第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは「時代の変化の中に、無限の機会を見出し、そこに価値を提供していくこと」という理念のもと、IoT/AI、クラウド、モバイル等のデジタルテクノロジーを駆使したシステムインテグレーションを行い、お客様のデジタルトランスフォーメーションの実現に貢献していくことを経営の基本方針としております。

デジタルトランスフォーメーションには、失敗を恐れないチャレンジする姿勢が重要となります。当社は「Pure Challenge with You」をスローガンに、企業や人材の変革へのチャレンジに寄り添ってまいります。

 

(2) 経営環境

2020年度は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、経済活動が制限され停滞を余儀なくされました。足元では、ワクチン接種や経済対策等により、徐々に回復基調を辿ることが期待されておりますが、今なお収束と拡大を繰り返していることから、依然として経済の先行きは不透明な状況が続いております。

一方で、新型コロナウイルス感染症拡大により、従来の価値観やビジネスの仕組みは大きく変容しようとしており、ニューノーマルと言われる新たな社会の実現に向けたデジタルトランスフォーメーションの取り組みが加速しております。「DXレポート」(出典元:経済産業省、DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~、2018年9月7日)において「2025年の崖」と題して、多くの日本企業が老巧化した基幹系システムを放置していることからくるリスクが提言されました。「2025年の崖」とは、IT人材の深刻な不足も伴い、この状況を早急に改善せねば日本企業は崖から転落する様な事態となるとの警笛です。老巧化した巨大基幹系システムを、先端のデジタル技術やクラウド基盤を活用した小回りの効くシステムに刷新していくことは企業の急務でありますが、基幹系システム(レガシーシステム)の保守運用こそがSIerの主な収益源でもあるため、従来のSIの枠組みでは変革が進まないという現状があります。近年、IoTやAI、クラウドコンピューティングといった最先端のデジタル技術が実用段階に入ったことにより、それらの技術を活用したビジネスモデルの変革や新規ビジネスを創出するデジタルトランスフォーメーションのニーズが急激に高まっていると認識しております。デジタルトランスフォーメーション市場の国内における規模は、2019年時点の7,912億円から2030年には3兆425億円まで拡大するとの予測もあり、当市場に属する当社グループにとって追い風となっております(出典元:富士キメラ総研、2020 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望、2020年10月23日発刊)。

当社グループは、幅広い産業分野の企業に対しサービスを提供しており、IoT、AI、クラウド、Web、モバイル、RPA等の多岐に渡るデジタル技術及びコンサルティングをワンストップで提供可能である点は、競合他社比で強みであると認識しております。また、当社グループは、アジアクエスト株式会社を中心に、インドネシア現地法人であるPT.AQ Business Consulting Indonesia、マレーシア現地法人であるAsiaQuest Internet Malaysia SDN.BHD.の3社で構成されており、今後国内においてIT人材の不足が深刻化していく中、海外の企業やリソースを活用するオフショア開発が可能な体制を有していることも強みとなっております。このような環境の下、当社グループは、お客様のデジタルトランスフォーメーションの実現を支援することを通じて、事業規模の拡大及び企業価値の向上を目指すべく、以下を中長期的な経営戦略として位置付けております。

 

 

(3) 中長期的な経営戦略

① 対応技術分野の拡大

様々なデジタル技術を顧客企業のビジネスと有機的に結びつけることで、より革新的なサービス構築が可能となります。現在当社グループが取り組んでいるIoT、AI、クラウド、Web、モバイル、RPA等に加えて、今後デジタルトランスフォーメーション分野で期待されるブロックチェーン等への技術拡大を図ってまいります。

 

② コンサルティング領域の拡大

顧客企業のデジタルトランスフォーメーション実現を支援していく上で、方針の策定や業務変革等のコンサルティングが求められる案件が増加しております。そのため、コンサルティング人材の育成・積極採用により、顧客企業のデジタルトランスフォーメーションに企画から開発・運営までワンストップで実現できる体制を強化してまいります。

 

③ 海外拠点の拡大

インドネシア及びマレーシアの海外拠点の存在は当社グループの強みであります。

当面は、十分な市場規模を有するインドネシア、マレーシアへ進出済の海外子会社にて、現地日系企業及びローカル企業の更なる顧客開拓により、海外事業基盤の拡充を図ってまいります。

また、新型コロナウイルス感染症の収束時期等も見定めながら、他の東南アジア諸国への新規拠点展開についても検討してまいります。

 

④ アライアンスの拡大

2021年4月には西日本電信電話株式会社と資本業務提携を行っておりますが、今後も引き続き事業シナジー創出の見込めるアライアンスを拡大してまいります。また、デジタルトランスフォーメーション実現のために必要となるインフラ・ITツール・システム等の仕入・外注パートナーについても、事業成長に応じて拡大してまいります。

 

⑤ プロダクトやサービスの展開

当社グループは、人やモノの位置情報をマネージメントするIoTサービス「beaconnect plus」や、複数のクラウド環境を統合マネージメントするマルチクラウドマネジメントサービス「まるクラ」等のサービスを展開しております。

当社グループがこれまで行ってきた数多くのプロジェクトの中で、当社グループに留保されてきた技術資産を加工することで、今後も当社グループのシステムインテグレーションの付加価値を上げるプロダクトやサービスを開発することを検討してまいります。

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループは現在成長段階にあり、顧客企業に付加価値の高いサービスを提供し続けることにより株主の成長期待に応えるべく、事業の継続的な拡大と企業価値の向上を図ることが重要だと認識しており、事業の成長性を表す指標として売上高成長率、収益性を表す指標として営業利益率を重視しております。

 

 

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、今後さらなる成長を実現する上で以下の事項を経営課題として重視しております。

 

① 受注体制の強化について

調査会社のIDC Japan株式会社が2019年10月31日に発表した「世界デジタルトランスフォーメーション(DX)市場の今後5年間の動向予測」によると、2023年までに企業のDX支出がICT(情報通信技術)支出全体の5割を超えるとの見通しとあります。

今後益々デジタルトランスフォーメーションへの投資を行っていく企業が急激に増える中、プレスリリースや展示会出展、セミナーなど積極的な広報/マーケティング施策を行うとともに、企画提案力の高いエンジニア人材を営業部門に配置することで受注体制の強化を行ってまいります。

 

② 技術者人材の確保・育成について

IT人材が不足しているなか、IT人材の確保が、企業の発展、成長に欠かせない最重要課題であります。当社グループにおいても、社員紹介制度等のリファラル採用の強化や、社外のITエンジニアが参加可能な勉強会等のイベント開催による採用母集団の形成等、今後益々採用に力を入れ、人材を獲得してまいります。

また、採用後の人材育成も重要な課題と捉えております。外部の著名な講師(ITエンジニア)を招いた技術研修等の社内研修制度の充実や、社外セミナーへの参加等の外部研修制度の有効活用により、技術力の向上を図ってまいります。

 

③ 海外展開について

今後、日本企業の海外進出は益々拡大していく中、海外でのシステムインテグレーション及びデジタルトランスフォーメーションのニーズは拡大していきます。

しかしながら、日本企業の求める品質・スピードでシステム提供を行えるベンダーは現地において少なく(※)、高品質で小回りの効くSIベンダーの存在は貴重であるものの、現在当社グループが進出しているのはインドネシアとマレーシアの2拠点にとどまっております。顧客のニーズをとらえるため当社グループは今後、日本企業が多く進出する他の東南アジア諸国へも進出を図る方針です。具体的な進出先候補としましては、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナム等の経済成長の著しいASEAN主要国を検討しております。

(※)在インドネシア日系企業1,489社の内、情報通信産業は29社のみとなっています(出展元:JETRO、インドネシア進出日系企業リスト、2020年1月)

 

④ 売上高及び営業利益率の向上

当社グループは成長戦略を着実に実行していくことで売上高の安定的高成長を実現するとともに、売上高及び営業利益率の向上を図ることが課題だと認識しております。上記②の通り、採用力強化により技術者人材を増員することで、売上高の成長を図ってまいります。それと同時に、対応技術分野やコンサルティング領域の拡大等により、付加価値の高いサービスを提供し受注単価の向上に努めることで、売上高及び営業利益率の向上を図ってまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスク及び当該リスクへの対応策等を以下に記載しております。

本項に記載している将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.事業環境に由来する事項

① デジタルトランスフォーメーション市場の動向について

当社グループは、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援する為のデジタルインテグレーションを中心とした事業展開を図っております。政府が2018年9月に発表した「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」にある通り、あらゆる産業・企業は競争力維持・強化のために、デジタルトランスフォーメーション(DX)をスピーディーに推進していくことが求められています。2018年以降、多くの企業でデジタルトランスフォーメーションに向けた投資が行われ始めました。当社グループは、今後もこの傾向が継続するものと見込んでおります。

しかしながら、期待どおりにデジタルトランスフォーメーション市場が拡大しなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、デジタルトランスフォーメーション市場の動向を注視するとともに、対応技術分野やコンサルティング領域の拡大、新たなプロダクトやサービス開発等により事業領域を拡大していくことで、ポートフォリオの構築を図ってまいります。

 

② 競争激化の可能性について

デジタルトランスフォーメーション市場の急激な成長とともに、競合企業が同事業分野に参入してくる可能性があります。競合各社に対して差別化を図れるものと考えておりますが、競争激化に対して十分な差別化が図れなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 技術革新について

デジタルトランスフォーメーション市場では、技術革新の速度が速く、新技術が次々と生まれております。そのため、当社グループでは常に業界の動向を注視しており、当社技術者が新技術に対応できる準備を整えております。

しかしながら、技術革新の内容によっては、対応するために相当な費用や時間が必要となる可能性があり、また、適切な対応ができない場合には当社サービスの競争力が相対的に低下する可能性があります。そのような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ システム開発プロジェクトの管理について

当社グループのシステム開発プロジェクトは、想定される工数をもとに見積りを作成しプロジェクト単位毎の適正利益の確保に努めております。また当社グループは、事業部門と管理部門が連携し予算実績管理を行っている他、開発作業の進捗状況をモニタリングすることでプロジェクトの採算悪化の防止に努めています。

しかしながら、見積りの誤りや作業の遅れ等により超過コストが発生し、プロジェクトの採算悪化や検収遅延等により売上計上や代金回収の遅れが発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

2.事業内容に由来する事項

① 労働者派遣法による規制について

デジタルトランスフォーメーション事業の一部において、ITエンジニアの人材派遣業務を行っており、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」に基づく厚生労働大臣の「労働者派遣事業」の許可を事業所ごとに取得しており、同法の規制を受けております。

当社においては、法令遵守を徹底し事業を運営しておりますが、今後において法改正等があった場合にそれに当社が対応できない可能性、又は、法令違反に該当するような事態が生じた場合に顧客企業から信頼度が低下する等の可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 個人情報管理について

デジタルトランスフォーメーション事業においては、顧客企業のシステム運用をする際、システム内に保管される個人情報を預かるため、様々な漏洩防止策を講じております。IoTサービス及びクラウドサービスにおいては、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格である「ISO/IEC 27001:2013 / JIS Q 27001:2014」(ISMS)の認証を取得し、情報の適正な取り扱いと厳格な管理を進めております。

しかしながら、何らかの理由により個人情報が外部に漏洩した場合には、当社グループへの損害賠償責任の追及や社会信用の喪失等により、当社グループの経営成績や財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 知的財産権について

当社は、第三者の特許権や商標等の知的財産権に関して、外部の弁理士等を通じて調査する等、その権利を侵害しないように留意するとともに、必要に応じて商標権等について知的財産権を登録することにより、当社権利の保護にも留意しております。

しかしながら、当社の認識していない第三者の知的財産権が既に成立している又は今後成立する可能性があり、仮に当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者により損害賠償請求、使用差止請求又はロイヤリティ支払要求等が発生する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 契約不適合責任について

当社は、システム開発やクラウド構築サービスを、業務委託を中心とした契約形態により提供しています。十分なテストを行って納品致しておりますが、システム稼働後に不具合が起き、当社が契約不適合責任及び損害賠償責任の追及を受け、業務過誤賠償責任保険の上限額を超えた賠償責任を負うことになった場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 人材の確保について

IT人材が不足している昨今、IT人材を確保することは非常に重要かつ困難であります。当社は、早くから組織文化作りと採用広報に力を入れてきており高い採用力があると考えておりますが、何かしらの理由で計画上必要とされる十分な人材を確保することが出来なかった場合には、円滑なサービス提供や積極的な受注活動が阻害され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 海外展開について

当社グループは社名の通り積極的に海外における事業展開を図っていく方針であります。しかしながら、海外での事業活動においては、予期せぬ法律または規制の変更、大規模な自然災害の発生、政治経済の変化、為替変動、商習慣の相違、雇用制度や労使慣行の相違、不利な影響を及ぼす租税制度の変更等により、当社グループの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3.その他

① 代表者への依存について

当社代表取締役社長である桃井純は、当社グループの創業者であります。同氏は創業以来の最高経営責任者であり、当社グループの事業運営において重要な役割を果たしております。

当社グループは、同氏への過度な依存を回避すべく、経営管理体制の強化、経営幹部職員の育成、採用を図っておりますが、現時点において同氏に対する依存度は高い状況にあると考えております。今後、何らかの理由により同氏の当社グループにおける業務遂行の継続が困難となった場合、当社グループの事業運営等に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 大株主について

当社の代表取締役社長である桃井純は、当社の大株主であり、自身の資産管理会社も含め本書提出日現在で発行済株式総数の60.68%を所有しております。

同氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。当社といたしましても、同氏は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である同氏の株式の多くが減少した場合には、当社株式の価値及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 配当政策について

当社グループは、社歴が浅く未だ成長拡大の過程にあると考えていることから、会社創業以来、配当は実施しておりません。当面は内部留保の充実を図り、財務の安定性と更なる成長に向けた事業の拡充等に充当していくことが株主に対する最大の利益還元に繋がると考えておりますが、今後につきましては株主に対する利益還元も経営の重要課題であると認識しております。

現時点においては配当の実施及びその時期については未定ではありますが、事業環境、当社の経営成績や財務状況、及びそれらを踏まえた投資計画等を総合的に勘案し、株主利益の最大化と内部留保のバランスを踏まえて安定的かつ継続的な剰余金の配当につき検討してまいります。

 

④ 訴訟等について

当社グループにおいて、請負代金支払請求事件と損害賠償請求反訴事件が、現在係争中であります。これは、当社が納品した受託開発システムに対する請負代金の支払いが取引先から得られなかったことを理由に、まずは当社が原告として請負代金支払請求事件を提起し、その後当該受託開発システムに備えなかった機能の債務不履行を理由に、当該取引先が原告として損害賠償請求反訴事件を提起しているものであります。現状当社としては、請負契約に基づく仕事は完成しており、提起した請負代金の支払請求が認められるものと考えておりますが、上記訴訟の判決結果によっては、当社グループの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 新型コロナウイルス感染症や自然災害等について

当社グループではリモートワークの推進等を行うことにより、事業継続のための体制を構築しておりますが、当社の顧客が新型コロナウイルス感染症により事業が停滞した場合には、当社へのシステム開発の発注が停滞又は中止となる可能性があり、また、当社の従業員が罹患等した場合には、システム開発の遂行に支障が生じる可能性があります。

現状、BCP(事業継続計画)の策定により有事発生時への対処策を立案し、顧客や事業への影響を最小化するよう努めておりますが、想定を超える感染症の拡大や地震・台風等の自然災害が発生し、企業の経済活動が停滞した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べて725,371千円増加し、1,823,346千円となりました。これは主に、東京証券取引所マザーズへの上場に伴う新株発行等により現金及び預金が698,041千円増加したことによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて28,798千円減少し、149,642千円となりました。これは主に、本社の効率化やリモートワークの推進に伴うオフィスフロアの集約等により、敷金が29,399千円減少したことによるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べて696,573千円増加し、1,972,989千円となりました。

 

(負債)

当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べて95,401千円増加し、562,097千円となりました。これは主に、課税所得の増加により未払法人税等が70,888千円増加したことによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて113,830千円減少し、499,812千円となりました。これは主に、借入金の返済進捗に伴い長期借入金が111,390千円減少したことによるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べて18,429千円減少し、1,061,910千円となりました。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて715,002千円増加し、911,078千円となりました。これは主に、東京証券取引所マザーズへの上場に伴う新株発行により資本金及び資本剰余金がそれぞれ257,094千円増加、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が195,827千円増加したことによるものであります。

 

② 経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症により依然として厳しい状況となりました。ワクチン接種等の効果もあり徐々に持ち直しの動きが見られたものの、変異株の流行に伴う感染の再拡大等により、断続的に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が実施される等、先行きは不透明な状況が続いております。一方、情報サービス産業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受け一部の企業でIT投資を縮小・延期する動きが見られるものの、ビジネスモデルの変革や新規ビジネスを創出するためにデジタル技術を活用するデジタルトランスフォーメーションの流れが引き続き力強いものとなっており、企業のIT投資は全体として底堅く推移しました。

このような環境の中、当社グループはお客様のデジタルトランスフォーメーションを支援するデジタルインテグレーターとして、お客様のデジタルトランスフォーメーションをともに考えるコンサルティングから、必要なデジタル技術を駆使したシステム設計、開発、運用までの一貫したソリューションを具体的に提案することに努めました。

以上の結果、当連結会計年度の経営成績については、売上高は2,236,268千円(前年同期比24.2%増)、営業利益は293,873千円(前年同期比200.5%増)、経常利益は289,756千円(前年同期比188.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は195,827千円(前年同期比211.5%増)となりました。

なお、当社グループはデジタルトランスフォーメーション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ698,041千円増加し、1,489,494千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、301,909千円の収入(前連結会計年度は189,574千円の収入)となりました。これは主に、事業拡大により税金等調整前当期純利益289,756千円を確保できたことや、減価償却費の計上33,079千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、3,928千円の収入(前連結会計年度は29,000千円の支出)となりました。これは主に、本社の効率化やリモートワークの推進に伴うオフィスフロアの集約等により、敷金の返還による収入35,757千円があった一方で、従業員数の増加に伴うPC等への設備投資として、有形固定資産の取得による支出23,043千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、385,917千円の収入(前連結会計年度は348,293千円の収入)となりました。これは主に、東京証券取引所マザーズへの上場に伴い、株式の発行による収入509,561千円があった一方で、長期借入金の返済による支出121,297千円があったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績

当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

受注から売上高計上までの期間が短期であるため、「受注実績」は記載しておりません。

 

c.販売実績

当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

第10期連結会計年度

(自 2021年1月1日

 至 2021年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

デジタルトランスフォーメーション事業

2,236,268

124.2

合計

2,236,268

124.2

 

(注) 1.当社グループはデジタルトランスフォーメーション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

第9期連結会計年度

(自 2020年1月1日

 至 2020年12月31日)

第10期連結会計年度

(自 2021年1月1日

 至 2021年12月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

クラウドサーカス株式会社

212,577

11.8

234,721

10.5

 

3.スターティアラボ株式会社は、2021年7月1日付で同社子会社であるMtame株式会社(存続会社)と合併し、Mtame株式会社はクラウドサーカス株式会社に商号変更しております。そのため、2021年6月30日以前はスターティアラボ株式会社、2021年7月1日以降はクラウドサーカス株式会社との販売高を記載しております。

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。

この連結財務諸表の作成にあたり、連結会計年度末における資産、負債の金額、及び連結会計年度における収益、費用の金額に影響を与える重要な会計方針及び各種引当金等の見積り方法(計上基準)につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

なお、この連結財務諸表の作成において使用する仮定や見積りは、当社の過去の実績やその時点で入手可能な情報等を踏まえ合理的に設定しており、経営者はこれらについて継続して評価し必要に応じて見直しを行っております。しかし、見積りには特有の不確実性があるため、実際の結果につきましては見積りと異なる可能性があります。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。

 

(売上高)

当連結会計年度においては、デジタルトランスフォーメーション市場が拡大している中、デジタルインテグレーターとしてお客様のDXをともに考えるコンサルティングから、DXに必要なデジタルテクノロジーを駆使したシステムの設計、開発、運用までの一貫したソリューションを具体的に提案してきました。この結果、案件数が増加し、また、採用を強化したことで開発人員が増加したことにより受注可能額が増加したため、売上高は2,236,268千円(前年同期比24.2%増)となりました。

 

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度における売上原価は、事業拡大に伴う製造部門の人員数増加により人件費が増加したこと等により、1,217,580千円(前年同期比18.4%増)となりました。

以上の結果、売上総利益は1,018,687千円(前年同期比31.8%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、事業拡大に伴う間接部門の人員数増加により人件費が増加したこと等により、724,814千円(前年同期比7.4%増)となりました。

以上の結果、営業利益は293,873千円(前年同期比200.5%増)となりました。

 

 

(営業外収益・営業外費用、経常利益)

当連結会計年度における営業外収益については、助成金収入の発生等により、8,793千円(前年同期比25.5%減)となりました。営業外費用については、東京証券取引所マザーズへの上場に伴う上場関連費用の発生等により、12,910千円(前年同期比43.2%増)となりました。

以上の結果、経常利益は289,756千円(前年同期比188.0%増)となりました。

 

(特別利益・特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度において特別利益は発生しておりません(前連結会計年度も発生しておりません)。また、特別損失についても発生しておりません(前連結会計年度は13,902千円)。

法人税等(法人税等調整額を含む)については93,928千円(前年同期比294.1%増)となりました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は195,827千円(前年同期比211.5%増) となりました。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性
a.キャッシュ・フロー

当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要は、事業規模拡大に係る人件費や採用教育費が中心となります。財政状態等を勘案しながら必要に応じて、自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等による資金調達を考えております。

なお、現金及び現金同等物の残高は、当連結会計年度末において1,489,494千円であり、当社の事業を推進していく上で十分な流動性を確保していると考えております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発費の総額は、2,154千円となっております。主な活動は、IoT関連サービスの開発であります。当社グループは単一セグメントでありますので、セグメント別の記載を省略しております。