文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社は2000年の創業当初よりサービス展開を続けているペイメント、2014年よりサービス展開を開始しているフィナンシャルクラウドの二事業を有しております。当社は、代金回収の仕組み、サブスクリプションビジネス向けの機能や顧客管理データベースをコアバリューとし、それらを活かし、かつ世の中の課題を解決するソリューションを両事業において提供しております。
当社のビジョンは「お金をつなぐクラウドで世の中を笑顔に」です。上述した当社のコアバリューを軸として既存サービスの拡張による周辺領域への進出や新サービスの開発を行ってまいります。特に、現在の顧客の大半がサブスクリプションビジネスを有する顧客であることから、サブスクリプションビジネスを中心とした顧客ビジネスをより多面的にサポートするサービス展開を進めてまいります。当社は、それらを通じて企業のお金をテクノロジーでつなぐサービスでお客様を成功に導き、日本を、そして世の中を幸せにし、皆を笑顔にすることを目指します。
また、収益構造については、安定的な経営基盤を引き続き強化すべく、リカーリングビジネスを志向し、収益が地層構造のように着実に積み上がるビジネスモデルを今後も推し進めてまいります。
(2)経営環境
当社の各事業を取り巻く経営環境については、以下の通りです。
① ペイメント
インターネット決済代行サービスが立脚するネット決済代行サービス市場は国内EC市場の成長を背景に今後も堅調な伸びが予想されています。デロイトトーマツミック経済研究所株式会社「ECにおけるネット決済代行サービス市場の現状と展望2020年度版」(2020年6月)によれば、新型コロナウイルス感染症をきっかけに誕生する新たなオンラインビジネスや新たなEC利用者層も加わり、EC化率の益々の上昇が見込まれ、その市場規模は2024年度には約5,700億円になると予測されております。
(出典:デロイトトーマツミック経済研究所株式会社 「ECにおけるネット決済代行サービス市場の現状と展望2020年度版」(2020年6月)より当社作成)
また、当社のインターネット決済代行サービスはサブスクリプションサービスを展開する事業者に多くご利用頂いておりますが、株式会社ICT総研「2020年 サブスクリプションサービスの市場動向調査」(2020年2月)によると、サブスクリプションサービス市場は今後も様々な業種の参入もあり、活性化、拡大が予測されており、その市場規模は2023年には約1.4兆円(2019年比126%)まで拡大するとのことです。
以上の通り、EC市場、サブスクリプションサービス市場ともに、新型コロナウイルス感染症の影響は限定的であり、むしろその好影響を受けつつ堅調な成長が見込まれます。当社インターネット決済代行サービスはネット決済代行サービス市場に立脚し、サブスクリプション向けの機能の強みを持つことから、その重要性はより高まっていくものと考えております。
② フィナンシャルクラウド
総務省が発行した「情報通信白書平成30年版」(2018年7月)によると、急速に進む少子高齢化の結果、我が国の15歳から64歳の生産年齢人口は既に減少の一途をたどっており、2017年の7,596万人が2040年には5,978万人まで減少することが推計されており、社会的・経済的な課題として労働力不足は深刻化していくことが見込まれます。一方、フィナンシャルクラウドが立脚しているSaaS市場はソフトウエア投資において、その占有率を徐々に増やしており、そのトレンドは今後も継続されることが見込まれております。また、総務省公表の「我が国のICT現状に関する調査研究」(2018年3月)によると、2017年の日本のSaaS導入率は41%に対して米国の導入率は79%であり、国内のSaaS市場は米国と比較するとまだまだ拡大する余地があることが推察されます。さらに、総務省が発行した「令和2年版 情報通信白書」(2020年12月)では、企業のクラウドサービス利用率が2019年には64.7%(前年比+6.0%)となっており、様々な企業でクラウドサービスが活用されてきていることが窺えます。その利用状況の回答内容においても、「全社的に利用している」「一部の事業所または部門で利用している」ともに割合が増えております。同白書によれば、クラウドサービスを利用している企業の85%を超える企業が非常に、もしくはある程度効果があったと回答しており、効果を実感しているとのことです。クラウドサービスを利用する企業は毎年堅調に増え続けており、顧客満足度も追い風として、今後さらにクラウドサービス市場は成長が見込まれると言えると考えております。それらを背景に、ソフトウエア投資における提供形態別の市場規模の推移では、今後SaaS型での提供のシェアが益々上がるものと予測されております。株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2020年版」(2020年9月)によれば、ソフトウエア投資におけるSaaS比率は2024年度には56%に達すると見込まれております。
(出典:株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2020年版」(2020年9月)より当社作成)
加えて、株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2020年版」(2020年9月)によると、2020年4~6月のソフトウエア投資は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で日本企業の売上が減収になる中でも、前年比でプラスを維持しています。
(出典:株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2020年版」(2020年9月)より当社作成)
また、経済産業省が2018年9月に発表した「DXレポート」で謳われている「2025年の崖」、電子帳簿保存法や2023年10月に始まる電子インボイス制度などにより、請求業務を含む様々な業務改善やデータ活用といった切り口でソフトウエア投資が国内において広まっていくものと考えております。
以上の通り、人口減少が我が国の経済成長の大きな壁となりうると考えられる中で、我が国経済の発展のために、人手不足を補い、労働生産性を向上させるために、ソフトウエア投資、特にその中でもSaaSの利活用がその利便性などから今後さらに注目されることが見込まれます。
さらに、経済産業省が2020年7月に発表した「令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)」報告書では、2019年における企業間電子商取引は約353兆円となったと報告されております。一方、請求管理ロボが処理した取引金額は2020年には約2,660億円(前年比151%)へ成長したものの、上記約353兆円と比較すると相対的にはまだごくわずかの取引金額であります。
以上より、当社のフィナンシャルクラウドの大きな成長機会が存在していると考えております。
(3)経営上の目標の達成状況を客観的に判断するための指標等
当社の事業はこれまで説明した通り、既存顧客から継続的に上がるリカーリング収益が売上の大半を占め、安定的かつ主要な収益基盤となっております。そのため、両事業におけるリカーリング収益比率、さらにそのリカーリング収益を生み出している既存のアカウント数やアカウント毎のARPAを当社の経営上重要な指標として定めております。
(4)経営戦略
当社は上記の通り、経営上重要な指標を定めております。各指標を着実かつ持続的に向上させる取り組みを行い、企業価値の最大化を目指してまいります。具体的な取り組みについては、下記「(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」をご覧ください。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
(ペイメント)
① 新規契約アカウントの増加
・当社インターネット決済代行サービスの認知の拡大:当社及びそのサービスの認知度はまだ改善の余地が多いと考えており、webマーケティングを中心にマーケティングを強化し、認知向上を目指します。主なターゲットとしているサブスクリプションビジネスへの当社サービスの価値訴求を重点的に強化してまいります。
・営業体制の強化:問い合わせに適時適切に対応し契約に結び付けるために、営業人員の増員や教育に注力してまいります。
・フィナンシャルクラウドとのクロスセル:請求管理ロボの既存顧客で当社インターネット決済代行サービスを利用していない顧客が未だ多く存在しております。クロスセルによる当社決済サービスの利用アカウント拡大にも注力してまいります。
・パートナー拡大:効率的に問い合わせを増やすためには、システム開発会社などのパートナーを増加させ、共存共栄のエコシステムを構築することが必要と考えております。
② ARPAの向上
サービスの機能強化とそれを支える開発力:サブスクリプションビジネスに顕著なように、既存顧客の管理や継続的なサービスの付加価値の向上の重要性が高まっております。機能強化を通じて当社サービスの付加価値向上、それによるARPAの向上が収益性の向上には必要と考えております。また、それを可能とする開発体制の整備、強化が必要と考えております。
(フィナンシャルクラウド)
③ 新規契約アカウントの増加
・マーケティングの拡大:webマーケティングやタクシー広告、各種展示会への出展を中心に問い合わせを獲得してきましたが、さらにマスに訴求するマーケティングなどの活用も検討しながら、費用対効果を鑑みて効率的に問い合わせを増加させる施策を強化してまいります。
・営業体制の強化:2019年末よりインサイドセールス課・アカウントセールス課の2課体制を敷いて、営業活動のプロセス毎の分業体制を整備しました。今後各チームの各プロセスにおける習熟度の向上、増員、各プロセスにおける適切なKPIの設定を通じて営業体制をさらに強化してまいります。
・他社システムへの請求管理ロボの「組み込み」:請求管理ロボ単体で解決できない課題を持っている潜在顧客が多く存在していると考えております。顧客管理システムや会計システムなど請求業務を起点とした周辺業務向けのシステムとの連携を強化し、請求管理ロボの一部または全部の機能を他社システムに組み込んでもらい、請求管理ロボ単体、他システム単体では解決できない課題を持っている顧客へのアプローチを、他社と協力して進めてまいります。
④ ARPAの向上
・Salesforce®との連携:現在フィナンシャルクラウドの顧客の大半がクラウド版の請求管理ロボを利用しております。一方で、「請求管理ロボ for Salesforce」やSalesforce®とのAPI連携により、大手顧客においてニーズが高いとされるカスタマイズ性が具備されたサービス提供が可能となります。大手顧客はARPAが高い領域と考えており、今後当該顧客セグメントへ販売を強化していくことが事業の成長には重要と認識しております。
・アップセル:当社の決済システムに連携できる決済連携オプション、請求書のカスタマイズが可能になる請求書カスタマイズオプションや請求業務のアウトソースを可能にするまるなげオプションなど多様なオプションを展開しております。既存顧客へのオプションの拡販やさらに幅広い顧客のニーズに応えるべくオプションのラインアップを強化し、ARPAの向上を目指してまいります。これにより同一顧客からの新たな収益の獲得に繋がり、収益性の向上に資すると考えております。
⑤ 請求管理ロボの迅速な導入のためのサービス強化
・インプリメントサービス(注)の強化:請求管理ロボを迅速かつ効果的に活用いただくためには、顧客のニーズやシステム環境に応じた導入支援、場合によっては外部ベンダーを利用したシステム構築を行う必要があり、そのサポート体制の有無が契約に影響を及ぼす可能性があります。当社内部にてインプリメントを担う人材の育成を行うとともに、外部ベンダーをパートナーとし、顧客の状況に応じた導入、実装に関する支援を行い、契約増加、導入促進、ひいては顧客満足度の向上を目指してまいります。
(注)インプリメントサービス:要件定義からサービスの実装・運用までのコンサルティング、及びサービスの設定などのサービスのこと。
⑥ 解約率の低減
・ペイメントとのクロスセル:請求管理ロボとインターネット決済代行サービスのクロスセルが解約率低減に効果があると考えており、顧客の業務フローにより密に入り込んでいくために、クロスセルの推進が重要な経営課題と認識しております。
・API連携強化:API連携を推進することで、他システムとの多面的な連携が可能となり、顧客の業務フローに欠かせないサービスになると考えております。
・カスタマーサクセスの強化:2020年にカスタマーサクセスチームを新設し、解約率の低減を目指しております。具体的には、新規顧客が請求管理ロボを導入する際の導入支援や利用が少ない顧客へのコンサルティングなどで、解約を未然に防ぐ施策を講じておりますが、体制が整備されてから1年程度とまだ日が浅く、人員を中心とする体制面や提案力など、まだ改善余地が多くあります。人員補充を進めるとともに、提案力を強化し、顧客の課題解決により貢献し、解約率の低減を引き続き目指してまいります。
(両事業共通)
⑦ 優秀な人材の確保
当社は、今後、事業拡大を継続していくためには、上記の通り、営業、カスタマーサクセス、開発等において優秀な人材の確保が不可欠であると考えております。当社のミッション、ビジョンに共感してもらえる優秀な人材を獲得し、合わせて、教育プラン、評価制度、働きやすい環境を整備することで、個人のスキルアップを促しつつ、当社への定着率の向上に努めてまいります。
⑧ サービス機能の拡充
インターネット業界においては常に技術革新が起こっており、様々な顧客ニーズに応えるべく、各社が提供するサービスのアップデートを日々行っております。当社も既存顧客の満足度を向上させながら、顧客基盤をさらに広げるべく、新たなサービス機能の追加を行い、サービス提供を拡大してまいります。また、そのために必要な開発体制の整備を進めてまいります。
⑨ 利益およびキャッシュ・フローの創出
当社のフィナンシャルクラウドは上述した通りSaaSビジネスであります。リカーリング収益が収益の大半であるため、顧客のサービス利用が継続すればするほど収益が地層のように積み上がるモデルとなっております。そのため、ITサービス業界における伝統的なシステムの一括売り切り型のモデルと比較すると、サービス開始直後において、売上高に対する開発費用や顧客獲得費用の割合が相対的に大きくなる傾向があり、収支的には赤字が先行するという特徴があります。
一方で、当社が創業以来サービスを継続しているペイメントは、インターネット決済代行サービス市場の堅調な成長にも支えられ、当社のキャッシュカウビジネスとして売上、利益ともに安定的に成長をしております。そのためSaaSビジネス単体のみの企業に比べて、全社で見るとキャッシュ・フローが安定しており、外部からの資金調達に大きくは依存しない体制となっております。
当社としては、フィナンシャルクラウドにおける持続的な成長を実現するため、引き続き投資は継続しながらも、同事業の営業利益率の改善を目指すとともに、ペイメントの成長も引き続き発展させることで、全社的な利益やキャッシュ・フローの最大化に努めてまいります。
⑩ 内部管理体制とコーポレート・ガバナンスの強化
当社が持続的な成長を維持していくためには、内部管理体制の強化を通じた業務の標準化・効率化が重要であると考えております。それらの実効性を高めるための環境を整備し、組織的な統制・管理活動を通じてリスク管理を徹底するとともに、業務の標準化と効率化を目指しております。また、コーポレートガバナンス・コードの基本原則に従い、株主の皆様をはじめとする全てのステークホルダーからの社会的信頼に応えていくことを企業経営の基本的使命とし、コンプライアンス体制の強化、迅速かつ正確な情報開示の充実に努め、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでまいります。2020年10月には取締役会の諮問機関として指名・報酬諮問委員会を設置いたしました。同委員会は委員の過半数が社外役員によって構成されており、取締役の指名、報酬体系の決定プロセス等について、より透明性と客観性を確保してまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業環境について
① ペイメント事業の市場動向について
当社は、ペイメント事業においてインターネット決済代行サービスを提供しております。インターネットの発展や各種高機能モバイル端末の普及などによりEC化率が上昇し、インターネット上の商取引が増加傾向にあるため、当事業の売上拡大余地は大きいものと考えております。しかしながら、経済情勢や法的規制など様々な要因により、インターネット上の商取引が急激に落ち込んだ場合、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
② フィナンシャルクラウド事業の市場動向について
当社は、フィナンシャルクラウド事業において請求管理ロボを提供しております。当事業が立脚するクラウドサービス市場はその利便性から今後も拡大が期待されており、当事業は今後も引き続き同市場を基盤とした事業を展開する計画であります。しかしながら、今後、経済情勢や景気動向により同市場の拡大が鈍化、縮小するような場合には、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 競合他社について
インターネットの利用者は年々増加しており、それに伴い、インターネットに関連する事業への参入も年々増加しております。当社は顧客のニーズに合ったサービスの継続開発を行うことで優位性を高めております。しかしながら、インターネットを介したサービスの開発、提供は新規参入の技術的な障壁が必ずしも高いとは言えず、資金力、ブランド力を有する大手企業をはじめとする競合他社により類似したサービスが開発され、価格を始めとする競合環境が激化した場合や、より画期的な機能を包含した新たなサービスが出現した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 技術革新への対応について
当社が各種サービスを提供するインターネット業界においては、新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が頻繁に行われており、変化の激しい業界となっております。そのため優秀なエンジニアの人材確保に取り組み、常に新しい技術要素をエンジニアに習得させておりますが、何らかの理由で技術革新への対応が遅れた場合、当社が提供するサービスの競争力が低下する可能性があります。
また、新技術への対応のため、予定していないシステムへの投資が必要となった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを回避するためにエンジニアの採用強化、資格取得補助等を実施し、リスクの低減を図っております。
⑤ 法規制について
本書提出日現在において、当社の事業が国内において事業を行う上で、適用を受ける直接的かつ特有の法規制等は「割賦販売法の一部を改正する法律」により改正された割賦販売法上の規制を除いては存在しないと考えております。ただし、会社法や電気通信事業法をはじめとする企業活動に関わる一般的な法令諸規制の適用を受けております。当社はこれらの法規制を遵守してサービス提供をしておりますが、新たな法規制の制定や改正が行われ、当社が提供するサービスが新たな法規制の対象となる場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ ペイメント事業における関連法令について
ペイメント事業においては、2021年4月1日に「割賦販売法の一部を改正する法律」が施行され、当社のような決済代行業者についても、クレジットカード番号等の適切管理が義務化されました。現状、当社は、当改正で求められるクレジットカード番号等の適切管理のための「必要な措置」として、後記のとおり、「PCI DSS」に準拠した対応をとっているほか、法改正に適切に対応しており、当改正は、ペイメント事業の業績に影響があるものではありません。 他方、当社の重要な契約の締結先であるクレジットカード会社は、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」の適用を受けており、当社の加盟店の中には「特定商取引法」の適用を受ける先があります。これらの法律の適用を受けるペイメント事業の取引先が法令に違反した場合や行政の指示・指導により事業に制約を受けた場合、ペイメント事業が取扱う決済件数や決済金額の変動等を通じて、ペイメント事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、現時点の法規制等に従って業務を遂行しており、また、弁護士や外部諸団体を通じて新たな法規制及
び加盟店を含めた取引関係先の法規制改正の情報を直ちに入手できる体制を整えております。
しかしながら、今後クレジットカード業界に関する法規制、及びペイメント事業の顧客である加盟店の事業に関連する法規制等の制定により、ペイメント事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 個人情報の保護について
当社は、提供サービスに関連して個人情報を取り扱っているため、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。具体的には、ペイメント事業の決済システムにおいては、クレジットカード情報などの重要な情報を管理しており、フィナンシャルクラウド事業においては、企業情報、取引情報をはじめとした機密情報を取り扱っております。そのため、個人情報保護に関しては重要課題と認識しております。ペイメント事業における決済システムは、JCB・American Express・Discover・Visa・Mastercardのクレジットカードの国際ブランド5社が共同で策定した、国際セキュリティ基準「PCI DSS」については、2010年5月に最初の認証を取得した後、毎年更新される最新の認証を取得しております。その他、個人情報の取扱いに関しては、日本工業規格「JIS Q 15001:個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」に適合して、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備している事業者等を認定するプライバシーマークを取得しており、法律への適合性に加え、自主性により高いレベルの個人情報保護マネジメントシステムを確立及び運用しております。
このように当社は、個人情報の外部漏洩防止施策に加えて、法令及び各種ガイドラインに基づき、個人情報保護基本規程を制定し、個人情報取扱フローの明確化を図っております。また、同規程に基づき、定期的に役職員への教育を実施し、個人情報の保護に積極的に取り組んでおります。
しかしながら、外部からの不正アクセスや当社関係者の故意又は過失によりペイメント事業における当社が保持するカード情報などの個人情報が流出する等の問題が発生した場合には、当社の顧客等に対する信頼の著しい低下、賠償金支払い等により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 知的財産権について
当社が運営するサービスにおいて使用する商標、ソフトウエア、システム等については、現時点において、第三者の知的財産権を侵害するものではないと認識しております。今後も、第三者の知的財産権の侵害を回避するため、弁理士等の外部専門家と連携していく方針であります。
しかしながら、当社の事業分野で当社が認識していない知的財産権が既に成立している可能性は否定できません。そのような場合、当社が第三者の知的財産権を侵害したことによる損害賠償請求や使用差し止め、権利に関する使用料等の支払請求がなされ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 新型コロナウイルス感染症の感染拡大について
新型コロナウイルス感染症の感染拡大や政府による緊急事態宣言の発令を受け、当社ではテレワークを推進する環境整備を進め、テレワークを推奨し、顧客への提供価値を下げることなく、従業員とそのご家族の安全を確保する取り組みを実施してまいりました。
現在、業績に大きな影響を与えるような状況は生じておりませんが、感染拡大による経済活動の停滞が長期化することにより日本経済の景気が著しく悪化する可能性があります。その結果、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 自然災害及び事故等について
当社は、自然災害及び事故等に備え、定期的システム等バックアップ、システム稼働状況の常時監視等によりトラブルの事前防止又は回避に努めておりますが、当社所在地近辺において、大地震等の自然災害が発生した場合、当社設備の損壊や電力供給の制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生して、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2)当社の事業内容及びサービスについて
① 特定サービスへの依存について
当社はペイメント事業・フィナンシャルクラウド事業の2事業を有し、特定の事業に依存しない事業ポートフォリオを構築しておりますが、ペイメント事業はインターネット決済代行サービス、フィナンシャルクラウド事業は請求管理ロボに依存した事業になっております。今後も両事業において既存サービスの取引拡大に努めると同時に競合企業のサービスとの差別化をより図るとともに、新サービスの企画、開発に積極的に取り組んでまいります。
しかしながら、これらが計画通りに進まず、上記依存度が変わらない場合には、当該サービスの売上高の変動が当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 情報処理センターネットワークの利用について
当社は、株式会社日本カードネットワークが運営するCARDNETを利用することにより、インターネット決済代行サービスを提供しています。CARDNETは、加盟店とクレジットカード会社の間で決済データの中継を行うオンラインネットワークシステムで、当社は加盟店に代わり、決済データをCARDNET経由でクレジットカード会社へ伝送しており、インターネット決済代行サービス提供に不可欠なものであります。そのため、CARDNETの障害等の理由によりサービス利用が困難になるといった不測の事態が起こった場合には、当社はインターネット決済代行サービスの提供が困難になります。一方で、CARDNETは20年以上に及ぶ豊富な運用実績と高い信頼性を有するものであり、クレジットカード会社や決済代行会社の多くが決済情報の授受に利用していることから、当該ネットワークの利用が困難になるという事態が発生する可能性は極めて低いと考えております。
③ 業務代行に関する契約について
当社は、ペイメント事業においてクレジットカード会社と加盟店間の加盟店契約において発生するクレジットカード決済に係る売上承認請求業務及び売上請求業務等を事務代行するために、必要な提携契約を各クレジットカード会社と締結しております。常に主要なクレジットカード会社との連絡を密にし、より強固な関係を築いていく所存でありますが、万が一、主要なクレジットカード会社から契約解除の申し出や条件変更等の接続制限がなされた場合は、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 代表加盟に関する契約について
当社は、ペイメント事業において加盟店のクレジットカード決済業務に係る事務を代行する目的として、各クレジットカード会社と包括加盟に関する契約を締結しております。但し、通常クレジットカード会社が加盟店に対して行う売上代金支払いを当社の責任範囲で行うため、当社が加盟店に代金支払いを完了した後に、加盟店の不正な売上請求や倒産等の契約解除に相当する状態となったことが判明した場合には、その回収が困難になるチャージバックリスクが生じます。このようなリスクを回避するために、加盟店の契約時にクレジットカード会社の審査に加え、当社においても開設サイトの存在確認、及び特定商取引に関するサイト上の表記確認等を行うと共に、月毎に滞留債権管理を実施しております。また、前払い式の継続的サービス提供を行っている加盟店が倒産した場合に、当該加盟店の顧客が継続的サービス提供の対価として当該加盟店に対して前払いした金額のうち、加盟店が倒産した時点において、顧客が未だ提供を受けていないサービスに対する対価の金額の相当分を当社が負担するリスクがあります。
⑤ 加盟店等からのクレジットカード情報の流出について
ペイメント事業において、万が一、当社の加盟店等からクレジットカード情報が漏洩した際は、原則、加盟店等が賠償負担を行うため当社に影響はありません。しかしながら、加盟店等に賠償負担する支払い能力がない場合、当社が連帯責任として、クレジットカード再発行手数料等の賠償を負担する可能性があります。当該リスクを軽減するため、当社では、クレジットカード情報を加盟店等ではなく当社が保持するフローの促進などを行っております。
⑥ 信用リスク及び貸倒リスクについて
当社は、事業活動を行う中で、取引先への信用供与を行っております。当社として取引先への与信情報は社内規程に従って審査しております。
また、当社は、取引開始時に信用調査や与信管理を実施し、売掛債権が発生した場合に貸倒れが出ないように努め、過去の貸倒実績率等に基づいて貸倒引当金を計上しておりますが、予期せぬ貸倒れが発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ パブリッククラウドについて
当社は、サービス及びそれを支えるシステム、並びにインターネット接続環境の安定した稼働が、事業運営の前提であると認識しております。当社の提供するインターネット決済代行サービス、請求管理ロボは、外部クラウドサーバ(例:Amazon Web Services、以下「AWS」という。)にてユーザーの企業情報をはじめとする情報や、サービスに関するシステムの全てを管理することによってサービスを提供しており、利用しているAWSなどのパブリッククラウドの安定的な稼働が当社の業務遂行上必要不可欠な事項となっております。そのため、当社では利用しているAWSなどのパブリッククラウドが継続的に稼働しているかを監視しており、障害が発生した場合には、当社の役職員が迅速に当該事実を認識し、早急に復旧するための体制を整えております。しかしながら、利用しているAWSなどのパブリッククラウドの不備や人為的な破壊行為、役職員の過誤、自然災害等、当社の想定していない事象の発生によるサービスの停止により収益機会の逸失等を招く恐れがあります。このような事態が発生した場合には当社が社会的信用を失うこと等が想定され、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ システムトラブルについて
当社のサービスは、通信事業者が提供する公衆回線、専用回線及びインターネット網を利用することを前提としたものであるため、自然災害または事故・外部からの不正な手段によるコンピュータへの侵入・コンピュータウイルス・サイバー攻撃等により、通信ネットワークの切断やアプリケーションの動作不良が予測されます。また、予期せぬクレジットカード会社など決済事業者のシステムダウンや当社のシステムの欠陥により、当サービスが停止する可能性もあります。このようなリスクを回避するために、外部・内部からの不正侵入に対するセキュリティ対策、24時間のシステム監視態勢、システム構成の冗長化、並びに社内規程の整備運用等により然るべき対応を適宜図っております。しかしながら、このような事象が発生した場合は、当社に損害賠償請求や障害事後対応により営業活動に支障をきたし機会損失が発生し、さらに当サービスへの信用が失墜し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 訴訟について
当社は本書提出日現在において、重大な訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、当社が事業活動を行う中で、当社が提供するサービスの不備、当社が提供する請求管理ロボ及びアプリケーションの不具合、個人情報及びクレジットカード情報等の漏洩等により、訴訟を受けた場合には、当社の社会的信用が毀損され、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)当社の事業体制について
① 代表者への依存について
当社代表取締役清久健也は、当社の重要事項に関する意思決定、基幹事業の推進等において、重要な役割を果たしております。従いまして、同氏が何らかの理由により当社の業務を遂行することが不可能あるいは困難となった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 小規模組織であることについて
当社は、組織規模が小さく、規模に応じた業務執行体制となっており、各業務分野、内部管理において少人数の人材に依存しております。当社では特定の人員に過度の依存をしないよう組織的な経営体制を整備し、全般的な経営リスクの軽減に努めると共に、内部管理体制の整備・強化を図ってまいりますが、何らかの理由で従業員等に業務遂行上の支障が生じた場合、あるいは従業員が社外に流出した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材の獲得・定着及び育成について
当社は、競争力の向上及び今後の事業展開のため、優秀な人材の獲得・定着及び育成が重要であると考えております。しかしながら、優秀な人材の獲得・定着及び育成が計画通りに進まない場合や優秀な人材の社外流出が生じた場合には、競争力の低下や事業規模拡大の制約要因になる可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 内部管理体制の構築について
当社は、今後の事業拡大に対応するため、内部管理体制をさらに強化する必要があると認識しております。今後は人材採用及び育成を行うこと等により内部管理体制の強化を図っていく方針であります。しかしながら、事業の拡大ペースに応じた内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ コンプライアンス体制について
当社は、今後企業価値を高めていくためにはコンプライアンス体制が有効に機能することが重要と考えております。そのため、コンプライアンスに関する社内規程を策定し、全役員及び全従業員を対象として外部研修及び社内研修を実施し、周知徹底を図っております。併せて、コンプライアンス体制の強化に全社を挙げて取り組んでおります。しかしながら、これらの取組みにも関わらずコンプライアンス上のリスクを完全に解消することは困難であり、今後の当社の事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、当社の企業価値及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)その他
① 配当政策について
当社は、株主に対する利益還元と同時に財務基盤を強固にするとともに競争力を確保し、積極的に事業拡大を図っていくことが重要な経営課題であると認識しております。内部留保資金につきましては、システム開発投資、広告宣伝活動及び優秀な人材の採用等の必要資金や、今後予想される経営環境の変化に対応するための資金として、有効に活用してまいりたいと考えておりますが、今後の配当実施の可能性、実施時期については今後の業績の推移や財務状況等を考慮した上で、将来の事業展開のための内部留保等を総合的に勘案して決定していきたいと考えております。
② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は、当社役員及び従業員に対するインセンティブの目的で新株予約権を付与しております。また、一部社外協力者に対しても継続的な協力関係の維持のため新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が行使された場合、当社株式が新たに発行され、保有株式の株式価値が希薄化する可能性があります。
なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は352,566株であり、発行済株式総数3,618,566株の9.7%に相当しております。
③ ベンチャーキャピタル等の株式保有割合について
本書提出日現在における当社の発行済株式総数は3,618,566株であり、このうち646,908株(発行済株式総数の17.9%)についてはベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業有限責任組合(以下「ベンチャーキャピタル等」という。)が保有しております。
一般的に、ベンチャーキャピタル等が未上場会社の株式を取得する場合、上場後には保有する株式を売却しキャピタルゲインを得ることがその目的のひとつであり、当社におきましても、上場後にベンチャーキャピタル等によりその保有株式が売却される可能性があります。そのような場合には、短期的に需給が悪化し当社の株価が低下する可能性があります。
④ 資金使途について
当社は、上場時に調達する資金使途については、システム開発や事業拡大に伴う人件費及び広告宣伝費へ充当する予定でございます。
しかしながら、インターネット関連市場は変化が激しく、その変化に柔軟に対応するため、上記計画以外の使
途に使用する可能性があります。また、上記計画通りに資金を使用したとしても当初想定していた事業規模の拡
大が進まない可能性があります。なお、将来にわたっては、資金調達の使途の前提となっている事業計画・方向
性が見直される可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
第21期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
(資産)
当事業年度末における流動資産は前事業年度末に比べ510,544千円減少し、3,310,704千円となりました。その主な要因は、ペイメントにおいて加盟店への入金サイクルを前倒ししたことによる現金及び預金の減少1,013,349千円及び前渡金の増加459,498千円によるものであります。
固定資産は前事業年度末に比べ239,380千円増加し432,536千円となりました。これは主にソフトウエアの開発に伴う無形固定資産の増加133,882千円及び保有株式の上場による投資有価証券の増加117,596千円によるものです。
この結果、資産合計は前事業年度末に比べ271,163千円減少し3,743,240千円となりました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は前事業年度末に比べ484,818千円減少し、3,404,868千円となりました。その主な要因は、ペイメントにおける加盟店への入金を前倒ししたことによる預り金の減少512,099千円によるものであります。
固定負債は前事業年度末に比べ53,966千円減少し、70,630千円となりました。これは1年内返済予定の長期借入金への振替による長期借入金の減少53,966千円によるものであります。
この結果、負債合計は前事業年度末と比べ538,784千円減少し、3,475,498千円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前事業年度末と比較して267,620千円増加し、267,742千円となりました。その主な要因は、第三者割当増資を行ったことによる資本金及び資本剰余金の増加76,497千円、当期純利益の計上による繰越利益剰余金の増加109,534千円によるものであります。
第22期第2四半期累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年6月30日)
(資産)
当第2四半期累計期間末における流動資産は前事業年度末に比べ148,909千円減少し、3,161,794千円となりました。これは主に、預り金の減少による現金及び預金の減少99,804千円及びキャッシュレス・消費者還元事業費に基づく流動資産に含まれる立替金の減少55,848千円によるものです。
固定資産は前事業年度末に比べ7,501千円増加し440,038千円となりました。これは主にソフトウエアの開発に伴う無形固定資産の増加37,894千円及び保有株式の時価下落による投資その他の資産のその他に含まれる投資有価証券の減少48,400千円によるものです。
この結果、資産合計は前事業年度末に比べ141,408千円減少し3,601,832千円となりました。
(負債)
当第2四半期累計期間末における流動負債は前事業年度末に比べ179,362千円減少し、3,225,505千円となりました。これは主に、ペイメントにおける加盟店の預り金減少による預り金の減少147,640千円によるものです。
固定負債は前事業年度末に比べ17,658千円減少し、52,972千円となりました。これは1年内返済予定の長期借入金への振替による長期借入金の減少17,658千円によるものです。
この結果、負債合計は前事業年度末と比べ197,020千円減少し、3,278,477千円となりました。
(純資産)
当第2四半期累計期間末における純資産合計は、前事業年度末と比べ55,612千円増加し、323,355千円となりました。これは主に、四半期純利益の計上による利益剰余金の増加89,175千円によるものです。
② 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国の経済は、全世界的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大に端を発する幅広い経済活動の自粛により、景気の急激な落ち込み、不透明性の拡大に見舞われております。政府の緊急事態宣言等による感染拡大鈍化や政府・中央銀行の機動的かつ大胆な財政・金融政策により景気の急速な持ち直しへの期待が一時は高まりましたが、緊急事態宣言解除後の感染再拡大、2度目の緊急事態宣言の発動により先行きの不透明感が再度高まりました。
一方で、当社の事業が主として立脚する電子商取引(以下、EC)市場並びにクラウドサービス市場は、引き続き堅調な成長が見込まれております。EC市場においてはインターネットの持続的な発展、高付加価値のスマートフォンやタブレット端末のさらなる普及、物流の改革などに加えて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による消費者の外出自粛がもたらした「巣ごもり消費」に後押しされ、市場全体の堅調な成長が継続しております。また、クラウドサービス市場においては、クラウドサービスへの理解の進展や政府の電子帳簿保存法の改正によるペーパーレス化(電子化)の推進などを受け、様々なサービスが提供、消費されるようになっております。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、多くの企業がテレワークの実施、BCPの再構築を迫られる中、その解決策として様々なクラウドサービスがスポットライトを浴びており、クラウドサービス市場は今後も引き続き成長が見込まれる市場として注目されております。
このような経営環境の下、ペイメントにおいては、積極的な広告宣伝の継続や営業体制の強化により新規契約が好調に推移したこと、既存顧客の取扱高がEC市場の成長に比例して順調に伸張したことなどにより、売上が順調に推移しました。他方、フィナンシャルクラウドにおいては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、一時的な問い合わせの落ち込みや対面での営業活動の自粛といった事象が生じたものの、ウェビナーの開催やオンライン商談の導入、積極的な広告宣伝や営業体制の強化を推進した結果、新規契約件数が年後半にかけ順調に積み上がり、売上は堅調に推移しました。
以上の結果、良好な市場環境と当社のビジネス拡大に向けた各施策の結果、両事業における順調な契約件数の積み上がりを主な背景として当事業年度の売上高は1,078,123千円(前年同期比18.4%増)となり、順調な売上高の拡大等を背景に営業利益は86,242千円(前年同期比186.6%増)、経常利益は79,555千円(前年同期比187.6%増)、当期純利益は109,534千円(前年同期は153,630千円の損失)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(ペイメント)
当セグメントにおきましては、積極的なwebマーケティング、営業体制強化により新規案件の受注件数が堅調に推移したこと、EC市場の成長に伴う既存顧客の取扱高の増加により、売上高は739,045千円(前年同期比11.1%増)となりました。セグメント利益は、主に営業人員の増加に伴い人件費が増加したものの、売上高の増加がこれを上回り408,791千円(前年同期比16.5%増)となりました。
(フィナンシャルクラウド)
当セグメントにおきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により一定の解約の増加があったものの、webマーケティングやオンラインセミナー等の様々なマーケティング施策による認知向上、営業体制強化による新規契約の増加が解約によるマイナスインパクトを吸収し、売上高は339,078千円(前年同期比38.0%増)となりました。セグメント利益は、売上高が増加したものの、主に営業人員や開発人員の増加に伴い人件費も増加し、58,753千円の損失(前年同期は89,780千円の損失)となりました。
第22期第2四半期累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年6月30日)
当第2四半期累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が収束しない状況が依然として続く中で、先行きの不確実性が強まり、不透明な状況が継続しております。
このような経営環境の下、「お金をつなぐクラウドで世の中を笑顔に」というビジョンの下、ペイメント・フィナンシャルクラウドにおいて提供しているサービスの継続的な機能のアップデートや拡張、導入企業拡大に向けた広告や営業等における取り組みを進めてまいりました。
ペイメントにおいては、引き続きコロナ渦において脚光を浴びている巣ごもり消費や追い風を受けている構造的なオフラインからオンラインへの移行などを背景に新規顧客獲得や取扱高が順調に推移しております。
フィナンシャルクラウドにおいては、コロナ渦において加速している顧客におけるバックオフィス業務の効率化、デジタル化の需要の盛り上がりなどを受け、新規顧客獲得が順調に推移しております。
以上の結果、当第2四半期累計期間の経営成績につきましては、売上高657,115千円、営業利益108,470千円、経常利益111,058千円、四半期純利益89,175千円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(ペイメント)
当セグメントにおきましては、積極的なwebマーケティング、営業体制強化により新規顧客獲得が堅調に推移したこと、引き続きEC市場の成長に伴い既存顧客の取扱高が増加したことにより、売上高は432,330千円となりました。セグメント利益は、新規顧客獲得のために積極的に広告宣伝費を投下し、人員も増強した一方で、売上高の伸びも順調に推移し、239,178千円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(ペイメント)
当セグメントにおきましては、積極的なwebマーケティング、営業体制強化により新規顧客獲得が堅調に推移したこと、引き続きEC市場の成長に伴い既存顧客の取扱高が増加したことにより、売上高は432,330千円となりました。セグメント利益は、新規顧客獲得のために積極的に広告宣伝費を投下し、人員も増強した一方で、売上高の伸びも順調に推移し、239,178千円となりました。
(フィナンシャルクラウド)
当セグメントにおきましては、webマーケティング、オンラインセミナー、タクシー広告等の様々なマーケティング施策による認知向上、営業体制強化により新規顧客獲得が順調に推移したこと、カスタマーサクセスの施策により既存顧客におけるアップセルが実現されたことなどにより、売上高は224,784千円となりました。セグメント利益は、新規顧客獲得のために広告宣伝費を積極的に投下し、売上高が好調に推移したことにより2,055千円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
第21期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ、1,013,349千円減少し、2,476,314千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末における営業活動による資金の減少は、876,273千円(前事業年度は690,537千円の増加)となりました。主な要因はペイメントにおける加盟店への入金の前倒しによる前渡金の増加459,498千円及び預り金の減少512,099千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末における投資活動による資金の減少は、147,344千円(前事業年度は189,525千円の減少)となりました。主な要因は無形固定資産の取得による支出149,351千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末における財務活動による資金の増加は、10,268千円(前事業年度は27,802千円の増加)となりました。主な要因は長期借入金の返済による支出58,320千円及び第三者割当増資に基づく株式の発行による収入68,580千円によるものであります。
第22期第2四半期累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年6月30日)
当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物は、2,376,509千円となりました。
当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間における営業活動による資金の減少は、2,496千円となりました。主な要因は税引
前四半期純利益111,058千円、減価償却費22,111千円の計上により増加したものの預り金が147,640千円の減
少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間における投資活動による資金の減少は、59,497千円となりました。主な要因は無形
固定資産の取得による支出59,347千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間における財務活動による資金の減少は、37,810千円となりました。主な要因は長期
借入金の返済による支出35,827千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
b.受注実績
受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
c.販売実績
第21期事業年度及び第22期第2四半期累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
第21期事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
第22期第2四半期累計期間 (自 2021年1月1日 至 2021年6月30日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
金額(千円) |
|
|
ペイメント |
739,045 |
111.1 |
432,330 |
|
フィナンシャルクラウド |
339,078 |
138.0 |
224,784 |
|
合計 |
1,078,123 |
118.4 |
657,115 |
(注)1.最近2事業年度及び第22期第2四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。
なお、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項
(追加情報)」に記載しております。
(無形固定資産の減損)
当社は、無形固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産)
当社は、繰延税金資産について、将来の事業計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況 ②経営成績の状況」をご参照ください。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の事業活動における主な資金需要は、既存事業の安定的かつ持続的な成長にかかる運転資金(主に人件費、広告宣伝費)及びソフトウエア投資であります。これらの事業活動に必要な資金については、営業活動によるキャッシュ・フローでまかなうことを基本として、必要に応じて金融機関からの調達を実施する予定であります。
また、当社の事業は仕入れ等が無く、提供するサービスに対するシステム利用料等をお客様から受領するビジネスモデルであり、短期的な資本の財源及び資金の流動性に問題はないものと考えておりますが、今後も資金の残高及び各キャッシュ・フローの状況を常にモニタリングしつつ、資本の財源及び資金の流動性の確保・向上に努めて参ります。
なお、現金及び現金同等物の残高は、当事業年度末において2,476,314千円であり、また、第22期第2四半期累計期間末において2,376,509千円であり、当社の事業を推進していく上で十分な流動性を確保していると考えております。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を客観的に判断するための指標等」に記載の通り、主な経営上の重要な指標としてリカーリング収益比率、アカウント数、ARPAを重視しており、各セグメントの各指標の推移は以下の通りであります。
ペイメント
|
|
2019年12月期実績 |
2020年12月期実績 |
|
リカーリング収益比率(%) |
96.3 |
95.8 |
|
アカウント数(AC) |
4,777 |
5,205 |
|
ARPA(円) |
10,153 |
12,363 |
フィナンシャルクラウド
|
|
2019年12月期実績 |
2020年12月期実績 |
|
リカーリング収益比率(%) |
94.3 |
95.3 |
|
アカウント数(AC) |
378 |
468 |
|
ARPA(円) |
63,780 |
72,662 |
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、前述の「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
⑦ 経営者の問題意識と今後の方針
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社の経営陣は、今後更なる業容拡大と成長を遂げるには、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。また、当社を取り巻く外部環境及び内部環境を適宜適切に把握し、市場におけるニーズを識別して経営資源の最適化に努めてまいります。
インターネット決済サービスに関する契約
当社は、加盟店のクレジットカード決済業務に係る事務を代行することを目的として、各クレジットカード会社と包括加盟に関する契約を締結しております。なお契約している主なクレジットカード会社は以下の通りです。
|
契約先 |
契約の名称 |
契約開始日 |
自動更新 |
|
株式会社クレディセゾン |
カード通信販売加盟店契約 |
2001年5月31日 |
有(1年) |
|
株式会社ジェーシービー |
包括代理加盟店契約書 |
2002年10月22日 |
有(1年) |
|
ユーシーカード株式会社 |
通信販売加盟店契約書(決済サービス包括代理契約) |
2005年9月13日 |
有(1年) |
|
UFJニコス株式会社(現三菱UFJニコス株式会社) |
カード通信販売加盟店契約書(ネット通販包括代理) |
2006年10月12日 |
有(1年) |
|
株式会社東京クレジットサービス |
加盟店契約書 |
2006年11月1日 |
有(1年) |
|
イオンクレジットサービス株式会社 |
包括代理加盟店契約書 |
2009年4月9日 |
有(1年) |
|
トヨタファイナンス株式会社 |
加盟店契約書(通信販売/電子商取引) |
2009年10月7日 |
有(1年) |
|
楽天カード株式会社 |
包括代理加盟店契約書 |
2014年8月1日 |
有(1年) |
|
三井住友カード株式会社 |
包括代理加盟店契約書 |
2016年12月1日 |
有(1年) |
該当事項はありません。