第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

第7期

第8期

第9期

第10期

第11期

決算年月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2025年3月

売上高

(千円)

2,751,375

2,724,097

3,820,972

5,375,312

7,702,356

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

757,610

588,919

324,657

194,450

943,385

親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)

(千円)

1,012,561

669,944

388,016

78,447

659,714

包括利益

(千円)

1,109,583

787,923

475,752

134,693

681,771

純資産額

(千円)

6,485,951

9,189,127

8,801,911

8,721,935

9,627,174

総資産額

(千円)

12,655,096

15,854,286

17,709,825

20,175,791

19,026,948

1株当たり純資産額

(円)

62.58

176.10

166.93

163.40

174.41

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失金額(△)

(円)

35.78

16.36

7.92

1.58

13.00

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益金額

(円)

12.63

自己資本比率

(%)

45.47

54.15

46.57

40.55

47.02

自己資本利益率

(%)

7.70

株価収益率

(倍)

67.3

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

1,751,936

1,528,379

179,509

938,062

945,209

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

325,269

279,399

233,634

343,666

489,842

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

172,149

3,266,100

32,083

684,017

1,038,697

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

4,318,706

5,792,996

5,354,377

4,768,814

4,367,150

従業員数
〔ほか、平均臨時
雇用人員〕

(名)

152

195

247

294

341

4

6

5

8

7

 

(注) 1.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第8期の期首から適用しており、第8期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

2.第7期の1株当たり純資産額については、優先株主に対する残余財産の分配額を控除して算定しております。

3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、新株予約権の残高はありますが、第7期は非上場であり期中平均株価が把握できないこと、第8期、第9期及び第10期は1株当たり当期純損失であることから記載しておりません。

4.第7期、第8期、第9期及び第10期の自己資本利益率については、親会社株主に帰属する当期純損失が計上されているため記載しておりません。

5.第7期の株価収益率については、当社株式が非上場であるため記載しておりません。第8期、第9期及び第10期の株価収益率については、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。

6.従業員数は就業人員(業務委託契約締結者、派遣社員及び社外から当社への出向者を除く)であり、臨時雇用者数(派遣社員を含む)は年間の平均人員を〔 〕内に外数で記載しております。

7.当社は、2020年6月5日開催の臨時株主総会により、決算期を11月末から3月末に変更しております。従って、第7期は2019年12月1日から2021年3月31日までの16ヶ月間となっております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第7期

第8期

第9期

第10期

第11期

決算年月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2025年3月

売上高

(千円)

337,706

291,126

385,308

554,899

730,066

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

25,328

53,223

17,493

4,321

21,237

当期純利益又は当期純損失(△)

(千円)

411,067

44,495

2,821,242

13,077

387

資本金

(千円)

100,000

1,847,112

77,358

105,139

158,088

発行済株式総数

(株)

 

 

 

 

 

普通株式

28,300,641

48,754,628

49,407,656

50,070,184

51,300,212

A種優先株式

1,866,816

B種優先株式

5,000,000

C種優先株式

8,356,546

純資産額

(千円)

6,722,240

10,168,832

7,436,121

7,477,592

7,701,451

総資産額

(千円)

7,153,973

10,356,797

7,558,287

8,336,112

8,857,642

1株当たり純資産額

(円)

28.67

208.46

149.71

148.58

147.08

1株当たり配当額
(1株当たり中間配当額)

(円)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益又は当期純損失金額(△)

(円)

14.53

1.09

57.58

0.26

0.01

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益金額

(円)

0.01

自己資本比率

(%)

93.85

98.13

97.86

89.24

85.19

自己資本利益率

(%)

0.01

株価収益率

(倍)

114,686.9

配当性向

(%)

従業員数
〔ほか、平均臨時
雇用人員〕

(名)

12

15

15

18

23

1

2

1

2

1

株主総利回り

(%)

89.2

145.3

93.8

(比較指標:東証グロース市場250指数)

(%)

(-)

(-)

(94.8)

(99.6)

(87.3)

最高株価

(円)

1,110

765

1,020

1,138

最低株価

(円)

656

334

545

705

 

(注) 1.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第8期の期首から適用しており、第8期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

2.第7期の1株当たり純資産額については、優先株主に対する残余財産の分配額を控除して算定しております。

3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、新株予約権の残高はありますが、第7期は非上場であり期中平均株価が把握できないこと、第8期、第9期及び第10期は1株当たり当期純損失であることから記載しておりません。

4.第7期、第8期、第9期及び第10期の自己資本利益率については、当期純損失を計上しているため記載しておりません。

5.第7期の当社株式は非上場であったため、第8期、第9期及び第10期は1株当たり当期純損失であるため株価収益率を記載しておりません。

 

6.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。

7.従業員数は就業人員(業務委託契約締結者、派遣社員及び社外から当社への出向者を除く)であり、臨時雇用者数(派遣社員を含む)は年間の平均人員を〔 〕内に外数で記載しております。

8.第7期及び第8期の株主総利回り及び比較指標については、当社は2021年12月22日に東京証券取引所マザーズ市場(現 東京証券取引所グロース市場)に上場したため、記載しておりません。第9期の株主総利回り及び比較指標は、2022年3月期末を基準として算定しております。

9.株主総利回りの比較指標については、東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、「東証マザーズ指数」から「東証グロース市場250指数」へ変更されております。

10.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所マザーズ市場におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所グロース市場におけるものであります。

なお、当社は2021年12月22日付をもって同取引所に株式を上場したため、それ以前の株価については記載しておりません。

11.当社は、定款に定める取得条項に基づき、A1種優先株式、B種優先株式、C種優先株式のすべてにつき、2021年7月28日付で自己株式として取得し、対価として普通株式を交付しております。また、当社が取得したA1種優先株式、B種優先株式、C種優先株式は、同日付で会社法第178条に基づきすべて消却しております。

12.当社は、2020年6月5日開催の臨時株主総会により、決算期を11月末から3月末に変更しております。従って、第7期は2019年12月1日から2021年3月31日までの16ヶ月間となっております。

 

 

2 【沿革】

当社の設立以降の沿革は以下の通りであります。

 

年月

概要

2013年12月

東京都千代田区西神田に「株式会社Finatext(現・当社)」を設立

2014年11月

株式投資教育アプリ「あすかぶ!(注1)」をリリース(現在はサービス終了)

2015年12月

FX投資教育アプリ「かるFX(注2)」をリリース

2015年12月

株式会社三菱東京UFJ銀行(現・株式会社三菱UFJ銀行)と提携し、投資信託教育アプリ「FUNDECT(注3)」をリリース(現在はサービス終了)

2016年3月

オフショア開発を目的として、子会社株式会社Teqnologicalを設立

2016年8月

株式会社ナウキャストを株式交換により完全子会社化し、機関投資家に対するビッグデータ解析事業へ参入

2016年8月

本社を東京都千代田区麹町に移転

2016年11月

金融機関向けビッグデータライセンスの販売を開始

2016年12月

英国における金融サービスの開発・運営を目的として、子会社Finatext UK Ltd.を設立

2017年3月

証券プラットフォームサービスの開発・運営準備を目的として、子会社株式会社スマートプラスを設立

2017年5月

株式会社ジェーシービーと提携し、「JCB消費NOW(注4)」をリリース

2017年11月

株式会社大和証券グループ本社及び大和証券株式会社と資本業務提携を締結。株式会社大和証券グループ本社が子会社株式会社スマートプラスに出資

2017年12月

株式会社スマートプラスが第一種金融商品取引業者に登録

2018年7月

株式会社スマートプラスが証券インフラストラクチャBaaS(バース:Brokerage as a Service)(注5)の第1号案件となる従来型取引手数料無料のコミュニティ型証券アプリ「STREAM」の現物取引サービスを開始

2018年7月

金融デジタル接点の強化及びビッグデータを活用した金融サービスの提供のため、KDDI株式会社と資本業務提携

2018年8月

Travel FX Ltd.を株式取得により子会社化し、英国における個人向け外貨両替事業に参入

2018年8月

Mortgage FX Ltd.を株式取得により子会社化し、英国における法人向け外国為替送金事業に参入

2018年12月

株式会社Finatextホールディングスへの商号変更とともに、新設分割により株式会社Finatextを設立して持株会社体制へ移行

2019年4月

保険プラットフォームサービスの開発・運営準備を目的として、子会社スマートプラス少額短期準備株式会社(現・スマートプラス少額短期保険株式会社)を設立

2019年8月

株式会社K-ZONEを株式取得により子会社化し、投資関連アプリの開発・運営を拡充

2019年12月

本社を東京都千代田区九段北に移転

2020年8月

子会社スマートプラス少額短期保険株式会社が少額短期保険業者に登録

2020年8月

保険インフラストラクチャInspire(注6)の第1号案件となる、子会社スマートプラス少額短期保険株式会社による「母子保険はぐ」をリリース

2020年9月

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社と資本業務提携を締結。あいおいニッセイ同和損害保険株式会社が子会社スマートプラス少額短期保険株式会社に出資

2020年11月

株式会社スマートプラスが投資運用業者に登録

2020年11月

経営資源の集中のため、Travel FX Ltd.の全株式を売却

2020年11月

経営資源の集中のため、Mortgage FX Ltd.の全株式を売却

2021年9月

「宿泊予約キャンセル保険」をリリース

2021年12月

東京証券取引所マザーズ市場への上場

 

 

年月

概要

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所マザーズ市場からグロース市場に変更

2022年4月

本社を同区内(東京都千代田区九段北)に移転

2022年4月

クレジットプラットフォームサービスの開発・運営準備を目的として、子会社株式会社スマートプラスクレジットを設立

2022年6月

予約管理サービス「OMAKASE by GMO」と提携して、レストラン予約のキャンセル料を補償する「OMAKASEキャンセル保険」をリリース

2023年12月

株式会社フロッグと提携し、「Hrog賃金NOW(注7)」をリリース

2024年1月

証券インフラストラクチャBaaSとして初の移管案件として、セゾン投信株式会社へシステム提供を開始

2024年4月

生成AIの活用をするためのデータ基盤構築を支援するデータAIソリューションビジネスを開始

2025年2月

不動産業界向けデータサービス「DataLensHub(注8)」を提供開始

 

(注)1. 株式投資のデモトレ及び学習コンテンツを提供するモバイルアプリ

2. FX投資のデモトレ及び学習コンテンツを提供するモバイルアプリ

3. 投資信託の情報及び学習コンテンツを提供するモバイルアプリ

4. クレジットカードの決済データから算出される消費指数

5. 証券サービス向けクラウド基幹システム

6. 保険サービス向けクラウド基幹システム

7. 求人広告データから算出される消費指数

8. 商業用不動産・店舗ビジネス向けのデータ活用SaaS

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、「金融をサービスとして再発明する」をミッションに掲げております。このミッションのもと、金融サービス提供者向けの次世代クラウド基幹システムの提供等を通じて、パートナー企業とともに人々にとって遠い存在である金融サービスを暮らしに寄り添ったものにすることを目指しております。

 

当社グループのビジネスが深く関連する金融業界は、非常に大きく歴史ある産業である一方、技術進歩と技術的負債に伴う課題に直面しており、特に顧客体験の向上が重要な課題となっております。金融サービスの顧客体験を改善し競争力を高めるためには、事業のデジタルトランスフォーメーションとそれに伴って蓄積されるビッグデータの利活用が求められています。他方、既に豊富な顧客接点を持つリテール企業が、その顧客接点を活かしたよりよい顧客体験を強みとして、新たに金融業界へ参入する事例が増えています。

 

上記のミッションと金融業界の事業環境を背景に、当社グループは、金融サービス提供者向けの次世代クラウド基幹システムの提供を行っております。これまでのパッケージソフトウェア型の基幹システムは、導入にかかる初期費用や運用にかかる固定費、時間、人員が必要となっていたことに加え、外部サービスとの連携に制約がありました。当社が運営する次世代クラウド基幹システムは、クラウドベースでSaaS型にすることにより、導入及び運用の低コスト化、短期間化、少人数化を実現するとともに、APIにより外部サービスとの連携を容易にしております。

当社グループは、次世代クラウド基幹システムを提供するだけではなく、優れた顧客体験を備えたウェブサイトやモバイルアプリといったフロントエンドサービスの企画・開発を支援する「フィンテックソリューション」や、顧客企業内に蓄積されたデータの利活用を支援する「ビッグデータ解析」サービスも提供しております。これらが一体となって、お客様のデジタルトランスフォーメーションを実現し、お客様のサービス品質の向上、収益の増加、効率性の向上に貢献してまいります。

 

具体的には、当社グループは、当社及び連結子会社7社で構成しており、以下の3つの事業を展開しております。なお、次の3事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。また、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

 

セグメント名

ビジネス

(1) 金融インフラストラクチャ事業

・証券インフラストラクチャビジネス

・保険インフラストラクチャビジネス

クレジットインフラストラクチャビジネス

(2) フィンテックソリューション事業

・ソリューションビジネス

・マーケティングビジネス

(3) ビッグデータ解析事業

・データライセンスビジネス

・データ解析支援ビジネス

・データAIソリューションビジネス

 

 

 

(1)金融インフラストラクチャ事業

金融インフラストラクチャ事業は、金融サービスを運営するために必要となる複雑な基幹システムを、クラウド上でSaaS型のシステムとして、顧客に提供するものであります。株式会社Finatext、株式会社スマートプラス、スマートプラス少額短期保険株式会社、及び株式会社スマートプラスクレジットが本事業を行っております。

従来型のパッケージ型のシステムと比較し、当社グループの次世代クラウド基幹システムには4つの特徴があります。

1.安価な初期導入費

2.短い導入期間

3.エンドユーザーのニーズに沿ったサービスをテーラーメイドで開発可能

4.既存サービスとの接続によるシームレスなサービス体験

 

これらの特徴を活かして、以下のようなお客様に当社グループのサービスを導入いただいております。

1.BtoCサービスを運営しており、その既存ユーザー向けに金融サービスも提供したいと考える新規参入の事業者

2.デジタル特化の新サービスを立ち上げる際に、新しい基幹システムを採用したいと考える既存金融機関

 

現在は、金融インフラストラクチャを証券ビジネス、保険ビジネス及びクレジットビジネス向けに展開しております。

① 証券インフラストラクチャビジネス

本ビジネスは、第一種金融商品取引業者、第二種金融商品取引業者及び投資運用業者である株式会社スマートプラスが、証券インフラストラクチャ「BaaS」の運営及びパートナー企業への提供を行っており、初期導入時のシステム開発費、月次の定額利用料、証券売買取引に伴う従量課金収益を基本収益として受領しております。

証券インフラストラクチャ「BaaS」は、証券サービスの構築に必要となる多様な外部連携を全てクラウド上で管理することで、パートナー企業は、独自開発時に比べ、初期投資額を最大80~90%削減することができ、企画からサービス開始までの期間も半分以下に短縮することが可能である点が特徴です(注1)当社グループはクラウドサーバーや最新の開発言語及び開発手法を活用することで、複雑なシステムを低コストで効率的に開発することが可能な体制となっております。

 

(注)1.第1種業金融商品取引業者として証券会社を立ち上げる場合における、システム開発(証券業務ミドルバックシステム、証券フロントシステム、ウェブ・モバイルアプリケーション)と体制整備にかかる費用の当社試算値との比較。

 


 

② 保険インフラストラクチャビジネス

本ビジネスは、株式会社Finatextが、保険インフラストラクチャ「Inspire」の開発及び保守を行い、初期導入時のシステム開発費用、月次の定額利用料、保険料収入に伴う従量課金収益を基本収益として受領しております。また、少額短期保険業者であるスマートプラス少額短期保険株式会社が、保険インフラストラクチャ「Inspire」を利用してパートナー企業とともに少額短期保険を提供し、保険料収入を受領しております。

保険インフラストラクチャ「Inspire」は、新規保険商品の導入を短期間で実現できること、そして保険商品を購入から保険金支払いまでの全てのプロセスをオンライン上で行うことができるのが特徴です。

 


 

③クレジットインフラストラクチャビジネス

本ビジネスは、株式会社Finatextが、クレジットインフラストラクチャ「Crest」の開発及び保守を行い、初期導入時のシステム開発費用、月次の定額利用料、金利・手数料収入に伴う従量課金収益を基本収益として受領しております。また、貸金業者である株式会社スマートプラスクレジットが、クレジットインフラストラクチャ「Crest」を利用してパートナー企業とともにファイナンスサービスを提供し、金利・手数料収入しております。

 

 

(2) フィンテックソリューション事業

フィンテックソリューション事業は、金融機関向けにデジタルトランスフォーメーション及びデジタルマーケティングの支援を行っております。「① ソリューションビジネス」と「② マーケティングビジネス」で構成されております。

 

① ソリューションビジネス

金融機関に対して、デジタルトランスフォーメーションの支援を行うことで、主に開発委託費やサービス維持運営費を受領しております。モジュール化されたソリューションを用いてお客様の要件に迅速に対応するだけでなく、お客様のニーズに合わせて、ビジネス企画から開発、マーケティングまでEnd-to-Endのソリューションを提供しております。

例えば、案件事例として、株式会社三菱UFJ銀行による新しい金融デジタルサービスである「Money Canvas」のシステム開発支援を行っております。当該サービスでは、当社グループが保有するデジタル金融の統合基盤技術が採用されております。同技術を用いると、資産運用サービスや保険商品といった様々な金融サービスをラインナップに揃えたプラットフォーム上でアカウントを一元化でき、1つのアカウントで複数の金融機関のサービスを利用することが可能になります。

 

② マーケティングビジネス

PCやスマートフォンを通じて、潜在層ユーザーにアクセスしたい金融機関の販促活動を支援することで、送客ユーザー数等に応じて広告掲載料を受領しております。様々な金融関連サービスに関心を有する潜在層ユーザー向けに、当社のウェブサイトやスマートフォンアプリを通じて、金融に関する学習、デモトレーディング等のゲーミフィケーションや金融商品サービスの比較を行うことができるサービスを提供し、潜在層ユーザーを集客しております。

 

 

(3) ビッグデータ解析事業

ビッグデータ解析事業は、ビッグデータを保有する企業のデータ利活用の促進を支援しており、「① データライセンスビジネス」と「② データ解析支援ビジネス」、「データAIソリューションビジネス」で構成されております。

① データライセンスビジネス

ビッグデータを保有する企業のデータを解析し、解析結果をライセンスとして外部に販売することでデータライセンス料を受領しております。現在はPOSデータやクレジットカードデータ等のデータを中心に、データホルダーとレベニューシェア契約を結び、解析されたデータを官公庁や国内外の機関投資家に提供しております。

 

② データ解析支援ビジネス

金融機関や事業会社に対して、保有するビッグデータを活用したマーケティングやサービス改善、業務効率向上の支援を行い、開発委託費等を受領しております。

 

③ データAIソリューションビジネス

金融機関や事業会社に対して、生成AIを活用するために必要となるデータウェアハウス及び生成AI開発基盤の構築支援を行い、開発委託費等を受領しております。

 

当社グループは、3つのセグメントの事業提供を行う子会社が存在することで、金融インフラストラクチャの開発・運用のみならず、ウェブ・モバイルサービスの企画・開発及びデータ解析も組み合わせて提供することが可能な体制となっております。

 


 

 

当社グループの事業系統図は、次の通りです。

 


 

 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金

主要な事業
の内容

議決権の所有割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

株式会社Finatext
(注)4、5

東京都

千代田区

10,000千円

フィンテックソリューション事業、

ビッグデータ解析事業、

金融インフラストラクチャ事業

100.0

役員の兼任

債務保証

管理業務の受託

不動産の転貸

経理業務の受託
採用業務の受託

株式会社ナウキャスト
(注)4、6

東京都

千代田区

70,004千円

ビッグデータ解析事業

100.0

役員の兼任

管理業務の受託

不動産の転貸

経理業務の受託採用業務の受託

株式会社スマートプラス
(注)4、7

東京都

千代田区

100,000千円

金融インフラストラクチャ事業

85.0

役員の兼任

管理業務の受託不動産の転貸

採用業務の受託資金の貸付

借入枠に対する債務保証

スマートプラス少額短期保険株式会社(注)4

東京都

千代田区

293,992千円

金融インフラストラクチャ事業

93.0

役員の兼任

管理業務の受託

不動産の転貸

採用業務の受託

株式会社
Teqnological

東京都

千代田区

5,000千円

フィンテックソリューション事業

70.0

役員の兼任

管理業務の受託
不動産の転貸

経理業務の受託採用業務の受託

株式会社スマートプラスクレジット(注)4

東京都

千代田区

250,000千円

金融インフラストラクチャ事業

100.0

役員の兼任

管理業務の受託

不動産の転貸

経理業務の受託採用業務の受託

資金の貸付

Teqnological Asia Co,. Ltd

ベトナム

ホーチミン

1,134,000千

ベトナムドン

フィンテックソリューション事業

50.4

(50.4)

 

(注) 1.「主要な事業の内容欄」には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。

2.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

3.議決権の所有割合の(  )内は、間接所有割合で内数であります。

4.特定子会社であります。

5.株式会社Finatextについては、2025年3月期における売上高(連結相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

主な損益情報等

    (1)売上高                               3,374,193千円

    (2)経常利益                               412,561千円

    (3)当期純利益                             285,993千円

    (4)総資産額                             2,213,732千円

    (5)純資産額                             1,612,668千円

 

6.株式会社ナウキャストについては、2025年3月期における売上高(連結相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

主な損益情報等

    (1)売上高                               1,817,957千円

    (2)経常利益                               321,314千円

    (3)当期純利益                             223,943千円

    (4)総資産額                             1,230,005千円

    (5)純資産額                               757,456千円

7.株式会社スマートプラスについては、2025年3月期における売上高(連結相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

    主な損益情報等

    (1)売上高                               2,549,937千円

    (2)経常利益                               242,133千円

    (3)当期純利益                             226,775千円

    (4)総資産額                            13,056,772千円

    (5)純資産額                             2,507,629千円

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

フィンテックソリューション事業

313

6

ビッグデータ解析事業

金融インフラストラクチャ事業

全社(共通)

28

1

合計

341

7

 

(注) 1.従業員数は就業人員(業務委託契約締結者、派遣社員及び社外から当社への出向者を除く)であり、臨時雇用者数(派遣社員を含む)は当該連結会計年度の平均人員を〔 〕内に外数で記載しております。

2.当社グループは、一部を除きセグメントごとの組織としておらず、従業員数をセグメント別に明確に区分することができないため、合算した従業員数を記載しております。

3.全社(共通)は、当社グループの管理機能を担っている持株会社である当社と、各子会社の管理部門の従業員であります。

4.前連結会計年度末に比べ従業員数が47名増加しております。主な理由は、業容の拡大に伴い期中採用が増加したことによるものであります。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

 

2025年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

23

1

44.6

4.2

7,033

 

(注) 1.従業員数は就業人員(業務委託契約締結者、派遣社員及び社外から当社への出向者を除く)であり、臨時雇用者数(派遣社員を含む)は当該事業年度の平均人員を〔 〕内に外数で記載しております。

2.平均年齢、平均勤続年数及び平均年間給与は、年間完全在籍者の平均で算出しております。

3.平均勤続年数は株式会社Finatextでの勤続年数を引き継いで算出しております。

4.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

5.当社は持株会社であるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満であり、特記すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づく公表を行っていないため、記載を省略しております。