文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「私たちは国際化社会の中で、社員ひとり一人の個性を尊重し、誠実を旨とし、情報技術の先進的活用により顧客企業と社会の発展に貢献する。」ということを企業理念として掲げており、経営方針は以下のとおりです。
・顧客に信頼される会社となる。
・創造性あふれる専門家集団であり続ける。
・社会への貢献、個人への還元バランスをはかる。
(2)経営戦略等
ITシステムやITサービスの管理機能をクラウドサービスとして提供するServiceNowを初めとするシステム/サービス管理SaaS市場は高い成長を続けており、2020年実績は前年比40.9%増の219億900万円となっております。2020年~2025年の年間平均成長率は32.0%、2025年には877億300万円に達すると予測しています。IDC Japan株式会社(以下「IDC Japan」という。)の「国内システム/サービス管理ソフトウエア市場予測、2021年~2025年」によると、2020年~2025年の年間平均成長率は6.3%となり、2025年の市場規模は3,899億800万円になると予測しています。
IDC Japanの「国内BDAテクノロジー/サービス市場予測、2020年~2024年」によると、2019年の国内BDA(Big Data and Analytics)テクノロジー/サービス市場は売上額ベースで前年比10.0%増の1兆799億5,100万円でありました。また、2019年~2024年においては、2020年および2021年において新型コロナウイルス感染症(以下「COVID-19」という。)の流行の影響により一時的に成長が鈍化するものの、以降回復し、年間平均成長率は11.7%、2024年の市場規模は1兆8,765億7,400万円になると予測されております。
また、IDC Japanの「国内プライベートクラウド市場予測、2021年~2025年」によると、2020年~2025年の年間平均成長率は25.3%で推移し、2025年の市場規模は2020年比3.1倍の2兆7,815億円になると予測されております。
一方、IDC Japanの「国内パブリッククラウドサービス市場予測、2021年~2026年」によると、2021年の国内パブリッククラウドサービス市場規模は、前年比28.5%増の1兆5,879億円となりました。また、2020年~2026年の年間平均成長率は18.8%で推移し、2026年の市場規模は2021年比2.4倍の3兆7,586億円になると予測されております。
以上により、デジタル革新推進事業、ビッグデータ分析事業、及びシステム基盤事業は、主要顧客との長期にわたる信頼関係も相まって需要が高い水準で成長すると予想しており、成長戦略の中核と位置付けております。
なお、当社グループは、上記の基本方針及び市場の動向に基づき、安定的かつ継続的な企業価値の向上を目指し、次の姿勢を貫いてまいります。
・お客様の業務を深く理解し、ニーズを汲み取った良質なエンジニアリングサービス、更に上流からのサービス(コンサルティングや各種提案)提供を行っていく
・デジタル革新技術を活用し、お客様の経営戦略実現のための業務統制の適正化と業務活動の効率化、そして経営リソースの有効活用を実現するエンドユーザ志向の新しいビジネスモデル(新事業)を構築し提供する
・社員がシイエヌエスで働くことを誇りに思える魅力を提供し、その魅力のもと高いサービス精神、チームワークを発揮し続け、顧客企業及び社会の発展に貢献する
これらの展望の下、次の3つの基本戦略を推進してまいります。
①事業基盤の強化
・ビジネス拡大に必要な体制の強化
事業拡大に最も重要な「人材=社員」の拡充を進めるとともに、高度かつ専門的なスキルが必要とされるビジネス環境に対応可能な人材の育成を図ってまいります。成長領域であるデジタル技術の領域の技術変化に対応できる優秀な人材の獲得について、2023年5月期は新卒・中途ともにほぼ目標数を獲得でき、エンジニア数は順調に増加しております。2024年5月期は、新卒採用施策に比重を置き、早期育成・若手登用による体制強化へシフトいたします。
②新たな顧客獲得による事業規模拡大
・重点顧客(ビジネスパートナー含む)との連携強化による売上拡大
当社の重点事業を支える技術の展開を進めておりますが、重点顧客が持つ顧客(エンドユーザ)には、当社技術の活用が期待できる潜在顧客が多数あります。重点顧客を通じて、当社のサービス・技術力活用を提案できるスキームを確立させ、販路拡大を図ります。
・新たなアライアンスパートナーとの協業関係整備による新規顧客数の拡大
成長戦略の中核となるデジタル変革技術のノウハウを活用し、取引の拡大が見込めるアライアンスパートナーとの協業関係の活用により、アライアンス製品の拡販、技術に関連するコンサルティング、導入支援や周辺のシステムインテグレーションのニーズに対応し、アライアンスパートナーの先にある新規顧客の獲得を図ります。
③ソリューションの拡充による市場拡大
・デジタル変革ソリューションの取り組み・拡充
ビッグデータ、ServiceNow、クラウドに続く、新しいデジタル変革ソリューションの拡充を行います。社会的なニーズ、顧客のニーズに沿った最適な提案となるよう、事業を通じた活動により拡充を進めてまいります。具体的には、「U-Way」サービスの販路拡大やOracle ERPのノウハウを蓄積してまいります。
・デジタル変革を実現する新サービスの拡充
重点顧客が持つ顧客(エンドユーザ)や新規顧客のデジタル変革の実現に向けた新サービスの拡充を進め、新しい事業の確立を図ります。具体的には、ビジネス変革デザインサービスの事業化、サービスメニュー化、「U-Way」サービスのSaaS拡充等、人員に依存しないビジネスモデルの確立を図ります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、企業価値の向上及び財務体質の強化を図るため、具体的な数値目標は設定しておりませんが、
売上高成長率及び営業利益率を重要な経営指標としております。
(4)経営環境
当社グループは、システムエンジニアリングサービス事業の単一セグメントでありますが、サービス事業としてデジタル革新推進事業、ビッグデータ分析事業、システム基盤事業、業務システムインテグレーション事業を展開しております。加えて、2024年5月期より、新たにコンサルティング事業を開始いたしました。
当社グループが属する情報サービス産業においては、DXを推進する動きが活発化しております。これまで情報システムはお客様ビジネスの構成要素の一部として扱われておりましたが、昨今の急激な環境変化に対応し、ビジネスの成長を拡大する上でデジタル技術を駆使した情報システムを経営の基本骨幹とされるように変化しております。
DXの市場動向については(2)経営戦略等に記載しているとおりであり、デジタル革新推進事業、ビッグデータ分析事業の需要は前年度から変わらず堅調であり、デジタル技術を活用する基盤としてシステム基盤事業の成長も後押ししております。他方、IT人材不足を背景に、IT・デジタル人材の採用環境は厳しい状況となっております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①新ビジネスモデルの構築
当社グループは受託型のエンジニアリングサービスやシステム開発に特化し、お客様との取引を拡大してまいりましたが、一方で受託型以外のビジネスモデルの構築が課題であると認識しています。ビッグデータ分析、クラウドサービス技術の強化を継続するとともに、デジタル革新技術の拡大に注力し、基盤系新サービス(IaaSソリューション)やIT技術教育サービスに着手しており、2022年10月には、当社初の独自クラウドサービス「U-Way」の提供を開始し、当該サービスのシリーズ化により拡充を図っていく計画です。こうした新サービスの拡充から、将来的には新ビジネスモデルの構築につなげ、お客様のビジネス戦略の実現に貢献してまいります。
②新規顧客の獲得
受託型のエンジニアリングサービスやシステム開発では、お客様のビジネスを深く理解したサービスを提供できる企業へ発注が集中する傾向にあります。既存のお客様に対するニーズの深堀りを強化するとともに、ITベンダーやお客様とのパートナーシップの改善と増強を進めることで対応可能な技術や製品の幅を広げ、また、ブランドイメージを構築して情報を発信することで、新しいお客様の開拓にも注力いたします。また、受託型のサービスやシステム開発よりも比較的簡便的にお客様のご要望に合わせて導入いただける、当社独自のサービスの拡充、提案をすることで顧客層も広げてまいります。
③人材の確保と育成・働き方改革の推進
企業成長には優秀な人材の確保・育成は不可欠であり、情報サービス産業は人材こそが全てである業界と言えます。とりわけ、資格の取得につきましては、従業員のトライを全面的サポートし、最先端技術の習得と活用に力を入れてまいります。また、人材の確保については、当社グループの技術力やサービス力の向上、新しいビジネスモデルの構築スピードを加速させるためにも、新卒採用だけでなく即戦力のキャリア採用にも重点を置いて取り組んでまいります。加えて、協力会社との関係強化を進め、当社グループと協力会社が一体となって人材強化を実現できる関係を構築してまいります。社員の働き方については、ワークライフバランス配慮しつつ、生産性及び品質の向上を実現することが重要な課題であると認識しております。2024年5月期より、離職率の低下、及び働き方の多様化促進を目的にフルテレワーク制度を運用してまいります。社員の健康や意欲を損なわない環境を保ち続け、事業の健全な継続を実現するとともに、社員の仕事へのやりがい、誇りを高めてまいります。また、少子高齢化が進む中、業種・業態を超えた人材獲得競争は激化、高度IT人材の不足も深刻化しております。このような状況を踏まえ、優秀な人材確保のための選択肢の1つとしてM&Aも検討してまいります。
④品質維持向上
情報サービス業界における受託型システム開発は、プロジェクトマネジメントや製造成果物の品質に関連した問題により業績に多大なる影響を与えるリスクを常に抱えております。当社グループにおいては、過年度に発生した課題の発生原因の追求と対策を行い継続的な再発防止に努めております。品質保証委員会によるプロジェクトの監視とマネジメント品質の向上、プロジェクト推進に必要な各種チェックツールの増強、管理職育成の改善・強化により、安定的な品質の確保をできる仕組みづくりと改善を進めてまいります。
⑤内部管理体制の強化
業務運営の効率化やリスク管理、また安定的に事業を拡大するためには内部管理体制のさらなる強化が必要不可欠であると考えております。今後も引き続き、内部管理体制の整備を推進するとともに、労務管理上の問題や情報漏洩、ハラスメントなどが発生しないようコンプライアンスの強化にも努めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりです。なお、特に記載のない限り、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)ガバナンス
当社グループにおいて、サステナビリティをめぐる課題や基本方針について、サステナビリティに知見がある外部有識者も交えて議論し、取締役会で決議しています。
取締役会のモニタリングのもと、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しています。サステナビリティ委員会は、事業部、管理本部、経営戦略本部(IR担当含む)及びグループ会社である株式会社シイエヌエス北海道にそれぞれ所属する役職員で構成され、気候関連のリスクと機会の特定や、温室効果ガス排出量削減状況の確認、サプライチェーン全体での人権デューデリジェンスの実施、人的資本を含むサステナビリティ方針や目標、施策などを企画策定など、当社グループが持続的に成長し続けることができるよう、長期的なサステナビリティを巡る課題に関する検討・議論を行い、状況を定期的に取締役会へ報告しています。
今後も、環境の変化に対応しグループ全体でサステナビリティ指標の達成に向けた取組を推進してまいります。
■サステナビリティ推進体制図
(2)戦略
<サステナビリティ経営に関する考え方>
当社グループは、「情報技術の先進的活用により顧客企業と社会の発展に貢献する」企業理念としています。当社グループの事業が行うデジタル革新は、まさに情報技術の活用によって、社会の発展に貢献するものです。事業活動を通じて、人を想い、社会を進化させる新価値を生み出すソリューションを提供するとともに地球環境保全、多様性に富んだ人材確保・育成、働き方改革を推進し、社会価値を持続的に向上させていきます。
2022年度からスタートした、社内向けの中期経営計画において、当社グループ全体の持続的な成長と中長期的な企業価値(経済価値+社会価値)向上を目指して、社会課題やニーズを捉え、これらの課題解決を起点としたビジネスの創出ができるアウトサイドインのビジネスアプローチを実現するサステナビリティ経営の実現を目指すことを掲げました。企業理念及び経営ビジョンのもと、サステナビリティ基本方針として、お客様とともに社会課題を解決し、安全・安心・便利で豊かな社会づくりに貢献していく姿勢として「Creating New value for Sustainable~持続可能な新しい価値の創造~」を策定しました。
<人的資本に関する考え方>
当社のMissionである、「人を想う力で、社会を前進させる新価値を、生み出す」の「人を想う力」は、社員に対してイノベーションを起こせるような環境を提供するという想いも込めています。イノベーションを生み出し続けるためには、多様かつ優秀な人材が不可欠です。長期的にお客様のビジネスの基盤を強固なものにする高品質のシステムインテグレーションを提供するには、人材は当社グループの競争力の源泉であり、最も重要な経営資源です。
このような考えから、2022年度の中期経営計画において3つの成長戦略のひとつに、「事業基盤の強化」を掲げています。当社のビジネスにとって最も重要なファクターである「人材=社員」の拡充を進めるとともに、高度かつ専門的なスキルが必要とされるビジネス環境に対応できる人材へと育成を進める施策です。技術職は先端技術力+提案・行動力のあるデジタル人材へ、管理部門は上場企業としての業務スキルを有し主体的に動く人材への育成を進めています。
社員の継続的なスキルアップを促すために、以下のような学びの場を提供しています。職位別・年代別に階層別集合研修や、意欲を喚起するための福利厚生制度、社員の定着率向上を図ったエンゲージメント施策を推進しています。
■主な教育施策
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分類 |
研修名 |
内容 |
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高度かつ専門的なスキル獲得のための研修 |
新人研修・フォローアップ制度 |
入社の3か月の集合研修から、その後の現場配属でのOJT研修、フォローアップ研修で構成される新人向け研修制度になります。 新人研修制度では、Mission・Vision・Value(以下、MVV)や行動指針の浸透から、ビジネススキル、技術研修、事業部主催による事業部研修など、配属に必要な知識の習得を行い、配属後も引き続きのフォローアップ研修と定額研修の受講、先輩社員とのOJT研修やフォローアップ面談を実施しています。 |
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ビジネス変革研修 |
世の中の非効率を発見し、それをデジタル化によって業務を改善するだけではなく、その先のデジタルトランスフォーメーションについて構想し、DXの目的を意識し現在の問題を解決しチームでの成果を出して発表する、年間を通じた研修制度となります。 |
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2~3年目研修 |
若手エンジニアの即戦力化を目的に、プロジェクトで必要なチームマネジメントや後輩育成、コミュニケーション能力向上を目的とした研修と、自身の振り返りや今後の目標設定を行う研修です。 |
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新役職者向け研修 |
役職者を迎える社員を対象に、改めて当社の変革への意識や企業理念、MVVや行動指針の定着を目的とした研修や当社が求める役職者像を、取締役から新役職者へ直接伝える研修です。 |
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財務研修 |
役職者を迎える社員を対象に、財務の基礎知識を習得することで企業活動におけるコスト構造を把握し、会社のビジネスモデル、収益モデルへの理解を深めることを目的とする研修です。 |
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管理職者研修 |
全役職者のスキル診断を実施し、各人の課題を再設定する研修、及びその結果から当社全体で不足しているスキルを補う研修を、3日間集中的に受講する集合研修です。 |
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中途社員研修 |
中途社員を対象に、当社をより理解してもらうために変革への意識や企業理念、MVVや行動指針の説明を中心とした研修や、既存社員との交流を目的とした研修です。 |
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アイデアソン研修 |
社会課題をテーマとしたアイディアソンを年に1回実施しています。この研修を通して、新たなビジネスモデルを検討するとともに、事業部を横断したアイデアソンを実施することで、自分とは異なる視点や考えを持つ社員と意見交換し、自分の物事の捉え方を変え、広げることを目的とする研修です。 |
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幹部育成塾 |
取締役、執行役員候補者に対して、現任取締役から、過去の成功や失敗などの経験談や得意領域について伝え、経営者視点をもってもらうための研修を実施しています。 |
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スキル獲得のための補助制度 |
自己啓発補助 |
社員のキャリアプランの達成、及び業務上必要な知識・技術の習得を支援する事を目的とし、書籍購入や、通信教育、各種試験の受験費用、アプリケーション購入等、支援該当範囲内において費用の補助を行う制度となります。 |
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資格手当 |
当社が奨励する資格を取得した社員については、決められた一定金額を資格手当として支給する制度となります。 |
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社員へのエンゲージメント施策 |
せきカフェ |
代表取締役社長と若手社員が、当社の将来や問題点を中心に直接コミュニケーションする場を設けています。若手社員に対して、改めて経営理念の背景・込めた思いを伝え、社員からは思っていること・聞いてみたいことを時間が許す限り話し合う場としています。 |
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役職者交流会 |
事業部を横断して役職者間で当社の価値観や課題感を共有することで、コミュニケーションを活性化させ、生産性の向上や事業部を超えての新たなビジネスチャンスの機会につながる環境づくりを目的としています。 |
上記の施策により、ジュニアレベルの段階から多くの資格を取得し、優秀なエンジニアの人数も増えております。
(3)リスク管理
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値(経済価値+社会価値)向上を目指すうえで重要な課題、また、ステークホルダーにとっても関心度の高い課題を総合的に評価し、優先的に取り組むべきテーマとして、7つのマテリアリティを特定しています。サステナビリティ委員会において、重要指標のモニタリング及び進捗管理、取締役会への報告を行っています。また、リスクマネジメントについては、リスク管理・コンプライアンス委員会において全社的な視点によるモニタリングを行うマネジメント体制を整備しております。
■特定したマテリアリティのマトリックス
(4)指標及び目標
当社グループは、サステナビリティに関連するリスクと機会を評価、重要指標を定めています。
また、当社グループの事業活動から発生する温室効果ガス排出量について、SBTイニシアティブの「企業ネットゼロ基準」に則り、2019年度を基準年とし2030年度までに総排出量の46%を削減する目標を設定しています。
■温室効果ガス削減目標
当社は、次世代育成支援対策推進法・女性活躍推進法に基づき「一般事業主行動計画」を策定しています。その中で、期間中の育児休業の取得率を男性社員は10%、女性社員は100%の水準以上で維持することを目標に掲げています。 また、技術職の女性を50名以上にする目標も併せて掲げています。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性のあるリスクをすべて網羅するものではありません。
(1)リスクマネジメント体制
当社は、当社グループの事業活動に関する諸種のリスク管理を所管するため、代表取締役社長を委員長としたリスク管理・コンプライアンス委員会を設置し、リスク管理体制の構築と運用にあたっております。リスク管理・コンプライアンス委員会は、経営上のリスクの識別・評価、対策立案、状況の確認を定期的に実施しております。
(2)リスクマネジメント運用状況
当社は、リスク管理・コンプライアンス委員会を四半期毎及び必要に応じて開催し、リスク状況の報告・対応方針の審議等を行っております。リスク管理・コンプライアンス委員会の協議内容について、経営上、重要なリスクは取締役会に報告し、審議しています。
(3)市場環境に関するリスク
①技術革新への対応について(発生可能性:中、影響度:中)
当社グループが属する情報サービス業界においては、技術革新の速度及びその変化が著しい業界であり、日々、新しい技術やサービスが生まれております。そのため、当社グループは常に最新技術の習得に努め、目まぐるしい環境変化に迅速に対応できるようエンジニアの採用・教育・能力開発を進めております。しかしながら、当社グループの想定を上回る急激な技術革新等により生じた劇的な環境の変化に対し、当社グループが適切に対応することができない場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②景気変動によるリスクについて(発生可能性:中、影響度:中)
当社グループの主たる事業は、国内企業に対するコンピューターシステム及びプログラミングの開発に関する受託業務の運営であるため、国内企業の設備投資(IT投資)の動向に影響を受けやすい傾向にあります。当社グループは、国内外の政治・経済の大幅な変動、又は戦争等による連鎖的な国内景気の悪化により、当社グループが提供するサービス領域が縮小される可能性があります。したがって、国内企業全体のIT投資需要が減少した場合、新規受注の減少や既存契約の解約等により当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③生成AIのリスクについて(発生可能性:中、影響度:中)
生成AIをコード生成などに活用することで、ITビジネスの生産性を高める事が可能になりますが、機密情報の漏洩や著作権侵害等の懸念があり、ガイドラインや安心して使うための環境整備が必要になります。情報技術の先進的活用で社会に貢献してきた当社は、生成AIを活用し受託案件の生産性を高めると共に新たなサービス開発に向けた検討と知見の蓄積を進めてまいります。しかしながら、生成AIが当社のビジネス環境を崩すような活用がされた場合には当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)事業に関するリスク
①人材の確保、育成について(発生可能性:中、影響度:大)
当社グループが今後さらなる事業の拡大及び高付加価値サービスの提供を図るためには、優秀な人材の確保及び育成が不可欠となります。高い技術力を有したエンジニアの確保及び育成はもとより、顧客に当社グループのシステム開発能力やサービス力を提案できる技術営業担当者及び事業拡大の基盤となるプロジェクトマネージャーの確保が重要になっております。当社グループでは、上記のような人材の確保及び育成に注力してまいりますが、人材の確保及び育成が当社グループの想定通りに進まなかった場合は、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②ビジネスパートナーである協力会社の確保について(発生可能性:中、影響度:大)
当社グループは、コンピューターシステム及びプログラミングの開発に関する受託業務の運営において、案件ごとの必要技術や効率性、収益性の向上の観点から当社グループ内のエンジニアの他、ビジネスパートナーである協力会社を活用することで、機会損失の発生を低減することを目指しております。そのためには、協力会社の確保及び協力会社との良好な取引関係の維持・構築の実現が極めて重要となり、今後、当社グループが事業規模の拡大を図る上で、協力会社との連携強化が必要不可欠となります。したがって、当社グループは協力会社の継続的な確保及び一層の連携強化に努めてまいりますが、協力会社の確保が十分に行えなかった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③大口顧客への依存に関するリスクについて(発生可能性:小、影響度:大)
当社グループには、継続的な販売先である主要取引先として大口顧客が存在します。当連結会計年度における当社グループの総売上高に対する株式会社エヌ・ティ・ティ・データグループへの販売額は40.1%、株式会社野村総合研究所グループへの販売額は22.6%、生活協同組合コープさっぽろグループへの販売額は9.4%を占めております。
当社グループは、今後、これらの大口顧客との取引金額の拡大を図りながらも、その他の顧客との取引金額の拡大を図り、大口顧客への取引依存度の低減に努めてまいりますが、経済情勢などの変化により、大口顧客の事業運営が大きく影響を受け、大口顧客による当社グループとの取引の急激な減少を余儀なくされた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④情報システムのトラブル発生に関するリスクについて(発生可能性:小、影響度:大)
当社グループは、業務効率化や社内情報共有のため、情報システムを構築・運用しております。情報システムの構築・運用に当たっては、ISMSの認証取得やプライバシーマークの認定取得を行い、従業員教育や各種の情報セキュリティ対策を講じることで危機管理対応に積極的に取り組んでおりますが、外部からの予期せぬ不正アクセスやコンピューターウィルス侵入、自然災害・事故等による情報システムの深刻なトラブルが発生した場合には、業務効率性の低下を招くほか、被害の規模によっては、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤長時間労働の発生に関するリスクについて(発生可能性:小、影響度:小)
システム及びプログラミングの開発プロジェクトにおいては、当初計画に見込まれていない不測の事態の発生に起因して、品質保持や納期厳守の観点から長時間労働が発生することがあります。当社グループでは適切な労務管理に努め、長時間労働の発生を未然に防ぐべく事業部門と管理部門の双方によるチェック体制を整備しております。しかしながら、上述のような不測の事態の発生に伴う不可避的な長時間労働が発生した場合には、システム及びプログラミング開発における労働生産性の低下等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)その他のリスク
①法的規制に関するリスクについて(発生可能性:小、影響度:小)
下請代金支払遅延等防止法に対しましては、支払代金の遅延等を未然に防止する体制を構築し、法令遵守に努めておりますが、法令違反に該当する事態が発生した場合、又は法律等の改正等が行われた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は監督官庁より労働者派遣事業者として許可を受けておりますが、今後、偽装請負と見做されること、あるいは何らかの事由により当該許可の取消事由に該当し、業務の全部もしくは一部の停止処分を受けた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②知的財産権に関するリスクについて(発生可能性:小、影響度:小)
当社グループは、第三者の知的財産権を侵害することがないよう常に注意を払っており、現時点において第三者の知的財産権の侵害の事実はないものと認識しておりますが、無体財産に係る財産権の場合には、意図せずに侵害することは容易に起こりえます。この場合、社会的信用力の低下、当該第三者からの損害賠償請求により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。第三者の知的財産権を侵害し、金銭的損害が発生する、あるいは第三者に知的財産権を侵害され競争力が低下した場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③情報セキュリティについて(発生可能性:小、影響度:中)
当社グループでは、事業遂行上、顧客の企業情報並びにビジネスパートナーである協力会社及びエンジニアの個人情報等、多くの機密情報を取扱う機会を有しております。当社グループでは、情報セキュリティに関する取り組みとして、情報セキュリティ管理に関する規程の制定、社内教育を実施し、情報管理への意識向上を図るとともに、ISMS認証やプライバシーマークの認定を取得し、情報の適正な取扱いと厳格な管理を行っておりますが、これらの情報が外部に漏洩した場合には、当社グループの社会的信用力の低下や損害賠償請求の負担等が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④自然災害や感染症に関するリスクについて(発生可能性:中、影響度:中)
当社グループが事業展開する地域において、地震、台風、津波等の自然災害、火災、停電、各種感染症の拡大等が発生した場合、当社グループの事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループの主要な事業拠点である首都圏において大規模な自然災害等が発生した場合には、正常な事業運営が行えなくなる可能性があり、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、自然災害等が発生した場合に備え、業務フローの見直しやITツールの活用及び情報セキュリティ強化等を図って、円滑にリモートでの業務活動を可能とする態勢整備を拡充していますが、自然災害等による人的、物的損害が甚大である場合には、当社グループの事業の継続そのものが不可能になる可能性があります。
⑤気候変動リスクについて(発生可能性:小、影響度:小)
当社グループは、持続的に成長する上で優先的に取り組むべきテーマとして、「事業活動を通した脱炭素社会への貢献」をマテリアリティ(重要課題)として認識しており、当社グループの事業活動から発生する温室効果ガス排出量の削減目標を設定し、国際的イニシアティブ「Science Based Targets Initiative(SBTi)」による中小企業向けSBT認定を取得しています。また、情報サービス産業協会(JISA)のCO2削減自主行動計画の取り組みにも賛同し、当社はこのイニシアティブに協力・参加しています。しかしながら、社会的に多大な影響を与える気候変動が生じた場合には当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動リスクへの対応や情報開示が不十分であった場合又はそのように見做された場合には、当社グループの企業価値の毀損に繋がるおそれがあります。
⑥不採算案件の発生可能性について(発生可能性:小、影響度:大)
原価が受注額を上回る不採算案件の発生については、品質保証委員会活動にて未然に防止を図りますが、予測できない要因により不採算案件が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済状況は、雇用・所得環境が改善に向かい、景気は回復基調が続いた一方、世界的な金融引き締めや物価上昇等により、先行き不透明な状況が続いております。
国内の情報サービス市場は、デジタル技術を活用したビジネスプロセス及びビジネスモデルの変革、DX(デジタルトランスフォーメーション)による新たなビジネスの創造から業務効率化まで、データ活用を推進する企業の投資需要は活況のまま推移いたしました。他方、IT人材不足を背景に、IT・デジタル人材の採用環境は厳しい状況となっております。
このような環境の下、当社グループは、働きやすい環境づくりに向け引き続きテレワークを推進し、顧客企業への安定かつ継続的なサービスの提供を推進しております。DX向けソリューションである、クラウド構築、ビッグデータ分析、業務ワークフローの自動化(ServiceNow)により、顧客企業が提供する価値増強への支援を継続してまいりました。並行して、企業のDX戦略の策定やその実行を支援するコンサルティングへの高いニーズと、そのニーズに対応することの重要性を踏まえて、2022年6月よりコンサルティング事業の立ち上げに向けて準備を進めてまいりました。また、当連結会計年度期初より、「Creating New value for Sustainable~持続可能な新しい価値の創造~」を新たな方針に掲げ社会的価値の向上にも取り組み始めており、2022年11月には、サステナビリティ基本方針を策定・公開、2023年6月には、当社グループのマテリアリティ(重要課題)を特定し公表いたしました。加えて、当社グループの事業活動から発生する温室効果ガス排出量について、2030年度までに総排出量の46%を削減する目標を設定し、SBT認定を取得いたしました。当社の取り組みに関する現状の把握と改善を目的に、第三者による評価を実施したところ、東京都による「TOKYOテレワークアワード」推進賞、企業のサステナビリティに関する国際的な評価機関EcoVadisによるCSR審査におけるブロンズメダルを受賞し、また、連結子会社の株式会社シイエヌエス北海道が経済産業省と日本健康会議が共同で取り組む健康経営優良法人認定制度にて「健康経営優良法人2023(中小規模法人部門)」に認定されました。今後も、グループ全体の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指し、取り組みを進めてまいります。
■成長戦略と施策の実践状況
当社グループは、今後の成長戦略の中核をDX変革ビジネスの拡大と位置付けており、以下の施策を掲げ推進しております。なお、当社グループのマテリアリティにおいて、成長戦略及び施策に関連して、「DX推進のためのパートナー企業、アライアンス拡大、協業」「最新のIT技術の活用」、「積極的な新卒採用と早期育成」、「ビジネスパートナーとの育成に関連する協業」、「全社参加のDXワークショップ」の5つの取り組みについてはすでに進めており、その実践状況も含めてご報告いたします。
①事業基盤の強化
成長領域であるDX変革ビジネスの拡大に向け、競争力の源泉となる人材の増強、育成に取り組みました。中途採用においては、ダイレクトリクルーティングによるスカウトを実施するとともに既存エージェントとの連携強化を図り、おおよそ目標人数を採用することができました。新卒採用に関しては、2023年度は目標を若干下回る採用数となりました。2024年度に向けた採用活動は好調に進んでおり、計画以上の内定承諾者を獲得しております。育成については、今期より、現場で必要なDXスキルを学べる実践的なプログラム内容に改訂し、配属後の即戦力化を進めました。一般研修だけでは難しい改善意識、DXマインドの醸成を目的としています。また、お客様と協同実施していたDX人材の強化施策であるワークショップ(DX時代に必要となる考え方や行動に変化させること)については、自社単独開催に切り替え、個人及び組織全体のマインドそれぞれの改革を引き続き進め、注力分野であるデジタル革新推進事業、ビッグデータ分析事業及びシステム基盤事業の体制増強に向け、DXの取り組みをリードする人材の育成に取り組んでまいりました。加えて、各事業部においても、新しい技術が次々と生まれるなか、それら最新技術情報のキャッチアップや技術研修の実施、資格取得を奨励しエンジニアスキルの底上げを図りました。ビッグデータ分析事業では、分析プラットフォームの構築において、お客様固有のニーズに合わせたサービス選定やアーキテクチャ策定というコンサルティング領域を実践し、エンジニア兼コンサルタントとして、データ分析のみならずお客様のビジネスの改善提案までを手がける人材の育成を進めました。
②新たな取引先拡大のための強化施策
アライアンスパートナーとともに新しい取引先や案件の拡大に取り組んでまいりました。企業は、事業運営の高度化・効率化、テクノロジーのさらなる活用、開発の効率化・自動化を継続して進めております。これに伴うビジネス変革の必要性に対して、当社が注力する、デジタルワークフローを提供するServiceNowを活用したソリューションの需要が、前連結会計年度に引き続き活況でした。また、性能やデータベース移行に関するテクノロジーコンサルティングへの需要も高く、好調に推移いたしました。
新たなアライアンスパートナーとの協業に向けて、今期は積極的な提案を行ってきたことで今後に向けた種まきを進めました。システム基盤事業においては、2022年10月より、オラクル社製品を活用した当社初の独自サービス「U-Way」シリーズの提供を開始いたしました。第1弾となる「U-Way Oracle Cloud Infrastructure導入・運用支援サービス」においては、新規顧客を獲得することができました。2023年6月には、第2弾となる「U-Way Oracle Cloud VMware Solution 移行・導入支援サービス」の提供を開始しております。
③技術サービスの拡充による市場拡大
当社グループの主力ソリューション(クラウド構築、ビッグデータ分析、業務ワークフローの自動化(ServiceNow)等)であるデジタル革新技術に関するノウハウを標準化・体系化し、顧客にとって分かりやすいサービスメニューの整備や方法論のフレームワーク化を推進いたしました。「U-Way」シリーズは、クラウド構築領域において、まさにその取り組みの一つが実現したものであり、お客様によりわかりやすくご提案できるようになりました。また、独自サービスであるため、より効率的に導入を進めることができ、利益面にも寄与するものとなっております。今後もこのような独自サービスの販売により生産性の向上、収益拡大を図ってまいります。
2022年6月には、人材育成を提供するトレノケート株式会社と教育サービスに関わる業務提携契約を締結しました。当社の強みである高度IT活用、デジタル技術に関わるノウハウとトレノケート株式会社の創業25年以上に及ぶ人材育成に関する深い知見とのコラボレーションにより、教育サービスの事業化を目指し、ビッグデータ分野における実績も着実に積み重ねております。
■当期の状況
デジタル革新推進事業では、特に注力するServiceNowを活用したソリューションの引き合いが好調に推移いたしました。ServiceNowを活用する領域が、IT運用管理中心から人事・会計といった業務領域まで拡大していることに加え、従来よりも少ないコード作成量でアプリケーションやシステム開発ができるローコード製品であるため、カスタマイズがしやすく、導入のハードルも低いことが奏功しています。また、既存顧客における大型プロジェクトについて、性能やデータベース移行に関する当社のテクノロジーコンサルティングの実績が認められ、下半期において当該プロジェクトの当社人員体制が拡大した他、新規案件も獲得できました。この結果、当連結会計年度における当事業の売上高は、前年同期比27.5%増の1,509,506千円となりました。
ビッグデータ分析事業では、大手通信企業における支援ニーズが高く受注拡大した結果、当連結会計年度における当事業の売上高は、前年同期比18.9%増の1,123,331千円となりました。
システム基盤事業では、既存案件の規模拡大及び新規案件を獲得できたこと、また当社初の独自サービス「U-Way Oracle Cloud Infrastructure導入・運用支援サービス」によって、新規顧客獲得及び案件受注が進んだ結果、当連結会計年度における当事業の売上高は、前年同期比5.4%増の1,985,723千円となりました。
業務システムインテグレーション事業においては、金融業界における法規制やシステム老朽化対応の需要に支えられ好調に推移した他、新規案件も獲得できました。しかしながら顧客都合による案件終了の影響を受け、当連結会計年度における当事業の売上高は、前年同期比2.5%減の1,370,913千円となりました。なお、利益率の高い案件を受注できたことにより、売上総利益率は前年同期比2.6%増となりました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は5,989,475千円(前年同期比10.5%増)となりました。売上総利益は、新サービスによる利益率向上や人月単価の向上等により同13.9%増の1,506,063千円となりました。期初計画に沿って、成長戦略の柱である事業基盤の強化を目的に、主に新卒・中途人材の採用や育成、技術資格取得等に投資したことから人件費が増加、また、組織力強化に向けた取り組み費用も発生したことから販管費比率が前年同期比で1.3%増加したものの、営業利益は同4.8%増の559,098千円となりました。経常利益については、前期に計上した保険積立の一部取り崩しによる収入が剥落し同1.1%減の587,675千円、親会社株主に帰属する当期純利益は同5.8%増の433,098千円となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における総資産は4,547,178千円となり、前連結会計年度末と比較して395,332千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が153,924千円、売掛金及び契約資産が165,908千円増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は1,206,069千円となり、前連結会計年度末と比較して93,004千円の増加となりました。これは主に、未払法人税等が50,446千円減少した一方で、買掛金が83,237千円、未払金が40,887千円増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は3,341,108千円となり、前連結会計年度末と比較して302,328千円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が302,328千円増加したことによるものです。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して93,917千円増加し2,583,174千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果による収入は352,804千円となりました。主な要因は税金等調整前当期純利益が589,220千円、法人税等の支払額214,191千円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果による支出は125,969千円となりました。主な要因は定期預金の預入による支出が60,007千円、固定資産の取得による支出58,866千円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果による支出は132,918千円となりました。主な要因は配当金の支払額130,770千円等があったことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが営むシステムエンジニアリングサービス事業は、提供するサービスの関係上、生産実績の記載になじまないため、記載しておりません。
b.受注実績
当社グループが営むシステムエンジニアリングサービス事業は、提供するサービスの関係上、受注実績の記載になじまないため、記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前期比(%) |
|
システムエンジニアリングサービス事業 |
5,989,475 |
110.5 |
|
合計 |
5,989,475 |
110.5 |
(注)1.当社グループはシステムエンジニアリングサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載はしておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の売上高及び当該売上高の総売上高に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年6月1日 至 2022年5月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年6月1日 至 2023年5月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ |
1,588,875 |
29.3 |
2,027,071 |
33.8 |
|
株式会社野村総合研究所 |
881,997 |
16.3 |
748,912 |
12.5 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。また、この連結財務諸表の作成にあたりましては、会計方針の選択及び適用、損益又は資産の報告金額等に与える見積りを必要としております。これらの見積り及び判断につきましては、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、以下の事項が重要であると認識しております。
(繰延税金資産)
当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産の回収可能性の判断に重要な影響を与える可能性があります。
(請負業務に係る履行義務充足に伴う収益認識)
売上高の計上は進捗度に基づき測定され、進捗度はプロジェクトの総見積原価に対する連結会計年度末までの発生原価の割合(原価比例法)によって算定しております。適用にあたっては、プロジェクトの総見積原価は、各プロジェクトに対する専門的な知識と経験を有するプロジェクト責任者による一定の仮定と判断を伴うものであり、見積原価総額の変動により、各連結会計年度の売上計上額に重要な影響を与える可能性があります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態に関する認識及び分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績の前連結会計年度との比較分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しておりますが、その主な要因は次のとおりです。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は5,989,475千円(前期比10.5%増)となりました。主な増加要因は、既存顧客ビジネスの維持・拡大、新規案件獲得によるものであります。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は4,483,412千円(前期比9.4%増)となりました。主な内訳は外注加工費が増加したことによるものであります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は946,965千円(前期比20.1%増)となりました。主な要因は、従業員増加に伴う給料及び手当、賞与、退職給付引当金繰入額、確定拠出年金等の人件費が増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、559,098千円(前期比4.8%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は29,315千円(前期比52.2%減)となりました。主な内訳は、保険積立金の解約に伴う受取保険金、助成金収入によるものであります。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、587,675千円(前期比1.1%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)を156,122千円計上したことにより、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は433,098千円(前期比5.8%増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フロー分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.財務政策
当社は、事業活動に必要な流動性を安定的に確保するため、手許流動性3~6か月を目安に保有しておくこととしております。
当社は事業の特性上、巨額な投資は必要としないため、間接金融ではなく直接金融を原則として安定的な経営を行っていく方針です。
④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、企業価値の向上及び財務体質の強化を図るため、具体的な数値目標は設定しておりませんが、売上高成長率及び営業利益率を重要な経営指標としております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。