文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社の親会社は、株式会社ビジネスブレイン太田昭和(東京証券取引所市場第一部に上場)であり、当社は連結子会社として親会社グループに属しているため、当社の株式上場は親子上場となります。
親会社グループは、経営会計を基軸にした「総合バックオフィスサポーター」を目指し、コンサルティングやシステム構築・運用、ビジネス・プロセス・アウトソーシング等を展開しておりますが、親会社グループにおいて当社と類似するサイバーセキュリティ事業を展開する会社はなく、当社の独立性が確保されております。その中で、親会社の提供する経営会計システムは、顧客企業のグローバル化やDXの進展に伴い、サイバーセキュリティ対策が重要になっております。また、親会社グループにおいても、各種サイバーセキュリティ対策のニーズが顕在化している状況です。
親会社は、当社の販売代理店及び最終顧客としての関係にあるため、今後も継続した関係を維持することが、当社の事業成長に有益であると判断し、親子上場となる形を選択しております。
中長期的には、さらなる当社の事業成長と、一般株主との利益相反を解消していくべく、親会社による当社株式の保有比率を下げ、親子上場を解消していく考えであります。
(1)経営方針
当社は「サイバーセキュリティ教育カンパニー」をコンセプトに掲げております。情報セキュリティ・サイバーセキュリティに特化した専門会社として、セキュリティコンサルティング、脆弱性診断、サイバーセキュリティソリューションをはじめ、セキュリティの全体像を網羅した教育サービスを提供しております。
特に中堅企業において、情報セキュリティ対策が必要であるものの、サービスを提供する事業者や人材が不足している現状を踏まえ、当社は、長年のセキュリティコンサルティングや脆弱性診断等で培った豊富な知見を社会に還元することで、日本の情報セキュリティレベル向上に貢献することを理念としております。
(2)目標とする経営指標
当社は、成長性と収益性を重視しており、成長性については売上高の前期比増加率、収益性については売上高営業利益率を重要な経営指標としております。
(3)経営環境及び中長期的な経営戦略
社会システムのネットワーク化が進む近年において、コンピュータ・システムを取り巻く脅威は多様化しており、システムを攻撃されることにより甚大な被害を及ぼす傾向が強まっております。さらに新型コロナウイルス感染拡大防止対策として急速に進展するテレワーク等働き方の変化に伴い、サイバーリスクの及ぶ範囲とその被害は大幅に拡大しております。
一方で、サイバーセキュリティの専門知識を持つ人材(セキュリティ人材)の多くは、一部の大手サイバーセキュリティ専門企業に所属しており、また、一般企業においては、自社のサイバーセキュリティに関する業務を外部の専門企業へ委託することが一般的であるため、自社内におけるセキュリティ人材の育成方法や育成機会が確立されず、結果的に、日本におけるセキュリティ人材が圧倒的に不足しております。また、サイバーセキュリティに関するサービスを提供する事業者側の提供能力にも限界があり、一般企業、特に中堅・中小企業では、サイバーセキュリティ対策を講じる上での相談先がないのが現状です。
このような経営環境のもと、当社は「教育」を軸とし、中堅・中小企業に最適化したサービスを提供することで、顧客の自衛力を高め、日本の情報セキュリティレベルを底上げすることを中長期的な経営戦略として、事業を推進してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
優先的に対処すべき財務上の課題は、現在ありません。今後さらなる事業の拡大と収益性の確保、そしてリスク低減のため、特に下記の6点を優先的に対処すべき事業上の課題として取組んでおります。
①「サイバーセキュリティ教育カンパニー」の更なる訴求
サイバーセキュリティニーズが高まる一方で、依然としてセキュリティ人材が不足している業界環境のなか、日本全国の企業がサイバーセキュリティの「自衛力」を向上するためには、セキュリティ人材の育成が急務と考えます。コンサルティングや脆弱性診断、緊急対応等のサービスを提供するだけでなく、それらで培った知見を教育コンテンツにも反映して提供することで、本質的な「サイバーセキュリティ教育」を実施するという、明確なビジネスコンセプトを引き続き訴求し、差別化されたポジションの確立と、プレゼンスの向上を目指します。
②アップセル・クロスセルの更なる推進
中堅・中小企業におけるサイバーセキュリティの課題は多岐にわたっており、それぞれに最適化したサービスを提供することが求められております。ひとつのサービスの提供をきっかけに、当社の様々なサービスを適切に連携させることで、高い取引継続率の維持と、顧客満足度の向上を目指します。
③利益体質の強化
当社は、中期的な経営戦略として、営業利益率の継続的な向上を目指すこととしております。各サービスにおいて、自動化やプロセスの標準化等の工夫を進め、中堅・中小企業に最適化したサービスを提供しながら、強い経営基盤の構築を目指します。
④東京以外の商圏拡大
西日本を皮切りに、全国へと商圏拡大を目指します。地元の販売店との連携強化、サイバーセキュリティ分野における診断・研究・教育の拠点を全国展開することによって、売上高増加を目指します。
⑤業容拡大にともなう人材リソース不足の解消
セキュリティ人材が不足している業界環境のなか、当社では、社員育成だけでなく社外から安定的に人材リソースを供給できる体制構築に取り組んでおります。
具体的には、同業他社へ当社の教育コンテンツを提供することで、業界全体のセキュリティ人材を育成したうえで協業を推進することや、地方企業のIT人材にセキュリティ教育を実施し、脆弱性診断業務のニアショア化を図るなど、「サイバーセキュリティ教育カンパニー」の強みを活かした施策を実行してまいります。
⑥新型コロナウイルス感染症拡大への対応
新型コロナウイルス感染症の影響は、依然として先行き不透明な状況にあります。当社では、役職員へのマスク着用、手洗い、消毒の推奨や、テレワークや時差出勤の導入等、感染防止に向けた対策を講じております。引き続き、役職員の心身の健康に留意しつつ、柔軟な対応によって当社ビジネスを進展させることを目指します。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 需要の低迷に関するリスク
当社は、中堅企業を主な顧客とし、サイバーセキュリティ事業に特化したサービスを提供しております。これは、中堅企業におけるサイバーセキュリティの需要が活況であることを背景としておりますが、今後、経済環境の変化等、何らかの要因により、中堅企業におけるサイバーセキュリティの需要が著しく低迷した場合には、当社の事業展開、経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 競合の出現に関するリスク
当社は、中堅企業を主な顧客とし、サイバーセキュリティ領域で多角的なサービスを提供しております。現在において、中堅企業を主な顧客とする競合はないと考えており、当社はサイバーセキュリティ業界で独自のサービスポジションを獲得しております。これは、大企業向けに高価格のサービスを提供するセキュリティ企業が多い中で、当社が中堅企業向けに最適化した内容と価格でのサービス提供を実現させてきたことによると考えておりますが、競合が出現した場合には、当社の事業展開、経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 人材の確保に関するリスク
当社の属するサイバーセキュリティ業界では、専門知識を有する人材の不足が共通課題とされております。今後、当社の業容が拡大する一方で、十分な人材を確保できない場合には、サービス提供の遅れや生産性の低下等により、当社の事業展開、経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、サイバーセキュリティエンジニアを育成する教育講座の提供を事業のひとつとしておりますが、同事業を通じて専門人材を育成した企業とのパートナーシップを推進することで、社外より安定的に人材を確保する体制を構築しております。
また、社内人材については、中途採用を中心に即戦力として活用できる技術経験者を採用し、採用後は、当社の教育講座を無償で受講する等により専門知識の向上を図るとともに、職場環境の整備やモチベーション向上等に注力することで、人材流出を防ぎ、ノウハウや経験の社内蓄積に努めております。
(4) 技術革新への対応に関するリスク
当社が属するサイバーセキュリティの分野は、日々発生する新たな脅威や技術革新等による環境変化に伴い、ニーズが変化しやすい特徴があります。当社では、顧客のニーズを的確に捉え、より実効性のあるセキュリティサービスを提供すべく、新たな脅威や技術革新等に関する情報収集に努めております。しかし、これらの技術革新への対応が遅れ、他社に大きく先行された場合には、当社の事業展開、経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 情報漏洩に関するリスク
当社のサービスでは顧客の重要な情報を入手します。これらの顧客情報の漏洩は事業展開において大きなリスクであります。当社では、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証を取得し、社内教育の実践、各種データのアクセス権限による制約、書面情報の施錠管理、オフィスの入退室管理等、対策を講じて実践しておりますが、顧客情報の漏洩が発生した場合、当社の事業展開、経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 当社が提供する製品のバグや欠陥の発生によるリスク
当社が提供するセキュリティ機器や、そのマネージドサービス等において利用するセキュリティ機器は、基本的に製品仕入れをしております。予め十分な検証やテストを実施した後にサービス提供を行っておりますが、サービス提供開始後に、当該製品に重大なバグや欠陥が発生したことが原因で顧客に著しい損害を与えた場合、契約解除に伴う売上の減少等により当社の事業展開、経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 災害、テロ活動、感染症等の発生に関するリスク
地震や天災といった災害、国内におけるテロ活動などの予期せぬ事態により、当社の事業展開、経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、当社では、テレワークや時差出勤など事業運営に極力支障が生じない体制を構築しており、勤務時においては役職員へのマスク着用、手洗い、消毒の推奨等により感染防止に向けた対策を講じております。しかしながら、当社の役職員が新型コロナウイルス感染症に感染する可能性を完全に排除することは困難であり、万一、社内での感染が拡大した場合は、事業運営の一部に支障をきたす可能性や、事業所の閉鎖等の対応を余儀なくされる可能性があります。
また、当社の顧客企業は様々な業種に属していることから、特定の業界環境の変化が当社の経営成績等に与える影響は僅少ではありますが、新型コロナウイルス感染症の拡大が長期化し、企業活動が長期間にわたり大幅に制限される等の理由により、景気が著しく悪化し、多くの顧客企業がセキュリティ投資を抑制した場合には、売上の減少や利益率の低下、回収サイトの長期化など、当社の経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8) グループ会社との関係について
当社の親会社は株式会社ビジネスブレイン太田昭和(東京証券取引所市場第一部に上場。以下、親会社といいます。)であり、当社は連結子会社として親会社グループに属しております。
なお、当社と親会社グループとの関係は以下のとおりであります。
①資本関係について
親会社は、当事業年度末現在において当社の議決権の66.0%(本書提出日現在)を直接保有しており、当社に対する大株主としての一定の権利を有しております。このことから、親会社は議決権行使等により当社の経営等に影響を及ぼし得る立場にあり、同社の利益は他の株主の利益と一致しない可能性があります。また、株式市場での売却ではなく、特定の相手先への譲渡を行った場合には、当該譲渡先の保有株数や当社に対する方針によっては、当社の事業戦略等に影響を与える可能性があります。
②人的関係について
本書提出日現在、当社の社外取締役である岡田幸憲は、株式会社ビジネスブレイン太田昭和に所属しており、取締役監査等委員である古谷伸太郎は、2020年6月まで株式会社ビジネスブレイン太田昭和に所属しておりました。これは、同社における経験に基づいた経営的視点や知見を得ることを目的としております。なお、当社の経営方針及び事業展開については、株式会社ビジネスブレイン太田昭和の事前承認を要するものはなく、独自の意思決定によって進めております。なお、当社における株式会社ビジネスブレイン太田昭和からの出向者はおりません。
③取引関係について
親会社グループとの取引については、売上高は328,564千円(2022年3月期 売上高の7.5%)、その他給与計算のアウトソーシング等の取引が発生しておりますが、取引条件については、独立第三者間取引と同様の一般的な取引条件で行っております。
④親会社からの独立性の確保について
当社の経営判断及び事業展開にあたっては、親会社の指示や事前承認に基づいてこれを行うのではなく、独立役員候補者である取締役監査等委員2名を含む取締役会を中心とした当社経営陣の判断のもと、独自に意思決定して実行しております。
(9) 資金使途について
当社の公募増資による資金調達は、中小企業向けセキュリティサービスであるvCISO(virtual Chief Information Security Officer)サービスの開発及び運用費、教育事業の拡大に備えた受講管理システムの開発、資本業務提携に係る投資及び借入金の返済に充当する予定です。しかしながら、外部環境等の影響により、目論見どおりに事業計画が進展せず、調達資金が上記の予定どおりに使用されない可能性があります。また、予定どおりに使用された場合でも、想定どおりの効果を上げることができず、当社の経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は、当社の取締役及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。また、今後においても新株予約権を活用したインセンティブプランを活用していく方針であります。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。本書提出日現在、これらの新株予約権による潜在株式数は515,700株であり、発行済株式総数3,327,000株の15.5%に相当しております。
(11) 法的規制等について
当社は、当社の事業を制限する直接的かつ特有の法的規制は本書提出日現在において存在しないと考えております。しかしながら、今後、当社の事業を直接的に制限する法的規制がなされた場合、また、従来の法的規制の運用に変更がなされた場合には、当社の事業展開は制約を受ける可能性があります。当社としては引き続き法令を遵守した事業運営を行っていくべく、今後も法令遵守体制の強化や社内教育などを行っていく方針ですが、今後当社の事業が新たな法的規制の対象となった場合には、当社の経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 訴訟等について
当社の事業運営にあたって、予期せぬトラブルや問題が生じた場合、当社の瑕疵にかかわらずこれらに起因する損害賠償の請求や、訴訟の提起を受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合は、起訴内容や損害賠償額の状況及びその結果によっては当社の社会的信用が低下することに加え、当社の経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①重要な経営指標の状況
当社は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおり、売上高の前期比増加率及び売上高営業利益率を重要な経営指標としております。
当事業年度における各指標の実績は、以下のとおりです。
(単位:千円)
|
決算年月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
|
売上高 |
2,948,871 |
4,391,317 |
|
(前期比増加率) |
82.4% |
48.9% |
|
営業利益 |
242,836 |
439,950 |
|
(売上高営業利益率) |
8.2% |
10.0% |
当事業年度における、当社の事業環境は、後述の「③経営成績の状況」に記載のとおりであり、主に中堅企業の旺盛なセキュリティニーズを捉えることで、すべての事業において売上高が前期比で増加しました。
なお、2021年3月期における売上高の前期比増加率(82.4%)には、2020年4月に、同一の親会社を持つ株式会社EPコンサルティングサービスから譲受したITソリューション事業による売上高が含まれております。ITソリューション事業による売上高を含まない場合の2021年3月期の売上高の前期比増加率は約37%であったことを踏まえると、当事業年度における全社売上高の前期比増加率(48.9%)は、好調な成長率であると分析しております。
また、当事業年度における売上高営業利益率(10.0%)につきましては、企業認知度の向上を目的とした広告宣伝等、積極的なマーケティング活動や、従業員への期末賞与等により、販売費及び一般管理費が増加したものの、それを上回る売上高の大幅な増加により、売上高営業利益率が上昇しました。
②財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産合計は3,482,070千円となり、前事業年度末に比べ1,097,796千円増加いたしました。
その主な内容は、現金及び預金の増加494,204千円、売掛金及び契約資産(前事業年度は「売掛金」)の増加295,793千円、投資有価証券の増加290,025千円等であります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は1,916,591千円となり、前事業年度末に比べ474,519千円増加いたしました。その主な内容は、契約負債(前事業年度は「前受収益」)の増加222,778千円、買掛金の増加109,863千円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)の増加106,066千円等であります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は1,565,478千円となり、前事業年度末に比べ623,277千円増加いたしました。その主な内容は、利益剰余金の増加230,388千円、資本金の増加193,200千円、資本剰余金の増加193,200千円であります。
③経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、世界的な原油価格の高騰、ロシア・ウクライナ情勢などによる世界経済の停滞も関係し、依然として先行きは不透明な状況にあります。
当社が属するサイバーセキュリティ業界を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症対策としてのテレワーク導入やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進など、社会・経済の情報技術への依存度が高まるとともに、サイバー攻撃は増加の一途をたどっており、あらゆる業種の企業において、サイバーセキュリティリスクは多様化・高度化しております。加えて、国を挙げてのサイバーセキュリティ強化の潮流や、サプライチェーンリスクの対策要請などが追い風となり、相対的にサイバーセキュリティ対策が遅れている中堅・中小企業においても、その対策は必須かつ急務となっております。
このような環境のなか、当社は、主に中堅企業の旺盛なセキュリティニーズを捉え、企業規模に適したセキュリティサービスを提供することで、業績を拡大させております。
当事業年度においては、すべてのサービス部門において需要が増大しました。また、広くITに関わる人材を対象とした、当社オリジナルの教育講座「SecuriST」シリーズが大きな反響を得ており、IT企業からの申し込みを中心に受講者数が好調に推移しました。さらに、積極的なマーケティング活動の実施や、パートナー企業との協業がいっそう進むことにより、当社業容が拡大しております。
これらの結果、当事業年度の経営成績は、売上高4,391,317千円(前期比48.9%増)、営業利益439,950千円(同81.2%増)、経常利益414,331千円(同73.1%増)、当期純利益261,099千円(同55.7%増)と大きく伸長しました。
なお、当社はサイバーセキュリティ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
事業別の状況は、以下のとおりであります。
(コンサルティング事業)
(コンサルティングサービス)
企業のサイバーセキュリティに関する課題について、現状を可視化し、リスクを分析したうえで、適切な改善策を提案するサービスです。セキュリティ改善計画の策定、セキュリティの管理体制やインシデント対応の体制構築の支援、システム監査やセキュリティ監査、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に代表される各種認証取得の支援、インシデント発生をシミュレーションした対応訓練サービス等、幅広く提供しております。
当事業年度においては、サプライチェーンリスクの対策要請に起因し、特に中堅・中小企業からのリスクアセスメントの需要が旺盛であったことから、売上高は611,687千円(前期比51.9%増)となりました。
(脆弱性診断サービス)
ハッカーと同様の技術を持つ専門エンジニアが、企業のネットワークシステムに疑似攻撃を実施し、脆弱性の有無を診断するサービスです。検出した脆弱性については、その詳細な内容と対策措置、結果報告書を提供しております。
当事業年度においては、企業のDX推進に伴い、Webアプリケーションの脆弱性診断の需要が旺盛であったことから、売上高は590,934千円(前期比36.1%増)となりました。
(教育事業)
(教育講座)
セキュリティエンジニア及びITエンジニア向けに、セキュリティに関するトレーニング及び認定資格試験を提供しております。
セキュリティの全体像を網羅した各種講座を取り揃えておりますが、主要なものでは、米国EC-Council International 社の提供する、国際的に認知度の高いセキュリティエンジニア向け講座や、ITに関わる人材を広く対象とした、当社オリジナルのセキュリティ人材資格「SecuriST(セキュリスト)認定脆弱性診断士」等があります。
当事業年度においては、特に「SecuriST(セキュリスト)認定脆弱性診断士」シリーズの講座の受講者数が大幅に伸長し、売上高は423,285千円(前期比54.7%増)となりました。
(訓練サービス)
企業の役職員を対象に、組織全体のセキュリティリテラシー向上を図るコンテンツを提供しております。
標的型メール訓練サービス(トラップメール)は、攻撃メールを模擬した無害の訓練メールを送信し、対象者が訓練メールに含まれるURLリンクあるいは添付ファイルを開封した場合に、教育コンテンツが表示されるとともに、当社が訓練結果を集計し、顧客企業に報告するサービスです。また、企業の日常業務のなかでのセキュリティ対策を分かりやすく説明する、情報セキュリティ対策のe-ラーニングサービス(Mina Secure®)を提供しております。
当事業年度においては、トラップメールの認知度向上等から、売上高は384,730千円(前期比32.0%増)となりました。
(セキュリティソリューション事業)
最新の脅威や攻撃手法に対する有効なセキュリティ製品及び導入・運用サービスを提供しております。また、発生したインシデントに対しては、緊急対応サービスも提供しており、原因及び被害範囲の調査を実施し、事態収束後は、セキュリティ製品の導入支援、運用管理面のサポート、関係者へのセキュリティ教育等、当社の様々なサービス連携で、再発防止に向けたサポートをワンストップで提供しております。
当事業年度においては、機器端末の不審な挙動を検知し、迅速な対応をするためのEDR(Endpoint Detection and Response)製品や、ユーザー・機器等の正常な振る舞いを機械学習し、異常な振る舞いを検知するUEBA (User Entity Behavior Analytics)製品の導入・運用サービスの販売が好調であったことから、売上高は1,188,067千円(前期比41.5%増)となりました。
(ITソリューション事業)
ITインフラ構築やシステム開発、SES(システムエンジニアリングサービス)等、セキュリティ周辺領域のサービスを提供しております。主な顧客は、海外に本社機能を持つ外資系企業や日系グローバル企業です。
当事業年度においては、既存顧客によるリピート受注が堅調であったこと、2020年4月1日付の事業譲受以降、既存サービスとの連携が進んだこと等から、売上高は1,192,611千円(前期比63.3%増)となりました。
④キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度に比べ494,204千円増加し1,146,528千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は328,219千円となりました。この主な要因としては、税引前当期純利益が414,331千円、契約負債の増加額が222,778千円となった一方、売上債権の増加額が295,793千円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は294,649千円となりました。この主な要因としては、投資有価証券の取得による支出281,846千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は460,634千円となりました。この主な要因としては、新株発行による収入386,400千円、長期借入れによる収入280,000千円、既存の長期借入金の返済173,934千円によるものであります。
⑤生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績は次のとおりであります。なお、当社はサイバーセキュリティ事業の単一セグメントであるため、事業部門別に記載しております。
|
事業部門 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
コンサルティング |
1,293,917 |
147.1 |
232,777 |
164.5 |
|
教育 |
846,046 |
145.4 |
88,123 |
170.2 |
|
セキュリティソリューション |
1,500,149 |
171.6 |
1,157,528 |
136.9 |
|
ITソリューション |
1,243,216 |
126.2 |
526,311 |
110.6 |
|
合計 |
4,883,329 |
148.2 |
2,004,740 |
132.5 |
c.売上実績
当事業年度の売上実績は次のとおりであります。なお、当社はサイバーセキュリティ事業の単一セグメントであるため、事業部門別に記載しております。
|
事業部門 |
当事業年度 (自2021年4月1日 至2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
コンサルティング(千円) |
1,202,622 |
143.7 |
|
教育(千円) |
808,016 |
143.0 |
|
セキュリティソリューション(千円) |
1,188,067 |
141.5 |
|
ITソリューション(千円) |
1,192,611 |
163.3 |
|
合計(千円) |
4,391,317 |
148.9 |
(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自2020年4月1日 至2021年3月31日) |
当事業年度 (自2021年4月1日 至2022年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
兼松エレクトロニクス株式会社 |
375,759 |
12.7 |
732,858 |
16.7 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において認識及び分析・検討したものであります。
a.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で、かつ、合理的であると考えられる見積りについては、過去実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは次のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社は、繰延税金資産の回収可能性を定期的に検討しております。その判断に際して将来の課税所得を合理的に見積り、将来の税負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲内で繰延税金資産を計上しております。回収可能と認められない金額については、評価性引当額を計上しております。
(進捗度に基づく収益認識)
当社では、コンサルティング事業のコンサルティングサービスおよびセキュリティソリューション、ITソリューション事業の一部サービスは、一定期間にわたり履行義務が充足される取引と判断し、当該期間に応じた進捗度に基づき収益を認識しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
b.経営成績等
(売上高)
当事業年度の売上高は4,391,317千円(前事業年度2,948,871千円)となり、前事業年度に比べ1,442,445千円増加しました。主な変動要因については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①重要な経営指標の状況及び③経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上原価・売上総利益・売上総利益率)
当事業年度の売上原価は3,031,047千円(前事業年度2,037,143千円)となり、前事業年度に比べ993,904千円増加しました。この主な要因は、売上高の増加によるものでありますが、原価を意識した効率的な事業運営が奏功し原価率が前年同期比で0.06ポイント減少しました。
この結果、売上総利益は1,360,269千円(前事業年度911,728千円)となり、448,541千円の増加となりました。
(販売費及び一般管理費・営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は920,318千円(前事業年度668,892千円)となり、前事業年度に比べ、251,426千円増加しました。この主な要因は、人員の拡充及び売上高の拡大及び当社の知名度向上を目的とした積極的な広告宣伝活動を実施したことによります。
この結果、営業利益は439,950千円(前事業年度242,836千円)となり、197,114千円の増加となりました。
営業利益は前事業年度に比べ81.2%の大幅な増加となっております。
また、重要な経営指標と位置付けている営業利益率は、10.0%(前事業年度8.2%)となりました。
(営業外損益・経常利益)
当事業年度の営業外収益は12千円(前事業年度218千円)となり、205千円の減少となりました。営業外費用は2021年12月20日付の東京証券取引所マザーズ上場にあたり、上場関連費用等を計上したことにより、25,632千円(前事業年度3,684千円)となり、21,947千円の増加となりました。
この結果、経常利益は414,331千円(前事業年度239,370千円)となり、174,961千円の増加となりました。
(特別損益、法人税等、当期純利益)
当事業年度において、特別利益及び特別損失は計上しておらず、税引前当期純利益は414,331千円(前事業年度239,370千円)、法人税等は153,232千円(前事業年度71,713千円)となりました。
この結果、当期純利益は261,099千円(前事業年度167,657千円)となり、前事業年度に比べ93,441千円の増加となりました。
c.キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ④キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
e.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社は、事業運営上必要な資金を安定的に確保するために、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等でバランスよく調達していくことを基本方針としております。これらの資金調達方法の優先順位については、調達時期における資金需要の額、用途、市場環境、調達コスト等を勘案し、最適な方法を選択する方針であります。なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,146,528千円となっており、当面事業を継続していく上で十分な流動性を確保しております。
f.経営者の問題意識と今後の方針について
当社が今後事業を拡大し、収益性を確保しながら持続的な成長を図るためには、経営者は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していく必要があると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、当社の経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。