第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は当事業年度末日現在において、当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

①経営理念

 当社は「イノベーションとイノベーション人材で世界をフラットにする」という経営理念を掲げ、未就業者(高専生、大学生)を中心とする求職者に対して、「就職活動が景気動向や企業の採用環境に依存しない社会を作る」という命題の実現のために、様々な「学生イベント事業」に取り組んでおります。

 現在、世界においては国連加盟193ヶ国が掲げるSDGs(※注1)国際目標がありますが、定められた17の分野における目標の課題解決には、国を超えた協力体制や一人ひとりの行動が重要になると考えられています。また、この行動を推し進めるのは、「未来を担う若年者の持つイノベーションを引き起こす力」だとも考えられております。

 当社は、事業を通してイノベーション人材が数多く育ち、様々な課題に立ち向かいながら、より良い社会が形成されていく一助を担えるよう、邁進しております。

 

②メディア総研行動規範

イ 我々の目指すところ

 我々は、未就業者(高専生、大学生)を中心とする求職者に対して、就職活動が景気動向や企業の採用環境に依存しないためにも、それぞれが自立した就職活動ができる就職支援システムを提供します。

 

ロ 我々が大切にする価値観・人生観

(a)我々は、日本・アジアの企業に有為の人材を提供し、社会に貢献します。

(b)我々は、自ら誇りと社会的責務を自覚して行動します。

(c)我々は、限界を設けず、経営理念を実現します。

 

ハ 社員に求める基本姿勢

(a)我々は、経営感覚及び社会的倫理観を重視し、経営者レベルまで人格を高めます。

(b)我々は、ノブレスオブリージュ(※注2)の考えに基づき、業務領域に属するすべての企業の模範になります。

 

ニ お客様に対する基本姿勢

 我々は、業界の常識を覆すような先進的企画と堅実な企画を併せ持つことで、顧客のニーズに応じてサービスを提供します。

 

ホ パートナー(協力者)に対する基本姿勢

(a)我々は、競争力を維持する為に、お互いが緊張感を持ちながら、友好関係を維持します。

(b)我々は、コストだけで判断せず、「不可能を可能に」するために、広く門戸を開放します。

 

※注1:SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月の国連サミットで採択された2016年から2030年の15年間で達成するために掲げられた17の分野目標(Goals)と169のターゲット(具体的目標)で構成される国際目標である。例えば、「1.貧困をなくそう」「2.飢餓をゼロに」「3.すべての人に健康と福祉を」などがある。

※注2:ノブレスオブリージュ(〈仏語〉noblesse oblige)とは、身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務があるという、欧米社会における基本的な道徳観。もとはフランスのことわざで「貴族たるもの、身分にふさわしい振る舞いをしなければならぬ」の意。当社は、ノブレスオブリージュの精神を尊重し、優秀な人材が集う会社として、すべての企業の模範となり、社会の公器として貢献しなければならないと考えている。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、就職活動イベントサービスの中でも高専生の就職活動に関する分野のリーディングカンパニーとして、関連する事業の売上拡大と安定的な利益の確保により、高い成長性を継続することを目指しています。そのため、当社は、売上高及び売上高営業利益率を重要な経営指標と位置付けております。

 

(3)経営環境及び中長期的な経営戦略

 当社が属する就職情報業界は、2008年9月に端を発するリーマンショックの影響から、2009年平均の有効求人倍率が0.47倍(厚生労働省調査)となるなど、企業の求人ニーズが急激に落ち込む事態に直面致しました。その後、金融政策による穏やかな景気回復を背景にして、2018年には平均の有効求人倍率が1.62倍(厚生労働省調査)まで上昇するなど持ち直しの兆しが見えておりましたが、景気回復が伸び悩んだことと併せ、突然の新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、再びマイナス局面を迎えました。特に新型コロナウイルス感染症拡大の影響はオンラインでの採用面接が恒常化するなど、学生の就職活動の形態が大きく変化するきっかけとなりました。また、2022年7月においても有効求人倍率は1.29倍(前年同月は1.15倍。厚生労働省調査)となり、労働統計における企業の求人ニーズは新型コロナウイルス感染症が拡大する前の数値にはまだ戻っておりません。

 当社は、今後も景気動向を含めた採用環境の変化要因を的確に見極め、更なる当社事業の拡大のために以下の中長期的な経営戦略に取り組んでまいります。

 

①高等専門学校に関する支援サービスに注力

 当社は、日本全国の高等専門学校57校(公立3校、私立3校を含む)を対象に、高専生向け就職活動イベント<当社主催型・学校主催受託型>を実施しております。また、WEBマガジン「月刊高専」を軸に全国の高等専門学校の教員と連携することで、高等専門学校の魅力を発信するとともに、就職活動イベントの運営に関して協力体制を構築しております。

 2021年7月期は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、オンライン形式のイベント開催が求められたことから、「WEB合説サイト」にライブ配信機能、情報提供機能、タイムテーブル機能等を追加し、より、対面形式イベントに近い仕組みを構築いたしました。

 また、2021年10月よりWEBサイト「高専プラス」のサービスを開始しました。この「高専プラス」は当社主催型高専生向けイベントと連携しており、学生に対し質の高い「就職情報」の提供を行っています。それに併せて、大学編入、大学院への進学を含めた「進学情報」も提供しており、今後も全ての高専生に対し有益な情報を提供することでサービスの向上を図ってまいります。

 加えて、高等専門学校の授業の一環としてPBL(課題解決型学習)イベントを手掛けるなど、教育の質的向上を目的に、高等専門学校・高専生・教員との連携を強化してまいります。これらを通して当社の就職支援サービスを充実させ、更なる事業の拡大を図ってまいります。

 

②WEB支援サービスの拡大

 当社は、2019年6月に株式会社マグネッツを吸収合併いたしました。同社が培ったWEB・動画・DTP制作のノウハウを活かし、学生が会場に来場せずに企業とコンタクトができる「WEB合説サイト」を構築したことで、オンライン形式の開催が可能となりました。

 新型コロナウイルス感染症は依然として猛威を振るっておりますが、たとえ収束したとしても、就職活動イベントや採用面接の現場では、オンライン形式が定着すると想定されることから、オンライン形式を前提としたWEBサイトや動画による情報発信の重要性が高まることが予想されます。

 今後は、企業に対して、当社の就職活動イベントとリンクした形で、積極的にWEBサイト制作や動画制作の提案を行うことで、情報が充実した「WEB合説サイト」の構築を進めていきます。引き続き、学生と企業のニーズを的確に捉え、顧客の囲い込みを実現し、事業規模の拡大を図ってまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社では下記の事項を対処すべき課題として取り組みを進めております。

①就職活動イベントにおける品質担保

 当社は、学生イベント事業において、高専生向け就職活動イベント、大学生向け就職活動イベントの開催など、毎年、一定数の就職活動イベントを開催しております。

 これら就職活動イベントは、参加する学生の確保及び企業の出展社数により収益が左右されますが、足元の景気動向や企業の採用環境の変化により、十分満足する学生数の確保及び出展社数の確保が実現できないことも想定されます。

 この課題に対処するために、高専生向け就職活動イベントでは、高等専門学校の教員と連携し、学校行事や授業の一環として実施することを推進し、より多くの高専生にコンタクトできる仕組みを構築してまいります。

 また、大学生向け就職活動イベントは、地方の大学生が首都圏等で効率的に就職活動ができる仕組みを構築するなど、イベント運営に関する改良・改善を継続的に行っております。企業に対しても優秀な学生の参加率が高く、的確に学生情報が収集できるイベントとしての認知度を高めることで、上場企業・大手企業をはじめとする優良企業の囲い込みを図ってまいります。

 

②既存事業の収益機会の創出及び拡大

 新型コロナウイルス感染症の影響から、「WEB合説サイト」を活用した、オンライン形式のイベントが増加しておりますが、今後の経済環境の変化等により、就職活動イベントの重要性が低下することや、競合企業による新たな就職活動ツールの開発など、十分な就職活動イベントの開催ができないことも予想されます。

 当社は、優秀な高専生や大学生を囲い込むことができれば、対面形式、オンライン形式といったイベントの形式を問わず、企業のニーズに応えることができると考えておりますので、WEBマガジン「月刊高専」を軸に、高等専門学校の教員等との連携や協力体制を強め、新たな就職活動イベント企画の開発に注力してまいります。

 また、高等専門学校は、5年制の教育機関である本科を卒業すると、さらに高度な専門的知識・技術を高める2年制の専攻科へ進学する場合や大学3年へ編入学する場合など、多様なキャリアパスが用意されております。

 現在、国立大学及びその大学院の理工系学部は、高専生の編入学に対するニーズが強く、各研究室が高専生へ入学希望者を募集するなど、高等専門学校と理工系の学部・研究室とのつながりは、強くなる傾向にあると考えております。

 当社は、高等専門学校の教員との連携を活かし、理工系学部や研究室への編入学支援を行うことで、国立大学及びその大学院の理工系学部との連携強化を進めてまいります。当社と高等専門学校の教員との関係と同様に、各研究室の教授・教員との連携を強め、新たな大学生向け就職活動イベントの開催等を企画するとともに、「WEB合説サイト」をはじめとするシステムの充実などにより、収益機会の創出及び拡大を図ってまいります。

 

③システムの安定性の確保

 当社は、「WEB合説サイト」をはじめとするインターネット上で各種サービスの提供を行っている関係上、様々な要因で発生するシステム障害により、学生や企業に対して満足な就職活動イベントが提供できない可能性があります。この課題に対処するために、サーバーの増強、安定した通信回線の確保、負荷分散システムの導入といったハード面はもとより、システム監視・管理体制の充実等ソフト面が重要となると考え、2021年7月期より、組織的な監視・管理体制の整備を目的にシステム部を設置し、IT人材の採用・拡充を行っております。今後も継続的にシステム投資やIT人材の採用等を行い、システムの安定性確保に取り組んでまいります。

 

④経営管理体制の強化

 当社が今後も事業の継続や拡大を進めるためには、事業や組織運営上の問題点の把握・集約・改善が必要であり、そのためにもコンプライアンスの遵守や経営管理体制の構築はもとより、コーポレート・ガバナンスの強化が重要であると認識しております。

 この課題に対処するために、全役員・従業員向けに定期的な教育を行い、コンプライアンスの遵守及び経営管理体制の重要性について周知を図っております。

 

⑤優秀な人材の確保と労働生産性の向上

 当社は、持続的な企業成長を実現するためには、就職活動イベント企画、WEBサイト構築、システム開発など高付加価値サービスを提供できる人材をより多く確保するとともに、生産性を継続的に改善していくことが必要であると考えております。そのため当社では、優秀な人材を確保するために継続的な採用活動を行い、従業員への教育・研修体制の充実を図るとともに、各部門の業務効率化・省力化を目的に各種システムの構築及び連携を行うことで、全社的な生産性の向上に努めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。

 

(1)事業環境に関するリスク

①新型コロナウイルス感染症について

 当社は、新型コロナウイルス感染症への対策として、「倫理・コンプライアンス規程」に基づきリスク管理の対象リスクに指定し、情報収集や対応策の検討と実施を行っております。政府や専門家会議の発表をもとに、当社が実施するイベント開催に対しても細心の注意を払い、対面形式イベントまたはオンライン形式イベントの開催決定を行っております。また、社内業務については、在宅勤務の切り替えやリモートで業務を継続できる環境の構築など、適切かつ迅速に対応することで、お客様への提供価値を下げることなく社員とそのご家族の安全を確保できるよう取り組んでおります。今後も、最新の情報収集を行い、迅速な意思決定を通して対応を検討してまいります。

 新卒採用を行う企業の中には、新型コロナウイルス感染症の影響で業績が悪化し、新卒採用活動の中止や計画の縮小を強いられている企業も出てきております。当社は、高専生や理工系の大学生のような専門性の高い人材の参加率の高いイベントを実施しており、また、就職活動イベントに参加する企業は、全国の製造業・情報通信業・建設業などを中心とする上場企業・大手企業などの優良企業であることから、現時点では業績への影響は軽微であると判断しておりますが、新型コロナウイルス感染症が今後さらに拡大・蔓延し、広範囲の業種の業績に影響を与えるような状況となった場合には、それに伴う短期的な新卒採用活動の停滞、中長期的な企業の新卒採用意欲の低迷が生じる可能性があり、その結果、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②企業の人材採用ニーズについて

 当社は、高専生や理工系の大学生向けの就職活動イベントを主たる事業としているため、企業の採用ニーズに影響を受ける可能性があります。

 当社の提供する就職活動イベントは、中途採用よりも景気変動の影響を受けにくい新卒採用向けのサービスでありますが、当社の想定を上回る景気悪化等の発生により、企業の雇用水準が低迷する事態が発生した場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③システム開発について

 2022年7月期は、新型コロナウイルス感染症の影響から、大部分の就職活動イベントが「WEB合説サイト」を活用したオンライン形式のイベントになりました。当社の就職活動イベントは、全国各地において対面形式で開催するのが主流ではありますが、就職活動環境の変化を考慮し、学生及び企業のニーズを捉え、今後も機能面やセキュリティ面に優れ、かつ、利便性の高い「WEB合説サイト」の機能の充実や学生と企業の情報を効率的にマッチさせる「企業情報サイト(高専プラス)」導入によるサービス向上が必要であると考えております。

 当社はシステム部を設置し、自社内システムにおける「要件定義」「機能定義」「構成管理」「計画立案」等のいわゆる上流工程のシステム開発を行っております。また、信頼のある外部委託先とも連携しており、スピードを重視した開発体制を構築できております。

 しかしながら、当初計画に沿ったシステム開発が行われない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)当社の事業内容及びサービスに関するリスク

業績の季節変動について

 当社が提供する高専生及び理工系の大学生向け就職活動イベントは、年間の就職活動イベントの開催時期の決定について、学生及び企業のニーズ、競合企業の状況等を勘案して決定しておりますが、高専生及び理工系の大学生の就職活動時期・日本経済団体連合会から発表される「採用選考に関する指針」などの影響を受け、変動する可能性があります。

 なお、現在は、12月から翌年3月にかけて、高専生及び理工系の大学生向け就職活動イベントを実施していることから、当社の売上高もそれらの期間と重なる第2四半期から第3四半期に偏る傾向があります。そのため、採用選考の流れに大きな変化がある場合、当社の通年の売上への影響は僅少なものの、四半期売上に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2022年7月期の売上高並びに営業利益及び営業損失)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期

売上高(千円)

97,740

409,052

196,317

73,038

776,148

営業利益又は営業損失(△)(千円)

△31,837

238,926

29,021

△53,848

182,261

 

(3)法的規制及び知的財産権等に関するリスク

①個人情報の保護について

 当社は、事業の性格上、就職活動を行う高専生及び大学生に関して住所・氏名・連絡先等の収集を必要とし、当社ではこれらの個人情報等を厳重に管理しております。当社は、個人情報の収集とその利用に対する法的規制を遵守し、また、取引先、高等専門学校・大学の担当職員等の関係者、学生の各方面からの信頼性を一層高めるために、経済産業省の外郭団体である「一般財団法人日本情報経済社会推進協会」が付与する「プライバシーマーク(認定番号:第18860278号)」の認定を2020年5月に受けております。また、個人情報を収集するシステムに関しては、第三者機関のセキュリティ検査を実施するなど、適切に個人情報を管理する仕組みを構築しております。

 当社では上記のとおり、個人情報等の管理について細心の注意を心掛けておりますが、当社において何らかの理由により個人情報等の漏洩が生じた場合には、当社の顧客等の当社に対する信頼の著しい低下等により、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②知的財産権について

 当社の提供する商品・サービスが第三者の特許権、著作権等の知的財産権を侵害する可能性については、弁理士等の外部専門家を通じて調査を行っておりますが、当社の提供する商品・サービスに関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社が認識せずに他社の知的財産権を侵害してしまう可能性は否定できません。

 また、将来当社が提供する商品・サービスに関連して、当社が知的財産権を取得するよりも前に他の事業者等が特許権その他の知的財産権を取得する可能性があります。

 これらの場合、当社に対する訴訟等が発生し、当社が提供するサービスに影響が出る可能性があるほか、当該訴訟等への対応のために必要となるコストの発生により当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)組織体制に係るリスク

①優秀な人材の確保及び育成について

 当社の事業が継続的に成長していくためには、優秀な人材の確保、人材の育成及び定着は、経営上の重要な課題であります。当社は、必要な人材を確保するため十分な採用予算を確保し、また社員に対する教育を通じ、当社の将来を担う優秀な人材の確保・育成に努めております。また、競合企業の給与水準を考慮した給与モデルを設定するなど、待遇改善に着目することで、定着率の向上を図っております。

 しかしながら、必要な人材の採用が想定どおり進捗しない場合、あるいは育成した役職員が退職した場合には、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②システム人員の確保及び教育について

 当社が事業展開している就職情報業界では、学生と企業をつなぐ人工知能を用いたマッチングの仕組みや機能性の高いWEB面接システムの開発など技術革新や顧客ニーズの変化のスピードが非常に早く、インターネット関連の技術革新やその変化に柔軟に対応する必要があります。

 当社においても、最新の技術動向や環境変化を常に把握できる体制を構築するだけではなく、優秀な人材の確保及び教育等により技術革新や顧客ニーズの変化に迅速に対応できるよう努めております。しかしながら、当社が技術革新や顧客ニーズの変化に適時に対応できない場合、または、変化への対応のためにシステム投資や人件費等多くの費用を要する場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③新規事業について

 当社は、業容拡大に向けて2022年10月より転職情報サイト「転職スイッチ」を開始いたしました。安定的な収益を上げるためには、ある程度期間を要する場合があり、新規事業計画が順調に進まなかった場合には、人件費や広告費等の先行投資により、当社業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④小規模組織について

 当社の従業員は35名(2022年7月31日現在)であり、従業員一人当たりの業務領域が広汎に亘ることがあります。人材育成の観点では好ましい環境である一方、急速に業務量が増加する局面において役職員の負荷が増大し、業務効率に影響を与える可能性があります。

 当社は、今後、事業拡大に応じた人員増強、内部管理体制の充実を図る方針でありますが、事業の拡大に応じた人員増強が順調に進まなかった場合や内部管理体制の充実がなされなかった場合には、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤特定人物への依存について

 当社の創業者であり代表取締役社長である田中浩二は、当社創業以来当社の事業に深く関与しており、当社の経営戦略の構築やその実行に際して重要な役割を担っております。当社は特定の人物に依存しない体制を構築すべく組織体制の強化を図っており、同氏に過度に依存しない経営管理体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏の業務執行が困難になった場合、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)その他のリスク

①新株予約権の行使による株式価値の希薄化

 当社では、当社の役職員に対するインセンティブを目的として新株予約権を付与しており、当事業年度の末日現在における発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は6.6%に相当しております。これらの新株予約権が行使された場合には、当社の株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。

 

②当社代表取締役田中浩二の持株比率について

 当社の代表取締役である田中浩二は、当事業年度の末日現在で発行済株式(自己株式を除く)の総数に対する所有株式数の67.63%を保有しております。

 同氏は大株主である一方、経営者としての受託者責任を負う身であり、その議決権行使に当たっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益や様々なステークホルダーの権利・立場に配慮しながら慎重に行う方針であるほか、将来的には役職員に対する各種インセンティブプランの実施や業容に応じた株主づくり等により同氏持株比率は相対的に減少するものと考えております。

 なお、もとより、経営陣における業務執行は、法令・諸規程等に基づき行うことはもちろん、取締役会においては、社外取締役や監査役を含めた活発な議論を行うほか、取締役相互間の監督機能と監査役及び監査役会の能動的・積極的な権限行使を通じてコーポレート・ガバナンスの実効性を担保し、少数株主の利益が害されることのないよう努めてまいります。

 このように、同氏は、当社の創業者であるとともに代表取締役社長であるため、今後も当社の安定株主であるだけでなく、株主をはじめとするステークホルダーの期待に沿うべく今後も行動するものと認識しておりますが、同氏の投資行動により、当社の事業運営に何らかの影響があった場合、当社の事業展開、財政状態及び経営成績ひいては当社株式の市場価格及び流通状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態の状況

(資産)

 当事業年度末における総資産は1,204,956千円となり、前事業年度末に比べ491,745千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金の増加により流動資産が489,545千円増加したことや、ソフトウエアの増加により無形固定資産が22,046千円増加したことによるものであります。

(負債)

 当事業年度末における負債合計は152,421千円となり、前事業年度末に比べ16,645千円増加いたしました。これは主に、預り金が12,509千円増加したことや、買掛金が12,438千円増加したことによるものであります。

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は1,052,534千円となり、前事業年度末に比べ475,099千円増加いたしました。これは主に、公募増資により、資本金及び資本準備金がそれぞれ171,952千円増加し、当期純利益131,194千円の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。

 

②経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス変異株流行の影響やロシアによるウクライナ侵攻に端を発するエネルギー及び資源価格の急騰が懸念されるなど、先行きが不透明な状況で推移いたしました。

 当社の事業領域である人材・就職支援業界においても新型コロナウイルス感染症の動向の影響を受けており、人の移動を伴う対面式のイベント・セミナーは中止・延期となるケースが発生しております。また、2022年7月の有効求人倍率が1.29倍(前年同月は1.15倍。厚生労働省調査)、完全失業率が2.6%(前年同月は2.8%。総務省統計局調査)となるなど、労働統計における企業の求人ニーズは幾分持ち直しが見えつつありますが、新型コロナウイルス感染症が拡大する前の数値にはまだ戻っておりません。

 このような環境のなか、当社は、事業の柱である高専生向け就職活動イベント「高専生のための合同会社説明会」や新たな取り組みとなる独立行政法人国立高等専門学校機構主催の「KOSEN EXPO」等、また、大学生向けの就職活動イベント「理工系業界研究セミナー」等の企画・運営に注力することと併せ、新たな情報サイト「高専プラス」を本格稼働させて事業の拡大を図りました。

 大学生向けの就職活動イベントは新型コロナウイルスの感染再拡大の影響を受け、「対面形式」開催から「オンライン形式」に急遽変更されるケースが目立ちました。そのため、他社開催のオンライン形式イベントとの差別化の訴求が十分に出来なかったことなどにより、この分野の売上は減少いたしました。一方、高専生向け就職活動イベントは「高専プラス」の効果もあり順調に推移しました。「高専プラス」は2021年10月リリースした機能により「高専生のための合同会社説明会」における参加企業情報と高専生の情報をDX化し、イベント運用の効率化を達成いたしました。また、2022年4月においてリリースした進学情報を取り扱う機能追加により2023年3月高専卒業予定者のうち、就職を希望している全国の高専生の約7割にあたる4,000人程度がサイトを使用するなど実績が積み上がってきております。

 この結果、当事業年度の売上高は776,148千円(前年同期比15.6%増)、営業利益は182,261千円(同2.2%増)、経常利益は184,613千円(同1.3%減)、当期純利益は131,194千円(同4.4%減)となっております。

 なお、当社は、主たる事業である学生イベントの開催日が第2、第3四半期会計期間に集中する傾向があり、通常、第2、第3四半期会計期間の売上高は第1、第4四半期会計期間の売上高と比べて著しく増加する傾向にあります。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)につきましては、前事業年度末に比べ491,574千円増加し、1,070,383千円となりました。

 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において、営業活動の結果得られた資金は160,387千円(前年同期比21.5%減)となりました。これは主に、税引前当期純利益197,327千円、減価償却費13,746千円、仕入債務の増加額12,438千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において、投資活動の結果支出した資金は8,575千円(前年同期は3,866千円の収入)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出35,545千円を計上したものの、保険積立金の解約による収入32,455千円を計上したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において、財務活動の結果得られた資金は339,762千円(前年同期は924千円の支出)となりました。これは主に、株式の発行による収入343,905千円によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

イ 生産実績

 当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

ロ 受注実績

 当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

ハ 販売実績

 当社は、学生イベント事業の単一セグメントであり、当事業年度の販売実績は次のとおりであります。

サービスの名称

当事業年度

(自 2021年8月1日

至 2022年7月31日)

前年同期比(%)

就職活動イベント(千円)

569,362

122.0

企画制作(千円)

206,786

101.1

合計(千円)

776,148

115.6

(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10に該当する相手先がないため記載を省略しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

②経営成績及び財政状態の分析

(売上高)

 当事業年度の売上高は776,148千円(前年同期比15.6%増)となりました。主な内訳としましては、就職活動イベントサービスの売上が569,362千円(前年同期比22.0%増)、企画制作サービスの売上が206,786千円(前年同期比1.1%増)とそれぞれ伸長しております。しかしながら、就職活動イベントサービスにおける大学生向けの就職活動イベントは新型コロナウイルスの感染再拡大の影響を受け前年同期に比して24.4%減少いたしました。

 

(売上原価、売上総利益)

 当事業年度の売上原価は172,689千円(前年同期比25.4%増)となりました。これは売上の伸長に伴う増加によるものであります。この結果、売上総利益は603,459千円(前年同期比13.1%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は421,198千円(前年同期比18.6%増)となりました。これは経営管理体制の強化のための役員報酬の増加11,985千円、事業拡大を目的とした人員体制強化による給料及び手当の増加10,401千円が主な要因です。この結果、当事業年度の営業利益は182,261千円(前年同期比2.2%増)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

 当事業年度の営業外収益は新型コロナウイルス感染症関連の給付金等で5,570千円(前年同期比35.9%減)、営業外費用は新規上場にともなう株式交付費等により3,218千円(前年該当なし)となり、この結果、当事業年度の経常利益は184,613千円(前年同期比1.3%減)となりました。

 

(特別利益、特別損失、当期純利益)

 特別利益は、代表者の生命保険解約等により15,686千円(前年同期比5.1%増)、特別損失は、器具備品等の減損処理により2,973千円(前年該当なし)となり、この結果、当事業年度の当期純利益は131,194千円(前年同期比4.4%減)となりました。

 

 財政状態の分析内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」をご参照ください。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

④資本の財源及び資金の流動性

 当社の資金需要のうち主なものは、就職活動イベント開催及び企画制作等の原価(人件費・外注費)、販売費及び一般管理費、また、新たなシステム開発などへの投資資金があります。経常運転資金は、自己資金で賄うことを考えておりますが、新たな投資への資金需要については、株式上場時の新株発行による調達資金の活用及び金融機関からの調達を予定しております。

 

⑤経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等の分析

 当社は、売上高及び売上高営業利益率を重要な経営指標と位置付けております。

 2022年7月期は、就職活動イベントサービスの中でも大学生向けの就職活動イベントの売上高が新型コロナウイルスの感染再拡大の影響を受け減少しましたが、高専生向け就職活動イベントの売上高は「高専プラス」の効果もあり順調に推移しました。この結果、売上高全体では2021年7月期に比し104,810千円増加し、776,148千円となりました。また、売上高の伸長に伴う売上原価の増加、経営体制、事業体制の強化に伴う販売管理費の増加等により、売上高営業利益率は2021年7月期に比し3.1ポイント減少し23.5%になっております。

 今後も引き続き、付加価値の高い就職活動イベントの実施、就職活動に関連する各種サービスの充実、効率的な事業体制の構築に努め、売上高及び営業利益率の改善を目指してまいります。

 

2021年7月期

2022年7月期

売上高(千円)

671,338

776,148

営業利益(千円)

178,355

182,261

売上高営業利益率(%)

26.6

23.5

 

⑥経営成績に重要な影響を与える要因

 経営成績に重要な影響を与える要因については、上記「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

⑦経営者の問題意識と今後の方針について

 経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり認識しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。