当社グループは、持続的な地域社会の実現に向け、経営理念である「地域密着・地域貢献」を実践し、気候変動等の環境問題、公正な取引等の社会的問題に取り組み、地域社会価値、経済価値の向上を図る持続可能な経営を目指してまいります。
また、金融領域と非金融領域の融合によりカスタマー・エクスペリエンス(CX)を実現し、地域社会とともにレジリエントかつサステナブルに成長する総合サービスグループを目指してまいります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
〈経営理念(ミッション)〉
地域密着・地域貢献
〈目指すべき姿(ビジョン)〉
金融と非金融の事業領域でお客さまをサポートすることで、カスタマー・エクスペリエンス(CX)を実現し、地域とともに成長する金融をコアとする総合サービスグループ
〈行動規範(バリューアンドスピリット)〉
感動:新たな価値を提供し、あなたの感動をいちばんに考動します
創造:情熱と新たな発想で未来を創造します
挑戦:知性を磨き、品性を高め、創意と進取の精神で挑戦します
① 第2次中期経営計画の概要(2024年4月~2027年3月)
当社の第2次中期経営計画の概要は下記の通りとなります。
第2次中期経営計画では、「地域社会の価値向上」に向けた中長期的な取組みと、ムーンショット目標(※)の達成に向けた「成長基盤の構築」を両軸に構え、更に、これらを実現するための「人的資本経営」を中心に据えた3本の戦略に基づき、「成長の共創」に向けた各種施策を展開いたします。
※非常に高いハードルであるが、実現すれば大きなインパクトをもたらす壮大な目標と定義
② 第2次中期経営計画の戦略
③ 目標とする経営指標
第2次中期経営計画では、最終年度である2026年度の目標経営指標として、以下の項目(ムーンショット目標)を掲げております。
我が国を取り巻く環境は、少子高齢化等の進行による地域経済の縮小が懸念されるなか、堅調な個人消費と、国内外からの旅行需要の高まりの中で、拡大傾向にあります。また、金融機関の環境は異業種からの参入等によって競争が激化しているほか、コロナ禍を契機としたデジタライゼーションの一層の加速により、ライフスタイルや価値観が多様化し、お客さまのニーズは多様化・高度化しております。金利環境においては、日本銀行の金融政策の見直しに伴い誘導目標金利は上昇局面にあるものの、足元では米政権の関税措置の影響により追加利上げの見通しは不透明な状況にあるなど、今後も金利環境の変化が金融機関の収益構造や資金調達・運用に大きな影響を与える可能性があります。
このような環境において、地域金融機関には、地域経済の活性化に資する事業活動を支援し、総合的な経済力の向上を通じた経済の活性化、金融の円滑化に資する資金の供給のみならずコンサルティング機能を通じた多面的な支援が求められていると認識しております。
当社グループは、「金融をコアとする総合サービスグループ」として、今後更に事業領域を拡大し、地域の課題を金融サービス、非金融サービスの両面の総合サービス力で解決し、地域社会の価値向上と当社グループの持続的成長を目指してまいります。また、グループガバナンスの強化という観点から監査等委員会を設置しており、監査等委員会が業務執行の適法性、妥当性の監査・監督を担うことでより透明性の高い経営を実現し、コーポレートガバナンスの一層の強化を図ってまいります。
サステナビリティに関する考え方及び取組は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティへの取り組み
① 当社グループの目指す姿
当社グループでは、「地域密着・地域貢献」の経営理念に基づき、金融と非金融の事業領域でお客さまを支援することで、地域社会の価値向上を牽引し、地域とともに成長する総合サービスグループを目指しています。
② 当社グループの重要課題(マテリアリティ)
企業の持続性(サステナビリティ)を高めるため、社会の課題を起点とした施策を策定し、「企業と社会のサステナビリティ」を同期化させた経営戦略の立案を目指し、重要課題(マテリアリティ)の再特定を実施いたしました。
マテリアリティ特定のプロセス
○抽出した約400件の重要課題候補を基に、社内外の取締役及び沖縄県へインタビューを実施。
○各ステークホルダーによる全ての回答を定量化。
○その結果を基に、“当社グループにとって重要な課題”及び“利害関係者(ステークホルダー)にとって関心度が高い課題”という観点より重要課題を絞り込み、総合的に判断し、さらに優先付けを実施。
特定した重要課題(マテリアリティ)
気候変動リスクをはじめ、特定した7つの重要課題の解決に資する施策を展開しております。
(2) 気候変動に関する当社グループの取り組みについて
当社グループでは特定したマテリアリティ「気候変動・地球温暖化の加速による影響・リスクの特定と対策」の解決へ向けて、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿った体制整備を進めております。
① ガバナンス
当社では、持株会社への移行と合わせ、グループ全体で統一的な方向性を持ってサステナビリティを推進していくため、「サステナビリティ推進会議」を設置し、社会や環境の課題を洗い出すとともに、本業にて課題の解決に貢献する対応策の検討を行っております。
サステナビリティへの取り組み状況を取締役会へ半期毎に報告することで、取締役会の監督の下、サステナビリティ推進体制を構築しております。
また、その取り組みの確度を高めるべく、「サステナビリティ推進室」を設置し、気候変動への対応をはじめ、地域社会における課題解決をより推し進め、地域社会との共通価値の創造を果たしていきます。

(ⅰ) 気候変動に関するリスクと機会
当社グループでは、ビジネスモデル及び今後想定される外部環境等の変化を踏まえ、気候変動に伴う「リスク」と「機会」を以下のとおり整理しています。
(注) 時間軸の定義は次のとおりです。短期:3年未満、中期:3年超10年未満、長期:10年超。
(ⅱ) リスクカテゴリーに応じた気候変動リスクについて
気候変動リスクは広範囲に及ぶ経路が想定されるとともに、短期から中長期にかけた様々な時間軸で顕在化する可能性があります。当社グループにおいては下表のような事例を想定しております。
(注) 時間軸の定義は次のとおりです。短期:3年未満、中期:3年超10年未満、長期:10年超。
(ⅲ) シナリオ分析
当社グループでは、気候関連リスクが当社グループに及ぼす影響を把握し、戦略のレジリエンスを確立するため、シナリオ分析を活用しています。
気候変動による異常気象などによって物理的な損失をもたらす「物理的リスク」と、脱炭素社会への移行によってもたらされる「移行リスク」の2つを認識しております。
シナリオ分析の結果を踏まえ、今後は店舗戦略への活用や脱炭素社会への移行に向け、お客さまとの対話(エンゲージメント)を強化し、事業機会の創出やリスクの低減につなげてまいります。
《シナリオ分析における前提条件について》
○環境省が公表している「TCFD提言に沿った気候変動リスク・機会のシナリオ分析実践ガイド(銀行セクター向け)ver.2.0」に準じた計測手法を基にシナリオ分析結果を採用いたしました。
○気候変動が将来的に当社グループに与える影響を把握するため、短期的に正確な影響度の計測よりも、2050年までの中長期での影響度の水準を計測することを重視いたしました。
○将来の気候変動は不確定であることから、気候変動の評価を行う国連政府間組織IPCCや、国際エネルギー機関IEAなどの各機関が提示している複数シナリオ(1.5℃、2℃、4℃シナリオ)を利用し、シナリオによる幅を持った計測を行っております。
○影響度計測のための各種の手法(与信関連費用・信用コスト)や、債務者区分判定の有利子長期負債償還年数の条件等を変更した影響額を計測し、水準感を比較いたしました。
《物理的リスク》
物理的リスクの影響は、気候変動に伴う洪水の発生確率などを想定し、当社グループの拠点資産や沖縄銀行が保有する担保不動産の損傷に起因する価値損失の推計結果(直接影響)、及び建物の損傷に起因するお客さまの事業停滞日数の推計結果(間接影響)から、信用コストの増加額を試算いたしました。2022年度は洪水による銀行が保有する担保不動産価値の損失を計測しましたが、2023年度は「台風(風災)による担保価値の損失」を追加しました。また、当社資産損失の計測は、銀行のみから「全グループ」へ拡大しております。
分析の結果、2050年までに想定される追加与信関連費用の増加額は累計8~10億円、単年当たり最大0.4億円程度にとどまる結果となり、影響は限定的と考えられます。
(注) 1.気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)
2.代表濃度経路シナリオ(Representative Concentration Pathways)
《移行リスク》
移行リスクにおいては、環境省データ(注1)を基に、売上高百万円あたりの千トンCO2排出量係数を算出し、沖縄銀行のデータとの紐づけを実施しました。総CO2排出量を中心に貸出先数や貸出残高、財務データあり先などの多寡を基準として、「電気・ガス業」、「医療・福祉業」、「不動産業」の3業種を分析セクターとして選定しました。
分析の結果、2050年までに想定される追加与信関連費用の増加額は累計17~56億円、単年当たり最大2.2億円程度に留まるという結果となり、影響は限定的と考えられます。
(注) 1.「地球温暖化対策推進法に基づく 温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度による平成30(2018)年度温室効果ガス排出量の集計結果」(2022年3月18日 環境省HP)
2.国際エネルギー機関(International Energy Agency)
3.世界エネルギーの見通しに関するレポート(World Energy Outlook)
《与信残高に占める炭素関連資産の割合》
脱炭素社会への移行に伴い、GHG排出量の大きい炭素関連資産は将来その価値が大きく低下するリスクがあることから、以下のセクターについて貸出金残高に占める割合を指標として開示しました。
《機会》
脱炭素社会への移行に伴い、資金需要の拡大が見込まれるほか、新たな金融商品・サービスも生まれるなど、金融機関にとってはファイナンスやサービスの提供機会が増大しております。
脱炭素社会の実現に向けては、再生可能エネルギーなど気候変動の緩和に貢献する事業へのファイナンスのみならず、お客さまの脱炭素への取り組みフェーズに合わせたソリューションの提供を拡充させ、サステナビリティ分野におけるお客さまの課題解決に努めてまいります。
(ⅰ) 物理的・移行リスクの分析手法について
気候変動による異常気象などによって物理的な被害をもたらす「物理的リスク」と、脱炭素社会への移行によってもたらされる「移行リスク」の2つのリスクを認識しております。
各リスクにおける分析のプロセスは下記のとおりとなります。


(ⅱ) 統合的リスクの管理体制
当社グループでは、気候変動リスクをマテリアリティ(重要課題)の1つと位置づけ、統合的リスク管理の枠組みの中で、「信用リスク」、「市場リスク」、「流動性リスク」、「オペレーショナル・リスク」等へ分類し、各リスクカテゴリーに応じたリスクの低減・回避等を行うことで、リスク管理態勢を強化致します。
特に、信用リスクに関しては、気候変動が取引先に与える影響を加味したリスク管理を行ってまいります。
《リスク管理体制図》

(信用リスク管理)
○シナリオ分析の定期的な実施
○セクター別の残高モニタリングの実施
○サステナビリティ推進会議へリスク計測結果を定期的に報告
○グループリスク管理委員会ならびにサステナビリティ推進会議にて対応策を協議
(市場リスク、流動性リスク管理)
○リスク管理指標のモニタリング
○リスク管理指標の遵守状況を定期的に経営陣と共有
○グループリスク管理委員会にて対応策を協議
(オペレーショナル・リスク管理)
○拠点資産のリスク計測
○被災を想定した事業継続のための対応マニュアルの整備
○外部で発生した気候変動に関する罰金・訴訟等の情報収集
○グループリスク管理委員会ならびにグループコンプライアンス委員会にて対応策を協議
(風評リスク管理)
○総合企画部がリスクを一元的に統括
○グループ経営会議ならびにグループリスク管理委員会にて対応策を協議
(ⅰ) 指標《自社グループCO2排出量 Scope1・Scope2》
当社グループでは、これまでにLED照明、省エネ空調への取り替えや近年では太陽光設備の導入など、省エネ化へ努めております。その取り組みに加え、店舗内店舗方式での店舗移転やATM台数の削減などを実施いたしました。グループ全体で省エネ化へ取り組んだ結果、基準年対比でCO2排出量は削減しております。
また、沖縄電力様との「脱炭素社会の実現に向けた包括連携に関する協定書」に基づく、具体的な取組みの一つとして、CO2排出量を実質ゼロとした電気料金メニュー「うちな~CO2フリーメニュー」を、2021年10月に沖縄銀行本店ビル、2023年10月に事務センタービル、2024年3月にグループ拠点48箇所へ導入いたしました。
2024年度のCO2排出量は、962t-CO2(2013年度・基準年度比約87%削減)となりました。
(単位:t-CO2)
(ⅰ) 指標《自社の活動に関連するサプライチェーンのCO2排出量・Scope3》
(カテゴリ2、カテゴリ3、カテゴリ5、カテゴリ6、カテゴリ7、カテゴリ15)
※Scope3の算定対象は主要子会社の沖縄銀行としております。また、算定対象の沖縄銀行におけるカテゴリ8~14の排出量はゼロとなります。
(注)1.GHGプロトコルにおけるScope3とは、事業者自ら排出している温室効果ガス(CO2等)であるScope1,2以外の事業者の活動に関連する他社の温室効果ガスの排出量です。
2.当社グループの主要子会社である沖縄銀行において、2023年度よりカテゴリ15(投融資)を算出しております。
(注)3.2024年度はカテゴリ2、カテゴリ3、カテゴリ5、カテゴリ6、カテゴリ7を算定、対象範囲を拡大しました。
(ⅰ) 指標《自社グループのScope3カテゴリ15(投融資)ビジネスローン》
主要子会社である沖縄銀行では、事業性融資における温室効果ガス排出量(ファイナンスド・エミッション)の算定・削減に向けた取組みが重要であるとの認識から、ビジネスローンにおけるCO2排出量の算定を行いました。なお、ビジネスローンの計測については、概ね推計値(スコア3~4)となっているため、取引先の実際の排出量とは少なからず乖離がございます。
今後は取引先とのエンゲージメントを通じて、CO2排出量の削減に努めてまいります。
(注) 金融向け炭素会計パートナーシップPCAFスタンダード「Partnership for Carbon Accounting Financials」計算式に基づき算定しております。
(ⅰ) 指標《自社グループのScope3カテゴリ15(投融資)商業用不動産・住宅ローン》
主要子会社である沖縄銀行では、商業用不動産・住宅ローンにおける融資先のCO2排出量を算定いたしました。当社グループでは、環境に配慮した不動産への投融資を推進することで、沖縄県における民生部門のCO2排出量低減に向けて取り組んでまいります。
(注)1.商業用不動産は、一般社団法人日本ビルエネルギー総合管理技術協会(BEMA)「建築物エネルギー消費量調査報告」のデータに基づき、CO2排出量原単位を使用しております。工場・倉庫等の建物用途は、分類外施設に含まれます。
2.住宅ローンは環境省「令和4年度家庭部門のCO2排出実態統計調査結果について(確報値)」(2024年3月)を使用して、沖縄県の1世帯当たりの年間CO2排出量を推計しております。
(ⅱ) 目標《自社グループCO2排出量》
当社グループでは地域金融機関として地域の脱炭素化を牽引したく、カーボンニュートラルの達成時期を2030年度とした目標を定めております。2024年度は銀行を中心とした各営業所の自社契約電力について再生可能エネルギー化の導入を進めた結果、Scope1,2のCO2排出量は2013年度比▲87.5%削減となる962(t-CO2)となりました。
今後、その他電源機器の省エネ化、太陽光発電などの導入、営業拠点のZEB化に取り組み、カーボンニュートラルの実現に向けて取り組んでまいります。
※ CO2の排出量から吸収量と除去量を差し引いた合計をゼロにする状態
(3) 人的資本に関する事項
① 人的資本に関する人材育成方針、社内環境整備方針
当社グループは職員一人ひとりがグループと地域社会の成長を支える人財となるべく、多様な価値観を尊重し、それぞれが能力を最大限に発揮することのできる組織を目指し、以下の(ⅰ)~(ⅳ)について環境整備に取り組んでおります。
(ⅰ) 地域社会の価値向上に資する人財育成の実施
(ⅱ) 成長基盤の構築に資する人財育成の実施
(ⅲ) ダイバーシティの推進
(ⅳ) 職員の働きがいの創出とその向上
第2次中期経営計画では、ムーンショット目標達成に向けて、経営戦略と人財戦略が連動した「人的資本」の各種施策を実施いたします。人財の成長と人財ポートフォリオ構築、エンゲージメント向上を経営戦略と連動させることにより、成長の共創を実現します。
以下の図が、当社グループにおける人的資本経営の全体像となります。

上記方針及び経営戦略に基づき、当事業年度において以下の取り組みを実施いたしました。
(ⅰ)地域社会の価値向上に資する人財育成の実施
(ⅱ)成長基盤の構築に資する人財育成の実施
〇法人営業担当者の倍増(沖縄銀行)
業務のDX化や非対面チャネルの拡充により、営業店窓口業務の約30%削減(20万時間/年)に取り組み人員を創出し、事務部門から営業部門への人員シフトを目指しております。
融資未経験者をローンステーションに配置し、人財育成と案件対応強化を両立させ、その結果、法人営業担当者の倍増により、融資対応の迅速化を図ってまいります。

(ⅲ)ダイバーシティの推進
〇女性活躍の推進
2024年度より女性活躍推進の目標として、女性管理職比率23%を設定しております。
「女性経営幹部の育成」と「地域全体の女性活躍」を目的に、2023年より女性活躍推進カレッジ(通称:フェミエール)を開催しており、当社グループだけでなく県内企業からも広く参加者を受け入れ、沖縄県内におけるDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の浸透に取り組んでおります。
※女性管理職とは「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づき算出したものであり、当社グループにおいては課長級(支店長クラス)を指します。参考値として係長級(支店長代理クラス)も含めた比率も記載しております。

(ⅳ)職員の働きがいの創出とその向上
〇働き方改革(生産性向上)
当社グループでは、社員が自律的に生産性を高めることができる環境づくりを目指し、2023年4月より沖縄銀行で、2023年7月よりグループ全社でフレックスタイム制度を導入しました。
フレックスタイム制度の活用や、業務削減・効率化により、時間外勤務は減少傾向にあり、生産性の向上とワークライフバランスの実現に取り組んでおります。
今後も上記取組みを継続しつつ、更なる働き方改革を推し進めてまいります。

〇株式交付制度(株式付与ESOP信託)
2025年2月に、当社グループ全体の上級職以上を対象に、株式交付制度(株式付与ESOP信託)を導入しました。本制度は、中期経営計画で掲げた業績目標に連動して職員に株式を交付することで、職員のエンゲージメントを高め、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブプランとなっております。
本制度により、当社グループ職員が経済的な効果を株主の皆様と共有し、オーナーシップに満ちた企業文化を醸成いたします。
(注)当社グループの上級職は、基礎業務職・中級職を経て、目安として入社から8~9年目以降に昇級し、2025年3月末現在で職員全体の約65%となっております。

○健康経営の取り組み
当社グループは、職員一人ひとりがその能力を最大限に発揮し、グループと地域社会を支える「人財」となり活躍するために、職員とその家族の健康が不可欠であると考えております。そのため、健康を支える土台作りを重要な経営課題の一つとして位置づけています。「グループ職員一人ひとりとその家族の健康と幸福」を最優先事項とし、迅速かつ効果的に健康施策を推進するため、当社および沖縄銀行では最高責任者を代表取締役社長(沖縄銀行においては代表取締役頭取)とする健康経営推進体制のもと、各種施策に取り組んでおります。
<OFG健康経営推進体制>

職員とその家族の健康は、働きがいやエンゲージメントの向上に直結し、当社グループの持続的成長を実現させるだけでなく、沖縄県民の健康増進および地域社会の価値向上へ寄与すると考えております。当社グループは健康経営を重要な経営戦略と位置づけ「働きやすい職場環境づくり」「からだ(身体的)の健康維持・向上」「こころ(精神的)の健康維持・向上」の3つを重点項目として取り組んでおります。
これらの取組みに社会的ニーズの多様化に応じた進化・変化を加えながら、「心・身体・お金の健康」がウェルビーイングに繋がるという考え方を大切にし、地域社会とともに歩む企業グループを目指してまいります。


<参考リンク>https://www.okinawafg.co.jp/sustainability/wellness_management/
② 指標及び目標
当社グループはダイバーシティ推進の中期経営計画最終年度(2027年3月期)の目標として、男性職員による育児休業取得率100%(2025年3月期:100%)及び女性管理職比率23%(2025年3月期実績:21.3%)を掲げております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、当社グループは、これらのリスク管理が経営の最重要課題の一つであることを認識し、管理態勢の充実・強化に努め、安定的な収益の確保と健全な経営基盤の確立を図ってまいります。
本項につきましては将来に関する事項が含まれておりますが、当該リスク情報は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(重要なリスクへの対応)
当社グループは金融をコアとする総合サービスグループとして、地域の持続的発展を支える金融仲介機能を担っており、貸出金を中心とした信用リスクをその影響度から最も重要性のあるリスクと認識しております。また、当社グループは預金や借入金等で調達した資金を、貸出金や債券・株式等で運用することで得られる収入を主たる収益源としていることから、金利変動や株価変動などの市場リスクを負っております。当社グループではこれらのリスクを財政状態・経営成績等に影響を与える重要なリスクと認識しております。
上記認識のもと当社グループでは、自己査定などを通して取引先の実態把握に努め、統計的手法であるVaR(バリュー・アット・リスク)を用いて、ある確率(信頼区間99%)のもと一定期間(例えば1年間)に被る可能性のある最大損失額(リスク量)を見積り・把握しております。
当社グループは、資産の健全性の維持・向上を図るため、不良債権の圧縮に継続して取組んでおります。しかし、今後の経済環境、信用供与先の財務状況の悪化等により、資産(オフバランス資産を含む)の価値が減少ないし消滅し、損失が発生するリスクがあります。これら経済環境や与信先動向の変化の結果、当社グループの業績及び財務内容の悪化、自己資本の減少につながる可能性があります。
資産・負債の金利又は期間のミスマッチが存在する中、金利変動により損失が発生するリスク(金利リスク)があります。また、有価証券等の価格の変動に伴って資産価値が減少するリスク(価格変動リスク)があります。さらに外貨建資産・負債において、為替レートが変動することにより損失が発生するリスク(為替リスク)があります。これらリスクの発生により、業績及び財務内容の悪化、自己資本の減少につながる可能性があります。
財務内容の悪化等により必要な資金が確保できなくなること、又は通常よりも著しく高い金利での調達を余儀なくされるなど、資金繰りが困難になることにより損失が発生するリスク(資金繰りリスク)があります。また、市場の混乱等により取引ができなくなること、又は通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされるなど、市場流動性の枯渇により損失が発生するリスク(市場流動性リスク)があります。
当社グループは、銀行業務を中心に、幅広い金融サービスを提供しておりますが、役職員が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等により損失の発生につながる、又は信用が失墜する可能性があります。
コンピュータシステムのダウン、又は誤作動など、システムの不備に伴い損失の発生につながる可能性があります。また、コンピュータが不正に使用される(外部からの侵入を含む)ことにより損失の発生につながる可能性があります。
風評の発生や、当社グループに関する誤った情報が伝えられること等により、当社グループの業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。
各種取引において法令等違反や不適切な契約等により、損失の発生につながる、又は信用が失墜する可能性があります。
法令や社会規範に反する行為、または法令として整備されていないが社会規範に悖る不適切な行為等により、顧客保護、市場の健全性・公正な競争、公共の利益及び当社グループのステークホルダーに悪影響を及ぼす可能性があります。
「個人情報保護法」並びに「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」により、個人情報の取扱いが厳格化され、罰則規定が設けられています。当社グループでは、顧客に関するデータの漏洩、不正使用や悪用等がないよう最大限の努力をしているものの、今後においてそのような事態が生じた場合には、当社グループが、顧客の信用を失うほか、顧客の経済的・精神的損害に対する賠償等、業績に直接的な影響を与える可能性があります。
当社グループは傘下の銀行子会社を中心としてマネー・ローンダリング及びテロ資金供与等の金融犯罪防止に係る態勢の強化に努めておりますが、当社グループが想定の範囲を超える金融犯罪等に利用された場合、業務の停止、及び不測の損失等が発生するとともに、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、労働関連法令に基づき適切な労務管理を行っておりますが、人事運営上の不公平・不公正(報酬、手当、解雇等の問題)、差別的行為(セクシャルハラスメント・パワーハラスメント等)等の問題等に起因して損失が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが所有又は賃貸中の土地、建物及び車両等の有形資産について、自然災害、犯罪行為、資産管理上の瑕疵等がある場合には、毀損、滅失、あるいは劣化することにより業務の運営に支障をきたす可能性があります。また、固定資産の減損会計適用に伴い、評価額が低下した場合等には損失が発生する可能性があります。これらの有形資産に係るリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルスや新型インフルエンザ等、感染症の流行によって、当社グループ役職員の感染者が増加する等により、業務継続に支障をきたす可能性があります。また、感染症の影響が経済・市場全体に波及し、当社グループの信用リスク、市場リスク、流動性リスクが増加する、あるいは当該リスクが顕在化することにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
持株会社である当社は、その収入の大部分を当社が直接保有している銀行子会社から受領する配当金及び経営指導料に依存しております。一定の状況下では、様々な規制上または契約上の制限等により、当該銀行子会社が当社に支払う配当金等が制限される可能性があります。また、銀行子会社が十分な利益を計上することができず、当社に対して配当等を支払えない状況が生じた場合、当社株主に対し配当を支払えなくなる可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度末の預金は、指定金融機関受託数の増加による公金預金の増加や、個人預金、金融預金の増加などにより、銀行・信託勘定合計で前連結会計年度末比401億円増加の2兆6,957億円となりました。
貸出金は、県内経済活動の活発化や、人件費・原材料等のコスト上昇に対する資金需要に対し、積極的に取り組んだことにより事業性貸出が増加したことに加え、スピード審査等の迅速な対応や、制度拡充及び営業推進強化により住宅ローン及び消費性ローン等の生活密着型ローンも増加したことなどにより、銀行・信託勘定合計で前連結会計年度末比568億円増加の1兆9,455億円となりました。
有価証券は、金利リスクや残存期間に配慮しつつ、資金の効率的運用と安定収益の確保に努めた結果、前連結会計年度末比886億円増加の5,884億円となりました。
(注) 預金における信託勘定は信託元本であります。
経常収益は、資金需要への積極的な取り組みを継続して行ったことによる貸出金利息の増加や、有価証券利息配当金の増加に加え、グループ連携及び営業推進による役務取引等収益が増加したことなど、本業による収益が増加したことにより、前連結会計年度比51億83百万円増加の587億56百万円となりました。また、経常費用は、国債等債券売却損及び営業経費の減少はあったものの、政策金利引き上げに伴う預金利息の増加に加え、与信費用の増加などにより、前連結会計年度比35億30百万円増加の482億69百万円となりました。この結果、経常利益は前連結会計年度比16億52百万円増加の104億86百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比16億78百万円増加の79億41百万円となりました。
セグメントごとの業績につきましては、次のとおりであります。
銀行業は、経常収益430億29百万円(前連結会計年度比46億58百万円増加)、セグメント利益94億18百万円(前連結会計年度比19億70百万円増加)となりました。
リース業は、経常収益113億73百万円(前連結会計年度比10百万円減少)、セグメント利益2億95百万円(前連結会計年度比3億21百万円減少)となりました。
その他は、経常収益76億6百万円(前連結会計年度比1億32百万円増加)、セグメント利益12億71百万円(前連結会計年度比2億65百万円減少)となりました。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、3,493億88百万円(前連結会計年度比901億71百万円減少)となりました。
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、172億45百万円(前連結会計年度比598億39百万円増加)となりました。これは主として、貸出金の増加による支出567億81百万円があったものの、預金の増加による収入421億25百万円及び中央清算機関差入証拠金の減少による収入180億円があったことによるものです。
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、1,065億95百万円(前連結会計年度比815億19百万円増加)となりました。これは主として、有価証券の売却による収入470億23百万円及び有価証券の償還による収入541億86百万円があったものの、有価証券の取得による支出2,076億50百万円があったことによるものであります。
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、19億30百万円(前連結会計年度比33億25百万円減少)となりました。これは主として配当金の支払による支出18億23百万円があったことによるものであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 第2次中期経営計画の進捗状況
当社は2021年10月1日に、沖縄銀行の単独株式移転により設立されました。新たな経営形態のもと、グループ一体経営を更に強化するとともに、経営理念である「地域密着・地域貢献」の実現と、多様化する地域社会の課題解決のため、事業領域の拡大を図り、「金融をコアとする総合サービスグループ」として地域社会の価値向上及び、当社グループの持続的な成長を図ってまいります。
上記の実現に向け当社グループでは、2024年4月から2027年3月までを計画期間とする第2次中期経営計画「成長の共創~おきなわの成長をともに創る~」を策定しました。
第2次中期経営計画の概要(2024年4月~2027年3月:3年)
その1年目となる2024年度は3つのグループ戦略を中心に、下記の事項へ取り組んでまいりました。
2022年3月に座間味村と当社は、相互の情報・機能を有効に活用し、緊密な相互連携・協働の取組みによる地域振興や地域経済活性化の実現を目指して、包括的連携協定を締結いたしました。2023年1月には更に連携先を拡大し、沖縄本島周辺9離島町村(粟国村、伊江村、伊是名村、伊平屋村、北大東村、久米島町、渡嘉敷村、渡名喜村、南大東村)と包括連携協定を締結いたしました。更に、2024年6月には沖縄電力株式会社、沖縄セルラー電話株式会社と連携し、10離島町村と各離島における地域振興や地域社会の発展に向けた連携を密にするため、「離島地域持続可能性推進に関するパートナーシップ協定」を締結しました。これらの包括連携協定に基づき、当社グループは各離島への人材派遣やグループ各社による役務提供を通じて、課題解決支援を行っています。更に、2025年2月には地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)を活用して、包括連携協定を締結している10離島町村へ寄付を行うことで、地域振興及び地域経済の活性化を図っております。
更に、沖縄県民の所得向上・資産形成支援を目的に金融経済教育の拡充を図っており、グループ各社で沖縄県内の高等学校を対象として出前授業を開催しております。
また、沖縄県内の大型開発への関与等を目的に沖縄銀行においてはストラクチャードファイナンス、おきぎんリースにおいてはプロジェクトリースへの取組みを強化しております。今後も取組み体制を強化し、沖縄県のリーディング産業振興に貢献してまいります。
当社では地域のDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)浸透及び女性活躍促進に向けて、2023年11月より県内企業を対象とした女性活躍推進カレッジ「フェミエール」を開催しているほか、2024年10月には「経営者版~フェミエール~」を開催し、各社の取組みや課題について情報共有を実施しました。
また2025年2月には職員向け株式交付制度(以下、ESOP信託といいます。)の導入を決定しました。ESOP信託は対象となる職員の職位と業績に連動して当社の株式を交付するものです。当社グループにおける職員のエンゲージメントを高め、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを付与することを目的として、本制度を導入することといたしました。本制度により、当社グループ従業員が経済的な効果を株主の皆さまと共有し、オーナーシップに満ちた企業文化を醸成することで、当社グループ企業価値の持続的な向上を図ってまいります。
当社グループではグループ各社それぞれが収益力強化・企業価値向上を図るため以下のような取組みを行ってまいりました。
<沖縄銀行>
法人向けの営業力強化を目的に、2024年4月より全12エリアにて、法人営業担当者をエリア毎に集約する新体制をスタートしました。体系的な研修実施や、データ分析に基づく推進リストの活用等により、貸出金利息の増加や役務収益の増加に取り組んでおります。
また、2024年10月には個人向け営業の強化のため、営業推進部内にローン統括グループを新設いたしました。アプリ内完結ローンによる非対面チャネルの拡充や、内部事務の業務フロー見直しにより審査業務の効率化を図っております。
<おきぎんリース>
プロジェクトリースへの参画や、カーシェアリング事業への参入による事業領域の拡大等により、収益源の多角化を図っております。
<おきぎんジェーシービー>
カード会員の増強を目的に2024年8月より「JCBカードS」の提供を開始しました。永年年会費無料・国内外20万カ所以上で割引やサービスを受けられる商品となっており、お客さまへの訴求力を高めております。
<おきぎん証券>
2024年5月に目論見書の電子交付サービスを開始し、更に2024年11月からは沖縄銀行との連携による銀証ワンストップでの相続受付事務を開始する等、お客さまの利便性向上を図っております。
<おきぎんエス・ピー・オー>
グループ外からの収益増強に向け、営業力強化のための組織再編や部門別収益管理の徹底に取り組んでおり、沖縄県内の自治体から大型案件の受注等に注力しております。
当社は、設立と同時に、2021年10月1日にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース) 提言への賛同を表明いたしました。また、持続可能な社会の実現に貢献し、地域社会との共通価値の創造を実現するため、グループ全体のサステナビリティに関する総合的な方針の策定・共有化を図るなか、その取組みの強化を目的に、2022年2月に取締役会の権限委譲会議体としてサステナビリティ推進会議を設置、2022年12月にはサステナビリティ推進室を設置するとともに、当社グループの重要課題(マテリアリティ)について再整理いたしました。重要課題(マテリアリティ)のひとつである「地球環境との共創」に関して、2023年度は、「気候変動・地球温暖化の加速による影響・リスクの特定と対策」を進め、2030年度までにカーボンニュートラルを目指すCO2排出量削減目標を発表し、再生可能エネルギー由来の電力への切替等を進めました。2024年度も引き続き再生可能エネルギー化の取組みを行った結果、CO2排出量は2013年度比▲87.5%削減となりました。
今後も、特定した重要課題の解決に資する施策を構築し、サステナビリティ経営の実現に向け、その取組みを加速させてまいります。
本中期経営計画の1年目計画としてこのような取組みを実施した結果、当連結会計年度の業績は、次のとおりとなりました。
※ 連結当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益
※ 連結ROEは株主資本ベース
[連結 (損益の概要)]
(注) 連結業務粗利益=資金利益+金銭の信託運用見合費用[金銭の信託に係る資金調達費用]+信託報酬+役務取引等利益+その他業務利益
当社グループにおける貸出金や支払承諾などの債権残高は多額であり、経営成績等に及ぼす影響が大きいため、連結財務諸表作成に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、貸倒引当金については重要なものと判断しております。
当社グループでは、適正な償却・引当を実施するために、予め規定した資産の自己査定基準に基づき、営業関連部署が資産査定を実施し、当該部署から独立した資産監査部署が査定結果を監査しております。貸倒引当金は、当該資産査定による債務者の区分に、予め定めている償却・引当基準を適用し、次のとおり計上しております。
破産、特別清算等法的に経営破綻の事実が発生している債務者(以下、「破綻先」という。)に係る債権及びそれと同等の状況にある債務者(以下、「実質破綻先」という。)に係る債権については、以下のなお書きに記載されている直接減額後の帳簿価額から、担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除し、その残額を計上しております。また、現在は経営破綻の状況にないが、今後経営破綻に陥る可能性が大きいと認められる債務者(以下、「破綻懸念先」という。)に係る債権については、債権額から、担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除し、その残額に対して今後の予想損失額を見込んで計上しております。破綻懸念先の予想損失額は、損失見込期間(3年間)を算定期間とし、過去の一定期間の貸倒実績を基礎とした貸倒実績率の平均値に基づき損失率を求め、将来見込みに応じてより実態を反映する算定期間とする等必要な修正を加えて算定しております。
上記以外の債権については、貸出条件に問題のある債務者、履行状況に問題のある債務者、業況が低調ないし不安定な債務者又は財務内容に問題がある債務者など今後の管理に注意を要する債務者(以下、「要注意先」という。)のうち、当該債務者の債権の全部又は一部が要管理債権である債務者(以下、「要管理先」という。)に対する債権については今後3年間の予想損失額を、また、要管理先以外の要注意先及び業況が良好であり、かつ財務内容にも特段の問題がないと認められる債務者(以下、「正常先」という。)に対する債権については今後1年間の予想損失額を見込んで計上しており、予想損失額は、3算定期間の貸倒実績を基礎とした貸倒実績率の過去の一定期間における平均値に基づき損失率を求め、これに将来見込み等必要な修正を加えて算定しております。
なお、破綻先及び実質破綻先に対する担保・保証付債権等については、債権額から担保の評価額及び保証による回収が可能と認められる額を控除した残額を取立不能見込額として債権額から直接減額しております。
当社グループは、貸倒引当金の算出に係る見積り及び仮定に対し、財務諸表等作成時における入手可能な情報に基づき合理的に計上していると判断しておりますが、当該見積り及び仮定には不確実性が含まれているため、予測不能な経済情勢の変化や前提条件の変化等により、当社グループにおける将来の貸倒引当金が増減する可能性があります。また、当該見積り及び仮定の詳細については、「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」における記載のとおりであります。成長分野への投資・新規事業への参入をはじめ、設備投資や株主還元等の支出については、自己資金での対応を基本としております。
なお、貸出金や有価証券での運用については、顧客からの預金にて大部分を調達するとともに、主な資金運用手段である貸出金に関しては、資金需要に積極的かつ適切に対応し、有価証券運用に関しては、金融市場動向を睨みながら資金の効率的運用に努める方針です。
当連結会計年度の資金運用収支は314億円、信託報酬は0億円、役務取引等収支は43億円、その他業務収支は△10億円となりました。
(注) 1.国内業務部門は国内店の円建取引、国際業務部門は国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。
2.「相殺消去額(△)」は、連結会社間の資金貸借取引等について相殺消去した金額を記載しております。
3.( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息(内書き)であり、合計には含めておりません。
当連結会計年度の資金運用勘定の平均残高は2兆8,219億円、利息は338億円、利回りは1.20%となり、資金調達勘定の平均残高は2兆7,707億円、利息は23億円、利回りは0.08%となりました。
(注) 1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、株式会社沖縄銀行以外の連結子会社は、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2.( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高(内書き)及び利息(内書き)であります。
3.平均残高及び利息は、相殺消去前の額であります。
(注) 1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、株式会社沖縄銀行以外の連結子会社は、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2.( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高(内書き)及び利息(内書き)であります。
3.平均残高及び利息は、相殺消去前の額であります。
(注) 1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、株式会社沖縄銀行以外の連結子会社は、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2.「相殺消去額(△)」は、連結会社間の取引及びその他連結上の調整であります。
当連結会計年度の役務取引等収益は71億円、役務取引等費用は27億円となりました。
(注) 「相殺消去額(△)」は、連結会社間の役務取引であります。
(注) 1.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
2.定期性預金=定期預金
3.「相殺消去額(△)」は、連結会社間の預金取引であります。
(注) 1.「国内」とは当社及び連結子会社であります。
2.海外及び特別国際金融取引勘定分については、該当ありません。
「外国政府等」とは、外国政府、中央銀行、政府関係機関又は国営企業及びこれらの所在する国の民間企業等であり、日本公認会計士協会銀行等監査特別委員会報告第4号に規定する特定海外債権引当勘定を計上している国の外国政府等の債権残高を掲げることとしておりますが、前連結会計年度及び当連結会計年度の外国政府等向け債権残高はありません。
(注) 1.国際業務部門の「その他の証券」は、外国債券(円建外債含む)及び外国株式であります。
2.「相殺消去額(△)」は、連結会社間の資本連結等に伴い相殺消去した金額を記載しております。
連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、株式会社沖縄銀行1社です。
(注) リスク管理債権の状況
資産の査定は、貸出金等の各勘定について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
(自己資本比率の状況)
自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては、2024年3月31日は基礎的手法を、2025年3月31日は標準的計測手法を採用しております。
(資産の査定)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、株式会社沖縄銀行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
(生産、受注及び販売の状況)
「生産、受注及び販売の状況」は、銀行持株会社における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
当社は、当社の連結子会社である株式会社沖縄銀行との間で当社が行う経営管理・指導について、2021年10月1日付で「経営指導契約書」を締結しております。
該当事項はありません。