第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は当事業年度末日現在において、当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

①経営理念

 当社は、「不可能を可能に」という社是と「イノベーションとイノベーション人材で世界をフラットにする。」という経営理念を掲げ、未就業者(高専生、大学生)を中心とする求職者に対して、「就職活動が景気動向や企業の採用環境に依存しない社会を作る」という命題の実現のために、様々な、就職活動支援に取り組んでおります。

 国連加盟193ヶ国が掲げるSDGs(※注1)という国際目標があり、17の分野目標が定められていますが、課題の解決には、国を超えた協力体制や一人ひとりの考え方が重要になり、また、根本的に解決できるのは、未来の世界を担う若年者だと考えております。

 当社は、イノベーション人材を数多く輩出することにより、様々な課題を解決することで、17の分野目標をゴールに導き、「世界をフラット」にする時代が到来するのではと考えております。当社は、そのようなイノベーション人材が必要とされる社会・ステージで活躍できる礎として、最適に就職活動ができる仕組み作りを目指します。

 

②メディア総研行動規範

イ 我々の目指すところ

 我々は、未就業者(高専生、大学生)を中心とする求職者に対して、就職活動が景気動向や企業の採用環境に依存しないためにも、それぞれが自立した就職活動ができる就職支援システムを提供します。

 

ロ 我々が大切にする価値観・人生観

(a)我々は、日本・アジアの企業に有為の人材を提供し、社会に貢献します。

(b)我々は、自ら誇りと社会的責務を自覚して行動します。

(c)我々は、限界を設けず、経営理念を実現します。

 

ハ 社員に求める基本姿勢

(a)我々は、経営感覚及び社会的倫理観を重視し、経営者レベルまで人格を高めます。

(b)我々は、ノブレスオブリージュ(※注2)の考えに基づき、業務領域に属するすべての企業の模範になります。

 

ニ お客様に対する基本姿勢

 我々は、業界の常識を覆すような先進的企画と堅実な企画を併せ持つことで、顧客のニーズに応じて企画を提供します。

 

ホ パートナー(協力者)に対する基本姿勢

(a)我々は、競争力を維持する為に、お互いが緊張感を持ちながら、友好関係を維持します。

(b)我々は、コストだけで判断せず、「不可能を可能に」するために、広く門戸を開放します。

 

※注1:SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月の国連サミットで採択された2016年から2030年の15年間で達成するために掲げられた17の分野目標(Goals)と169のターゲット(具体的目標)で構成される国際目標である。例えば、「1.貧困をなくそう」「2.飢餓をゼロに」「3.すべての人に健康と福祉を」などがある。

※注2:ノブレスオブリージュ(〈仏語〉noblesse oblige)とは、身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務があるという、欧米社会における基本的な道徳観。もとはフランスのことわざで「貴族たるもの、身分にふさわしい振る舞いをしなければならぬ」の意。当社は、ノブレスオブリージュの精神を尊重し、優秀な人材が集う会社として、すべての企業の模範となり、社会の公器として貢献しなければならないと考えている。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、高専生の就職活動イベントに関するリーディングカンパニーとして、当該市場及び付随する市場を拡大することにより、高い成長性を継続することを目指します。当社の主力イベントである「高専生のための合同会社説明会」や「理工系業界研究セミナー」等は、学生の集客及び出展企業数が事業収益に直結することから、魅力的な高収益のイベント企画を実現し、高い成長性を維持するためにも、積極的な投資を行う方針であります。従いまして、売上高及び売上高営業利益率を当社の経営上の重要な指標としております。

 

(3)経営環境及び中長期的な経営戦略

 当社が属する就職情報業界は、2008年9月に端を発するリーマンショックの影響から、2009年平均の有効求人倍率が0.47倍(厚生労働省調査)に急激に落ち込んで以来、金融政策の緩和や穏やかな景気回復を背景に、2018年平均の有効求人倍率が1.62倍(厚生労働省調査)まで上昇いたしました。しかしながら、景気の頭打ちと突然の新型コロナウイルス感染症の影響を受け、2020年5月の有効求人倍率は1.02倍(前年同月は1.35倍。厚生労働省調査)に低下するなど、景気動向が企業の採用意欲に影響を与えるだけでなく、オンライン形式による面接の恒常化など、就職活動の仕組み自体が変わろうとしています。当社は、今後も採用環境の変化を前提として、更なる持続的な成長のために中長期的に以下の基本戦略に取り組んでまいります。

 

①高等専門学校に関する支援サービスに注力

 当社は、日本全国の高等専門学校57校(公立3校、私立3校を含む)を対象に、高専生向け就職活動イベント<当社主催型・学校主催受託型>を実施しております。また、WEBマガジン「月刊高専」を軸に全国の高等専門学校の教員と連携することで、高等専門学校の魅力を発信するとともに、就職活動イベントの運営に関して協力体制を構築しております。

 2021年7月期は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、オンライン形式のイベント開催が求められたことから、「WEB合説サイト」にライブ配信機能、情報提供機能、タイムテーブル機能等を追加し、より、対面形式イベントに近い仕組みを構築いたしました。

 また、高等専門学校の授業の一環としてPBL(課題解決型学習)イベントを手掛けるなど、教育の質的向上を目的に、高等専門学校・高専生・教員との連携を強化し、就職支援サービスの充実を実現することで、事業規模の拡大を図ってまいります。

 

②WEB支援サービスの拡大

 当社は、2019年6月に株式会社マグネッツを吸収合併いたしました。同社が培ったWEB・動画・DTP制作のノウハウを活かし、学生が会場に来場せずに企業とコンタクトができる「WEB合説サイト」を構築したことで、オンライン形式の開催が可能となりました。

 新型コロナウイルス感染症は依然として猛威を振るっておりますが、たとえ収束したとしても、就職活動イベントや採用面接の現場では、オンライン形式が定着すると想定されることから、オンライン形式を前提としたWEBサイトや動画による情報発信の重要性が高まることが予想されます。

 今後は、企業に対して、当社の就職活動イベントとリンクした形で、積極的にWEBサイト制作や動画制作の提案を行うことで、情報が充実した「WEB合説サイト」の構築を進めていきます。引き続き、学生と企業のニーズを的確に捉え、顧客の囲い込みを実現し、事業規模の拡大を図ってまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社では下記の事項を対処すべき課題として取り組みを進めております。

①就職活動イベントにおける品質担保

 当社は、学生イベント事業において、高専生向け就職活動イベント、大学生向け就職活動イベントの開催など、毎年、一定数の就職活動イベントを開催しております。

 これら就職活動イベントは、参加する学生の確保及び企業の出展社数により収益が左右されますが、足元の景気動向や企業の採用環境の変化により、十分満足する学生数の確保及び出展社数の確保が実現できないことも想定されます。

 この課題に対処するために、高専生向け就職活動イベントでは、高等専門学校の教員と連携し、学校行事や授業の一環として実施することを推進し、より多くの高専生にコンタクトできる仕組みを構築してまいります。

 また、大学生向け就職活動イベントは、地方の大学生が首都圏等で効率的に就職活動ができる仕組みを構築するなど、イベント運営に関する改良・改善を継続的に行っております。企業に対しても優秀な学生の参加率が高く、的確に学生情報が収集できるイベントとしての認知度を高めることで、上場企業・大手企業をはじめとする優良企業の囲い込みを図ってまいります。

 

②既存事業の収益機会の創出及び拡大

 新型コロナウイルス感染症の影響から、「WEB合説サイト」を活用した、オンライン形式のイベントが増加しておりますが、今後の経済環境の変化等により、就職活動イベントの重要性が低下することや、競合企業による新たな就職活動ツールの開発など、十分な就職活動イベントの開催ができないことも予想されます。

 当社は、優秀な高専生や大学生を囲い込むことができれば、対面形式、オンライン形式といったイベントの形式を問わず、企業のニーズに応えることができると考えておりますので、WEBマガジン「月刊高専」を軸に、高等専門学校の教員等との連携や協力体制を強め、新たな就職活動イベント企画の開発に注力してまいります。

 また、高等専門学校は、5年制の教育機関である本科を卒業すると、さらに高度な専門的知識・技術を高める2年制の専攻科へ進学する場合や大学3年へ編入学する場合など、多様なキャリアパスが用意されております。

 現在、国立大学及びその大学院の理工系学部は、高専生の編入学に対するニーズが強く、各研究室が高専生へ入学希望者を募集するなど、高等専門学校と理工系の学部・研究室とのつながりは、強くなる傾向にあると考えております。

 当社は、高等専門学校の教員との連携を活かし、理工系学部や研究室への編入学支援を行うことで、国立大学及びその大学院の理工系学部との連携強化を進めてまいります。当社と高等専門学校の教員との関係と同様に、各研究室の教授・教員との連携を強め、新たな大学生向け就職活動イベントの開催等を企画するとともに、「WEB合説サイト」をはじめとするシステムの充実などにより、収益機会の創出及び拡大を図ってまいります。

 

③システムの安定性の確保

 当社は、「WEB合説サイト」をはじめとするインターネット上で各種サービスの提供を行っている関係上、様々な要因で発生するシステム障害により、学生や企業に対して満足な就職活動イベントが提供できない可能性があります。この課題に対処するために、サーバーの増強、安定した通信回線の確保、負荷分散システムの導入といったハード面はもとより、システム監視・管理体制の充実等ソフト面が重要となると考え、2021年7月期より、組織的な監視・管理体制の整備を目的にシステム部を設置し、IT人材の採用・拡充を行っております。今後も継続的にシステム投資やIT人材の採用等を行い、システムの安定性確保に取り組んでまいります。

 

④経営管理体制の強化

 当社が今後も事業の継続や拡大を進めるためには、事業や組織運営上の問題点の把握・集約・改善が必要であり、そのためにもコンプライアンスの遵守や経営管理体制の構築はもとより、コーポレート・ガバナンスの強化が重要であると認識しております。

 この課題に対処するために、全役員・従業員向けに定期的な教育を行い、コンプライアンスの遵守及び経営管理体制の重要性について周知を図っております。

 

⑤優秀な人材の確保と労働生産性の向上

 当社は、持続的な企業成長を実現するためには、就職活動イベント企画、WEBサイト構築、システム開発など高付加価値サービスを提供できる人材をより多く確保するとともに、生産性を継続的に改善していくことが必要であると考えております。そのため当社では、優秀な人材を確保するために継続的な採用活動を行い、従業員への教育・研修体制の充実を図るとともに、各部門の業務効率化・省力化を目的に各種システムの構築及び連携を行うことで、全社的な生産性の向上に努めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。

 なお、文中の将来に関する事項は当事業年度末日現在において、当社が判断したものであります。

 

(1)事業環境に関するリスク

①新型コロナウイルス感染症について

 当社は、新型コロナウイルス感染症への対策として、「倫理・コンプライアンス規程」に基づきリスク管理の対象リスクに指定し、情報収集や対応策の検討と実施を行っております。政府や専門家会議の発表をもとに、在宅勤務の切り替えやリモートで業務を継続できる環境の構築など、適切かつ迅速に対応することで、お客様への提供価値を下げることなく社員とそのご家族の安全を確保できるよう取り組んでおります。また、当社が実施するイベント開催に対しても細心の注意を払い、対面形式イベントまたはオンライン形式イベントの開催決定を行っております。今後も、最新の情報収集を行い、迅速な意思決定を通して対応を検討してまいります。

 新卒採用を行う企業の中には、新型コロナウイルス感染症の影響で業績が悪化し、新卒採用活動の中止や計画の縮小を強いられている企業も出てきております。当社は、高専生や理工系の大学生のような専門性の高い人材の参加率の高いイベントを実施しており、また、就職活動イベントに参加する企業は、全国の製造業・情報通信業・建設業などを中心とする上場企業・大手企業などの優良企業であることから、現時点では業績への影響は軽微でありますが、新型コロナウイルス感染症が今後さらに拡大・蔓延し、広範囲の業種の業績に影響を与えるような状況となった場合には、それに伴う短期的な新卒採用活動の停滞、中長期的な企業の新卒採用意欲の低迷が生じる可能性があり、その結果、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②企業の人材採用ニーズについて

 当社は、高専生や理工系の大学生向けの就職活動イベントを主たる事業としているため、企業の採用ニーズに影響を受ける可能性があります。

 当社の提供する就職活動イベントは、中途採用よりも景気変動の影響を受けにくい新卒採用向けのサービスでありますが、当社の想定を上回る景気悪化等の発生により、企業の雇用水準が低迷する事態が発生した場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③システム開発について

 2021年7月期は、新型コロナウイルス感染症の影響から、大部分の就職活動イベントが「WEB合説サイト」を活用したオンライン形式のイベントになりました。当社の就職活動イベントは、全国各地において対面形式で開催するのが主流ではありますが、就職活動環境の変化を考慮し、学生及び企業のニーズを捉え、今後も機能面やセキュリティ面に優れ、かつ、利便性の高い「WEB合説サイト」の機能の充実や学生と企業の情報を効率的にマッチさせる「企業情報サイト(高専プラス)」導入によるサービス向上が必要であると考えております。

 当社はシステム部を設置し、自社内システムにおける「要件定義」「機能定義」「構成管理」「計画立案」等のいわゆる上流工程のシステム開発を行っております。また、信頼のある外部委託先とも連携しており、スピードを重視した開発体制を構築できております。

 しかしながら、当初計画に沿ったシステム開発が行われない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)当社の事業内容及びサービスに関するリスク

業績の季節変動について

 当社が提供する高専生及び理工系の大学生向け就職活動イベントは、年間の就職活動イベントの開催時期の決定について、学生及び企業のニーズ、競合企業の状況等を勘案して決定しておりますが、高専生及び理工系の大学生の就職活動時期・日本経済団体連合会から発表される「採用選考に関する指針」などの影響を受け、変動する可能性があります。

 なお、現在は、12月から翌年3月にかけて、高専生及び理工系の大学生向け就職活動イベントを実施していることから、当社の売上高もそれらの期間と重なる第2四半期から第3四半期に偏る傾向があります。そのため、採用選考の流れに大きな変化がある場合、当社の四半期売上に影響を及ぼす可能性がありますが、通年の売上への影響は僅少なものと考えております。

 

(2021年7月期の売上高並びに営業利益及び営業損失)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期

売上高(千円)

72,704

372,406

166,833

59,394

671,338

営業利益又は営業損失(△)(千円)

△37,380

240,552

32,568

△57,384

178,355

(注)売上高には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)法的規制及び知的財産権等に関するリスク

①個人情報の保護について

 当社は、事業の性格上、就職活動を行う高専生及び大学生に関して住所・氏名・連絡先等の収集を必要とし、当社ではこれらの個人情報等を厳重に管理しております。当社は、個人情報の収集とその利用に対する公的規制を遵守し、また、取引先、高等専門学校・大学の担当職員等の関係者、学生の各方面からの信頼性を一層高めるために、経済産業省の外郭団体である「一般財団法人日本情報経済社会推進協会」が付与する「プライバシーマーク(認定番号:第18860278(01)号)」の認定を2020年5月に受けております。また、個人情報を収集するシステムに関しては、第三者機関のセキュリティ検査を実施するなど、適切に個人情報を管理する仕組みを構築しております。

 当社では上記のとおり、個人情報等の管理について細心の注意を心掛けておりますが、当社において何らかの理由により個人情報等の漏洩が生じた場合には、当社の顧客等の当社に対する信頼の著しい低下等により、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②知的財産権について

 当社の提供する商品・サービスが第三者の特許権、著作権等の知的財産権を侵害する可能性については、弁理士等の外部専門家を通じて調査を行っておりますが、当社の提供する商品・サービスに関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社が認識せずに他社の知的財産権を侵害してしまう可能性は否定できません。

 また、将来当社が提供する商品・サービスに関連して、当社が知的財産権を取得するよりも前に他の事業者等が特許権その他の知的財産権を取得する可能性があります。

 これらの場合、当社に対する訴訟等が発生し、当社が提供するサービスに影響が出る可能性があるほか、当該訴訟等への対応のために必要となるコストの発生により当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)組織体制に係るリスク

①優秀な人材の確保及び育成について

 当社の事業が継続的に成長していくためには、優秀な人材の確保、人材の育成及び定着は、経営上の重要な課題であります。当社は、必要な人材を確保するため十分な採用予算を確保し、また社員に対する教育を通じ、当社の将来を担う優秀な人材の確保・育成に努めております。また、競合企業の給与水準を考慮した給与モデルを設定するなど、待遇改善に着目することで、定着率の向上を図っております。

 しかしながら、必要な人材の採用が想定どおり進捗しない場合、あるいは育成した役職員が退職した場合には、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②システム人員の確保及び教育について

 当社が事業展開している就職情報業界では、学生と企業をつなぐ人工知能を用いたマッチングの仕組みや機能性の高いWEB面接システムの開発など技術革新や顧客ニーズの変化のスピードが非常に早く、インターネット関連の技術革新やその変化に柔軟に対応する必要があります。

 当社においても、最新の技術動向や環境変化を常に把握できる体制を構築するだけではなく、優秀な人材の確保及び教育等により技術革新や顧客ニーズの変化に迅速に対応できるよう努めております。しかしながら、当社が技術革新や顧客ニーズの変化に適時に対応できない場合、または、変化への対応のためにシステム投資や人件費等多くの費用を要する場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③小規模組織について

 当社の従業員は31名(2021年7月31日現在)であり、従業員一人当たりの業務領域が広汎に亘ることがあります。人材育成の観点では好ましい環境である一方、急速に業務量が増加する局面において役職員の負荷が増大し、業務効率に影響を与える可能性があります。

 当社は、今後、事業拡大に応じた人員増強、内部管理体制の充実を図る方針でありますが、事業の拡大に応じた人員増強が順調に進まなかった場合や内部管理体制の充実がなされなかった場合には、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④特定人物への依存について

 当社の創業者であり代表取締役社長である田中浩二は、当社創業以来当社の事業に深く関与しており、当社の経営戦略の構築やその実行に際して重要な役割を担っております。当社は特定の人物に依存しない体制を構築すべく組織体制の強化を図っており、同氏に過度に依存しない経営管理体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏の業務執行が困難になった場合、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)その他のリスク

①新株予約権の行使による株式価値の希薄化

 当社では、当社の役職員に対するインセンティブを目的として新株予約権を付与しており、本書提出日現在における発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は7.4%に相当しております。これらの新株予約権が行使された場合には、当社の株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。

 

②当社代表取締役田中浩二の持株比率について

 当社の代表取締役である田中浩二は、当事業年度の末日現在で株式の総数に対する所有株式数の94.87%を保有し、2021年9月2日の上場後も引き続き大株主となる見込みであります。

 同氏は大株主である一方、経営者としての受託者責任を負う身であり、その議決権行使に当たっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益や様々なステークホルダーの権利・立場に配慮しながら慎重に行う方針であるほか、将来的には役職員に対する各種インセンティブプランの実施や業容に応じた株主づくり等により同氏持株比率は相対的に減少するものと考えております。

 なお、もとより、経営陣における業務執行は、法令・諸規程等に基づき行うことはもちろん、取締役会においては、社外取締役や監査役を含めた活発な議論を行うほか、取締役相互間の監督機能と監査役及び監査役会の能動的・積極的な権限行使を通じてコーポレートガバナンスの実効性を担保し、少数株主の利益が害されることのないよう努めてまいります。

 このように、同氏は、当社の創業者であるとともに代表取締役社長であるため、今後も当社の安定株主であるだけでなく、株主をはじめとするステークホルダーの期待に沿うべく今後も行動するものと認識しておりますが、同氏の投資行動により、当社の事業運営に何らかの影響があった場合、当社の事業展開、財政状態および経営成績ひいては当社株式の市場価格及び流通状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態の状況

(資産)

 当事業年度末における資産合計は713,210千円となり、前事業年度末に比べ197,489千円増加いたしました。

 このうち流動資産は、前事業年度末より194,664千円増加し、605,328千円となりました。主な内訳としては、現金及び預金の増加207,181千円によるものであります。

 また固定資産は、前事業年度末より2,825千円増加し、107,882千円となりました。主な内訳としては、ソフトウエアの増加7,076千円、その他無形固定資産の増加6,624千円、保険解約による保険積立金の減少4,545千円によるものであります。

(負債)

 当事業年度末における負債合計は135,775千円となり、前事業年度末に比べ60,307千円増加いたしました。

 このうち流動負債は、前事業年度末より61,232千円増加し、当事業年度末は135,775千円となりました。主な内訳としては、未払法人税等の増加31,118千円、未払金の増加12,956千円、前受金の増加11,967千円によるものであります。

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は577,435千円となり、当期純利益の計上により繰越利益剰余金が前事業年度末に比べ137,182千円増加いたしました。

 

②経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、2020年1月より世界に広がった新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響により、依然として厳しい状況の中、各種政策の効果や海外経済の改善による持ち直しの動きが見られた一方で、感染拡大地域を対象とした緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が度々発令されるなどマイナス要因もあり、景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。

 当社の事業領域である就職情報業界においては、新型コロナウイルス感染症の拡大以前は、求人企業の採用意欲は旺盛であり、就活イベント等が各地で開催されておりましたが、2020年2月の後半からイベント等の自粛に伴う中止・延期等が頻発いたしました。また、新型コロナウイルス感染症の影響から2021年7月の有効求人倍率が1.15倍(前年同月は1.08倍。厚生労働省調査)、完全失業率が2.8%(前年同月は2.9%。総務省統計局調査))を記録するなど、幾分持ち直しつつあるものの、新型コロナウイルス感染症の拡大前の数値には戻っておりません。

 このような環境のなか、当社は、事業の柱である「高専生のための合同会社説明会」、「理工系業界研究セミナー」等の就職活動イベントの企画・運営・実施に取組みました。また、新たな取組みとして、本格的な就職活動が始まる前に業界研究・企業理解を行う場としてオンライン形式で「KOSEN meetup company」をスタートし、また、高等専門学校の特徴、教職員の専門教科、高専生の研究結果の発表、高専生の就職先企業での活躍などの情報発信を目的としたWEBマガジン「月刊高専」の充実を図りました。

 なお、新型コロナウイルス感染症による感染拡大の影響を受け、大部分の就職活動イベントをイベント会場に企業ブースを設置して学生が会場に足を運んでもらう「対面形式」のイベント開催から、当社が開催する就職活動イベントをWEBで実現した「WEB合説サイト」で学生と企業がオンラインでコンタクトする「オンライン形式」のイベント開催へ変更することとなりました。それに伴い、一部イベントの開催中止や、出展企業数の減少等により売上高が減少した一方で、会場費、設営費、旅費交通費等の売上原価が大幅に削減されたため、各段階損益は前年同期に対して増益となりました。

 この結果、当事業年度の売上高は671,338千円(前年同期比4.5%減)、営業利益は178,355千円(同41.2%

増)、経常利益は187,043千円(同46.4%増)、当期純利益は137,182千円(同38.6%増)となっております。

 また、当社は学生イベント事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)につきましては、WEB合説サイトのシステム開発や社内ネットワークの構築に関する支出はあったものの、税引前当期純利益が201,483千円(前年同期比33.4%増)計上されたこと等により、前事業年度末に比べ207,181千円増加し、当事業年度末には578,809千円となりました。

 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において、営業活動の結果得られた資金は204,240千円(前年同期比225.5%増)となりました。これは主に、税引前当期純利益201,483千円、法人税等の支払額36,318千円、前受金の増加額11,966千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において、投資活動の結果獲得した資金は3,866千円(前年同期比72.9%減)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出15,589千円、保険積立金の解約による収入24,929千円、保険積立金の積立による支出5,461千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において、財務活動の結果使用した資金は924千円(前年同期比65.0%増)となりました。これは、割賦債務の返済による支出924千円によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

イ 生産実績

 当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

ロ 受注実績

 当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

ハ 販売実績

 当社は、学生イベント事業の単一セグメントであり、当事業年度の販売実績は次のとおりであります。

サービスの名称

当事業年度

(自 2020年8月1日

至 2021年7月31日)

前年同期比(%)

就職活動イベント(千円)

466,857

91.6

企画制作(千円)

204,481

105.8

合計(千円)

671,338

95.5

(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10に該当する相手先がないため記載を省略しております。

2.販売実績には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

②経営成績及び財政状態の分析

(売上高)

 新型コロナウイルス感染症の影響により、一部の就職活動イベントの中止やオンライン形式による開催への変更、また集客数の減少が予想される就職活動イベントの見直しを行ったこと等により売上高が減少しております。一方で、高専生向けの新たな就職活動イベントを企画したことにより、売上高が増加いたしました。

 その結果、当事業年度の売上高は671,338千円(前年同期比4.5%減)となりました。

 

(売上原価、売上総利益)

 新型コロナウイルス感染症の影響により、一部の就職活動イベントをオンライン形式による開催へ変更したことにより、当初の予定より、会場費や設営費等について売上原価が減少しております。

 その結果、当事業年度の売上原価は137,735千円(前年同期比48.1%減)、売上総利益は533,602千円(前年同期比22.0%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 社内システム管理強化や、内部監査充実のため人材採用を行った結果、給料及び手当は21,080千円増加し80,848千円となりました。

 その結果、当事業年度の販売費及び一般管理費は355,247千円(前年同期比14.3%増)、営業利益は178,355千円(前年同期比41.2%増)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

 営業外収益は、主に新型コロナウイルス感染症の影響により家賃支援給付金の給付を受けたことが要因となり8,688千円(前年同期比79.7%増)となりました。なお、当事業年度は、営業外費用は発生しておりません。

 その結果、当事業年度の経常利益は187,043千円(前年同期比46.4%増)となりました。

 

(特別利益、特別損失、当期純利益)

 特別利益は、主に代表者に付保していた生命保険の解約を行ったことが要因となり、14,922千円となりました。特別損失は、新型コロナウイルス感染者の発生により、社員のPCR検査や本社ビルの消毒等を実施したことが要因となり、483千円となりました。

 その結果、当事業年度の当期純利益は137,182千円(前年同期比38.6%増)となりました。

 

 財政状態の分析内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」をご参照ください。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

④資本の財源及び資金の流動性

 当社の資金需要のうち主なものは、就職活動イベント開催及び企画制作等の原価(人件費・外注費)、販売費及び一般管理費、また、新たなシステム開発などへの投資資金があります。経常運転資金は、自己資金で賄うことを考えておりますが、新たな投資への資金需要については、株式上場時の新株発行による調達資金の活用及び金融機関からの調達を予定しております。

 

⑤経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等の分析

 当社は、高専生の就職活動イベントに関するリーディングカンパニーとして、当該市場及び付随する市場を拡大すること及び安定的な利益を確保することにより、高い成長性を継続することを目指します。そのため、当社は、売上高及び売上高営業利益率を重要な経営指標と位置付けております。

 2020年7月期は、株式会社マグネッツとの合併に伴い、売上高は62,492千円増加し、702,709千円になりましたが、売上高営業利益率は4.0ポイント低下し18.0%になりました。2021年7月期は、新型コロナウイルス感染症の影響から、大部分の就職活動イベントをオンライン形式で実施したことにより、売上高は31,370千円減少し、671,338千円になりました。売上高営業利益率は8.6ポイント増加し26.6%になっております。

 今後も引き続き、付加価値の高い就職活動イベントの実施、その他就職活動に関連する各種サービスの充実、新たな就職活動サービスの開発に努め、構造的なコスト低減の仕組みを構築し、売上高の増加及び営業利益率の改善を目指してまいります。

 

2020年7月期

2021年7月期

売上高(千円)

702,709

671,338

営業利益(千円)

126,345

178,355

売上高営業利益率(%)

18.0

26.6

(注)売上高には、消費税等は含まれておりません。

 

⑥経営成績に重要な影響を与える要因

 経営成績に重要な影響を与える要因については、上記「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

⑦経営者の問題意識と今後の方針について

 経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり認識しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。