第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、日本ヴォーグ社の子会社化にともない、2022年9月29日提出の有価証券報告書に記載した事業等のリスクの見直しを行った結果、以下に記載の「1事業等のリスク (14)出版市場の動向に関するリスク」を追加しました。

 

(14)出版市場の動向に関するリスク

当社グループは、編み物、ソーイングなど手芸関連の書籍を出版しております。出版市場では、コロナ禍における巣ごもり需要が落ち着き、紙の書籍等の販売は再び減少傾向に転じた他、販路そのものである書店の閉店が続いております。また、用紙等原材料や印刷費用は市況の影響を受けます。したがって、急激な市場・市況変化によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(継続企業の前提に関する重要事象等)

当社グループは、巣ごもり需要の沈静化に加え、物価上昇などマクロ環境の変化による消費マインドの悪化の影響を大きく受け、前連結会計年度末において売上高が著しく減少し、営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する純損失並びにマイナスの営業キャッシュフローを計上しており、当第1四半期連結累計期間においても、営業損失及び経常損失を計上しております。これらの状況から、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

当社グループは、当該状況を解消すべく、2025年6月期を最終年度とする新中期経営計画を策定しており、本新中期経営計画において掲げた事業力の強化及びM&A・アライアンスの推進、経営体質の強化の3つの経営戦略を着実に実行することで事業の拡大を実現し、売上回復、収益改善に努めてまいります。

また、資金面においては、当社の連結子会社である藤久株式会社(以下、「藤久」という。)は、運転資金を安定的かつ機動的に調達することを目的としたタームアウト型コミットメントライン契約を2020年3月25日に締結しており、短期間での手元流動性の問題は生じないと考えております。

以上により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社は、2022年1月4日に単独株式移転により藤久の完全親会社として設立されましたので、前第1四半期連結累計期間との対比については記載しておりません。

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症への対策などを受けて経済活動の正常化が進み景気の持ち直しに期待はあるものの、国際情勢の緊迫化や急激な円安にともなう原材料や燃料価格の高騰、それを受けた物価上昇にともなう個人消費の低迷が懸念されるなど、景気の先行きに不透明感が強まる状況が続いております。

当社グループが属する手芸業界においても、コスト上昇に加え、手芸コーナーの充実を図る百円ショップとの競合激化や趣味の多様化、愛好者の高齢化によるユーザーの減少など、予断を許さない経営環境が継続しております。

当社は、グループ経営理念「手づくりを通して豊かな心を育み幸せを紡ぐ企業グループへ」と、その理念に基づいたサステナビリティ方針を掲げ、環境・社会・ガバナンス面での各種課題への継続的な取組みを通じて持続可能な社会の実現に貢献したいと考えております。このような考えのもと、足元の経営環境を踏まえ、2022年8月に公表しました「新中期経営計画」において成長の3本柱として事業力強化、M&A・アライアンス推進、経営体質の強化を掲げ、黒字体質への事業構造転換の実現、日本ヴォーグ社子会社化に続く新ビジネス領域への展開によるさらなる事業多角化、売上・利益の額重視から資産・資本効率を追求する財務戦略、DX推進など着実に行っております。

事業力強化については、日々変化する社会環境とお客様ニーズに対応すべく様々な施策に取組むとともに、エリア戦略に基づいた店舗網再編に向けた戦略的なスクラップ&ビルドを推し進め、北海道・東北地区1店舗、関東地区1店舗、九州・沖縄地区1店舗の合計3店舗を新規出店し、不採算店舗を北海道・東北地区2店舗、関東地区4店舗、中部地区5店舗、近畿地区3店舗、九州・沖縄地区1店舗の合計15店舗を閉鎖し、当第1四半期連結会計年度末の店舗数は357店舗となりました。

M&A・アライアンス推進については、7月1日に持株会社化後初となるM&Aとして手芸業界屈指の出版事業と教育事業を有する日本ヴォーグ社を完全子会社化しました。

以上の結果、当第1四半期連結累計期間における経営成績は、売上高39億58百万円、営業損失7億43百万円、経常損失7億43百万円となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純損失は6億47百万円となりました。

なお、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等) セグメント情報」の「3.報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおり、当第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの変更等を行っております。セグメント別の業績は、次のとおりです。

(小売事業)

「クラフトハートトーカイ」ブランドを中心に全国を網羅する店舗ネットワークとECで展開する小売事業では、新中期経営計画で掲げた様々な施策に取組んでまいりました。商品戦略強化では、顧客ニーズの高いソーイング関連商品の強化としてナチュラルテイストや北欧テイストなどのトレンド生地の取扱いを増やすとともに、約100店舗で売場改装を実施し、店内レイアウトを生地中心の売場構成に見直しました。加えて、日本ヴォーグ社と共同企画した定期刊行誌『CRA-SEW』(クラソウ)をテーマにソーイング初心者の方でも分かり易く、材料の購入から作り方までを総合的にサポートする提案を強化したコーナー展開を行いました。新ビジネス領域への挑戦では、H&B推進室を新設しました。美と健康に関する顧客アンケートを実施し、手芸層にニーズの高い「眠り」をテーマにプロジェクトを発足し、新ビジネス領域への挑戦を進めてまいります。

商品・サービスの拡充では、ヴォーグ学園の著名講師の講習が店舗の大型モニターを見ながらライブ配信で受講できる「ヴォーグ学園オンラインレッスン」の導入店舗を99店舗へ拡大し、講習プログラムの拡充も図っております。気軽に参加できる短時間形式のワークショップでは、株式会社エポック社のシルバニアファミリーの手づくり衣装を中心に夏休みの子供向けプログラムも全国で実施し、多い月には15千名もの方々にご参加いただきました。さらに、藤久の業務提携先であるGMOペパボ株式会社が運営する「minne byGMOペパボ」と英国のリバティ社が保有するプリントデザインの生地を使用したハンドメイド作品のコンテスト「リバティ・ファブリックス作品コンテスト」を開催し、12月中旬に受賞作品・受賞者の発表を予定しております。EC事業強化では、オムニチャネル戦略を支えるECサイトのリニューアルを進めるとともに、メールやSNSを活用した情報発信を強化しました。

これらの結果、小売事業の売上高は33億78百万円、営業損失は6億18百万円となりました。

(出版・教育事業)

出版・教育事業は、日本ヴォーグ社を中心に様々な施策に取組んでまいりました。出版事業では、ソーイング関連の書籍が堅調で、なかでも定期刊行誌『CRA-SEW』(クラソウ)は、書店販売に加え、全国の藤久店舗で作品も展示したコーナーを展開するなど販売強化をしたこともあり、年間購読の申込みが12千名超と新規の定期刊行誌としては通常の倍以上の年間購読者数となりました。購読者による掲載作品関連材料の購入も増加しており、シナジー効果も顕在化しつつあります。これらの結果、出版・教育事業の売上高は5億94百万円、営業損失は52百万円となりました。

(2)財政状態の分析

(資産)

当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ56億62百万円増加し、158億55百万円となりました。流動資産は18億81百万円増加し、94億9百万円となりました。流動資産の増加は、主に日本ヴォーグ社の連結子会社化により、現金及び預金が12億68百万円、受取手形及び売掛金が4億56百万円増加したことによるものであります。固定資産は37億81百万円増加し、64億46百万円となりました。固定資産の増加は、主に日本ヴォーグ社の連結子会社化により、建物及び構築物(純額)が11億91百万円、土地が23億57百万円増加したことによるものであります。

(負債)

当第1四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べ42億35百万円増加し、81億98百万円となりました。流動負債は17億51百万円増加し、49億4百万円となりました。流動負債の増加は、主に日本ヴォーグ社の連結子会社化により、支払手形及び買掛金が2億3百万円、短期借入金が6億30百万円、1年内返済予定の長期借入金が5億65百万円、契約負債が2億74百万円増加したことによるものであります。固定負債は24億84百万円増加し、32億94百万円となりました。固定負債の増加は、主に日本ヴォーグ社の連結子会社化により、長期借入金が10億47百万円、退職給付に係る負債が4億7百万円増加したことによるものであります。

(純資産)

当第1四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ14億26百万円増加し、76億56百万円となりました。純資産の増加は、主に利益剰余金が6億47百万円減少したものの、日本ヴォーグ社との株式交換により資本剰余金が20億79百万円増加したことによるものあります。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

該当はありません。

 

(5)従業員数

当第1四半期連結累計期間において、日本ヴォーグ社及びヴォーグ学園を連結の範囲に含めたことにより、出版・教育事業において従業員数が102名増加いたしました。これらの結果、当第1四半期連結会計期間末における当社グループの従業員数は404名となりました。

 

(6)主要な設備の状況

当第1四半期連結累計期間において、日本ヴォーグ社及びヴォーグ学園を連結の範囲に含めたことにより国内子会社の主要な設備が増加しております両社の連結子会社化に伴って増加した有形固定資産は35億40百万円です。

 

当第1四半期連結累計期間において、新たに確定した主要な設備の売却については以下のとおりであります。

会社名

事業所名

所在地

セグメントの名称

設備の内容

期末帳簿価額(百万円)

売却年月

日本ヴォーグ社

賃貸用

オフィスビル

東京都新宿区

出版・教育事業

建物・土地

906

2022年9月

 

3【経営上の重要な契約等】

該当はありません。