第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

社会構造がデジタル化、システム化の時代へ進展するほど、人は心癒されるものや自己実現を目指してオリジナリティを求め、余暇時間の有効活用や生涯学習を志向すると思われます。

人の価値観がモノからコトへ、コトからココロへと変化、多様化するなか当社グループは、日々の生活における「やすらぎ」や「ゆとり」につながる「ハンドメイド」の企画・販売を通じ、「手芸の喜びと感動」を実感していただくため、心豊かなくらしの実現を提案する感動創造企業として、お客様と地域社会に貢献できるよう努力を重ねております。

 

(2) 経営戦略等

経営戦略として、店舗網の再編やEC強化、商品戦略により事業力を強化し、M&A・アライアンスの推進により新たな商品の取り扱いやサービスの拡充を図り、人材強化や財務戦略、DX推進を進めることで経営体質を強化し、毎期確実に黒字を計上し継続的な事業価値の向上を目指します。

 

(3) 経営環境

当社を取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症拡大防止への取組みやワクチン接種が進んだことにより、経済活動の制限は徐々に緩和されつつありますが、新たな変異株による感染症の再拡大や世界的な半導体不足、資源・エネルギー価格の高騰、ウクライナ情勢の長期化により、依然として先行きが不透明な状況が続いております。

当社グループが属する手芸業界においても、巣ごもり需要の沈静化や趣味の多様化、愛好者の高齢化によるユーザーの減少に加え、一部では手芸コーナーの充実を図る百円ショップとの競争も激化しているなど、今後も厳しい経営環境となることが予想されます。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

こうした経営環境の中、当社グループは2022年8月10日付にて公表いたしました「新中期経営計画」において掲げた以下の経営戦略を着実に実行することで事業拡大を実現してまいります。

① 事業力の強化

不採算店舗を計画的に閉鎖し、戦略的なスクラップ&ビルドにより店舗網を再構築するとともに、店舗の内外装の改装や店舗とECが一体化したシームレスな購入環境を実現することで、来店客数の増加を図り顧客基盤を増強します。商品構成についても顧客ニーズの高い生地やミシンなどのソーイング関連の強化や、地域特性に合わせた品揃えを強化することで売上の向上を図ります。加えて、新ビジネス領域への挑戦として当社グループの会員情報を活用し「美・健康」をテーマとした商品・サービスをライフスタイルに合わせて提案することで更なる事業の拡大を図ります。

② M&A・アライアンス推進

株式会社日本ヴォーグ社(以下、「日本ヴォーグ社」という。)とのヴォーグ学園オンラインレッスンなど、グループ内企業の顧客基盤やサービスを活用し、新たな商品やサービスを提案することで、新規顧客の獲得を強化します。今後も「手づくり」領域を中心に提携企業を拡大していくことで、更なる商品・サービスの拡充を図ります。

③ 経営体質強化

手づくりを通して世代や地域を超えて人と人を結ぶお手伝いをするとともに、地域社会や環境の持続可能な社会の実現に貢献するため、環境負荷の低減や健康経営の推進などサステナビリティの重要課題に取組みます。構造改革として、オムニチャネルの進化による顧客利便性の向上と物流コスト削減、事業計画達成に向けた人材開発や能力開発、研修制度の充実などの人材強化を行うことで経営体質強化を図ります。

 

(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、株主重視の経営推進という観点から企業価値を高めるため、高付加価値の商品やサービスの提供により収益基盤の強化を図り、継続的に利益を出せる企業体質を目指しております。

目標とする経営指標として2025年6月期を最終年度とする新中期経営計画を策定しており、2023年6月期の目標数値は売上高220億円、営業利益1.9億円、営業利益率は0.9%、2024年6月期は売上高225億円、営業利益7.9億円、営業利益率は3.5%、2025年6月期は売上高246億円、営業利益14.7億円、営業利益率は6.0%であります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 自社企画商品について

当社グループでは、収益力の向上と独自性の強化による差異化を図るため、商品の自社企画・開発に注力しております。当連結会計年度における店舗総売上高に占める自社企画商品の割合は一定の高さを維持しておりますが、企画・開発の進捗状況や販売状況等によっては、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 店舗展開について

当社グループは、中核事業として手芸専門店チェーンの全国的な展開を行っており、業容拡大には店舗数の増加が大きく寄与いたします。今後とも新規出店を実施していく方針でありますが、投資効率を重視したローコスト経営による店舗展開を図るという観点から、出店条件に合致する物件が確保できるかどうかにより、出店計画及び店舗売上計画の成否が左右され、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) インショップ型店舗の展開について

当社グループの店舗は、路面店とともに商業施設へのインショップ型の出店も行っておりますが、出店先の商業施設の集客力が変動した場合等には業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 店舗の賃借物件への依存について

当社グループの店舗は、大半を賃借しておりますが、貸主の事由によっては業績が好調な店舗であっても当該店舗の退店を余儀なくされる可能性があります。また、当社グループでは出店に際して保証金を差し入れていることから、倒産その他貸主の事由によっては保証金等の全部または一部が回収できなくなる可能性があります。

 

(5) 固定資産の減損会計適用について

当社グループの店舗は、大半を賃借しており、店内設備の陳列什器備品はリース契約により使用し、内装及び電気設備等の一部を負担して設置しております。当社グループでは、主として店舗を基本単位に資産のグルーピングを行っており、各営業店舗の業績推移及び退店・移設の予定によって減損の兆候が生じた場合、もしくは土地等の時価が著しく下落した場合におきましては、当該固定資産について減損会計を適用し、減損損失を計上する可能性があります。

また、経営成績の状況によっては、本社建物等の共有資産についても、減損損失を計上する可能性があります。

 

(6) スクラップアンドビルドに伴う費用について

当社グループは、既存店舗におきましても商品構成の見直し、業態転換または立地移転のほか、必要な場合には退店等を行うなど、店舗の活性化及び収益力の強化を図っております。今後ともスクラップアンドビルドを積極的に推し進める方針であるため、これらに伴う固定資産除却損や店舗閉鎖損失の費用が発生する可能性があります。

 

(7) 販売委託契約について

当社グループでは、直営店のほか、販売委託制度「オーナーシステム」により、加盟者と販売委託契約を締結して、当社グループが保有するショップブランド名にてチェーン展開を図っております。

「オーナーシステム」は、加盟者と共存共栄を図ることを基本方針としており、契約当事者いずれかの要因により信頼関係が損なわれる場合には、店舗運営方針及び施策等の浸透や、店舗政策に基づく出退店または移転等が適時に実施できないなど、店舗運営に支障を来たす可能性があります。

 

(8) 個人情報の管理について

当社グループは、店舗販売事業及び通信販売事業におきまして、会員制を採用して個人情報を取得し、セール案内等の情報提供に利用しており、当該顧客情報の管理に関しては「コンプライアンス・マニュアル」とともに「個人情報保護規程」を制定するなど、運用管理には可能な限りの対策を講じております。しかしながら、何らかの事由により個人情報の流出または誤用が生じた場合には、当社グループに対する顧客からの信用を失うこととなり、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 情報システム管理について

当社グループは、コンピュータシステムと通信ネットワークを利用して業務処理を行っており、自然災害や事故のほか、コンピュータウイルスに起因するシステムの障害及び外部からの不正侵入等により、システムダウンもしくは重要データの喪失又は漏洩が生じる可能性があります。当該システムの予防措置について、万一の場合に備え保守・保全の対策を講じ、情報管理体制の内部統制に努めておりますが、想定を超えた侵入技術による不正アクセスやシステム障害等の予期せぬ事態が生じた場合には、社会的信用や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 大規模自然災害について

当社グループは、全国的に店舗を展開しており、店舗の周辺地域において大地震や台風等の自然災害あるいは予期せぬ事故等により、店舗又は商品に物理的損害が生じ店舗営業活動が阻害された場合、さらに人的被害が発生した場合には、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 法的規制について

当社グループの行う事業は、商標法や著作権法等の知的財産に関する法律、消費者契約法、不当景品類及び不当表示防止法、家庭用品品質表示法、製造物責任法、独占禁止法、下請代金支払遅延等防止法、特定商取引に関する法律、不正競争防止法等による法的規制を受けております。

当社グループでは、リスク・コンプライアンス委員会を設置するなど、社内教育・研修の実施を含めたコンプライアンス体制の整備等、法令を遵守する体制の整備に努めておりますが、これらの法令に違反する事由が生じた場合、また、新たな法令の制定等が行われた場合には、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 新型コロナウイルス感染症について

当社グループでは、お客様や従業員の安全を第一に考え、衛生管理など新型コロナウイルス感染症感染防止対策に万全を期すために様々な対策を実施しております。

引き続き感染拡大防止に努めてまいりますが、今後、再び感染が蔓延することにより個人消費の低迷や来店客数の低迷が見込まれること、また、店舗等において感染者が発生し営業に支障をきたす場合が想定されることなどにより、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 継続企業の前提に関する重要事象等

当社グループは、巣ごもり需要の沈静化に加え、物価上昇などマクロ環境の変化による消費者マインドの悪化の影響を大きく受け、当連結会計年度において売上高が著しく減少し、営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失並びにマイナスの営業キャッシュ・フローを計上したことから、現時点においては継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

当社グループは、当該状況を解消すべく、2025年6月期を最終年度とする新中期経営計画を策定しており、本新中期経営計画において掲げた事業力の強化及びM&A、アライアンスの推進、経営体質の強化の3つの経営戦略を着実に実行することで事業の拡大を実現し、売上回復、収益改善に努めてまいります。

また、資金面においては、運転資金を安定的かつ機動的に調達することを目的としたタームアウト型コミットメントライン契約(当連結会計年度末における借入実行残高はございません。)を2020年3月25日に締結しており、短期間での手元流動性の問題は生じないと考えております。

以上により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社は、2022年1月4日に単独株式移転により藤久株式会社の完全親会社として設立されましたので、前年同期との対比については記載しておりません。

なお、当社グループの連結経営成績等については、単独株式移転により完全子会社となった藤久株式会社の経営成績等を引き継いで作成しております。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①  財政状態及び経営成績の状況

イ.経営成績

当連結会計年度(2021年7月1日から2022年6月30日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大防止への取組みやワクチン接種が進んだことにより、今年に入り経済活動の制限は徐々に緩和されつつありますが、新たな変異株による感染症の再拡大や世界的な半導体不足、資源・エネルギー価格の高騰、ウクライナ情勢の長期化により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

当社グループが属する手芸業界においても、巣ごもり需要の沈静化や趣味の多様化、愛好者の高齢化によるユーザーの減少に加え、一部では手芸コーナーの充実を図る百円ショップとの競争も激化しているなど、予断を許さない経営環境が継続しております。

このような状況の中で、当社グループは日々変化する社会環境とお客様のニーズへ対応すべく様々な施策に取組むとともに、不採算店舗の閉鎖を進め北海道・東北地区5店舗、関東地区7店舗、中部地区3店舗、近畿地区2店舗、中国・四国地区1店舗の合計18店舗を閉鎖しました。また、地域店舗網の再編のため新たに関東地区2店舗、近畿地区1店舗の合計3店舗を新規出店し、当連結会計年度末の店舗数は369店舗となりました。

 

以上の結果、当連結会計年度における経営成績は売上高157億12百万円、営業損失21億74百万円、経常損失21億54百万円となりました。また親会社株主に帰属する当期純損失は26億92百万円となりました。

主要な一般小売事業における事業部門別の取組みは次のとおりであります。

(店舗販売部門)

店舗販売部門では、業容拡大に向け業務提携先と様々な施策に取組んでまいりました。主な施策として、日本ヴォーグ社とはヴォーグ学園オンラインレッスンの開講と定期刊行誌の発刊、株式会社エポック社(以下、「エポック社」という。)とは新規商品の販売、GMOペパボ株式会社(以下、「GMOペパボ」という。)とは作品撮影スタジオの設置、株式会社ゴンドラ(以下、「ゴンドラ」という。)とはオムニチャネル化の推進に取組んでまいりました。日本ヴォーグ社とのヴォーグ学園オンラインレッスンについては、日本ヴォーグ社の子会社が運営するカルチャースクール「ヴォーグ学園」の経験豊富な講師による講座が直接受講できる新しい形の講習会を80店舗で開講しました。店舗に設置した大型モニターを利用し直接講師から指導を受けることができ、店舗に常駐するスタッフによるサポートもあり、安心してオンラインで本格的な講座を受講することができる講習会を定期的に開催しております。定期刊行誌の発刊については、全国の書店での販売のほか、毎号ご自宅に送料無料で届く年間購読も可能なソーイングの定期刊行誌「CRA-SEW(クラソウ)」を共同企画し発刊しました。季節に合わせた魅力的なソーイング作品を多数掲載し、作品に使用する材料を全国の店舗及びECで販売しております。エポック社との新規商品の販売については、手芸との親和性の高いシルバニアファミリーやジグソーパズル、アクアビーズを101店舗へ導入しました。なかでもシルバニアファミリーは、ハロウィンやクリスマスなど季節に合わせた衣装を手づくりするワークショップを全国の店舗で実施しております。GMOペパボとの作品撮影スタジオの設置については、自宅では撮影し難い大きな作品からアクセサリーなどの小物まで、豊富なシチュエーションでハンドメイド作品を撮影できる「minneLAB byGMOペパボ in Tokai」を2店舗に設置しました。他にも当社とGMOペパボが運営する「minne byGMOペパボ」とエポック社の3社でシルバニアファミリーハンドメイドコンテストを実施しました。ゴンドラとのオムニチャネル化の推進については、店舗とECが一体化したシームレスな購入環境の実現に向けシステム構築を開始しました。

これらの結果、当部門の売上高は、146億9百万円となりました。

(通信販売部門)

通信販売部門では、店舗販売部門と同様に業務提携先との取組みとして、日本ヴォーグ社と共同企画した定期刊行誌「CRA-SEW(クラソウ)」の作品に使用している材料やエポック社のシルバニアファミリーの販売を強化しました。ゴンドラとは、店舗とECが一体化したシームレスな購入環境の実現に向けたシステム構築に加え、メールやSNSを活用した情報発信を強化しました。これらの結果、当部門の売上高は、10億77百万円となりました。

(その他の部門)

不動産賃貸であり、売上高は25百万円となりました。

ロ.財政状態

当連結会計年度末の総資産は、101億93百万円となりました。その主な内訳は、現金及び預金13億30百万円、商品49億26百万円など流動資産75億27百万円、有形固定資産9億64百万円、差入保証金11億26百万円など固定資産が26億65百万円であります。

当連結会計年度末の負債は、39億62百万円となりました。その主な内訳は、支払手形及び買掛金6億22百万円、電子記録債務8億33百万円など流動負債が31億53百万円、資産除去債務6億37百万円など固定負債が8億9百万円であります。

当連結会計年度末の純資産は62億30百万円となりました。その主な内訳は、資本剰余金38億31百万円、利益剰余金22億79百万円などであります。

②  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は13億30百万円となりました。営業活動の結果使用した資金は、税金等調整前当期純損失の計上などから23億33百万円となりました。投資活動の結果使用した資金は、有形固定資産の取得などから3億5百万円となりました。財務活動の結果使用した資金は、配当金の支払などから2億93百万円となりました。

③  仕入及び販売の実績

主要な一般小売事業における事業部門別及び地域別の仕入及び販売の状況は次のとおりであります。

イ.仕入実績

区分

当連結会計年度

(自  2021年7月1日

至  2022年6月30日)

仕入高(千円)

構成比(%)

店舗販売部門

6,118,220

90.6

通信販売部門

625,332

9.3

その他の部門

5,937

0.1

合計

6,749,490

100.0

(注)1  その他の部門は、不動産賃貸収入に係る原価相当額であります。

2  金額は、仕入価格によっております。

 

ロ.販売実績

区分

当連結会計年度

(自  2021年7月1日

至  2022年6月30日)

売上高(千円)

構成比(%)

店舗販売部門

14,609,653

93.0

通信販売部門

1,077,318

6.8

その他の部門

25,262

0.2

合計

15,712,234

100.0

(注)  その他の部門は、不動産賃貸収入であります。

 

ハ.店舗販売部門の地域別売上高

当連結会計年度における店舗販売部門の地域別店舗売上高は、次のとおりであります。

地域

当連結会計年度

(自  2021年7月1日

至  2022年6月30日)

売上高(千円)

構成比(%)

出・退店(店)

期末店舗数(店)

出店

退店

北海道・東北

1,570,108

10.6

5

45

関東

3,893,893

26.7

2

7

90

中部

5,019,064

34.4

3

118

近畿

1,763,623

12.1

1

2

45

中国・四国

1,240,156

8.5

1

37

九州・沖縄

1,122,806

7.7

34

合計

14,609,653

100.0

3

18

369

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①  財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.経営成績

当連結会計年度の売上高は157億12百万円となりました。巣ごもり需要の沈静化に加え、物価上昇などマクロ環境の変化による消費者マインドの悪化の影響を大きく受けたことが売上減少につながりました。今後の事業展開に備えた滞留在庫削減販促による粗利率の低下やECサイト再構築費用の計上等により、営業損失21億74百万円、経常損失21億54百万円となりました。繰延税金資産の取り崩し等により、親会社株主に帰属する当期純損失は26億92百万円となりました。

ロ.財政状態

当連結会計年度の財政状態の分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 ロ.財政状態」に記載のとおりであります。

②  キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

イ.キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況の分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

ロ.資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要の主なものは、商品仕入、人件費等の販売費及び一般管理費であり、設備投資需要のうち主なものは、新規店舗出店に伴う建物及び什器、備品の取得等であります。このような資金需要に対しましては、自己資金で充当しております。なお、資金の流動性に関しては、当社の連結子会社である藤久株式会社は、運転資金を安定的かつ機動的に調達することを目的としたタームアウト型コミットメントライン契約(当連結会計年度末における借入実行残高はございません。)を2020年3月25日に締結しております。

③  重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

④  経営上の目標を達成するための客観的な指標等

当社グループは、企業価値を高め継続的に利益が出せる企業体質にしていくことが重要な課題であると認識し、2025年6月期を最終年度とする新中期経営計画を策定しており、2023年6月期の目標数値は売上高220億円、営業利益1.9億円、営業利益率は0.9%、2024年6月期は売上高225億円、営業利益7.9億円、営業利益率は3.5%、2025年6月期は売上高246億円、営業利益14.7億円、営業利益率6.0%であります。

今後は、新中期経営計画において掲げた3つの経営戦略(①事業力強化、②M&A、アライアンス推進、③経営体質強化)を着実に実行することでこの指標を達成できるよう、取組んでまいります。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1) 株式交換契約

当社は、当社を株式交換完全親会社、日本ヴォーグ社を株式交換完全子会社とする株式交換契約を2022年4月21日に締結しております。

なお、詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

(2)販売委託契約

当社グループは、店舗のチェーン展開に当たり、1993年1月から独自の販売委託制度「オーナーシステム」の加盟者募集を開始し、当連結会計年度末現在の総店舗数369店舗のうち129店舗において販売業務の委託を行っており、加盟者と共存共栄を図ることを基本方針とした販売委託契約を締結しております。

その契約の主な事項は次のとおりであります。

①  契約の目的

当社グループは、加盟者(以下「オーナー」という。)に対して開発した店舗の経営ノウハウを提供するとともに、商品の販売と管理を委託し、双方協力して地域顧客の需要に応えるべく創意をこらし、ともに繁栄を図ることを目的としております。

②  契約に際して徴収する加盟料、保証金に関する事項

加盟料  1,000千円

保証金  1,000千円

③  商品の所有権及び販売価格に関する事項

商品の所有権は、すべて当社グループに帰属し、販売価格を決定しております。また、提供する販売促進策及び販売指導等に基づき、オーナーは販売業務を行っております。

④  販売委託料に関する事項

事業年度ごとに算出された売上総利益額に、あらかじめ定めた委託料率を乗じ、調整額を加えた金額を販売委託料として支払っております。

⑤  経費負担に関する事項

店舗家賃等は、他の直営店と同様に当社グループの費用として処理しておりますが、店舗運営・管理にかかるパートタイマー等の人件費、水道光熱費及び通信費等についてはオーナー負担としております。

⑥  契約期間に関する事項

契約発効の日から1年間としております。ただし、期間満了3カ月前までに双方異議の申し出がない場合は1年間延長するものとし、以後においても同様としております。

 

(3) 資本業務提携契約

当社の連結子会社である藤久株式会社並びに株式会社キーストーン・パートナース(以下「KSP社」といいます。)及びKSP社が管理・運営するファンド(日本リバイバルスポンサーファンド四号投資事業有限責任組合。)が匿名組合出資を行っている合同会社エメラルド(以下KSP社と併せて「KSP社ら」と総称します。)との間で資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」といいます。)を締結しております。また、当社は2022年1月4日に単独株式移転により藤久株式会社の完全親会社として設立されたため、資本業務提携契約上の権利義務を承継しております。

その主な内容は、次のとおりであります。

①  業務提携の内容

当社とKSP社らは、両社の事業の発展及び企業価値向上のため、以下の各項目について業務提携を行います。

イ.当社グループの顧客ロイヤリティー向上に寄与する商品・サービスを有する企業との業務提携

ロ.当社グループの提供する商品・サービスの品質向上に寄与するノウハウ・サービスを有する企業との業務提携

②  資本提携の内容

イ.役員等の派遣

当社とKSP社らは、本資本業務提携契約において、合同会社エメラルドが当社の取締役総数の過半数を指名する権利を有することを合意しております。

 

ロ.当社の事業の運営等

本資本業務提携契約において、当社は、取締役会において合同会社エメラルドが当社の代表取締役として指名した全ての者が賛成して承認可決された場合を除き、(ⅰ)定款又は重要な内部規則(取締役会規則を含む。)の制定、変更又は廃止、(ⅱ)株式等の発行、処分又は付与、(ⅲ)組織変更、合併、株式交換、株式移転、吸収分割、新設分割、事業の全部又は重要な一部の譲渡又は譲受、(ⅳ)剰余金の配当その他の処分、(ⅴ)事業計画及び予算の作成又は変更、(ⅵ)その他法令等及び発行会社の定款に基づき株主総会の決議が必要とされる事項等の一定の事項を決定し又は実施する場合には、合同会社エメラルドの事前の書面による承諾(但し、合同会社エメラルドはかかる承諾を不合理に留保してはならないものとされています。)を得ることとされています。

ハ.当社の株式に関する合意

本資本業務提携契約において、当社が株式等を発行、処分又は付与する場合、合同会社エメラルドは、その時点における当社に対する議決権保有割合に応じて、株式等の割当てを受ける権利を有することとされています。また、KSP社グループ(合同会社エメラルド並びにKSP社及びKSP社が無限責任組合員を務めるファンドを個別に又は総称していいます。)は、直接又は間接に、KSP社グループの当社に対する議決権保有割合が合計して3分の1以上となる当社の株式の取得を行おうとする場合、事前に当社との間で誠実に協議を行うものとされております。

 

(4) 業務提携契約

当社の連結子会社である藤久株式会社は、下記のとおり業務提携契約を締結しております。

契約締結先

契約締結日

契約内容の概要

株式会社エポック社

2021年2月15日

シルバニアファミリー、アクアビーズ、ジグソーパズル関連商品の店舗における専用コーナーの企画及び運営、シルバニアファミリーを中心とした手づくりキット等を組合せたオリジナル商品の企画、開発及び販売、手芸教室事業におけるシルバニアファミリーを中心とした手づくり講習会の開催などを目的とした業務提携契約

株式会社マスターピース

2021年2月15日

GMOペパボ株式会社

2021年11月10日

両社のサービスへの顧客の相互送客や共同でのイベント開催などにより、ハンドメイド業界の活性化と両社サービスの認知度向上を目的とした業務提携契約

株式会社ゴンドラ

2022年2月14日

株式会社ゴンドラの有する際と設計、広告運用、CRMに関する知見やノウハウを生かし、藤久株式会社が運営するECサイトの共同での分析、企画及び再構築を行うことを目的とした業務提携契約

 

(5) シンジケートローン契約

当社の連結子会社である藤久株式会社は、運転資金を安定的かつ機動的に調達することを目的としたシンジケートローン契約を2020年3月25日に締結しております。

シンジケートローン契約の概要は、次のとおりであります。

組成金額

3,500百万円

契約締結日

2020年3月25日

契約形態

タームアウト型コミットメントライン契約

コミットメント期間

2020年3月27日~2023年3月31日

返済方法

元金均等返済(6回分割返済)

借入返済期日

2023年9月末日を第1回とし、2026年3月末日を最終回とする3月及び9月の各末日

担保

無担保

アレンジャー兼エージェント

株式会社名古屋銀行

コ・アレンジャー

株式会社愛知銀行、株式会社北陸銀行

参加金融機関

株式会社名古屋銀行、株式会社愛知銀行、株式会社北陸銀行、株式会社商工組合中央金庫、株式会社十六銀行

 

(6) 単独株式移転による持株会社の設立

当社は、2021年8月19日開催の取締役会において、2021年9月28日開催の定時株主総会における承認決議など所定の手続を経た上で、2022年1月4日を期日として、当社単独による株式移転の方法により持株会社(完全親会社)である「藤久ホールディングス株式会社」を設立、持株会社体制に移行することを決議いたしました。

なお、詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

第3【設備の状況】

1【設備投資等の概要】

当連結会計年度における設備投資は、店舗販売部門における3店舗の新規開設及び既存店改装を中心に行いました。その主なものは、新規出店の店舗設備28百万円、既存店の改装等42百万円による有形固定資産の取得であります。その他の設備投資としては、新基幹系システム構築としてソフトウエア43百万円、ソフトウエア仮勘定116百万円、POSレジ65百万円を計上しております。その結果、設備投資の総額は295百万円となりました。

(注)  設備投資金額には、資産除去債務に係る有形固定資産の増加額は含めておりません。

 

2【主要な設備の状況】

(1) 提出会社

特記すべき事項はありません。

 

(2) 国内子会社

2022年6月30日現在

事業所名または

都道府県名

〔所在地または店舗数〕

事業部門の名称

設備の内容売場面積

帳簿価額(千円)

従業員数

(名)

建物及び

構築物

土地

リース資産

ソフト

ウエア

その他

合計

面積(㎡)

金額

クラフトハートトーカイ他 〔369店舗〕

店舗販売

販売設備

98,137㎡

83,077

(135,444.25)

139,030.99

176,135

83,200

342,412

237

〔1,060〕

長久手ビル

〔愛知県長久手市〕

他賃貸施設2件

その他

倉庫等

20,304

[2,387.30]

2,387.30

332,540

47

352,891

本社ビル

〔名古屋市名東区〕

統括業務施設

28,568

945.31

126,789

9,325

297,566

19,044

481,292

61

〔39〕

(注)1  帳簿価額のうち「その他」は、車両運搬具、器具及び備品、その他の無形固定資産の合計であります。

2  面積のうち(  )内の数字は賃借部分を、[  ]内の数字は賃貸部分をそれぞれ内書しております。

3  ビル及び商業施設等のテナント店舗については、土地の面積を表示しておりません。

4  従業員数欄の〔  〕内の数字は外書で、嘱託契約の従業員及びパートタイマー等の期中平均人員(1名1カ月166時間勤務換算)であります。

5  上記のほか、リース契約による主な賃借設備は次のとおりであります。

設備の内容

リース期間

年間リース料

(千円)

リース契約残高

(千円)

店舗用陳列什器備品他

5年

2,574

2,328

 

3【設備の新設、除却等の計画】

(1) 重要な設備の新設等

特記すべき事項はありません。

 

(2) 重要な設備の除却等

経常的な設備の更新のための除却等を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。