当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、景気は緩やかに回復しているものの、米国の通商政策等による不透明感が見られています。先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が、緩やかな回復を支えることが期待されていますが、米国の通商政策等による影響や、物価上昇の継続が消費者マインドの下ブレ等を通じて個人消費に及ぼす影響なども、わが国景気の下押しリスクとなっております。
当社グループが属するセキュリティ関連市場においては、根強い「安心・安全」に対する需要に支えられ、安定した市場を維持することが期待されている一方で、中長期的な観点からは人口減少やビル、住宅などの供給数の減少、競合となる参入ベンダーの増加、低価格攻勢をかける海外企業の増加など、市場の競争環境は厳しいものとなっております。
このような状況のもと、当社グループでは、「安心・安全に働く環境」を創出するため、最先端のAI(画像認識)技術とセキュリティ専門企業としての長年の実績・ノウハウを駆使し、最適なソリューションの提供に努めてまいりました。
売上高においては、「SECURE AC(入退室管理システム)」では、第1四半期における大型案件剥落の影響により、前年同期比減となりましたが、中・小型案件が当初の計画どおり順調に進捗した結果、導入件数は計画どおり増加しました。
「SECURE VS(監視カメラシステム)」では、大型案件は前年同期比で同水準の推移となりましたが、監視カメラに対する需要の拡大を背景に、中・小型案件が順調に進捗した結果、売上高・導入件数ともに増加し、概ね計画通りの進捗となりました。
2025年2月には、株式会社メルコホールディングス(現社名:株式会社バッファロー)と資本業務提携を実施いたしました。短期的には株式会社メルコホールディングス(現社名:株式会社バッファロー)が保有する購買チャネルやオペレーションを活用したコスト削減効果、中長期的には共同での新サービス開発や新事業領域開拓による企業価値向上などのシナジーを見込んでおり、今後のさらなる成長を目指しています。
現在、第一階層の取り組みとして、共同でコスト削減を中心とした施策を進めており、当初見込んでいたコスト削減効果については、概ね目標達成の見通しが立っております。なお、利益面での貢献は、来期以降に顕在化する見込みです。
今後は、第一階層の取り組みを継続的に深化させるとともに、第二階層・第三階層においても、両社で連携しながら施策を進めてまいります。
2025年3月には、みずほPayPayドーム福岡に日本の野球場で初となるクレジットカードで入店可能な完全ウォークスルー型レジレス店舗をオープンいたしました。本実証実験を通してAI技術を活用し、観客の利便性向上と新たな購買体験の提供を目指すと共に、顧客の行動や購買データの分析を通じて、店舗運営の効率化およびサービス品質の向上を図ってまいります。
2025年4月には、株式会社メディアシステムの全株式を取得し、子会社といたしました。東北地区における納品キャパシティの向上、並びに同社のノウハウ・専門性を獲得することで、自治体向けセキュリティサービスの導入拡大や高度な設計案件の受注拡大などのシナジーを見込んでおり、今後のさらなる成長を目指します。
以上の結果、当中間連結会計期間の当社グループの業績は、売上高は3,300,304千円(前中間連結会計期間比5.0%増)、営業利益は115,860千円(前中間連結会計期間比51.4%減)、経常利益は98,981千円(前中間連結会計期間比57.3%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は49,619千円(前中間連結会計期間比73.3%減)となりました。
なお、当社グループは「セキュリティソリューション事業」の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載をしておりません。
② 財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況は、以下のとおりであります。
(資産)
当中間連結会計期間末における総資産は4,995,947千円となり、前連結会計年度末に比べ1,211,600千円増加しました。これは主に、現金及び預金の増加1,181,984千円及びのれんの増加46,362千円があったものの、受取手形、売掛金及び契約資産の減少86,280千円があったことによるものであります。
(負債)
当中間連結会計期間末における負債合計は2,210,724千円となり、前連結会計年度末に比べ291,488千円減少しました。これは主に、長期借入金の減少151,690千円及び短期借入金の減少100,000千円、未払消費税等の減少28,959千円があったことによるものであります。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は2,785,223千円となり、前連結会計年度末に比べ1,503,088千円増加しました。これは主に、第三者割当増資等により資本金の増加729,228千円及び資本剰余金の増加729,228千円、親会社株主に帰属する中間純利益による利益剰余金の増加49,619千円があったことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、2,351,069千円となり、前連結会計年度末に比べ1,155,462千円増加となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は142,599千円(前中間連結会計期間は251,229千円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益の計上98,981千円、売上債権の減少額98,297千円があったものの、法人税等の支払額36,133千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は169,191千円(前中間連結会計期間は419,341千円の減少)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出93,316千円、有形固定資産の取得による支出40,049千円、無形固定資産の取得による支出31,900千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は1,181,552千円(前中間連結会計期間は606,702千円の増加)となりました。これは主に、株式の発行による収入1,455,200千円があったものの、長期借入金の返済による支出176,098千円、短期借入金の減少額100,000千円があったことによるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等の重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間における研究開発費の総額は33,385千円となりました。
なお、当中間連結会計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、新たに契約した重要な契約は次の通りであります。
(資本業務提携契約)
当社は、2025年2月14日開催の取締役会において、株式会社メルコホールディングス(現社名:株式会社バッファロー、以下「バッファロー社」といいます。)との間で、資本業務提携契約を締結することを決議し、同日付で資本業務提携契約を締結いたしました。
(1)業務提携の内容
当社及びバッファロー社は、同社が持つケイパビリティを融合させることで、両社間の相乗効果を生み出し、中長期的な企業価値の向上を目指します。具体的には、両社の現行製品・オペレーションを前提としたシナジーを「機能・インフラシナジー」と定義し、短期ではコストシナジーの創出を協業の基盤とし、中長期には新規事業創出、事業領域の拡大に資する協業を目指すことで両社間の中長期的な企業価値向上を目指します。
(2)資本提携の内容
バッファロー社は、2025年6月30日現在、当社普通株式800,000株(発行済株式(自己株式を除く)の総数に対する所有株式数の割合14.30%)を保有しております。
(取得による企業結合)
当社は、2025年3月17日開催の取締役会において、株式会社メディアシステムの発行済株式の全株式を取得して子会社化することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。なお、2025年4月22日に本取得を実行しております。
詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。