第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、「わたしたちは、たゆみない努力で健康を願うすべての人々に新たな価値を創造し、豊かな社会づくりに貢献」することを経営理念に掲げ、自社のモノづくりの強みを生かし、世界に広がる販路を活用することで、グローバルヘルスケアトップ企業の一角として世界中の健康を願う皆さまのお役に立ち続ける企業を目指しております。

 当社子会社であるPHCは、2014年のKKR PHC Investment L.P.による資本参加を契機に、パナソニックグループの一子会社からカーブアウトし、以降、継続的に非中核事業の戦略的移管・譲渡による事業ポートフォリオの見直しを図ったほか、徹底的なコスト見直しによるマージンの改善に努めてまいりました。また、2016年には、当社グループの糖尿病ケア製品のグローバルな販売基盤の獲得を企図し、グローバルに販売網を持つBayer社の糖尿病ケア事業(現ADCHD及びその子会社)の買収を実施し、真のグローバル企業への成長に向けた経営基盤の確立に邁進してまいりました。

 また、2017年3月にKKR PHC Investment L.P.からの株式譲渡により、三井物産株式会社(以下、「三井物産」)が新たに株主として加わり、三井物産の投資先との協業など事業成長の機会を広げていくとともに、2018年4月に社名をパナソニックヘルスケアホールディングス株式会社からPHCホールディングス株式会社に変更し、コーポレートブランドもPHCに変更しました。2019年6月には、サーモフィッシャーサイエンティフィックより病理事業を買収、当該部門を母体としたEprediaグループを設立し、ライフサイエンス領域(診断・ライフサイエンスドメイン)の強化を図りました。さらに、2019年8月には、三菱ケミカルホールディングスグループより臨床検査事業分野の大手であるLSIMを株式交換により完全子会社化し、臨床検査領域への事業拡大、ヘルスケアソリューションドメインの事業強化を図っております。この株式交換により、同じく三菱ケミカルホールディングスグループにおいてヘルスケア事業を展開する中核会社である株式会社生命科学インスティテュート(以下、「生命科学インスティテュート」)が当社の主要株主となりました。2021年3月には、既存株主(KKR PHC Investment L.P.及びパナソニック)からの株式譲渡並びに新株引受によりLCA 3 Moonshot LPを新たな株主として迎え、その知見や投資先との協業など更なる事業成長の機会を広げております。

 これらの事業買収を通して、事業内容の拡大を図ってきたことから、当社グループの事業ドメインとして、「糖尿病マネジメント」、「ヘルスケアソリューション」、「診断・ライフサイエンス」、の3つを設定しました。そして、「グローバルの診断・ライフサイエンス、日本のヘルスケアサービスにおいて、ベストインクラスのプレシジョンとデジタルソリューションを提供するリーダーとなる」をビジョンとして設定し、3つのドメイン間でバランスのとれた収益構造を目指してまいります。

 

(2)経営環境

 国内においては、新型コロナウイルス感染症の影響による景気の停滞があるものの、新たな生活様式の浸透とともに徐々に経済活動の回復が見られ、経済対策に盛り込まれた各施策が具体化・実行されることにより、民間投資、消費の喚起や生産性の向上につながり、雇用や所得環境の改善を伴う経済の安定化が期待されています。海外においても、変異株(デルタ株等)の拡大等、引き続き新型コロナウイルスによる影響があるものの、欧米地域ではワクチン接種が進んでいること等により、段階的に経済回復基調に戻りつつあります。中国など復調に向けた動きも力強さを増しており、ワクチン接種が更に進んだ場合、新型コロナウイルス影響後の新たな経済秩序の中で世界経済も全体としては、更なる回復が期待されるものと考えられます。

 当社グループを取り巻くグローバルなヘルスケアビジネスにおける環境は、先進国で進行する少子高齢化と世界的な生活習慣病の増加やがん患者の増加、それらに対する様々な技術革新が行われています。その一方で各種医療基準・規制の強化に加え行政の医療費削減の動きが見られます。糖尿病マネジメントに関して、2015年には70億米ドル以上あったとされる血糖値測定(Blood Glucose Monitoring(以下、「BGM」))システム事業の市場規模は、先進国市場における保険償還額の見直しや持続血糖値測定器(Continuous Glucose Monitoring(以下、「CGM」))の普及拡大等により、2020年では60億米ドル超となり毎年4%弱の縮小傾向となっております。(IQVIAデータを基に当社にて算出)一方、新興国市場では糖尿病患者数の増加等により市場規模は成長しており、全世界の糖尿病患者は2019年に4億6,300万人(成人のうち11人に1人が糖尿病)から2030年に5億7,800万人、2045年に7億人へ増加すると推定されています(出所 IDF DIABETES ATLAS Ninth edition 2019)。ヘルスケアソリューションについては、日本の受託臨床検査市場では診療報酬改定を背景とした受託単価の下落影響はあるものの、それを上回る外部委託検査の需要があるのが近年の基本的な市場構造と考えております。競争環境は激化している中でも、医療及び健診需要の安定増加、各種感染症検査、個別化医療進展に伴うヒト遺伝子検査等もあり市場規模としては、2019年度までの約10年にわたり年率1~2%前後の微増で推移しています(出所 矢野経済研究所:2020年版 臨床検査センター経営総鑑)。日本における電子カルテの普及率は、一般診療所(無床)においては約4割、200床未満の小規模病院では、2~3割に留まっています。新規開業医はほぼ100%が電子カルテを導入していますが、既存開業医も今後、レセプトコンピュータ更新時に電子カルテの導入が進むことが予測されています。今後導入を検討する診療所や50床前後の小規模病院に対して「導入コストの削減」「システム運用・管理費用・人員の削減」「災害時対策」などを訴求点にクラウド型電子カルテが注目されており、導入が進む可能性があります(出所 矢野経済研究所:2020年版 医療情報システム(EMR・EHR)市場の将来展望)。また、診断・ライフサイエンスにおいては、病理市場は、がんの発病や検査の増加及び個別化医療の進展により、病理医によるがんの診断数が増加し、2017年から2019年の3年間で、1桁台半ばの成長を続けています(出所 MarketsandMarkets : Anatomic Pathology Market(2020))。また、デジタルパソロジーや人工知能(AI)を駆使した先進的な技術の活用も進んでいます。ライフサイエンス向け研究・医療支援機器関連の市場は、米国や欧州、中国などを中心に、再生医療・細胞治療に関する研究や臨床応用が活発ですが、細胞を用いた創薬についても積極的に進められており、近年、世界的に再生医療領域への投資が加速していることから、今後も世界市場の規模拡大が見込まれています。その様な環境の中、当社グループは、これまで培った高品質・高性能なモノづくりとデジタルソリューションによる顧客基点のイノベーションを強みとし、事業推進に取り組んでまいります。

 

(3)目標とする経営指標

 当社グループは、「グローバルの診断・ライフサイエンス、日本のヘルスケアサービスにおいて、ベストインクラスのプレシジョンとデジタルソリューションを提供するリーダーとなる」をビジョンとして掲げ、グローバルヘルスケアトップ企業の一角を目指しております。それらの到達を具現化するためには事業規模を拡大し収益性を向上させることが経営上重要であると認識し、売上収益、営業利益、(調整後)EBITDA及び(調整後)親会社の所有者に帰属する当期利益を重要な経営指標として位置づけ、事業の進捗とそれらの充足状況を分析し経営課題に対処していく方針です。なお、(調整後)EBITDAについては、①営業利益をベースとした指標であり、事業の収益性を示す指標であること、②事業の収益性を評価する指標としてグローバルに活用されている指標であること、③キャッシュ創出力を示す指標の一つであり、成長に向けた投資余力を示す指標であることから、当社グループにおける重要な経営指標の一つとして位置付けております。(調整後)EBITDA及び(調整後)親会社の所有者に帰属する当期利益の算定方法については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① グローバル規模での中長期の成長を支える社内体制の構築・強化

 当社グループは、KKR PHC Investment L.P.による当社設立以降、2014年のPHCのパナソニックグループからのカーブアウト、2016年のBayer社の糖尿病ケア事業の買収、2019年のサーモフィッシャーサイエンティフィックからの病理事業の買収及び生命科学インスティテュート(三菱ケミカルホールディングスグループ)からのLSIMの買収を経て、事業基盤の強化、事業拡大を進めております。一方で、急激な拡大に伴い海外子会社、従業員数等も増大しているため、グローバルでのグループガバナンスの向上、内部統制に係る体制の強化、各国での法令順守の徹底に向けた社内体制の構築・強化に努めてまいります。

 

② 事業及び収益基盤の拡大

 当社グループは、顧客ニーズや技術革新の変化・進展が目覚しいヘルスケア業界の中で、「グローバルの診断・ライフサイエンス、日本のヘルスケアサービスにおいて、ベストインクラスのプレシジョンとデジタルソリューションを提供するリーダーとなる」ことを目指し、「糖尿病マネジメント」、「ヘルスケアソリューション」、「診断・ライフサイエンス」の3つの事業ドメイン間でのバランスの取れた成長を図るために、常に新たな事業成長・収益基盤の拡大・確立の機会を探し求めております。

 当社グループは、2021年6月に2021年度~2024年度の中期経営計画「Value Creation Plan」を公表しました。中期経営戦略として以下を掲げております。

 糖尿病マネジメントドメインにおいては、先進国でのシェアの維持・拡大を図りつつ、新興国での成長に注力することで、先進国市場の縮小による影響を低減させてまいります。また、成長が見込まれるCGMをポートフォリオに加えることで、糖尿病診断分野における包括的な選択肢の提供による成長を図ります。世界的に生活習慣病が増加する中、「IDF Diabetes Atlas 9th Edition 2019」によれば、糖尿病患者数は今後も増加するとされ、2045年には新興国における糖尿病患者数が全世界の約80%を占めることが予想されております。また、BGM事業の市場環境は、世界的に縮小傾向が続いており、先進国市場においては価格圧力や限定的な保険償還に加えてCGMの普及拡大が進んでおります。一方、新興国市場では緩やかな成長が続いており、糖尿病マネジメントドメインにおいては新興国での販売拡大に向けた施策の展開を進めております。さらに、Senseonics Holdings, Inc.との協業を積極化することで、CGM製品の開発加速、デジタルソリューションによる革新的でより快適な糖尿病マネジメントサービスの開発・展開を推し進めており、世界中の糖尿病患者の皆様の生活の質の向上を図るだけでなく、医療従事者や保険支払者も含めたより統合的なソリューションを構築し、医療の効率化・低コスト化を通して、世界的な医療費抑制ニーズに貢献するべく事業展開を推進してまいります。

 ヘルスケアソリューションドメインにおいては、日本における臨床検査、電子カルテをはじめとするヘルスケアITにおけるリーダー的ポジションを活用し、検査効率の向上や遠隔医療をはじめとした多様化するヘルスケアニーズに応えるべく、他社とのアライアンスを積極的に進めて、日本のヘルスケアサービスの基盤となる事業を展開してまいります。主にLSIM事業においては、臨床検査事業をはじめとする既存のビジネスモデルや製品を強化・拡大する一方、遺伝子検査や遺伝子解析をはじめとする先端技術の開発を推進することで、新たな成長機会の創出を図ります。またメディコム事業においては新規顧客基盤の開拓により既存の強固な事業基盤を堅持する一方で、新たな事業基盤を拡大しデジタルヘルス事業への転換を図ります。

 

 診断・ライフサイエンスドメインにおいては、積極的に他社とのアライアンスを組むことで、革新的な組織診断の技術開発や細胞治療分野におけるコスト削減を目指した総合的なデジタルソリューションの構築を目指してまいります。主にバイオメディカ事業においては、ライフサイエンス領域を強化し、コールドチェーンや細胞培養等の新しい治療法に対応した高成長分野への転換を図ります。また、病理事業においては中核となる病理事業の成長を維持しつつ、免疫組織化学(IHC)やAI、デジタルパソロジー、分子診断等の分野に対する投資を推進することで、個別化医療におけるポジションの確立を図ります。がんは世界的に主な死因として挙げられており、患者数の増加に伴う検査件数の増加や細胞治療を含む個別化医療の進展により、病理医によるがん診断や組織診断の需要増加につながっています。病理事業の分野では、検査・診断の精度向上・効率向上に向けて、デジタルパソロジーや人工知能(AI)などを駆使した先進的な技術の活用も進んでいます。

 上記のとおり、当社グループは自社による技術開発・新製品開発に努める一方で、現在の当社グループには無く今後の成長に必要不可欠な技術の獲得や将来性豊かな3ドメインの関連事業領域への参入に対しても、M&A等による非連続な成長も手段のひとつとして駆使する等、機を逸することのない事業展開に努めてまいります。

 

③ 借入金の返済について

 当社の借入金は、過去に行ったM&A等により総資産の過半を占める水準となっておりますが、これまで銀行との借入契約に定める条件通りの返済を行ってきており、また、2021年6月末に行ったリファイナンスにより、今後5年間は均等返済を行う旨の契約内容となっております。同返済金額は今後見込まれるフリー・キャッシュ・フローにより十分に返済可能な水準であると考えておりますが、株式上場時の公募増資による調達資金により、一部繰り上げ返済を行うことで早期の財務体質強化を図り、事業の機動性を高めてまいります。なお、5年経過後の借入残高については、借換等の選択肢も含めて、今後引き続き金融機関と協議してまいります。

 

④ PHCグループとしての認知度の向上

 当社グループは、2014年にパナソニックグループよりカーブアウトし、2018年4月にはグループのコーポレートブランドをPHCに変更しております。その後、新聞広告や空港・駅などでの交通広告も展開し、新社名・新ブランドの訴求に力を入れてまいりました。一方で、各事業はそれぞれに長い歴史を持ち、長年お客様に親しまれてきた事業・製品ブランドを有しております。今後は上場を機に、グループとしての認知度を更に高めるべく、各事業・製品ブランドの強化に努め、併せて様々な媒体を通じた広報活動を行うことで、投資家をはじめとするあらゆるステークホルダーの皆様に対してグローバルにPHCグループの認知度向上に努めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクのうち、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがありますが、これらに限定されるものではありません。また、そのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。

 なお、本文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるリスクを全て網羅的に記載したものではありません。

 

(1)経済環境について

 当社グループは、日本、欧州及び米国等の世界各地において事業活動を展開しております。当社グループの製品・サービスに対する需要は、それらの販売を行っている国、又は地域の経済状況の影響を受けます。当社グループの主要な市場における経済成長の減速、為替やクレジット市場におけるボラティリティ、失業率の増加、設備投資の水準の減退、各種政策の変更等により、当社グループの事業及び当社グループの顧客や取引先に悪影響を及ぼす可能性があります。世界の市場における景気後退等及びこれに伴う需要の減少により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。こうした経済環境に係る情報収集に努め、同時にコスト削減・業務効率の向上を図り、グローバルな事業基盤をさらに強化することによって、より強い収益体制の構築を目指してまいります。

 

(2)市場動向について

 当社グループの属する業界は、医療制度に密接に関連しております。国内外で、医療費抑制や、医療の質の向上を目的とした、医療制度改革が継続して進められており、これらの改革や新たな医療・技術の開発等の要因により、技術革新や費用対効果の高い製品・ソリューションの提供に対する需要が高まる可能性があります。当社グループは各事業分野の動向を注視しており、社内の研究開発活動だけでなく、相乗効果のある買収や提携を通じて、顧客のニーズに応えようとしていますが、今後の市場環境の変化に対応できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、調剤薬局は当社グループのヘルスケアソリューションドメインの主要な顧客のひとつでありますが、近年、大手薬局チェーンの出店加速に加え、医薬品卸やドラッグストア等の隣接業種が調剤事業を強化しており、さらに商社やスーパー等異業種からの参入もあり、調剤薬局業界は、競争激化による再編・淘汰が進んでおります。このような業界再編等に伴い、採用する調剤システム等の見直しが行われる場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 加えて、当社グループの診断・ライフサイエンスドメインの主要顧客である大学、官公庁、企業の研究機関における研究開発費は、経済状況によって変動する可能性があります。これらの顧客の多くは国や政府からの資金調達に依存しておりますが、国が支出する研究開発費のレベルは予算の優先順位や経済状況の変化の影響を受けるため、事前に予想しにくいという問題もあります。経済状況や国の支出削減政策は、国による研究開発費の支出に影響を及ぼす可能性があり、国から支出される資金の削減若しくは遅延により、顧客は当社グループ製品の購入を延期する、又は購入を見送る可能性があることから、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 これら業界の動向や国家予算の動向などについて、積極的に情報収集を行う取り組みを推進してまいります。

 

(3)顧客動向/嗜好について

 顧客を取り巻く事業環境や社会環境の変化、新技術の登場等により、顧客の需要は変化し続けることが予想されます。当社グループの糖尿病マネジメントドメインのユーザーである糖尿病患者からは、毎日使用する血糖値センサの測定精度の高さや価格の低さに加え、一度の装着でより長期間連続した測定が可能で、より痛みや出血の少ない低侵襲なセンサへのニーズが高まっております。当社グループのヘルスケアソリューションドメインの顧客である医療機関では、セキュリティやコスト等の観点から、クラウド型電子カルテ等への要望が高まりつつあります。また、当社グループの診断・ライフサイエンスドメインの顧客からは、従来製品に要求されていた正確性や安全性に加え、近年では、デジタル化された解析やワークフローの管理ツールの利用促進による顧客の業務フローの効率化・省力化や、環境負荷低減への配慮が求められるようになりました。当社グループはこのような顧客ニーズへの対応に取り組んでおりますが、顧客ニーズの変化に伴い当社グループが提供する製品・サービスの需要が低下する場合や、需要の変化への対応に必要な製品・サービス内容等の変更や新規製品・サービスの開発等が成功せず、顧客の要求水準や要求内容に見合う製品・サービスを提供できない場合、また、当社グループが顧客の需要の変化を適切に把握できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。今後も、一層の営業・マーケティング力の強化を図り、顧客動向やお客様のニーズの把握に注力し、より良い製品・サービスの提供に努めてまいります。

 

(4)競合他社について

 当社グループは、世界各地で、広範多岐に渡る製品・サービスの開発・生産・販売を行っており、国際的な大企業から小規模ながら急成長中の専門企業まで、さまざまなタイプの企業と競合しています。また、競合他社がそれぞれの競合事業において当社グループよりも、優れた技術力、製品ラインナップを含めたマーケティング資源、多様なビジネスモデル、強固な財務基盤等を有している可能性があり、当社グループの製品は、それぞれ、特徴・品質・価格・サービスその他の点で競争にさらされております。また、当社グループが関わる医療技術産業は、技術の変化や開発のスピードが速く、競合他社による製品・プロセス・技術の新規開発や改良は、当社グループ製品の競争力をしのぐ可能性があります。さらに、新興国での事業においては、低コスト製造による低価格製品を実現した企業により、当社グループ製品のシェアが奪われる可能性もあります。当社グループは、常に競合他社の動向に注意を払い情報収集に努めるとともに、当社グループの製品・サービスの強みを活かした革新的な技術開発・商品開発の努力を継続して、競争力強化を図っておりますが、競合他社に対して十分な競争力を確保できない場合には、当社グループの売上が減少する可能性があり、その場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)医療費抑制政策に伴う価格変動リスクについて

 当社グループが販売する製品には、世界的な傾向となっている医療費抑制政策を受け、定期的に償還価格の引き下げの影響を受ける製品があります。日本においては概ね2年に一度、診療報酬、薬価及び特定保険材料の公定償還価格の改定が行われておりますが、国民皆保険制度の維持を目的とした取り組みの一環として、2022年3月期から薬価が毎年改定される予定であり、今後、当社のBGMシステムを含む特定の製品の価格にも毎年の改定が拡大された場合、より頻繁に価格の引き下げが生じる可能性があります。米国においては、医療保険制度の改革により償還圧力が強まる中で低コスト化が顕著になっています。当社グループの主力製品であるBGMのセンサについては、過去にも米国における公的医療保険制度である「メディケア」の償還価格が大幅に引き下げられた経緯もあり、医療費抑制政策に伴う販売価格の変動を受けやすい製品になります。販売価格の変動の影響を限定するため、各国の事情に合わせて、保険でカバーされない自費購入者向けの販路拡大等にも努めておりますが、このような価格変動リスクは、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)海外事業展開について

 当社グループは世界各地に製品を供給しており、地政学上及び経済動向の不確実性、宗教や文化の相違、現地における労使関係、疫病の発生・蔓延等による社会的混乱等のリスクに直面する可能性があります。また、取引先との関係構築・拡大等の点で、海外での商習慣に関する障害に直面する可能性があります。さらに、各国税制、契約慣習・慣行、知的財産保護制度、投資規制、収益の本国送金に関する規制、現地産業の国有化、輸出入規制や外国為替規制の変更、といったさまざまな政治的、法的あるいはその他の障害が生じる可能性があります。また、当社グループはグローバルに関係会社を有しており、関係会社管理の観点から法令順守・コンプライアンスを中心にグループとしての適切な管理に努めておりますが、関係会社において問題が発生した場合、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。輸出製品については、関税その他の障壁、あるいは輸送費用により、当社グループ製品の競争力が弱まる可能性があります。当社グループは、税率が日本よりも低い国でも事業展開しているため、当社グループ全体の実効税率は日本の実効税率よりも低くなっていますが、各国の税制又は税率の変更等が生じた場合は、その税負担軽減を享受できなくなり当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。新興国における国産品奨励政策による非関税障壁に対しては、現地生産化による対応を推進するなどの他、今後も引き続き、自由貿易協定を最大限、積極的に活用していくとともに、上記の様々なリスクを総合的に勘案して、ロシアにて現地生産化を計画する等、グローバルに最適な調達・生産・流通体制を構築していくよう検討を継続してまいりますが、このような試みが成功しない可能性があります。

 

(7)中期経営計画について

 当社グループが策定した中期経営計画では、新規顧客開拓、新製品投入により主力製品のシェア拡大を通じた成長加速と生産拠点の集約等の継続的なコスト削減策による収益性の向上、事業提携・M&Aによる非連続戦略により、3つの事業ドメインでの成長と利益率向上を目指しております。

 この中期経営計画を策定するにあたり設定した多数の前提が想定通りにならない場合等には、当該計画における目標を達成できない可能性もあります。さらに、当社グループが正確に認識又は分析していない要因又は効果により、計画の施策がかえって当社グループの競争力を阻害する可能性もあります。

 また、他社との競合状況が想定以上に厳しく成長の前提としたシェア拡大が図れないリスク、新型コロナウイルス感染症の影響が生じる期間・程度が想定以上となるリスク、人員計画通り優秀な従業員を確保できないリスク、成長戦略、顧客戦略、商品戦略、コスト削減戦略等の諸施策が奏功しないリスク、新しい技術革新や顧客嗜好の変化に対応できない、又は対応に多額のコストを要するリスク、その他の想定していない事象の発生等、多数のリスク要因が内在しているため、目標を達成できない可能性、実施が困難になる可能性、施策自体が当社グループにとって有効ではなくなる可能性があります。

 これらの結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)BGMシステム事業への利益依存について

 2021年3月期におけるセグメント利益の合計(内部取引消去前)は28,968百万円となっておりますが、そのうち糖尿病マネジメントのセグメント利益は23,945百万円となっております。

 病理事業やLSIM事業の統合に係る費用が発生した影響を除いた場合でも、当社グループのセグメント利益におけるBGMシステム事業の割合は高くなっているため、当社グループとしては、BGMについては、市場規模が拡大しているロシアや中国等の新興国市場での売上拡大と、市場規模が縮小している先進国市場でのシェア拡大を目指すとともに、CGMシステム製品の投入により糖尿病マネジメントセグメントの売上・利益を確保していく計画です。しかしながら、今後、BGMの販売における新興国市場での売上拡大及び先進国市場でのシェア拡大や、CGMシステム製品の展開が計画通りに進まない場合には、当社グループの利益減少に繋がる可能性があります。

 加えて、診断・ライフサイエンスドメイン、ヘルスケアソリューションドメインの事業強化を推進し、3つのドメイン間でバランスのとれた収益構造を目指してまいりますが、新製品開発が計画通りに進捗しないリスクや競合他社の競争が想定以上に激しく各事業の強化が計画通りに進まないことにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)為替リスクについて

 当社グループの2021年3月期の地域別売上収益は、日本43.9%、欧州24.9%、北米21.6%、その他9.5%となっており、外貨建てで取引されている製品・サービスは、当社グループ売上の過半を占めており、その価格及びコストは、為替相場の変動により影響を受けるため、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。また、当社グループでは、連結財務諸表作成にあたり各地域における現地通貨建て財務諸表を円換算しています。従って、為替レートに変動があれば、換算に適用するレートが変動し、円換算後の連結ベースでの損益や資産等に影響を受けることになります。当社グループの場合、2021年3月期の為替感応度(1円の円高となった場合)は売上収益で約13億円、営業利益で約3億円の影響を受けていたことになります。当社グループは海外工場への生産移管、海外からの原材料調達等の構造的対応を図ると共に、売上規模と販売地域に応じた為替ヘッジ取引を行っております。しかしながら、想定外の変動が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)生産・製造について

 当社グループは、製品・サービスを世界各地に供給しており、市場への製品の安定供給に努めております。生産や製造に必要な金型・設備・ライン等は、それぞれの生産や製造に適合するように調整されており、適宜メンテナンスが必要です。当社は「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載の通り、定期的なメンテナンスはもちろん、生産・製造技術の革新に常に取り組んでおりますが、新たな生産・製造技術に対する生産設備等に係る投資が発生した場合、当該投資に伴うコストの増加は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、設備の老朽化等により、現在使用している金型・設備・ライン等の使用に支障をきたした場合、当社グループへの材料及び製品の供給が一時的に滞るおそれがあり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)人員確保について

 当社グループの製品開発・製造の中核子会社であるPHC株式会社の従業員の平均年齢は45.8歳(2021年3月期末時点)となっており、今後、想定通りに従業員の採用が進まない場合、又は、想定通りに現状よりも少人数でのオペレーション体制への移行が進まない場合には、生産技術の承継に支障をきたす可能性、また、生産、販売、本社の主要部門において労働力不足が生じる可能性があります。また、当社グループの事業は、経営陣の経験及びリーダーシップ並びにその他の重要な役員・従業員による貢献に支えられています。これらの重要な人材を喪失した場合や新たに獲得できなかった場合等には当社グループの事業に影響を及ぼす可能性がありますが、当社グループが必要とする優秀な人材については獲得競争が激しく、当社グループは優秀な人材の採用・育成・維持のために投資を行う必要があります。今後も、優秀な人材の採用に向けて、積極的に当社グループの魅力をアピール等してまいりますが、優秀な人材を計画通り確保できない場合や生産技術承継への支障又は労働力不足が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。仮に計画通りに技術の継承が進まなかった場合、定年再雇用制度を活用し、特殊な知識・経験を有する方に引き続き当社グループに従事頂くことにより、各職能のグループ全体のパフォーマンスの維持・向上や後継者の育成を図ってまいります。

 

(12)調達について

 当社グループは原材料が適時、適量に調達できることを前提とした生産体制を構築しております。当社グループは、購入先を複数にする等主要原材料が確保できなくなるリスクを低減するよう努めておりますが、その一部については、原材料の特殊性から購入先が限定され、代替品を入手することが困難なものもあります。かかる原材料について、新型コロナウイルス感染症の影響等により供給遅延等が生じた場合、又はそれらの購入先との間で取引関係の終了や生産能力の問題が生じた場合、必要な原材料が不足すること、購入するための費用負担が増加すること、又は原材料変更に伴う許認可の再取得のための費用負担等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、原材料の価格や燃料価格が上昇する可能性があり、上昇したコストを製品価格に転嫁できない場合や、購入先の事故、倒産等により供給が中断し、必要な主要原材料を確保できなくなる場合、電力の供給不足や価格上昇が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)物流業務等の外部委託について

 当社グループは、物流業務の効率化及び流通在庫の適正化を目的として、糖尿病マネジメントドメインの製品のうち、ADCグループによって販売される製品の物流業務等を、RR Donnelley社及びDHL社に外部委託しております。ADCグループによって販売される当社グループの製品の大半は、日本国内で生産された後、RR Donnelley社の米国及びポーランドの2箇所の配送センターに集約のうえ世界各国の法規制等に応じて外装梱包され、DHL社の物流施設を通じて販売先へ出荷されます。予期せぬ災害や事故等の不可抗力、その他外部委託業者の業務の継続が困難になる事象等、何らかの理由により外部委託業者からのサービスの提供の中断・停止が生じた場合、外部委託業者の業務上の過誤により当社グループの評判が低下したり法令順守上の問題が生じたりする場合、又は外部委託業者との基本契約が変更され、当社グループの業務運営上何らかの影響が生じ、かつ当社グループがこれに適切な対応ができない場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)品質について

 当社グループが供給する製品には高い信頼性が要求されるため、当社グループは、設計、開発、製造段階で、万全の品質管理体制の下、製品の品質保証に取り組んでおります。また当社グループでは、体外診断薬及び医療機器の製造も行っており、品質マネジメントシステムである国際規格ISOの基準等に基づいて、厳格な品質管理の下で製品の製造をしています。このように当社グループは、製品の安全性の確保について全力を挙げて取り組んでおりますが、万が一製品に品質問題が発生した場合には、当社グループの事業に必要となる許認可等の取り消しやその更新の遅れ等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、事故等の発生に当社製品が直接関与していないことが明らかであっても、将来的に当社製品にリスクが波及する可能性がある場合、予防的な対策、措置を講じることがあります。そのような場合には、売上の低下、又はコスト増等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 加えて、使用時の偶発的な不具合や副作用等により、他者に損害を与え、賠償責任を請求されるリスクがあります。これらのリスクに対応すべく、賠償責任や製造物責任についての保険契約を締結しておりますが、万が一保険範囲を超える請求を受けてそれが認められた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)研究開発について

 当社グループが事業展開するヘルスケア分野は、法的規制や許認可等により、研究開発から製品を上市するまでの期間が長く、臨床・治験を経て製品化されるものも多くあります。そのため当社グループでは、中長期の開発戦略を策定し、それに基づいて新技術や新製品、生産プロセス改革等に必要な研究開発投資や設備投資を行っておりますが、上市までの期間が長いために研究開発の途上で環境の変化等の理由により、方針を変更若しくは研究開発そのものを断念する可能性があり、その場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、顧客ニーズや価値観が多様化し、有望市場として新規参入を試みる企業が多い市場でもあり、当社グループが開発した製品について、想定した売上等の効果が得られない可能性があります。さらに、競合他社が投入した新技術・新製品開発によって、当社グループが製品化した新技術・新製品が予期せぬ陳腐化を起こし、結果として需要が減少する可能性があります。当社グループでは顧客ニーズの把握に努めておりますが、当社グループが常に顧客の求めるニーズに適切に応えられる製品を提供し続けられる保証はなく、また提供できる価格、数量、時期に関しても、常に顧客の要請に完全に応えられる保証はありません。顧客ニーズの多様化、新規参入の動向、競合他社による新技術・新製品の導入により、当社グループが顧客ニーズに応えられる製品を提供できなくなった場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)研究開発にかかわる人材確保・育成について

 当社グループの事業においては、研究開発や新製品の開発を担う専門性を有した優秀な研究者やエンジニアを確保・育成すると同時に、開発・生産に携わる優秀な従業員を各地で確保・育成する必要があります。しかしながら、優秀な従業員を確保・育成できない場合、当社グループの事業に影響が生じる可能性があります。また、これらの人材が当社グループの競合他社に転職する場合、当該競合他社の競争力を向上させ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)技術革新について

 当社グループが事業展開する分野は、今後の有望市場として他分野からも多くの企業が自社技術の同分野への転用を検討しており、非連続的な技術革新が起こる可能性があるとともに、既存の競合他社においても常に技術優位性を維持若しくは確保すべく、積極的な研究開発がなされている分野となっております。

 当社グループとしましても、顧客ニーズに応えるべく自社の有する技術等を常により良いものにすべく技術開発に努めており、今後も、当社グループ自身による研究開発だけでなく、優れた技術を持つ他社との事業提携や買収なども視野に、技術革新の動向について注視してまいりますが、当社グループの製品を不要とする医療技術そのものの発展や、当社グループが有する技術的優位性を根底から覆す技術革新がなされた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)負債について

 当社グループは、金融機関を貸付人とする借入契約を締結しており、2021年3月期末時点における総資産に占める有利子負債は60%となっております。当該契約には財務制限条項が付されており、これに抵触した場合、貸付人の請求があれば同契約上の期限の利益を失い、当社グループの財政状態及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社グループでは、当該契約における金利上昇リスクと財務制限条項への抵触による期限の利益喪失リスクに対応する為、主に以下の取り組みを実施しております。

・経営管理 … 当社グループは、事業の安定性維持と持続的成長の為、売上収益、営業利益、(調整後)EBITDA及び(調整後)親会社の所有者に帰属する当期利益を重要な経営指標とし、具体的数値を目標設定した上で定点観測することにより、経営管理を行っていく方向です。

・資金管理当社グループは、原則として事業から生じる営業キャッシュ・フローをベースに借入金の返済を見込んだ上で、投資の計画を策定しております。投資及び財務キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローの範囲内となるよう管理し、手許資金の増加に努めます。また、当社グループ内の資金残高を随時確認すると共に、資金繰り見通しについても定期的に更新することで常時動向を把握しております。なお、当社グループの資金調達は原則として、当社財務部門が一括して行っております。

・金融機関との交渉

 … 金融機関とは、経済環境や当社グループの事業の進捗状況を共有した上で、金利条件の改善、並びに、財務制限条項の縮小につき、随時交渉しております。また、グロス・レバレッジ・レシオの基準値に応じた金利スプレッドの低減等を契約に定めております。

 しかしながら、かかる取り組みが成功しない可能性があり、また、事業活動により得た資金の相当な部分を負債の返済に充てる結果、研究開発や設備投資に使用できる資金や配当原資が減少する等の可能性があります。

 

(19)固定資産、のれんの減損について

 過去のパナソニックからのカーブアウトとその後のM&Aにより、当社の連結財務諸表に計上されている無形資産及びのれんは2021年3月期末時点において総資産の55%を占めております。当社の連結財務諸表はIFRSに準拠して作成しており、のれんは非償却資産であります。当社グループでは毎連結会計年度及び減損の兆候がみられる場合に減損テストを実施しており、当該のれんを含む資産グループから得られる将来のキャッシュ・フローの大幅な減少や事業環境等の重大な変化等は、減損につながる可能性があります。また、当社グループを取り巻く事業収益性の悪化等により、のれん等の資産価値が減損した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 のれんの減損に係るリスクを低減するため、各事業において下記に記載する主な取り組みを展開することによって事業の収益力強化に努め、各事業の着実な事業成長を図ってまいります。

 糖尿病マネジメント事業においては、アライアンスを通じた販売促進や電子広告及びSNSを通じたマーケティングなどによる当社製品の認知度向上策等による先進国におけるシェアの拡大や、新興国における増販による売上増加に取り組み、また、各国市場トレンドに合わせた販売体制の見直しによるコスト削減を進めております。これにより収益力の強化を図ってまいります。

 メディコム事業においては、販売代理店との連携強化・教育支援策として、販売子会社における営業のベストプラクティス共有や営業マネジメント力の強化などを行っています。また、協業による販売網の強化、デジタルマーケティングによる新たな販売方法に向けた取り組みも展開してまいります。

 LSIM事業においては、日本全国を網羅する営業部門の業務の効率化や調達における契約の集約・見直しによるコスト削減を行っております。また、主要事業である臨床検査事業においては、顧客ニーズを反映した提案型営業の推進のほか、新規検査項目の確立やキャンペーン項目の設定など取引量の拡大策を展開し、売上増加に取り組んでまいります。

 病理事業においては、製造拠点やサプライヤーの見直しによるコスト削減に取り組んでおります。また、売上増加策としては、アライアンスを通じたデジタルパソロジー等の成長領域への事業展開の強化を行っております。これらの施策により、マーケットシェアの維持・拡大を通じた収益力の拡大を図ってまいります。

 詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 13.のれん及び無形資産」をご覧ください。

 

(20)株価リスクについて

 当社グループは業務上の関係を有する企業の株式転換権付貸付金を保有しており、当該貸付金は株価などの基礎データに基づき公正価値を測定していることから、株価変動リスクに晒されております。また、当社グループが保有する投資株式についても、同様に株価変動リスクに晒されております。

 業務上の関係を有する企業の株式や保有する投資株式の価格変動は、当社グループの財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(21)企業買収及び事業提携リスクについて

 当社グループは、事業の拡大・成長に向けた手段のひとつとして、企業買収や事業提携を実施することがありますが、企業買収及び事業提携の適切な機会を見出せない、又は競合的な買収による場合を含め対象先との間で企業買収等に係る条件に合意できない場合には、当社グループの事業拡大に影響を及ぼす可能性があります。

 また、企業買収においては、当該企業の経営状況、事業内容、財務内容、法令順守や契約関係等について詳細な事前調査を行い、リスクを吟味した上で決定してまいりますが、事前調査にて検出されなかった問題が生じた場合や買収後の統合作業において当初見積もっていた以上の経営資源の集中や期間を要する必要性が生じた場合、買収時点では予期していなかった事業環境の変化や買収時ののれん等の減損処理を行う必要が生じた場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 事業提携に関しても同様に、想定していたシナジーや業績を実現できない場合、事業環境の変化等を要因として提携事業を解消せざるを得ず、事業提携解消や事業撤退に際して費用等が発生する場合等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、Senseonics Holdings, Inc.との提携によるCGMシステム製品の展開については、競合他社との競争の激化や、製品の販売に係るアメリカ食品医薬品局(FDA)への承認申請の手続の遅延等により、計画通りに事業展開が進まない可能性があります。

 また、企業買収や事業提携を通じて複数の新規事業を自社の事業と統合することは、経営陣の多大な注意と資源を必要とする複雑なプロセスであり、統合が効果的に実施されない場合には、既存事業の業績にも悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(22)内部統制に係るリスク

 当社グループは、財務報告の適正性と信頼性を確保するための体制を整備し、運用するとともに、継続的な改善を図っています。しかしながら、有効な内部統制システムを構築している状況においても、従業員等の悪意あるいは重大な過失に基づく行動など、様々な要因により内部統制システムが機能しなくなる可能性があります。このような事象に適切に対処できない場合、将来的に法令違反等の問題が発生する可能性があり、また当社グループの社会的信用の失墜により事業に悪影響が生じる、あるいは行政処分による課徴金や刑事訴訟による罰金、民事訴訟による損害賠償金等の支払いが生じることにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、業務の有効性と効率性を確保するための体制についても、整備・運用をしており、継続的な改善を図っております。しかしながら、内部統制システム構築時点では想定していなかった事業・社会環境等の変化、また、こうした変化によるシステムの無効化に対して、社内の組織・機能が適切に対応できないなど、様々な要因によりシステムが機能しなくなる可能性があります。このような事象に適切に対処できない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(23)情報漏えいリスクについて

 当社グループでは、事業を行うにあたり、顧客情報等の個人情報や自社製品開発に関する機密情報を多数扱っております。これらを適切に保護、管理するために、各種規程の整備及び定期的な社員教育を実施するとともに、情報システムに様々なセキュリティ対策を施して構築・運用しております。しかしながら、これらの情報に対する外部からの不正アクセス等の攻撃、社内管理体制の瑕疵、当社グループ従業員による故意又は過失、コンピュータウイルス等による情報漏えいが発生した場合、当社グループの社会的信用の低下、対応費用の発生、当社グループへの損害賠償請求等が発生する可能性があり、その場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、個人情報や機密情報の保護に関する法令等が改正される場合には、これらに対応するためにシステムの改修等に費用が発生することも予想され、その場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(24)情報システムリスクについて

 当社グループは、製造工程やサプライチェーンの管理、商品の受発注、経営管理等に関するシステム等、事業全般にわたり、情報システムを整備し、そのシステムに基づいて事業を運営しております。そのため、これらのシステムの安全性や信頼性、効率化・能力向上は当社グループの事業展開において重要なものですが、これらのシステムの設計・運営については第三者に依拠しており、これらのシステムが効率的に稼動しない場合や、サイバー攻撃等でシステムのセキュリティが確保できない場合、災害・事故、ハードウェア・ソフトウェアの欠陥等によるシステム障害に陥った場合等により継続的かつ安定的にシステムが運営できない可能性があります。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響によるリモートでの就業環境においては、システムの信頼性がより重要性を増しており、また、最近ではランサムウェア攻撃などのサイバーセキュリティ上の脅威が全般的に増加しています。そのような事態に備えて、各種重要システムの複製を距離の離れたデータセンターに保有しており、災害を含めた不測の事態の際には、そちらに切り替えた業務継続を可能としていますが、継続的かつ安定的にシステムが運営できない場合には、当社グループの経営や事業の遅滞、問題改善に対する費用の発生、当社グループの信頼性や評判を毀損する等、当社グループの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(25)訴訟等について

 当社グループは、事業を展開していく過程において、各種契約違反、労働問題、知的財産権に関する問題、情報漏えいに関する問題等に関して、ユーザー、取引先、競合他社、当社グループ従業員、規制当局等より訴訟を提起される可能性やその他の法的手続きの当事者となるリスクを有しております。そのようなリスクを低減させるために、当社グループでは、コンプライアンス基本規程を制定し、従業員に対して、階層別研修(新入社員研修、キャリア入社者研修、昇級者向け研修)の実施、e-ラーニングによる教育や法務に関する情報発信等を通じて、従業員のコンプライアンス意識を高めるための施策を実施しております。なお、当社グループ製品カテゴリーの多くは医療関係者による使用を想定した製品となっておりますが、血糖自己測定システムに関してはエンドユーザーである一般消費者が直接利用されるものになります。そのため、血糖自己測定システムの不備等があった場合、一般消費者により訴訟を提起される可能性があります。当社グループが当事者となり、訴訟やその他手続きにおいて、敗訴若しくは不利益な内容を甘受せざるを得ない場合、当社グループの評判及び信用等が毀損する若しくは影響を被る可能性があります。また、最終的な責任を負うか否かにかかわらず、かかる請求があった場合への対応に対して、費用や時間がかかり、結果として、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(26)法規制、許認可(薬事等)について

 当社グループは、日本における「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」等、医療機器を対象とする世界各国の法的規制、事業を展開するにあたっての必要な許認可の取得を行っております。また、製造物責任、情報保護、知的財産権、コンテンツ規制、競争法、消費者保護、腐敗防止、税金等、世界各国での様々な法令等の適用を受けております。当社グループでは、社内の管理体制の構築や従業員の教育・啓蒙を行い、これらの法令順守に向けた取り組みを推進しておりますが、これら法令に違反する行為が行われた場合、若しくは法令の改正又は新たな法令、ガイドライン等が制定された場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 特に、新興国におきましては、国産品奨励の目的から非関税障壁が設けられる場合があり、これへの対応として、現地生産などの方法も検討しますが、現地の法整備が十分でなく、解釈が一貫していないなどのケースも見受けられます。現地当局との十分な調整に努めても、計画通りに事業展開が進まないといった可能性もあります。

 当社グループとして、各国の関係法令・許認可に対して迅速に対応することに努めてまいりますが、万一法令等に抵触し、許認可の取り消し等、何らかの行政処分等を受けた場合、また関係法令の制定や改訂への対応が間に合わない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(27)知的財産権について

 当社グループは糖尿病マネジメント、ヘルスケアソリューション及び診断・ライフサイエンスの3ドメインにおいて、多くの知的財産権を保有し、その維持・管理を行っております。しかしながら、当社グループが保有する知的財産権が認められない、若しくは充分な保護が得られない地域・国がある可能性や模倣される可能性があり、当社グループが保有する知的財産権の保護が損なわれた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、研究開発や新製品の開発の際に、関連する第三者の知的財産権について、網羅的な調査を行い、第三者の知的財産権を侵害しないように努めておりますが、当社グループが展開する事業分野は多岐に渡っており、第三者の知的財産権の保有や登録等の状況を完全に把握することは容易ではないため、当社グループが意図せずに第三者の知的財産権を侵害する可能性や、当社グループの事業分野において新たに成立した第三者の知的財産権との間に、当社グループを当事者とする知的財産権の帰属等に関する紛争が生じる可能性や、それらに関して損害賠償や使用差止等の請求を受ける可能性があります。これらの結果により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(28)環境問題リスクについて

 当社グループは、事業運営上適用される規制を順守すべく様々な対策を講じており、環境対応については主要な製造拠点ではISO14001を取得しその充実を図っております。もっとも、適用される規制を順守出来なかった場合や環境問題を引き起こした場合等には、損害賠償、生産停止、社会的評価の低下等の可能性、又は新しい規制への対応による費用負担の増加等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(29)自然災害及び地政学的脅威、疫病の発生・蔓延等による社会的混乱について

 当社グループの生産拠点において、地震、風水害、津波、大雪、火災等の災害、事故又はテロや国際紛争等の地政学的な脅威、若しくは、疫病の発生・蔓延等による社会的混乱が発生した場合は、被害状況によっては、当該生産拠点における生産活動が停止し、製品の出荷が停止又は遅延し、又は生産設備の修理、代替等のために多大な損失・費用を被る可能性があります。また、仕入先や物流の取引先に災害、事故又は地政学的な脅威若しくは疫病の発生・蔓延等による社会的混乱が発生した場合、又は電力の供給不足や電力価格の上昇が生じた場合、当該仕入が中断し必要な原材料を確保できなくなる場合、若しくは製品の配送及び輸出ができなくなる場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、自然災害、及び地政学的脅威、疫病の発生・蔓延等による社会的混乱においては、当社従業員の安全配慮義務のため、事業場の閉鎖や事業中断を行う可能性があり、その際は休業補償や労働生産性の悪化が利益を圧迫する要因となり得る等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(30)新型コロナウイルス感染症について

 当社グループの事業は、新型コロナウイルス感染症を含む公衆衛生上の危機やパンデミック等に伴うリスクに晒されております。新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、世界経済の減速を招くと共に、その感染拡大を防止するために政府、企業及び個人が採った措置を含め、当社グループの製品・サービスに対する需要や、当社グループの事業、サプライチェーン及び流通システムに影響を与えています。また、今後も新型コロナウイルス感染症の感染拡大が継続した場合、当社グループの事業において販売活動や顧客からの受注が減少する可能性があります。さらに、感染状況が改善し始めた場合であっても将来の販売や顧客からの受注にどのような影響を与えるかは不透明です。既存の渡航制限に加えて、各国が引き続き国境を越える移動を制限したり、長期にわたる検疫を行った場合等には、その影響を受ける地域の当社グループ拠点の事業運営に影響を与える可能性があり、加えて、このような措置は、新興市場での時機を捉えた事業拡大や従業員・製造業務の生産性に悪影響を与えたり、サプライチェーンを通じた製品の移動を著しく妨げたりする可能性があります。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響により、医療機器等の販売に係る規制当局への手続きが遅延し、当社グループの計画通りに事業展開が進まない可能性があります。

 なお、当社グループの従業員が新型コロナウイルス感染症に感染した場合や各地域においてロックダウン措置が実施された場合には、従業員の業務遂行能力につき大きく影響を受ける可能性があります。当社は政府当局の勧告に従い、従業員の安全を優先して予防措置等を講じていますが、これらの措置が功を奏さず、製造施設の一時的な閉鎖等が必要となる可能性があります。

 例えば、当社は、新型コロナウイルス感染症の脅威に関しては最高執行責任者(COO)を委員長とする緊急対策本部を設け、適宜、従業員に対して状況に応じたガイドラインを通達し、政府方針と連動した感染拡大の予防と、事業活動への影響の最小化に向けて対応しております。しかしながら、事業活動に関しては制約的にならざるを得ないことから、売上収益の減少や工場における生産稼働の減少などにより当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(31)風評被害について

 当社グループのコーポレートブランドであるPHC、Ascensia、Epredia、LSIメディエンス、事業・製品ブランドであるContour、Medicom、PHCbi、SHANDON、MICROM、MENZEL-GLACER、Richard-Allan Scientific、SUPERFROST、PRINTMATE、STACIA、PATHFASTは、当社グループの事業にとって重要な商標であります。当社グループが保有する商標等の不正利用、製品・サービスへの苦情等、風評被害が発生・拡散した場合、その内容の正確性にかかわらず、安全性・信頼性のブランドイメージ及び社会的信用が毀損し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、従業員又は第三者が関与する不適切行為その他の事故によってもブランドイメージ及び社会的信用が損なわれる可能性があります。従業員に対しては、繰り返しコンプライアンス教育を実施して、不適切な行為等が発生しないように徹底しておりますが、これらの風評被害は当社グループの評判を毀損し、当社グループの売上に影響を及ぼし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(32)ファンド株主(KKR PHC Investment L.P.)との関係について

 当社は、グローバルな投資会社であるKohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.のプライベート・エクイティ・ファンドであるKKR PHC Investment L.P.から出資を受けており、2021年3月末時点で当社発行済株式総数の48.7%を所有する大株主であり、親会社に該当いたします。また、当社の取締役である平野博文がKohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.の日本法人である株式会社KKRジャパンから派遣されています。加えて、当社とKohlberg Kravis Roberts & Co L.P.を含む株主等4社との間でコンサルティング契約を締結し、アドバイザリー・フィーとして、株主等4社に対して合計で年間450百万円の支払いを行っておりましたが、2021年9月に契約を終了いたしました。なお、同契約を終了し、かつ一定の条件を満たした場合においては、契約上定められた金額を一括で支払うこととなっており、合計約15億円程度をパナソニック株式会社以外の株主等3社へ支払うことが予定されております。

 KKR PHC Investment L.P.が保有する株式に関して、その所有・処分方針が当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。また、KKR PHC Investment L.P.が当社株式の相当数を所有することにより、当社の役員の選解任、他社とのM&A等の組織再編、減資、定款の変更等の当社の株主総会決議の結果に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(33)大株主(三井物産)との関係について

 当社は、三井物産より出資を受け入れており、2021年3月末時点において、三井物産は当社発行済株式総数の21.5%を所有しており、当社は三井物産の持分法適用関連会社となっており、当社の取締役である佐藤浩一郎が三井物産から派遣されている他、当社グループとしてより強化したい分野に対して同社にて知見を有する出向者を4名受け入れております。また、コンサルティング契約については、上記「(32)ファンド株主(KKR PHC Investment L.P.)との関係について」に記載のとおりです。

 2017年3月の三井物産の当社への出資後に新たに開始された三井物産グループ及びその投資先と当社グループとは、投資先病院への血糖自己測定システムの販売拡大等に取り組んでおります。当社グループとしては今後も三井物産グループ及びその投資先との取引並びに共同での事業拡大に向けて、三井物産と協業を継続していく方針です。しかしながら、将来において、何らかの要因により三井物産の経営方針や営業戦略、当社株式の保有方針を変更した場合、当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。また、三井物産が相当数の株式を保有することにより、当社の役員の選解任、他社との合併等の組織再編、減資、定款の変更等の当社の株主総会決議の結果に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(34)大株主(生命科学インスティテュート)との関係について

 当社は、生命科学インスティテュートより出資を受け入れており、2021年3月末時点において、生命科学インスティテュートは当社発行済株式総数の13.4%を所有しており、当社の取締役である福島達伸は生命科学インスティテュートから派遣されております。また、コンサルティング契約については、上記「(32)ファンド株主(KKR PHC Investment L.P.)との関係について」に記載のとおりです。なお、LSIMは生命科学インスティテュートの傘下企業であったことから同社傘下グループ企業とは従前より事業面での連携・取引があり、本連携・取引が双方の事業展開においても意義を有しているため、当社による買収以後も関係性は継続しています。しかしながら、将来において、生命科学インスティテュートが経営方針や営業戦略、当社株式の保有方針を変更した場合、当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。また、生命科学インスティテュートが相当数の株式を保有することにより、当社の役員の選解任、他社との合併等の組織再編、減資、定款の変更等の当社の株主総会決議の結果に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(35)大株主(パナソニック株式会社)との関係について

 当社は、パナソニック株式会社より出資を受け入れており、2021年3月末時点において、パナソニック株式会社は当社発行済株式総数の11.5%を所有しております。また、上記「(32)ファンド株主(KKR PHC Investment L.P.)との関係について」に記載のコンサルティング契約を締結しておりました。しかしながら、パナソニック株式会社は既にマネジメントフィーの支払い対象ではなく、そのためパナソニック株式会社との関係においては、契約終了時の支払いは発生いたしません。なお、当社グループとパナソニックグループ会社との間で取引はありますが、他の取引先同様の取引条件で行っており、今後も同様の条件で取引を継続する方針です。

 当社株式の保有・処分方針によっては、当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。また、保有株式の株数によっては、当社の役員の選解任、他社との合併等の組織再編、減資、定款の変更等の当社の株主総会決議の結果に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

a.財政状態の状況

第8期連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)

(資産)

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べて39,262百万円増加し、569,020百万円となりました。2021年3月のLCA 3 Moonshot LPによる新株引受を主因とし、現金及び現金同等物が15,383百万円増加しております。非流動資産においては、糖尿病マネジメントセグメントにおける業務提携先である、Senseonics Holdings, Inc.に対する株式転換権付貸付金(純損益を通じて公正価値で測定する金融資産)の公正価値が増加したこと等によりその他の金融資産が18,343百万円増加しております。その他ADCグループ、及びEprediaグループ取得により発生したのれんを外貨建てで保有しており、それら外貨建てのれんの為替換算による増加等によりのれんが9,391百万円増加した一方、過去の買収により計上している顧客関連資産を中心とした無形固定資産の償却が17,799百万円発生し、無形資産が11,830百万円減少いたしました。

 

(負債)

 負債合計は、前連結会計年度末と比べて1,997百万円増加し、461,458百万円となりました。銀行からの借入は返済スケジュールに基づき返済を実行し、借入金が13,472百万円減少した一方で、新型コロナウイルス感染症拡大に対する日本でのPCR検査の受託拡大や、ワクチン保存に対する超低温フリーザーの需要拡大等に対応するために営業債務及びその他の債務が10,039百万円増加したこと、病理事業における生産拠点の見直しによる人員削減プラン実施のためのリストラクチャリング引当金の増加等により引当金が2,740百万円増加したこと、主要子会社であるPHC株式会社をはじめとした課税所得の増加により未払法人所得税等が2,347百万円増加したこと等によるものであります。

 なお、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 37.後発事象」に記載のとおり、翌連結会計年度の第1四半期連結会計期間中に銀行借入の借換を予定しておりますことから、既存の借入は1年以内に返済予定となり借入金(流動負債)は293,340百万円増加しております。

 

(資本)

 資本合計は、前連結会計年度末と比べて37,264百万円増加し、107,561百万円となりました。資本金及び資本剰余金はLCA 3 Moonshot LPの新株引受によりそれぞれ5,042百万円及び5,738百万円増加し、利益剰余金は主として当期利益により18,579百万円増加しております。その他為替変動(円安)による在外営業活動体の換算差額の増加等によりその他の資本の構成要素が7,731百万円増加しております。また、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の13.3%から5.5ポイント増加して18.8%となりました。

 

第9期第1四半期連結累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年6月30日)

(資産)

 当第1四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比べて2,005百万円増加し、571,025百万円となりました。前連結会計年度末よりさらに公正価値が上がったことにより、Senseonics Holdings, Inc.に対する株式転換権付貸付金(純損益を通じて公正価値で測定する金融資産)の評価益を認識したことを主要因としてその他の金融資産が7,378百万円増加した一方、前連結会計年度と同様に、過去の買収により発生した無形固定資産の償却が進み無形資産が3,828百万円減少しております。

 

(負債)

 負債合計は、前連結会計年度末と比べて10,008百万円減少し、451,450百万円となりました。この主な要因は、2021年6月末に実行した長期借入金の借換により借入金が10,041百万円減少したことによるものであります。

 

(資本)

 資本合計は、前連結会計年度末と比べて12,013百万円増加し、119,574百万円となりました。この主な要因は、四半期利益等により利益剰余金が10,564百万円増加したことによるものであります。また、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の18.8%から2.0ポイント増加して20.8%となりました。

 

b.経営成績の状況

第8期連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)

 2021年3月期は期初から世界的に新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、第1四半期に大きく業績が落ち込みましたが、第2四半期以降、徐々に回復の傾向が見られました。特に、ヘルスケアソリューションでは、営業活動の自粛や一般の臨床検査の需要が第1四半期に大きく落ち込みました。一方で、ヘルスケアソリューションにおいて日本におけるPCR検査の受託拡大に努めたほか、診断・ライフサイエンスでは、新型コロナウイルス感染症のワクチン保存に超低温フリーザーが必要とされ、欧米及び日本において、超低温フリーザーの大口受注があり、生産体制を増強するなどして、急激な需要増に応えることができました。当社グループ全体としては、当期における売上収益は、306,071百万円(前年同期比12.3%増)となりました。営業利益については、販売促進費、旅費・交通費、人件費などの一般管理費の削減により、17,599百万円(前年同期比33.6%増)、減価償却費や一時的収益・費用を除いた調整後EBITDAは64,053百万円(前年同期比17.7%増)、税引前利益は22,788百万円(前年同期比306.1%増)、当期利益は16,829百万円(前年同期比216.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は16,906百万円(前年同期比220.4%増)、無形資産償却費や一時的収益・費用を除いた調整後親会社の所有者に帰属する当期利益は29,943万円(前年同期比23.4%増)となりました。

 なお、当社グループは、2019年6月末にサーモフィッシャーサイエンティフィックから病理事業を買収し、続いて2019年8月にLSIMの全株式を取得しております。

(単位:百万円)

 

 

2020年3月期

2021年3月期

前年同期比

売上収益

272,637

306,071

12.3%

営業利益

13,177

17,599

33.6%

EBITDA

40,099

54,138

35.0%

調整後EBITDA

54,414

64,053

17.7%

税引前利益

5,611

22,788

306.1%

当期利益

5,311

16,829

216.8%

親会社の所有者に帰属する当期利益

5,276

16,906

220.4%

調整後親会社の所有者に帰属する当期利益

24,266

29,943

23.4%

米ドル平均レート

108.74円

106.02円

△2.72円

ユーロ平均レート

120.82円

123.66円

2.84円

 

(EBITDA及び調整後EBITDAの算出表)

(単位:百万円)

 

 

2020年3月期

2021年3月期

増減

営業利益

13,177

17,599

33.6%

+ 減価償却費

26,917

30,371

12.8%

+ 減損損失(有価証券等を除く

5

6,168

EBITDA

40,099

54,138

35.0%

(調整額)

 

 

 

+ 一時的なM&A関連収益・費用

4,014

4,153

3.5%

一時的な事業構造改革関連収益・費用

5,396

7,361

36.4%

一時的な資産の処分等収益・費用

4,268

591

△86.2%

+ 一時的な契約解除等に係る収益・費用

△4,237

+ 一時的な役職員報酬

890

+ 一時的なその他の収益・費用

638

1,156

81.2%

調整後EBITDA

54,414

64,053

17.7%

 (注) EBITDA及び調整後EBITDAを以下の算式により算出しております。

EBITDA=営業利益+減価償却費+減損損失(有価証券等を除く

調整後EBITDA=EBITDA+一時的な収益・費用

 

(親会社の所有者に帰属する当期利益及び調整後親会社の所有者に帰属する当期利益の算出表)

(単位:百万円)

 

 

2020年3月期

2021年3月期

増減

親会社の所有者に帰属する当期利益

5,276

16,906

220.4%

(調整額)

 

 

 

+ 一時的なM&A関連収益・費用

4,014

4,153

3.5%

+ 一時的な事業構造改革関連収益・費用

5,396

7,361

36.4%

+ 一時的な資産の処分等収益・費用

4,268

591

△86.2%

+ 一時的な契約解除等に係る収益・費用

△4,237

+ 一時的な役職員報酬

890

+ 一時的なその他の収益・費用

638

6,368

898.1%

M&A関連収益・費用(償却資産)

10,878

10,910

0.3%

+ 減損損失(有価証券等を除く

5

6,168

+ 転換権付貸付金時価評価収益・費用

△16,077

+ 法人税見合い調整額

△6,208

△3,089

△50.2%

調整後親会社の所有者に帰属する当期利益

24,266

29,943

23.4%

 (注) 調整後親会社の所有者に帰属する当期利益を以下の算式により算出しております。

調整後親会社の所有者に帰属する当期利益

=親会社の所有者に帰属する当期利益+一時的な収益・費用+M&A関連収益・費用(償却資産)+減損損失(有価証券等を除く)+転換権付貸付金時価評価収益・費用+法人税見合い調整額

 

第9期第1四半期連結累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年6月30日)

 当第1四半期は、日本では新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言が継続されるも、世界的には先進国を中心にワクチン接種が進み、ロックダウンなどの規制も緩和されたことで、病院における通常の診察や検査が回復し、制約がある中で営業活動を活発化してまいりました。加えて、各国が新型コロナウイルスのワクチン接種を推進したため、ワクチンの保存・流通網整備のための超低温フリーザーへの強い需要が継続したほか、日本におけるPCR検査の需要も継続したことから、新型コロナウイルス感染症拡大により深刻な影響を受けた前第1四半期と比較して業績は大きく回復しました。

 当第1四半期連結累計期間における当社グループの売上収益は、80,909百万円(前年同期比29.2%増)となりました。前期と比較して販売関連費用の増加や糖尿病マネジメントセグメントのリストラクチャリング費用1,809百万円の計上等により一般管理費が増えたものの、上記を主因とした増収により営業利益は5,634百万円(前年同期は1,246百万円の損失)、調整後EBITDAは17,007百万円(前年同期比112.7%増)、税引前四半期利益は14,112百万円(前年同期は2,578百万円の損失)、四半期利益は10,424百万円(前年同期は1,702百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は10,384百万円(前年同期は1,666百万円の損失)、調整後親会社の所有者に帰属する四半期利益は8,234百万円(前年同期比339.4%増)となりました。

(単位:百万円)

 

 

前第1四半期

連結累計期間

当第1四半期

連結累計期間

増減

売上収益

62,612

80,909

29.2

営業利益(△損失)

△1,246

5,634

EBITDA

6,239

13,470

115.9

調整後EBITDA

7,995

17,007

112.7

税引前四半期利益(△損失)

△2,578

14,112

四半期利益(△損失)

△1,702

10,424

親会社の所有者に帰属する四半期利益(△損失)

△1,666

10,384

調整後親会社の所有者に帰属する四半期利益

1,874

8,234

339.4

米ドル平均レート

107.60円

109.46円

1.86

ユーロ平均レート

118.47円

131.82円

13.35

 

(EBITDA及び調整後EBITDAの算出表)

(単位:百万円)

 

 

前第1四半期

連結累計期間

当第1四半期

連結累計期間

増減

営業利益(△損失)

1,246

5,634

+ 減価償却費

7,485

7,831

4.6

+ 減損損失(有価証券等を除く)

5

EBITDA

6,239

13,470

115.9

(調整額)

 

 

 

+ 一時的なM&A関連収益・費用

1,137

797

△29.9

+ 一時的な事業構造改革関連収益・費用

312

1,585

408.0

+ 一時的な資産の処分等収益・費用

164

+ 一時的な契約解除等に係る収益・費用

+ 一時的な役職員報酬

702

+ 一時的なその他の収益・費用

143

453

216.8

調整後EBITDA

7,995

17,007

112.7

 (注) EBITDA及び調整後EBITDAを以下の算式により算出しております。

EBITDA=営業利益+減価償却費+減損損失(有価証券等を除く)

調整後EBITDA=EBITDA+一時的な収益・費用

 

親会社の所有者に帰属する四半期利益及び調整後親会社の所有者に帰属する四半期利益の算出表

(単位:百万円)

 

 

前第1四半期

連結累計期間

当第1四半期

連結累計期間

増減

親会社の所有者に帰属する四半期利益(△損失)

1,666

10,384

(調整額)

 

 

 

+ 一時的なM&A関連収益・費用

1,137

797

29.9

+ 一時的な事業構造改革関連収益・費用

312

1,585

408.0

+ 一時的な資産の処分等収益・費用

164

+ 一時的な契約解除等に係る収益・費用

+ 一時的な役職員報酬

702

+ 一時的なその他の収益・費用

143

△1,512

+ M&A関連収益・費用(償却資産)

2,761

2,905

5.2

+ 減損損失(有価証券等を除く)

+ 転換権付貸付金時価評価収益・費用

△8,659

+ 法人税見合い調整額

△977

2,032

調整後親会社の所有者に帰属する四半期利益

1,874

8,234

339.4

 (注) 調整後親会社の所有者に帰属する四半期利益を以下の算式により算出しております。

調整後親会社の所有者に帰属する四半期利益

=親会社の所有者に帰属する四半期利益+一時的な収益・費用+M&A関連収益・費用(償却資産)+減損損失(有価証券等を除く)+転換権付貸付金時価評価収益・費用+法人税見合い調整額

 

c.キャッシュ・フローの状況

第8期連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、15,382百万円増加し、当連結会計年度末には60,762百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、47,850百万円(前年同期比10,984百万円増)となりました。税引前利益による増加は22,788百万円であり、これは純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の評価益等により前年同期比17,177百万円増加したものであります。これに対し、非資金項目の調整として前連結会計年度に買収した事業の影響等により前年同期比3,453百万円増となった減価償却費30,371百万円、病理事業における工場閉鎖施策他に関連する減損損失7,688百万円が加算され、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の評価益による16,077百万円が減算されております。前年同期に比し10,984百万円の増加となっておりますが、主な要因は前期の期中に買収したEpredia事業とLSIM事業について通年での取込を行ったことに加えて、既存事業についてもキャッシュ・フローの増加がありました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、16,314百万円(前年同期比119,153百万円減)となりました。この主な要因は、経常的な設備投資を主とした固定資産の取得による支出が12,154百万円(前年同期比579百万円減)、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が2,747百万円(前年同期比116,699百万円減)となったこと等によるものであります。前年同期に比しキャッシュ・アウトが119,153百万円減少しておりますが、前期の期中に行ったEpredia事業とLSIM事業の買収の反動によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、20,395百万円のマイナス(前年同期は95,585百万円)となりました。この主な要因は、定常的な長期借入金の返済による支出が24,606百万円(前年同期比5,161百万円増)、LCA 3 Moonshot LPに対する株式発行を主とした株式の発行による収入が10,085百万円(前年同期比10,028百万円増)、リース負債の返済による支出が5,358百万円(前年同期比960百万円増)となったこと等によるものであります。

 

第9期第1四半期連結累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年6月30日)

 当第1四半期連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、3,301百万円減少し、当第1四半期連結会計期間末には57,460百万円となりました。

 当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、13,788百万円(前年同期比2,513百万円増)となりました。税引前四半期利益による増加は14,112百万円(前年同期は△2,578百万円)であり、これは新型コロナウイルス感染症拡大により深刻な影響を受けた前第1四半期からは業績が回復したものであり、加えて純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の評価益が前年同期比10,612百万円増加したものであります。これに対し、非資金項目の調整として減価償却費7,831百万円(前年同期比345百万円増)が加算され、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の評価益による10,612百万円が減算されております。前年同期に比し2,513百万円の増加となっておりますが、主として営業利益の改善に伴いキャッシュ・フローの増加があった為です。新型コロナウイルスの影響により、前年同期は営業利益段階で赤字となっておりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、4,737百万円(前年同期比1,573百万円増)となりました。この主な要因は、経常的な設備投資を主とした固定資産の取得による支出が3,439百万円(前年同期比410百万円減)、持分法で会計処理されている投資の取得による支出が982百万円、事業譲受による支出が363百万円となったこと等によるものであります。前年同期に比しキャッシュ・アウトが1,573百万円増加しておりますが、前年同期は新型コロナウイルスの影響が不透明であったこともあり、可能な範囲で投資活動を後ろ倒し(株式取得等の投資は無し)していたことも影響しております。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、12,953百万円のマイナス(前年同期は△2,177百万円)となりました。この主な要因は、長期借入金の借換による支出が322,677百万円(前年同期比321,927百万円増)、長期借入金の借換による収入が311,348百万円、リース負債の返済による支出が1,329百万円(前年同期比15百万円減)となったこと等によるものであります。本借換は利息費用の削減と返済ピッチの平準化を目的としたものであり、利息費用については概ね30%程度が削減されると共に、新契約における借入期間である今後5年間は年間返済金額が一定となります。

 

d.生産、受注及び販売の実績

(a)生産実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自2019年4月1日

至2020年3月31日)

前年

同期比

(%)

当連結会計年度

(自2020年4月1日

至2021年3月31日)

前年

同期比

(%)

糖尿病マネジメント

(百万円)

117,531

96.0

109,276

93.0

ヘルスケアソリューション

(百万円)

87,572

328.9

115,980

132.4

診断・ライフサイエンス

(百万円)

58,164

177.7

82,992

142.7

(百万円)

263,267

144.8

308,249

117.1

その他及び調整・消去

(百万円)

連結

(百万円)

263,267

144.8

308,249

117.1

 

セグメントの名称

前第1四半期

連結累計期間

(自2020年4月1日

至2020年6月30日

前年

同期比

(%)

当第1四半期

連結累計期間

(自2021年4月1日

至2021年6月30日

前年

同期比

(%)

糖尿病マネジメント

(百万円)

26,486

99.7

26,132

98.7

ヘルスケアソリューション

(百万円)

23,547

366.5

32,573

138.3

診断・ライフサイエンス

(百万円)

16,112

204.0

23,851

148.0

(百万円)

66,146

161.8

82,557

124.8

その他及び調整・消去

(百万円)

連結

(百万円)

66,146

161.8

82,557

124.8

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておらず、百万円未満を切り捨てて記載しております。

 

(b)受注実績

 当社グループの製品は見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しております。

 

(c)販売実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自2019年4月1日

至2020年3月31日)

前年

同期比

(%)

当連結会計年度

(自2020年4月1日

至2021年3月31日)

前年

同期比

(%)

糖尿病マネジメント

(百万円)

119,473

95.4

108,141

90.5

ヘルスケアソリューション

(百万円)

88,912

323.4

116,096

130.6

診断・ライフサイエンス

(百万円)

62,259

193.3

79,882

128.3

(百万円)

270,645

146.3

304,120

112.4

その他及び調整・消去

(百万円)

1,992

126.6

1,950

97.9

連結

(百万円)

272,637

146.2

306,071

112.3

 

セグメントの名称

前第1四半期

連結累計期間

(自2020年4月1日

至2020年6月30日

前年

同期比

(%)

当第1四半期

連結累計期間

(自2021年4月1日

至2021年6月30日

前年

同期比

(%)

糖尿病マネジメント

(百万円)

24,008

83.4

26,259

109.4

ヘルスケアソリューション

(百万円)

23,290

333.6

31,763

136.4

診断・ライフサイエンス

(百万円)

15,054

210.4

21,946

145.8

(百万円)

62,352

145.3

79,968

128.3

その他及び調整・消去

(百万円)

259

60.1

940

362.9

連結

(百万円)

62,612

144.5

80,909

129.2

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.金額は、外部顧客に対する売上収益を示しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておらず、百万円未満を切り捨てて記載しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

a.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

 また、連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や取引状況を勘案し、合理的と判断される前提に基づき見積り及び予測を行っておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合など不確実性が存在するため、実際の結果がこれらの見積りや予測と異なる場合があります。

 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 3.重要な会計方針」及び「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a)経営成績の状況

第8期連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)

 当期における当社グループの業績は、売上収益が306,071百万円(前年同期比12.3%増)、営業利益が17,599百万円(前年同期比33.6%増)、減価償却費や一時的収益・費用を除いた調整後EBITDAは64,053百万円(前年同期比17.7%増)、またSenseonics Holdings, Inc.に対する株式転換権付貸付金(純損益を通じて公正価値で測定する金融資産)の評価益を金融収益として認識したことにより、税引前利益が22,788百万円(前年同期比306.1%増)、当期利益が16,829百万円(前年同期比216.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益が16,906百万円(前年同期比220.4%増)、無形資産償却費や一時的収益・費用を除いた調整後親会社の所有者に帰属する当期利益は29,943万円(前年同期比23.4%増)となりました。

 セグメント別の業績は、次のとおりです。

セグメントの名称

売上収益

セグメント利益又は損失

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減

(%)

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減

(%)

糖尿病マネジメント

119,473

108,141

△9.5

23,403

23,945

2.3

ヘルスケアソリューション

88,912

116,096

30.6

4,187

4,514

7.8

診断・ライフサイエンス

62,259

79,882

28.3

△3,399

508

270,645

304,120

12.4

24,191

28,968

19.7

その他及び調整・消去

1,992

1,950

△2.1

△11,013

△11,369

連結計

272,637

306,071

12.3

13,177

17,599

33.6

 

 

セグメントの名称

EBITDA

調整後EBITDA

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減

(%)

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減

(%)

糖尿病マネジメント

37,131

40,232

8.3

40,262

39,480

△1.9

ヘルスケアソリューション

11,293

15,826

40.1

11,911

18,094

51.9

診断・ライフサイエンス

1,900

8,642

354.8

7,552

15,101

100.0

50,324

64,700

28.6

59,725

72,676

21.7

その他及び調整・消去

△10,225

△10,562

△5,312

△8,626

連結計

40,099

54,138

35.0

54,414

64,053

17.7

 

(糖尿病マネジメント)

 血糖値測定システム(BGM)市場は、主に先進国における価格圧力や、保険償還の抑制、持続血糖値測定器(CGM)の使用拡大及び新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、上半期は縮小傾向が続き、前年同時期比で2.4%縮小しました。もっとも、2020年4月から2021年2月までの11か月間では、数量ベースでの市場規模は前年同時期に比べ1.8%の縮小に留まり、上半期からは改善が見られました(IQVIAデータを基に当社にて算出)。前連結会計年度末において、新型コロナウイルス感染症拡大に伴うセンサの供給に対する懸念から、ユーザーや流通経路において買いだめが進みました。当連結会計年度は、その反動としての在庫調整の影響に加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、前年同期比でセンサの販売数量が減少し、主要な販売国である米国、ドイツ、カナダで売上が減少しました。

 米国においては、上記の在庫調整の影響に加え、販売協業先の業績不調により、当社グループのセンサ販売数量は前年同期比8.8%減少し、平均販売価格も16.3%下落しました。米国市場全体の2割弱を占める、保険対象外の自費購入者向け販路が今後も伸びることが期待され、価格優位性を訴求してネット販売を含む販路開発にも注力しましたが、売上は前年同期比21.8%減少しました。

 ドイツにおいては、平均販売価格は前年同期比3.0%上昇しましたが、上記の在庫調整の影響から、センサ販売数量は前年同期比17.7%減少しました。ドイツの保険制度においては、低価格帯へのシフトが見られるため、従来の高価格機種のContour Nextに加えて、低価格機種のContour Careを販売しました。しかしながら、Contour Careは、新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受けて他社製品からの切り替えが進まず、結果、売上は前年同期比14.2%減少しました。

 カナダにおいても、上記の在庫調整の影響から、センサ販売数量は前年同期比8.7%減少し、平均販売価格は前年同期比1.0%減少したことから、売上は前年同期比9.7%減少しました。

 迅速検体検査(POCT)や電動式成長ホルモン製剤注入器(グロウジェクターL)のOEM販売は、入札案件の獲得により売上が前年同期比1.8%伸びました。

 以上により、糖尿病マネジメントの売上収益は、108,141百万円(前年同期比9.5%減)となりました。

 上記売上の状況により、経費削減に努めたことに加え、7月に販売協業先からの販売協業契約違反に対する和解金収入が4,232百万円ありました。また、Senseonics Holdings, Inc.との業務提携によりCGM事業戦略を見直し、POCTech社への投資簿価の再評価を行ったこと等により、4,133百万円の減損損失が発生しました。以上の結果、糖尿病マネジメントのセグメント利益は、23,945百万円(前年同期比2.3%増)となりました。また調整後EBITDAは、39,480百万円(前年同期比1.9%減)となりました。

 

(ヘルスケアソリューション)

 日本の臨床検査診断市場は極めて激しい競争環境下にあるものの、新規顧客獲得や既存顧客拡販等の営業活動及び価格下落抑制を行い、業績の拡大を図りましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、第1四半期の事業環境はより厳しさを増しておりました。第2四半期以降においては、検体数も回復基調にあり、新型コロナウイルス感染症PCR検査の受託拡大等に取り組みました。当該LSIM事業の売上収益は、86,779百万円であります。なお、LSIM事業は2019年8月に買収し、以降連結対象としております。

 メディコム事業では、日本における新型コロナウイルス感染症に対する2回目の緊急事態宣言が1月に発出される中においても、Web展示会、オンライン商談等による営業活動の活性化を図ってまいりました。医科システムにおいて、高機能な診療所用カルテ医事システム「Medicom-HRVシリーズ」、及び価格、機能に応じてプランを選び新規開業医等にも導入し易い診療所用カルテ医事システム「Medicom-HRfシリーズ」を主力商品としてオンライン資格確認システムの提案等により販売を進めました。その結果、第3四半期に続いて、第4四半期も自社旧機種の買い替えを中心に販売が好調に推移しました。また、調剤システムでは「PharnesVシリーズ」を主力商品として販売を進め、下半期において大手チェーン薬局向けの販売とそれに伴う周辺機器販売が好調に推移しました。しかしながら、4~5月において営業活動の自粛を余儀なくされたことや、受診患者減少に伴う医療機関の収入減により顧客の購買マインドが低下したことによる影響が上回りました。当該メディコム事業の売上収益は、29,316百万円(前年同期比3.9%減)であります。

 以上により、ヘルスケアソリューションの売上収益は、LSIM事業の売上収益増がメディコム事業の売上収益減を上回り、116,096百万円(前年同期比30.6%増)となりました。

 第1四半期における新型コロナウイルス感染症拡大による売上収益減少の影響が大きく、加えてLSIM事業の統合関連費用が一時費用として1,441百万円発生したほか、メディコム事業における商品戦略の見直しにより1,308百万円の減損損失が発生しましたが、経費削減努力もあり、ヘルスケアソリューションのセグメント利益は、4,514百万円(前年同期比7.8%増)となりました。また調整後EBITDAは、18,094百万円(前年同期比51.9%増)となりました。なお、前期には、LSIM事業の取得に伴い棚卸資産を公正価格で測定したことから生じた売上原価の増加が反映されております。

 

(診断・ライフサイエンス)

 病理市場は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、病院において医師が新型コロナウイルス感染症や必要不可欠な治療・評価に注力し、緊急を要しない手術が減少していることや、患者が通常の受診を手控えるなどの動きから、病理医によるがん・組織診断の件数が大きく減少し、第2四半期までは消耗品の売上を中心に大きく影響を受けましたが、下半期に入り米国で売上の回復が見られました。また、中国を含むアジア太平洋地域においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響があったものの、大型案件による機器販売が好調でした。そのほか、細胞診染色液やカバースリッパー、検体管理システム及びデジタルパソロジーなどの新製品でも売上が増加しました。当該病理事業の売上収益は、35,677百万円であります。なお、病理事業は2019年6月に買収し、同年7月より連結対象としております。

 ライフサイエンス向け研究・医療支援機器市場では、新型コロナウイルス感染症拡大による顧客の活動停滞や予算縮小などの影響により一般需要は大きく低迷した一方で、医療機関における新型コロナウイルス検査用の設備機器や検体保管用の保存機器、製薬企業並びに研究機関における治療薬やワクチンの開発に使用する研究支援機器などの需要が増加しました。特にmRNAワクチン保存を目的とした超低温フリーザーに対する新規需要が製薬企業や物流企業、接種拠点となる医療機関などにおいて急増する中、省エネ性能や品質、ユーザビリティにおいて競争優位性の高い商品力と、増産による希望納期対応により多くの大型受注を獲得し、欧州地域での売上が前年同期比53.0%増、日本での売上が前年同期比33.6%増、米州地域での売上が前年同期比20.1%増と大きく伸長しました。また、2020年7月より東南アジア太平洋州地域の販売会社であるSciMedを連結子会社化したことにより同地域の売上が前年同期比128.3%増加しました。さらに、日本の新規事業として医薬品卸企業と共同開発を進めてきた個別化医療支援プラットフォーム「NOVUMN」を構成するスペシャリティ医薬品管理システム「SDMS」を2月に発売しました。研究・医療支援機器分野全体の売上収益は前年同期比37.8%増加しました。

 調剤支援機器・その他分野においても、新型コロナウイルス感染症拡大により一般需要は低迷しましたが、米国市場で前年の販売不振から回復し、売上収益は前年同期比3.3%増加しました。当該バイオメディカ事業の売上収益は、44,204百万円(前年同期比31.4%増)であります。

 以上により、診断・ライフサイエンスの売上収益は、79,882百万円(前年同期比28.3%増)となりました。

 上記の売上増に加え、病理事業の売上も下期に回復し経費削減にも取り組みましたが、病理事業統合のためのITシステム関連費用が一時費用として3,068百万円発生したほか、病理事業の生産拠点見直しに伴い2,144百万円の減損損失が発生しました。以上の結果、診断・ライフサイエンスのセグメント利益は508百万円となりました。また調整後EBITDAは、15,101百万円(前年同期比100.0%増)となりました。なお、前期には、病理事業の取得に伴い棚卸資産を公正価格で測定したことから生じた売上原価の増加が反映されております。

 

第9期第1四半期連結累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年6月30日)

 当第1四半期連結累計期間における当社グループの売上収益は、80,909百万円(前年同期比29.2増)となりました。前期と比較して販売関連費用の増加や糖尿病マネジメントセグメントのリストラクチャリング費用1,809百万円の計上等により一般管理費が増えたものの、上記を主因とした増収により営業利益は5,634百万円、調整後EBITDAは17,007百万円(前年同期比112.7増)、税引前利益は14,112百万円、四半期利益は10,424百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は10,384百万円、調整後親会社の所有者に帰属する四半期利益は8,234百万円(前年同期比339.4増)となりました。

 セグメント別の業績は、次のとおりです。

セグメントの名称

売上収益

セグメント利益又は損失

前第1四半期

連結累計期間

(百万円)

当第1四半期

連結累計期間

(百万円)

増減

(%)

前第1四半期

連結累計期間

(百万円)

当第1四半期

連結累計期間

(百万円)

増減

(%)

糖尿病マネジメント

24,008

26,259

9.4

3,576

3,531

△1.3

ヘルスケアソリューション

23,290

31,763

36.4

△1,197

3,574

診断・ライフサイエンス

15,054

21,946

45.8

△1,056

1,665

62,352

79,968

28.3

1,322

8,771

563.5

その他及び調整・消去

259

940

262.9

△2,569

△3,136

連結計

62,612

80,909

29.2

△1,246

5,634

 

セグメントの名称

EBITDA

調整後EBITDA

前第1四半期

連結累計期間

(百万円)

当第1四半期

連結累計期間

(百万円)

増減

(%)

前第1四半期

連結累計期間

(百万円)

当第1四半期

連結累計期間

(百万円)

増減

(%)

糖尿病マネジメント

6,931

6,984

0.8

7,048

8,940

26.8

ヘルスケアソリューション

1,309

6,160

370.6

1,392

6,292

352.0

診断・ライフサイエンス

384

3,306

760.9

1,784

4,009

124.7

8,624

16,450

90.7

10,224

19,241

88.2

その他及び調整・消去

△2,385

△2,980

△2,229

△2,234

連結計

6,239

13,470

115.9

7,995

17,007

112.7

 

(糖尿病マネジメント)

 新型コロナウイルス感染症の感染状況改善に伴い、血糖値測定システム(BGM)市場は、前期低調であった東欧やアルジェリア、メキシコ、南アフリカ、トルコなどの新興国市場が牽引した結果、数量ベースで前期4~5月の2か月間では、前年同期比7.5%の縮小から、当期4~5月の2か月間では前年同期比4.1%の拡大に転じました(IQVIAデータを基に当社にて算出)。しかしながら、先進国市場では持続血糖値測定器(CGM)やフラッシュグルコースモニタリング(FGM)の普及によりBGM市場は減少が続いています。2019年度末には、新型コロナウイルス感染症拡大初期におけるセンサの供給懸念からユーザーや流通経路において買いだめが進み、前年同期にその反動として在庫調整の影響を受けた結果販売が低調でしたが、当第1四半期連結累計期間の売上は前年同期比9.4%増となりました。

 米国の売上は、販売協業先の不振により、為替影響を除いて前年同期比16.9%減となりました。センサの販売数量は前年同期比3.9%減、平均販売価格は18.4%減となりました。

 ドイツの売上は前期末に流通経路の在庫が増加した影響を受け、為替影響を除いて前年同期比22.4%減となりました。センサ販売数量は前年同期比20.9%減、平均販売価格は前年同期比1.1%減となりました。同国の保険制度は低価格帯へとシフトしており、高価格機種のContour Nextの価格を維持する一方で、低価格機種のContour Nextを販売しておりますが、Contour Nextは、新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受けて他社製品からの切り替えが計画通りに進みませんでした。

 カナダの売上は、保険償還価格が低下したものの、為替の影響を除いて前年同期比1.4%増となりました。平均販売価格は前年同期比5.9%減少しましたが、センサ販売数量が前年同期比8.3%増加しました。

 先進国市場の縮小を相殺する形で、新興国におけるBGMの販売は伸長しています。特に、昨年度は新型コロナウイルス感染症の影響により低調であったロシアでは為替影響を除くと前年同期比288.5%増、中国でも同36.3%増と、販売が大きく伸びました。販売協業先の売上も大きく伸長し、為替の影響を除いて東欧58.2%増、中南米103.2%増、中東6.0%、アフリカ102.4%増となりました。

 また、当期から世界初の埋め込み型CGM製品Eversense(Senseonics社製)の独占販売を米国と欧州8か国にて開始しました。米国での販売は計画を下回りましたが、欧州での販売が計画を上回り、全体として当期の販売計画を達成しました。

 迅速検体検査(POCT)や電動式成長ホルモン製剤注入器(グロウジェクターL)等のOEM販売は、販売が好調であった前年同期に比べ、22.6%減となりました。

 以上により、糖尿病マネジメントの売上収益は、26,259百万円(前年同期比9.4%増)となりました。

 上記売上の状況に加え、経費削減に努めましたが、一時費用として営業体制の見直しによるリストラクチャリング費用が1,809百万円発生したことにより、糖尿病マネジメントのセグメント利益は、3,531百万円(前年同期比1.3%減)となりました。

 一時費用の影響等を除いた調整後EBITDAは、8,940百万円(前年同期比26.8%増)となりました。

 

(ヘルスケアソリューション)

 LSIM事業では、厳しい競争環境下にあるものの、新規顧客獲得や既存顧客拡販等の営業活動及び価格下落抑制を行い、業績の拡大を図りました。一方で、新型コロナウイルス感染症拡大により、前期同様に影響を受けており、医療機関や健診の受託患者数は、前期同様に減少傾向でした。前第1四半期においては、受託患者数が大きく減少し、売上も大幅に減少しましたが、当第1四半期においても、若干の影響を受けております。しかしながら、当第1四半期後半においては、検体数が回復基調にあり、新型コロナウイルス感染症PCR検査受託拡大、新型コロナウイルス関連試薬の拡販等の取り組みにより、LSIM事業の売上収益は23,959百万円(前年同期比39.8%増)となりました。

 メディコム事業では、新型コロナウイルス感染症の影響を最小限とするため、Web展示会、オンライン商談等による営業活動の活性化を図ってまいりました。医科システムにおいて、価格、機能に応じてプランを選ぶことにより多様な医療機関に導入し易い診療所用カルテ医事システム「Medicom-HRfシリーズ」を主力商品としてオンライン資格確認システムとのセットでの提案等により販売を進めました。また、レセプトコンピュータ機能をベースにした旧機種買替用の新商品「Medicom-HRf core for MCX」を5月に発売し、「Medicom-HRfシリーズ」のラインナップを強化し、旧機種からの早期切り替えを促進しました。厚生労働省による4月のオンライン資格確認の本格稼働が当初計画の4月から10月に延期になり、若干の影響があったものの、自社旧機種の買替を中心に販売が好調に推移しました。調剤システムでは「PharnesVシリーズ」を主力商品として販売を進め、大手チェーン薬局向けの販売が好調に推移しました。全体では前年同期における新型コロナウイルス感染症拡大を受けた営業活動の自粛等による影響からの回復もあり、大幅な増収となり、メディコム事業の売上収益は7,804百万円(前年同期比26.9%増)となりました。

 以上により、ヘルスケアソリューションの売上収益は、31,763百万円(前年同期比36.4%増)となりました。

 上記売上の増加に加え、第1四半期での新型コロナウイルス感染症拡大の影響による検査の検体数減少の影響を埋めるべく、コスト削減及び合理化等に努めた結果、ヘルスケアソリューションのセグメント利益は、赤字となった前第1四半期から大きく回復し、3,574百万円となりました。

 調整後EBITDAは、6,292百万円(前年同期比352.0%増)となりました。

 

(診断・ライフサイエンス)

 病理事業は、前期の新型コロナウイルス感染症拡大の影響により手控えられていた病院での通常の診察が回復したことにより、機器、消耗品の全商品カテゴリーで販売が伸長しました。売上は、北米で前年同期比37.5%増加、欧州地域で前年同期比13.1%増加しました。その他の地域は、アジア太平洋地域が牽引して前年同期比2.8%増加しました。以上により病理事業の売上収益は、9,200百万円(前年同期比23.6%増)となりました。

 バイオメディカ事業は、新型コロナウイルス感染症拡大により停滞していた通常の研究活動が回復傾向にあり、加えて、mRNAワクチン保存用の超低温フリーザー及び治療薬やワクチンの開発に使用する研究支援機器の需要が継続していることにより、コロナ関連需要が発生する以前の前第1四半期に比べ大きく伸長しました。日本では、緊急事態宣言再発令により活動停滞は継続するも、mRNAワクチンを保存する物流拠点と接種拠点への超低温フリーザーの供給が牽引し、前年同期比108.3%増加しました。米州地域では、通常の研究活動の回復が最も進み、製薬企業を中心に大型案件を多数獲得し、前年同期比56.6%増加しました。欧州地域では、mRNAワクチンの製造拠点となる製薬企業各社と大手物流企業からの超低温フリーザーの大型案件獲得が継続しており、前年同期比149.8%増加しました。東南アジア太平洋州地域は、2020年7月にシンガポールの販売会社SciMedの連結子会社化による他メーカーの買入商品販売の追加、及び各国のワクチン保存需要の確実な獲得により、前年同期比138.0%増加し、研究・医療支援機器分野全体の売上は前年同期比92.8%増加しました。一方で、調剤支援機器・その他分野においては、日本の市場回復の遅れ及び米州地域内の物流遅延影響により、売上は前年同期比28.1%減少しました。これらにより、バイオメディカ事業の売上収益は、12,746百万円(前年同期比67.5%増)となりました。

 以上により、診断・ライフサイエンスの売上収益は、21,946百万円(前年同期比45.8%増)となりました。

 上記売上の状況の中、超低温フリーザーの売上拡大による粗利改善が、原材料費や物流費の高騰、販売活動の活性化に伴う旅費・交通費や人件費の増加を吸収し、更にコスト削減にも取り組みました。その結果、診断・ライフサイエンスのセグメント利益は、売上の深刻な減少により赤字となった前第1四半期から回復し、1,665百万円となりました。

 調整後EBITDAは、4,009百万円(前年同期比124.7%増)となりました。

 

(b)財政状態の状況

第8期連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)

 「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 a.財政状態の状況」にて記載しておりますのでご参照ください。

 

第9期連結会計年度第1四半期連結累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年6月30日)

 「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 a.財政状態の状況」にて記載しておりますのでご参照ください。

 

(c)資本の財源及び資金の流動性についての分析

(イ)キャッシュ・フロー

第8期連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)

 「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 c.キャッシュ・フローの状況」にて記載しておりますのでご参照ください。

 

第9期連結会計年度第1四半期連結累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年6月30日)

 「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 c.キャッシュ・フローの状況」にて記載しておりますのでご参照ください。

 

(ロ)資金需要

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。販売費及び一般管理費の主なものは人件費及び広告宣伝費等です。

 

(ハ)資金調達と財務マネジメント

 当社グループは、運転資金や設備投資のために、最適な資金確保と流動性の保持及び健全な財政状態を維持することを財務方針としております。

 運転資金は基本的には手許資金でまかなうことを原則としております。基本的には当社が一元して資金を調達・運用し、運転資金が必要な各子会社に対しては当社グループ内から貸付を行うことで効率化を図っております。

 また、設備投資等の長期資金需要に関しては、投資回収期間とリスクを勘案した上で調達方法を決定しております。なお、当連結会計年度は、設備投資及び研究開発活動等の資金について、主に営業活動の結果得られた資金から充当しております。

 資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、銀行とコミットメントライン契約を締結しており、成長を維持するために必要とされる十分な流動性を確保していると考えております。

 2021年3月末時点の借入残高は約3,200億円になっており、その大宗は複数回の買収等に伴うものですが、2021年5月31日付で新たな金銭消費貸借契約を締結いたしました。同契約により、2021年6月30日に約3,100億円を調達、同日付で既存借入残高は全額期限前弁済を実施いたしました。今後は毎年240億円程度の返済を予定しており、借入金の総額は毎年減少する見込みです。また、ファシリティ契約及び新規金銭消費貸借契約における財務制限条項には、利益維持や連結資本維持等が存在しますが、これらに抵触する見込みはなく、取引金融機関とは今後も踏まえた良好な取引関係を構築しております。

 

(d)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの売上は、販売を行っている国又は地域の経済状況、医療制度、競合他社の状況、顧客動向や嗜好の変化等による影響を受け、また当社製品の販売価格は、世界的に浸透している医療費抑制政策の影響を受ける可能性があります。また、当社グループは、外貨建てで取引されている製品・サービスが売上収益の過半数を占めていることなどから、為替相場の変動により経営成績が影響を受ける可能性があります。費用面では、原材料価格等による影響を受けます。

 当社グループの経営成績に影響を与える他の要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

(e)経営戦略の現状と見通し

 当社グループの属するヘルスケア業界では、先進国における高齢化社会、世界的な生活習慣病の増加、各国における医療費削減などの経営環境に直面しております。

 このような環境の下、当社グループでは、グローバル規模での中長期成長を支える社内体制の構築・強化、人材の確保と育成の強化、事業及び収益基盤の拡大等に取り組むことで売上拡大や利益の確保に努めていく所存です。

 当社グループの経営戦略の現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にて詳細にご説明しておりますのでご参照ください。

 

(f)経営者の問題意識と今後の方針

 経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にて詳細にご説明しておりますのでご参照ください。

 

4【経営上の重要な契約等】

契約会社名

相手方の名称

国名

契約類型

契約締結日

契約内容

契約期間

当社

株式会社みずほ銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社三菱UFJ銀行、三井住友信託銀行株式会社、株式会社KKRキャピタル・マーケッツ

日本

ファシリティ契約

2015年3月25日締結

株式会社KKRキャピタル・マーケッツをコーディネーターとした、左記金融機関からの資金借り入れ、返済に関する契約。

最終返済期限は2026年8月。

2015年3月31日から2026年8月3日。

金銭消費貸借契約の実行日(2021年6月30日)に終了。

当社

株式会社三井住友銀行、株式会社三菱UFJ銀行、株式会社みずほ銀行、三井住友信託銀行株式会社

日本

金銭消費貸借契約

2021年5月31日締結

株式会社三井住友銀行をエージェントとした、左記金融機関からの資金借り入れ、返済に関する契約。

詳細は、第5 経理の状況1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 37.後発事象 (3)長期借入金のリファイナンスについてをご参照ください。

2021年5月31日から全ての債務返済が完了するまで。(実行日は2021年6月30日)

当社

パナソニック株式会社、Kohlberg Kravis Roberts & Co L.P.、三井物産株式会社、株式会社生命科学インスティテュート

日本

米国

コンサルティング契約

2020年3月26日修正契約締結

アドバイザリー・フィーとして、年間総額450百万円を支払う契約。契約を終了し、かつ契約で定められた一定の条件を満たした場合において契約上定められた金額を一括で支払うこととなっており、現状の見込みで計15億円程度の支払いが予定されております。

2014年3月31日から1年毎の自動更新。

2021年9月7日に終了。

 

5【研究開発活動】

第8期連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)

 当社グループは、ヘルスケア分野において、世界中の健康を願うすべての人々の豊かな社会づくりに貢献するため、技術の革新・融合により新たな価値を創造することを目指し、研究開発に取り組んでいます。

 研究開発体制は、PHCグループ全体の研究開発に取り組む先行技術開発センターと、より製品化に近い研究開発や既存製品の継続的な開発を行うドメイン・ビジネスユニット毎の開発の大きく2段階となっております。

 糖尿病マネジメントドメインでは、自己血糖測定システム、持続型血糖値測定器及びその周辺領域に関連するセンサ部、測定器の開発と、HbA1cや脂質などを測定できるPOCT及び医薬品の皮下注射を支援するインジェクタ事業に関する商品開発を行っております。当該事業年度では、血糖値測定器やPOCT機器の新規商品開発を進めたほか、JCRファーマ株式会社向け成長ホルモン用オートインジェクタ(グロウジェクターL)に対応する専用のスマートフォンアプリケーションソフトウェア「めろん日記」の一般公開を行いました。

 ヘルスケアソリューションドメインのうちメディコム事業では、診療所用医事一体型電子カルテシステム、保険薬局用電子薬歴システムを基軸に、オンプレミスとクラウドのハイブリッド型対面型薬剤情報システムや、次世代の電子カルテシステムや調剤システムにおけるクラウド関連の商品開発を進めております。当該事業年度では、診療所用医科医事システム「Medicom-HRf core」、及び、電子カルテシステム、調剤システムのオプションサービスとして、「オンライン資格確認サービス」を発売しました。

 同じくヘルスケアソリューションドメインのうちLSIMでは、臨床検査事業、診断薬事業、創薬支援事業における、新たな商品、技術の開発を行っております。当該事業年度、臨床検査事業ではがん、認知症の早期発見に関する研究、新規マーカーの開発を、診断薬事業では、全自動血液凝固検査システム『STACIA CN10』や移動式免疫発光測定装置『PATHFAST』の装置、試薬の改良や新規検査項目の開発、創薬支援事業では新しいモダリティと革新的な治療概念の普及に対応すべく、Patient-Derived Xenograftモデルの拡充や、イメージング質量分析法の開発等に取り組みました。

 診断・ライフサイエンスドメインのうちバイオメディカ事業では、医療、ライフサイエンス分野の研究で用いられる保存機器、培養機器、実験環境機器、及び病院や薬局などの調剤室で用いられる調剤機器、フードソリューション機器の商品開発を行っております。当該事業年度では、省エネ技術や超低温フリーザーの霜付量低減技術の開発を中心に取り組みました。また、ノンフロンの薬用保冷庫2機種の製品化も行いました。

 さらに診断・ライフサイエンスドメインのうち病理事業では、エプレディアのミッションである”Enhancing precision cancer diagnostics”を推進するための新製品の開発を行っております。当該事業年度では、標本の作製、診断、保管、管理に至るプロセスのデジタル化や次世代レーザープリンティング技術の開発に取り組みました。当社子会社PHCの先行技術開発センターにおいては、PHCグループの成長分野に対し、難易度の高い先行的な技術や共通技術、新たな商品、サービスの研究開発を行っております。当該事業年度では、リキッドバイオプシー用がん診断デバイスや、光学式高感度臨床検査用デバイス及びイメージングデバイス、携帯型迅速診断用デバイス、培養液中に含まれるグルコース、乳酸の量を連続的に計測するセンシングデバイス、及び、人工知能を用いた検査・診断支援の要素技術開発に取り組みました。

 なお、当社グループの研究開発費は、15,710百万円となっております。内訳としては、糖尿病マネジメントドメインにおける研究開発費は7,937百万円、ヘルスケアソリューションドメインにおける研究開発費は2,721百万円、診断・ライフサイエンスドメインにおける研究開発費は、3,569百万円、先行技術開発センターを含む本社その他における研究開発費は、1,480百万円となっております。

 

第9期第1四半期連結累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年6月30日)

 当第1四半期における活動と致しましては、2021年6月に、中小規模病院における調剤過誤のリスク低減および、薬剤師の業務プロセスのさらなる改善を目指した、注射薬払出システム「SMART PICKER(スマートピッカー)」を、バイオメディカ事業部より発売いたしました。

 当社グループにおける研究開発活動の状況に重要な変更はなく、各ドメインにおいて、技術の革新・融合により新たな価値を創造することを目指し、継続して、研究開発に取り組んでおります。

 なお、当該期間の当社グループの研究開発費は、3,213百万円となっております。