第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

   文中の将来に関する事項は本書提出日現在において当社が判断したものであります

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、「あるべき未来をクラウドでカタチにする」というコーポレートビジョンのもと、クラウド先端テクノロジーとデザインで企業のDXを支援する、マルチクラウド・インテグレーターです。あらゆるヒト、モノがデジタルでつながる社会において、企業やその先にいるユーザーのあるべき姿を当社自身で考え、そのモノ作りまで行い、デジタルに最適化された新しい顧客体験をカタチにすることで、顧客中心型のビジネス変革を支援していきます。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のため、中核サービスであるクラウドインテグレーションサービスにおいて、売上総利益率、四半期契約顧客数(注1)及び顧客当たりの四半期平均売上高(ARPA)(注2)を重要な経営指標と位置づけ、各経営課題に取り組んでまいります。売上総利益率については、サービス付加価値の源泉として重視しており、当該指標を向上させてまいります。また、クラウドインテグレーションサービスの売上高については、四半期契約顧客数および顧客当たりの四半期平均売上高に分解することができますが、顧客数が増加しているか、また、顧客当たりの売上高が増加しているか測る指標として四半期契約顧客数及び顧客当たりの四半期平均売上高(ARPA)を重視しております。

(注)

1.四半期契約顧客数:再販案件を除いた四半期会計期間における契約顧客数。再販案件とは当社が仕入れたライセンスを顧客に再販売するリセールにあたり、当社においては金額が僅少なため、当該顧客は除く

2.顧客当たりの四半期平均売上高(ARPA):Average Revenue per Accountの略(顧客当たりの平均売上高)で、再販案件を除いた顧客あたりの四半期平均売上高。再販案件を除いた四半期売上高÷四半期契約顧客数により算出

 

(3)経営環境

 当社のクラウドインテグレーションサービスが属する国内DX市場の規模は、2020年度の1兆3,821億円から2030年度には5兆1,957億円に拡大すると予測されております(出典:株式会社富士キメラ総研「2022 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」)。これはデジタル技術の進展により社会が急激に変化する中、各企業は優位性・競争力の維持・強化のため、DXによるビジネス変革が求められていることが背景にあります。さらに、新型コロナウイルス感染症の流行拡大の影響により、各企業においてはリモートコミュニケーションを含めた業務のオンラインへのサービス転換や柔軟な労働環境への急速なシフト等の取り組みが加速しており、DXは喫緊の経営課題となっております。また、DX実現を支える国内パブリッククラウドサービス市場は2021年~2026年にかけて18.8%の年平均成長率で推移し、2026年の市場規模は2021年比2.3倍の3兆7,586億円になることが予測されております(出典:IDC Japan株式会社「国内パブリッククラウドサービス市場予測、2022年~2026年」)。

 

   (国内DX市場)

   (国内パブリッククラウドサービス市場)

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 当社のCariotサービスが属する国内商用車テレマティクス(注1)市場において、テレマティクス加入台数累計は2021年の166万台から2035年には約3倍の450万台に成長すると予測されております。(出典:株式会社富士経済「コネクテッドカー関連市場の現状とテレマティクス戦略2019」)

 また、モビリティ業界の問題として、物流危機(クライシス)と言われる通り、ドライバー不足の問題が顕在化しています。厚生労働省のデータによると、トラック運転手の欠員率は5.7%と全産業と比べて高く、その原因の一つとして全産業平均と比べて約2割労働時間が長い(長時間労働)就業環境であることが挙げられます(出典:厚生労働省「トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」)。これに対して国土交通省がリードするホワイト物流運動の取り組みが活発化しています。また、物流に限らず、自動車運転業務の残業上限規制が2024年に適用されることで、モビリティ業界全般の働き方改革が求められています。

 

(注)

1.テレマティクス:通信(Telecommunication)と情報科学(Informatics)を指す言葉で、移動体に搭載した通信システムを利用してインターネットに接続し提供するサービス

 

 

(4)当社の強みと特徴

① 高成長が期待されるDX/クラウド市場におけるユニークなポジショニング

 当社は創業以来、一般消費者向け(B2C)の顧客接点(フロントエンド)となるWebモバイルアプリケーションを17年以上にわたり開発、また(株)セールスフォース・ドットコムパートナー(現 株式会社セールスフォース・ジャパン)、Heroku,inc.パートナー、Amazon Web Services,Inc.パートナーとなり、Salesforceを中心にAmazon Web ServicesやHerokuなど複数のパブリッククラウドサービスを活用したマルチクラウドインテグレーションで13年以上にわたり開発してきた豊富な実績を持っています。

 また当社は2019年11月にsalesforce.com,inc.(現 Salesforce,Inc.)より国内Salesforce Einstein(AI)(注1)導入事例において、日本企業として初めて「Salesforce Partner Innovation Awards 2019」の表彰を受けました。評価された点として①Salesforceテクノロジーを使用して、革新的で最先端のソリューションの開発を行った点。②お客様が抱えるビジネス上の課題を克服できるように、設計から構築まで支援し、技術的に貢献した点。③お客様にとって魅力的なデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援したことが挙げられます。更に2020年5月には国内Salesforceを活用したマルチクラウド開発導入事例を評価され、「Innovation Partner of the Year 2020」の表彰を受けており、グローバルでも評価される攻めのDX開発実績を持っています。

 「攻めのDX」のステップのうち「顧客接点の変革」から「サービス商品の変革」までを実現するには、「クリエイティビティ」と「マルチクラウド・エンジニアリング」の全てをカバーする必要があります。「クリエイティビティ」はサービスの企画からUI(画面)やUX(顧客体験)のデザイン、「マルチクラウド・エンジニアリング」は顧客アプリケーション、業務アプリケーション、IoTやAIといった先端テクノロジー、そしてプラットフォーム、インフラまでの開発が必要となり、当社はこれらをワンストップで提供しております。一般的にはサービスデザイン(企画設計)、UI/UXデザイン、システムなどの各段階を異なる企業に分散して依頼することになりますが、当社はこれらをワンストップで提供が可能なため、クラウド開発とその後のサービス運用までを高いアジリティ(俊敏性)をもって継続的に支援することができます。

 更に、「攻めのDX」の最後のステップである「ビジネスモデルの変革」を実現するには、1つのデジタルサービスをつくって終わりではなく、複数のデジタルサービスを束ね、企業の基幹システムも含む様々なシステムをシームレスに連携させることが必要となり、そのためにもマルチクラウドの高い技術力が求められます。顧客接点の変革、サービス商品の変革にとどまらず、ビジネスモデルの変革までを含めた「攻めのDX」支援に必要な組織的能力(ケイパビリティ)を有することが、当社の競争優位性に繋がっているものと認識しております。

 デジタルサービスにおいては、技術や競合の急速な進化に対して、高いアジリティ(俊敏性)をもってサービスを継続的に発展させていく必要があります。当社ではプロジェクト期間は平均約3ヶ月、短期間でのデリバリを実現しています。また、初期サービス構築で終わらず、繰り返しデリバリ・サイクルを回すことでデジタルサービスの継続的発展を支援しております。具体的にはデザインから、マルチクラウドでの開発、そして運用を通してサービスを育てるエンハンス対応(システム改善・改良)までをアジャイルで進めています。初期サービス構築以降も、フェーズ2やフェーズ3といった単位での機能追加や性能向上、サービス適用範囲の拡大などエンハンス開発を継続的に受注し、提供していきます。また、複数のサービスを並行で開発することでのクロスセルによる受注規模の拡大も実現します。

(注)

1. Salesforce Einstein(アインシュタイン):Salesforce,Inc.が提供するAI(人工知能)サービスの名称

② 優良な顧客基盤を有する収益性の高いクラウドインテグレーションサービス

クラウドインテグレーションサービスの顧客基盤は積極的にDXを推進する大手企業(注1)が中心となり、2022年3月期における大手企業の売上高構成比は89%となっております。大手企業の高い要求難度に応えるサービス品質を提供し、継続的な契約獲得を実現しております。

新型コロナウイルスの影響により、2021年3月期は前年比で売上高は減少しましたが、40%超の売上総利益率を維持しております。また、2022年3月期においては、旺盛なDX支援の引き合いを背景に売上高は過去最高となりました。売上総利益率に関しても、マルチクラウドや先端技術の早期キャッチアップによる付加価値向上の取り組みを背景に、44.9%まで上昇し堅調に推移しております。クラウドインテグレーションサービスの売上総利益率の推移は下記の通りとなっております。

 

クラウドインテグレーションサービス売上総利益率

 

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

売上総利益率

24.1%

34.9%

42.4%

43.0%

44.9%

 

 

2022年3月期第4四半期における大手企業の四半期契約顧客数は39社であり、旺盛なDX支援の引き合いを背景にコロナ禍においても前年同期比で8社増加しております。また、大手企業の顧客当たりの四半期平均売上高(ARPA)は、契約顧客数を増加しながら24.7百万円となり、堅調に推移しております。四半期契約顧客数および顧客当たりの四半期平均売上高(ARPA)の推移は下記の通りとなっております。

 

四半期契約顧客数(単位:社数)

 

2018年3月期

第4四半期

2019年3月期

第4四半期

2020年3月期

第4四半期

2021年3月期

第4四半期

2022年3月期

第4四半期

大手企業

18

16

21

31

39

中小企業

6

8

10

10

13

合計

24

24

31

41

52

   ※四半期契約顧客数:再販案件を除いた四半期会計期間における契約顧客数。再販案件とは当社が仕入れたライセンスを顧客に再販売するリセールにあたり、当社においては金額が僅少なため、当該顧客は除く

 

顧客当たりの四半期平均売上高(ARPA)(単位:百万円)

 

2018年3月期

第4四半期

2019年3月期

第4四半期

2020年3月期

第4四半期

2021年3月期

第4四半期

2022年3月期

第4四半期

大手企業

14.2

19.8

28.3

20.8

24.7

中小企業

6.2

26.3

19.8

7.5

5.7

顧客全体

12.2

22.0

25.6

17.6

19.9

   ※ 顧客当たりの四半期平均売上高は(ARPA):Average Revenue per Accountの略(顧客当たりの平均売上高)で、再販案件を除いた顧客当たりの四半期平均売上高。再販案件を除いた四半期売上高÷四半期契約顧客数により算出

 

 (注)

1.大手企業:日経225、日経400、日経500のいずれかに採用されている企業、または当該企業のグループ企業や当該企業に準ずる売上(1,000億円以上)規模の企業

 

 

③ サブスクリプション型で将来成長をリードするCariotサービス

「Cariotサービス」は、SaaS型モビリティ業務最適化クラウドサービスとして、車載デバイス・スマホアプリを用いて、クルマのデータをリアルタイムに取得・可視化し、「クルマの今どこ、いつ着く、安全がカンタンすぐに分かる」「クルマの管理業務や走行のムダを抽出し、改善・効率化を支援する」等の特徴により、モビリティ業務の最適化を支援しております。年間経常収益(ARR)(注1)は、新型コロナウイルスの影響を受けて2021年3月期第4四半期から減少後、2022年3月期第2四半期には一時回復したものの、第3四半期以降において既存顧客の車両管理方針の変更に伴う大口解約が続き、2022年3月期において7百万円の微増に留まりました。2018年3月期末から2022年3月期末に係る年間経常収益(ARR)は下記の通り推移しており、CAGR(注2)は35.2%となっております。

 

  年間経常収益(ARR)(単位:百万円)

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

1Q

2Q

3Q

4Q

1Q

2Q

3Q

4Q

1Q

2Q

3Q

4Q

31

47

50

76

88

94

129

154

157

177

193

210

 

2021年3月期

2022年3月期

1Q

2Q

3Q

4Q

1Q

2Q

3Q

4Q

236

257

267

246

248

261

253

253

 

(注)

1. 年間経常収益(ARR):Annual Recurring Revenueの略で、各月末のMRR(Monthly Recurring Revenueの略で月

間経常収益)を12倍して算出。Cariotサービス契約顧客において継続的に計上される経常収益は、Cariotサービスのライセンス料、車両に取り付けるデバイスのレンタル料が該当し、契約期間において継続的に発生する売上高

2. CAGR:CAGR(年平均成長率)とは、複数年にわたる成長率から、1年あたりの幾何平均を求めたもの

 

④ 技術力ある人材育成とクラウド先端テクノロジーを活用した成長戦略

 当社はクラウドエンジニアの採用と教育を事業上の重要テーマとして注力しています。

 採用に関しては、クラウドエンジニア等の専門職従業員を中心に堅調な組織拡大を実現しています。クラウドインテグレーションサービスにおけるクラウドエンジニア等の専門職従業員(注1)は下記の通り推移しており、今後も採用は成長戦略の重要テーマとして取り組んでまいります。

 

  クラウドインテグレーションサービスにおけるクラウドエンジニア等の専門職従業員(人)

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

47

73

88

99

118

 

 教育に関しては、マルチな専門性を育む仕組みと人づくりを推進しております。当社クラウドエンジニアの特徴として、Salesforce、Amazon Web Services、Herokuといったクラウドプラットフォームを活用したマルチクラウドエンジニアリング、サービス企画からUI/UXといったクリエイティビティ、IoT/AI等のクラウド先端テクノロジー等のマルチな専門性を有しております。また、コンピューターを用いた情報処理を学んだエンジニアで構成されており、当社への入社時の9割以上はクラウド未経験です。クラウドを学習する仕組みとして、教育専門のイネーブルメント組織を設け、オンボーディング(注2)、トレーナー/メンター制度と合わせて教育をサポートしています。またEラーニング(自社コンテンツ)を運用し、当社オリジナルの学習コンテンツを教育に活用しています。クラウドの資格取得も報奨金制度と合わせて活発に行い、Salesforceを中心に、Amazon Web Services、Heroku等の各種パブリッククラウドの有資格者を多数輩出しております(注3)。なお、Heroku資格については21人(2022年5月2日時点)と国内最多となっており、資格保有者が国内において僅か17名のみ(2022年5月2日時点)となっているSalesforceの最上位資格「認定テクニカルアーキテクト(CTA)」資格取得者についても1名輩出しております。社内における勉強会や事例紹介など個のナレッジをシェアする活動は創業以来行われており、これらの活動を経てマルチな専門性をもったエンジニアづくりを組織的に取り組んでいる結果、クラウド未経験の入社者がクラウド専門知識を身につけてプロジェクトにアサインされるまでの期間は約1ヶ月と短期間で戦力化、そして実践からのフィードバックサイクルを回して継続的な改善を行う体制を実現しております。

 また、当社には、研究開発を起点としたクラウド先端テクノロジーによる高付加価値を創出する事業サイクルがあります。研究開発で得たクラウド先端テクノロジーを、企業や社会で発生するイシューに対して一早く適用していきます。このノウハウを蓄積し、クラウド先端テクノロジーをパッケージ化することで、同様なイシューへ横展開し、他の企業が知見を持たない特定領域において先行して競争優位性を確立していきます。またそこから自社プロダクトに進化させることで新規事業を創出していくサイクルをつくり上げ、今後も新規事業を輩出していくことを目指しています。

 当該事業サイクルにより創出された新規事業としてCariotサービスを展開しており、クラウドインテグレーションサービスとの連携によるシナジー効果を創出しています。具体的には、MaaS(Mobility as a Service)の共同開発を行っており、モビリティプラットフォームにCariotを活用し、その上のアプリケーションはクラウドインテグレーションにより開発しております。また、クラウドインテグレーションのクラウド先端テクノロジーをCariot製品に実装することや、クラウドインテグレーションの顧客企業がサブスクリプションビジネスを始める際にCariotのSaaSノウハウを提案に組み込むといったノウハウの相互共有について連携を行っています。

 

(注)

1. 専門職:事務職を除いたエンジニア、マネージャー等の専門職

2. オンボーディング:キャリア採用者を組織の一員として定着させ、戦力化させるまでの一連の受け入れプロセス

3. 2022年3月31日現在のSalesforce・Amazon Web Services(AWS)認定資格保有者数は以下の通りです。

資格名

資格保有者数(人)

(Salesforce 認定)Heroku アーキテクト

21

(Salesforce 認定)JavaScript デベロッパー

12

(Salesforce 認定)Sharing and Visibility アーキテクト

10

(Salesforce 認定)Data アーキテクト

11

(Salesforce 認定)Development Lifecycle and Deployment アーキテクト

7

(Salesforce 認定)アプリケーションアーキテクト

10

(Salesforce 認定)Tableau CRM and Einstein Discovery コンサルタント

5

(Salesforce 認定)Field Service コンサルタント

11

(Salesforce 認定)Platform アプリケーションビルダー

89

(Salesforce 認定)Integration アーキテクト

6

(Salesforce 認定)システムアーキテクト

4

(Salesforce 認定)B2C Commerce デベロッパー

9

(Salesforce 認定)Identity and Access Management アーキテクト

4

(Salesforce 認定)テクニカルアーキテクト

1

(Salesforce 認定)Platform デベロッパー

30

(Salesforce 認定)Experience Cloud コンサルタント

21

(Salesforce 認定)Service Cloud コンサルタント

28

(Salesforce 認定)上級 Platform デベロッパー

5

(Salesforce 認定)アドミニストレーター

63

(Salesforce 認定)Sales Cloud コンサルタント

16

(Salesforce 認定)上級アドミニストレーター

5

(Salesforce 認定)Marketing Cloud メールスペシャリスト

3

(Salesforce 認定)Marketing Cloud アドミニストレーター

1

(Salesforce 認定)Pardot スペシャリスト

2

(Salesforce 認定)Pardot コンサルタント

1

(AWS認定) Alexa スキルビルダー – 専門知識

1

(AWS認定) DevOps エンジニア – プロフェッショナル

5

(AWS認定) Machine Learning – 専門知識

3

(AWS認定) セキュリティ – 専門知識

3

(AWS認定) ビッグデータ – 専門知識

3

(AWS認定) 高度なネットワーク – 専門知識

1

(AWS認定)クラウドプラクティショナー

9

(AWS認定)システムオペレーション(SysOps)アドミニストレーター – アソシエイト

7

(AWS認定)ソリューションアーキテクト – アソシエイト

36

(AWS認定)ソリューションアーキテクト – プロフェッショナル

11

(AWS認定)データアナリティクス – 専門知識

1

(AWS認定)データベース– 専門知識

1

(AWS認定)デベロッパー – アソシエイト

19

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けて、当社が認識している対処すべき課題は次の通りです。

① Withコロナの経営環境における事業継続

 新型コロナウイルス感染症の流行拡大への対応にあたり、当社においては、「①従業員、パートナーの生命、健康を最優先する」「②感染防止のための社会的要請への可能な限りの対処をする」「③顧客へのサービスの継続的な提供に最善を尽くす」「④経営、事業の継続につとめる」を基本方針として、事業を取り巻くステークホルダーの安全を維持しつつ、国内居住地の自由やリモートワーク・オンサイト勤務といった働き方に縛られないデジタルな職場環境を整備発展させながら、働き方の選択肢を広げて、従業員及びチームのパフォーマンスを最大化できる持続可能なニューノーマルな働き方を目指しております。

② 人材の確保及び育成

 当社が属するクラウド市場では、殊にエンジニアの人材不足が深刻化しております。当社が提供するサービスは、エンジニアの技術力によるところが大きく、今後も市場拡大が見込まれる中で当社が成長を持続していくためには、専門性を獲得できるエンジニアを安定的に確保し続けることが重要な課題であると認識しております。こうした課題に対処するため、中途採用では、入社者の実に9割以上のエンジニアがクラウド開発未経験者であり、その代わりにコンピューターを用いた情報処理について学んだエンジニアを積極的に採用しております。クラウドの高い専門性については、教育イネーブルメントの専門チームによる入社後のオンボーディングや技術研修のスキームを構築しており、マルチな専門性を持つエンジニアに育成する仕組みがあります。そのほか、社内外研修への参加、資格取得の推奨、自社独自のEラーニングシステムの運用を行っており、継続的に人材の確保及び育成に注力してまいります。

③ マルチクラウド強化

 当社のクラウドインテグレーションサービスにおいては、クラウドパートナーであるSalesforceを中心にAmazon Web ServicesやHeroku、MuleSoft、Tableauなどより、プロジェクトの引き合いをいただくことで、効率的な案件獲得体制を実現しております。更なる契約顧客数の増加及び既存顧客のクロスセルによるARPAの増加に向け、マルチクラウドの強化を推進してまいります。

④ クラウド先端テクノロジーへの研究開発

 当社には、研究開発を起点としたクラウド先端テクノロジーによる高付加価値を創出する事業サイクルがあり、研究開発で得たクラウド先端テクノロジーを、企業や社会で発生するイシューに対して一早く適用していきます。このノウハウを蓄積し、クラウド先端テクノロジーをパッケージ化することで、同様なイシューへ横展開し、他の企業が知見を持たない特定領域において先行して競争優位性を確立していきます。この競争優位性を維持・向上させていくために、継続的に研究開発に取り組んでまいります。

⑤ 情報管理体制について

 当社は、顧客の機密情報や個人情報を多く預かっており、その情報管理を強化していくことが重要であると考えております。現在、個人情報保護方針及び社内規程に基づき管理を徹底しておりますが、今後も社内教育・研修の実施やシステムの整備等を継続して行ってまいります。

⑥ Cariotサービスの売上拡大

 当社が今後も高い成長率を持続していくためには、Cariotサービスの認知度を向上させ、新規顧客を獲得することが必要不可欠であると考えております。引き続き、積極的なCariot製品開発に加えて、マーケティング・セールス活動及びカスタマーサクセス活動への注力を行い、新規顧客の開拓及び既存顧客との取引維持・拡大に積極的に取り組んでまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

 

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。

 当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

(1)事業環境等に関するリスク

① 経営環境の変化について

 当社のビジネスは、企業を主要顧客としております。これまでは、顧客企業の積極的なIT投資を背景として、事業を拡大してまいりました。経営計画等において分析を行い、社会基盤、競争環境等の変化によりもたらされるリスクを想定し提供サービスを強化していくことで市場やお客様のニーズの変化に対応しております。しかしながら、今後、国内外の経済情勢や景気動向等の理由により、顧客企業のIT投資が減少するような場合には、新規顧客の開拓の低迷や既存顧客からの受注の減少等、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② クラウド市場の動向について

 当社が事業を展開するクラウド市場は急速な成長を続けております。当社ではクラウド市場の成長傾向は継続するものと見込んでおり、その中で一定のシェアを獲得するべく、商品や営業組織の拡充を図っております。しかしながら、国内外の経済情勢や景気動向等の理由により、予期しないクラウド業界の成長の鈍化が生じたような場合には、当社の新規契約数・商談数も影響を受ける可能性が生じるなど、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 市場及び顧客ニーズの把握について

 当社の属するクラウド業界における技術革新はめざましく、市場及び顧客のニーズも急激に変化するとともに多様化しております。当社では、マルチクラウドの強化、提供サービスの付加価値向上により、市場や顧客のニーズの変化に対応してまいります。しかしながら、変化を的確に把握し、それらに対応したサービスや技術を提供できない場合等には、競争力が低下するなど当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 技術革新への対応について

 クラウド市場では、日々新技術の開発及びそれに基づく新しいサービスの導入が頻繁に行われており、あわせて顧客のニーズも変化が激しくなっております。そのため、常に新しい技術要素に対して情報の収集、蓄積、分析及び習得に取り組んでいく必要があります。当社では、研究開発室、先端技術室を設置し、情報技術や開発技術の調査や研究を進めており、研究開発の推進や成果の展開にも注力し、技術革新への対応に努めております。しかしながら、技術革新において当社が予期しない急激な変化がありその対応が遅れた場合や、新技術に対応するために当初予定していなかったシステムへの投資が必要になった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 競合について

 当社のクラウドインテグレーションサービス、Cariotサービスにおいては、大手・中小を問わず競合企業が存在しております。当社では、マルチクラウドの強化、社内教育体制の確立によるエンジニアの技術力の強化、サービス品質の向上等により、競争力の維持に努めております。現時点では当社のこれらのサービスの質はそれら競合に比して優位にあると判断していますが、競合他社の技術力の急激な向上や予期しないサービスの提供や類似サービスによる価格競争が激化するようなことが生じた場合には、クラウドインテグレーションサービスにおいて提案している営業案件の失注や、Cariotサービスで提供しているモビリティ業務最適化クラウド「Cariot」の既存契約の減少等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業内容等に関するリスク

① 株式会社セールスフォース・ジャパンに関するリスク

 当社は株式会社セールスフォース・ジャパンが提供するSalesforceを中心にAmazon Web Services(AWS)やHerokuなど複数のパブリッククラウドサービスを適材適所に活用するマルチクラウド・インテグレーターとして企業のDX支援サービスを拡大させ、売上高の持続的成長を実現してまいりました。当社は複数のパブリッククラウドサービスを取扱っておりますが、株式会社セールスフォース・ジャパンが提供するSalesforceプロダクトを活用した開発に一定程度依存しております。こうした現状を踏まえ、Amazon Web Services等の他のパブリッククラウドへの領域の拡大もあわせて展開し、マルチクラウドの強化を推進しております。

 現状では株式会社セールスフォース・ジャパンに日本からの撤退の予定はないものと認識しており、今後の契約関係も安定して継続する見込みであります。しかしながら、同社の経営戦略の変更により日本でのアプリケーションの提供が廃止・停止となった場合、同社アプリケーションの機能に障害が発生して当社サービスに影響が生じた場合、同社アプリケーションの競争優位性が失われた場合、アプリケーション利用料(当社のプラットフォーム仕入価格)の引上げを要求された場合、同社とのOEMパートナー契約の解除事由に抵触し契約解除された場合、米国Salesforce, Inc.の経営戦略に変更があるような場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 人材の確保について

 当社の事業推進は、従業員(エンジニア)の技術力によるところが大きく、コンピューターを用いた情報処理を学んだエンジニアを安定的に確保することが重要と認識しております。当社は継続的に従業員の採用及び教育を行っており、マルチクラウド開発、IoTやAI等のクラウド先端テクノロジー開発、サービス企画の立案から要件定義、開発、リリースまでのワンストップ開発等の魅力による採用優位性の構築や社内各種制度および教育制度の充実等に加え、従業員の生の声やエンジニアによる技術ブログを定期的に社外に発信することで、労働市場へ魅力を発信する等、多数の施策を実施しておりますが、従業員の採用及び教育が計画通りに進まないような場合や人材流出が進むような場合には、サービスの円滑な提供及び積極的な受注活動が阻害され、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 外注先の確保について

 当社は、必要に応じてシステムの設計、構築等について協力会社・パートナーに外注しており、定期的なミーティングの実施による状況把握、関係構築を図ることで当社にとって優良なパートナー・外注先の確保に努めております。現状では、有力な協力会社と長期的かつ安定的な取引関係を保っておりますが、協力会社において技術力及び技術者数が確保できない場合及び外注コストが高騰した場合には、サービスの円滑な提供及び積極的な受注活動が阻害され、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

④ システムトラブルについて

 当社のサービスは、クラウド上で提供されるサービスであるという特性上、インターネットを経由して行われます。当社では、安定的なサービス提供のためセキュリティ対策の強化や社内体制の整備、定期的なバックアップ、稼働状況の監視等の対策をおこなっておりますが、アクセス数の急激な増加に伴う負荷の増加や自然災害及び人為災害、テロ、戦争などによる予期しえないトラブルが発生し、大規模なシステム障害が起こるような場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 重大な不具合について

 当社のサービスは、開発計画から本番リリースに至るまでの開発プロセスが定められております。厳しい品質チェックを行った上で納品及び本番リリースしておりますが、顧客へ提供後に重大な不具合(バグ等)が生じ、補修等追加コストの発生や信用の失墜、損害賠償責任が発生した場合、当社の事業活動及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 不採算プロジェクトの発生について

 当社のクラウドインテグレーションサービスは、各プロジェクトについて想定される難度及び工数に基づき見積りを作成し、適正な利益率を確保した上で、プロジェクトを受注しております。顧客企業の要求する仕様や想定される工数に乖離が生じないよう、要員管理・進捗管理・予算管理をおこなっておりますが、予期し得ない不具合の発生等により、開発工数が大幅に増加し、不採算プロジェクトが発生するような場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 売上計上時期の期ずれについて

 当社のクラウドインテグレーションサービスのうち検収基準により売上を計上しているプロジェクトにおいては、受注したプロジェクトの規模や内容が予想と大きく乖離し納入時期が変更となって売上・収益の計上が翌四半期あるいは翌事業年度に期ずれする場合があります。期ずれした金額の大きさによっては各四半期あるいは事業年度における当社の経営成績に変動が生じる可能性があります。

 また、当社のクラウドインテグレーションサービスにおいては、3月決算企業の各四半期末である3月、6月、9月、12月に検収が行われることが多く、特に顧客の決算期末が集中する3月には多くなる傾向があり、下期に利益が多くなる傾向があります。当社では、新規契約や既存顧客からの追加契約の販売推進等により利益の平準化を図っておりますが、新規契約や既存顧客からの追加契約の受注が減少した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)組織体制等に関するリスク

① 情報管理体制について

 当社では、業務に関連して多数の顧客企業の情報資産を取り扱うことになるため、顧客企業から提供される個人情報その他の情報資産を保有することとなる場合があります。当社では、そのような情報資産を慎重に取り扱うべく、情報セキュリティ基本方針を策定し、役員及び従業員に対して情報セキュリティに関する定期的な教育研修を実施し、スキルのみならず意識を向上させることにも努めるなど、情報管理体制の強化施策を実行しております。しかしながら、何らかの理由により重要な情報資産が外部に漏洩するような事象が生じた場合には、当社の社会的信用の失墜、損害賠償責任の発生等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 特定の人物への依存について

 当社の代表取締役CEOである黒川幸治は、当社の創業者かつ創業以来の最高経営責任者であり、当社の事業展開における事業戦略策定や、業界における人脈の活用等、重要な役割を果たしております。当社は、経営管理体制の強化、経営幹部の育成等を図ることにより、同氏への過度な依存の脱却に努めており、各事業部内での適切な業務分掌、権限の委譲を行い、経営人材の育成を進めておりますが、現時点においては、未だに同氏に対する依存度は高いと考えております。今後、何らかの理由により同氏の当社業務遂行が困難になる場合には、当社の事業展開等に影響を及ぼす可能性があります。

③ 内部管理体制の構築について

 当社は、今後の事業拡大に対応するため、内部管理体制をさらに強化する必要があると認識しております。今後は人材採用及び育成を行うこと等により内部管理体制の強化を図っていく方針であります。しかしながら、事業の拡大ペースに応じた内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社の事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 知的財産権の侵害におけるリスクについて

 当社は、会社名及び提供しているサービスの名称について商標登録申請をしております。また、第三者の知的財産権の侵害の可能性については、事前調査を行い対応しております。常に注意を払い、従業員への教育を通じて意識向上に努めております。しかしながら、万が一、当社が第三者の知的財産を侵害した場合、当社への損害賠償請求やロイヤルティの支払い要求、使用差し止め請求等が発生し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)その他リスク

① Cariotサービスの継続投資について

  Cariotサービスは新規サービスと位置付けており、全社損益のバランスを考慮しながら今後も投資を継続して行っていく方針です。Cariotサービスは開始以来赤字が続いており、当社の想定通りにサービス展開が進まなかった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 新型コロナウイルス感染症について

  新型コロナウイルス感染症について、当社では、取引先及び従業員とその家族の安全確保と感染拡大の防止を最優先とし、リモートワークによるサービス提供を継続する取り組みを進めております。しかしながら、当社、委託先または取引先の感染者の発生、政府当局の今後の方策によっては、サービスの持続的な提供に影響を与える可能性があります。また今後、経済活動の低迷等による市況の変化によっては、当社のビジネス領域における市場動向に変化を及ぼし、当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。

③ 過年度の経営成績および税務上の繰越欠損金について

 当社は、第12期から第14期及び第16期において、経常損失及び当期純損失を計上しております。また、2022年3月31日現在において税務上の繰越欠損金が321,992千円存在しております。繰越欠損金は、一般的に将来の課税所得から控除することが可能であり、将来の税額を減額することができますが、今後の税制改正の内容によっては、納税負担額を軽減できない可能性もあります。また、繰越欠損金が解消された場合、通常の税率に基づく法人税等が発生し、当社の経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

④ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化

 当社では、当社の役員及び従業員等に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しており、本書提出日現在における発行済株式総数(2,921,800株)に対する潜在株式数(337,000株)の割合は11.5%となっております。これらの新株予約権が行使された場合には、当社の株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、提出日現在の発行済株式総数及び潜在株式数については、2022年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は含まれておりません。

⑤ 配当政策について

 当社は、将来の事業展開と財務体質強化のために必要な内部留保の確保を優先し、創業以来配当を実施しておりません。株主への利益配分については、経営の最重要課題のひとつと位置付けておりますが、現在は内部留保の充実に注力する方針であります。内部留保資金につきましては、優秀な人材の採用等の資金や、今後予想される経営環境の変化に対応するための資金として、有効に活用していく方針であります。

 将来的には、財政状態及び経営成績を勘案しながら株主への利益配分を検討いたしますが、配当実施の可能性及びその実施時期については、現時点において未定であります。

⑥ 事業関連の法令について

 当社が運営する事業では、「電気通信事業法」、「下請法」といった法規制の対象となっております。当社はこれらの法規制を遵守した運営を行ってきており、今後も社内教育や体制の構築等を行っていく予定であります。しかしながら、今後新たに法改正が行われ、当社が運営する事業が規制の対象となる等の制約を受ける場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 訴訟等について

 当社は、法令及び契約等の遵守のため、コンプライアンス規程を定めてコンプライアンス体制の充実に努めており、法令違反となるような行為を防止するための内部管理体制を構築するとともに、取引先や従業員、その他の第三者との関係において訴訟リスクの低減に注力しております。現時点では訴訟事件は発生しておりません。しかしながら、今後事業活動を行うなかで、取引先や従業員、その他の第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。かかる訴訟の内容及び結果によっては、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 資金使途について

 2021年12月に実施した公募増資による資金の使途については、事業拡大のための人材採用費及び人件費、教育体制の強化に関する費用、サービスの付加価値向上を目的とした研究開発、財務基盤強化を企図した借入金返済に充当する予定であります。しかしながら、経営環境の急激な変化により上記の資金使途が想定どおりの成果をあげられない可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

① 財政状態の状況

 当事業年度末における財政状態は、総資産2,692,349千円(前事業年度比79.6%増)、負債合計は1,400,487千円(前事業年度比11.5%増)、純資産合計は1,291,861千円(前事業年度比431.6%増)となりました。

(流動資産)

 当事業年度末における流動資産は、前事業年度末より1,058,616千円増加し、2,425,202千円となりました。これは主に、現金及び預金が742,511千円増加したこと、また売掛金及び契約資産が250,012千円増加したこと等によるものであります。

(固定資産)

 当事業年度における固定資産は、前事業年度末より134,706千円増加し、267,146千円となりました。これは主に、本社移転に伴う有形固定資産の増加34,669千円、繰延税金資産の増加70,239千円によるものであります。

(流動負債)

 当事業年度末における流動負債は、前事業年度末より203,820千円増加し、766,858千円となりました。これは主に、外注費等に係る買掛金の増加81,967千円及びオフィス移転費用見積りを取崩した未払費用68,841千円の減少、未払金の増加38,057千円等によるものであります。

(固定負債)

 当事業年度末における固定負債は、前事業年度末より59,325千円減少し、633,629千円となりました。これは主に、長期借入金が58,125千円減少したこと等によるものであります。

(純資産)

 当事業年度末における純資産は、前事業年度末より1,048,828千円増加し、1,291,861千円となりました。これは主に、公募増資により、資本金及び資本準備金がそれぞれ382,761千円増加し、当期純利益266,398千円の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。

 

② 経営成績の状況

 当社は、コーポレートビジョンである「あるべき未来をクラウドでカタチにする」のもと、クラウド先端テクノロジーとデザインで企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するマルチクラウド・インテグレーターです。

 当事業年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言の解除以降、経済活動の回復が進展しました。一方で、オミクロン株の感染拡大懸念に加え、ウクライナ情勢による経済影響等、先行き不透明感が継続しております。

 当社が属するDX市場に関して、DXには様々定義がありますが、日本経済団体連合会によれば、単純な改善や自動化、効率化をもってDXとは言い難く、社会の根本的な変化に対して、新たな価値を創出するための改革がDXと定義されております(出典:日本経済団体連合会「Digital Transformation(DX)」2020年5月19日)。コスト削減を目的とした、紙からデジタルへの置き換えといった社内のアナログな業務やデータをデジタル化する「守りのDX」から、収益や顧客エンゲージメントの向上を目的とした、新しい顧客体験を創出する「攻めのDX」にシフトすることが求められています。「攻めのDX」のステップとして、顧客接点の変革、サービス商品の変革、最後にビジネスモデルの変革となり、達成難度も高く、これを実現すると企業の高い競争力が獲得でき、この「攻めのDX」こそがDXの本質と言えます。

 日本企業において、ビジネス変革等の「攻めのDX」の必要性を強く感じる割合が約9割となりますが、その背景にはデジタル技術の普及による自社の優位性や競争力が低下することの懸念があります。(出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「デジタル・トランスフォーメンション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査 (2019年5月17日)」)一方で、DXが成功した企業の割合はわずか6.6%(出典:アビームコンサルティング株式会社「日本企業にとってのDXの本質(2020年度)」)であり、DX推進の上位課題に「デジタル人材・スキルの不足」といった人や組織の課題(出典:総務省「令和3年版情報通信白書(2021年7月30日)」)が挙げられております。

 さらに、新型コロナウイルス感染症の流行拡大の影響により、各企業においてはリモートコミュニケーションを含めた業務のオンラインへのサービス転換や柔軟な労働環境への急速なシフト等の取り組みが加速しており、DXは喫緊の経営課題となっております。

 このような環境下、国内DX市場の規模は、2020年度の1兆3,821億円から2030年度には5兆1,957億円に拡大すると予測されております(出典:株式会社富士キメラ総研「2022 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」)。また、DX実現を支える国内パブリッククラウドサービス市場は2021年~2026年にかけて18.8%の年平均成長率で推移し、2026年の市場規模は2021年比2.3倍の3兆7,586億円になることが予測されております(出典:IDC Japan株式会社「国内パブリッククラウドサービス市場予測、2022年~2026年」)。

 当社においては、「クラウドインテグレーションサービス」及び「Cariotサービス」の2つのサービスについて事業運営を行ってまいりました。なお、当社の事業はクラウドソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。

 

 会計方針の変更として、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。

 

(クラウドインテグレーションサービス)

 旺盛なDX支援の引き合いを背景に、2022年3月度における大手企業の「月次契約顧客数(注1)」は35社(前年同期は27社。前四半期末は34社)、大手企業の「顧客当たりの月次平均売上高(ARPA)(注2)」は12.0百万円(前年同期は11.2百万円。前四半期末は12.3百万円)となりました。

 

 第4四半期会計期間における大手企業の「四半期契約顧客数(注3)」は39社(前年同期は31社。前四半期は34社)、大手企業の「顧客当たりの四半期平均売上高(ARPA)(注4)」は24.7百万円(前年同期は20.8百万円。前四半期は23.2百万円)となり、大手企業の顧客数を増やしながらARPA上昇を実現し、クラウドインテグレーションサービスにおける大手企業の売上比率は89%に高まりました。

 

 取り組みとしては、従来からの強みであるIoT/MobilityやAIのサービスづくり、またコロナ禍においてはB2B向け/リアル店舗と連携するECサービス、企業オリジナルのオンラインビデオや顧客とつながるコミュニティサービスの開発といった「攻めのDX」を支援しました。

 

 特に、新たな強みとして注力しているAPI連携プラットフォームのMuleSoft導入支援について、複数の大手企業顧客における継続開発が業績貢献しました。また、当第4四半期会計期間においても、大手企業のMuleSoft導入支援の新規案件を複数獲得しており、翌事業年度以降の開発拡大を見込んでおります。なお、当社はMuleSoft導入支援に関する豊富な実績と高い技術力が評価され、最上位となるエキスパート(注5)認定を受けました。引き続き、あらゆるシステムをAPI連携でシームレスに繋げることでビジネス全体のDXを支援していきます。

 

 クラウドエンジニア等の専門職従業員数(注6)については、2022年3月末時点で118人(前年同期は99人、前四半期は112人)と増加しており、採用強化の各種施策により高成長を支える増員ペースに回復しました。引き続き、採用強化により、開発体制を増強していきます。

 

1.月次契約顧客数:再販案件を除いた月次の契約顧客数。再販案件とは当社が仕入れたライセンスを顧客に再販売するリセールにあたり、当社においては金額が僅少なため、当該顧客は除く

2.顧客当たりの月次平均売上高(ARPA): Average Revenue per Account の略(顧客当たりの平均売上高)で、再販案件を除いた顧客当たりの月次平均売上高。再販案件を除いた月次売上高÷月次契約顧客数により算出

3.四半期契約顧客数:再販案件を除いた四半期会計期間における契約顧客数。再販案件とは当社が仕入れたライセンスを顧客に再販売するリセールにあたり、当社においては金額が僅少なため、当該顧客は除く

4.顧客当たりの四半期平均売上高(ARPA):Average Revenue per Account の略(顧客当たりの平均売上高)で、再販案件を除いた顧客当たりの四半期平均売上高。再販案件を除いた四半期売上高÷四半期契約顧客数により算出

5.エキスパート:Salesforce, Inc.が運営する公式なパートナープログラム制度において、業界・プロダクトに強みを持っていることを証明する最上位の認定がエキスパート。当該クラウドプロダクトにおけるリーダーとして、大規模で極めて複雑なプロジェクトに対応でき、高水準のカスタマーサクセスを実現する能力を有するパートナーとして認定される

6.事務職を除いたクラウドインテグレーションサービス部門のエンジニア、マネージャー等の専門職

 

(Cariotサービス)

 第4四半期会計期間における取り組みとして、オイル交換管理、アルコールチェック管理等コンプライアンス・車両管理機能を強化しました。また、マーケティングにおいては、他社との共催セミナー、新規顧客向けのサービス活用セミナーといったオンラインマーケティングに加えて、対面での展示会参加等、各種取り組みにより新規顧客の獲得が増加し、一定の成果を得ました。一方で、既存顧客向けのオンボーディング・サービス活用促進セミナーによるカスタマーサクセスを強化しておりますが、当第4四半期会計期間において、既存顧客の運用方針変更による規模縮小を受けた大口解約も発生しました。事業体制を強化するとともに、ターゲット領域へリソース配分しながら、着実な事業展開を図っていきます。

 

 これらの結果、当事業年度における当社の経営成績は、売上高3,642,443千円(前事業年度は2,559,616千円)、売上総利益1,608,512千円(前事業年度は1,084,817千円)、営業利益256,172千円(前事業年度は営業損失183,695千円)、経常利益240,529千円(前事業年度は経常損失186,282千円)、当期純利益266,398千円(前事業年度は当期純損失194,924千円)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末より742,511千円増加し、1,639,068千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度末において営業活動により獲得した資金は161,478千円(前年同期は253,616千円の支出)となりました。主な増加要因は、税引前当期純利益239,971千円、主な減少要因は、売上債権の増加202,177千円、棚卸資産の増加37,751千円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度末において投資活動により支出した資金は101,287千円(前年同期は13,877千円の獲得)となりました。主な減少要因は、敷金の預入39,758千円、固定資産の取得による支出64,112千円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度の財務活動により獲得した資金は682,320千円(前年同期は618,136千円の獲得)となりました。主な増加要因は、新株の発行による収入765,522千円、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出72,330千円であります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

b.受注実績

 当社は、受注から販売までの期間が短いため、当該記載を省略しております。

c.販売実績

 当事業年度の販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。なお、当社は、クラウドソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

事業の名称

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

クラウドソリューション事業(千円)

3,642,443

-

 (注)1.製品・サービス間の取引はありません。

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、2022年3月期に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっており、対前期増減率は記載しておりません。

 

 

相手先

前事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社小松製作所

527,121

20.6

133,242

3.7

株式会社リクルート

320,987

12.5

274,740

7.5

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りに関しては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。

 当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

 財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。

 

b.経営成績の分析

(売上高)

 当事業年度における売上高は、前事業年度に比べ1,082,827千円増加し3,642,443千円(前事業年度は2,559,616千円)となりました。これは主に、旺盛なDX支援の引き合いを背景に、クラウドインテグレーションサービスによる売上高が増加したことによるものであります。

(売上原価、売上総利益)

 当事業年度における売上原価は、前事業年度に比べ559,131千円増加し2,033,930千円(前事業年度比37.9%増)となりました。これは主に、クラウドインテグレーションサービスにおいて、旺盛に引き合いに応える供給体制を構築したことから労務費及びパートナーへの外注費が増加したことに伴う結果によるものであります。売上原価は増加したものの、売上増に伴うものであることから、売上総利益は前事業年度に比べ523,695千円増加し1,608,512千円(前事業年度比48.3%増)となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ83,827千円増加し1,352,340千円(前事業年度比6.6%増)となりました。これは、組織拡大に伴うクラウドインテグレーションサービスにおける人員の増加、管理部門の体制強化、業績賞与等により、主に、賞与が86,044千円増加したこと等によるものであります。

 以上の結果、営業利益は256,172千円(前事業年度は営業損失183,695千円)となりました。

(営業外損益、経常利益)

 当事業年度における営業外収益は、前事業年度に比べ1,172千円減少し80千円(前事業年度比93.5%減)となりました。これは主に、消費税差額が1,201千円減少したことによるものであります。また、営業外費用は、前事業年度に比べ11,883千円増加し15,724千円(前事業年度比309.4%増)となりました。これは主に、上場関連費用が11,291千円増加したことによるものであります。

 以上の結果、経常利益は240,529千円(前事業年度は経常損失186,282千円)となりました。

(特別損失、当期純利益)

 当事業年度における特別損失は557千円となりました。これは、本社移転に伴う固定資産除却損557千円であります。

 当事業年度における法人税等合計は、税効果会計に基づく法人税等調整額の計上により前事業年度に比べ26,956千円減少し26,426千円となりました。

 以上の結果、当期純利益は266,398千円(前事業年度は当期純損失194,924千円)となりました。

 

c.キャッシュ・フローの分析

 各キャッシュ・フローの分析については、「3(1)経営成績等の状況の概要③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

d.資本の財源及び資金の流動性

 当社の運転資金需要のうち主なものは、クラウドインテグレーションサービスにおける労務費及び外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、投資を目的とした資金需要は、Cariotサービス及び受注管理システムに係るソフトウエア開発費用及び本社オフィス移転に伴う内装工事費用等の設備投資等によるものであります。

 なお、当社の資金の源泉は主に借入とエクイティファイナンス等によるものであります。

 

e.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の通り、クラウドインテグレーションサービスにおける売上総利益率、四半期契約顧客数及び顧客当たりの四半期平均売上高(ARPA)を重要な経営指標と位置づけ、各経営課題に取り組んでおります。売上総利益率、四半期契約顧客数及び顧客当たりの四半期平均売上高(ARPA)につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)当社の強みと特徴 ② 優良な顧客基盤を有する収益性の高いクラウドインテグレーションサービス」に記載の通りです。

 

f.経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」及び「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業内容や外部環境、事業体制等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 

g.経営者の問題認識と今後の方針について

 クラウド先端テクノロジーとデザインで企業のDXを支援することで、あらゆるヒト、モノがデジタルでつながる社会において、デジタルに最適化された新しい顧客体験をカタチにし、顧客中心型のビジネス変革を支援していきます。

 当社が今後更なる成長を遂げるために、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載している課題に対処することが重要であると認識しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)クラウドインテグレーションサービス提供関係

相手方の名称

契約名

契約締結日

契約内容

契約期間

株式会社セールスフォース・ジャパン

セールスフォース・ドットコムパートナー契約

2009年6月9日

セールスフォースパートナー契約

2009年6月9日から

2010年6月8日まで

(1年毎の自動更新あり)

 

(2)Cariotサービス提供関係

相手方の名称

契約名

契約締結日

契約内容

契約期間

株式会社セールスフォース・ジャパン

OEMパートナー契約

2016年4月4日

製品組み込み権利の許諾

2016年4月4日から

2019年4月3日まで

(1年毎の自動更新あり)

Amazon Web Services,Inc.

AWSパートナーネットワーク契約

2015年9月28日

AWSパートナー契約

2015年9月28日から

解除されるまで

 

5【研究開発活動】

 当社の研究開発活動は、企業、産業や社会の課題をIoT/Mobility、AIに関連する先端テクノロジーで解決することを目指し、既存サービスの付加価値向上と新規サービスの研究開発を目的とした活動となります。

なお、当社の事業はクラウドソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。

 当事業年度における当社の研究開発費の総額は33,164千円であります。

 当事業年度における当社の研究開発活動は、以下のとおりであります。

(1)リモートコミュニケーションの活用技術の研究

 ニューノーマルなワークスタイルへの対応を含めたDX支援への需要が増加する中、その社会的ニーズにアジリティ高く応えることを目的とし、リモートコミュニケーション基盤機能拡充に関する技術研究をしています。具体的にはセンサ技術、AR/VRを用いた遠隔保守・メンテナンスサポートの実現やAIによる画像分析・映像分析技術を用いたビデオコミュニケーションにおけるプライバシー、顧客体験向上を目的とした応用研究をしております。リモートコミュニケーションを活用したDX支援分野においてより付加価値の高いソリューションへとつなげていく取り組みになります。

 

(2)AI、ORを用いたプランニング/オペレーションを自動化/省力化する技術の研究

 従来職人的(属人的)とされてきた業務を強化学習、OR(Operations Research)(注1)などを用い、自動化、あるいは劇的な省力化の実現を目指す研究をしています。直近では主に、Cariotが持つ膨大な車両の走行データを活用し、VRP(Vehicle Routing Problem)(注2)を強化学習やORの手法を用いて解決するための研究をしております。Cariotの顧客により付加価値の高いソリューションを提供していくための取り組みになります。

 

(注)

1. OR(Operations Research):アルゴリズム等により、課題に対する最適解を数学的・統計的に求める手法

2. VRP(Vehicle Routing Problem):配送車両が総経路コストを最小化するルートを考える問題