第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針

「健康第一」「安全第一」「家庭第一」を基本理念としスピードと環境を重視した経営を行い、社会貢献度の高い研究・開発型企業となることを目指します。

 

(2)目標とする経営指数

当社は収益性を重視し、「売上総利益率」と「売上高経常利益率」を重要な経営指数として位置づけております。経営効率の重視、原価削減により利益率の向上を目標とし利益率の確保に取り組んでまいります。

 

(3)経営戦略等

今後の継続的な成長を確たるものにするためには、さらに、新たな柱となる事業を育成し、収益獲得手段の多様化を図ることが必要であると考えております。そのため、当社では技術部を中心として、ウレタン樹脂を用いた新技術の開発を継続していく方針であります。また技術部社員による自社施工を強みとしている当社にとって、人員の確保やチーム全員が万全な態勢を整えておくことが必要であり、「社員の健康は、経営の安定・企業価値を向上させる」と考えております。そのため、当社では代表取締役社長直轄の健康活動倶楽部を2016年2月に発足しており、今後も継続していく方針であります。更に専門誌・雑誌・テレビ等のマスコミ、展示会出展、説明会等の広報活動により、当社の知名度、及びアップコン工法の競合他社に対する優位性の周知確立に取り組み、企業価値の向上を目指したブランディング化への取り組みも引き続き行ってまいります。

 

(4)経営環境

わが国は世界的にみても地震多発地域であり、また高度経済成長時代に建築された社会インフラ関係の建築物の老朽化といった構造問題が着実に進行しております。

建設業界におきましては、従来の新設等を主体とした「フロー」型から、維持・修繕等の「ストック」型への需要の質的変化が予想されます。

当社は、倉庫、店舗、住宅等のコンクリート床の沈下・傾き・段差・空隙をウレタン樹脂、及び小型機械を用いた独自の「アップコン工法」によって修正する施工を主力事業として展開しており、当該工法を応用した技術を用いて、公共工事として道路や空港に生じた段差の修正や空隙充填なども行っております。

当社の「アップコン工法」は、短期間での修正が可能なことに優位性を有していると認識しており、今後も当該工法及び当該工法を応用した技術を中心に事業を進めて行きたいと考えております。

 

(5)新規事業の開発

当社の事業の柱と言えるものは、硬質発泡ウレタン樹脂を用いたコンクリート床スラブ沈下修正工事でありますが、近年、継続的な研究開発により、ウレタン充填工法「FRT工法」による水路トンネル空洞充填工事や空港地盤圧密強化工事など、新しい事業も広がっております。

 

(6)対処すべき課題

① 人材の確保及び育成

新しい技術及び新しい工法を継続的に研究開発していくには優秀な人材の継続的確保が重要であると考えております。また、特殊ウレタンを使用した工法のため、技術者、開発者及び営業メンバーの育成が重要であると考えております。

 

② 収益基盤の拡充及び強化

当社は、沈下修正分野以外の新規分野における収益基盤の強化が課題の一つと考えております。中長期的な視点で研究開発を進め事業として構築し新しいマーケットを創出していくことが経営課題と考えております。

 

③ コーポレート・ガバナンス体制及び内部管理体制の強化

当社が継続的な成長を続けるためには、コーポレート・ガバナンス機能と内部管理体制の強化は必須であると考えております。経営の効率化、内部統制システムの整備により強化を図り、管理部門の増員を実施し、各取締役を管掌役とした新組織体制の構築を図ってまいります。

 

④ ブランディングの強化及び知名度の向上

当社の今後の成長のためには、当社の社名でもある「アップコン工法」のブランド力や知名度をアップさせる事が重要であると考えております。知名度を高めることにより新規顧客獲得と新規諸外国への進出を行うことが販路拡大につながるため、費用対効果を見極め十分な市場調査を行った上、宣伝活動に取り組んでまいります。

 

2 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

当社のリスク管理体制につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)当社の事業に関するリスク

① 法的規制に関するリスク

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

当社は、建設業法にもとづき、神奈川県知事の建設業許可を受けております。当社は許可の要件、及び各法令の遵守に努めていることから許可の取消事由に該当するような事実はありませんが、法令違反等による許可の取消など、不測の事態が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、各法令の遵守を徹底するため、各法令別に担当部署を決め、管理部と連携して法令に抵触しない運用を整備する他、関連法令等の改廃動向についても常に情報収集を行うとともに、適宜顧問弁護士と連携する体制を整備しております。

 

許認可等の名称、所管官庁等

許認可等の内容

取得日

有効期限

法令違反等の要件及び

主な許認可取消事由

建設業許可

神奈川県

一般建設業の許可

神奈川県知事許可

(般-30)

第68566号

2004年2月9日

2024年2月8日

(5年ごとの更新)

故意又は重過失による不正行為があったときは原則として営業停止処分

(建設業法第28条第1項)

 

  (注)土木工事業、建設工事業、とび・土木工事業、造園工事業

 

② 特定事業への依存に関するリスク

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

当社は民間地盤沈下修正工事を核とした事業を展開しております。さらに公共事業等の新たな事業を展開中であり、収益力の分散を図っております。しかし事業環境の激変、類似工法の出現により当社工法のサービスが縮小し、その変化への対応が適切でない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

③ 知的財産権について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

当社は新たな技術や独自のノウハウを蓄積し、知的財産権として権利取得するなど法的保護に努めながら研究開発活動を推進しております。しかしながら当社の知的財産権が不正使用される可能性があることは否めず、人材移転等により技術・ノウハウが外部に流出する可能性があります。また現時点において、当社は第三者の知的財産権は侵害していないものと認識しておりますが、万一、知的財産権の侵害を理由として、第三者より損害賠償請求及び使用差止請求等を受ける可能性があります。このような状況が生じた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお当社は、本書提出日現在、以下の日本国特許9件を保有しております。

出願番号/特許番号

発明名称

特許第5227085号

地盤改良方法

特許第5813969号

土壌改良方法および緑化方法(ナテルン)

特許第6337375号

空洞充填によるトンネルの補修方法

特許第6470886号

港湾の地盤を改良する方法

特許第6543476号

布基礎の不等沈下を修正する方法

特許第6302611号

沈下した地盤上のコンクリート版を修正する方法

特許第6456556号

沈下した地盤上のコンクリート版の傾きを修正する方法

特許第6811524号

路面の不具合による車両の交通障害を応急的に解消させる方法

特許第7090346号

木骨造を補修する方法

 

 

④ 個人情報管理によるリスク

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は施工実施に際し、顧客、施主等の個人に関連する情報を取得しております。これらの情報の取り扱いには、外部からの不正アクセスや内部からの情報漏洩を防ぐため、セキュリティー環境の強化、従業員に対する個人情報の取り扱いに対する教育等、十分な対策を行うと同時に、個人情報として管理すべき情報の範囲についても厳密な判断が必要と考えております。当社は2017年5月19日に情報セキュリティマネジメントシステムに関する国際規格であるISO27001を取得し、個人情報のみならず、あらゆる情報資産に関して取り扱う手順がマニュアル化されており、情報管理には万全を期しております。しかしながら、今後何らかの理由により個人情報が漏洩した場合には、損害賠償や信用力の失墜により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 工期に関するリスク

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は施工にあたっては、原則として事前調査を行い、工事の工程を計画的に管理しておりますが、当初には想定されない問題が生じ、工事の着手後に工期が延長することによって、完成工事高や利益が翌期に繰り越されるなど、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 農業用水路トンネルの工期に係るリスク

(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

当社が実施している農業用水路トンネルの施工については、施工の期間が農閑期である11月から2月に限られております。工事の工程については、受注時の施工計画にもとづいて管理を行っておりますが、当社は1月決算であることから、特に11月から翌1月の施工に関し、想定されない問題が生じるなどして、工事の着手後に工期が延長した場合は、完成工事高や利益が翌期に繰り越されるなど、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑦ 訴訟等に関するリスク

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

当社には、現段階において業績に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟や顧客との大きなトラブルなどの事実はなく、ISO9001を取得しており、施工については一定以上の品質を保つよう努めておりますが、施工に伴う訴訟等が発生した場合には、多額の費用が発生するとともに、当社の信用を大きく毀損し、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ クレームや重大事故に対するリスク

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社の沈下修正事業の施工において、技術、品質面での重大な不具合や人為的な事故、環境を要因とする事故等が発生し、その修復に多大な費用負担や施工遅延が生じたり、契約の取り消しとなった場合には、業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 環境保護に関するリスク

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)

当社は環境に安全な完全ノンフロンの材料を使用して施工を行っているほか、より環境に配慮した企業活動に取り組むべく、ISO14001を取得し、当該規格にもとづいて環境法令遵守に努めておりますが、人為的ミスなどにより環境汚染のリスクが発生した場合には、多額の費用が発生するとともに、当社の信用を大きく毀損し、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、手順書による社内教育の実施、危険物保管状況の記録・保存、産業廃棄物処分業者の選定を行っております。

 

⑩ 労働災害に関するリスク

(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、「健康第一」「安全第一」「家庭第一」を基本理念として掲げていることもあり、沈下修正の工事にあたっては、危険が生じないよう、安全管理を徹底しておりますが、重大な労働災害が発生した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪ 新規事業について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は硬質発泡ウレタン樹脂の新規応用分野への研究開発に取り組み、新たな事業を開拓してまいりました。今後も研究開発には特に注力して新規事業の開拓に努めてまいります。新規事業については事業計画を十分に検討した上で実施することにしておりますが、事業計画には予想や仮説に基づく部分も存在するため、当該予想や仮説が現実と大きく違った場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫ 新規参入によるリスク

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社の主な事業であるウレタンを使用した沈下修正事業はだれでも参入が可能な市場です。工法の技術の取得に数年を要する為、当社としては簡単に参入できないものと認識しておりますが、今後、当社と同様に沈下修正分野における豊富な知識と経験を有する人材を持つ企業が参入した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬ 土木及び建築市場の縮小リスク

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

国内外の景気後退等により民間設備投資が縮小した場合や、財政健全化等を目的として公共事業投資が減少した場合には、今後の受注動向に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(2)事業環境等に関するリスク

① 原材料の仕入先について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は地盤沈下修正工事等を主たる事業としておりますが、その工事に使用する主たる原材料については、原材料を共同で開発した日本パフテム株式会社から仕入れる契約となっております。同社とは良好な関係を築いており、同社に倒産、製造中止等の事情が生じた場合は、他社に製造・販売を委託できる契約となっておりますが、当社の施工、及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 原材料の価格について

(発生可能性:高、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

当社の施工に使用するウレタンを構成する材料については、ナフサなど一部、市況の影響を受けるものがあります。日本パフテム株式会社からの仕入にあたり、現在は安定した取引が続いておりますが、ナフサをはじめとしたウレタンを構成する材料の需給ひっ迫等により、現在、価格が高騰しております。今後、更なる原材料価格の高騰が続いた場合、当社仕入価格、及び利益に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 取引先の信用リスクについて

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)

取引先に関する信用力や支払条件等の厳格な審査の実施に努めるとともに、信用不安情報の早期収拾等、可能な限り信用リスクの最小化を図っておりますが、発注者、協力業者等の取引先が信用不安に陥った場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 災害による業績変動リスクについて

(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

地震等の災害によって道路をはじめとした社会インフラのほか、企業の生産・販売活動の拠点である工場、倉庫、店舗や事業所、また、一般の住宅などに甚大な被害が発生した場合、一時的な復旧需要により、当社の業績に短期的に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 感染症への対策

(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

当社は新型コロナウイルスに対しても迅速に対応し、施工トラックへマスクの配置、手指消毒、体温の測定の義務化、事務所の数か所に消毒液及び体温計の配置をしております。

施工現場では3密(密閉・密集・密接)になることは少なく、事務所勤務者へは時差出勤の推進及びアクリル板を設置しております。今後の感染症の流行にも、今までの経験を活かし迅速に対処してまいりますが、緊急事態宣言などによる県を跨ぐ移動制限などが生じた際は当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 大型案件による業績変動リスクについて

(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社のアップコン工法及びその応用技術を用いた工法は、民間事業、公共事業工事の両方で比較的規模の大きな案件を受注するケースがあります。

当社では、今後もこの様な規模の案件を受注する可能性があると見込んでおりますが、当社の工法は受注を受けてから完工までを短期間で施工する工法であり、期首の段階で想定できない大型案件(1件5,000万円を超える工事)の期中での受注の成否により、当社の業績に短期的に影響を及ぼす可能性があります。

(単位:千円)

 

2018年1月期

2019年1月期

2020年1月期

2021年1月期

2022年1月期

売上高合計

781,559

914,635

620,144

914,358

673,439

大型案件

194,463

270,000

 

 

(3)組織体制に関するリスク

① 特定人物への依存について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

当社の代表取締役社長である松藤展和は「アップコン工法(コンクリート床スラブ沈下修正工法)」に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定、重要な取引先との交渉等、会社運営のすべてにおいて重要な役割を果たしております。

当社は今後優秀な人材を採用・育成することにより、同人に過度に依存しない経営体制の整備を進めてまいりますが、何らかの事情により同人が当社から離職した場合または十分な業務執行が困難となった場合には、当社の事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 少人数での組織運営における人材確保のリスク

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

これまで、当社は少人数の組織体制で効率化を図ってまいりましたが、事業の拡大と合わせて今後積極的に優秀な人材を確保していき、組織体制をより安定させることに努めてまいります。しかし、計画通りに人材の確保が出来ない場合や、事業の中核をなす社員に不測の事態が生じた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社は「アップコンの健康経営」として健康活動倶楽部を発足することにより、社員の定着率の向上を目指しています。

 

(4)その他

① 自然災害等について

(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、有事に備え危機管理体制の整備に努め対策を講じております。しかしながら、当社が事業展開する地域において、地震等の自然災害や火災等の事故が発生した場合、当社の主要拠点等の設備が破壊的な損害を被る可能性があります。この場合は当社の操業が中断し、工事の遅延等の発生により完成工事高が低下し、主要拠点等の修復のために多額の費用を要することとなる可能性があります。

 

② 配当政策について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:4月、影響度:小)

当社は、剰余金の処分につきましては、株主への利益還元を図り、かつ将来の事業展開及び財務体質の充実に必要な内部留保を確保するため、業績に対応した配当を行うことを基本方針としております。しかしながら経営環境の変化等に伴い業績や財政状態が悪化した場合には、当該基本方針どおりに配当を実施することができなくなる可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況
第19期事業年度(自 2021年2月1日 至 2022年1月31日)

当事業年度末における資産合計は、1,047,159千円となり、前事業年度末に比べ138,515千円減少いたしました。

(資産)

流動資産は967,993千円となり、前事業年度末に比べ120,033千円減少いたしました。これは主として現金預金の減少436,375千円、有価証券による増加247,615千円、未収還付法人税等の増加35,969千円及び未収還付消費税等の増加15,872千円によるものであります。

固定資産は79,165千円となり、前事業年度末に比べ18,481千円減少いたしました。これは主として有形固定資産の減価償却費による減少9,156千円及び投資その他の資産の繰延税金資産の減少8,578千円によるものであります。

(負債)

当事業年度末における負債合計は43,751千円となり、前事業年度末に比べ160,474千円減少いたしました。これを流動・固定負債別にみますと以下のとおりであります。

流動負債は40,725千円となり、前事業年度末に比べ163,500千円減少いたしました。これは主として未払法人税等の減少79,178千円、未払費用の減少53,977千円及び未払消費税等の減少42,826千円によるものであります。

固定負債は3,025千円となり、前事業年度末に比べ3,025千円増加いたしました。これは繰延税金負債の増加によるものであります。

(純資産)

当事業年度末における純資産は1,003,407千円となり、前事業年度末に比べ21,958千円増加いたしました。これは主として、当期純利益の増加37,551千円及び株主配当金の支払による減少15,592千円によるものであります。

 

第20期第3四半期累計期間(自 2022年2月1日 至 2022年10月31日)

(資産)

当第3四半期会計期間末における資産合計は1,217,098千円となり、前事業年度末に比べ169,938千円増加いたしました。これを流動・固定資産別にみますと以下のとおりであります。

流動資産は1,131,247千円となり、前事業年度末に比べ163,253千円増加いたしました。これは主として現金預金の増加138,140千円、完成工事未収金の増加111,889千円、有価証券の減少48,370千円及び未成工事支出金の減少33,670千円によるものであります。

固定資産は85,851千円となり、前事業年度末に比べ6,685千円増加いたしました。これは主として有形固定資産のリース資産の増加4,257千円、減価償却費による減少4,988千円、及び繰延税金資産の増加6,164千円によるものであります。

(負債)

当第3四半期会計期間末における負債合計は114,823千円となり、前事業年度末に比べ71,072千円増加いたしました。これは主に、未成工事受入金の減少3,938千円、未払金の減少3,181千円、未払費用の減少3,659千円、未払法人税等の増加57,310千円及び未払消費税等の増加25,175千円によるものであります。

(純資産)

当第3四半期会計期間末における純資産合計は1,102,274千円となり、前事業年度末に比べ98,866千円増加いたしました。これは、四半期純利益による増加105,363千円及び株主配当の支払による減少6,497千円によるものであります。

 

②経営成績の状況
第19期事業年度(自 2021年2月1日 至 2022年1月31日)

当事業年度(2021年2月1日~2022年1月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染者数が緊急事態宣言やワクチン接種による効果で10月には激減し、経済回復の期待も高まりました。しかしながら、年明け以降は変異株による感染の再拡大に伴い、依然として先行き不透明な状況が続いております。

建設業界においては、2020年12月の「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」閣議決定を受けて実施されている官公庁工事のほか、民間工事においても、前事業年度の落ち込みから一転、ゼネコン始め多くの建設会社で受注が増加しました。一方で、人手不足による労務費や原油高及び建材費の上昇などコストアップによる採算悪化を懸念する状況となっております。

このような状況下、当社では2021年7月21日にTOKYO PRO Marketへ上場し、積極的なPR活動や営業力のさらなる強化及び無料調査キャンペーンの継続的な取り組みにより受注拡大につとめました。民間工事は、大型工事の受注等により、前年実績を上回った一方、公共工事は前年ほどの大型受注や、自然災害による緊急工事もなかったことに加え、完成が翌期にずれ込んだ工事もあり、前年実績に届かず、全体として伸び悩む結果となりました。

これらの結果、当事業年度の売上高は673,439千円(前年同期比26.3%減)、営業利益55,251千円(前年同期比76.5%減)、経常利益53,431千円(前年同期比78.7%減)、当期純利益37,551千円(前年同期比79.3%減)となりました。

なお、当社は沈下修正事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

第20期第3四半期累計期間(自 2022年2月1日 至 2022年10月31日)

当第3四半期累計期間における当社の経営環境は、調査無料キャンペーンの継続的な実施や、展示会への出展を行い受注獲得やPR活動に努めました。

また、特殊工事や大型案件の受注により民間工事・公共工事共に前年を大きく上回りました。

建設業界におきましては、長引く燃料や原材料の供給難や価格高騰などが各企業の経営を圧迫し、先行き不透明な状況が続いております。

このような状況下、当第3四半期累計期間の売上高は683,633千円、営業利益148,502千円、経常利益156,243千円、四半期純利益は105,363千円となりました。

なお、当社は、沈下修正事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載を省略しております。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況
第19期事業年度(自 2021年2月1日 至 2022年1月31日)

当事業年度における現金及び現金同等物の残高は、519,295千円(前事業年度は855,670千円)となりました。当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況及びそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは170,782千円の支出(前年同期は360,200千円の収入)となりました。

主な要因は、税引前当期純利益53,716千円、未収還付消費税等の増加15,872千円、未払費用の減少53,977千円、未払消費税等の減少42,826千円、法人税等の支払額119,709千円等が生じたことによります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは150,000千円の支出(前年同期は102,494千円の支出)となりました。

これは、有価証券の取得による支出250,000千円、定期預金の払戻による収入100,000千円が生じたことによります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは15,592千円の支出(前年同期は6,991千円の支出)となりました。

これは、配当金の支払額15,592千円が生じたことによります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

当社は生産の形態をとらないため、該当事項はありません。

b.受注実績

当社の工法は受注から施工完了まで短期間で施工を行う工法であり、受注状況に関する記載はしておりません。

c.販売実績

第19期事業年度及び第20期第3四半期累計期間の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社は沈下修正事業の単一セグメントのため、施工対象別のみを記載しております。

施工対象

第19期事業年度

(自 2021年2月1日

  至 2022年1月31日)

第20期第3四半期

累計期間

(自 2022年2月1日

  至 2022年10月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

民間事業

514,761

127.8

462,353

公共事業

158,678

31.0

221,280

合計

673,439

73.7

683,633

 

   (注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。

   2.第20期第3四半期累計期間については、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。

相手先

第18期事業年度

(自 2020年2月1日

至 2021年1月31日)

第19期事業年度

(自 2021年2月1日

至 2022年1月31日)

売上高(千円)

割合(%)

売上高(千円)

割合(%)

東亜道路工業㈱

270,000

29.5

クレハ錦建設㈱

91,841

13.6

㈱アキヤマ

73,520

11.0

 

   3.消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第19期事業年度(自 2021年2月1日 至 2022年1月31日)
(売上高)

民間事業は、主に倉庫の施工件数が増加しました。工場・店舗・住宅に関してはコロナ禍の影響を受け例年よりも10%近く施工件数の減少及び施工延期の案件が多く見られたたものの514,761千円(前年同期比27.8%増)となりました。公共事業は、前期は自然災害による道路の緊急工事等が大きく寄与していましたが、当期は158,678千円(前年同期比69.0%減)となり、その結果、売上高は673,439千円(前年同期比26.3%減)となりました。

 

(売上原価、売上総利益)

道路工事による売上高が前年を下回った結果、売上原価は297,847千円(前年同期比17.1%減)となりました。この結果、売上総利益は375,592千円(前年同期比32.3%減)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

販売費及び一般管理費は320,340千円(前年同期比0.1%増)となりました。この結果、営業利益は55,251千円(前年同期比76.5%減)となりました。これは主に売上高減少による、渉外担当者のインセンティブ費用が減少したことが要因です。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

営業外収益は受取配当が増えたものの助成金収入が減少したことにより、706千円(前年同期比95.5%減)となりました。営業外費用は有価証券評価損の計上により、2,526千円(前年同期比1,908.5%増)となりました。この結果、経常利益は53,431千円(前年同期比78.7%減)となりました。

 

(特別利益、特別損失、法人税等合計、当期純利益)

特別利益は固定資産売却益の計上により285千円(前年同期はなし)となりました。また、法人税、住民税及び事業税を4,560千円(前年同期比94.4%減)、法人税等調整額を11,604千円(前期同期は△11,242千円)計上したことにより、当期純利益は37,551千円(前年同期比79.3%減)となりました。

 

第20期第3四半期累計期間(自 2022年2月1日 至 2022年10月31日)
(売上高)

営業力及び他社との差別化を強化したこと、展示会やアップコン工法の積極的なPR活動を行った結果、売上高は683,633千円となりました。

 

(売上原価、売上総利益)

ロシアによるウクライナ侵攻の影響による石油価格の高騰等により売上原価は310,105千円となりました。この結果、売上総利益は373,527千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

販売費及び一般管理費は広告宣伝費の減少等により225,025千円となりました。この結果、営業利益は148,502千円となりました。

 

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

営業外収益は受取利息及び助成金収入等により8,029千円となりました。また、営業外費用は支払利息の計上等により288千円となりました。この結果、経常利益は156,243千円となりました。

 

(特別利益、特別損失、法人税等合計、四半期純利益)

法人税、住民税及び事業税を60,069千円、法人税等調整額を△9,190千円計上したことにより、四半期純利益は105,363千円となりました。

 

② 財政状態の分析

財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

キャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社は企業体質の強化を図りながら持続的な企業価値の向上を進めるにあたり、事業運営上必要な資金を安定的に確保することを基本方針としております。

当社の財源は主に営業活動によるキャッシュ・フローで生み出した資金を源泉とし、運転資金及び設備資金は主に自己資金で賄うことを基本としております。

 

⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。

 

⑥ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標の進捗については、第19期事業年度において、売上総利益率55.8%(前事業年度60.7%)、売上高経常利益率7.9%(前事業年度27.4%)となっております。今後も、経営効率の重視、原価削減により利益率の向上を目標とし利益率の確保に取り組んでまいります。

 

⑦ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑧ 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1)原材料仕入契約

相手先の名称

相手先の所在地

契約品目

契約

締結日

契約期間

契約内容

日本パフテム

株式会社

日本

硬質ウレタンフォ

ームシステム原液

2008年

10月1日

書面による申出の

無い限り自動更新

原材料の独占購入権の

許諾

岡三リビック

株式会社

日本

硬質ウレタンフォ

ームシステム原液

2018年

7月1日

書面による申出の

無い限り自動更新

原材料の売買基本契約

 

 

(2)ライセンス使用及び業務提携契約

相手先の名称

相手先の所在地

契約品目

契約

締結日

契約期間

契約内容

Lac Viet

ベトナム

(ハノイ)

ノウハウライセンス

契約

2019年

11月27日

2020年1月1日

2024年12月31日

特定の機密情報・ノウハウ・出願中の特許の開示と研修及び地盤沈下修正を行うための材料の提供

 

 

 

5 【研究開発活動】

第19期事業年度(自 2021年2月1日 至 2022年1月31日)

当社は、沈下修正工事を行うと同時に、将来の新たな事業発展を目的として、複数のプロジェクト(以下「PJ」という。)による研究開発を進めています。

現在の研究開発は、当社の技術部メンバー全員によって取り組んでおります。

当事業年度における主なPJは以下のとおりであり、研究開発費の総額は16,904千円となっています。

 

(1)杭状地盤改良PJ

既存の建物の屋内でも施工可能な小型の機械を使用し、地盤改良を行います。具体的には地盤を掘削して杭状袋体を入れ、その袋体の中でウレタンを掘削径よりも大きく発泡させることにより、地盤の圧密強化と密着性を高めることで上載荷重を支持することを目的としております。

当事業年度は削孔方法を改良したことで施工効率が向上しました。また、注入方法を改良しフィールド試験を実施しました。

なお、当PJに係る研究開発費は8,757千円であります。

 

(2)緑化PJ

発泡ウレタン樹脂を用いた土壌改良材を、土中に直接混ぜ込む(以下「ナテルン」という。)ことで、クッション性を向上させながら、植物の生育を向上させることを目的としております。

当事業年度は、ナテルンを混合した土壌に植えた芝生は、夏季でも潅水頻度が極めて少ない状態でも生育可能である事が確認されました。

またナテルンの研究を応用し、植物を直接植え込む(商品名:テラタン)ことで、水槽内で植物を生育させる基盤材を新たに開発しました。

なお、当PJに係る研究開発費は1,589千円であります。

 

(3)応急復旧PJ

地震などの災害で、大きな段差が生じてしまった道路を、応急的に復旧する工法です。道路に発生した段差に高強度ウレタン樹脂を吹付け、表面をスロープ状に硬化させることで、段差を解消し、緊急車両等の通行を短時間で可能とすることを目的としております。

当事業年度はスロープの形状・吹き付け方法・養生方法を確立するための実験を行い、成果が得られました。EE東北´21(展示会)にて『応急復旧工法ダンタン』を発表しました。

なお、当PJに係る研究開発費は1,186千円であります。

 

(4)ブラストPJ

ウレタン生成時に第三の物質を混入させることで、生成時の科学反応熱を低く抑えることが可能となり、大規模な空洞部の充填工事が容易に行えるようになりました。昨今、道路の陥没事故が多数発生しており、道路下の空洞を充填する工法を確立することを目的としております。

当事業年度は注入方法を改良しました。その結果、埋設管へ影響を与えることなく空洞を充填する方法を確立しました。

なお、当PJに係る研究開発費は3,119千円であります。

 

(5)電柱PJ

社会的需要の増加に対応し、自然災害対策の1つである電柱の補強について、ウレタンを使用した補強研究を継続しております。電柱内部の中空部にウレタン樹脂を充填することで電柱を倒壊しにくくすることを目的としております。

当事業年度は施工方法を改良した結果、品質が向上し、同施工方法の特許出願をいたしました。翌事業年度は実証実験を行い、工法を確立します。

なお、当PJに係る研究開発費は2,220千円であります。

 

 

第20期第3四半期累計期間(自 2022年2月1日 至 2022年10月31日)

当第3四半期累計期間の研究開発費の総額は7,349千円であります。

なお、当第3四半期累計期間において当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。