第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

(経営理念)

 当社グループは「イノベーションとイノベーション人材で世界をフラットにする」という経営理念を掲げ、未就業者(高専生、大学生)を中心とする求職者に対して、「就職活動が景気動向や企業の採用環境に依存しない社会を作る」という命題の実現のために、様々な「学生イベント事業」に取り組んでおります。

 現在、世界においては国連加盟193ヶ国が掲げるSDGs(※注)国際目標がありますが、定められた17の分野における目標の課題解決には、国を超えた協力体制や一人ひとりの行動が重要になると考えられています。また、この行動を推し進めるのは、「未来を担う若年者の持つイノベーションを引き起こす力」だとも考えられております。

 当社グループは、事業を通してイノベーション人材が数多く育ち、様々な課題に立ち向かいながら、より良い社会が形成されていく一助を担えるよう、邁進しております。

 

※注:SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月の国連サミットで採択された2016年から2030年の15年間で達成するために掲げられた17の分野目標(Goals)と169のターゲット(具体的目標)で構成される国際目標である。例えば、「1.貧困をなくそう」「2.飢餓をゼロに」「3.すべての人に健康と福祉を」などがある。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、就職活動イベントサービスの中でも高専生の就職活動に関する分野のリーディングカンパニーとして、関連する事業の売上拡大と安定的な利益の確保により、高い成長性を継続することを目指しています。そのため、当社グループは、売上高及び売上高営業利益率を重要な経営指標と位置付けております。

 

(3)経営環境及び中長期的な経営戦略

 国内の人材・就職支援業界は、労働人口減少という構造的課題を背景に、持続的な需要が見込まれる産業分野です。厚生労働省の統計においても有効求人倍率は1倍を上回る水準で推移しており、企業の採用意欲は底堅さを保っています。特に、大企業における給与水準の上昇やデジタル化の進展に伴い、高度専門職・IT人材への需要が一段と高まっており、労働市場は依然として売り手優位の状況が続いています。こうした環境の中で、採用活動の形態も変化しています。

 その代表的な例が、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に定着したオンライン面接やデジタル説明会です。これにより、地理的制約を超えたマッチングが可能となり、企業・求職者双方にとって効率的な採用・就職活動の実現につながっています。

 また、少子高齢化の進展や働き方改革・雇用制度の変化により、企業の採用戦略は従来の方法だけでは対応が難しくなっています。人的資本経営や生産性向上に対する社会的要請が強まる中、採用活動や人材育成においてもデータ活用やDXの導入が進んでおり、とりわけ求人マッチングシステムやオンライン面接ツールといったHRテクノロジーを活用したプラットフォームサービスの役割が重要性を増しています。

 こうした労働市場の構造変化とテクノロジーの浸透を背景に、人材・就職支援業界は、引き続き成長余地が大きいものと認識しております。当社グループは、長年培ってきた学校とのネットワークを活かした情報の収集と活用を強みとして、企業と働き手の双方にとって価値あるサービスを提供し、持続的な成長を実現してまいります。

 

①高専生のキャリア支援への注力

 当社グループは、日本全国の高等専門学校58校(国立51校、公立3校、私立4校)を対象に、高専生向け就職活動イベント<当社主催型・学校主催受託型>を実施しております。また、WEBメディア「月刊高専」を軸に全国の高等専門学校の教員と連携することで、高等専門学校の魅力を発信するとともに、就職活動イベントの運営に関して協力体制を構築しております。

 また、高専生向け就職活動イベントは、高専生と参加企業が情報を共有する情報サイト「高専プラス」の効果により、高専生の動員数及び参加企業数が増加し、順調に推移しております。なお、2026年3月卒業予定の高専生のうち、全国の就職希望者の約8割が「高専プラス」に登録するなど、高専生向け就職活動イベントの開催に欠かせないツールとなりました。
 また、年間を通じた伴走型のキャリア支援サービスである「高専人材採用プロジェクト」を立ち上げ、企業と高専生の接点を強化する仕組みづくりを進めております。加えて、成長産業である半導体分野や国家的に注目される防衛産業をテーマとした仕事研究セミナーを開催し、高専生に対して多様なキャリアの可能性を提示しております。これらの新規施策により、参加企業の裾野拡大と学生の関心分野の深化を同時に実現し、事業基盤のさらなる強化につなげております。

 

②WEBコンテンツサービスの拡大

 当社グループは今後の重点施策として、WEBコンテンツサービスの拡大に取り組んでまいります。特に企業の採用サイト制作は、当社が長年培ってきた採用支援ノウハウを活かした取り組みであり、採用意欲は旺盛でありながら人材確保に苦戦している企業から高い需要が見込まれます。

 さらに、本サービスは「高専人材採用プロジェクト」とのクロスセルによる事業拡大を見込んでおり、キャリア支援に関する当社の知見を融合させることで、企業の採用力を総合的に高める仕組みを構築してまいります。今後は、WEB領域における事業を一層拡充し、当社の新たな成長ドライバーへと育成していく方針です。
 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループでは下記の事項を対処すべき課題として取り組みを進めております。

①就職活動イベントにおける品質担保

 当社グループは、高専生向けおよび大学生向けの就職活動イベントを毎年開催しており、その収益は参加学生数や出展企業数に大きく依存しております。特に売り手市場が続く環境下では、学生集客が想定どおりに進まないことが大きな課題となり、イベント運営の安定性に影響を及ぼす可能性があります。

 この課題に対応するため、当社は高等専門学校をはじめとする教育機関との緊密な連携を強化し、学校行事や授業の一環としてイベントを組み込む取り組みを推進しております。あわせて、情報サイト「高専プラス」などのプラットフォームを活用し、学生情報の収集と囲い込みを図ることで、安定的な集客基盤の確立に努めております。

 

②既存事業の収益機会の創出及び拡大

 学生の就職活動を取り巻く環境は、コロナ禍を経て大きく変化し、就職イベントに対する学生の意識は多様化しております。また、当社の事業領域である理工系学生に対する採用ニーズは高まりを見せる一方で、企業の採用プロセスそのものも変化しつつあります。こうした変化に適切に対応できない場合、企業が求める的確なサービスを提供できず、既存事業の収益機会に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループはこのリスクに対応するため、学校との緊密かつ強固な連携を維持しつつ、企業のニーズを的確に汲み取り、サービスへ反映する取り組みを進めております。これにより、環境変化を踏まえた柔軟なイベント運営や新たなサービス提供を実現し、既存事業における収益機会の創出と拡大を図ってまいります。

 

③新規サービスの創出

 当社グループは、高専生向けおよび大学生向けの就職活動イベントの開催を通じて、学生イベントを中心に業容を拡大してまいりました。今後も競争優位性を維持し、持続的な成長を遂げるためには、既存事業の収益機会を拡大するだけでなく、求職者市場のニーズに応える新規サービスの創出が不可欠であると考えております。

その具体的な取り組みとして、新たに「高専人材採用プロジェクト」を開始いたしました。本サービスは、優良中小企業を主なターゲットとし、年間を通じて高専生採用を伴走型で支援する仕組みです。単発のイベントにとどまらず、継続的な採用活動をサポートすることで、企業にとっては安定的に優秀な人材と出会える機会を創出し、高専生にとっても多様な進路の選択肢を提示できる特徴を有しております。

 今後も事業機会を見極め、市場が求めるサービスを創出し続けてまいります。

 

④システム安定性の確保

 当社グループは、「WEB合説サイト」や「高専プラス」といったインターネット上での各種サービスを提供しておりますが、様々な要因によるシステム障害が発生し、学生や企業への満足なサービス提供に支障を来す可能性があります。

 この課題に対処するために、サーバーの増強、安定した通信回線の確保、負荷分散システムの導入などのハードウェア的な取り組みはもとより、システム監視・管理体制の充実などソフトウェア的な側面も重要になります。

 今後もシステム部門を中心に、組織全体での監視・管理体制の強化を図るために、持続的にシステムへの投資やIT人材の採用・増強を行い、システムの安定性を確保する取り組みを進めてまいります。

 

 

⑤経営管理体制の強化

 当社グループは、将来の事業拡大と持続的な成長を達成するためには、事業及び組織運営上の課題を明確に把握し、改善することが不可欠になります。そのためには、コンプライアンスの遵守だけでなく、効果的な経営管理体制の構築とコーポレート・ガバナンスの強化が極めて重要であると認識しております。

 この課題に対処するために、全ての役員及び従業員に対して定期的な教育を実施し、コンプライアンスの遵守と経営管理体制の重要性について幅広く認識を広めております。

 

⑥優秀な人材の確保と労働生産性の向上

 当社グループは、持続的な成長を達成するためには、就職活動イベント企画、WEBサイト構築、システム開発など、高付加価値なサービスを提供できる人材をより多く確保することと、生産性を持続的に向上させることが不可欠だと認識しております。

 この課題に対処するために、当社グループでは、優れた人材を獲得するために持続的な採用活動を行い、従業員への教育・研修体制を充実させるとともに、様々なシステムを構築し連携させることで、組織全体の生産性向上に取り組んでまいります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社の取締役会は、気候変動などの地球環境問題への配慮、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先との公正・適切な取引など、サステナビリティをめぐる課題への対応はリスクの減少のみならず、収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識し、中長期的な企業価値の向上の観点から議論をしています。その実現に向けては、あらゆるステークホルダーとのエンゲージメントが重要であると認識しており、公正かつ透明性の高い経営の実現と、多様な人材が活躍し、働きやすい環境の整備に取り組んでおります。詳細は、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。

 

(2)戦略

①人的資本に関する戦略

 当社グループの人材の育成及び社内環境整備に関する方針として、様々な人材が多様な働き方で能力を発揮できるようにテレワークや選択式時差出勤などを採用しております。また、女性役員・女性管理職の比率を上げるための取り組みも進めてまいります。

 

②事業を通じた社会問題の解決

 当社グループは、持続的な成長と企業価値向上の実現に向けて、以下をSDGsの主要目標として取り組んでまいります。
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(3)リスク管理

 サステナビリティに関する全社的なリスク管理に関して、当社グループは、持続的な成長を確保するために「倫理・コンプライアンス規程」を定めており、サステナビリティ関連のリスク及び機会を、その他経営上のリスク及び機会と一体的に監視及び管理しております。詳細は、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ④ リスク管理体制の整備の状況」をご参照ください。

 

(4)指標及び目標

 当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

管理職に占める女性の割合

30.0

25.0%

役員に占める女性の割合

30.0

37.5%

 

3【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業環境に関するリスク

①企業の人材採用ニーズについて

 当社グループは、高専生や理工系の大学生向けの就職活動イベントを主たる事業としているため、企業の採用ニーズに影響を受ける可能性があります。

 当社グループの提供する就職活動イベントは、中途採用よりも景気変動の影響を受けにくい新卒採用向けのサービスでありますが、当社グループの想定を上回る景気悪化等の発生により、企業の雇用水準が低迷する事態が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②システム開発について

 当社グループの就職活動イベントは、全国各地において対面形式で開催するのが主流ではありますが、就職活動環境の変化を考慮し、学生及び企業のニーズを捉え、今後も機能面やセキュリティ面に優れ、かつ、利便性の高い「WEB合説サイト」の機能の充実や学生と企業の情報を効率的にマッチさせる「企業情報サイト(高専プラス)」によるサービス向上が必要であると考えております。

 当社グループは自社内でシステムに関する「要件定義」「機能定義」「構成管理」「計画立案」等のいわゆる上流工程のシステム開発を行っており、また、信頼のある外部委託先とも連携することで、スピードを重視した開発体制を構築できております。

 しかしながら、当初計画に沿ったシステム開発が行われない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③感染症リスクへの対策について

 当社グループは、新型コロナウイルス感染症などの感染症リスクを「倫理・コンプライアンス規程」に基づきリスク管理の対象リスクに指定しており、社内外からの最新情報に基づき、イベント開催方法及び各種感染症対策等の判断を行っております。

 また、当社グループは、高専生や理工系の大学生を中心とする専門性の高い人材を主体にイベントを開催しており、参加企業は、主に上場企業・大手企業などの優良企業であることから、感染症が収益に与えるリスクは最小限にとどめており、業績への影響は軽微であると判断しております。

 しかしながら、近年の新型コロナウイルス感染症の拡大・蔓延により、当社グループの特徴である対面形式のイベントからオンライン形式イベントへ開催形式の変更を余儀なくされ、また、一部の業種において、業績の低迷に伴う新規採用意欲の低下などがみられたように、これらの感染症などの影響が長期化する場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)当社グループの事業内容及びサービスに関するリスク

業績の季節変動について

 当社グループが提供する高専生及び理工系の大学生向け就職活動イベントは、年間の就職活動イベントの開催時期の決定について、学生及び企業のニーズ、競合企業の状況等を勘案して決定しておりますが、高専生及び理工系の大学生の就職活動時期・日本経済団体連合会から発表される「採用選考に関する指針」などの影響を受け、変動する可能性があります。

 なお、現在は、12月から翌年1月にかけて、高専生及び理工系の大学生向け就職活動イベントを多く実施していることから、当社グループの売上高もそれらの期間と重なる第2四半期に偏る傾向があります。そのため、採用選考の流れに大きな変化がある場合、当社グループの通年の売上への影響は僅少なものの、四半期売上に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2025年7月期の売上高並びに営業利益及び営業損失)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期

売上高(百万円)

163

999

188

185

1,536

営業利益又は営業損失(△)

(百万円)

△91

585

△137

△63

294

 

(3)法的規制及び知的財産権等に関するリスク

①個人情報の保護について

 当社グループは、事業の性格上、就職活動を行う高専生及び大学生に関して住所・氏名・連絡先等の収集を必要とし、当社グループではこれらの個人情報等を厳重に管理しております。当社グループは、個人情報の収集とその利用に対する法的規制を遵守し、また、取引先、高等専門学校・大学の担当職員等の関係者、学生の各方面からの信頼性を一層高めるために、経済産業省の外郭団体である「一般財団法人日本情報経済社会推進協会」が付与する「プライバシーマーク(認定番号:第18860278号)」の認定を2020年5月に受けております。また、個人情報を収集するシステムに関しては、第三者機関のセキュリティ検査を実施するなど、適切に個人情報を管理する仕組みを構築しております。

 当社グループでは上記のとおり、個人情報等の管理について細心の注意を心掛けておりますが、当社グループにおいて何らかの理由により個人情報等の漏洩が生じた場合には、当社グループの顧客等の当社グループに対する信頼の著しい低下等により、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②電気通信事業について

 当社グループは、電気通信事業法上の電気通信事業者として届出を行い受理されております。現在において、当社グループの事業に対する同法による規制強化等が行われるという認識はありませんが、社会情勢の変化等により、当社グループの事業運営を制約する規制強化等が行われる可能性は否定できません。当社グループは、これらの法規制を遵守した運営を行ってきており、今後の社内教育や体制の構築等を行っていく予定であります。万が一、かかる規制の強化がなされた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、近年、インターネット関連事業を規制する法令は度々変更・追加がなされており、今後新たな法令等の規制がなされた場合には、当社の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

 

③知的財産権について

 当社グループの提供する商品・サービスが第三者の特許権、著作権等の知的財産権を侵害する可能性については、弁理士等の外部専門家を通じて調査を行っておりますが、当社グループの提供する商品・サービスに関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社グループが認識せずに他社の知的財産権を侵害してしまう可能性は否定できません。

 また、将来当社グループが提供する商品・サービスに関連して、当社グループが知的財産権を取得するよりも前に他の事業者等が特許権その他の知的財産権を取得する可能性があります。

 これらの場合、当社グループに対する訴訟等が発生し、当社グループが提供するサービスに影響が出る可能性があるほか、当該訴訟等への対応のために必要となるコストの発生により当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)組織体制に係るリスク

①優秀な人材の確保及び育成について

 当社グループの事業が継続的に成長していくためには、優秀な人材の確保、人材の育成及び定着は、経営上の重要な課題であります。当社グループは、必要な人材を確保するため十分な採用予算を確保し、また社員に対する教育を通じ、当社グループの将来を担う優秀な人材の確保・育成に努めております。また、競合企業の給与水準を考慮した給与モデルを設定するなど、待遇改善に着目することで、定着率の向上を図っております。

 しかしながら、必要な人材の採用が想定どおり進捗しない場合、あるいは育成した役職員が退職した場合には、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②システム人員の確保及び教育について

 当社グループが事業展開している就職情報業界では、学生と企業をつなぐ人工知能を用いたマッチングの仕組みや機能性の高いWEB面接システムの開発など技術革新や顧客ニーズの変化のスピードが非常に早く、インターネット関連の技術革新やその変化に柔軟に対応する必要があります。

 当社グループにおいても、最新の技術動向や環境変化を常に把握できる体制を構築するだけではなく、優秀な人材の確保及び教育等により技術革新や顧客ニーズの変化に迅速に対応できるよう努めております。しかしながら、当社グループが技術革新や顧客ニーズの変化に適時に対応できない場合、または、変化への対応のためにシステム投資や人件費等多くの費用を要する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③新規事業について

 当社グループは、高専生向け就活イベントサービスを中心としたキャリア支援事業を主たる事業領域としておりますが、さらなる業容拡大のため、継続的に新規サービスの開発に取り組んでおります。

 しかしながら、安定的な収益を上げるためには、ある程度期間を要する場合があり、新規事業計画が順調に進まなかった場合には、人件費や広告費等の先行投資により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④小規模組織について

 当社グループの従業員は73名(2025年7月31日現在)であり、従業員一人当たりの業務領域が広汎に亘ることがあります。人材育成の観点では好ましい環境である一方、急速に業務量が増加する局面において役職員の負荷が増大し、業務効率に影響を与える可能性があります。

 当社グループは、今後、事業拡大に応じた人員増強、内部管理体制の充実を図る方針でありますが、事業の拡大に応じた人員増強が順調に進まなかった場合や内部管理体制の充実がなされなかった場合には、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤特定人物への依存について

 当社の創業者であり代表取締役社長である田中浩二は、当社創業以来当社グループの事業に深く関与しており、当社グループの経営戦略の構築やその実行に際して重要な役割を担っております。当社グループは特定の人物に依存しない体制を構築すべく組織体制の強化を図っており、同氏に過度に依存しない経営管理体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏の業務執行が困難になった場合、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)その他のリスク

①新株予約権の行使による株式価値の希薄化

 当社グループでは、当社の役職員に対するインセンティブを目的として新株予約権を付与しており、当連結会計年度の末日現在における発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は2.2%に相当しております。これらの新株予約権が行使された場合には、当社グループの株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。

 

②当社代表取締役社長田中浩二の持株比率について

 当社の代表取締役社長である田中浩二は、当連結会計年度の末日現在で発行済株式(自己株式を除く)の総数に対する62.49%を保有しております。

 同氏は大株主である一方、経営者としての受託者責任を負う身であり、その議決権行使に当たっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益や様々なステークホルダーの権利・立場に配慮しながら慎重に行う方針であるほか、将来的には役職員に対する各種インセンティブプランの実施や業容に応じた株主づくり等により同氏持株比率は相対的に減少するものと考えております。

 なお、もとより、経営陣における業務執行は、法令・諸規程等に基づき行うことはもちろん、取締役会においては、社外取締役や監査役を含めた活発な議論を行うほか、取締役相互間の監督機能と監査役及び監査役会の能動的・積極的な権限行使を通じてコーポレート・ガバナンスの実効性を担保し、少数株主の利益が害されることのないよう努めてまいります。

 このように、同氏は、当社の創業者であるとともに代表取締役社長であるため、今後も当社の安定株主であるだけでなく、株主をはじめとするステークホルダーの期待に沿うべく今後も行動するものと認識しておりますが、同氏の投資行動により、当社グループの事業運営に何らかの影響があった場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績ひいては当社株式の市場価格及び流通状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は1,460,044千円となり、前連結会計年度末に比べ272,617千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が281,077千円増加し、売掛金が10,651千円減少したこと等によるものであります。固定資産は326,489千円となり、前連結会計年度末に比べ36,348千円減少いたしました。これは有形固定資産が2,949千円、無形固定資産が30,415千円、投資その他の資産が2,983千円減少したことによるものであります。この結果、資産合計は、1,786,534千円となり、前連結会計年度末に比べ236,268千円増加いたしました。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は238,213千円となり、前連結会計年度末に比べ15,757千円増加いたしました。これは主に未払法人税等が24,825千円減少し、契約負債が37,886千円増加したこと等によるものであります。固定負債は24,245千円となり、前連結会計年度末に比べ1,627千円増加いたしました。これは退職給付に係る負債が1,627千円増加したことによるものであります。この結果、負債合計は、262,459千円となり、前連結会計年度末に比べ17,385千円増加いたしました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は1,524,075千円となり、前連結会計年度末と比べ218,883千円の増加となりました。これは、新株予約権の行使により資本金並びに資本剰余金が550千円、及び親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が217,783千円増加したことによるものであります。

 

②経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、賃金上昇やインバウンド需要の拡大を背景とした個人消費の回復や、企業の設備投資の持ち直しにより、緩やかに回復基調を維持しました。一方で、エネルギー価格の高止まりや為替の変動、物価上昇の継続、さらに米国の関税政策を巡る不確実性の高まりなど、先行きには引き続き注意が必要な状況が続いています。

 人材・就職支援業界においては、有効求人倍率が2025年7月時点で1.22倍(厚生労働省調査)と安定した水準を維持するなか、少子化の進行による学生数の減少やキャリア観の多様化を受け、企業による採用競争は一層激化しています。特に、理工系人材や高度なデジタルスキルを有する学生へのニーズが高まり、企業には従来以上に個別化された多様な採用手法が求められています。
 こうした状況を受け、企業各社ではスキルベースの選考や長期インターンシップの活用、AI・データ分析を用いた選考プロセスの高度化など、採用戦略の高度化が進展しています。また、人的資本経営の視点から、採用段階から育成・定着を見据えた包括的な人材戦略への関心も高まっており、就職支援サービスにも新たな価値提供が求められています。
 このような外部環境のもと、当社グループは収益性の向上と持続的成長を見据えた戦略的な営業活動に注力しました。
 主力事業である「高専生のための仕事研究セミナー」等の採用支援イベント分野では、企業の積極的な採用姿勢を的確に捉え、企画力・運営力を活かしたサービス展開により、収益性の改善を図りました。特に、注力した地域開催型イベントや特定業界に特化したセミナーでは、学生と企業の双方から高い満足を得られ、ブランド価値の向上に寄与しました。
 また、下期に開催した「高専生・理工系学生のための半導体/防衛産業仕事研究セミナー」や「高専起業家サミット」などの特色あるイベントは、学生の多様なキャリア志向に対応する効果的な学生接点を創出しました。さらに、年間を通じた伴走型支援を特徴とする採用代行サービス「高専人材採用プロジェクト」では、学校訪問や工場見学会の企画運営、企業と高専が連携して実施するPBL(課題解決型授業)などを通じて、学生との接点創出及び企業理解の促進を図り、顧客企業からの信頼を獲得し、収益基盤を強化しました。

 これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は1,536,683千円(前年同期比33.0%増)となり、営業利益は294,035千円(前年同期比55.0%増)、経常利益は297,137千円(前年同期比53.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は217,783千円(前年同期比107.3%増)となりました。

 セグメント別の経営成績の状況は、以下のとおりであります。なお、当社グループは、従来「学生イベント事業」の単一セグメントとしておりましたが、当連結会計年度より、株式会社アドウィルの全株式取得に伴う業務管理区分の見直しを行い、単一セグメントから「キャリア支援事業」「WEBコンテンツサービス事業」の2区分に変更いたしました。また、当連結会計年度の比較・分析は、前連結会計年度のセグメント情報を当連結会計年度の報告セグメントの区分に基づき変更し、記載しております。

a.キャリア支援事業

 学生イベントの単価見直し及び「高専人材採用プロジェクト」の取引拡大により、売上高は1,289,732千円(前年同期比20.7%増)、セグメント利益は603,477千円(前年同期比18.4%増)となりました。

 

b.WEBコンテンツサービス事業

 株式会社アドウィルの新規連結等による売上高及びコストの増加等により、売上高は247,384千円(前年同期比181.2%増)、セグメント損失は17,353千円(前連結会計年度は36,628千円の損失)となりました。
 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ281,077千円増加し、当連結会計年度末には1,389,507千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、得られた資金は281,626千円(前連結会計年度は128,249千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が295,795千円、のれん償却額が15,213千円、契約負債の増加額が37,886千円、法人税等の支払額が102,837千円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、使用した資金は1,648千円(前連結会計年度は117,975千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出748千円、敷金の差入による支出988千円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、得られた資金は1,100千円(前連結会計年度は17,280千円の収入)となりました。これは、株式の発行による収入1,100千円によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

イ 生産実績

 当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

ロ 受注実績

 当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

ハ 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

サービスの名称

当連結会計年度

(自 2024年8月1日

至 2025年7月31日)

前年同期比(%)

キャリア支援事業(千円)

1,289,732

120.7

WEBコンテンツサービス事業(千円)

246,950

284.2

合計(千円)

1,536,683

133.0

(注)1.当連結会計年度において、WEBコンテンツサービス事業の販売実績に著しい変動がありました。これは、前連結会計年度に連結子会社化した株式会社アドウィルの損益を当期より連結対象に含めたことによるものです。

(注)2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10に該当する相手先がないため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

②経営成績及び財政状態の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は1,536,683千円(前期比33.0%増)となりました。主な内訳としましては、キャリア支援事業の売上が1,289,732千円、WEBコンテンツサービス事業の売上が246,950千円であったことによるものであります。

 

(売上原価、売上総利益)

 当連結会計年度の売上原価は450,332千円(前期比60.2%増)となり、売上総利益は1,086,350千円(前期比24.3%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は792,315千円(前期比15.8%増)となりました。これは主に株式会社アドウィルを連結の範囲に含めたこと等によるものであります。この結果、当連結会計年度の営業利益は294,035千円(前期比55.0%増)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

 当連結会計年度の営業外収益は、受取利息1,029千円や代理店手数料818千円等により3,101千円となりました。この結果、当連結会計年度の経常利益は297,137千円(前期比53.3%増)となりました。

 

(特別利益、特別損失、当期純利益)

 当連結会計年度の特別損失は、減損損失1,174千円及び固定資産除却損167千円により1,342千円となりました。この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は217,783千円(前期比107.3%増)となりました。

 

 財政状態の分析内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」をご参照ください。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

④資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの資金需要のうち主なものは、就職活動イベント開催及びWEB制作等の原価(人件費・外注費)、販売費及び一般管理費であります。経常運転資金は、自己資金で賄うことを考えておりますが、新たな投資への資金需要については、金融機関からの調達等を予定しております。

 

⑤経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等の分析

 当社グループは、売上高及び売上高営業利益率を重要な経営指標と位置付けております。

 今後も引き続き、付加価値の高い就職活動イベントの実施、就職活動に関連する各種サービスの充実、効率的な事業体制の構築に努め、売上高及び営業利益率の改善を目指してまいります。

 

⑥経営成績に重要な影響を与える要因

 経営成績に重要な影響を与える要因については、上記「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

⑦経営者の問題意識と今後の方針について

 経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり認識しております。

 

5【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。