第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

第7期

第8期

第9期

第10期

第11期

決算年月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2025年3月

売上高

(千円)

9,922,951

10,530,617

11,355,991

12,557,434

13,981,821

経常利益

(千円)

465,528

699,757

874,788

975,727

1,083,608

親会社株主に帰属する
当期純利益

(千円)

290,914

412,754

559,266

639,448

785,873

包括利益

(千円)

290,248

413,355

558,062

638,868

780,999

純資産額

(千円)

1,771,192

3,100,556

3,534,912

4,015,206

4,604,913

総資産額

(千円)

4,005,293

5,338,173

5,520,942

6,193,109

6,585,838

1株当たり純資産額

(円)

279.54

393.80

448.77

508.27

582.37

1株当たり当期純利益

(円)

45.91

61.12

71.03

81.04

99.44

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

60.71

70.36

80.28

98.46

自己資本比率

(%)

44.2

58.1

64.0

64.8

69.9

自己資本利益率

(%)

17.7

16.9

16.9

16.9

18.2

株価収益率

(倍)

6.57

9.98

9.59

9.40

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

965,062

600,622

553,813

1,150,808

460,285

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

119,353

297,382

313,121

423,666

562,640

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

653,875

943,906

455,730

307,777

295,811

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

827,537

2,074,588

1,858,587

2,276,706

1,873,626

従業員数

(人)

173

188

203

197

209

(外、平均臨時雇用者数)

(129)

(134)

(128)

(135)

(163)

 

(注) 1.第7期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できませんので、記載しておりません。

2.当社は、2021年12月23日に東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場したため、第8期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、新規上場日から第8期年度末までの平均株価を期中平均株価とみなして算定しております。

3.第7期の株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。

4.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(契約社員、パートタイマーを含む。)は、年間平均雇用人数を( )外数で記載しております。

5.当社は、2021年6月29日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を、2023年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。第7期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算定しております。

6.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第8期の期首から適用しており、第8期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第7期

第8期

第9期

第10期

第11期

決算年月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2025年3月

営業収益及び売上高

(千円)

731,648

826,835

1,022,671

12,570,925

13,872,607

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

49,790

11,352

232,842

995,796

1,112,459

当期純利益又は
当期純損失(△)

(千円)

26,508

11,829

207,047

2,022,967

824,069

資本金

(千円)

10,000

519,220

519,760

523,180

524,305

発行済株式総数

(株)

21,120

2,624,500

2,625,700

7,899,900

7,907,400

純資産額

(千円)

1,158,563

2,062,742

2,146,083

4,013,977

4,646,348

総資産額

(千円)

2,039,395

2,988,800

2,758,505

6,194,442

6,573,440

1株当たり純資産額

(円)

182.85

261.99

272.45

508.12

587.61

1株当たり配当額

(円)

4,850.00

47.50

63.00

24.50

32.50

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益又は
1株当たり当期純損失(△)

(円)

4.18

1.75

26.30

256.37

104.27

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

26.05

253.97

103.24

自己資本比率

(%)

56.8

69.0

77.8

64.8

70.7

自己資本利益率

(%)

2.3

0.7

9.8

65.7

19.0

株価収益率

(倍)

26.96

3.03

8.97

配当性向

(%)

386.4

79.9

9.6

31.2

従業員数

(人)

41

38

46

197

208

(外、平均臨時雇用者数)

(4)

(9)

(8)

(135)

(159)

株主総利回り

(%)

181.7

204.8

252.2

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(-)

(-)

(105.8)

(141.3)

(139.2)

最高株価

(円)

1,800

729

(2,136)

850

1,230

最低株価

(円)

1,013

652

(1,206)

606

690

 

(注) 1.第7期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できませんので、記載しておりません。

第8期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。

2.第7期の株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。

第8期の株価収益率については、1株当たり当期純損失のため、記載しておりません。

3.第8期の配当性向については、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。

4.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(契約社員、パートタイマーを含む。)は、年間平均雇用人数を( )外数で記載しております。

5.当社は、2021年5月17日開催の取締役会決議により、2021年6月29日付で普通株式1株につき100株の割合で、2023年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。第7期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算定しております。

なお、第7期から第9期までの1株当たり配当額については、当該株式分割前の実際の配当金の額を記載しております。

 

6.第11期の1株当たり配当額については、2025年6月25日開催予定の定時株主総会の決議事項になっております。

7.第7期及び第8期の株主総利回り及び比較指標は、2021年12月23日に東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場したため、記載しておりません。第9期以降の株主総利回り及び比較指標は、2022年3月期末を基準として算定しております。

8.最高株価及び最低株価は、東京証券取引所の市場区分の見直しにより、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。それ以前については、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)におけるものであります。なお、2021年12月23日に東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場したため、それ以前の株価については記載しておりません。また、第9期の株価については2023年4月1日付の株式分割による権利落ち後の最高株価及び最低株価を記載しており、2023年4月1日付の株式分割による権利落ち前の最高株価及び最低株価を括弧内に記載しております。

9.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第8期の期首から適用しており、第8期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

10.当社は、2023年4月1日付で連結子会社であった㈱アップガレージ及び㈱ネクサスジャパンを吸収合併したため、第10期における主要な経営指標等については、第9期以前と比較して大きく変動しております。

 

 

2 【沿革】

当社は、㈱アップガレージを前身として、2014年4月に単独株式移転により設立いたしました。

単独株式移転前については、㈱アップガレージの沿革を記載しております。

 

1999年4月

㈱オートフリークの中古カー用品販売部門が独立する形で、㈱アップガレージを東京都町田市鶴間に設立

東京都町田市に1号店「アップガレージ町田店」を出店

2000年11月

新業態として中古2輪パーツ専門店「アップガレージ ライダース」を開始

2002年12月

「アップガレージ」直営・FC店舗数が50店舗達成

2004年3月

㈱アップガレージ 東京証券取引所マザーズ市場に上場

2004年8月

子会社 ㈱バックアップガレージを設立

2005年6月

新業態として中古タイヤ・ホイール専門店「アップガレージ ホイールズ」を開始

2005年7月

子会社 ㈱リーワンネットを設立

2006年6月

子会社 ㈱バックアップガレージを吸収合併

2007年3月

子会社 ㈱リーワンネットを清算

2010年3月

本社を神奈川県横浜市青葉区に移転

2010年6月

新品タイヤ専門店ブランド「東京タイヤ流通センター(現 タイヤ流通センター)」を開始

2010年8月

「アップガレージ」直営・FC店舗数が100店舗達成

2012年4月

㈱アップガレージ MBOにより上場廃止

2012年11月

「東京タイヤ流通センター(現 タイヤ流通センター)」加盟店が50店舗達成

2013年5月

タイ王国に子会社 UPGARAGE (THAILAND) Co.,Ltd.を設立

2013年9月

モール型ECサイト「Croooober.com(クルーバードットコム)」(現 「upgarage.com(アップガレージドットコム)」)を開始

2014年2月

「東京タイヤ流通センター(現 タイヤ流通センター)」加盟店が100店舗達成

2014年4月

㈱アップガレージの単独株式移転により㈱クルーバーホールディングス(現 ㈱アップガレージグループ)を設立

子会社 ㈱東京タイヤ(旧 ㈱ネクサスジャパン)を設立

2015年4月

子会社 ㈱ZERO TO ONEを設立

2016年7月

「アップガレージ」直営・FC店舗数が150店舗達成

2017年7月

子会社 ㈱タッチアップエンターテインメントを設立

新業態として車両買取事業「パーツまるごとクルマ&バイク買取団」を開始

2017年12月

子会社 UPGARAGE (THAILAND) Co.,Ltd.を清算

2018年8月

アメリカ合衆国カリフォルニア州に子会社 UP GARAGE USA Co.,Ltd.を設立

2018年10月

新業態として中古工具専門店「ワークガレージ(現 アップガレージ ツールズ)」を開始

2019年4月

子会社 ㈱東京タイヤを㈱ネクサスジャパンに商号変更

2019年6月

自動車業界に特化した人材紹介サービス「BoonBoonJob(ブーンブーンジョブ)」を開始

2019年10月

「アップガレージ」直営・FC店舗数が200店舗達成

2020年2月

「東京タイヤ流通センター(現 タイヤ流通センター)」加盟店が150店舗達成

2020年3月

子会社 ㈱ZERO TO ONE及び㈱タッチアップエンターテインメントを吸収合併

2020年4月

㈱クルーバーホールディングスを㈱クルーバーに商号変更

2021年4月

中古工具専門店「ワークガレージ」を「アップガレージ ツールズ」に名称変更

2021年12月

東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に株式を上場

2022年3月

新業態として中古自転車専門店「アップガレージ サイクルズ」を開始

2022年4月

新品タイヤ専門店ブランド「東京タイヤ流通センター」を「タイヤ流通センター」に名称変更

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)からスタンダード市場に移行

2023年3月

新業態として中古カスタムカー専門店「アップガレージ カーズ」を開始

2023年4月

子会社 ㈱アップガレージ及び㈱ネクサスジャパンを吸収合併

㈱クルーバーを㈱アップガレージグループに商号変更

2024年4月

アメリカ合衆国カリフォルニア州に米国1号店となる「アップガレージGarden Grove(ガーデングローブ)店」を出店

2025年1月

「アップガレージ」直営・FC店舗数が250店舗達成

2025年2月

「タイヤ流通センター」加盟店が200店舗達成

 

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社及び子会社1社により構成され、カー&バイク用品リユース業態(直営店舗運営、フランチャイズシステムの運営、ECサイト運営)及び流通卸売業態を行っております。

また、当社グループの事業は、カー&バイク用品関連の買取、販売及びその付随業務からなる単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

当社グループの事業の内容は、リユース業態、流通卸売業態に大別され、それらをシステム開発と併せて事業展開することで、それまでの店舗展開中心の事業からITを駆使した事業へと飛躍を図っております。

カー&バイク用品のリユース業態では、直営店舗、フランチャイズ店舗及びECサイト「upgarage.com(アップガレージドットコム)」にて、リユース商品の買取・販売を行っており、店舗はフランチャイズ店を含め全国45都道府県に出店しております。

流通卸売業態では、従来の卸売とは一線を画す受発注プラットフォームを介したサプライチェーンを構築したことで、導入企業の利便性向上や効率化等を目指しております。

2019年6月に開始した自動車業界専門の人材紹介サービス「BoonBoonJob(ブーンブーンジョブ)」は、当社グループが属する自動車業界における、人材の定着率や応募人員の低下等の課題解決のために業界に専門特化した人材紹介サービスとなります。自動車業界は、企業規模に限らず人材の流出・回転が比較的早く、企業は常に人員募集に対する費用や対応を迫られているため、それらの軽減を目指す取り組みとして、人材採用後6ヶ月経過時点で人材紹介料の請求を行う等、採用企業に寄り添うサービスを提供しております。

 

(1) リユース業態

リユース業態における特徴は、これまで一般的でなかったカー用品・バイク用品の買取・販売を主要業態としており、特に中古商品に対して保証を付けるという新たな取り組みは、一般のお客様から好評を得ております。

また、当社グループのノウハウとして買取した商品の修理・メンテナンスをした上で販売を行うため、オークション等の個人間売買と差別化も図られており、一般的な小売形態と異なりリユース業態は、販売→買取→販売といったサイクルでユーザーと長い関係が築ける業態となっております。

当社グループのリユース業態は、店舗展開を行いつつ、ECサイトの活用も広げ、ユーザーへ様々なチャネルからご利用頂ける機会を設けております。

 

① 店舗展開とブランドの拡充
a.店舗ブランド

リユース業態においては、店舗展開及びEC販売という2つのチャネルでユーザーとの接点を持っておりますが、EC販売だけを拡大せず店舗展開も行っている理由としては、商品の買取を如何に全国のユーザーから行うのかを重要視しているためであります。

取付・取外しや複雑な車種適合確認、不定形梱包の煩雑さ等があるカー&バイク用品では、ECや宅配買取等の手段ではまだまだ敬遠される傾向があり、それらのお客様にも気軽に買取の持ち込みやリユース品の購入を促すため、店舗を大切な顧客接点として重視しております。

当社グループは、カー用品を扱う「アップガレージ」ブランドで店舗展開を始めましたが、徐々にバイク用品の取扱い需要が高まったこと、カー用品とバイク用品ではユーザーが異なり、バイク用品を販売するためには新たにバイクユーザーへの認知が必要であったこと、車のカスタムには興味がなく摩耗したタイヤの買替、タイヤホイールセットの購入のみ希望されるユーザーが認知とともに増加したことをうけ、新たな店舗ブランドの展開を行いました。

また、中古カー&バイク用品に関連した店舗ブランドの拡充も行っております。

 

店舗ブランドの一覧は次のとおりであります。

「アップガレージ」

中古カー用品の買取・販売

「アップガレージ ライダース」

中古バイク用品の買取・販売

「アップガレージ ホイールズ」

中古カーホイールの買取・販売に特化

「パーツまるごとクルマ&バイク買取団」

中古車の買取

「アップガレージ ツールズ」

中古工具の買取・販売

「アップガレージ サイクルズ」

中古自転車の買取・販売

「アップガレージ カーズ」

中古カスタムカーの販売

 

 

「アップガレージ ライダース」は、2000年11月に開始した店舗ブランドであり、バイクユーザーへ認知を広げるため「アップガレージ」ブランドと明確に区別したバイク用品店舗と位置付けました。

バイクユーザーへの認知を目的にブランド化しましたが、バイク用品は、カー用品と比べ比較的パーツが小さく、店舗立地や候補物件の選定もし易くなり、バイク販売店が同じ敷地内に兼業で出店する等の効果も見られました。

「アップガレージ ホイールズ」は、2005年6月に開始した店舗ブランドであり、カーホイールというカー用品のなかでより専門分野に特化した商品を扱うブランドとなります。

カスタムに興味はないがタイヤ・ホイールをリユースで利用したいユーザーも増加していた中、タイヤとホイールに取扱商品を特化することで在庫や陳列スペースが絞られ、比較的小型店舗でも運営が可能なブランドとすることで、地方エリアや大型店近接でカニバリゼーション((注)近接店舗間での顧客の重複による売上減少)が懸念されるエリアでも出店が可能となっております。

「パーツまるごとクルマ&バイク買取団」は、中古車の買取を行うブランドとして2017年7月に開始しました。

カスタムした車は、スポーツカーであってもセダン乗用車であっても、中古車買取業者から見るとその後の販売につなげ難く、かつパーツの査定ができないため、敬遠するか買取査定を低くする傾向が一般的でありました。当社グループは、中古カー用品を長らく運営しているため、カスタムパーツを店舗で販売することも、在庫の純正パーツを使いカスタム以前の状態に戻すことも可能なため、1品毎にパーツをしっかり査定し、カスタマイズされた車両をオーナーが少しでも満足頂ける価格で買取査定することが可能となっております。

「アップガレージ ツールズ」は、2018年10月に開始したブランドで、中古工具のリユース業態となります。

カー&バイク用品のカスタムユーザーは工具にもこだわりを見せるほか、建設業やDIY(Do It Yourself)ユーザーといった、今まで「アップガレージ」と取引のなかった新たなユーザーの獲得が期待されております。

「アップガレージ サイクルズ」は、2022年3月に開始したブランドで、中古自転車の車体とパーツのリユース業態となります。

既存のアップガレージブランドの顧客層だけではない、幅広い世代にご利用頂けるようにシティサイクル、電動自転車、ロードバイクなどの自転車全般の車体とパーツを取り扱っております。

「アップガレージ カーズ」は、2023年3月に開始した中古カスタムカーの販売を行うブランドとなります。「パーツまるごとクルマ&バイク買取団」で買取した中古車を中心に、中古カスタムカーに特化した中古車販売と中古パーツを扱うアップガレージならではのパーツ取付サービスを提供することで一般の中古車販売店との差別化を図っております。

 

 

b.単独店から併設店の強化

「アップガレージ ライダース」は、新たに店舗を出店する「単独店」のほか、既存「アップガレージ」店舗内のスペースを設け「併設店」という方式でのブランド展開も行うようになりました。

前述のとおり、バイク用品の陳列スペースは比較的小さく済むうえ、カー&バイク用品のリユース店舗とする方が単独店運営を行うより認知が早くなる、店舗出店にかかる初期投資も抑えられる等の効果がありました。

「パーツまるごとクルマ&バイク買取団」及び「アップガレージ カーズ」は、併設店舗での展開が可能であり、買取した車両やカスタムパーツは「アップガレージ」店舗で販売可能となるため、非常に親和性が高く、「アップガレージ」コアユーザーとも車両の買取といった新たな取引を可能にしたブランドとなります。

「アップガレージ ツールズ」及び「アップガレージ サイクルズ」も比較的小規模で展開が可能なため、既存店舗の一部コーナーを新設した併設店としての展開が可能であります。

また、「アップガレージ」の出店において適切な売場面積の賃貸物件を探すことも重要となってまいりますが、併設店を前提とした物件選定を行うと比較的容易に選考を進めることが可能であったこともあり、併設店の強化を進めてまいりました。

 

c.店舗展開の状況

上記より、当社グループの店舗展開としては、メインブランドである「アップガレージ」を中心に、専門店化したブランドとして中古バイク用品の「アップガレージ ライダース」、中古タイヤ・ホイール専門店の「アップガレージ ホイールズ」、車両買取サービスの「パーツまるごとクルマ&バイク買取団」、中古工具買取・販売専門店の「アップガレージ ツールズ」、中古自転車買取・販売専門店の「アップガレージ サイクルズ」、中古カスタムカー販売専門店の「アップガレージ カーズ」を直営店及びフランチャイズ店として展開しており、その内いくつかは、同一店舗内で営業する併設店として展開しております。

 

当連結会計年度末時点の各業態別の店舗数は次のとおりであります。

(単位:店)

 

アップ
ガレージ

アップ
ガレージ

ライダース

アップ
ガレージ

ホイールズ

アップ
ガレージ

ツールズ

パーツ
まるごと

クルマ&バイク買取団

アップ
ガレージ

サイクルズ

アップ
ガレージ

カーズ

合計

直営店

28

(3)

19

(3)

4

(-)

2

(-)

3

(-)

9

(3)

1

(-)

66

(9)

FC店

113

(2)

65

(6)

8

(-)

(-)

2

(-)

(-)

(-)

188

(8)

海外

1

(1)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1

(1)

合計

142

(6)

84

(9)

12

(-)

2

(-)

5

(-)

9

(3)

1

(-)

255

(18)

 

(注) 1.( )は期中の増減数を表しております。

2.上記はブランド毎の展開数であり、1箇所で複数ブランドを併設した店舗もあることから、拠点としての店舗数とは異なります。当連結会計年度末時点における拠点数の合計は179拠点であります。

 

② EC販売構成の拡充とモール型ECサイトの自社開発
a.モール型ECサイト「upgarage.com(アップガレージドットコム)」

当社グループのECサイトは、直営店及びフランチャイズ店で利用している基幹システムにECサイト登録機能を組み込み、写真情報や適合車種情報等も含め即座に掲載が可能となっております。

また、モール型ECサイトとして開発し、フランチャイズ店以外の企業や外部の販売店、自社でEC販売チャネルを持たない中小規模の事業者も加盟・掲載が可能としております。

フランチャイズ店以外の加盟店についても、掲載商品は少数から登録可能とし、写真掲載機能や商品の一括登録機能を組み込み、直営店やフランチャイズ店と分け隔てなくサイト掲載を行うことで、加盟しやすい環境構築を行っております。

ユーザーについても、車種別、年式別、メーカー名、商品カテゴリー別での検索機能や複数項目からの絞り込み機能、タイヤ・ホイール等はサイズ別からも検索できる等、利便性の向上に努めました。

 

このモール型ECサイト立ち上げによって、フランチャイズ店を含むアップガレージチェーン全体のEC売上構成比は2025年3月期で22.5%と、開始前の2013年3月期14.4%と比べて順調に増加しており、当社グループの収入は直営店舗商品によるEC売上高だけでなく、ECモールでの加盟店売上高に応じたEC手数料が加わり、加盟店売上高の増加に伴いEC手数料収入も増加が見込めるものとなっております。

提出日現在において、フランチャイズ店以外の加盟店におけるEC手数料は、フランチャイズ店からのEC手数料と比べ極僅かですが、登録社数は着実に増加しております。

ECサイトでの販売による効果として、店舗に来店したことのない非認知顧客からの注文も増えるなど、認知度は日々向上しております。

ECサイトの認知度向上については、テレビCM等の大きな広告宣伝は行わず、費用対効果の高い大手検索サイトに対するリスティング広告を中心に宣伝活動を行っており、これらの副次効果としてリスティング広告業態を独自に展開できるまで担当部署のスキルも向上しております。

また、オークションサイト機能も追加し、加盟店においては販売機会の少ない長期在庫や訳あり特価品などの販売を積極的に行うことが可能となり、ユーザーに対しては単に中古パーツを探すだけでなく、掘り出し物商品をオークション機能を通じて探したり、入札機能で値段の駆け引きを楽しみながら購買するロケーションを提供しております。

 

b.海外版「upgarage.com(アップガレージドットコム)」

海外販売については、当初日本国内の在庫が海外に一方的に流出することで、国内市場規模の減少を危惧しておりましたが、前述の中古カー&バイク用品専門のモールECサイト「upgarage.com(アップガレージドットコム)」立ち上げ後から、海外で非常に多くの引き合いを頂いたこと、将来の買取・販売店舗のグローバル展開も実施することを踏まえ、「upgarage.com(アップガレージドットコム)」の海外向けサイトを作成し、ECサイトによる海外への越境販売も2015年5月に開始いたしました。

特に近年、日本文化として根付いてきたカスタムチューンやドレスアップチューン、ドリフト仕様チューンが海外で人気になったことで日本車、日本車パーツの需要が高まっていたこともあり、販売開始後海外EC売上高も順調に推移しております。

 

③ フランチャイズ展開と収益

フランチャイズ運営においては、自社開発した基幹システム(売上・在庫管理・買取査定システム)やECサイトの管理運営、店舗運営ノウハウの授与・指導、店舗の企画設計・什器等販売及び商品供給を行う中で、加盟金売上・ロイヤリティ売上、EC販売に応じたEC手数料売上、什器販売売上等の収入を得ております。

 

④ グローバル展開

日本文化であるカーチューンやドレスアップチューン、ドリフト仕様チューンなどは、海外においても人気が高く、かつ最もカーチューン等が定着しているのが、アメリカ合衆国となります。

当社グループは、グローバル展開を目指す中、アメリカ合衆国を主要なマーケットと定め、現地法人(UP GARAGE USA Co.,Ltd.)を設立しております。

2018年8月にEC販売の強化及び現地(アメリカ合衆国カリフォルニア州)での出店準備を行うべく倉庫兼事務所を設け、アメリカ国内拠点からの直送によるEC展開を開始いたしました。

既存の海外版「upgarage.com(アップガレージドットコム)」サイトも引き続き利用可能ですが、日本からの海外輸送となり手数料と時間が必要であるため、アメリカ国内拠点を設け商品を直送にすることで、よりスピーディーで運送費負担の少ない商品提供を行っております。

新型コロナウイルス感染症の影響等により先行きの不透明な状況が続きましたが、2024年4月にアメリカ国内1号店となる「アップガレージGarden Grove(ガーデングローブ)店」をオープンし、店舗でのカー用品の買取・販売を開始いたしました。

 

 

(2) 流通卸売業態

流通卸売業態では、「タイヤ流通センター」サービスと「チェーン展開企業向け受発注プラットフォーム」サービスにより新品商品の卸売を展開しております。どちらも当社グループが開発した受発注プラットフォーム「ネクスリンク」をベースにしており、店舗側でのメーカー発注・納品管理・支払管理や、メーカー側での受注管理・納品連絡・在庫有無連絡・請求管理といった業務を当社グループの「ネクスリンク」を介して取引して貰うことで、一括管理・業務効率化・資金管理がシステム上で可能になるものです。

これにより、発注側メーカー側の両社は様々な業務効率化を実現し、当社グループも卸売取引の拡大が見込まれます。

 

① 「タイヤ流通センター」

「アップガレージ」店舗において、中古ホイールに合わせた新品タイヤなど新品商品に対する需要が高かったため立ち上げた「タイヤ流通センター」サービスですが、クラウドベースの受発注プラットフォーム「ネクスリンク」を開発・導入し、直営店舗及びフランチャイズ店舗が行う発注・納品管理等の効率化を進め、その後フランチャイズ店以外の加盟店にも積極的に募集いたしました。

これにより、整備工場やカスタムショップ等の独立店では管理が煩雑であったメーカー発注、納品管理、支払が当社グループへ一元化できる等の管理業務が大幅に改善され、当社グループもフランチャイズ店以外の加盟企業増加という拡大施策が可能となりました。

また、「タイヤ流通センター」は、受発注プラットフォームの機能以外にも、サイズやメーカーによって料金体系が分かり難い新品タイヤを「3プライス」でパッケージ化した商品の提供も行っており、「タイヤ流通センター」加盟店舗は全店取扱いが可能となります。

3プライスとは、「ゴールド・プラチナ・ダイヤモンド」のカテゴリーに分け、それぞれ「安さ重視」、「バランス重視」、「品質重視」として、「ゴールド:安さ重視」ならアジアメーカータイヤ、「プラチナ:バランス重視」なら国内海外メーカー良品質タイヤ、「ダイヤモンド:品質重視」なら国産ブランドタイヤでパッケージ化したものです。加盟店のために通常単品で仕入れるより安価に設定し、タイヤ購入ユーザーもタイヤ選びで悩まないサービスとなる等、「タイヤ流通センター」サービスのオリジナル性を高める要素となっております。

当連結会計年度末時点の「タイヤ流通センター」加盟店は、次のとおりであります。

 

(単位:店)

 

当連結会計年度末

前期末増減数

加盟店数

200

13

 

 

② 「チェーン展開企業向け受発注プラットフォーム」

当社グループ及びフランチャイズ店に限らず、大規模企業やチェーン展開企業、フランチャイズ展開企業についても、店舗(直営及びフランチャイズ)の発注・仕入管理やパーツ発注に係る店舗オペレーション負担の軽減や、本部管理機能の効率化といった課題がありました。

しかし、これらを解消するためのシステム投資は、開発ノウハウ・投資資金、パーツ適合ノウハウ等の関係で単独企業での開発は難しい側面もあったため、当社グループの「ネクスリンク」を改良し、「チェーン展開企業向け受発注プラットフォーム」という形態で加盟企業を募集し、流通卸売業態の拡大を目指すべく2018年3月からサービス開始いたしました。

特徴としては、通常の「ネクスリンク」機能に加え、企業専用画面や本部管理機能、本部フランチャイズ間取引計算、支払を当社へ一元化する機能を盛り込んだものとなります。提出日現在、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ④ 生産、受注及び販売の実績 d.販売実績 」の注記に記載のとおり、主要な取引先である㈱IDOMの売上高に占める割合が高くなっておりますが、「タイヤ流通センター」同様にチェーン展開企業でも投資負担を極力少なくしつつメーカー側とのあらゆるやり取り(発注・納品連絡・在庫有無連絡・請求管理等)がシステム上で可能といった特徴を広め、導入企業の拡大や取扱高の増加を進めてまいります。

商流としては、受発注プラットフォーム「ネクスリンク」を介して加盟店から当社グループへの発注(卸売上)と当社グループからカー&バイク用品メーカー(契約企業670社以上)への発注(仕入)による卸売取引となります。

 

 

[リユース業態事業系統図(店舗)]

 


[リユース業態事業系統図(EC)]

 


 

 

[流通卸売業態事業系統図(受発注プラットフォーム)]

 


 

 

 

 

 

4 【関係会社の状況】

名称

住所

資本金

主要な事業
の内容

議決権の所有
割合又は被所有
割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

UP GARAGE USA Co.,Ltd.

(注)

アメリカ合衆国

カリフォルニア州

300千米ドル

カー&バイク用品のリユース事業

100.00

取締役1名の兼任

資金の貸付

管理業務の受託

 

(注)  有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(人)

209

(163)

 

(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(契約社員、パートタイマーを含む。)は、年間の平均雇用人数を( )外数で記載しております。

2.当社グループの事業はカー&バイク用品関連の買取、販売及びその付随業務からなる単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢

平均勤続年数

平均年間給与(千円)

208

(159)

33

5

か月

7

2

か月

6,011

 

(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(契約社員、パートタイマーを含む。)は、年間の平均雇用人数を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.平均年間給与は、中途入社者、臨時従業員を除く当事業年度末現在の在籍者数を基に計算しております。

4.当社の事業はカー&バイク用品関連の買取、販売及びその付随業務からなる単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める
女性労働者の
割合(%)

(注)1.

男性労働者の
育児休業取得率
(%)

(注)2.3.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

うち正規雇用
労働者

うちパート・
有期労働者

11.5

57

68

81

91

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

・管理職に占める女性労働者の割合が低いのは、業態や仕事内容が男性向きということもあり、女性社員自体が少ないことに起因しております。今後は改善に向け、まずは女性社員数を増やすべく女性採用比率30%以上を目標に掲げております。加えて、女性の働き方やキャリアをサポートする制度や研修の環境整備を行い、女性管理職者が生まれやすい取り組みを推進しております。

・当社グループにおいて、正規・非正規社員共に給与テーブルに男女差を設けておりません。正規社員における男女間の賃金差が生じている主要因は、管理職比率が男性と比べて女性が低いことに起因しております。また、非正規社員における男女間の賃金の差異は、勤務時間に起因しております。男性はフルタイム勤務の割合が高く女性は少ないため、勤務時間により差異が生じております。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

 

② 連結子会社

該当事項はありません。