文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、世の中の物理鍵とそれに伴う様々な制約から人々を解放し、扉で分断されたあらゆる場所や空間に人々が自由にアクセスできるキーレス社会の実現を目指しております。その実現を通じて、誰もが利用する鍵や扉を起点とした様々なサービスや価値を提供することで事業拡大を目指しております。
具体的な経営方針は以下の通りであります。
① 社会インフラとしてのキーレス社会の創出を通じた価値提供
近年、日本ではキャッシュレス社会が大きく進展しております。このキャッシュレスの仕組みは、スマートフォンやICカードなどの個人を証明する支払用ハードウェア、POSやカードリーダーなどのキャッシュレス決済受入のための認証ハードウェアインフラ、そしてそれらハードウェア機器やインフラのためのソフトウェアや決済トランザクションを支える認証システム等によって構成されており、従来の非デジタルな手段としての現金を置き換えております。
当社グループでは、この急速に進展したキャッシュレス社会と同様の産業構造を持ち、ユーザーのさらなる利便性や価値実現をもたらすキーレス社会が今後急速に進展すると考えております。実際に、社会インフラとしてのキーレス社会は、キャッシュレス社会と同様に、スマートフォンやICカードなどの鍵を開閉する個人を証明するハードウェア、スマートロックやカードリーダーなどの鍵に付帯する認証ハードウェアインフラ、そしてそれらハードウェア機器やインフラを支えるソフトウェアや認証のためのシステムによって構成されており、従来の非デジタルな手段としての物理鍵を置き換えております。
当社グループでは、キャッシュレス社会が急速に立ち上がったように、新たな社会インフラとして、誰もが利用する鍵や扉を起点としたキーレス社会を新たに創出し、セキュリティや生産性、利便性の向上に加え、ビジネスや日常におけるさらなる価値を提供することで、ハードウェア及びソフトウェア、そしてクラウド上のアクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」をトータルで提供する社会インフラの企業としてのポジションを確立、拡大していく方針であります。これにより、セキュリティや生産性の向上だけに留まらない、IoTにより取得するビッグデータの利活用やアクセス認証基盤を通じた利便性や生産性の向上などの新たな価値を提供することで、企業や個人ユーザー、ひいては社会に貢献し、企業価値の拡大と事業成長を実現できると考えております。
② 認証インフラによるキーレスの適用領域の拡大
現在、当社グループはこの世界の実現に向けて、オフィス領域を中心に事業活動を行っております。そして直近では、美和ロックとの合弁会社を通じて、新たに住宅領域への事業領域の拡大を目指しております。
前述の通り、当社グループでは社会インフラとしてのキーレス社会を実現するためのハードウェアインフラ及び認証基盤を有しており、今後は、このオフィス領域で培った実績をベースに、住宅領域にもインフラとなるハードウェア機器及びソフトウェアを広く提案し、導入を拡大することで、リカーリングビジネスによる売上の拡大を目指しております。
また、当社グループの推進するキーレス社会は、あらゆる場所に存在する扉での認証を起点としているため汎用性が高いと考えており、今後はオフィス領域や住宅領域に加えて、医療機関や行政施設などの非商業施設、そしてホテルなどの宿泊施設やレジャー施設などの商業施設、さらには自動車や交通機関など扉の存在するあらゆる場所へとその対象を拡大していく計画であります。さらに、扉を起点に展開されるインフラを拡大していくことで、その認証を担うアクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」のプラットフォームとしての価値も同時に向上すると考えております。この認証プラットフォームとしての価値の向上により、将来的には当社グループだけでなく外部のサービス提供事業者も共通認証プラットフォームとして利用できるサービス提供モデルを目指しております。
これらの取り組みによって、サブスクリプションモデルによるARRの増加を目指しております。
③ ユーザーへの提供価値を継続的に強化するビジネスの好循環モデル
当社グループのさらなる事業成長のための源泉は、アクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」であります。この認証基盤を中核とした既存のAkerun事業の拡大を通じて、認証のためのエッジ端末の導入の増加、ユーザー数のさらなる増加、1ユーザーあたりの利用可能な扉の増加により事業拡大を図る考えであります。さらに、Flywheel効果(注)として、このAkerun事業の拡大をベースにユーザー体験の向上や新規事業を含めた周辺領域へのサービス展開などのシナジーによるユーザーへの提供価値を向上させることで、成長のための好循環モデルを推進していく考えであります。
前述の通り、広範なユーザーを擁するアクセス認証基盤は、すでに社会インフラ、ひいてはキーレス社会の実現に向けたインフラとして一定レベルの規模を有していると考えており、今後もAkerun事業及び新規事業を通じてさらにこの規模を拡大し、事業成長を果たしていく考えであります。
(注) Flywheel効果とは、機械設備の用語として回転エネルギーを効率的に蓄え、持続的に回転が維持されるように設計された機械装置のことを指す「Flywheel」が転じて、企業における効率的かつ持続的な事業成長をもたらす仕組みやビジネスモデルのことであります。
(2)当社グループの取り組む市場の規模
当社グループの事業が対象とする市場は、セキュリティ関連市場及び個人認証・アクセス管理型セキュリティソリューション市場であります。当社グループは、オフィス領域におけるこれら市場の市場規模(SAM)(注1)を4.5兆円(注2)と推計しております。また、これに住宅領域における市場を加えた市場規模(TAM)(注3)を6.4兆円(注4)と推計しております。これらは巨大な市場規模を有しておりますが、オフィス領域及び住宅領域における事業を両輪に、物理的な扉や錠前のセキュリティ及び認証のプラットフォーム化による社会インフラとしての地位拡大により、さらなる顧客基盤の拡大と事業成長を図る考えであります。
さらに、前述の通り、当社グループのAkerun事業におけるオフィス領域、住宅領域それぞれの特徴やサービスの強みに加え、アクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」によりもたらされるFlywheel効果(注5)により、これら市場からの需要に応えていく考えであります。そして、今後はセキュリティや認証だけにとどまらず、プラットフォーム上に蓄積されたビッグデータを活用したユーザー体験の向上や新規事業を含めた周辺領域へのサービス展開などのシナジーによる提供価値の向上を図ることで、キーレス社会の実現と当社グループの提供するサービスのプラットフォーム化による顧客需要の獲得と顧客基盤の拡大、そして事業成長を加速していく考えであります。
(注)1.SAMとは、Serviceable Available Marketの略で、特定のサービスや製品によりアプローチ可能な顧客セグメントの市場規模を示すものであります。
2.2,100万ドア × 1.8万円/月 × 12か月 = 4.5兆円。オフィスの入退室用ドアについて、非常灯の設置が義務付けられていることからドア数 ≒ 非常灯数と推定。300万個 (パナソニック社の資料より年間市場規模 ) × 7年 (リプレイスメントサイクル) ≒ 2,100万個を算出。現在のAkerun入退室管理システムの費用は1.8 万円/月。(出典・参考:2020年9月15日 建設通信新聞「建築物の非常用照明メンテ強化/パナソニック・ライフソリューションズ社(300万個)」、2012年7月 日本ロック工業会「錠の耐用年数についてのガイドライン(7年)」)
3.TAMとは、Total Addressable Marketの略で、特定のサービスや製品によりアプローチ可能な最大の市場規模を示すものであります。
4.(注2)のSAMに加えて、全国の総住宅数 6,240万 × 2,500円 × 12ヶ月 = 1.9兆円を加算。(出典・参考:2018年総務省「住宅・土地統計調査」。現在の家庭向けスマートロックの費用(2,500 円/月)。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下の通りであります。
① さらなる新規ユーザーの獲得
当社グループの事業の基盤となる認証基盤「Akerun Access Intelligence」のユーザー数の増加が経営方針における最重要課題であると考えております。中核事業であるAkerun事業の各サービスは、既存の扉に後付け可能という特徴から、国内の企業や住宅における導入余地は非常に大きいものと考えております。
今後も営業体制の増員、販売チャネルの新規開拓と拡大、そして技術開発を通じたサービス自体の価値のさらなる向上などを通じて新規導入や追加導入を促進することで、それに伴うユーザー数の拡大を図ってまいります。
② 技術開発力の継続的な向上
認証基盤「Akerun Access Intelligence」を中心として、技術開発は当社グループの市場競争力の強化と持続的成長に欠かせないものであると認識しております。引き続き優秀な技術者の採用・育成を積極的に推進するとともに、開発体制への投資を通じた強化・拡充により、IoTや認証、クラウドなどに関する先端技術を取り入れるなど、ハードウェア、組込み、アプリケーション、Webなどの各開発分野のさらなる技術力及び開発力の強化に取り組む計画であります。
③ 利益及びキャッシュ・フローの創出
当社グループは、中長期的な利益及びキャッシュ・フローの創出を目指しておりますが、事業拡大のための先行投資を積極的に進めており、第7期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)は営業損失を計上しております。
当社グループの収益の中心であるHESaaSビジネスは、サブスクリプションモデルで顧客にサービスを提供し、継続して利用されることで収益が積み上がるストック型の収益モデルである一方で、顧客獲得費用や開発費用が先行して計上される特徴があり、短期的には赤字が先行することが一般的であります。
当社グループでは、事業の拡大によりストック収益を順調に積み上げることで、先行投資として計上される費用を回収しており、今後も、当社グループの提供するサービスを通じて、中長期的な利益及びキャッシュ・フローの最大化に努めてまいります。
④ 営業のマルチチャネル化を通じた販売の拡大
さらなる事業成長に向けて、中核事業であるAkerun事業における各サービスのより一層の導入促進とそれに伴うユーザー数の増加が、当社グループの市場競争力の強化に必要であると考えております。この課題に対して、採用活動などを通じた営業組織の増員に加え、より広範な営業網を構築するための販売パートナーの新規開拓や関係性強化を通じて潜在ユーザーへの提案機会の増加を図る専任営業チーム、大規模企業向けの専任営業チームの育成・強化を積極的に進めてまいります。
⑤ サービス提供価値のさらなる向上と新規サービスの提供
当社グループが提供するサービスのさらなる導入促進とユーザー基盤の拡大、そして既存顧客の満足度の向上のために、従来から提供する入退室管理や勤怠管理にとどまらない、提供価値のさらなる向上と新規サービスの提供が必要であると認識しております。
当社グループでは、開発体制の強化・拡充を通じた新規サービスの開発に加え、外部のパートナー企業との技術連携によるサービス拡充を積極的に進めることで、ユーザーへの扉を起点としたさらなる提供価値の向上を図ってまいります。また、「Akerun来訪管理システム」、合弁会社を通じたAkerun事業の住宅領域への進出に加え、さらなる新規事業の開発を検討・推進してまいります。
⑥ 情報セキュリティ体制の強化
当社グループの提供するサービスでは、認証に用いる個人情報などの機密情報を取り扱っております。この情報資産を保護するため、当社グループでは情報セキュリティ基本方針を策定し、専任のセキュリティ担当者を設置しております。さらに、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格「JIS Q 27001:2014(ISO/IEC 27001:2013)」の認証を本社及び大阪オフィス、福岡オフィスの各拠点で取得しております。また、技術開発にあたっては社内に専任の品質保証エンジニアを配置し、さらに外部のセキュリティ診断なども実施することで、システムとしての安全性と堅牢性の向上を図っております。これらの取り組みにより、情報管理体制を強化するとともに、従業員への継続的な情報セキュリティ教育を実施することで、情報セキュリティ体制を強化してまいります。
⑦ ガバナンスの強化
当社グループは鍵や認証というセキュリティに関する事業を行う企業として、ユーザーや市場からの信頼が必要不可欠であると考えております。情報管理、財務、IT、その他の社内制度などを含めた内部統制の継続的な策定、強化、改善を実施することで信頼を獲得し、企業価値のさらなる向上に取り組んでまいります。
⑧ 優秀な人材の採用と育成
当社グループの将来にわたる持続的成長に向けて、優秀な人材の採用と育成が欠かせないものと認識しております。特に、サービスの開発や継続的な改善によるサービス価値の強化を担うエンジニアの獲得と、さらなるサービス導入促進のための営業人員の確保が不可欠であると考えております。当社グループでは、優秀な人材の獲得に向けて今後も積極的な採用活動を実施するとともに、人材の育成と維持のための社内トレーニング体制の強化や企業文化の醸成などの施策を推進してまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、中長期的に安定した売上収益を拡大させることが重要であると考えております。そのため、当社は達成状況を判断するための経営上の指標としてARR(Annual Recurring Revenue:毎年繰り返し得られる年次経常収益)を採用しております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に対する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業環境に関するリスクについて
① セキュリティ関連市場及び個人認証・アクセス管理型セキュリティソリューション市場について
当社グループはAkerun事業の単一セグメントであり、対象市場としてセキュリティ関連市場及び個人認証・アクセス管理型セキュリティソリューション市場を想定しております。デジタルトランスフォーメーションの拡大に伴い、クラウドサービスを通じた様々な場所やシーンへのアクセス管理や、多様な状況下におけるセキュリティの強化の更なる需要拡大により、同市場が今後も成長することを前提に、引き続き同市場を基盤とした事業を展開する計画であります。
しかしながら、今後の経済情勢や景気動向の変化等により、同市場が成長しない場合や、顧客企業のセキュリティへの投資が抑制され、新規・追加受注が想定通り進まない場合又は解約率が想定を上回る場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 競合他社の動向について
当社グループがサービス提供を行う市場は、競合他社が存在しており、今後の市場規模拡大に伴い新規参入が予測されます。
当社グループは、製品機能や提供サービスの拡充や品質の向上、高度なセキュリティと利便性の追求等により、競争力の維持に努めておりますが、競合企業や新規参入企業との競争激化により、当社グループが想定している事業展開が図れない場合等には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 技術革新について
当社グループの提供するサービスは、技術革新のスピードが早く、社会環境の変化に伴い顧客ニーズも早期に変化するなど、当社グループの優位性を維持するためには、技術革新をリード又は即座に対応する必要があります。当社グループでは、優秀なエンジニアその他人材の採用・育成による技術やノウハウの蓄積、最新の技術動向や環境変化に関する情報収集等に注力し、技術革新や顧客ニーズの変化に迅速に対応できるよう努めております。
しかしながら、何らかの要因により当社グループが技術革新への対応が遅れた場合や、対応できない技術革新が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 新型コロナウイルス感染症について
当社グループの提供するサービスは、新型コロナウイルス感染症に対する企業の働き方の変化によって、在宅勤務やテレワークの導入拡大による遠隔地からの入退室管理需要の増加、コワーキングスペースやシェアオフィスの増加、鍵の受け渡しが困難になったことによるクラウド型の入退室管理システムの後付け需要増加など、当社グループの事業にとって望ましい環境の変化もみられております。
しかしながら、国内及び海外主要各国において新型コロナウイルス感染症の感染拡大が終息に向かわず、今後数年間にわたり拡大が続いた場合は、深刻な経済的影響が生じ、当社グループの提供するサービスへの需要の減少や関連する活動への支障などにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業内容に関するリスクについて
① 先行投資に伴う財務影響について
当社グループの提供するサービスは、サブスクリプションモデルのHESaaSであり、先行的な広告宣伝費投資による知名度向上や営業体制強化による潜在顧客獲得を図っております。また、Akerun事業においては、製品機能や提供サービスの拡充及び品質の向上が最重要であり、先行的にエンジニア等の人件費や研究開発費を投下しております。このため、当社グループは創業当初より継続して赤字を計上しており、第6期事業年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)及び第7期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)において、営業キャッシュ・フローがマイナスとなっております。
当社グループは、費用対効果を見ながら、今後も先行的な投資を継続する方針であり、一定期間において赤字を計上することを想定しております。事業環境の急激な変化等により、これらの先行投資が当社グループの想定する成果に繋がらなかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 継続的な受注獲得について
当社グループの事業が成長していくためには、継続的な受注獲得及び顧客による継続的なサービスの利用が重要であると考えております。これらを促進するために、製品機能や提供サービスの拡充及び品質の向上に加えて、潜在顧客及び受注獲得のための最適なマーケティング活動及び販売戦略の立案・遂行に注力しております。
しかしながら、需要に応じたサービスを提供できない場合や広告宣伝費投資による効果が十分に得られない場合、実行した販売戦略が十分な効果を伴わない場合には、新規受注獲得や顧客によるサービス利用が減少する可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ システムトラブルについて
当社グループが顧客に提供しているアプリケーションは、クラウドという特性上、インターネットを経由して行われております。当社グループは、システムトラブルによるリスクを最小限に抑えるべく、クラウドプラットフォームとして信頼されているAmazon Web Services社が提供するクラウドプラットフォーム上にアプリケーションを構築しております。また、重要度の高いサーバー冗長化やデータベースの定期的なバックアップ等を行うことにより、システムの可用性の向上や復旧時間の短縮のための対策を講じております。
しかしながら、自然災害や事故、プログラム不良、外部からの不正アクセス等により、大規模なシステムトラブルが発生した場合には、第三者に生じた損害を賠償する責任を負うだけでなく、顧客からの信用失墜などにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、クラウドサービスやお客様のネットワークに障害が発生した場合も、エッジ端末でICカード認証する方法を提供しているため、ローカル環境で認証・履歴記録することが可能なシステムとなっております。また、導入サポートとして、トラブルに備えた物理鍵での運用の案内やトラブル発生時に緊急解錠するためのキースイッチオプションの提供等を行っております。
④ 製造委託先への依存について
当社グループは、製造工場を持たず、すべての製品の製造を外部に委託しております。製造委託先に対しては、密なコミュニケーションの実施により、関係強化や過度な負担の軽減に努めるとともに、リスクヘッジのために代替先の選定にも努めております。
しかしながら、製造委託先との関係悪化による取引停止や、被災、事故又は廃業等による生産体制の崩壊などが生じ、代替先の確保が困難な状況となった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 原材料等の調達について
当社グループは、基盤部品等の選定にあたって、可能な限り広く流通し取扱代理店の多いものを採用しております。また、複数の代理店から購入することにより安定調達を図り、生産に必要な原材料が十分に確保されるよう努めております。
しかしながら、一部の特殊な基盤部品等については調達リードタイムが長く、流通が限定されるものを採用する場合があり、サプライヤーの被災、事故及び廃業等による原材料の供給中断、需要の急増による供給不足が発生した場合には、生産計画通りの製造が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 特定事業への依存について
当社グループは、単一セグメントであるAkerun事業のサブスクリプション収益が当社収益の約90%を占めております。
当社グループでは、顧客ニーズに合ったサービスを提供するための継続的な改良に加え、業績の拡大及び安定化を図るための新規事業の開発に取り組んでおりますが、市場の変化や顧客ニーズの変化等により当社グループのサービスが競争力を失った場合や、競合他社による魅力的なサービスの出現等により顧客が減少した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 製品の欠陥等について
当社グループは、製品の品質や安全に関する法令及び規則の遵守に努めるとともに、社内の品質保証担当による十分な検証や、外部の品質保証機関による客観的な検証を行っております。
しかしながら、万が一大規模な製品の欠陥等が発生した場合、アフターサービス費用又はリコール費用が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)組織体制に関するリスクについて
① 優秀な人材の確保について
当社グループは、既存事業の急速かつ継続的な成長及び規模拡大や、想定される新規事業への展開に伴い、当社グループの理念に共感する優秀な人材の確保及び育成が不可欠であると認識しております。
しかしながら、人材採用及び育成が計画通りに実現できなかった場合や優秀な人材の流出が進んだ場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 内部管理体制の構築について
当社グループは、企業価値を継続的かつ安定的に高めていくためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、適切な内部管理体制の整備が必要不可欠であると認識しております。そのため、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な整備・運用、また法令・定款・社内規程等の遵守を徹底しております。
しかしながら、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の整備が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 特定人物への依存について
当社の代表取締役社長である河瀬航大は、当社の創業者であり、創業以来当社グループの経営方針や事業戦略の立案及び遂行において重要な役割を果たしております。当社グループでは、特定の人物に依存しない体制を構築すべく、権限委譲や組織体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。
しかしながら、何らかの理由により同氏が当社グループの経営執行を継続することが困難になった場合には、現状では当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)事業に関する法的規制に関するリスクについて
① 個人情報の保護について
当社グループは、「Akerun入退室管理システム」の利用による各種ログや入退室記録、顧客へのサービス提供のため取得する役職者の情報など個人情報を保有しております。個人情報の取扱いについては、外部漏洩や不正利用等の防止のため、「情報セキュリティ基本方針」を定め、この方針に従って情報資産を適切に管理するとともに、「個人情報保護管理規程」を策定し、その遵守を徹底しております。また、当社は情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格「JIS Q 27001:2014(ISO/IEC 27001:2013)」の認証を取得しており、個人情報の保護に積極的に取り組んでいます。
しかしながら、悪意あるハッキングやコンピューターウィルス等により、万が一当社グループが保有する個人情報が外部に漏洩した場合又は不正使用された場合には、第三者に生じた損害を賠償する責任を負うだけでなく、顧客からの信用失墜などにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 知的財産権について
当社グループは、運営する事業に関する技術・商標等の知的財産権の保護を図っております。また、当社グループの提供するサービスが第三者の知的財産権を侵害しないよう留意しており、必要に応じて顧問弁護士や弁理士等の専門家への事前調査依頼による十分な検証を行っております。
しかしながら、当社グループが保有する知的財産権について、第三者により侵害される可能性があります。また、万が一、当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、当社に対する訴訟等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 法的規制について
当社グループの提供するサービスでは、「個人情報保護法」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」等の法規制の対象となっております。当社グループは、これらの法規制を遵守した運営を行ってきており、今後も社内教育や体制の構築などを行っていく予定であります。
しかしながら、今後新たな法令の制定や、既存法令の強化等が行われ、当社グループが運営する事業が規制の対象になるなど制約を受ける場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 訴訟等について
当社は、2021年9月30日に株式会社東京証券取引所からマザーズ市場への上場承認を受けた後、2021年10月7日付で株式会社モビリティ(以下、「モビリティ」という。)の代理人弁護士より、当社に対して、当社製品のAkerun ProのICカードリーダーがモビリティの保有する特許4789092号を侵害しており、3,000千円程度の支払いを求める旨の通知を受けております。
当社は、モビリティの主張するような特許権侵害はなくモビリティの請求には理由がないものと考えており、特許権に知見を有する弁護士及び弁理士に依頼の上、適切に対応していく方針であります。
しかしながら、今後訴訟が提起され、当社の損害賠償責任等が認められた場合には、当社グループの事業や財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)その他のリスクについて
① 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は、役員及び従業員等に対するインセンティブを目的として新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日時点でこれらの新株予約権による潜在株式数は1,609,600株であり、発行済株式総数14,535,400株の11.1%に相当しております。
② ベンチャーキャピタルの株式保有割合について
本書提出日現在における当社の発行済株式総数は14,535,400株であり、このうち6,769,400株(発行済株式の46.6%)についてはベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合が保有しております。
一般的に、ベンチャーキャピタルが未上場会社の株式を取得する場合、上場後には保有する株式を売却しキャピタルゲインを得ることがその目的のひとつであり、当社におきましても、上場後にベンチャーキャピタルにより株式が売却される可能性があります。そのような場合には、短期的に需要が悪化し当社の株価が低下する可能性があります。
③ 配当政策について
当社は、株主に対する利益還元を経営上の重要課題の一つとして位置づけておりますが、創業して間もないころから、持続的成長と事業拡大に向けた積極的な投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考え、創業以来配当は実施しておりません。
今後の配当方針については、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案した上で、株主に対して利益還元策を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその時期等については未定であります。
④ 繰越欠損金について
当社は、事業拡大のための積極的な人材投資、広告宣伝等を行ってきたことから、第7期事業年度末(2020年12月31日)において税務上の繰越欠損金が存在しております。今後、利益計上が継続した場合には、繰越欠損金が解消されることにより、法人税、住民税及び事業税の金額が増加することとなり、当期純損益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
⑤ 固定資産の減損について
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損の要否を検討しております。将来の事業計画や市場環境の変化により、減損の兆候が認められ、減損損失を計上する場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループは、第7期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)において、賃貸用資産等の固定資産に係る減損損失を計上しました。そのため、当該減損損失を計上した固定資産に係る減価償却費は、翌事業年度以降においては計上されませんが、翌事業年度以降において取得等により計上する固定資産については減価償却費が計上されます。
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
なお、当社グループは第8期より株式会社MIWA Akerun Technologiesを連結子会社としたため、第8期第1四半期連結会計期間より四半期連結財務諸表を作成しております。
① 財政状態の状況
第7期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
(資産)
当事業年度末における流動資産は前事業年度末に比べ916,915千円増加し、1,788,353千円となりました。これは主に、第三者割当増資等に伴う現金及び預金の増加885,605千円によるものであります。
固定資産は前事業年度末に比べ417,789千円減少し、78,000千円となりました。これは主に、減損損失計上による賃貸用資産の減少283,591千円、減損損失計上による建物の減少70,608千円によるものであります。
この結果、資産合計は前事業年度末に比べ499,125千円増加し、1,866,354千円となりました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は前事業年度末に比べ164,005千円増加し、657,041千円となりました。これは主に、金融機関からの借り入れによる1年内返済予定の長期借入金の増加74,890千円、事業拡大による顧客から収受する前受収益の増加47,730千円によるものであります。
固定負債は前事業年度に比べ41,707千円減少し、742,169千円となりました。これは主に、流動負債への振替によるその他固定負債の減少22,604千円によるものであります。
この結果、負債合計は前事業年度末に比べ122,297千円増加し、1,399,211千円となりました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は467,143千円となり、前事業年度末に比べ376,827千円増加いたしました。これは主に、第三者割当増資による資本金の増加766,294円及び資本準備金の増加766,294千円、減資による資本金の減少850,787及びその他資本剰余金の増加850,787円、欠損填補によるその他資本剰余金の減少712,294円及び繰越利益剰余金の増加712,294円、当期純損失計上による繰越利益剰余金の減少1,184,811千円によるものであります。
第8期第2四半期連結累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年6月30日)
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における総資産は3,428,831千円となりました。
流動資産は3,181,122千円となりました。この主な内訳は、現金及び預金2,987,993千円であります。
固定資産は247,709千円となりました。この主な内訳は、有形固定資産153,451千円であります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債は1,481,572千円となりました。
流動負債は793,230千円となりました。この主な内訳は、前受収益345,509千円、1年内返済予定の長期借入金193,080千円であります。
固定負債は688,341千円となりました。この主な内訳は、長期借入金は664,850千円であります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産は1,947,259千円となりました。この主な内訳は、資本金965,113千円、資本剰余金2,437,067千円、利益剰余金△1,501,823千円であります。
② 経営成績の状況
第7期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
当事業年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大懸念により経済活動が停滞し、徐々に再開の動きはあるものの、足元では世界中で感染が再拡大し、先行きは不透明な状況となっております。
当社が属するセキュリティ関連市場及び個人認証・アクセス管理型セキュリティソリューション市場においては、新型コロナウイルス感染症に対する企業の働き方の変化によるデジタルトランスフォーメーションの拡大に伴い、クラウドサービスを通じた様々な場所やシーンへのアクセス管理や、多様な状況下におけるセキュリティの強化の更なる需要拡大が見込まれております。
そのような環境において、当社は、世の中から物理鍵とそれに伴う様々な制約から人々を解放し、扉で分断されたあらゆる場所や空間に人々が自由にアクセスできる”キーレス社会”の実現を目指し、アクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」や新Akerunロゴの発表を行いました。加えて、新規顧客獲得のために積極的な広告宣伝活動を実施しました。また、製品機能や提供サービスの拡充及び品質の向上のため、継続してエンジニア等の人件費や研究開発費の先行投資を行っております。その結果、当社のメインサービスであるAkerun入退室管理システムの月額利用料収入が好調に推移しました。
この結果、当事業年度の業績は、売上高1,175,930千円(前年同期比51.0%増)、営業損失667,033千円(前期営業損失693,387千円)、経常損失683,531千円(前期経常損失708,571千円)、当期純損失1,184,811千円(前期当期純損失713,566千円)となりました。
なお、当社は、Akerun事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
第8期第2四半期連結累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年6月30日)
当第2四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、景気後退による一部の小規模事業者の倒産、移転、コスト削減による解約などで影響を受ける一方で、勤務する場所が従来のオフィスだけでなく、当社グループが多くユーザーを抱えるコワーキングスペースやシェアオフィスなどの活用へとシフトしております。その結果、当社グループの事業活動全体としては、新型コロナウイルス感染症の影響下においても「Akerun入退室管理システム」のクラウドを通じた管理性やICカード/アプリなどの利便性の高い解錠手段、入退室履歴などのデータの利活用などがもたらす価値が改めて認識されたことで、サテライトオフィスやコワーキングスペース、シェアオフィスなどのフレキシブルオフィスへの需要拡大などが相まって、継続的な問い合わせや導入が促進されております。これらの市場環境を受けて、当社グループでは、製品機能や提供サービスの拡充及び品質の向上のために、継続してエンジニア等の人件費や研究開発費の先行投資を行っております。また、中小規模から大規模までのあらゆる規模をカバーする営業組織の人員拡大、さらなる需要を促進するためのマーケティング活動の強化などを通じたさらなる導入促進のための組織強化を実施しております。特に、オフィス領域におけるさらなる成長拡大に向けて、中小企業への販売促進施策を継続的に強化するために、大阪と福岡の地方拠点の活用に加え、販売パートナーを支える専任チームの強化・拡充を通じた価値提案を加速しております。さらに、より大きな収益機会が見込める大規模企業への販売拡大のための専任チームの増員や提案力の向上も図ることで、既存の大規模企業ユーザーとのリレーション強化を通じたアップセルを含む、継続的なLTVの最大化と新規顧客獲得を加速した四半期となりました。
この結果、当社グループの当第2四半期連結累計期間の売上高は716,455千円、営業損失は312,825千円、経常損失は316,682千円、親会社株主に帰属する四半期純損失は317,012千円となりました。
なお、当社グループは、Akerun事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
第7期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ885,605千円増加し、1,594,797千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は545,299千円(前年同期は585,500千円の支出)となりました。主な増加要因としては減損損失483,033千円(前年同期は該当なし)、減価償却費109,272千円(前年同期は86,782千円)であり、主な減少要因としては税引前当期純損失の計上1,186,406千円(前年同期は税引前当期純損失713,130千円)であります。
当社のビジネスモデルは、サブスクリプションモデルのHESaaSで顧客にサービスを提供し、継続して利用されることで収益が積み上がるストック型の収益モデルである一方で、顧客獲得費用や開発費用が先行して計上される特徴があり、税引前当期純損失から生じる営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなる状況が継続しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は186,396千円(前年同期は156,594千円の支出)となりました。主な減少要因としては無形固定資産の取得による支出45,647千円(前年同期は10,606千円の支出)であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は1,617,301千円(前年同期は619,210千円の収入)となりました。主な増加要因としては、株式の発行による収入1,555,650千円(前年同期は297,952千円の収入)、主な減少要因としては長期借入金の返済による支出137,600千円(前年同期は27,560千円の支出)であります。
第8期第2四半期連結累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年6月30日)
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、2,957,993千円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は179,244千円となりました。この主な内訳は、税金等調整前四半期純損失△316,690千円、前受収益の増加額134,824千円、たな卸資産の増加額△27,279千円、未払金の増加額20,285千円であります。
当社のビジネスモデルは、サブスクリプションモデルのHESaaSで顧客にサービスを提供し、継続して利用されることで収益が積み上がるストック型の収益モデルである一方で、顧客獲得費用や開発費用が先行して計上される特徴があり、税金等調整前四半期純損失から生じる営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなる状況が継続しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は178,345千円となりました。この主な内訳は、有形固定資産の取得による支出161,943千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は1,720,786千円となりました。この主な内訳は、株式の発行による収入1,744,070千円であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社が営む事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社が営む事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
第7期事業年度及び第8期第2四半期連結累計期間の販売実績は次の通りであります。なお、当社は、Akerun事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
|
第7期事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
第8期第2四半期連結累計期間 (自 2021年1月1日 至 2021年6月30日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比 (%) |
金額(千円) |
|
1,175,930 |
151.0 |
716,455 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
当社の財務諸表作成に当たり採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下の通りであります。
(固定資産の減損)
当社は、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損の要否を検討しております。将来の事業計画や市場環境の変化により、減損の兆候が発生した場合、減損損失を計上する可能性があります。
② 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
第7期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
(売上高、売上原価、売上総利益)
売上高は、主に新規顧客獲得及び既存顧客からの追加受注獲得等により1,175,930千円(前事業年度比397,088千円増)となりました。なお、当事業年度末時点での前受収益は、210,685千円となっております。
売上原価は、Akerun入退室管理システムの稼働台数増加等により210,398千円(前事業年度比58,495千円増)となりました。
この結果、当事業年度の売上総利益は965,532千円(前事業年度比338,593千円増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
販売費及び一般管理費は、主に人員増加に伴う給料及び手当の計上538,498千円、製品機能や提供サービスの拡充及び品質の向上のための研究開発費の計上45,889千円などにより1,632,566千円(前事業年度比312,239千円増)となりました。
この結果、当事業年度の営業損失は667,033千円(前事業年度営業損失693,387千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常損失)
営業外損益については、営業外収益は、助成金収入6,270千円及び違約金収入3,260千円の計上により10,809千円(前事業年度比8,113千円増)となりました。営業外費用は、支払利息21,319千円及び株式交付費5,988千円の計上により27,308千円(前事業年度比9,427千円増)となりました。
この結果、当事業年度の経常損失は683,531千円(前事業年度経常損失708,571千円)となりました。
(特別利益、特別損失、税引前当期純損失)
特別利益は発生しておりません。特別損失は賃貸用資産の除却19,840千円(前事業年度比15,282千円増)及び減損損失の計上483,033千円(前事業年度は該当なし)となりました。
この結果、当事業年度の税引前当期純損失は1,186,406千円(前事業年度税引前当期純損失713,130千円)となりました。
(法人税等、当期純損失)
法人税等については、増資に伴う資本金等の額の増加等により、法人税、住民税及び事業税4,398千円となりました(前事業年度比3,656千円増)。
以上より、当事業年度の当期純損失は1,184,811千円(前事業年度当期純損失713,566千円)となりました。
第8期第2四半期連結累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年6月30日)
(売上高、売上原価、売上総利益)
売上高は、主に新規顧客獲得及び既存顧客からの追加受注獲得等により716,455千円となりました。なお、当第2四半期連結会計期間末時点での前受収益は、345,509千円となっております。
売上原価は、Akerun入退室管理システムの稼働台数増加等により73,212千円となりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上総利益は643,243千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
販売費及び一般管理費は、主に人員増加に伴う人件費増加、知名度向上及び潜在顧客獲得のための広告宣伝費の積極的な先行投資により956,068千円となりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の営業損失は312,825千円となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常損失)
営業外損益については、営業外収益は、助成金収入及び違約金収入の計上により10,976千円となりました。営業外費用は、支払利息及び株式交付費の計上により14,834千円となりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の経常損失は316,682千円となりました。
(特別利益、特別損失、税金等調整前四半期純損失)
特別利益は発生しておりません。特別損失は賃貸用資産の除却損の計上により7千円となりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の税金等調整前四半期純損失は316,690千円となりました。
(法人税等、四半期純損失)
法人税等については、法人税、住民税及び事業税2,419千円となりました。
以上より、当第2四半期連結累計期間の四半期純損失は319,110千円となりました。
③ 財政状態に関する認識及び分析・検討内容
第7期事業年度及び第8期第2四半期連結累計期間の財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載の通りであります。
④ キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容
第7期事業年度及び第8期第2四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社における主な資金需要は、継続的な受注獲得及び顧客による継続的なサービスの利用のための人件費や、知名度向上及び潜在顧客獲得のための広告宣伝費、製品機能や提供サービスの拡充及び品質の向上のためのエンジニア等の人件費や研究開発費であります。これらの資金需要に対しては、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」をご参照ください。
⑦ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、当社は、中長期的に安定した売上収益を拡大させることが重要であると考えております。そのため、当社は達成状況を判断するための経営上の指標としてARR(Annual Recurring Revenue:毎年繰り返し得られる年次経常収益) を重視しております。
当該指標について、第6期事業年度末(2019年12月31日)は913百万円、第7期事業年度末(2020年12月31日)は1,208百万円、第8期第2四半期連結会計期間末(2021年6月30日)は1,373百万円となっております。
今後も、サービスの機能強化や適用領域の拡大、そしてプラットフォームとしてのさらなる価値提供を通じて、新規受注の獲得、アップセル及びクロスセル、解約率の抑制により、ARRを増加させてまいります。
(1)合弁会社設立に関する契約
|
契約会社名 |
相手先の 名称 |
相手先の 所在地 |
契約内容 |
契約締結日 |
契約期間 |
|
提出会社 |
美和ロック株式会社 |
東京都 港区 |
家庭向けクラウド管理型スマートロックシステムの企画・販売、及び関連する家庭向けサービス(家事代行・宅配クリーニング等)の集客事業等を主な目的とする株式会社MIWA Akerun Technologiesの設立及び運営 |
2020年 10月30日 |
2020年 10月30日から 2022年 10月29日まで 以後1年ごとの自動更新 |
第7期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
当社は、自社において研究開発活動を行っております。なお、当社の事業は、Akerun事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
当事業年度における研究開発活動は、既存サービスの機能強化による付加価値向上、新サービスの開発による新たな価値創造を目指して取り組んでおり、研究開発費の総額は
第8期第2四半期連結累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年6月30日)
当第2四半期連結累計期間の研究開発費は
なお、当第2四半期連結累計期間において当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。