第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

 当社の親会社は、株式会社ビジネスブレイン太田昭和(東京証券取引所市場第一部に上場)であり、当社は連結子会社として親会社グループに属しているため、当社の株式上場は親子上場となります。

 親会社グループは、経営会計を基軸にした「総合バックオフィスサポーター」を目指し、コンサルティングやシステム構築・運用、ビジネス・プロセス・アウトソーシング等を展開しておりますが、親会社グループにおいて当社と類似するサイバーセキュリティ事業を展開する会社はなく、当社の独立性が確保されております。その中で、親会社の提供する経営会計システムは、顧客企業のグローバル化やDXの進展に伴い、サイバーセキュリティ対策が重要になっております。また、親会社グループにおいても、各種サイバーセキュリティ対策のニーズが顕在化している状況です。

 親会社は、当社の販売代理店及び最終顧客としての関係にあるため、今後も継続した関係を維持することが、当社の事業成長に有益であると判断し、親子上場となる形を選択しております。

 中長期的には、さらなる当社の事業成長と、一般株主との利益相反を解消していくべく、親会社による当社株式の保有比率を下げ、親子上場を解消していく考えであります。

 

(1)経営方針

 当社は「サイバーセキュリティ教育カンパニー」をコンセプトに掲げております。情報セキュリティ・サイバーセキュリティに特化した専門会社として、セキュリティコンサルティング、脆弱性診断、サイバーセキュリティソリューションをはじめ、セキュリティの全体像を網羅した教育サービスを提供しております。

 特に中堅企業において、情報セキュリティ対策が必要であるものの、サービスを提供する事業者や人材が不足している現状を踏まえ、当社は、長年のセキュリティコンサルティングや脆弱性診断等で培った豊富な知見を社会に還元することで、日本の情報セキュリティレベル向上に貢献することを理念としております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社は、成長性と収益性を重視しており、成長性については売上高の前期比増加率、収益性については売上高営業利益率を重要な経営指標としております。

 

(3)経営環境及び中長期的な経営戦略

 社会システムのネットワーク化が進む近年において、コンピュータ・システムを取り巻く脅威は多様化しており、システムを攻撃されることにより甚大な被害を及ぼす傾向が強まっております。さらに新型コロナウイルス感染拡大防止対策として急速に進展するテレワーク等働き方の変化に伴い、サイバーリスクの及ぶ範囲とその被害は大幅に拡大しております。

 一方で、サイバーセキュリティの専門知識を持つ人材(セキュリティ人材)の多くは、一部の大手サイバーセキュリティ専門企業に所属しており、また、一般企業においては、自社のサイバーセキュリティに関する業務を外部の専門企業へ委託することが一般的であるため、自社内におけるセキュリティ人材の育成方法や育成機会が確立されず、結果的に、日本におけるセキュリティ人材が圧倒的に不足しております。また、サイバーセキュリティに関するサービスを提供する事業者側の提供能力にも限界があり、一般企業、特に中堅・中小企業では、サイバーセキュリティ対策を講じる上での相談先がないのが現状です。

 このような経営環境のもと、当社は「教育」を軸とし、中堅・中小企業に最適化したサービスを提供することで、顧客の自衛力を高め、日本の情報セキュリティレベルを底上げすることを中長期的な経営戦略として、事業を推進してまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 優先的に対処すべき財務上の課題は、現在ありません。今後さらなる事業の拡大と収益性の確保、そしてリスク低減のため、特に下記の5点を優先的に対処すべき事業上の課題として取組んでおります。

①「サイバーセキュリティ教育カンパニー」の更なる訴求

 サイバーセキュリティニーズが高まる一方で、依然としてセキュリティ人材が不足している業界環境のなか、日本全国の企業がサイバーセキュリティ「自衛力」を向上するためには、セキュリティ人材の育成が急務と考えます。コンサルティングや脆弱性診断、緊急対応等のサービスを提供するだけでなく、それらで培った知見を教育コンテンツにも反映して提供することで、本質的な「サイバーセキュリティ教育」を実施するという、明確なビジネスコンセプトを引き続き訴求することで、業界唯一のポジションの確立と、プレゼンスの向上を目指します。

②「点から面へ」戦略のさらなる推進

 顧客ニーズや顧客の状況を的確に捉え、ひとつのサービス提供から多角的なサービス提供へと繋げる「点から面へ」の活動を積極的に展開し、1社当たりの売上高を増加させていきます。

 「点から面へ」の手法としては、当社が保有する7万件を超えるハウスリストを用いたマーケティング活動(プレスリリース、ウェビナー等)や、販売パートナー企業による安定的な見込み顧客の獲得、サービス提供完了時の報告会における体系的なセキュリティ対策の提案(例:脆弱性診断結果を顧客に報告する際に、脆弱性診断員のみならず、セキュリティコンサルタントが同席し、より効果的なセキュリティ対策を提案)等を行います。

 

③東京以外の商圏拡大

 西日本を皮切りに、全国へと商圏拡大を目指します。地元の販売店との連携強化、サイバーセキュリティ分野における診断・研究・教育の拠点を全国展開することによって、全国的なプレゼンス向上と売上高増加を目指します。

 

④業容拡大にともなう人材リソース不足の解消

 セキュリティ人材が不足している業界環境のなか、当社では、社員育成だけでなく社外から安定的に人材リソースを供給できる体制構築に取り組んでおります。

 具体的には、同業他社へ当社の教育コンテンツを提供することで、業界全体のセキュリティ人材を育成したうえで協業を推進したり、沖縄県においては、地元企業のIT人材にセキュリティ教育を実施し、脆弱性診断業務のニアショア化(国内の地方都市への業務委託)を図るなど、「サイバーセキュリティ教育カンパニー」の強みを活かした施策を実行してまいります。

 

⑤新型コロナウイルス感染症の拡大による経済環境の変化への対応

 新型コロナウイルス感染症の拡大が経済環境へ与える影響は甚大であり、今後の当社ビジネスに与える影響も不透明です。当事業年度においては、テレワークが強く推奨されたことによる情報セキュリティ需要の高まりや、教育事業においては、これまでの集合研修型からオンラインでの講座開催へと切り替えたことが受講者数の増加に繋がるなど、当社ビジネスに対する悪影響はありませんでしたが、今後も経済環境の変化を敏感に捉え、柔軟な対応によって当社ビジネスの進展へと繋げることを目指します。

 

2【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 需要の低迷に関するリスク

 当社は、中堅企業を主な顧客とし、サイバーセキュリティ事業に特化したサービスを提供しております。これは、中堅企業におけるサイバーセキュリティの需要が活況であることを背景としておりますが、今後、経済環境の変化等、何らかの要因により、中堅企業におけるサイバーセキュリティの需要が著しく低迷した場合には、当社の事業展開、経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 競合の出現に関するリスク

 当社は、中堅企業を主な顧客とし、サイバーセキュリティ領域で多角的なサービスを提供しております。現在において、中堅企業を主な顧客とする競合はないと考えており、当社はサイバーセキュリティ業界で独自のサービスポジションを獲得しております。これは、大企業向けに高価格のサービスを提供するセキュリティ企業が多い中で、当社が中堅企業向けに最適化した内容と価格でのサービス提供を実現させてきたことによると考えておりますが、競合が出現した場合には、当社の事業展開、経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 人材の確保に関するリスク

 当社の属するサイバーセキュリティ業界では、専門知識を有する人材の不足が共通課題とされております。今後、当社の業容が拡大する一方で、十分な人材を確保できない場合には、サービス提供の遅れや生産性の低下等により、当社の事業展開、経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、サイバーセキュリティエンジニアを育成する教育講座の提供を事業のひとつとしておりますが、同事業を通じて専門人材を育成した企業とのパートナーシップを推進することで、社外より安定的に人材を確保する体制を構築しております。

 また、社内人材については、中途採用を中心に即戦力として活用できる技術経験者を採用し、採用後は、当社の教育講座を無償で受講する等により専門知識の向上を図るとともに、職場環境の整備やモチベーション向上等に注力することで、人材流出を防ぎ、ノウハウや経験の社内蓄積に努めております。

 

(4) 技術革新への対応に関するリスク

 当社が属するサイバーセキュリティの分野は、日々発生する新たな脅威や技術革新等による環境変化に伴い、ニーズが変化しやすい特徴があります。当社では、顧客のニーズを的確に捉え、より実効性のあるセキュリティサービスを提供すべく、新たな脅威や技術革新等に関する情報収集に努めております。しかし、これらの技術革新への対応が遅れ、他社に大きく先行された場合には、当社の事業展開、経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 情報漏洩に関するリスク

 当社のサービスでは顧客の重要な情報を入手します。これらの顧客情報の漏洩は事業展開において大きなリスクであります。当社では、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証を取得し、社内教育の実践、各種データのアクセス権限による制約、書面情報の施錠管理、オフィスの入退室管理等、対策を講じて実践しておりますが、顧客情報の漏洩が発生した場合、当社の事業展開、経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 当社が提供する製品のバグや欠陥の発生によるリスク

 当社が提供するセキュリティ機器や、そのマネージドサービス等において利用するセキュリティ機器は、基本的に製品仕入れをしております。予め十分な検証やテストを実施した後にサービス提供を行っておりますが、サービス提供開始後に、当該製品に重大なバグや欠陥が発生したことが原因で顧客に著しい損害を与えた場合、契約解除に伴う売上の減少等により当社の事業展開、経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 災害、テロ活動、感染症等の発生に関するリスク

 地震や天災といった災害、国内におけるテロ活動などの予期せぬ事態により、当社の事業展開、経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、当社では、テレワークや時差出勤など事業運営に極力支障が生じない体制を構築しており、勤務時においては役職員へのマスク着用、手洗い、消毒の推奨等により感染防止に向けた対策を講じております。しかしながら、当社の役職員が新型コロナウイルス感染症に感染する可能性を完全に排除することは困難であり、万一、社内での感染が拡大した場合は、事業運営の一部に支障をきたす可能性や、事業所の閉鎖等の対応を余儀なくされる可能性があります。

 また、当社の顧客企業は様々な業種に属していることから、特定の業界環境の変化が当社の経営成績等に与える影響は僅少ではありますが、新型コロナウイルス感染症の拡大が長期化し、企業活動が長期間にわたり大幅に制限される等の理由により、景気が著しく悪化し、多くの顧客企業がセキュリティ投資を抑制した場合には、売上の減少や利益率の低下、回収サイトの長期化など、当社の経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) グループ会社との関係について

 当社の親会社は株式会社ビジネスブレイン太田昭和(東京証券取引所市場第一部に上場。以下、親会社といいます。)であり、当社は連結子会社として親会社グループに属しております。

 

 なお、当社と親会社グループとの関係は以下のとおりであります。

 ①資本関係について

 親会社は、当事業年度末現在において当社の議決権の85.0%(本書提出日現在)を直接保有しており、当社に対する大株主としての一定の権利を有しております。このことから、親会社は議決権行使等により当社の経営等に影響を及ぼし得る立場にあり、同社の利益は他の株主の利益と一致しない可能性があります。また、株式市場での売却ではなく、特定の相手先への譲渡を行った場合には、当該譲渡先の保有株数や当社に対する方針によっては、当社の事業戦略等に影響を与える可能性があります。

 ②人的関係について

 本書提出日現在、当社の社外取締役である岡田幸憲は、株式会社ビジネスブレイン太田昭和に所属しており、取締役監査等委員である古谷伸太郎は、2020年6月まで株式会社ビジネスブレイン太田昭和に所属しておりました。これは、同社における経験に基づいた経営的視点や知見を得ることを目的としております。なお、当社の経営方針及び事業展開については、株式会社ビジネスブレイン太田昭和の事前承認を要するものはなく、独自の意思決定によって進めております。なお、当社における株式会社ビジネスブレイン太田昭和からの出向者はおりません。

 ③取引関係について

 親会社グループとの取引については、売上高は216,461千円(2021年3月期 売上高の7.3%)、その他給与計算のアウトソーシング等の取引が発生しておりますが、取引条件については、独立第三者間取引と同様の一般的な取引条件で行っております。

 ④親会社からの独立性の確保について

 当社の経営判断及び事業展開にあたっては、親会社の指示や事前承認に基づいてこれを行うのではなく、独立役員候補者である取締役監査等委員2名を含む取締役会を中心とした当社経営陣の判断のもと、独自に意思決定して実行しております。

 

(9) 資金使途について

 当社の公募増資による資金調達は、中小企業向けセキュリティサービスであるvCISO(virtual Chief Information Security Officer)サービスの開発及び運用費、教育事業の拡大に備えた受講管理システムの開発、資本業務提携に係る投資及び借入金の返済に充当する予定です。しかしながら、外部環境等の影響により、目論見どおりに事業計画が進展せず、調達資金が上記の予定どおりに使用されない可能性があります。また、予定どおりに使用された場合でも、想定どおりの効果を上げることができず、当社の経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

 当社は、当社の取締役及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。また、今後においても新株予約権を活用したインセンティブプランを活用していく方針であります。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。本書提出日現在、これらの新株予約権による潜在株式数は515,700株であり、発行済株式総数3,177,000株の16.2%に相当しております。

 

(11) 法的規制等について

 当社は、当社の事業を制限する直接的かつ特有の法的規制は本書提出日現在において存在しないと考えております。しかしながら、今後、当社の事業を直接的に制限する法的規制がなされた場合、また、従来の法的規制の運用に変更がなされた場合には、当社の事業展開は制約を受ける可能性があります。当社としては引き続き法令を遵守した事業運営を行っていくべく、今後も法令遵守体制の強化や社内教育などを行っていく方針ですが、今後当社の事業が新たな法的規制の対象となった場合には、当社の経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(12) 訴訟等について

 当社の事業運営にあたって、予期せぬトラブルや問題が生じた場合、当社の瑕疵にかかわらずこれらに起因する損害賠償の請求や、訴訟の提起を受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合は、起訴内容や損害賠償額の状況及びその結果によっては当社の社会的信用が低下することに加え、当社の経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①重要な経営指標の状況

 当社は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおり、売上高の前期比増加率及び売上高営業利益率を重要な経営指標としております。

 当事業年度における各指標の実績は、以下のとおりです。

 

(単位:千円)

決算年月

2020年3月

2021年3月

売上高

1,616,613

2,948,871

(前期比増加率)

82.4%

営業利益

75,012

242,836

(売上高営業利益率)

4.6%

8.2%

(注)2020年3月期の前期比増加率は、2019年3月期の数値について、ひびき監査法人の監査を受けていないことから記載しておりません。

 

 当事業年度における、売上高の前期比増加率及び売上高営業利益率の大幅な上昇について、第1の要因は、2020年4月に、同一の親会社を持つ株式会社EPコンサルティングサービスから譲受したITソリューション事業の影響です(売上高730,101千円、売上総利益208,543千円)。売上高においては全社増加分の約54%、売上総利益においては全社増加分の約52%を占めております。

 第2の要因は、ITソリューション事業以外の各事業の成長であり、これらの事業により、売上高は623,975千円増加、売上総利益は194,290千円増加しております。その中でも、売上高及び売上総利益の増加に大きく貢献しているのは、セキュリティソリューション事業及び教育事業です。

 セキュリティソリューション事業では、売上高が330,776千円増加、教育事業では、売上高が111,164千円増加し、この2つの事業でITソリューション事業以外による売上高増加分の約71%を占めております。同様に、セキュリティソリューション事業では、売上総利益が101,055千円増加、教育事業では売上総利益が36,925千円増加し、この2つの事業でITソリューション事業以外による売上総利益増加分の約71%を占めております。

 

 

②財政状態の状況

 第38期事業年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)

(資産)

 当事業年度末における資産合計は2,384,273千円となり、前事業年度末に比べ671,503千円増加いたしました。その主な内容は、現金及び預金の増加435,364千円、売上増加に伴う売掛金の増加199,010千円、事業譲受に伴うのれんの増加121,761千円等であります。

 

(負債)

 当事業年度末における負債合計は1,442,072千円となり、前事業年度末に比べ465,415千円増加いたしました。その主な内容は、事業規模拡大に伴う前受収益の増加382,802千円であります。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は942,201千円となり、前事業年度末に比べ206,088千円増加いたしました。その内容は、利益剰余金の増加162,657千円、第三者割当増資に伴う資本金の増加21,800千円、資本準備金の増加21,630千円であります。

 

第39期第2四半期累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年9月30日)

(資産)

当第2四半期会計期間末における資産合計は2,328,497千円となり、前事業年度末に比べ55,776千円減少いたしました。その主な内容は、前払費用の増加49,301千円、売掛金及び契約資産(前事業年度は「売掛金」)の増加43,716千円、現金及び預金の減少118,024千円等であります。

 

(負債)

当第2四半期会計期間末における負債合計は1,279,772千円となり、前事業年度末に比べ162,300千円減少いたしました。その主な内容は、未払金の減少83,485千円、契約負債(前事業年度は「前受収益」)の減少48,796千円、長期借入金の減少21,450千円等であります。

 

(純資産)

当第2四半期会計期間末における純資産合計は1,048,725千円となり、前事業年度末に比べ106,524千円増加いたしました。その主な内容は、利益剰余金の増加106,524千円であります。

 

 

③経営成績の状況

第38期事業年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴い、経済活動の停滞や縮小による、個人消費の低迷や企業収益の悪化が続きました。政府のGoToキャンペーンなどの施策により一部景気が上向く気配がありましたが、新型コロナウイルス感染者数が年度末に向け再び増加したことから、再度の緊急事態宣言がなされるなど、先行きは依然不透明な状況にあります。

当社が属するサイバーセキュリティ業界を取り巻く環境は、AI技術の発達やIоT機器の普及、新型コロナウイルス感染拡大防止のための急速なテレワークの普及などにより、社会・経済の情報技術への依存度が高まるとともに、サイバー攻撃は増加の一途をたどっております。そのため、あらゆる業種の企業において、管理しなくてはならないサイバーセキュリティリスクは多様化・高度化しており、大規模企業のみならず、相対的にサイバーセキュリティ対策が遅れている中堅・中小企業においても、その対策は必須かつ急務となっております。

このような環境の中、当社は、サイバーセキュリティに関する情報提供・訴求を目的としたセミナーをオンラインで開催するなど、コロナ禍の緊急事態宣言中においても積極的なマーケティング活動を継続したことにより、需要を捉え、受注を伸長させました。また、前事業年度まで集合型で開催していたセキュリティエンジニア育成講座をオンライン型へと切替えたことが、講座の認知度向上と相まって、受講者数の増加を後押ししました。

加えて、2020年4月1日を効力発生日として、株式会社EPコンサルティングサービスより事業の一部を譲り受け、ITソリューション事業を開始したことにより、業容が拡大しました。

これらの結果、当事業年度の経営成績は、売上高2,948,871千円(前年同期比82.4%増)、営業利益242,836千円(同223.7%増)、経常利益239,370千円(同227.4%増)、当期純利益167,657千円(同333.7%増)となりました。

なお、当社はサイバーセキュリティ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

事業別の状況は、以下のとおりであります。

(コンサルティング事業)

 (コンサルティングサービス)

 情報セキュリティ対策の計画立案から、リスクアセスメント、セキュリティポリシーの策定・運用、監査に係るサービスを提供する当事業では、新規に開始した簡易的アセスメントサービスによる案件創出等が奏功し、売上高は402,801千円(前期比24.4%増)となりました。

 

 (脆弱性診断サービス)

 擬似ハッキングの手法を用いたWebアプリケーションやサーバ、ネットワーク機器、データベース等の脆弱性を診断する当事業は、旺盛な社会的ニーズを的確に捉え、売上高は434,337千円(前期比18.5%増)となりました。

 

(教育事業)

 (教育講座)

 セキュリティエンジニア向け教育講座を提供する当事業では、情報セキュリティ分野の人材不足を背景とした社会的ニーズの高まりや、当事業の認知度向上に加え、コロナ禍において、いち早くオンライン型に切り替えたことや、テレワーク教育需要の高まり等によって受講者数が増加しました。

 また、当事業年度においては、当社オリジナルのセキュリティ人材資格「SecuriST(セキュリスト)認定脆弱性診断士」講座を開始し、受講申込数は好調に推移しました。

 これらの結果、売上高273,635千円(前期比68.4%増)と大幅に伸長しました。

 

 (訓練サービス)

 顧客企業・組織内のセキュリティリテラシー向上を図る各種コンテンツを提供する当事業では、世界的に感染拡大したマルウェア対策としての標的型メール訓練サービスの提供を積極的に行ったこと等から、売上高は291,561千円(前期比13.7%増)となりました。

 

(セキュリティソリューション事業)

 顧客が抱える情報セキュリティに係る課題を解決するためのセキュリティ製品・サービスを提供する当事業では、EDR(Endpoint Detection and Response)製品、次世代SIEM(Security Information and Event Management)製品の販売が好調であったことや、世界的なマルウェア感染拡大に起因する緊急対応依頼の急増等から、売上高は839,608千円(前期比65.0%増)と大幅に伸長しました。

 

(ITソリューション事業)

 バイリンガルIT人材の提供、インフラ構築、システム開発を事業内容とする当事業では、主に、既存顧客によるリピート受注が堅調であったことから、売上高は730,101千円(2020年4月1日付で譲受した事業であるため、前期比省略)となりました。

 

第39期第2四半期累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年9月30日)

当第2四半期累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による社会経済活動への制限が続いており、依然として先行きは不透明な状況にあります。

当社が属するサイバーセキュリティ業界を取り巻く環境は、AI技術の発達やIoT機器の普及、新型コロナウイルス感染症対策としてのテレワーク導入やDXの推進など、社会・経済の情報技術への依存度が高まるとともに、サイバー攻撃は増加の一途をたどっております。そのため、あらゆる業種の企業において、管理しなくてはならないサイバーセキュリティリスクは多様化・高度化しており、大規模企業のみならず、相対的にサイバーセキュリティ対策が遅れている中堅・中小企業においても、その対策は必須かつ急務となっております。

このような環境の中、当社は、主に中堅企業の旺盛なセキュリティニーズを捉え、売上高を拡大させました。

当第2四半期累計期間においては、当社サービスの認知度向上を目的に、タレントを起用した動画広告や、SNSを活用した広告施策等、積極的なマーケティング活動を実施することで受注が伸長しました。特に、セキュリティエンジニアのみならず、広くITに関わる人材を対象とした、当社オリジナルの教育講座「SecuriST 認定脆弱性診断士」は大きな反響を得ており、IT企業からの申し込みを中心に受講者数は好調に推移しております。

また、パートナー企業との協業がいっそう進むことで、当社業容が拡大しております。

これらの結果、当第2四半期累計期間の経営成績は、売上高1,916,376千円、営業利益212,815千円、経常利益209,989千円、四半期純利益137,235千円となりました。

なお、当社はサイバーセキュリティ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

 

④キャッシュ・フローの状況

第38期事業年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度に比べ435,364千円増加し652,324千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は767,002千円(前年同期は284,882千円の使用)となりました。この主な要因としては、2020年4月1日付で事業譲受したITソリューション事業による売上高の拡大と、各既存事業においても売上高が伸長したことにより、税引前当期純利益が239,370千円となったことに加え、前受収益の増減額が382,802千円増加したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は240,397千円(前年同期比213.5%増)となりました。この主な要因としては、2020年4月1日付で実施した事業譲受による支出195,000千円、無形固定資産の取得(基幹業務システムの購入やソフトウエア開発等)による支出30,867千円、パートナー企業との関係強化を目的とした投資有価証券の取得による支出12,500千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は91,241千円(前年同期は387,400千円の獲得)となりました。この主な要因としては、2020年4月1日付で実施した事業譲受に伴う金融機関からの長期借入れによる収入214,500千円、第三者割当増資に伴う新株発行による収入43,430千円の一方、短期借入金の純増減額の減少300,000千円、長期借入金の返済による支出42,900千円によるものであります。

 

第39期第2四半期累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年9月30日)

 当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度に比べ118,024千円減少し534,299千円となりました。

 当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は58,108千円となりました。この主な要因としては、税引前四半期純利益が209,989千円となったものの、その他の負債の減少113,528千円、前払費用の増加49,301千円及び法人税等の支払73,583千円により資金が減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は7,245千円となりました。この主な要因としては、本社オフィス及び西日本支社オフィスの工事に伴う有形固定資産の取得による支出4,752千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は52,670千円となりました。この主な要因としては、配当金の支払額30,711千円及び長期借入金の返済による支出21,450千円によるものであります。

 

 

⑤生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社は生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

b.受注実績

 当事業年度の受注実績は次のとおりであります。なお、当社はサイバーセキュリティ事業の単一セグメントであるため、事業部門別に記載しております。

 

事業部門

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

コンサルティング

879,650

124.6

141,481

143.0

教育

582,019

135.1

51,773

148.1

セキュリティソリューション

873,991

81.9

845,446

104.2

ITソリューション

984,901

475,706

内部取引の消去

△24,854

△1,680

合計

3,295,708

149.7

1,512,728

160.1

(注)1.ITソリューションは、2020年4月1日付けで譲受した事業部門であるため、前年同期比(%)は省略しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.売上実績

 当事業年度の売上実績は次のとおりであります。なお、当社はサイバーセキュリティ事業の単一セグメントであるため、事業部門別に記載しております。

 

事業部門

当事業年度

(自2020年4月1日

至2021年3月31日)

前年同期比(%)

コンサルティング(千円)

837,138

121.3

教育(千円)

565,197

134.9

セキュリティソリューション(千円)

839,608

165.0

ITソリューション(千円)

730,101

内部取引の消去(千円)

△23,174

合計(千円)

2,948,871

182.4

(注)1.ITソリューションは、2020年4月1日付けで譲受した事業部門であるため、前年同期比(%)は省略しております。

2.最近2事業年度及び当第2四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自2019年4月1日

至2020年3月31日)

当事業年度

(自2020年4月1日

至2021年3月31日)

当第2四半期累計期間

(自2021年4月1日

至2021年9月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

兼松エレクトロニクス株式会社

247,663

15.3

375,759

12.7

307,574

16.0

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において認識及び分析・検討したものであります。

 

a.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で、かつ、合理的であると考えられる見積りについては、過去実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは次のとおりであります。

 

(繰延税金資産の回収可能性)

 当社は、繰延税金資産の回収可能性を定期的に検討しております。その判断に際して将来の課税所得を合理的に見積り、将来の税負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲内で繰延税金資産を計上しております。回収可能と認められない金額については、評価性引当額を計上しております。

 

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績等

第38期事業年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)

(売上高)

 当事業年度の売上高は2,948,871千円(前事業年度1,616,613千円)となり、前事業年度に比べ1,332,258千円増加しました。主な変動要因については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①重要な経営指標の状況及び③経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

(売上原価・売上総利益・売上総利益率)

 当事業年度の売上原価は2,037,143千円(前事業年度1,142,895千円)となり、前事業年度に比べ894,248千円増加しました。この主な要因は、売上高の増加によるものでありますが、原価を意識した効率的な事業運営が奏功し原価率が前年同期比で1.6ポイント減少しました。

 この結果、売上総利益は911,728千円(前事業年度473,717千円)となり、438,011千円の増加となりました。

 

(販売費及び一般管理費・営業利益)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は668,892千円(前事業年度398,705千円)となり、前事業年度に比べ、270,187千円増加しました。この主な要因は、2020年4月1日を効力発生日として、株式会社EPコンサルティングサービスより事業の一部を譲り受け、ITソリューション事業を開始したことによるコストの増加に加えて、西日本エリア拡大によるコストやそれらに伴う人員の拡充及び売上高の拡大及び当社の知名度向上を目的とした積極的な広告宣伝活動を実施したことによります。

 この結果、営業利益は242,836千円(前事業年度75,012千円)となり、167,824千円の増加となりました。

 営業利益は前事業年度に比べ223.7%の大幅な増加となっております。

 また、重要な経営指標と位置付けている営業利益率は、8.2%(前事業年度4.6%)となりました。

 

(営業外損益・経常利益)

 当事業年度の営業外収益は218千円(前事業年度162千円)となり、56千円の増加となりました。営業外費用は借入金の増加に伴う支払利息を計上したことにより、3,684千円(前事業年度2,071千円)となり、1,613千円の増加となりました。

 この結果、経常利益は239,370千円(前事業年度73,103千円)となり、166,267千円の増加となりました。

 

(特別損益、法人税等、当期純利益)

 当事業年度において、特別利益及び特別損失は計上しておらず、税引前当期純利益は239,370千円(前事業年度73,103千円)、法人税等は71,713千円(前事業年度34,444千円)となりました。

 この結果、当期純利益は167,657千円(前事業年度38,658千円)となり、前事業年度に比べ128,999千円の増加となりました。

 

c.キャッシュ・フローの状況

 キャッシュ・フローの状況分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ④キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

d.経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

e.資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社は、事業運営上必要な資金を安定的に確保するために、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等でバランスよく調達していくことを基本方針としております。これらの資金調達方法の優先順位については、調達時期における資金需要の額、用途、市場環境、調達コスト等を勘案し、最適な方法を選択する方針であります。なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は652,324千円となっており、当面事業を継続していく上で十分な流動性を確保しております。

 

f.経営者の問題意識と今後の方針について

 当社が今後事業を拡大し、収益性を確保しながら持続的な成長を図るためには、経営者は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していく必要があると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、当社の経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。

 

4【経営上の重要な契約等】

(事業譲受)

 当社は、2020年2月21日開催の取締役会において、当社と同一の親会社を持つ株式会社EPコンサルティングサービスから、一部の事業を譲り受けることを決議し、2020年4月1日に同社と事業譲渡契約を締結いたしました。

①相手先企業の名称および取得する事業

 相手先企業の名称 株式会社EPコンサルティングサービス

 事業の名称 ITソリューション事業

 

②事業の譲受の理由

 株式会社EPコンサルティングサービスの持つITソリューション事業は、ITインフラ構築、システム開発、SES等のバイリンガル人材に強みを持っており、当社事業との親和性が高く、当社サービスにさらに付加価値を与え業容拡大に大きく貢献するものと考えております。

 

③事業譲受日

 2020年4月1日

 

④譲受事業の取得価額

 195,000千円

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。