第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針・経営戦略等

 ①企業理念

   「先進・革新技術で未来を創造」Create the Next by Advanced and Innovative technologies

 ・お客さまに信頼・支持されるグローバル企業を目指すとともに、人々の生活をより便利に、より豊かにすることで社会に貢献し続ける企業を目指す

 ②目標

   「性能・品質世界一」

 ・先進・革新技術(Advanced and Innovative technologies)により製造装置分野で性能・品質世界一を目指す

 ・お客さまの要求に対応できること、高品質の製品をつくり、その製品の寿命が終わるまで十分なケアができることが私たちのブランド=製品力

当社グループは「先進・革新技術で未来を創造」という企業理念のもと、常にチャレンジ精神をもってお客様のニーズにお応えする事を目標としております。お客様に信頼・支持されるグローバル企業を目指すとともに、人々の生活をより便利に、より豊かにすることで社会に貢献し続ける企業を目指してまいります。

③経営方針

a.経営基本方針

(a) 不断の技術開発によりディスプレイ分野の技術革新に貢献

(b) 当社コア技術を活かした新たな用途、新たな事業領域の開拓

(c) きめ細かなLCS(ライフサイクルサポート)活動による顧客満足度向上

b.目標とする経営指標

当社グループは、事業の持続的な成長と収益力の向上を一つの目標としているため、事業規模を表す「連結売上高」、製品等の収益力を表す「連結営業利益」及び「連結営業利益率」を重要な経営指標としております。

c. 具体的なアクションプラン

1.中期的な経営戦略

当社では、売上構成比の変化、即ち現状のLCD事業主体の売上構成を、IJPソリューション事業と半導体関連事業を中心とした売上構成に変えて行くことを中期的な目標として取り組んでおります。LCD事業の売上の伸びが見込めない中、残る二事業の売上を拡大し、企業として更なる成長を実現する計画であります。

LCD事業は、新規投資のOLED等プレミアム・ディスプレイへのシフトにより、今後は維持更新投資やメンテナンスなどアフターサービスの売上が中心となる見込みです。よって売上の減少は避けられないものの、当社には多くの納入実績に加え、LCS(ライフサイクルサポート)活動により築き上げた顧客との信頼関係があり、今後も安定した売上の確保を目指してまいります。アフターサービスは装置本体よりも採算性が良く、収益面でも一定の貢献が期待できると考えております。

IJPソリューション事業において、当社はインクジェットや貼り合わせの技術を活かした封止工程の装置で「性能・品質世界一」を目指します。特にAR/VR向けの需要増を見込み、μLEDやシリコンOLEDの装置に力を入れております。上述のLCDからプレミアム・ディスプレイへの新規投資のシフトも当社の売上拡大の追い風と期待されます。また、インクジェット技術を活かしたローコスト・プロセスの実現も注目されており、当社では先般上市したオプティカル・ボンディングの市場開拓に取り組んでまいります。

半導体関連事業においては、現状基板向けのはんだボールマウンタ装置が売上の大宗を占めています。当該装置は、半導体の微細化・積層化が進む中で需要が拡大する先端パッケージ向けに使われています。当社では更なる売上の拡大を目指し、昨年、歩留り向上を実現するプラズマ・レーザー・リペア装置、ウエハ向けのはんだボールマウンタ装置、Φ30um径対応ボールマウンタシステムを開発、上市いたしました。こうした新たな装置により、従来の基板向け装置に加え、ウエハ向けの装置の販売拡大に取り組んでまいります。

 

 

2.開発方針

IJPソリューション事業での研究開発強化のため、2018年7月、プロセス開発センタを開設いたしました。大学の研究者や材料メーカーとも連携し、IJ(インクジェット)塗布技術の新たな用途の拡大、量産化に向けた技術の確立等に取り組んでおります。

3.企業グループ各社の役割・分担等

当社のグループ会社は、南京新創機電科技有限公司1社であります。同社は、当社の中国におけるLCS活動の拠点として、中国の顧客へのアフターサービスを通じ顧客満足の向上と、当社グループの売上拡大に注力しております。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題

 足元の状況においては、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に起因する個人消費や経済活動の停滞に加え、米中貿易摩擦も長期化する様相を呈しており、生産活動に影響を及ぼす懸念があります。当社グループにおきましては、海外顧客の対応として、現地の子会社や支店を中心とした対応及びコミュニケーションツールの拡充と効果的な活用を日々推進しております。

 先行きが不透明な経済環境の中ではありますが、以下の各項目に重点をおき、事業を推進してまいります。

 ①新型コロナウイルス感染拡大防止対策として基本的な対応に加え、安全衛生の徹底、リモート勤務の積極的採用、WEBを活用した営業活動、不要不急の出張禁止、現地法人・販社等による装置の立ち上げ並びにアフターサービスの推進を行ってまいります。国内はもとより、取引先の国や地域における状況の変化を注視し、都度対策の検討や見直しを行い、リスクの軽減を図ってまいります。

  ②コア技術である微細塗布や位置合わせ技術を活用した「IJPソリューション事業」及び今後一層の成長が見込まれる「半導体関連事業」並びに既存の「LCD事業」の3本柱を太く大きくすべく積極的な事業展開を図り、より安定的な経営基盤を構築してまいります。

 ③中長期的視点に立った人材採用、人事制度の再構築、並びに教育制度の拡充等を積極的に推進してまいります。

 

(3)経営上の目標達成を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るべく、連結売上高及び連結営業利益・連結営業利益率を重視し、収益力の向上に取り組んでまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済動向による影響

当社グループが販売する製造装置は、ディスプレイ・半導体市場の需給動向に影響を受けます。加えて、当社製品は企業向け生産設備であることから、企業の設備投資の凍結や計画変更等、その設備投資需要に大きく影響を受けます。したがいまして、ディスプレイ・半導体市場の需給や設備投資に大幅な変動がある場合等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

当社グループは、IJPソリューション事業、半導体関連事業及びLCD事業を中核事業と位置づけその事業拡大を図るとともに、生産性の向上及び固定費・変動費の削減を推進し、事業環境の変化に影響されにくい収益体質づくりを目指して参ります。

 

(2)海外販売に関するリスク

当社グループの売上高の大半は海外向けであり、かつ中国、台湾、韓国に集中しております。したがいまして、中国、台湾、韓国において、政治状況の急変、法律・税制の予期しない変更、産業政策の変更、経済状況の急変、地震・洪水等の自然災害及びテロ・戦争等の社会的混乱が生じた場合等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

一方、国内においても、外国為替及び外国貿易法の改定や運用の見直し等が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(3) 技術革新の動向による影響

当社グループの属する事業分野においては、技術革新の急速な進展とそれに伴う市場ニーズの変化に迅速に対応することが絶えず求められております。この変化に適切な対応をすることができない場合、当社グループの既存の製品・サービスは急速に陳腐化し競争の優位性を失うおそれがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

このため、当社グループでは技術動向の調査を不断に進めるとともに、研究・開発機関と連携する等、新たな技術・製品の研究開発に努めております。

 

(4) 価格競争による影響

当社グループの主要顧客であるディスプレイ・半導体市場においては、需給動向を反映した価格変動が激しいことが特徴としてあります。当社グループでは、原価低減に努めるとともに、自動化・省人化を可能とする装置開発や、各装置のパッケージ化等により顧客サイドのコストダウンを実現し、価格の維持に注力しております。しかしながら、当社も単に他社と価格のみで比較、競合するおそれは否めず、過度の価格競争が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(5) 法的規制に関するリスク

当社グループでは、ISO9001やISO14001の認証を取得した工場として生産活動を行っております。このような活動を行うに際して、製造物責任法・独占禁止法・下請代金支払遅延等防止法・廃棄物の処理及び清掃に関する法律・工場立地法・消防法・毒物及び劇物取締法等の法的規制を受けております。今後、新たな法令の制定等規制の動向によっては、当社の事業展開が制約され、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

 

(6)売上計上時期の変動に関するリスク

当社グループの生産計画、販売計画及び業績の見通しは、顧客からの納期の変更等により急な見直しを余儀なくされることがあります。このため顧客の工場建設の遅れや設備投資計画の見直し等は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(7)ノウハウ及び知的財産権に関するリスク

当社グループは、製造装置需要の変動に柔軟に対応すべく、一部の製品組立を協力会社へ委託しているため、当社独自のノウハウや技術情報が社外に流出するリスクが想定されます。協力会社との間では、当社の技術・ノウハウの他への転用・利用を禁止する旨の契約を締結し、ノウハウの社外流出の防止に努めております。

また、当社は、技術流出の危険性に対する防止策及び競合他社に対する知的財産権上の優位性の維持及び獲得のため、特許・実用新案の出願を積極的に行っております。しかしながら、特定の国や地域では、当社の知的財産権の保護が十分にされない場合があり、当社の知的財産権を使用して類似製品を製造することにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

一方、第三者の知的財産権については、これを侵害しないよう努めておりますが、万が一抵触した場合には、多額の係争費用や損害賠償金等が発生するおそれがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(8)研究開発等の先行投資に関するリスク

当社グループは、将来成長が期待できる市場分野での事業展開に有益と考える技術に関わる研究開発及び関連設備に先行投資をしております。しかし、想定を上回る革新的な技術の登場やマクロ経済環境の急変等により、先行投資の成果が必ずしも収益に繋がらないリスクがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(9)製品の契約不適合に関するリスク

当社グループは、製品の品質管理に関して十分な注意を払い、PL保険にも加入しておりますが、先端技術あるいは新技術を用いた製品を扱うことも多く、事前の想定が困難な契約不適合が発生する等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(10)装置代金の回収及び営業キャッシュ・フローの健全化に関するリスク

当社グループの装置代金の回収については、中国などの商慣習により、契約代金の1割前後の回収が長期化するケースがあります。前受金やFOB(本船渡し)により代金の8割前後の回収が行われますが、残金は当社装置の稼働ではなく、生産ライン全体の稼働後に最終的な検収を行い、そこから1年など一定の保証期間経過後に支払われる契約となっているためです。代金回収を計画的に行うために、装置納入後の状況や課題等について顧客と情報共有するなど様々な取り組みを進めておりますが、顧客設備の稼働スケジュールや検収作業の長期化等が、当社グループの財務状況及びキャッシュ・フローに大きな影響を与える可能性があります。

当社グループでは、契約時に検収条件の明確化を図るとともに、納入後は子会社及び代理店等と連携し検収の早期化に努めるなど、売上代金の計画的な回収実現に向け取り組んでおります。

 

(11) 大規模災害の影響

当社グループの生産拠点は、本社工場、守谷サテライト工場とも茨城県にあります。よって、茨城県において大規模災害が発生した場合には、生産設備の破損、物流機能の麻痺等が生じ、生産拠点の操業停止等、当社の生産体制が重大な影響を被り、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(12)固定資産の減損リスクについて

当社グループの保有する固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損損失を認識すべきであると判定した場合にはそれぞれの固定資産について回収可能性を評価することとなります。回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、その差額は減損損失として当該期の損失として計上されるため、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(13) 退職給付債務について

当社は、将来に関する一定の前提を置いた年金数理計算に基づいて退職給付債務を計上しております。したがいまして、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件に変動が生じた場合等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(14)情報管理について

当社グループは、事業遂行にあたり、各種技術情報、顧客情報、個人情報を有しております。当社では、情報セキュリティマネジメント規程を制定し、当社が管理する文書、電子情報の適切な管理に努めております。しかしながら、情報漏洩のリスクは常に存在しており、万一情報が漏洩した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(15) 人材の確保・育成

当社グループが培ってきた技術やノウハウの伝承、延いては当社グループの将来の成長は、従業員の能力による部分が大きく、よって優れた能力を有する従業員の確保と育成は、当社グループの重要な経営課題であります。必要な人材を確保、育成できなかった場合には、当社グループの業績及び財務状況、さらには当社の成長に影響を与える可能性があります。

 

(16) 日立製作所グループとの関係について

当社は、日立テクノエンジニアリング株式会社(注:同社はグループ内での合併の後、2013年に株式会社日立製作所により吸収合併された。)が1990年3月に開設した竜ケ崎工場を母体とし、2016年7月、株式会社日立製作所からの新設分割により設立されました。新設分割にあたり、当社は株式会社日立製作所より竜ケ崎工場の不動産及び製造設備等の資産、従業員、特許権等知的財産権並びに事業に関連する海外事業拠点(台北、南京)を継承しております。

現在の当社と日立製作所グループとの関係について、株式会社日立ハイテクとの販売契約、株式会社日立マネジメントパートナーへの給与計算・経費精算等に係る委託契約等はありますが、いずれも第三者である他の取引先と同じく、サービスの質、価格等の条件の妥当性を総合的に判断し決定しております。

一方、当社と同社グループとの間に、ライセンス契約、技術または製造工程に関する支援・コンサルティング契約、出向関係等はありません。

 

(17) ファンド株主との関係について

当社は、ポラリス第三号投資事業有限責任組合(注)及び海外の投資ファンドである Tiara CG Private Equity Fund 2013,L.P.によって当社発行済株式総数の30%超の株式を保有されております。また、当社はポラリス第三号投資事業有限責任組合を運営するポラリス・キャピタル・グループ株式会社から取締役1名の派遣を受けております。なお、当社とポラリス・キャピタル・グループ株式会社との間に営業上の取引関係はありません。

当社の株主であるポラリス第三号投資事業有限責任組合及びTiara CG Private Equity Fund 2013,L.P.は、当社株式を順次売却する予定でありますが、当社株式の保有・処分方針によっては、当社株式の流動性及び株価形成等に影響を与える可能性があります。

当社は、独自性、自主性に基づき企業運営を行っておりますが、ポラリス・キャピタル・グループ株式会社が運営するファンドを通じて相当数の当社株式を保有することにより、当社役員の選解任、他社との合併等の組織再編、減資、定款変更等当社の株主総会決議の結果に重要な影響を与える可能性があります。

(注)ポラリス・キャピタル・グループ株式会社が企業の事業再編・再構築の支援を目的に組成した投資ファンド

 

 

(18) 新型コロナウイルス感染症に関するリスク

新型コロナウイルス感染症再拡大の影響を受け、中国をはじめとする各国で生産や物流に停滞が生じ、更にはそれが長期化した場合、顧客の生産活動の停止または投資計画の見直し、現地での装置立上げ作業の遅延、サプライチェーンの混乱による生産活動への影響など様々な不測の事態が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

当社グループではこの対策として、安全衛生の徹底は勿論、現地法人・販社等を活用した装置立上げやアフターサービスの現地化推進、WEBを活用した営業活動や装置立上げ支援、主要部品の調達前倒し等を行っております。今後も継続して状況の変化を注視し、都度対策の検討・見直しを行い、リスクを軽減する体制を構築してまいります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)及び(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は全体に回復基調が続いたものの、年度後半からはオミクロン変異株の感染拡大、サプライチェーンの混乱、ウクライナ侵攻による資源・エネルギー価格の高騰等の影響により、その回復ペースは鈍化しました。

当社グループの事業環境について、半導体業界においては次世代通信規格(5G)対応、データセンターの建設・更新需要等から設備投資は順調に推移しました。フラットパネルディスプレイ(FPD)業界においても、巣ごもり需要の一巡によるパネル価格の下落はあったものの、中国を中心に底堅い設備投資が続きました。よって、事業環境は総じて良好で受注は堅調に推移しましたが、出荷や売上の面では、部品の供給制約や物流の混乱等による顧客の設備投資計画の見直しが散見され、半導体関連を主に一部売上の翌連結会計年度への繰り越しが発生しました。

このような状況のもと、当社グループの当連結会計年度の受注金額は17,287百万円(前年度比9.2%増)、受注残高は14,292百万円(前年度比22.6%増)となりました。

当社グループの当連結会計年度の連結業績は、売上高は14,684百万円(前年度比8.8%減)、営業利益は735百万円(前年度比27.2%減)、経常利益は678百万円(前年度比25.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は478百万円(前年度比31.3%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

 (IJPソリューション事業)

台湾・中国を中心に高精細パネルや中小型有機EL(OLED)パネル向けの設備投資が堅調に推移したことから、売上高は前年度より増加しました。収益面でも、増収に加え、前年度までの研究開発など先行投資的な負担が剥落し、利益は大幅に改善しました。また、AR/VR向けのマイクロLED、シリコンOLEDの受注が積み上がってきており、今後の売上への貢献が期待できる状況となっております。

このような状況のもと、当セグメントの当連結会計年度の売上高は2,846百万円(前年度比21.0%増)、セグメント利益は171百万円(前年度比459.2%増)となりました。

 

 (半導体関連事業)

5G対応、IoT、データセンター投資など半導体の需要は拡大基調で推移しております。加えて、当社は半導体の微細化・積層化に対応する先端パッケージ向けの装置を主体としていることから、さらなる需要増の追い風を受けております。このため、はんだボールマウンタ装置の受注は順調に積み上がりましたが、顧客の投資計画遅延等により出荷が来期にずれ込む案件も多く、売上高は減少を余儀なくされました。今後は、従来からのはんだボールマウンタ装置に加え、昨年上市しましたプラズマレーザーリペア装置の受注増にも注力してまいります。

このような状況のもと、当セグメントの当連結会計年度の売上高は3,152百万円(前年度比15.1%減)、セグメント利益は651百万円(前年度比27.7%減)となりました。

 

 

 (LCD事業)

テレビ用大型パネル向けの設備投資が一巡し、またパネル価格の低迷もあり、総じて液晶パネルの設備投資は減少傾向にあります。しかし、中国を中心に引き続き設備投資が行われており、加えて改造・リプレイス等の需要もあることから、LCD事業の売上高は若干の落ち込みに止まりました。収益面では、減収の下、改めて各工程での無駄を見直す等一層のコスト削減に努めました。

  このような状況のもと、当セグメントの当連結会計年度の売上高は8,685百万円(前年度比13.5%減)、セグメ

 ント利益は894百万円(前年度比12.7%減)となりました。

 

当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,570百万円増加し、16,317百万円となりました。主として、現金及び預金322百万円、売上債権836百万円、棚卸資産350百万円の増加によるものであります。

  有形固定資産は、前連結会計年度末から60百万円増加し、2,293百万円となりました。

無形固定資産は、前連結会計年度末から26百万円減少し、21百万円となりました。

投資その他の資産は、前連結会計年度末から24百万円増加し、203百万円となりました。

これらの結果、総資産は、前連結会計年度末から1,629百万円増加し、18,836百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,111百万円増加し、10,238百万円となりました。主として、仕入債務1,104百万円の増加によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ8百万円減少し、551百万円となりました。

純資産は、前連結会計年度末に比べ526百万円増加し、8,046百万円となりました。主として、親会社株主に帰属する当期純利益478百万円を計上したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は42.7%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ322百万円増加し、2,430百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果取得した資金は、698百万円となりました。資金の取得は、主に仕入債務の増加1,101百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、340百万円となりました。資金の使用は、主に有形固定資産の取得による支出330百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、107百万円となりました。資金の使用は、主に短期借入金の減少100百万円によるものであります。

 

 

③ 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高

(千円)

前年度比

(%)

受注残高

(千円)

前年度比

(%)

IJPソリューション事業

5,035,758

64.3

4,928,056

80.0

半導体関連事業

5,549,030

29.2

5,483,989

78.5

LCD事業

6,702,349

△20.9

3,880,929

△33.6

合計

17,287,138

9.2

14,292,975

22.6

 

(注) 1.セグメント間取引はありません。

2.金額は、販売価格によっております。

 

④ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年度比(%)

IJPソリューション事業

2,846,027

21.0

半導体関連事業

3,152,282

△15.1

LCD事業

8,685,783

△13.5

合計

14,684,093

△8.8

 

(注) 1.セグメント間取引はありません。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2020年7月1日

 至 2021年6月30日)

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

 至 2022年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Shenzhen China Star

Optoelectronics

Semiconductor Display

Technology Co.,Ltd.

2,407,430

16.4

SDP Global(China) Co.,Ltd.

1,931,000

13.2

AU OPTRONICS CORP.

1,776,898

12.1

Wuhan BOE Optoelectronics

Technology Co.,Ltd.

3,085,500

19.2

TITAN-SEMI Co.,Ltd.

2,624,100

16.3

Changsha HKC
Optoelectronics Co.,Ltd.

2,181,200

13.5

 

3.前連結会計年度のShenzhen China Star Optoelectronics Semiconductor Display Technology Co.,Ltd.、SDP Global(China) Co.,Ltd.、AU OPTRONICS CORP.につきましては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

  当連結会計年度のWuhan BOE Optoelectronics Technology Co.,Ltd.、TITAN-SEMI Co.,Ltd.、Changsha HKC Optoelectronics Co.,Ltd.につきましては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a.財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末から1,629百万円増加し、18,836百万円となりました。これは主に売上債権836百万円、棚卸資産350百万円、現金及び預金322百万円の増加によるものです。売上債権は、第4四半期の売上高が7,902百万円と大きかったことから一時的に膨らんだものです。棚卸資産は、受注の増加を受け増加しました。

負債は、前連結会計年度末から1,103百万円増加し、10,789百万円となりました。主として、仕入債務1,104百万円の増加によるものです。短期借入金は、100百万円減少し、3,300百万円となりました。

純資産は、前連結会計年度末から526百万円増加し、8,046百万円となりました。主として、親会社株主に帰属する当期純利益478百万円を計上したことによるものです。この結果、自己資本比率は42.7%となり、前年度より1.0%減少しました。

 

 b. 経営成績

当連結会計年度において、受注は総じて堅調に推移しましたが、新型コロナウイルス感染拡大による生産・物流の混乱等の影響を受け、当社グループの連結業績は、売上高14,684百万円(前年度比8.8%減)、営業利益735百万円(前年度比27.2%減)、経常利益678百万円(前年度比25.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益478百万円(前年度比31.3%減)と、減収減益を余儀なくされました。減収は売上の翌期への繰り越しの発生、減益は斯かる減収の影響がその主な要因となっています。具体的には、コロナ禍の下、半導体不足によるサプライチェーンの混乱等から一部顧客が設備投資時期を見直すこととなり、半導体関連を主に20億円程度の売上が翌期に繰り越しとなり、減収となったものです。

 

セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、各セグメントの当連結会計年度における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

また、セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益に対応しております。

 

 (IJPソリューション事業)

当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度から493百万円増加し、2,846百万円となりました。

セグメント利益は、同じく140百万円増加し171百万円となりました。高精細パネルや中小型OLEDパネル向け装置が堅調に推移した一方、前年度までのQD-OLEDやオプティカルボンディングに係る先行投資が落ち着いたため斯かる増収増益となったものです。

 

 

(半導体関連事業)

当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度から561百万円減少し、3,152百万円となりました。

セグメント利益は、同じく249百万円減少し、651百万円となりました。はんだボールマウンタを中心とした受注は順調に積み上がりましたが、主要顧客の工場立ち上げ遅延の影響等から15億円程度の売上が翌期に繰り越され、斯かる減収減益となったものです。

 

(LCD事業)

当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度から1,353百万円減少し、8,685百万円となりました。

セグメント利益は、同じく130百万円減少し、894百万円となりました、液晶パネル向けの新規投資は減少傾向にありますが、中国では未だ投資が行われており、改造・リプレイス等メンテナンス関連の売上もあることから、売上高・セグメント利益とも減少はしたものの、一定の水準を確保することができました。

 

②資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの事業活動における主な資金需要は、部品の仕入代金、製品の製作代金、販売費及び一般管理費等の費用及び設備投資資金であります。上記運転資金につきましては、内部資金、銀行からの借入及び売上債権の回収により調達を行うことを基本としております。日常的な手元流動性は金利費用削減のため必要最小限の残高で運用しておりますが、取引銀行とコミットメントライン契約(極度額4,680百万円)、当座貸越契約(極度額5,400百万円)を締結しており、資金の流動性は確保されております。なお今後につきましては、安定的な内部留保の蓄積等により財政状態の健全化を図るとともに、資本効率を高めてまいります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計基準に基づき作成しております。

この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益、費用及びキャッシュ・フローの報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。

当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表の作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 

a.貸倒引当金の計上基準

当社グループは、債権の貸倒に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。

顧客の財政状態が悪化し、支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。

b.棚卸資産の評価基準

当社グループは、原材料は最終仕入原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)、製品及び仕掛品は個別法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)、半製品のうち保守部品は移動平均法による原価法、それ以外は個別法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)を採用しております。

将来における実際の需要または市況が見積りより悪化した場合には、評価損の追加計上が必要となる可能性があります。

c.繰延税金資産の回収可能性

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性について、課税所得の額を合理的に見積ることにより判断しております。

将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を与える可能性があります。

d.固定資産の減損処理

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性があります。

e.退職給付債務の算定

当社の退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率等に基づき算定されております。

将来の不確実な経済条件の変動等により割引率及び期待運用収益率等の見直しが必要となった場合、退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に影響を与える可能性があります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社は、2022年9月26日開催の取締役会におきまして、東京応化工業株式会社が製造事業承継(吸収分割)のために、新たに完全子会社として設立する承継準備会社の株式の全てを取得することについて決議し、本株式取得にかかる株式譲渡契約を2022年9月26日に締結いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(重要な後発事象)をご参照ください。

 

 

5 【研究開発活動】

当社は、2000年代初頭のFPD製造装置の製造に係る「液晶真空充填システム」確立をはじめ、高精度塗布・位置決め・貼合せ等の当社コア技術を活かし、常に顧客のニーズに応えてまいりました。「先進・革新技術で未来を創造」を経営理念に掲げる当社として、研究開発力の維持・強化は、経営の最重要課題の一つと考えております。

顧客のニーズの変化や要望、あるいは顧客が直面されている問題点や課題をきめ細かに把握し、それを基に新しい装置やプロセスの開発を行っております。

研究開発の方向性、テーマについては、顧客からの情報に加え、市場動向や技術動向の分析を行い、中期経営計画等にて策定しております。

 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は、109百万円(注)であります。

 

(IJPソリューション事業)

薄膜形成のための各種プロセスの技術開発及び評価、新材料に対応したプロセス技術開発等を行っております。2019年6月期に開設したプロセス開発センタを活用し、国内の有力大学、研究機関、材料メーカー等と連携し、研究開発を進めております。

薄膜形成用インクジェット装置、ナノインプリント形成装置、フィルム貼合せ装置等の開発に注力し、車載用デバイスへの応用技術である高粘度電子材料用IJP技術や、開発効率を向上させるシミュレーション技術等の先進技術の開発に取り組んでおります。

 

(半導体関連事業)

次世代高速通信に対応するため、はんだボールマウンタ装置のボール搭載及び検査リペア技術の向上とプロセス開発等に取り組んでおります。特にスループット、搭載精度、歩留りの向上に注力して技術開発を行っております。

 

(LCD事業)

顧客の高精細化、無人化、フレキシブル化等のニーズに対応した製品開発や、次世代の情報デバイス向けに必要とされる装置・プロセスの開発に取り組んでおります。また、顧客の省エネルギー化の要求に対応するため、装置の省電力化技術等、環境に配慮した技術開発にも注力しております。

シール塗布装置、液晶滴下装置、真空貼合せ装置等では、装置の信頼性・安定性を高めるとともに、次世代デバイスの量産化を可能にするための技術開発を行っております。

 

(注)当社の研究開発活動は、セグメント間で横断的に実施しておりますので、開発費の総額は合計値での掲載としております。