当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて、重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
[経営成績の状況]
当中間連結会計期間における世界経済は、昨年から続いた中国や欧州での景気停滞が春以降回復傾向に向かうなど、徐々に明るさを見せ始めました。米国においては、堅調な雇用情勢や個人消費に支えられ、拡大傾向が続きましたが、通商政策の変更に伴う一時的な駆け込み需要やその反動の影響が見られるなど、先行き見通しに対する不透明感の高まりが見られました。
中国においては、不動産市場の低迷等が続いたものの、工業生産の回復や自動車販売台数の増加等、いくつかの指標が改善しました。日本においても雇用環境の改善やインバウンド需要の拡大等により景況は改善しました。一方、中国や日本からの対米輸出が春以降減少傾向になるなど、先行き見通しについては不透明感が強まる状況となりました。
電子部品業界におきましては、昨年秋以降の欧州自動車市場の低迷や中国不動産不況による消費低迷が見られたものの、春以降徐々に明るさが見え始めました。また、生成AIの普及やデータセンタ投資の活発化等により情報通信機器市場が引き続き好調に推移するなど、電子部品市場は緩やかな回復傾向となりました。
こうした中、当社では中期経営計画の達成に向けて、リード端子事業における高付加価値製品の拡販、歩留まり改善を柱とした生産工程の効率化や不採算受注の改善、光部品・デバイス事業における次世代製品の開発や製造工程の自動化等、売上の拡大と収益構造の改善に努めました。
また、半導体関連装置用部品の引き合いが増加している高純度石英ガラス製品(SSG®)の量産体制の構築等、中長期的な成長に向けての施策にも取り組みました。
当中間連結会計期間の経営成績は、売上高は7,875百万円(前年同期比2.2%増)、営業利益は1,812百万円(前年同期比1.3%増)、経常利益については、円高の影響で為替差損が発生し、1,297百万円(前年同期比52.9%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は604百万円(前年同期比66.2%減)となりました。中間連結会計期間における期中平均レートは、1米ドル当たり148.41円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(リード端子事業)
当中間連結会計期間におけるリード端子事業の売上高は4,149百万円(前年同期比1.5%増)、セグメント利益(営業利益)は342百万円(前年同期比187.7%増)となりました。
自動車用エレクトロニクス市場では、前半は昨年からの欧州自動車市場における調整が続き、3月以降は米国通商政策の影響への懸念が高まりましたが、中国EV市場が堅調に推移していることや欧州自動車市場においても回復の兆しが見られるなど全体では穏やかな回復基調となりました。
また、民生機器市場においては中国での不動産不況の影響等により市場の調整が続きましたが、情報通信機器市場についてはAIサーバーを中心とするIT需要の拡大により好調に推移しました。
こうした状況の中、自動車関連市場、情報通信機器市場等を中心としたアルミ電解コンデンサの高機能化ニーズを先取りしたリード端子の高付加価値製品の拡販に注力し、採用が進みました。生産体制については、引き続き中国東莞工場での生産能力増強等、海外生産拠点における生産再編を進めたほか、各工場において歩留まり改善等の生産効率改善への取組を強化しました。
また、収益構造の改善を加速するためROIC指標を用いた経営の効率化にも取り組み、資産の圧縮と有効活用等、投下資本に対する収益改善策にも取組を開始しました。加えて、高効率・高精度を実現する次世代溶接技術として、レーザー溶接技術の開発にも引き続き取り組みました。
(光部品・デバイス事業)
当中間連結会計期間における光部品・デバイス事業の売上高は3,725百万円(前年同期比2.9%増)、セグメント利益(営業利益)は1,469百万円(前年同期比12.0%減)となりました。
海底ケーブル向け光デバイス製品では、前半は一部プロジェクトのスケジュール変更や、小型製品への切り替えに伴う既存製品の在庫調整等による短期的な調整が見られたものの、後半は一部プロジェクトの前倒しにより回復傾向となり、売上が増加しました。
また、新しい海底ケーブルプロジェクトの増加や情報通信容量の拡大に向けた技術革新等に対応し、小型製品の拡販に取り組みました。その他の製品につきましては、生成AIの普及拡大やデータセンタ投資の活発化によりファラデー回転子の需給が逼迫する状況となったため、生産能力を順次増強するなど、生産販売の強化に取り組みました。開発面では、情報通信の拡大ニーズに対応した複合製品、モジュール製品の開発を引き続き進めました。また、海底ケーブルのマルチコアファイバ化に対応した光アイソレータ、ファンイン/ファンアウト(※1)デバイス等、次世代製品の開発に取り組みました。
新規事業として強化を進めている高純度石英ガラス(SSG®)製品については、半導体関連の石英部品の引き合いが大幅に増加する中で、継続して拡販活動とサンプル供給に努めたほか、生産能力の増強等、将来の需要増に備えた安定供給体制の整備に努めました。そのほか、衛星光通信市場へ進出に向けて、光部品・デバイスの宇宙での環境試験や、衛星光通信における市場調査と顧客開拓に努めました。
※1:ファンイン/ファンアウト(製品)
マルチコアファイバの各コアとシングルコアファイバのコアを接続する光部品。「ファンイン」とは複数の入力を一つの出力にまとめること、また「ファンアウト」は一つの入力を複数の出力に分岐することです。例えば、1本の光ファイバケーブルに複数のコアを内蔵するマルチコアファイバを海底ケーブルとして使用する際、数十キロメートルごとに設置する光中継器内で、一旦シングルコアファイバへ分岐して光信号を増幅した後に再度一つの出力にまとめ直す場合に使われます。
[財政状態の分析]
(資産)
流動資産は前連結会計年度末に比べ4,471百万円減少し、13,859百万円となりました。これは主に、現金及び預金が2,806百万円、有価証券が1,701百万円減少したことによるものであります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ104百万円増加し、10,457百万円となりました。これは主に、投資有価証券が925百万円増加した一方で、機械装置及び運搬具(純額)が242百万円、リース資産(純額)が224百万円、のれんが291百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ4,367百万円減少し、24,317百万円となりました。
(負債)
流動負債は前連結会計年度末に比べ998百万円減少し、1,946百万円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が181百万円、未払法人税等が755百万円減少したことによるものであります。
固定負債は前連結会計年度末に比べ200百万円減少し、2,108百万円となりました。これは主に、リース債務が190百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ1,199百万円減少し、4,054百万円となりました。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末に比べ3,168百万円減少し、20,262百万円となりました。これは主に、自己株式が211百万円増加し、資本剰余金が2,261百万円、利益剰余金が204百万円、為替換算調整勘定が506百万円減少したことによるものであります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は6,520百万円となりました。
当中間連結会計期間における活動ごとのキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、803百万円の収入となりました。主な資金増加要因は、税金等調整前中間純利益986百万円、減価償却費478百万円、減損損失310百万円、為替差損230百万円、棚卸資産の減少額201百万円、主な資金減少要因は、売上債権の増加額467百万円、法人税等の支払額1,004百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、342百万円の支出となりました。主な資金増加要因は、定期預金の払戻による収入1,083百万円、主な資金減少要因は、有形固定資産の取得による支出388百万円、投資有価証券の取得による支出1,061百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、3,550百万円の支出となりました。主な資金減少要因は、長期借入金の返済による支出181百万円、自己株式の取得による支出2,490百万円、配当金の支払額809百万円であります。
(3) 経営方針・経営環境等
当中間連結会計期間において、重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、重要な変更はありません。
(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当中間連結会計期間において、重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は319百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。