第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、「企業を通じて社会に役立つ「人」を育てる」という企業理念に基づき、人材育成を重視しております。

 また、「人道を重んじ正義を持って経営を行う」ことを経営理念として、以下の経営方針を掲げ、お客様、株主、従業員の信頼と期待に応えることを基本方針としております。

   一、管理業を通じて社会に貢献する

   一、創意と工夫で業界の発展と社会的地位の向上に努める

   一、仕事は厳しく、人に優しく人間性豊かな企業を目指す

 

(2)目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略

 堅実な経営基盤を将来的に堅持しつつ、営業基盤の拡大を図るために管理戸数(自社物件戸数を含む)の増加を重視いたします。但し、管理戸数は一朝一夕に増加させることができるわけではありません。当社は、管理物件の入居者様の満足度の向上がオーナー様の経営の安定化に繋がると考え、入居者様向けのサービスを拡充してまいります。日々の管理業務を通じオーナー様からの信頼を得ることが新たな管理受託に繋がると考えております。

  徐々にではありますが、管理戸数を増加させることで事業の発展、経営効率の改善及び財務体質の強化に努める所存であります。併せて新規優良物件に対する投資を継続的に推進いたします。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 今後のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症や物価上昇の影響を受けて、賃貸経営を取り巻く環境は先行き不透明な状況が続いております。

 このような経営環境の下、当社の対処すべき主な課題は、以下の項目と認識しております。

 

① 管理戸数及び自社物件戸数の増加

 当社は、今後の成長戦略として、管理戸数及び自社物件戸数の増加を重視しております。当社は、入居者様に長期に渡って住み続けていただくことがオーナー様の収益の最大化に繋がるとの観点から入居者満足度の向上を重視しており、この施策によりオーナー様や金融機関等から新たなオーナー様をご紹介いただくことで管理戸数を増加させております。また、不動産管理事業で得たノウハウを活かし、収益性が見込めると判断した物件を取得することで自社物件戸数を増加させております。

 当社は、上記の方法による管理戸数及び自社物件戸数の増加を加速させるとともに、今後は上記以外の方法も検討してまいります。

 

② 他社との差別化を図る特色ある入居者様向けサービスの強化

 管理戸数700~1,300戸毎に管理センターを設け、入居者様からの問い合わせに迅速に対応できる体制を構築しております。また、当社独自の入居者向け会員サービス「Bellevie Club」を開設し、ご入会いただいた入居者様には各種イベントへの招待やプレゼントキャンペーンを実施しております。

 さらに留学生が安心して生活できる支援を行うための専門部署を設け、入退去手続きのみではなく日本での生活に関する支援やイベントを実施する等のサービスを行っております。

 

③ 内部管理体制の強化

 当社事業の継続的な発展のためには、コーポレート・ガバナンス機能の強化は重要な課題であり、財務報告の信頼性を確保するため、内部統制システムの適切な運用が重要であると認識しております。コーポレート・ガバナンスに関しては、ステークホルダーに対して経営の適正化や健全性を確保しつつも、更に効率化された組織体制の構築に向けて内部管理体制の強化に取り組んでまいります。

 

④ コンプライアンス体制の強化

 当社は、法令、定款及び社内規程等の遵守は勿論のこと、日々の業務を適正かつ確実に遂行しており、クリーンで誠実な姿勢を企業行動の基本として、事故やトラブルを未然に防止する取り組みを強化しております。

 今後、更なる事業拡大と企業価値の向上に向けて、引き続き日常業務における関連法令の遵守を徹底するとともに、リスク管理・コンプライアンス推進委員会の定期的開催、各種取引の健全性の確保、情報の共有化、再発防止策の策定等を行い、また、社内啓蒙活動を実施し、厳正な管理による社会の「公器」としての責任を重視した透明性のある管理体制の構築を図ってまいります。

 

⑤ 財務体質の健全化

 当社は、自社所有物件を購入する際にその全額を借入金にて調達し購入していることから、当社の負債比率は一般的に適正とされる比率よりはかなり高い水準となっております。これに関して、当社の物件の購入及び有利子負債に関する方針は次のとおりです。

(ⅰ) 自社物件は全て長期保有を前提とし、購入する際には十分な検討を行い、当社基準の適正な価格で購入する。

(ⅱ) 借入について、購入金額全額を金融機関から長期で借入できることを条件としている。また、返済は各物件の収入から支出を差し引いた収支差額の範囲内で余力をもって返済可能な金額とする。

 上記の方針により、当社の貸借対照表は固定資産と固定負債の増加が対応しており借入金返済後には資産が残ることを想定しております。

 以上のとおり、物件購入に当たり固定負債が増加する場合があるもののそれに見合った固定資産を積み上げていくことで一定の財務体質の健全化が図れるものと考えております。

 

⑥ 安定した資金調達の確保

 当社が掲げる経営戦略を実現するためには、従来にも増して、自社物件の積み増しを進めるにあたり購入資金の調達力が必要不可欠であります。

 市況の変化に左右されることなく安定した資金調達を行うために、物件単位の資金調達に加えて、フリーキャッシュである手元資金の増強が有効であると認識しております。

 そのためには、金融機関からの借入のみならず、多様な資金調達手法を検討していくことが重要であると考えております。

 

⑦ 人材の確保と育成

 上記の課題を克服するためには、優秀な人材を継続的に確保し、育成することが最も重要な課題と認識しております。

 そのため当社では、従業員のプロフェッショナル化として不動産管理に係る従業員に対し不動産管理に関する専門知識の習得を求めるだけでなく、全ての業務に携わる従業員に対し、自己研鑚を重ね、高い専門性を身に着け、自律的に行動していくことを求めております。

 これにより、従業員個々の能力の向上を図り、当社の人材レベルの向上、ひいてはサービスの質の向上、維持に繋げていきたいと考えております。

 その実現には、人材に対する投資が必要不可欠であると考え、毎年策定する人員計画に教育研修を盛り込み、継続して人材のレベルアップに取り組んでおります。

 また併せて、経営理念やコンプライアンスに基づいた業務運営体制の徹底のため、従業員に対し各種研修を実施しており、リスク認識などに対する全社員の意識向上に努めております。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。また、有価証券報告書に記載した事項は事業等に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点ご留意ください。

 

(1)法令・税制の変更に係るリスク及び許認可等について

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:大]

 当社の事業に関しては、主として不動産・建築等に関連する各種の法令や条例による規制を受けております。これらの変更によっては、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 また関連する各種税制の変更によっても、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社が事業に関し取得している許認可等は以下のとおりであります。当事業年度末現在、これらの許認可等が取消となる事由は発生しておりませんが、今後、何らかの理由により許認可等の取消等があった場合、当社の事業の活動に支障をきたすとともに当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

許認可等の名称

有効期間

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

許認可(登録)番号

賃貸住宅管理業登録

2021年8月13日から

賃貸住宅管理業法第23条

国土交通大臣登録(02)第0000400号

2026年8月12日まで

宅地建物取引業免許

2019年3月10日から

宅地建物取引業法第66条

国土交通大臣免許(7)第5066号

2024年3月9日まで

一般建設業許可(注)1

2019年5月9日から

建設業法第29条

京都府知事許可(般-1)第30640号

2024年5月8日まで

一般建設業許可(注)2

2019年9月9日から

建設業法第29条

京都府知事許可(般-1)第30640号

2024年9月8日まで

一級建築士事務所登録(注)3

2017年6月28日から

建築士法第9条

京都府知事登録(29A)第01479号

2022年6月27日まで

住宅宿泊管理業者登録

2018年6月15日から

住宅宿泊事業法第42条

国土交通大臣登録(01)第F00072号

2023年6月14日まで

(注)1.一般建設業許可は、塗装工事業であります。

2.一般建設業許可は、建築工事業及び大工工事業、屋根工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、鋼構造物工事業、内装仕上工事業であります。

3.提出日現在、一級建築士事務所登録は更新手続き中であります。

 

(2)不動産市況動向等に係るリスク

 [発生可能性:中  発生可能性のある時期:中期的  影響度:大]

 賃貸住宅需要は景気の動向やそれに伴う雇用環境等に影響を受けやすく、景気の後退やマンションの供給過剰等により、不動産市況が停滞あるいは下落した場合、賃貸住宅用不動産の入居率又は賃料水準が低下することが考えられます。

 この場合、不動産管理事業においては、管理物件にかかわる管理収入が、不動産賃貸事業においては、自社物件の家賃収入が減少する等、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 また、地価動向等に伴い不動産価格が下落し、保有資産の価値が低下する等の影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3)情報セキュリティに関するリスク

[発生可能性:中  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:大]

 当社は、事業を行うにあたりオーナー様、入居者様等の個人情報や当社と取引関係にある企業の営業上の情報及び当社の経営に関する情報等を保持・管理しておりますが、コンピュータウイルスの感染や外部からシステムへの不正アクセスによるサイバー攻撃の被害に遭い、これらの個人情報や営業上の情報、当社の経営に関する情報等が漏洩又は消失等した場合は、信用の毀損、損害賠償や業務の中断、復旧費用等の発生により、業績に影響を与える可能性があります。

 なお、当社は、2022年5月に、当社サーバーに対する第三者による不正アクセス事案(以下「本不正アクセス」といいます。)が発生し、基幹システムの稼働停止、一部データの喪失などの被害が確認されましたが、外部調査機関による調査の結果、本不正アクセスによる情報窃取、外部流出の痕跡は確認されませんでした。

 当社は、EDRによる検知アラート・収集情報の全体調査及び能動対処等により不正アクセスやマルウェア感染に対する24時間監視体制を築いて、情報セキュリティの脅威に向けた対策を講じております。

 また今後、アカウント管理の厳格化、社内セキュリティ教育の実施などを行い情報セキュリティ体制の強化に努めてまいります。

 

(4)外国人留学生、訪日外国人観光客について

 [発生可能性:高  発生可能性のある時期:短期的  影響度:中]

 当社の事業は、外国人留学生などの外国人顧客の動向により少なからず影響を受けております。

 これらの外国人顧客は、日本の留学生受入政策、観光政策、経済状況、為替相場の状況、外交政策による対日感情、自然災害、事故、疫病等の影響を受ける可能性があり、これらの状況の変化により外国人顧客が減少した場合、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)減損会計の適用について

 [発生可能性:中  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:中]

 当社が所有する固定資産において、不動産市況の悪化による賃料水準の低下、空室率の上昇、金融情勢の悪化等により事業の恒常的なキャッシュ・フローの将来にわたる収益性の著しい低下や保有資産の時価の著しい下落が認識された場合、減損会計を適用することとなり、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)競合について

 [発生可能性:中  発生可能性のある時期:長期的  影響度:中]

 不動産管理事業においては、既存競合他社が多数存在し、競争激化による影響を受けやすい業界構造となっております。当社は、管理物件はもとより自社物件についても管理を行っているため、スケールメリットによる原価低減及びノウハウの蓄積等により不動産管理については高い競争力を有していると自負しておりますが、競合他社の動向によっては当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 不動産賃貸事業においては、人口減少のもと賃貸物件の供給過剰状態が加速する可能性があり、家賃の値下げなど競合する物件の動向によっては当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)新型コロナウイルス感染症について

 [発生可能性:中  発生可能性のある時期:中期的  影響度:中]

新型コロナウイルス感染症の影響については、変異株による感染拡大の懸念があるもののワクチン接種が進んでいることなど感染拡大の防止に向けた動きがみられ、当事業年度末現在においては新型コロナウイルス感染症の影響は比較的軽微でありました。

しかしながら、新型コロナウイルスの感染が急拡大し、再度緊急事態宣言が発出され社会・経済活動が制限されるような状況になった場合などについては当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

当社の事業においては今後の動静を注視し、必要な対応策を適時に講じるよう努めてまいります。

 

(8)自社物件の賃借人との賃貸借契約について

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:中]

 不動産賃貸事業において、自社物件の賃借人との賃貸借契約の期間満了時に契約が更改される保証はなく、また賃借人が一定期間前の通知を行うことにより賃貸借期間中であっても賃貸借契約を解約できることとされている場合もあるため、賃貸借契約の解約が増加した場合、後継賃借人が見つかるまでの間、家賃収入が減少する等、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)不動産の欠陥・瑕疵について

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:中]

 不動産賃貸事業において、当社が不動産の取得を行うにあたっては不動産の権利、構造、環境等に関する欠陥や瑕疵等により予期せぬ損害を被る可能性がないよう、当該不動産の綿密な調査を行い、慎重な対応に注力しておりますが、取得した不動産に欠陥や瑕疵等があった場合には、瑕疵の修復などの追加費用等が生じる場合があります。

 一方で、当社の保有する不動産を売却する場合において、当該不動産の欠陥や瑕疵等について当社の責任が問われた場合には、買主より契約解除や損害賠償請求を受け、また、瑕疵の修復などの追加費用等が生じることにより当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)地域偏在に係るリスク

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:中]

 当社が保有・管理している不動産は、京都府、滋賀県、大阪府、兵庫県、愛知県、東京都、神奈川県に所在しておりますが、その大多数が京都府にあります。このため、この地域の条例の規制(例えば京都市の景観条例による建築物、屋外広告物等の規制)がより厳しくなった場合、これらに対応するための費用が発生する可能性があり、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当該地域における地震その他の災害、地域経済の悪化等により、管理収入、家賃収入が減少する等、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)資金調達及び返済のリスクについて

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:中]

 不動産賃貸事業において、当社は物件取得の資金調達に際して、特定の金融機関に依存することなく、案件ごとに金融機関に融資を打診し、融資実行後に物件を取得しております。しかしながら、何らかの理由により計画どおりの資金調達ができなかった場合には、当社の事業展開が影響を受ける可能性があります。また、有利子負債の主な返済原資は保有する不動産(賃貸マンションや駐車場等の自社物件)の家賃収入ですが、家賃条件が想定から悪化した場合、あるいは、入居率が想定より下回った場合等には、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)有利子負債への依存について

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:中]

 自社物件を購入する際にその全額を借入金にて調達し購入していることから、当社の負債比率は一般的に適正とされる比率よりはかなり高い水準となっております。今後、金利の急激な変動や金融情勢の変化により計画どおり資金調達ができない場合には、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)自然災害、人災等に係るリスク

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:中]

 地震、風水害等の自然災害や、事故、火災、戦争、暴動、テロその他の人災が発生した場合、管理物件、自社物件が、毀損、滅失又は劣化してしまい、管理物件ないし賃貸物件等が減少することにより管理収入・家賃収入が減少し、自社物件については修復のための費用負担が発生する可能性があり、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)レピュテーションリスクについて

 [発生可能性:中  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:小]

 当社は、法令遵守、サービスの品質・安全性の確保、知的財産権管理、個人情報管理等に努めております。しかしながら、当社を取り巻く環境や競合他社及び競合他社を取り巻く環境において何らかの問題が発生した場合、取引先、顧客の評価に悪影響を与え、それにより当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)ストック・オプションと株式の希薄化について

 [発生可能性:中  発生可能性のある時期:長期的  影響度:小]

 当社では、当社及び当社子会社の取締役及び従業員に対し、当社の業績向上に対する貢献意欲や士気を一層高めるとともに、株主との価値共有を推進することにより、企業価値向上に資することを目的とするため、ストック・オプション制度を設け、その一環として新株予約権を付与しております。当事業年度末現在、新株予約権による潜在株式数は340,000株であり、株式の総数(潜在株式を含む。)に対する潜在株式数の割合は7.07%となっております。今後、これらの新株予約権が行使された場合、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

(16)少子高齢化リスクについて

 [発生可能性:中  発生可能性のある時期:長期的  影響度:小]

 日本国内では少子高齢化が進んでおり、今後18歳人口の減少を受けて、学生数が減少する可能性があります。当社管理物件(自社物件を含む)は1R~1LDKといった単身者向けの比率が高いところ、未婚率の増加や単身世帯が増加傾向にあり、単身者向け物件の利用者は若年層(15歳~34歳)の単身者から、中年層(35歳~64歳)、高齢層(65歳以上)へと変化していることからも学生数の減少による影響は軽微であると想定されますが、京都市など特に学生人口が多い地域のマーケットが想定以上に縮小した場合は、当社の業績及び財務状況等に対して影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)外注業務について

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:小]

 当社は管理物件、自社物件の大修繕工事、原状回復工事等については、ほぼ外注しているため、当社の選定基準に合致する外注先を十分に確保できない場合、外注先の経営不振や繁忙期等により工期が遅延する場合、あるいは、労働者の不足に伴い外注価格が上昇する場合等には当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)代表取締役への依存について

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:小]

 当社の代表取締役である長田修は、当社の創業者であり、創業以来、経営者として経営方針や経営戦略を決定すると共に、新規事業の事業化に至るまでの重要な役割を担っております。

 当社では、役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図り、長田修に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により長田修の業務執行が困難になった場合には、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)人材の確保及び育成について

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:小]

 当社の将来の成長は優秀な人材をはじめ人的資源に大きく依存するため、専門性の高い不動産管理の知識と豊富な経験を有する人材の確保と育成が不可欠であります。したがいまして、これらの優秀な人材こそが当社の経営資源の核となるものであり、今後も優秀な人材の中途採用並びに、優秀な学生の新卒採用、人事制度の充実等により人材の育成に積極的に取り組んでいく方針でありますが、当社の求める人材の確保・育成が充分にできない場合や当社の役職員が大量に社外に流出した場合には、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(20)業務運営に係るリスクについて

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:小]

 当社の事業の事務処理は煩雑で件数も膨大であり、業務運営上の事務処理リスク、また管理業務上の事務リスクや不正リスクなどのオペレーショナルリスクが存在します。

 当社では、これらのリスクの軽減を図るため、システム管理等の業務基盤の整備を進めるとともに、業務管理体制の強化を図っておりますが、事務処理における事故・不正等が発生することにより、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(21)新規物件が取得できない可能性について

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:小]

 不動産賃貸事業においては、新規に物件を取得するにあたって当社の基準に見合う利回りが確保できる物件がない場合や、資金面で当社が求める基準での調達ができない場合においては、当社の事業計画どおりに新規に物件を取得することが難しくなることが考えられ、その場合には当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクについては、現在の事業エリアに限らず高利回りが期待できるエリアを開拓すること、売主様からの直接購入による取得費用の圧縮等で利回りを確保すること、資金調達においても間接的な調達に依存せず直接資金を調達する方法も取り入れることなどの対応策を講じることで低減できると考えております。

 

(22)訴訟の可能性について

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:小]

 当社は当事業年度末現在において、重大な訴訟を提起されている事実はありませんが、事業活動の遂行過程において、取引先及び従業員等により提起される訴訟その他の法的手続の当事者となるリスクを有しております。これらの手続は結果の予測が困難であり、多額の費用が必要となることや、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。さらに、これらの手続において当社の責任を問うような判断がなされた場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(23)労務管理について

 [発生可能性:低  発生可能性のある時期:特定時期なし  影響度:小]

 当社は、法令に基づく適正な労務管理などにより、労務関連リスクの低減に取り組んでおりますが、労務関連のコンプライアンス違反(雇用問題、ハラスメント、人権侵害等)が発生した場合、争訟の発生、会社イメージの低下等により、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 ① 財政状態の状況

 当事業年度末における総資産は53,571,799千円となり、前事業年度末に比べ1,333,300千円増加いたしました。

 

(流動資産)

 当事業年度末における流動資産は8,910,855千円となり、前事業年度末に比べ1,542,898千円増加いたしました。これは主に、自社物件の売却や新株発行等により、現金及び預金が1,462,331千円増加したことによるものであります。

 

(固定資産)

 当事業年度末における固定資産は44,660,943千円となり、前事業年度末に比べ209,597千円減少いたしました。これは主に、減損損失の発生などにより繰延税金資産が103,640千円増加した一方、ホテル用途で賃貸していた物件1棟及び2棟のマンションの土地(底地)を売却したこと及び減損損失を計上したことなどにより有形固定資産が371,430千円減少したことによるものです。

 

(流動負債)

 当事業年度末における流動負債は4,096,942千円となり、前事業年度末に比べ1,048,186千円減少いたしました。これは主に、未払法人税等が422,638千円増加した一方、1年内返済予定の長期借入金が1,432,888千円減少したことによるものであります。

 

(固定負債)

 当事業年度末における固定負債は40,690,311千円となり、前事業年度末に比べ137,629千円減少いたしました。これは主に、自社物件売却に関連し長期前受収益が1,522,740千円、資産除去債務が337,068千円それぞれ増加した一方、長期借入金が2,050,373千円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は8,784,545千円となり、前事業年度末に比べ2,519,116千円増加いたしました。これは主に配当金の支払335,453千円を計上する一方で、株式上場に伴う新株発行及び自己株式の処分により資本金が540,684千円、資本剰余金が550,230千円それぞれ増加したこと及び当期純利益1,562,890千円を計上したことによるものであります。

 

 ② 経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種が進み新型コロナウイルス感染症の拡大が抑制されたことにより、持ち直しの動きがみられました。しかしながら、新たな変異株の出現により新型コロナウイルス感染症の終息時期についてはいまだ見通せず、不透明な状況が継続するものと予測しております。

 当社の経営環境については、管理業務においてオーナー様の物件売却等により管理解約となるケースが一定件数発生しております。また、留学生が日本に入国できないことにより、学生マンションを中心とする一部エリアの入居率が低迷しております。さらに、ホテルについても、インバウンド需要が見込めない状況が継続しております。他方、前年度に落ち込んだ外壁工事等の大規模リフォーム工事については、先行きの不透明感が緩和されたことにより需要が大幅に回復しております。また、不動産仲介取引についても、商談機会が回復するなど営業活動が正常化しております。

 当社は、このような環境の中、後述するように不動産管理事業、不動産賃貸事業ともに堅調に業績を伸ばすことができました。その結果、当事業年度の経営成績は、売上高8,475,491千円(前年同期比5.5%増)、営業利益2,015,408千円(同11.2%増)、経常利益1,621,693千円(同13.0%増)となりました。

 また、当社は、自社運営ホテルの閉鎖による減損損失等を計上した一方、ホテル用途で賃貸していた物件1棟及び2棟のマンションの土地(底地)を売却したことにより固定資産売却益を計上いたしました。その結果、当期純利益は1,562,890千円(同59.1%増)となりました。

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

(不動産管理事業)

 当社の不動産管理事業は、オーナー様の安定した賃貸経営に資するべく、入居者管理はもとよりビルメンテナンス並びにリフォーム工事・賃貸仲介(リーシング)などの賃貸経営に必要なサービスを提供しております。その中でも入居者様に長期に渡って住み続けて頂くことがオーナー様の収益の最大化に繋がるとの観点から、入居者満足度を上げるための様々な施策を行っております。

 不動産管理事業においては、当事業年度の管理収入はほぼ前年並みにとどまったものの、周辺業務が大幅に伸長しました。具体的には、外壁改修工事等の大規模リフォーム工事について、需要拡大に伴い受注を増加させることができました。また、商談機会の回復により不動産売買仲介取引が増加しました。これらの結果、売上高は3,441,052千円(前年同期比9.0%増)、営業利益は559,078千円(同7.7%増)となりました。

 

(不動産賃貸事業)

 当社の不動産賃貸事業は、資産効率が高い優良な物件を購買し、不動産管理事業で得たノウハウを活かして物件の資産価値を高めるように取り組んでおります。物件の購入にあたっては、立地その他の条件を勘案した上で概ね高い入居率が維持できると判断した物件を取得し、地域に密着した店舗展開及び入居者サービスによって入居率を高め、物件の資産価値を高めて効率的な資産運用を行えるように取り組んでおります。

 不動産賃貸事業においては、当事業年度に賃貸物件を6棟取得しました。当事業年度においては、ホテル事業及びマンスリーマンション事業が減収となる一方で、前事業年度に取得した自社物件が通年稼働したことによる家賃収入の増加がそれを上回ったことから全体として増収となりました。その結果、売上高は5,034,438千円(前年同期比3.3%増)、営業利益は1,658,479千円(同9.7%増)となりました。

 

 ③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により得られた資金3,700,716千円、投資活動により得られた資金656,517千円、財務活動により使用した資金2,903,706千円の結果、前事業年度末に比べ1,453,527千円増加し、8,123,491千円(前年同期比21.8%増)となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は3,700,716千円(前年同期比67.8%増)となりました。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益2,372,633千円に必要な調整項目を加減して算定しております。資金増加の主な要因は、固定資産売却益1,126,767千円及び法人税等の支払額511,429千円などの減算調整があった一方、減価償却費1,223,847千円、減損損失366,687千円及び長期前受収益の増加額1,130,621千円などの加算調整があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果得られた資金は656,517千円(前期は3,133,602千円の使用)となりました。これは有形固定資産の取得による支出により1,600,845千円資金が減少した一方、有形固定資産の売却による収入2,345,127千円などにより資金が増加したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は2,903,706千円(前期は1,065,026千円の獲得)となりました。これは上場に伴う株式の発行による収入1,081,368千円、自己株式の処分による収入210,312千円及び長期借入れによる収入1,465,000千円により資金が増加した一方、長期借入金の返済による支出4,948,262千円、社債の償還による支出360,000千円及び配当金の支払額335,453千円などにより資金が減少したことによるものであります。

 

 ④ 生産、受注及び販売の実績

  a.生産実績

 当社が行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

  b.受注実績

 当社が行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

 

  c.販売実績

 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

不動産管理事業

3,441,052

109.0

不動産賃貸事業

5,034,438

103.3

合計

8,475,491

105.5

 (注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたって、損益又は資産の状況に影響を与える見積り、判断は、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
 当社の財務諸表は固定資産の比率が高いことから、当社の財務諸表で採用する重要な会計上の見積りのうち特に影響が大きいものは、固定資産の減損会計であります。詳細については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。

 

 ② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当事業年度の経営成績等の状況については、前述の「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。

当社は、当事業年度においてホテル用途で賃貸していた物件を1棟売却するとともに、自社運営ホテルの「悠旅(ゆたか)」を閉鎖し減損損失を計上いたしました。これらにより、新型コロナウイルス感染症が再拡大した場合にもその影響を受けにくい安定した収益基盤を確立しております。

 また、当社は、当事業年度において賃貸物件2物件の土地(底地)を売却いたしました。これにより賃借料負担は増加いたしますが、家賃収入の減少や管理戸数の減少を伴うことなく新規物件を取得するための資金を獲得いたしましたので、今後収益性の高い物件取得に努めて参ります。

 

 ③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当事業年度のキャッシュ・フローの状況については、前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは前事業年度から1,495,127千円増加しておりますが、このうち長期前受収益の増加額1,130,621千円については、当事業年度の固定資産売却に伴い発生した一時的な要因によるものであります。

 また、当事業年度の財務活動によるキャッシュ・フローに関して、長期借入金の返済による支出が3,044,638千円増加しておりますが、これは売却した物件(3棟)及び減損した物件(2棟)に関する借入金の一括返済を行ったことによるものであります(5棟計3,483,201千円)。

 当社の自己資本比率は前事業年度12.0%から当事業年度16.4%に改善しておりますが、これは主として増資等1,291,680千円及び上記の長期借入金の一括返済による一時的な要因に基づくものであります。当社は、家賃収入の範囲内で余裕をもって返済が可能な収益性の高い物件を取得することを不動産賃貸事業の成長戦略の柱としておりますので、今後物件取得が進むに従い自己資本比率については低下する見込みです。

 

 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社の報告セグメントは、不動産管理事業セグメント及び不動産賃貸事業セグメントから構成されます。

 不動産管理事業セグメントは、主として管理受託契約に基づく管理収入、管理業務に附随する業務(リフォーム工事、不動産の売買仲介・賃貸仲介)などから得られる収益であり、経営成績に影響を与える要因は管理戸数及び管理物件の入居率であります。

また、不動産賃貸事業セグメントは家賃収入から得られる収益であり、経営成績に影響を与える要因は自社物件戸数及び自社物件の入居率であります。なお、自社物件の採算が悪化した場合、固定資産の減損会計が当社の経営成績に重要な影響を与える要因となる可能性があります。その他、経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであると認識しておりますが、各種対応策を実施することでリスク要因の低減を図ってまいります。

 

 ⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について

 当社は、収益拡大及び原価低減を図るため管理戸数(自社物件戸数を含む)の増加を重視する方針です。また、当社は入居者様の満足度を向上させ長期に渡って住み続けていただくことでオーナー様の収益の最大化を図ることを目標としており、具体的な指標として入居率の上昇を目指しております。

 

 ⑥ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標について

 当社の不動産管理事業における管理受託物件戸数と入居率及び不動産賃貸事業における自社物件戸数と入居率の推移は、下記のとおりです。

 

セグメント

 

2021年3月末

2022年3月末

増減

不動産管理事業

管理物件戸数(戸)

20,627

20,478

△149

入居率(%)

96.3

95.6

△0.7

不動産賃貸事業

自社物件戸数(戸)

4,585

4,679

94

入居率(%)

98.5

98.4

△0.1

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。