当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態、経営成績の状況
① 経営成績の状況
当社グループは「映像から未来をつくる」をビジョンに掲げ、家から街まであらゆるシーンの映像をデータ化することで、人々の意思決定を支援するクラウド録画型映像プラットフォーム「Safie(セーフィー)」を開発・運営しております。「Safie」は高画質・安価・安全で、誰でも簡単にスマートフォンやパソコンで使える防犯カメラサービスとして、小売・飲食・サービス・建設・物流・製造・インフラ・公共・医療などの幅広い業界で活用いただいております。日本国は2040年には働き手が現在の8割になるという「8掛け社会」が到来する(注1)と推定され、人口減少から生じる労働供給制約社会を迎えることは確実であり、人々の生活に多大なる影響を及ぼすと考えられています。「Safie」では近年高まる防犯カメラとしての用途にとどまらず、遠隔での状況確認や業務ツールとの連携による業務効率化、AIを活用した映像解析による異常検知・予測などのニーズが急速に拡大しており、このような労働力不足をはじめとする社会的な課題を解決できるソリューションの開発、提供を進めております。
労働力不足に備え、デジタル庁は業務の生産性を高め技術革新を促進することを目的に、デジタル技術の活用・業務効率化を妨げる「アナログ規制」を見直す方針を公表しており、規制の緩和・撤廃が進んでいます。例えば、建築・住宅・インフラ業界では、2024年6月に厚生労働省が「目視規制」について、デジタルツールを活用した「遠隔巡視」を可能とする旨の通知を行いました。セーフィーが提供するウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2(セーフィー ポケット ツー)」・「Safie Pocket2 Plus(セーフィー ポケット ツー プラス)」は性能要件を満たしており、屋外向けクラウドカメラ「Safie GO 360(セーフィー ゴー サンビャクロクジュウ)」と併用することで、事業者の負担を軽減かつ安全性を確保する「遠隔巡視」の広がりが期待されています。
当中間連結会計期間では、小売・サービス業を中心に、AIソリューション「AI-App(アイアップ)」の人数計測機能の導入が広がっています。スーパーマーケットでは、カメラ映像から人数を計測することによって、入店者数、回遊率、売上の拡大を目的とした店舗内レイアウトづくりへ役立てている事例もあります。他にも、全国各地の店舗管理を遠隔から映像で指示する「遠隔臨店」やPOSレジを連携したレジ周りのトラブル抑止・解決など、クラウドカメラの導入により様々な用途での活用が広がりを見せています。また、当社グループが出資したタイムリープ株式会社が提供する遠隔接客サービス「RURA(ルーラ)」の接客画面と「Safie」の映像を同時に確認ができる遠隔接客ソリューション「RURA(SF)(ルーラ エスエフ)」の提供を開始しました。これにより、俯瞰的な店舗状況を十分に考慮した遠隔接客の実現や接客の機会ロスを削減ができるなど、より一層、店舗の省人化や接客品質向上などの顧客課題の解決に取り組んでまいります。加えて、パートナー協業先である東日本電信電話株式会社宮城事業所が主体となって進めている仙台市の「診療カーによるオンライン診療サービス」に同じくパートナー協業先であるMUSVI株式会社と参画し、テレプレゼンスシステム「窓」を通じて、将来の医師不足や高齢化に備え地域医療の向上や医療人材・リソースの有効活用を推進しています。このように多様化する顧客のニーズを起点としたソリューションのバリエーションを着実に広げることにも貢献しています。
当社KPIであるARRは2024年6月末時点で10,230百万円(2023年6月末比26.4%増、注2)、課金カメラ台数は26.0万台(2023年6月末比25.6%増、注3)になりました。
カメラ等の機器販売や設置作業費などが含まれるスポット収益は1,939百万円となり、クラウド録画サービス、一部のカメラのレンタルサービスや、LTE通信費、画像解析サービス等を含むリカーリング収益は4,906百万円となりました。
この結果、当中間連結会計期間の経営成績は、売上高6,845,874千円(前年同期比26.2%増)、営業損失302,262千円(前年同期は営業損失439,021千円)、経常損失329,506千円(前年同期は経常損失438,988千円)となりました。また、本日公表しております「特別損失の計上に関するお知らせ」に記載のとおり、投資有価証券評価損827,568千円を特別損失に計上した結果、親会社株主に帰属する中間純損失1,171,233千円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純損失438,896千円)となりました。
なお、当社グループは、映像プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(注)1.出典元:リクルートワークス研究所:「未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる」
2.ARR:Annual Recurring Revenue。対象月の月末時点のMRR(Monthly Recurring Revenue)を12倍して算出。MRRは対象月末時点における継続課金となる契約に基づく当月分の料金の合計額(販売代理店経由の売上を含む)。
3.課金カメラ台数は、各四半期に販売したカメラ台数ではなく、各四半期末時点で稼働・課金しているカメラ台数。
② 財政状態の状況
(資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は10,057,145千円となり、前連結会計年度末に比べ197,162千円減少いたしました。これは主に、売掛金及び契約資産が46,109千円増加、流動資産のその他が81,842千円増加した一方で、現金及び預金が350,372千円減少したことなどによるものであります。
当中間連結会計期間末における固定資産は634,753千円となり、前連結会計年度末に比べ812,188千円減少いたしました。これは主に、投資その他の資産が812,398千円減少したことなどによるものであります。
この結果、資産合計は10,692,584千円となり、前連結会計年度末に比べ1,008,947千円減少いたしました。
(負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は1,718,810千円となり、前連結会計年度末に比べ93,271千円増加いたしました。これは主に、買掛金が107,138千円増加したことなどによるものであります。
当中間連結会計期間末における固定負債は50,034千円となり、前連結会計年度末に比べ9,018千円減少いたしました。これは主に固定負債のその他が8,190千円減少したことなどによるものであります。
この結果、負債合計は1,768,844千円となり、前連結会計年度末に比べ84,253千円増加いたしました。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は8,923,740千円となり、前連結会計年度末に比べ1,093,200千円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純損失1,171,233千円を計上したことなどによるものであります。
この結果、自己資本比率は83.1%(前連結会計年度末は85.6%)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ350,372千円減少し、6,766,335千円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は343,233千円(前年同期は944,375千円)となりました。これは主に、税金等調整前中間純損失1,171,998千円の発生(前年同期は436,994千円の税金等調整前中間純損失)、投資有価証券評価損の計上827,568千円(前年同期は該当なし)などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は47,319千円(前年同期は107,922千円)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出24,319千円(前年同期は65,304千円)、有形固定資産の取得による支出14,494千円(前年同期は58,620千円)、敷金の差入による支出8,079千円(前年同期は178千円)などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は40,180千円(前年同期は109,219千円)となりました。これは主に、非支配株主からの払込みによる収入30,000千円(前年同期は該当なし)、新株予約権の行使による株式の発行による収入9,702千円(前年同期は120,185千円)などによるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当中間連結会計期間における研究開発活動の金額は、376,354千円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設について、当中間連結会計期間に著しい変更があったものは、次のとおりであります。
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事業所名 (所在地) |
設備の 内容 |
投資予定額(注)3 |
資金調達方法 |
着手及び完了予定年月 |
完成後の 増加能力 |
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総額 (千円) |
既支払額 (千円) |
着手 |
完了 |
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当社 関西支店 (大阪府大阪市) |
移転 |
40,726 |
5,733 |
増資資金 |
2023年10月 |
2024年9月 |
(注)4 |
(注)1.下線部分は変更箇所を示しております。
2.当社グループは映像プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
3.関西支店移転の投資予定額には差入敷金及び保証金が含まれております。
4.完成後の増加能力は、合理的な算定が困難であるため、記載を省略しております。
(8)経営成績に重要な影響を与える要因
当中間連結会計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更はありません。
(9)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当中間連結会計期間において、当社グループの資本の財源及び資金の流動性について重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。