回数:4回

 

 

(注)2025年6月23日(有価証券報告書提出日)現在においても、社外取締役比率に変更はありません。なお、当社は2025年6月24日に開催予定の定時株主総会の議案として「取締役7名選任の件」を提案しており、これが承認可決された場合、取締役7名のうち6名が社外取締役(社外取締役比率:86%)となる見込みです。

 

 

<気候変動への対応>

 気候変動に関する方針・考え方

気候変動は当社グループの重要経営課題のつであり、官民連携によるインフラの維持管理・修繕・更新や新規建設において、カーボンニュートラルの取り組みが加わった市場がより急速に拡大すると認識しています。当社グループは2050年までにスコープ1、2、3の温室効果ガス(以下、GHG)排出量を「実質ゼロ」とする目標を掲げ、気候変動への取り組みを強化すると共に、エネルギー使用の削減と効率化への取り組みを進めています。また、2030年GHG削減目標を「1.5℃水準」に更新し、2024年11月にSBTイニシアチブより認定を受けました。

 

(1)ガバナンス

当社グループは、気候変動を重要経営課題の一つと認識しています。気候変動に関わる基本方針や重要事項について定期的にサステナビリティ委員会にて検討を行うとともに、取締役会の監督が適切に行われるよう体制を整えています。

 

(2)指標及び目標

当社グループは「2050年カーボンニュートラル」に向け、2030年にGHG排出量の削減目標を2018年度比40%削減としていましたが、取り組みを加速させるため新たな目標を掲げました。2021年度を基準年とし、2030年にスコープ1+2を45.8%削減、スコープ3を25%削減としています。この新たな目標は、2024年11月にSBTイニシアチブより認証を受けています。

 


 

 

(3)実績

  2023年度は、ecole(エコール)※1導入推進や再生可能エネルギー積極活用(非化石証書含む)等の取り組みにより、約274万t-CO2※2(前年度より約28万t-CO2減少)となりました。また、目標に対しては、2018年度比でスコープ1+2は29.0%削減、スコープ3(カテゴリー1+11)は42.8%削減となりました。

また、エンボディドカーボン※3を評価する体制を強化し、バリューチェーン全体の排出量削減を進めます。インフラ運営事業でも、サプライヤーやバリューチェーンのステークホルダー間でGHG排出量削減の実効性を高めるための情報交換と共有の仕組みをつくり、環境負荷削減のワンストップサービス構築を目指します。

 

   ※1 機械式フォームド技術を利用した低炭素(中温化)アスファルト混合物。

   ※2 スコープ1、スコープ2、スコープ3(カテゴリー1+11)の合計値

   ※3 建物の建設・改修・修繕・廃棄・リサイクル等、運用以外で排出されるCO2の総量。

 

  さらに、報告内容に対する信頼性の確保のための取り組みとして、GHG排出量(スコープ1、スコープ2、及びスコープ3カテゴリー1、11)について、(株)サステナビリティ会計事務所による第三者検証を実施しています。今後も第三者検証を有効に活用し、継続的に精度向上に取り組んでいきます。

 


 

(4)リスク管理・戦略

リスクと機会の抽出は、当社グループ全体を対象に各事業会社の主管部門を中心に行い、その結果を当社のサステナビリティ推進室で集約し、財務影響分析を行いました。このプロセスに基づき特定した主要なリスクと機会については、サステナビリティ委員会において検討した後、取締役会へ報告し、必要に応じてリスクの緩和・コントロールについて検討します。さらに、この結果は四半期ごとに開催されるリスク管理委員会とも共有し、当社グループ全体のリスク管理体制の中で検討・管理しています。

 

 

(5)シナリオ分析の前提

気候変動におけるリスクと機会は、「脱炭素社会への移行の影響(主に政策面)」と「物理的影響(主に自然災害の発生)」に分けることができ、気候変動の緩和が進む「1.5℃シナリオ(進展シナリオ)」、気候変動の緩和が進まず物理リスクが最大化する「4℃シナリオ(停滞シナリオ)」の2つのシナリオで分析を実施しました。各シナリオの前提条件は、各国際機関等が公表している将来的な気候予測等を参照のうえ、短期~中期(2030年まで)、中期~長期(2050年まで)を想定して検討を行っています。

 


 


 

 

(6)リスク・機会の財務影響評価及び対応策

シナリオ分析によって特定した、主要なリスク・機会の財務影響評価及び対応策は以下のとおりです。

 


 


 


 

(7)財務影響評価による戦略の強靭性について

本分析の結果、当社グループにおける戦略は、現時点において移行・物理的リスクのいずれにおいても、致命的な影響は見受けられないものと判断しました。

 

<人的資本への対応>

(1)戦略

当社グループは、請負と脱請負の連携と融合を加速させるため、グループ全体で幅広い観点から多様性を確保し、知恵とアイデアを重ね合わせて挑戦し、共創する人材と組織をつくるという人材戦略のもと、価値創造人材を育て、組織強化を図ることで企業価値向上を実現します。

 

(中期経営計画グループ人材戦略)


 

(グループ人材戦略)


 

 

人材戦略の実現に向けてエンジニアリング力・地域ビジネス・組織文化の3つの視点に即した多様な人材の計画的な確保と、多様な人材が活躍できる組織づくりの両面から施策を策定しています。人材戦略及び施策の推進により、今ある多様な人材の強みと新たに加わる多様な人材の強みを掛け合わせ、当社グループの目指す姿である「総合インフラサービス企業の確立」を実現します。

なお、当社グループにおける人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下の「インフロニアグループ ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンポリシー」に定めています。

 

 

 

インフロニアグループ

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンポリシー

■ 前文

インフロニアグループは、「インフラストラクチャー・ビジネスの既成概念に挑み、イノベーティブなアイデアで、世界中に最適なサービスを提供する。」という使命をもち、多様な価値観やライフスタイルを持つお客様の日々の生活基盤となるインフラサービスを提供しています。多様性のある社会においてインフラサービスを提供し続けるためには、多様な価値観、属性、能力等を有し、共創するメンバーの一人ひとりが能力を最大限に発揮し、新たな価値を生み出していくことが必要であり、インフロニアグループは、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進を重要な経営戦略として位置づけ、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指し、以下の方針に基づき取り組みを進めていきます。

 

 方針

1. ダイバーシティを活かす
 私たちは、インフラストラクチャー・ビジネスの既成概念に挑むため、今ある多様な強みと新たに獲得する多様な強みを結集し、あらゆる意見とアイデアが溢れ出す、革新的かつ創造的な企業文化を醸成します。

2.   エクイティの追求
 私たちは、挑戦する一人ひとりに公平な機会が提供され、公正な評価や処遇を実現するための制度や環境を整えます。

3.   インクルージョンの推進
 私たちは、インフロニアグループに誇りを持ち、自分らしさを発揮できるよう、多様な人財の価値観、属性、能力、ライフスタイル等を尊重します。また、挑戦する一人ひとりの成長と活躍を実現するキャリア形成支援に取り組みます。

4.   トレーニングの提供
 私たちは、全ての人財とダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの重要性を共有し、企業文化を醸成するトレーニングの機会を提供します。

5.   パートナーシップの強化
 私たちは、パートナーと共にダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを重視し、企業活動を通してより良い社会を作るための取り組みを推進します。

 

 

 

 

(2)指標及び目標

当社グループでは上記方針に関する指標として、障がい者雇用率、女性社員雇用率及び女性技能社員雇用率を指標として用いています。当連結会計年度末現在における人的資本に係る目標、指標及び実績は、以下のとおりです。測定可能な目標、指標については順次項目の新設や見直しに取り組んでまいります。

 

(2025年3月31日現在)

目標

会社名

指標/実績

障がい者雇用率

女性社員雇用率

女性技能社員雇用率

障がい者、女性社員、
女性技能社員の雇用率を向上

前田建設工業(株)

2.5%

13.4%

7.4%

前田道路(株)

2.7%

20.2%

2.6%

(株)前田製作所

2.5%

13.9%

4.6%

日本風力開発(株)

1.4%

27.7%

 

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループは、事業運営における多様なリスクを認識し、適切に管理することを重要な経営課題と位置付けています。リスク管理委員会を四半期ごとに開催し、経営層及び各部門の責任者が参加する体制を構築しています。この委員会では、事業活動や外部環境の変化に伴うリスクを網羅的に洗い出し、評価・優先順位付けを行い、重要なリスク項目を特定しています。

さらに、各リスクに対する具体的な対応策を策定し、その実行状況をモニタリングすることで、リスク管理の精度を向上させています。また、リスク要因の相関性を考慮した定期的な見直しを実施し、内部統制との連携を強化することで、全社的なリスクマネジメントを推進しています。

当社グループは、リスク管理において単なるリスク回避に留まらず、リスクを認識した上で適切にリスクテイクを行うことで企業価値の向上と持続可能な成長を目指しています。この取り組みはグループ全体で共有され、すべての事業活動において実践されています。

当社グループは、新たに策定した中期経営計画「INFRONEER Medium-term Vision 2027」において、戦略の三本柱並びに重点施策を策定・推進しており、それに伴いリスク管理の枠組みを強化しました。具体的には、前期までの取り組みを踏まえつつ、 「ガバナンス・コンプライアンス・開示と報告」、「戦略と計画」、「業務運営と経営」の視点から、各重点施策に係るリスクの見直しを行いました。この取り組みにより、事業とリスクの関連や影響をより正確に把握し、発生時には迅速かつ適切な対応が可能となっています。

また、リスク管理プロセスにおいては、各重点施策に関連するリスクを網羅的に抽出し、その中でも特に影響が大きいと判断される重点リスクを特定しています。これら重点リスクについては、リスクの発生可能性や影響度を評価した上で、優先的に対応策を講じており、その内容を以下に記載しています。このアプローチにより、当社グループが直面するリスクの重要性を明確化し、効果的な対応を進めています。

なお、以下に記載する内容は当連結会計年度末日(2025年3月31日)において判断したものであり、当社株式への投資に関するすべてのリスクを網羅するものではありません。実際のリスク事象においては、その発生時期、影響の程度が異なる可能性があるため、これらの点に留意する必要があります。

 

 

(リスクの見直し・再評価プロセス)


 

(各重点施策に関連するリスク)


(注)各重点施策に関連するリスクを○で示しています。また、その中でも特に影響が大きいと判断される重点リスクを◎で示しています。

 

 

国内における事業領域・インフラサービス事業の更なる拡大

リスク認識

 当社グループは、総合インフラサービス企業として国内市場における事業領域の拡大を推進する中で、以下のリスクを認識しています。

 競争環境の急激な変化や顧客ニーズの多様化によって、既存戦略が陳腐化する可能性があります。新たな市場参入や事業拡大計画においては、需要予測の不確実性が増大し、計画の実現可能性に影響を及ぼす可能性があります。

 M&A及び事業売却では、対象企業の評価プロセスにおける情報不足や価値評価の誤りが発生する可能性が考えられます。これにより、統合後に期待されるシナジー効果が十分に発揮されず、事業ポートフォリオのバランスが崩れる可能性があります。また、事業売却の際には、売却プロセスの適切な管理が求められ、これを怠ると不利な条件での売却に至る可能性があります。さらに、対象企業の経営成績の悪化等により企業価値が低下した場合には、のれんの減損処理を行う必要が生じる可能性があります。

 経済情勢の変動において、インフレや金利の上昇、規制の強化が、当社グループの事業収益性や成長性に直接的な影響を与える可能性があります。これらの経済的要因は、計画通りの事業運営を困難にするだけでなく、予期しないコスト増加を引き起こす可能性があります。

対応策

 当社グループは、これらのリスクに対して、以下の対応策を講じていきます。

 事業戦略に関して、詳細な市場調査と競合分析を継続的に行い、データに基づいた戦略を策定し、必要に応じて戦略の見直しを行います。このプロセスでは、市場の動向や顧客ニーズの変化を的確に捉え、戦略の適切性を維持し、外部環境の変化にも迅速に対応できるようにしていきます。

 M&A及び事業売却について、詳細なデューデリジェンスを徹底し、対象企業の財務状況、法的リスク、事業シナジーを包括的に分析して価値評価の正確性を確保します。また、組織統合プロセスでは、従業員や取引先との透明性の高いコミュニケーションを通じて、影響を最小限に抑える取り組みを進めます。事業売却に際しては、適切な価値評価と売却プロセスの透明性を重視し、最適な事業ポートフォリオの追及を目指します。のれんの減損を未然に防ぐために、買収前のデューデリジェンスにおいて対象企業の収益性や成長可能性を慎重に評価します。また、買収後の対象企業の事業計画や経営成績を継続的にモニタリングすることで対象業績評価指標(KPI)を定期的に確認し、経営課題を特定・改善するための支援を行います。

 経済情勢の変動に対して、経済指標や市場動向のモニタリングを強化し、経済状況の変化に伴うリスクを早期に察知し、必要に応じて戦略転換の検討を行います。

 

 

海外における事業領域拡大・インフラサービス事業への参入

リスク認識

 当社グループは、海外における事業領域の拡大及びインフラサービス事業への参入を進める中で、以下のリスクを認識しています。

 地理的・政治的要因として、進出先国や地域における政治的安定性の欠如、規制や法律の変化、紛争や制裁措置などの地政学的リスクが、事業運営に直接的な影響を及ぼす可能性があります。また、現地関係機関との連携が不十分な場合、プロジェクトの遅延や中止といった事態の発生も懸念されます。現地企業との提携において、対象企業の財務状況や事業環境に対する理解不足や、企業文化・組織運営の違いにより統合プロセスや提携効果への悪影響が懸念されます。

 資機材調達では、現地の調達網や物流インフラの未整備、輸送リスク、関税や規制の影響により、調達遅延やコスト増加が生じる可能性があります。

 事業戦略において、現地市場の需要や競争環境を正確に把握していない場合、目標とする事業拡大が達成できない可能性があります。

対応策

 当社グループは、これらのリスクに対して、以下の対応策を講じていきます。

 地理的・政治的要因への対応に関して、進出先国や地域の政治・経済情勢を継続的にモニタリングし、地政学的リスクに対する早期警戒体制を構築していきます。また、現地の規制や法律に精通した専門家やコンサルタントを活用し、法的リスクの最小化を図るとともに、現地関係機関やパートナーとの協力体制を強化します。現地企業との提携では、デューデリジェンスを徹底し、対象企業の財務状況や事業環境を詳細に分析するとともに、企業文化・組織運営に係る相互理解を促進することで、提携効果を最大化します。

 資機材調達について、必要に応じて調達先の分散を進め、現地調達ネットワークの構築や物流インフラの改善を推進することで、供給の安定性を確保していきます。

 事業戦略に対し、進出先市場の詳細な調査を実施し、需要や競争環境を的確に把握した上で、現地市場に適応したビジネスモデルやサービスを設計・実行します。また、戦略の進捗状況を定期的にレビューし、柔軟に修正を加える仕組みを整備していきます。

 

 

バリュー思考に基づく、価値創造プロセスの最適化

リスク認識

 当社グループは、バリュー思考に基づく価値創造プロセスの最適化を図り、経済的価値と社会的価値の両立を目指す中で、以下のリスクを認識しています。

 グループ全体戦略が機能不全に陥ることにより、市場の変化や競争環境の激化に適切に対応できない、価値創造プロセスが期待した成果を十分に発揮できないなど、企業としての持続可能性が損なわれる可能性があります。

 企業文化の醸成が不十分である場合、従業員間の協働が阻害され、モチベーションや組織へのコミットメントが低下し、結果として価値創造プロセスへの貢献度が減少し、経済的価値と社会的価値の両立が困難になる可能性があります。

 多様な人材の採用・育成が不十分な場合、社内の創造性や革新性が低下し、価値創造プロセスの最適化が達成されない可能性があります。また、従業員の離職率が上昇することで企業の競争力が低下する可能性があります。

対応策

 当社グループは、これらのリスクに対して、以下の対応策を講じていきます。

 グループ全体戦略に関して、市場動向や競争環境を詳細に分析し、柔軟かつ持続可能なビジネスモデルを構築するとともに、価値創造プロセスの進捗状況を定期的にレビューし、必要に応じて戦略を見直すことで変化する環境に迅速に対応します。

 企業文化について、透明性の高いコミュニケーション体制を整備し、従業員の声を積極的に取り入れる仕組みを構築することで、従業員の満足度を向上させ、組織全体の協働と創造性を促進します。

 人材多様性に対して、ジェンダーを含む多様なバックグラウンドを持つ人材の採用・育成を推進し、社内でのインクルージョンを促進することで、従業員が自身の能力を最大限に発揮できる環境を整備し、組織全体の創造性と革新性を向上させます。

 

 

グループ連携による利益の最大化

リスク認識

 当社グループは、グループ全体での利益最大化を目指す中で、以下のリスクを認識しています。

 グループ全体戦略として、相互補完性の欠如や市場変化への適応の遅れが、効率の低下や利益創出の阻害を招く可能性があります。

 企業文化では、グループ間での価値観や目標の共有が不十分である場合、信頼関係が弱まり、連携が阻害される可能性があります。

 従業員エンゲージメントが低下することで、モチベーションや組織へのコミットメントが低下し、価値創造への貢献度が低下する可能性があります。

対応策

 当社グループは、これらのリスクに対して、以下の対応策を講じていきます。

 グループ全体戦略の最適化に関して、定期的な市場分析や競合調査を行い、環境変化に柔軟に対応できる仕組みを構築します。また、グループ内での資源共有を促進し、相互補完性を高める体制を整備します。

 企業文化の強化について、グループ内での価値観や目標の共有を推進し、信頼関係を深めるためのコミュニケーション施策を導入します。共通の研修やイベントを通じて、グループ間の一体感を醸成します。

 従業員エンゲージメント向上に対して、透明性の高い評価制度を導入し、従業員が能力を最大限に発揮できる環境を整備します。さらに、従業員の声を積極的に取り入れる仕組みを構築し、モチベーション向上を図ります。

 

 

安定かつ低コストな資金調達の実現

リスク認識

 当社グループは、安定かつ低コストな資金調達を目指す中で、以下のリスクを認識しています。

 経済情勢として、金利の上昇、為替変動、市場の不安定化など外部環境の変化により、資金調達コストが増加する可能性があります。

 財務状況が悪化した場合、財務健全性や信用力の低下により資金調達が困難となり、調達条件が悪化する可能性があります。

 レピュテーションにおいて、情報発信の不備や不透明な経営等に起因する企業活動や経営方針に対する批判、不適切な情報の流布などにより、投資家や金融機関などステークホルダーからの信頼が低下し、資金調達に悪影響を与える可能性があります。

対応策

 当社グループは、これらのリスクに対して、以下の対応策を講じていきます。

 経済情勢の変化に関して、資金調達のタイミングを適切に管理し、多様な調達手法を組み合わせることでリスク分散を図ります。 経済動向や市場環境により、迅速に意思決定を行う体制を整えます。

 財務状況について、財務健全性を維持するため、最適な資本構成を検討しつつ、キャッシュ・フロー管理を徹底します。財務情報の透明性を高めることで金融機関や投資家からの信頼を強化し、信用格付けの向上を目指します。

 レピュテーションに対して、企業の評判を守るため、透明性の高い経営を徹底し、正確かつ適時な情報開示を行います。また、内部統制を強化し信頼性を向上させるとともに、株主や取引先、地域社会との積極的な対話を通じて、企業活動への理解を深め、評判の毀損を未然に防ぎます。

 

 

付加価値創出に繋がる視点での固定費・管理費の適正化

リスク認識

 当社グループは、固定費や管理費の適正化を進める中で、以下のリスクを認識しています。

 グループ全体戦略として、過度なコスト削減が製品やサービスの差別化を損ない、顧客満足度やブランド価値を低下させる可能性があります。

 事業戦略では、リソースの適正化が不十分な場合、新規事業や成長市場への投資余力が不足し、長期的な競争優位性が損なわれる可能性があります。

対応策

 当社グループは、これらのリスクに対して、以下の対応策を講じていきます。

 グループ全体戦略に関して、無駄の最小化は引き続き強化しつつ、固定費・管理費を付加価値創出のための投資として捉え、投入に対する効果を意識した運用への転換を図ります。

 事業戦略について、適正化で生み出されたリソースを新規事業や成長分野へ振り向け、長期的な競争力を高めます。柔軟なリソース管理体制を構築し、市場や環境変化に迅速に対応できる事業基盤を整備します。

 

 

グループ人財戦略の推進

リスク認識

 当社グループは、グループ人財戦略の推進にあたり、以下のリスクを認識しています。

 企業文化として、価値観や行動指針が組織全体に十分浸透しない場合、従業員の一体感が低下し、業務効率や迅速な意思決定が阻害される可能性があります。また、企業文化が時代や市場の変化に対応できない場合、競争力の低下が懸念されます。

 人材労務では、適切な労働環境が整備されていない場合、優秀な人材の流出や生産性の低下を招く可能性があります。さらに、労務管理の不備がコンプライアンス違反や労務トラブルを引き起こし、企業の信頼性やブランドイメージに悪影響を及ぼす恐れがあります。

 人材多様性において、多様な人材の能力を活用できない場合、イノベーションの停滞や意思決定の質の低下につながり、競争力を失う可能性があります。多様性推進が不足していると、心理的安全性が欠けた職場環境となり、従業員間の協力やコミュニケーションが阻害される可能性もあります。

対応策

 当社グループは、これらのリスクに対して、以下の対応策を講じていきます。

 企業文化の強化に関して、価値観や行動基準を明確化し、それを業務プロセスに反映させる仕組みを構築します。

 人材労務の改善について、安全で働きやすい職場環境を整備し、安全衛生基準の向上と労務管理体制の強化により、コンプライアンスの徹底とトラブルの未然防止を図ります。

 人材多様性の推進に対して、ダイバーシティ&インクルージョン施策を導入し、多様な価値観や背景を持つ人材が協力できる環境を整備します。さらに、意見交換や対話の場を定期的に設け、従業員間の信頼関係を深めます。

 

 

社内外の環境に対応した最適なガバナンスの追求

リスク認識

 当社グループは、最適なガバナンスの追求にあたり、以下のリスクを認識しています。

 国内外の法律や規制への対応が不十分な場合、罰則や訴訟リスクを招くだけでなく、社会的信用を失う恐れがあります。

 報告体制では、内部通報制度が十分に活用されない場合、不正や問題行動の早期発見や是正が妨げられ、リスク管理が不十分になる可能性があります。

 情報セキュリティにおいて、サイバー攻撃や情報漏洩が発生した場合、顧客や取引先の信頼を損なうだけでなく、事業運営に深刻な影響を与える可能性があります。特に、機密情報や個人情報の管理が不十分な場合、法的責任や多額の損害賠償を求められる可能性があります。

対応策

 当社グループは、これらのリスクに対して、以下の対応策を講じていきます。

 法令遵守の強化に対して、国内外の法規制に関する最新情報を定期的に収集・共有する体制を整備します。また、定期的な監査を実施し、法令遵守の徹底及び腐敗防止を図ります。

 報告体制の整備について、内部通報制度の周知と利用促進のための啓発活動を行い、通報者が安心して利用できる環境を整備します。通報内容には迅速かつ適切に対応する体制を確保し、リスク管理を強化します。

 情報セキュリティに対して、最新のセキュリティ技術を活用した対策を導入し、サイバー攻撃や情報漏洩のリスクを低減します。さらに、従業員へのセキュリティ教育を定期的に実施し、情報管理意識を向上させます。加えて、情報セキュリティの状況を定期的に監査し、必要に応じて改善を行う体制を整備します。

 

 

 

投資規律(基準・モニタリング)のレベルアップ

リスク認識

 当社グループは、投資規律(基準・モニタリング)のレベルアップにあたり、以下のリスクを認識しています。

 経済情勢として、世界的な景気変動や地政学的リスク、金利や為替の変動といった経済情勢が、投資案件の収益性やリスクプロファイルに影響を及ぼす可能性があります。

 事業戦略では、投資判断が中長期的な戦略と整合しない場合、各セグメントの事業ポートフォリオのバランスが崩れ、競争力や収益性の低下を招く恐れがあります。

 財務状況において、過剰な投資や不適切な資金配分が行われた場合、キャッシュ・フローの悪化や財務健全性の低下を招き、企業全体の持続可能性が損なわれる可能性があります。

対応策

 当社グループは、これらのリスクに対応して、以下の対応策を講じていきます。

 経済情勢への対応に関して、外部環境の変化を継続的にモニタリングし、投資案件のリスク評価を適切に行います。

 事業戦略について、各セグメントの中長期的な戦略に基づく投資基準を明確化し、その時々に応じた最適な事業ポートフォリオを追求します。

 財務状況に対して、資金配分の適正化とキャッシュ・フロー管理の強化を図り、財務健全性を維持します。

 

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

     当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

(1) 経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果もあり、一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復してきました。一方で、通商政策等のアメリカの政策動向、物価上昇や為替相場の変動等による影響を十分注視すべき状況が続いています。

   建設業界においては、設備投資は堅調な企業収益等を背景に持ち直しの動きがみられ、住宅建設は概ね横ばいで推移しており、公共投資はインフラ老朽化対策や国土強靭化の推進等の関連予算の執行により底堅く推移しています。

   このような状況の中、当社は、グループ全体が永続的成長を遂げることを目的に、中長期的に目指す姿を、インフラ運営の上流から下流をワンストップでマネジメントする「総合インフラサービス企業」と定め、外的要因に左右されない「高収益かつ安定的な収益基盤」を確立し、実効性のあるガバナンス体制の構築やDXの推進等により迅速かつ適正な経営を実現し、社会変化への対応力を強化することで「あらゆるステークホルダーから信頼される企業」の実現に向けた取り組みを行ってきました。

   当連結会計年度の経営成績は、売上高は前期比542億円6.8%)増8,475億円、事業利益は前期比29億円5.7%)減485億円となり、税引前利益は前期比3億円0.6%)増497億円となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期利益につきましては、前期比1億円0.5%)減324億円となりました。  

 ※事業利益は、売上高から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除し、持分法による投資損益を加えた、当社の経常的な事業の業績を測る利益指標です。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

    (建築事業)

  建築事業は、集合住宅や工場・物流施設を中心とする建設工事及び付帯する事業を展開しており、国内建築工事において大型工事を含む手持工事の順調な進捗に加え新規工事の受注も伸び、売上高は前期比469億円17.2%)増3,206億円となりました。セグメント利益は、期首手持工事の順調な利益率改善と適正な利益を確保した新規工事の受注などにより、前期比96億円220.5%)増139億円となりました。

 

   (土木事業)

  土木事業は、橋梁やトンネルを中心とする建設工事及び付帯する事業を展開しており、今年度完工案件における設計変更の獲得及び施工効率化・工期短縮により売上高、セグメント利益ともに堅調に推移したものの、前期に計上した大型工事における設計変更の獲得反動減により、売上高は前期比204億円12.6%)減1,419億円、セグメント利益は前期比135億円46.6%)減155億円となりました。

 

    (舗装事業)

  舗装事業は、舗装工事等の建設工事及びアスファルト合材等の製造・販売を中心に展開しており、売上高は堅調に推移した結果、前期比113億円4.5%)増2,631億円となりました。セグメント利益は建設工事における受注時利益率の向上、及びアスファルト合材販売における原材料費高騰分の転嫁がさらに進んだことにより、前期比45億円30.2%)増198億円となりました。

 

(機械事業)

  機械事業は、建設機械の製造・販売を中心に展開しており、建設機械関連商品及びクレーン等自社製品の販売が堅調に推移したことにより、売上高は前期比12億円3.1%)増410億円となり、セグメント利益は前期比1億円4.8%)増22億円となりました。

 

 

(インフラ運営事業)

  インフラ運営事業は、再生可能エネルギー事業及びコンセッション事業を中心に展開しており、大洲バイオマス発電(株)が新たに営業運転を開始、また愛知道路コンセッション(株)をはじめとする事業会社の業績が引き続き堅調に推移したものの、再生可能エネルギー事業案件の売却を先送りしたことにより、売上高は前期比122億円66.5%)増305億円となり、セグメント損失は22億円(前期はセグメント損失10億円)となりました。

 

(その他)

  その他の事業は、リテール事業、建設用資材製造・販売、ビル管理及び不動産事業等を中心に展開しており、売上高は前期比29億円6.3%)増501億円となり、セグメント利益は前期比3億円14.1%)増24億円となりました。

 

(2) 財務状態

 当連結会計年度における資産は、売却目的で保有する資産の増加などにより前連結会計年度末に比べ401億円(2.8%)増加し、1兆4,507億円となりました。負債は、社債及び借入金の減少などにより前連結会計年度末に比べ835億円(8.4%)減少し、9,078億円となりました。また資本は、第1回社債型種類株式を発行したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1,236億円(29.5%)増加し、5,428億円となりました。なお、当該社債型種類株式の発行によって調達した資金については、全額を2024年8月末までに日本風力開発(株)の株式の取得(子会社化)に伴い金融機関から借り入れた借入金2,184億円の返済資金の一部に充当しています。

 以上の結果、親会社の所有者に帰属する持分は5,191億円となり、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度の28.4%から35.8%となりました。

 

 (3) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益を497億円計上した一方、営業債権及びその他の債権の増加が314億円あったことなどにより396億円(前期は389億円)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出が378億円、その他の金融資産の売却による収入が244億円あったことなどにより△275億円(前期は△2,792億円)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少や株式の発行による収入などにより△48億円(前期は2,613億円)となりました。以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末の残高は、前連結会計年度末の1,134億円から60億円増加し、1,195億円となりました。

 

 (4) 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち、主なものは、建設工事の立替資金のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要のうち、主なものは、M&A、設備投資等によるものです。

  当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。

  短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、長期運転資金の調達については、金融機関からの長期借入・社債の発行、インフラ運営事業については、ノンリコースでの資金調達を基本としています。

  なお、当連結会計年度末における有利子負債(リース負債及び公共施設等運営権に係る負債を除く。)の残高は、前連結会計年度末の4,815億円から863億円減少し、3,951億円となりました。

 

 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。

 なお、連結財務諸表の作成に用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。

 

 

 (6) 生産、受注及び販売の実績

 当社グループが営んでいる事業の大部分を占める建築事業及び土木事業では請負形態をとっているため、生産を定義することが難しく、生産実績及び販売実績を正確に示すことは困難です。

 また、連結子会社が営んでいるインフラ運営事業等のように、受注生産形態をとっていない事業もあるため、当該事業においては生産実績及び受注実績を示すことはできません。

 以上の理由で、生産、受注及び販売の実績を示すことはできませんが、当社グループの受注及び施工等の大半を占める事業会社である前田建設工業(株)、前田道路(株)の受注及び売上等の実績は次のとおりです。

 

a.事業会社別受注高・売上高及び次期繰越高

    前田建設工業(株)

(単位:百万円)

 

 

期別

区分

前期繰越高

当期受注高

当期売上高

次期繰越高

前事業年度

2023年4月1日

2024年3月31日

建築工事

439,958

299,878

739,837

274,368

465,469

土木工事

278,539

152,076

430,615

161,454

269,161

718,498

451,955

1,170,453

435,823

734,630

当事業年度

2024年4月1日

2025年3月31日

建築工事

465,469

393,810

859,279

344,899

514,380

土木工事

269,161

166,418

435,579

148,399

287,180

734,630

560,228

1,294,859

493,298

801,560

 

 

    前田道路(株)

(単位:百万円)

 

 

期別

区分

前期繰越高

当期受注高

当期売上高

次期繰越高

前事業年度

2023年4月1日

2024年3月31日

舗装工事他

59,988

176,239

236,227

167,314

68,913

当事業年度

2024年4月1日

2025年3月31日

舗装工事他

68,913

190,265

259,179

177,169

82,010

 

(注) アスファルト合材等の製造・販売に係る金額は含みません。

 

b.事業会社別受注工事高の受注方法別比率

 工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

    前田建設工業(株)

(単位:%)

 

 

期別

区分

特命

競争

前事業年度

2023年4月1日

2024年3月31日

建築工事

56.9

43.1

100.0

土木工事

56.3

43.7

100.0

当事業年度

2024年4月1日

2025年3月31日

建築工事

54.0

46.0

100.0

土木工事

49.7

50.3

100.0

 

 

    前田道路(株)

(単位:%)

 

 

期別

区分

特命

競争

前事業年度

2023年4月1日

2024年3月31日

舗装工事他

12.3

87.7

100.0

当事業年度

2024年4月1日

2025年3月31日

舗装工事他

16.7

83.3

100.0

 

(注) アスファルト合材等の製造・販売に係る金額を除いて算出しています。

 

c.事業会社別完成工事高

    前田建設工業(株)

(単位:百万円)

 

 

期別

区分

官公庁

民間

前事業年度

2023年4月1日

2024年3月31日

建築工事

55,944

218,423

274,368

土木工事

85,335

76,118

161,454

141,280

294,542

435,823

当事業年度

2024年4月1日

2025年3月31日

建築工事

55,899

289,000

344,899

土木工事

87,098

61,300

148,399

142,997

350,300

493,298

 

 

(注)1.当事業年度の完成工事のうち、主なものは次のとおりです。

発注者

工事名称

工事場所

十条駅西口地区市街地再開発組合

十条駅西口地区第一種市街地再開発事業 施設建築物等 新築工事

東京都

高崎市

高崎市高浜クリーンセンター建設工事

群馬県

(株)ウェルファムフーズ

株式会社ウェルファムフーズ宮城事業所新工場建設計画

宮城県

国土交通省近畿地方整備局

大野油坂道路東市布トンネル工事

福井県

日本下水道事業団

石巻市石巻中央幹線管渠復興建設工事その4

宮城県

国土交通省近畿地方整備局

野洲栗東バイパス七間場高架橋P32 橋脚他工事

滋賀県

 

 

(注)2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

 

 

    前田道路(株)

(単位:百万円)

 

 

期別

区分

官公庁

民間

前事業年度

2023年4月1日

2024年3月31日

舗装工事他

16,372

150,941

167,314

当事業年度

2024年4月1日

2025年3月31日

舗装工事他

20,867

156,301

177,169

 

(注) アスファルト合材等の製造・販売に係る金額は含みません。

 

d.事業会社別手持工事高(2025年3月31日現在)

    前田建設工業(株)

(単位:百万円)

 

 

区分

官公庁

民間

建築工事

109,771

404,608

514,380

土木工事

153,069

134,110

287,180

262,840

538,719

801,560

 

 

(注) 手持工事のうち、主なものは次のとおりです。

発注者

工事名称

工事場所

南池袋二丁目C地区市街地再開発組合

南池袋二丁目C地区第一種市街地再開発事業に伴う施設建築物等の新築工事(北街区)

東京都

天神一丁目761プロジェクト(同)、福岡地所(株)

(仮称)天神ビジネスセンター2期計画新築工事

福岡県

桑名市

多度地区小中一貫校整備事業

三重県

岐阜県

公共内ケ谷ダム建設事業 内ヶ谷ダム本体工事

岐阜県

国土交通省北陸地方整備局

大町ダム等再編土砂輸送用トンネル工事

長野県

東日本高速道路(株)

首都圏中央連絡自動車道 阿見工事

茨城県

 

 

    前田道路(株)

(単位:百万円)

 

 

区分

官公庁

民間

舗装工事他

31,545

50,465

82,010

 

(注) アスファルト合材等の製造・販売に係る金額は含みません。

 

 

5 【重要な契約等】

 

(公共施設等運営権実施契約)

契約会社名

相手方の名称

国名

契約名称

契約締結日

契約内容

契約期間

愛知道路

コンセッション(株)

愛知県道路公社

日本

愛知県有料道路運営等事業公共施設等運営権実施契約

2016年

8月31日

知多4路線他公共施設の運営実施権契約

 (事業期間)2016年

10月1日から

2046年

3月31日まで

 

 

 

6 【研究開発活動】

 当連結会計年度は、建築事業、土木事業、舗装事業、機械事業及びインフラ運営事業を中心に研究開発を行い、その総額は5,705百万円です。

 

(建築事業、土木事業及びインフラ運営事業)

 連結子会社である前田建設工業(株)においては、「総合インフラサービス企業」に変革するため、生産性や品質の向上に加え、多様化する社会課題に対しビジネスを通じて解決することで社会的価値と事業価値の向上を同時に実現する研究開発を推進しています。

 当期の具体的な取り組み方針として、現場作業の生産性向上に向けた自動化・省力化・DX分野、脱請負のさらなる加速を目的とした維持更新・マネジメント分野、また中長期にわたり取り組むべき社会課題として考えられるカーボンニュートラル分野などに重点を置きました。

 また、技術開発の推進にあたっては、当期も定期的に審査会を開催し、進捗状況の共有と新たに発生した課題への即時対応を進めるとともに、開発技術の活用展開に注力し既存技術による価値向上に努めました。これにより、昨今の事業環境の急激な変化に即応すべく、取組課題の絞り込み、経営資源の選択と集中を図っています。

 当連結会計年度における研究開発費は3,579百万円であり、主な研究開発成果は次のとおりです。

 

①LCA評価支援システム「CO2-Scope」~BIMデータ活用により迅速な建築物LCA評価及び比較検討を可能に~
 2050年カーボンニュートラル実現に向け、BIMとLCAツールの連携を自動化し、建築物のライフサイクルを通じた環境負荷を短時間で評価できるLCA評価支援システム「CO2-Scope」を開発しました。同システムにより、従来1か月程度を要していたデータ作成と算出プロセスを最短1日で完了させることが可能となり、建物の新築・解体時等に発生するEC(エンボディドカーボン)の早期見える化や効率的な削減提案、設計変更時の迅速な環境評価を実現します。前田建設工業(株)は本システムを活用することで、建築物の環境性能向上に取り組んでいます。

 

②権利許諾済の画像生成AIによる著作権者の新収益源創出を試行~来場者へ「秘密結社 鷹の爪」吉田くん風のAI生成似顔絵を配布~
 (株)タジクと共同で、(株)光邦の技術支援と(株)ディー・エル・イーの協力のもと、画像生成AIにおける著作権利用対価を教師データ提供者へ支払う試行を開始しました。同試行では、(株)ディー・エル・イーのコンテンツ「秘密結社 鷹の爪」の画像を教師データとして活用し、生成された似顔絵の配布枚数に応じた対価を支払う仕組みを導入しています。これにより、著作権者への正しい利益還元や画像生成AIの権利許諾の新たなモデルを提案します。将来的には建設分野への展開も視野に入れ、エコシステム構築を目指します。

 

③高速道路リニューアル時の工期短縮と疲労耐久性向上を実現する新床版継手技術「ESCON TPジョイント」を開発
 飛島建設(株)、佐藤工業(株)及び(株)エスイーと共同で、高速道路床版取替工事の工期短縮と耐久性向上を実現する新技術「ESCON TPジョイント」を開発しました。本工法は機械式鉄筋定着工法と超高強度合成繊維補強コンクリートの組合せにより継手構造を簡略化することで作業効率を向上させるとともに、高い疲労耐久性を発揮します。これにより工期短縮、コスト削減、品質向上を実現し、インフラの長寿命化と効率化に貢献します。

 

④3Dプリンティングを用いた建設部材構築技術「WAV3D」の開発・国内初適用
 3Dプリンティング技術を用いた、運搬・組み立てが容易な積層ブロックの組み合わせによる建設部材の構築技術「WAV3D」を開発しました。本技術は、複雑な自由形状が造形可能といった3Dプリンティングの特徴を活かすことで、現場での活用しやすさやデザイン性を両立しています。波形状やシアーキを持つ積層ブロックは安定性と耐久性を高めるとともに、リユースが可能でサステナブルな建設を実現します。また、自然に調和するデザインや照明・植栽の設置も可能で、多様な利用シーンに対応します。前田建設工業(株)ICI総合センター(茨城県取手市)内で実用化され、今後は耐久性や色調変化のデータ収集を通じ、活用領域の拡大を目指します。本技術を通じ、建築物や土木構造物のデザイン・構造の自由度を向上させるとともに、インフラ分野の担い手不足や作業の安全性向上など、社会課題の解決に取り組んでいきます。

 

⑤木材の柱と梁を強力に接合する工法が(一財)日本建築センターの特別工法評定を取得

  帝人(株)と共同で、鉄筋コンクリート造のプレストレス技術を木造ラーメン構造に応用した新工法を開発し、(一財)日本建築センターから特別工法評定を取得しました。本工法により柱梁接合部に接合金物を配置し、プレストレス技術で柱・梁を一体化することで、従来の接合技術よりも接合部の耐力が向上します。これにより、従来難しいとされていた木造での大空間確保を可能にしました。本技術を用いることで、従来の木造ラーメン構造と比較して木材断面積を35%削減し、鉄骨造と同等の靭性能を実現しました。ICI総合センターでの実験で構造性能を確認し、大規模建築への適性も証明しました。今後、木材利用拡大や鉄骨造への部分的適用を進めてまいります。

 

⑥全設計施工物件でホールライフカーボン排出量算出を開始
 カーボンニュートラル達成を目指して、2025年4月から設計施工の全物件でホールライフカーボン排出量の算出を開始します。部材ごとのCO2排出量を算出し、削減効果を明確化するため、自社開発の「CO2-Scope」やクラウドツール「OCL」を活用します。さらに、建築物運用時のCO2削減には「ZEB-Scope」を用い最適なZEB設計を推進します。環境性能を含む総合的な最適設計を通じて設計品質向上に取り組みます。

 

⑦「地域に着目した市民参画型インフラサービスの具体像」をテーマに「ICI DAYS 2024」を開催
 ICI総合センター内に設置しているICI未来共創センターは、2024年11月6日に「ICI DAYS 2024」を開催しました。今回のテーマは「地域に着目した市民参画型インフラサービスの具体像」と題して、同センターの描く未来のインフラビジョンを示すとともに、第一部「地域社会の持続と分散型サービスの可能性」と第二部「市民参画型インフラサービス実現への第一歩」に分けて、社内外の方からの先行事例発表とパネルディスカッションを行いました。また基調講演として、東京大学の岡田猛教授から「地域内の触発と創造的思考」と題してご講演をいただきました。当センターでは、共創パートナーとの連携を通じて、革新的なテクノロジーやサービスの開発を継続的に進め、これらの取り組みを通じて、持続可能な社会の構築と次世代インフラの実現に寄与してまいります。

 

(舗装事業)

 連結子会社である前田道路(株)においては、「新たな収益基盤と未来への投資を確立すること」を研究開発部門の使命と捉え、競争力の促進を図るため、「カーボンニュートラル(CN)に貢献する技術」と「ICTやデジタル技術を活用した建設現場の生産性向上」を重点テーマにあげるとともに、「既存技術の深化による付加価値の向上」にも注力しながら研究開発に取り組んでいます。

 当連結会計年度における研究開発費は1,750百万円であり、主な研究開発成果は次のとおりです。

 

①「カーボンニュートラル(CN)に貢献する技術」に関する研究開発

 Ⅰ.舗装用材料へのCO2固定化技術の開発

アスファルトプラントの排ガス中のCO2を舗装用材料に固定化するシステムとして、「コンクリート再生路盤材へのCO2鉱物固定技術」の開発を進めてきました。基礎実験は完了し、得られた成果については、2025年4月~10月に開催される大阪・関西万博(未来社会ショーケース「グリーン万博」、RITE未来の森)において展示を行います。今後はプラント実装に向けた取り組みを進めていきます。

また、アサヒ飲料(株)と共同で、自動販売機で回収したCO2を活用する技術の開発も行っています。この技術では、「CO2を食べる自販機」内に設置された特殊材がCO2を吸収し、化学反応により合成炭酸カルシウムが形成されます。これをアスファルト合材に混合することで舗装内にCO2を固定化することができます。一連の室内実験により実現可能性が確認されたことを踏まえ、アサヒ飲料(株)の施設敷地内や茨城県土浦市道において試験舗装を行い、供用性の確認を行っています。

 

 Ⅱ.アンモニアを燃料として使用した合材製造の実証実験

脱炭素化に向けた次世代燃料として水素が注目されていますが、輸送や価格の面で実用化には課題が多く存在します。そこで、これらの課題の解決が期待される「アンモニア」に着目し、アンモニア変換水素ガスを燃料としたアスファルト合材製造の実証実験を行いました。技術研究所内の実験プラントにおいて燃焼実験、排ガス測定、混合物性状の確認試験等を行った結果、従来の化石燃料と比較して遜色なく合材製造が可能であることを確認し、業界に先駆けてアンモニアを燃料として活用できる準備を整えることができました。

 

②「ICTやデジタル技術を活用した建設現場の生産性向上」に関する研究開発

生産性向上については、各種デジタル技術を活用して、建設現場の省力化・省人化に貢献できるよう開発を継続しています。舗装の施工現場や合材の製造現場における重機関連作業はもちろんのこと、舗装工事に付随した出来形管理や品質管理の業務にも着目しています。個々の省力化・省人化技術を確立することで、舗装工事全体の生産性を向上させることを目標としています。

 

③「既存技術の深化による付加価値の向上」に関する研究開発

当期は、「マイルドパッチ」の改良を行いました。マイルドパッチは、「水分硬化型の全天候型高耐久常温アスファルト混合物」に分類される製品であり、前田道路(株)が業界に先駆けて開拓した技術です。現在、同業他社の製品が多く市場に出回る状況にあることから、これらと差別化を図り、ユーザーの満足度をさらに向上させるため改良を行った結果、低温時(冬期施工時)の作業性改善と保存期間の延長を実現することができました。

 

(機械事業)

 連結子会社である(株)前田製作所においては、カーボンニュートラルによる持続可能な社会の実現に向けた電動仕様クレーンの開発、海外マーケットの更なる拡大のための米国向け製品の開発を推進しています。また、要素技術開発として今後の労働力不足に対応するべく自動化・遠隔制御技術等の開発を推進しています。

 当連結会計年度における研究開発費は375百万円であり、主な研究開発結果は次のとおりです。

 

①かにクレーンMC305C-5・MC405C-5の開発

かにクレーンMC305C・MC405C 2機種のモデルチェンジを行い、2025年4月に日本・欧州・米国で発売予定です。2機種ともに狭所でのクレーン能力を最大限に発揮するためのマルチアウトリガーモードを標準装備し、また、欧州・米国向けについても日本同様ラジコンを標準装備しています。なお、MC305C-5についてはカーボンニュートラルに向けた取り組みとしてリチウムバッテリー仕様もラインナップしています。

 

②クローラクレーンCC985S-3・CC1485S-3の開発

クローラクレーンの主力製品CC985S・CC1485Sのモデルチェンジを行い、日本、欧州で発売しました。このモデルチェンジでは運転席にオートエアコンを装備する等作業者の居住性向上、天窓の大型化による吊り荷の視認性向上を図っています。

 

③林業用フォワーダFC560S用ラジコンの開発

林業用フォワーダFC560S用のラジコン装置を開発・発売しました。このラジコン装置を使用することで、木材の積み込みを行う重機の運転席からフォワーダの遠隔操作が可能となり、現場作業の効率化を実現することができます。

 

④建設機械用足回り洗浄機の開発

建設機械用足回り洗浄機を開発・発売しました。冬場の作業等、厳しい環境下も多い建設機械の洗車作業を機械化・自動化することで、整備現場の効率化・省人化に繋がる製品となっています。

 

⑤自動化技術の開発

建設ニーズや大型機械に対応した自動運搬システムの研究・開発を進めており、実証試験による検証を行っています。今後は施工現場の省人化実現のため、前田建設工業(株)と共同で取り組んでいる自動運搬台車等、様々な装置や建設現場への実装に向けた活動を推進してまいります。