第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当社は「“できっこない”に挑み続ける」ことを掲げ、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)全盛期の現在、1対Nの時代から大きく変化した、N対Nの潮流をとらえ、Fan(ファン)+Icon(アイコン)(注)を起源とした完全会員制、完全有料制のファンコミュニティプラットフォーム「Fanicon(ファニコン)」を提供するファンビジネスプラットフォーム事業と、祖業であるデジタルマーケティング事業の2つの事業を展開しております。

(注)アーティスト、インフルエンサー、タレント等、ファンコミュニティのオーナーであり、ファンの熱量の対象となるもの

 

ファンビジネスプラットフォーム事業の市場環境としては、ここ数年、エンターテインメント業界は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、オフラインでの活動を制限されたアーティストやクリエイター等が、新たな活動の場としてオンラインによる活動を求める機会が増加しました。それに呼応するようにデジタル化した配信プラットフォームが多数出現し、アーティストやクリエイター等が、そのプラットフォームを活用し自らの情報発信を一元管理することが可能になりつつあります。加えて、当社が提供するプラットフォーム「Fanicon」が進化することで、アーティストやクリエイターとファンの間のコミュニケーションの促進・発展が進んでいます。その結果、マネタイズの機会が増えたことも影響し、市場成長が継続しております。

当社が想定するファンクラブの市場規模(SAM:Service Available Market)は約1兆6,000億円であり、これは、総務省の「人口推計」と、矢野経済研究所が実施したインターネットアンケート調査「ファンの消費行動」に基づく1人当たりの消費額と潜在層を含めたファン数を基に、当社が想定するファンクラブ市場規模を算定したものであります。

 

また、デジタルマーケティング事業の市場環境としては、株式会社電通の「2024年日本の広告費」によると、2024年のインターネット広告市場は前年比109.6%の3兆6,517億円と堅調に増加を示しております。この市場の動向から、当社は今後も同市場は堅調に推移すると予想しております。また、サイバー・バズ/デジタルインファクト調べによる「国内インフルエンサーマーケティングの市場規模推計・予測 2022年-2029年」によると、2025年の国内インフルエンサーマーケティング市場は前年比115.7%の995億円が推計されており、2024年は860億円だったことから、ここ数年で大幅に市場規模が拡大しております。

 

両事業を合わせた市場規模(TAM:Total Addressable Market)は約15兆6,000億円と試算しており、その内訳は、当社想定のファンクラブ市場規模1兆6,000億円(上述)、ライブ・エンターテインメント市場7,100億円(ライブ・エンタテインメント白書より当社推計。ライブ・エンターテインメント市場規模=音楽コンサートとステージでのパフォーマンスイベントのチケット推計販売額合計と定義)、デジタルコンテンツ市場10兆3,270億円(デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書2024」2023年度市場規模より当社推計。音楽(音楽ダウンロード、音楽ストリーミング、広告)、映像(動画配信(SVOD)、動画配信(TVOD) 、VRビデオ、広告(動画共有サイト等)、ゲーム(コンソールゲーム、PCゲーム(ダウンロード)、モバイルゲーム、VRアプリ、VRゲーム、広告)のデジタルコンテンツ市場の合計と定義)、インターネット広告市場2兆9,611億円(株式会社電通の「2024年日本の広告費」で定義される「インターネット広告媒体費」)となっています。

 

① ファンビジネスプラットフォーム事業

ファンビジネスプラットフォーム事業は、ファンコミュニティプラットフォーム「Fanicon」の提供及び運営管理を行っております。

「Fanicon」はアイコンとそのファンが集い、アイコンとしての「価値」を提供したいアイコン側のニーズと、アイコンと「つながりたい」というファン側のニーズをマッチングさせるプラットフォームです。また、従来のファンクラブとは異なり、ファンコミュニティのオーナーであるアイコンと、そこに属するファンが共にコミュニティを盛り上げ、共感したファン同士も繋がることが可能なネットワーク効果のある、アイコンとファンのためのサービスです。

Faniconの会員(ファン)はすべて有料会員となっており、ファンビジネスプラットフォーム事業の売上高は、会員より受領するサブスクリプションフィーを売上高として計上するストック型のビジネスモデルとなっています。また、昨今はポイント課金型の売上高も伸びており、安定的、継続的な収入が見込まれております。

会員数を安定的に成長させるためには、新規アイコンの獲得が不可欠です。新規アイコンを獲得するための営業活動は専属チームが継続的に実施しておりますが、一部大型アイコンの獲得に関しては、パートナー企業等の協力を得ており、その結果、コミュニティ開設数は堅調に成長を続けております。

また、アイコンの解約率は、アイコンに対する季節や個人イベントに応じた施策の提案やファン体験の価値を高めるカスタマーサクセスの実施により、前事業年度に引き続き低水準で推移しております。

以上の結果、当中間会計期間において当事業の売上高は1,760,529千円(前年同期比20.8%増)、セグメント利益は95,337千円(前年同期はセグメント損失64,640千円)となりました。

 

② デジタルマーケティング事業

デジタルマーケティング事業においては、従業員の育成に力を入れ、サービスの品質向上を図ることで、既存顧客からの継続発注を確保しています。同時に、マーケティングとインサイドセールスの活動を積極的に展開することで、国内外を問わず新規顧客の獲得も進めており、その結果、案件数の増加を実現しています。

この結果、当中間会計期間において当事業の売上高は439,275千円(前年同期比17.7%減)、セグメント損失は71,319千円(前年同期はセグメント損失84,909千円)となりました。

 

以上の結果、当中間会計期間の売上高は2,199,804千円(前年同期比10.5%増)、営業利益は24,018千円(前年同期は営業損失149,550千円)、経常利益は31,267千円(前年同期は経常損失151,709千円)、中間純利益は25,923千円(前年同期は中間純損失150,262千円)となりました。

 

(2)財政状態の状況

(資産)

当中間会計期間末における資産は、前事業年度末に比べ83,401千円減少し、2,587,486千円となりました。主な要因は、現金及び預金の減少59,369千円、売掛金の減少61,978千円、無形固定資産が22,322千円増加したことによるものであります。

 

(負債)

当中間会計期間末における負債は、前事業年度末に比べ121,256千円減少し、2,195,241千円となりました。主な要因は、買掛金の減少98,447千円、未払金が31,138千円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

当中間会計期間末における純資産は、前事業年度末に比べ37,854千円増加し、392,245千円となりました。主な要因は、中間純利益25,923千円を計上したことによるものであります。

なお、当社は、2025年3月26日開催の第11回定時株主総会の決議に基づき、2025年4月1日付で減資の効力が発生し、資本金の額649,294,800円及び資本準備金の額649,293,850円をそれぞれ減少し、その他資本剰余金に振り替えております。

また、振替後のその他資本剰余金1,353,984,466円を繰越利益剰余金に振り替え、欠損填補に充当しております。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ59,379千円減少し、当中間会計期間末は1,521,851千円となりました。

当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は1,216千円(前年同期は82,558千円の支出)となりました。これは主に仕入債務の減少98,447千円、前受金の増加67,812千円、利息の受取額672千円、税引前中間純利益30,980千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は58,480千円(前年同期は46,445千円の支出)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出59,567千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は2,116千円(前年同期は14,468千円の支出)となりました。これは主に、リース債務の返済による支出2,301千円によるものであります。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した(重要な会計上の見積り)の記載について重要な変更はありません。

 

(5)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当中間会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標について重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間会計期間において、当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(7)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当中間会計期間において、当社が定めている財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(8)研究開発活動

該当事項はありません。

 

(9)主要な設備

当中間会計期間に完了した主な設備の新設等はありません。

また、当中間会計期間において、新たに確定した主要な設備の新設等の計画はありません。

 

(10)従業員数

当中間会計期間において、従業員数の著しい増減はありません。

 

(11)生産、受注及び販売の実績

当中間会計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい増減はありません。

3【経営上の重要な契約等】

当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。