第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する記載は、本書提出日現在、当社が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社は、「SECURE THE SUCCESS」をビジョンに掲げ、企業のDX化促進をセキュリティの視点から支援し、国産型のセキュリティ総合企業として、世界中に誰もが安心できる”安全・安心な情報通信基盤” の実現に向けて貢献してまいります。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社は、既存事業を着実に成長させ、セキュリティの総合企業として事業規模を拡大していくことを中期経営計画の目標としていることから、事業の成長を表す売上高と営業利益を重要な数値ととらえ、前年度からの成長率を重要な経営指標と考えております。

また、当社のビジネスモデルは、データセキュリティ事業におけるソフトウェアの保守料やネットワークセキュリティ事業におけるクラウドネットワークシステムのサービス利用料など、毎年継続した収益となるリカーリングモデルが当社事業の成長の基盤となることから、それぞれの継続契約率についても重要な経営指標と考えております。

 

(3) 経営環境

近年、国をまたいだ不正アクセスやテロリズムによるサイバー攻撃の被害が相次いでおります。また、東京都が2020年4月に実施した都内企業(従業員30人以上)に対するテレワーク「導入率」緊急調査では、新型コロナウイルス感染症の拡大により、62.7%の企業がテレワークを導入しており、テレワークなどの新たなコミュニケーション手段に対しても「サイバーセキュリティ対策」の必要性が一層高まっております。警視庁が発表した「令和2年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」によれば、警視庁において検知したサイバー空間における脆弱性探索行為等は、2016年の1日・1IPアドレスあたり1,692.0件から、2020年には1日・1IPアドレスあたり6,504.4件と、約3.8倍に増加しており、今後においても、高度化を続けるサイバー攻撃の脅威の増加、また、インターネットに接続するデバイスの多様化/数量増加などを背景に、セキュリティビジネスの市場は長期的に伸長することが予測されております。当社を取り巻くこのような環境は、安全保障上の観点からも更なる拡大が見込まれます。

 

<データセキュリティ事業>

DX(デジタルトランスフォーメーション)による組織のデジタル化推進により、サイバー攻撃や内部不正への対策としてログ解析を行うSIEM(注1)製品や、働き方改革の促進などの目的で、様々なシステムのログから行動や統計を分析する統合ログ管理製品の市場は今後更に拡大することが予測されており、これらの機能を有する、当社「データセキュリティ事業」が提供するログ管理製品の需要も更に拡大することが見込まれます。

 

<ネットワークセキュリティ事業>

少子化による国内人口の減少に伴い、「ITエンジニアの慢性的な不足」が顕著になっており、企業がエンジニアを自社で雇用できなくなることで、外部業者への委託やクラウドの利用が今後一層必要とされます。このような環境下において、マネージド型(注2)やクラウド型のセキュリティサービスの市場は、高い伸長率で拡大していくことが予測されており、当社「ネットワークセキュリティ事業」が提供するクラウド型サービスの需要も今後更に拡大することが見込まれます。

 

[用語解説]

注1 SIEM

Security Information and Event Managementの略称。セキュリティ機器やネットワーク機器、サーバ機器などあらゆる機器から出力されるログやデータを一元的に集約し、それらのログやデータを組み合わせて分析することで、サイバー攻撃やマルウェア感染などのセキュリティ事象を検知し、通知することなどを目的とした仕組みのこと。

注2 マネージド型

利用するサービスだけでなく、そのサービスに必要となる機器やソフトウェアの導入や運用、保守などの業務についても一体的に提供するサービスのこと。

 

(4) 経営戦略等

セグメントごとの経営戦略は、以下のとおりであります。

 

<データセキュリティ事業>

① AIによる不正検知の自動化

従来まで、ログは情報漏洩やシステムトラブルといった「事後追跡」に利用されてきました。しかし、今後は予兆検知による「予防措置」にログの活用の場が広がっていくものと考えております。最新のバージョンでは、「AI機能」を実装し、過去のデータをAIが自動分析して、社員ごとや通信ごとに不正可能性をスコアリング(注1)化してリスクを予見できるようになりました。今後の更なる研究開発によって、作為的な不正や不可抗力のアクシデントを未然に予知する仕組みをお客様に提供し、ALogの更なる競争力強化に取り組んでいきます。

 

② 『ALog EVA』による統合ログ市場への進出

更なるお客様からのご要望に応えるため、「統合ログ市場」へ進出いたしました。この製品により広範囲のログ管理が可能となり、近年増加する「サイバー攻撃の原因究明」や「テレワーク時の社員の勤怠管理」にも対応できるようになります。『ALog EVA』は2017年の販売から堅調に伸長しており、引き続き需要が期待できます。

今後は、研究開発と販売促進プロモーションを更に強化し、ビッグデータ解析の標準製品となるよう機能強化を図っていきます。

 

③ 自動化パックの提供

ログ管理市場には、「ログ=専門技術が必要で難解、、、」という固定概念があり、一般的な知識で扱えない専門領域と捉えられております。そこで、当社は『サイバー攻撃自動検知パック』『Microsoft365対応パック』など定義済みのテンプレートを作成して、ログを「誰でも使える簡便な記録分析ツール」を目指し、開発を進めております。今後も、同様のパックを追加製作し、ビックデータ分析の標準製品として成立するよう、他社との差別化を図ってまいります。

 

<ネットワークセキュリティ事業>

① テレワーク用VPNの販売強化

新型コロナウイルス感染症の発生を皮切りに、総務省のテレワークの普及促進も後押しし、在宅での労働体系が一般化しました。それにより、セキュリティレベルの高いリモートアクセス(テレワーク/モバイル用の遠隔暗号通信ネットワーク)の需要が急速に増え、当社『Verona』サービスの契約数も例年と比較して高い伸長率となりました。

今後も恒常的なリモートワークの流れは変わらないと予想され、当社も更なるサービスの機能拡張と販売促進を行い、事業の拡張を図ってまいります。

 

② 無線LANサービスの販売強化

我が国において少しずつ浸透し始めていた在宅勤務のスタイルが、新型コロナウイルス感染症の影響により急速に広まりました。それに伴い、企業の「オフィスのあり方」も見直しが進み、よりフレキシブルな勤務体系が要求されたことで、有線ケーブルを敷設せずに構築できる「無線LAN」の設備導入が加速しております。当社のクラウド無線LANサービス『Hypersonix』は、過去5年間で8倍の売上成長率、1,000社以上の導入を達成しました。今後も恒常的にニューノーマルオフィス体系が継続すると予想され、『Hypersonix』の販売促進を強化します。

 

③ 運用代行サービスの強化

少子化による国内人口の減少と比例する形で、ITエンジニア人材の不足も顕著になっております。経済産業省の推計によると、2030年までに約45万人のIT人材が不足すると言われており、企業は社内エンジニアの不足から、ネットワークセキュリティベンダーによる運用・監視への委託需要が一層強まると思われます。

企業のIT投資が、人材派遣型の労働集約モデルから、社内に人材や資産を持たないクラウドサービスにシフトする可能性は今後も高く、お客様の情報システム業務全般を代行/支援するサービス「Running Supporter」の需要は一層高まると考え、更なるサービス体制の強化、効率化に取り組み、事業を拡大してまいります。

 

④ Ubiquiti(ユビキティ)社 UniFi(ユニファイ)製品の販売開始

クラウドネットワーク機器のグローバル販売実績上位の米国Ubiquiti社製『UniFi』製品は、高性能なインターネットゲートウェイ(注2)、スイッチ、無線アクセスポイントをシームレス(注3)に統合管理できる SDN(注4)製品です。高性能ながらも価格競争力も高く、クラウドネットワークに適した機能を有していることから、当社のクラウドサービス内で利用する機器としてだけでなく、物販流通も今後積極的に展開し、新事業として新たな売上を期待しています。

[用語解説]

注1 スコアリング

収集したログデータをAIが自動分析して、リスクの大きさを数値化する処理のこと。

注2 インターネットゲートウェイ

インターネットに接続するために必要となるルータ機能に加え、セキュリティ機能などを備えた通信機器のこと。

注3 シームレス

サーバやネットワークの機器において、違いを意識することなく一体的に利用または管理できる状態のこと。

注4 SDN

Software-Defined Networkの略称。ソフトウェアを用いてルータなどのネットワーク機器やファイアウォールを一元的に管理、制御することで、柔軟かつ迅速にネットワーク構成を制御する技術の総称。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社が対処すべき課題は以下のとおりです。

 

① 人材採用と育成

当社は、事業規模の拡大に伴う業務量の増加に伴い、優秀な人材を確保・育成することが重要な経営課題であると認識しており、積極的に人材の採用活動を行っております。しかしながら、サイバーセキュリティ対策の技術者、セキュリティシステムの開発者やネットワークを担当するシステムエンジニア、および新規事業の企画者等については、技術革新のスピードが著しく、また、人材市場にAIを担当する技術の経験保有者の絶対数も少ないことから、優秀な人材の確保は容易ではないと認識しております。当社では学生インターンや長期アルバイトからの正社員採用や大学との共同研究による人材交流で、積極的にIT技術者を採用していく方針であります。また、サイバーセキュリティ対策のための知識、AIスキルやプログラム開発の教育制度の受講を促進して高い技術力を獲得させ、その上で透明性・公平性を担保する人事評価制度によって従業員のモチベーションを高める施策を取ってまいります。

 

② 研究開発

毎期事業の発展のために、積極的に研究開発活動に取り組んでおります。本社における開発部隊と札幌市に拠点を置く「さっぽろ研究所」において研究開発を行っております。また、国立大学法人北海道大学等と連携し、AIやビックデータ解析などの先端技術の共同研究も進めてまいります。各拠点における活動により当社の新サービスとして成長させるべく、研究開発に取り組んでまいります。

 

③ 内部管理体制の強化

当社の継続的な発展のために業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。経営の公正性及び透明性確保のためにコーポレート・ガバナンス体制及び内部管理体制の強化を進めております。

 

④ 情報管理体制の更なる強化

当社は情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)(注1)の国際規格であるISO/IEC 27001:2013(注2)の認証を取得しております。情報セキュリティの管理・運営に関して継続的に充実を図り、お客様に高品質の製品・サービスを安全に、安定的に提供していくことが重要だと考えております。また、当期よりCISO(最高情報セキュリティ責任者)担当取締役をおき、内部環境においても情報セキュリティに対して管理体制の強化を進めております。

 

[用語解説]

注1 情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)

個々の問題毎の技術対策の他に、組織のマネジメントとして、自らのリスクアセスメントにより必要なセキュリティレベルを決め、プランを持ち、資源を配分して、システムを運用すること。

注2 ISO/IEC 27001:2013

情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を構築することを目的に、その構築に必要な要求事項や管理策などを記載した国際規格。

 

2【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1) 事業環境に関するリスク

① 事業環境の変化について

顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社事業のセキュリティソフトウェア製品の開発と販売は、発売から十数年で急速にシェアが拡大いたしましたが、ITソフトウェア販売は、一般的に景気動向の影響を受けやすい傾向があります。当社では、データセキュリティ事業、ネットワークセキュリティ事業の複数事業を有する他、研究開発等を通じて、新たな製品・サービスを開発し、他社との差別化を図り、継続的な事業成長に努めております。しかしながら、国内の経済情勢の変化や景気の悪化等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

② 競合について

顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

サイバーセキュリティ市場は、成長業界であることから競合他社が多く存在しており、通信メガキャリアなど、巨大企業とも競合しております。この状況下において、当社ではサービスの開発、販売力の拡充、技術力の強化により、他社との差別化を図っておりますが、競争環境の激化により当社の製品またはサービスが他社に劣後する場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

③ 技術革新への対応について

顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:中長期、影響度:大

当社の主力のデータセキュリティ事業およびネットワークセキュリティ事業の事業領域は技術革新が著しい市場であり、当社ではこうした技術革新に対応し、競争力を維持するため、継続的に研究開発を行っております。しかしながら、研究開発の遅れ、あるいは当社想定を上回る速度での技術革新などにより、当社既存製品やサービスの陳腐化を招く可能性があります。この場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

④ 新型コロナウイルス感染症の流行について

顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:短期、影響度:中

新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、お客様が事業継続の不安により、各種の経費削減の一環として、サイバーセキュリティ対策への投資に意欲的でなくなった場合、また、当社製品/サービスの現地導入作業の際にコロナ禍による接触敬遠の事情からその作業自体が実施できない場合、さらには当社の従業員等に罹患者が発生した場合には、受注契約数が減少して想定通りの売上を獲得できなくなる等、当社において事業が停滞した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 半導体不足について

顕在化の可能性:大、顕在化する可能性のある時期:短期、影響度:中

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う、在宅勤務によるノートパソコンや巣ごもり需要による大型テレビやゲーム機の販売拡大、自動車販売の回復等を背景に半導体の需要が増加しており、供給が間に合わず半導体の不足が生じております。当社ではネットワークセキュリティ事業にて取り扱う製品に関して、半導体不足の影響を考慮し、先行発注により在庫確保に努めております。しかしながら、半導体不足が長期化し、その影響により、納期遅延や調達価格の高騰となった場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(2)事業内容に関するリスク

① 販売会社の依存について

顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社事業は、半数以上が再販事業者を経由した間接販売による売上です。再販事業者は、大手ITベンダーや大手流通サプライヤであり、多くが信用性の高い取引となります。その一方で、当社はエンドユーザーの購買決定及び購入時期において直接の関与度が低いため、再販事業者との定期的なミーティングを開催し、案件状況や購買確度、購入時期等の情報を収集し、受注予測に反映するとともに、営業同行等、再販事業社者のサポートを通じて、予測どおりに受注できるよう努めておりますが、月度の受注予測において、再販事業者の売上計上遅延や想定外の増減等が発生した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

② システムトラブルについて

顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:短期、影響度:中

当社のネットワークセキュリティ事業は、インターネットを介してサービス提供を行うクラウドモデルの事業があり、このクラウドサービスの提供において、地震等の自然災害、火災等の地域災害、コンピュータウイルス、電力供給の停止、通信障害、通信事業者に起因するサービスの中断や停止等、予測不可能な事由によりシステムがダウンした場合には、お客様へのサービスの提供が困難となることがあります。また、アクセス数の増加等の一時的な過剰負荷によって当社あるいはクラウドサービス事業者のサーバが作動不能となった場合や、誤作動が発生した場合等には、システムが停止する可能性があります。さらには、外部からの不正な手段によるコンピュータ内への侵入等の犯罪や役職員の過誤等によって、サービスの改竄や、重要なデータの消失又は流出が発生する恐れがあります。

当社は、このような事態の発生を事前に防ぐべく、セキュリティを重視したシステム構成、ネットワークの負荷分散、サービスの異なるクラウドサービス事業者への冗長化等、安全性を重視した体制作りに取り組んでおります。このような対応にも拘らず大規模なシステムトラブルが発生した場合には、当社に直接的な損害が生じる他、当社システム自体への信頼性の低下等が想定され、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

③ 情報等の漏洩について

顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:中長期、影響度:大

当社は事業活動を通じ、取引先の重要情報や個人情報に接する機会を有しており、継続した情報資産の適切な管理は、セキュリティ事業を展開する当社の重要課題と認識しております。当社ではこのような顧客情報資産の漏洩、紛失、破壊のリスクに対処するために、国際規格であるISO/IEC 27001:2013の認証取得に加えて、各部門担当者と管理者で構成される情報セキュリティ委員会を設置し、従業員教育及び各種の情報セキュリティ対策を講じております。しかしながら、当社からお客様の重要情報等が漏えいするような事態が生じた場合、社会的信用の失墜により、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

④ 外注先の確保について

顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:中長期、影響度:中

当社の事業では、必要に応じて、システムインテグレーション、サポートセンター等について協力会社に外注しております。現状では、有力な協力会社と長期的かつ安定的な取引関係を保っておりますが、適切な技術者、外注先が確保できない場合及び外注コストが高騰した場合、サービスの円滑な提供及び積極的な受注活動が阻害され、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 海外での事業展開について

顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:中長期、影響度:小

当社では、日本のほか、台湾を始めとした東南アジアに対してセキュリティ製品の販売を展開しておりますが、輸出入に関する規制、関連法令等に基づく勧告や手続の執行、または行政による命令や指導を受けた結果、当該事業の遂行が制約された場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 新規事業について

顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:中長期、影響度:中

当社は、データセキュリティ、ネットワークセキュリティを主たる事業としておりますが、事業規模の拡大及び収益源の多様化を実現するために、当社のリスクを慎重に検討し、新規事業に取り組んでいく方針であります。しかしながら、新規事業の開発が、人員不足その他の要因により計画どおりに進捗しなかった場合及び新規事業の収益化が想定どおりに進まなかった場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(3)事業運営体制に関するリスク

① 内部管理体制について

顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社は、内部関係者の不正行為等が発生しないよう、法令遵守に係る規程等を制定し、国内外の法令・ルール等の遵守を徹底しております。また、代表取締役会長直轄の独立した組織として経営企画室を設置し、法令・ルール等の遵守状況の確認等を行い、内部管理体制の充実に努めております。しかしながら、法令等に抵触する事態や内部関係者による不正行為等、不測の事態が発生した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

② 人材の確保・育成について

顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:短期、影響度:中

当社は、事業規模の拡大に伴う業務量の増加に伴い、優秀な人材を確保・育成することは重要な経営課題であると認識しており、積極的に人材の採用活動を行っております。しかしながら、セキュリティシステムの開発者やネットワークを担当するシステムエンジニア等については、人材市場に経験保有者の絶対数も少ないことから、優秀な人材の確保は容易ではないと認識しております。当社では、優秀な人材の確保を継続していく方針ですが、今後適時適切な人材確保及び人材配置が奏功しない場合、又は人材が流出した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

③ 特定経営者への依存について

顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:短期、影響度:中

創業者である代表取締役会長の伊藤整一は、当社の経営方針及び経営戦略全般の決定やその実行において極めて重要な役割を果たしております。現在当社では同氏に依存しないよう経営体制の整備及び人材育成を進めており、新たに代表取締役社長に石田晃太を選任し、事業全般の決定やその実行において権限の委譲を進めております。しかしながら、両氏が何らかの理由により業務執行が困難となった場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 法的規制及び知的財産権に関するリスク

① 法的規制について

顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社は事業運営を行う上で、下請代金支払遅延等防止法、製造物責任法、労働基準法等の一般的な法規制を受けております。当社は法令を遵守し事業運営を行っておりますが、今後既存法令等の改正や新たに当社事業を規制する法的規制が適用された場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社が事業活動を行うに際し以下に記載の許認可を得ており、現在、許認可が取消となる事由は発生しておりません。しかしながら、将来何らかの理由により、法令違反の事象が発生し、監督官庁より業務停止や免許の取り消し等の処分を受けた場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

許認可等の名称

所管官庁等

許認可(登録)番号

有効期間

主な取消事由

一般建設業許可

(電気通信工事業)

東京都

(般-29)

第127807号

2017年4月20日から

2022年4月19日まで

建設業法第29条

古物商許可

東京都

公安委員会

第301051605291号

-

古物営業法第6条

労働者派遣事業許可

厚生労働省

派13-302,679

2020年5月1日から

2025年4月30日まで

労働者派遣法第6条

 

② 知的財産権について

顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:中長期、影響度:大

当社は、知的財産権の保護や管理についてその重要性を認識しており、各事業の運営にあたっては、第三者の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払っております。しかしながら、手続き上の何らかの不備や役職員の過失等により第三者の知的財産権を侵害した場合、損害賠償や使用差し止めの請求を受け、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

一方で、当社が提供するサービスやコンテンツに関する知的財産権が第三者から侵害されないよう、その適切な保護に努めておりますが、何らか事情により当社の知的財産権が侵害された場合、競争優位性の低下等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(5) その他のリスク

① 自然災害について

顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社では、従業員の安全に配慮するとともに、安否確認のための環境が整備されております。また、テレワークを推進し、在宅にて業務遂行できる環境も整備されております。システムについては、バックアップや冗長化、DRサイトの構築により可用性を高めております。しかしながら、地震、火災等の自然災害や、戦争、テロ、感染症の流行等により、当社において人的被害または物的被害が生じた場合、または外部通信インフラ、コンピュータネットワークに障害が生じた場合等の事由によって当社業務の遂行に支障が生じた場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

② 配当政策について

顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社は、設立以来配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しております。しかしながら、当社は成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当し、一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元につながると考えております。将来的には、各期の財政状態及び経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討してまいりますが、現時点において配当の実施及びその実施時期等については未定であります。

 

③ 資金使途について

顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社の公募増資による調達資金の使途については、今後の事業拡大に向けた新たな製品/サービスを研究開発する費用、人員採用費、人件費、新製品/サービスの販売促進のための広告宣伝費に充当する予定であります。しかしながら、経営環境等の急激な変化により上記の資金使途が想定通りの成果をあげられない可能性があります。

 

④ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

顕在化の可能性:大、顕在化する可能性のある時期:短期、影響度:中

当社は、当社の役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与する予定であり、発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は12.74%となっております。これらの新株予約権が行使された場合には、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権行使割合が希薄化する可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

 

a 経営成績

第25期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)

 

当事業年度においては、新型コロナウイルス感染症による経済活動の停滞ムードが続いている環境でありますが、当社の属する情報通信業界は、大企業・中堅企業を中心に事業構造の変革や競争力の強化を目的としたIT投資が一定水準以上で継続したことに加え、企業のクラウド利用の一層の拡大、相次ぐサイバーセキュリティ事故への対策を含む事業継続力の強靭化需要など、当社のビジネス参入機会が一層拡大しました。

また、テレワークの急速な普及により、セキュリティレベルの高いリモートアクセス(テレワーク/モバイル用の遠隔暗号通信ネットワーク)の需要が急増しており、「Network All Cloud」のサービスのひとつであるクラウドVPNソリューションサービス「Verona」においては、多くの企業からお問い合わせを受けております。

さらに、当第2四半期より、Ubiquiti UniFiシリーズ製品の販売を開始いたしました。Ubiquiti社は、「ネットワークテクノロジーの民主化」をテーマに、世界でネットワーク製品を展開している米国の企業で、これまでの総出荷台数は約8,500万台を超え、アメリカの無線アクセスポイント市場では、トップクラスのシェアを誇っております。

Ubiquiti社の製品の導入により、当社がこれまで培ってきた、クラウド型ネットワークインフラ「Network All Cloud」における2,000社以上の企業ネットワークを構築・運用してきた実績と、多数在籍するネットワークエンジニアの専門性、そして、Ubiquiti社の高品質なネットワーク機器を掛け合わせることで、導入から運用まで、ハイレベルなネットワーク環境をお客様へご提供する相乗効果があります。

この結果、当事業年度の売上高は2,314,581千円(前期比7.1%増)、営業利益は186,924千円(前期比45.8%増)、経常利益は185,808千円(前期比43.9%増)、当期純利益は125,931千円(前期比65.3%増)となりました。

 

セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

データセキュリティ事業

コロナ禍により企業への導入作業ができない時期があり、第1四半期においては、前年同期比減収となりましたが、その後大型の官公庁関連の受注などで収益が改善しております。この結果、当事業年度における売上高は1,050,004千円(前期比1.9%増)、セグメント利益は601,980千円(前期比2.2%増)となりました。

 

ネットワークセキュリティ事業

当事業年度において、新型コロナウイルス感染症による社会環境の変化により、大きく影響を受けた年となりました。テレワーク導入企業の増加や、大型医療機関や大学等のネットワーク環境整備が進み、堅調な結果となりました。また期中に導入したUbiquiti社の製品の導入により、新たな収益機会を確保できるようになりました。この結果、当事業年度における売上高は1,264,577千円(前期比11.7%増)、セグメント利益は218,198千円(前期比93.7%増)となりました。

 

第26期事業年度第3四半期累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)

 

 当第3四半期累計期間においては、東京オリンピック2020の開催、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種拡大による収束期待といった明るい話題があるものの、感染収束の不透明さや半導体不足の長期化など、日本国内における経済状況は依然として不透明な状況にあります。

 

 このような経営環境の中、当社のデータセキュリティ事業では、新型コロナウイルス感染症拡大によるログ管理に対する投資抑制圧力や現地作業の延期などにより受注に影響はあったものの、第3四半期には回復の兆しが見られております。また、テレワーク環境整備、オフィス内におけるWEB会議等のためのWiFi環境整備に対する需要は引き続き高く、当社の「Network All Cloud」のビジネス機会が拡大し、ネットワークセキュリティ事業は増収増益となりました。

この結果、当第3四半期累計期間の売上高は2,146,087千円、営業利益は288,221千円、経常利益は297,552千円、四半期純利益は191,746千円となりました。

 

セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

データセキュリティ事業

当第3四半期累計期間においては、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によるログ管理への投資抑制圧力並びに現地作業の延期などから、2021年上期(2021年1月1日~2021年6月30日)は、前年同期比で減収となりましたが、新型コロナウイルスワクチンへの期待もあり、回復の兆しが見られ、第3四半期は増収となりました。この結果、第3四半期累計期間における売上高は、796,519千円、セグメント利益は、443,130千円となりました。

 

ネットワークセキュリティ事業

当第3四半期累計期間においては、半導体不足に対する対応策として先行して機器の在庫確保を行ったことが奏功し、高需要の「クラウドVPN Verona」(テレワーク環境整備)、「クラウド無線LAN Hypersonix」(オフィスのWiFi環境整備)の安定供給が実現し、業績は好調に推移いたしました。

この結果、第3四半期累計期間における売上高は、1,349,567千円、セグメント利益は、274,787千円となりました。

 

b 財政状態

第25期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)

 

(資産)

当事業年度末における総資産は1,863,216千円となり前事業年度末と比較して427,527千円増加しました。テレワーク導入企業の増加やネットワーク環境整備が進んだことにより、売上が拡大し債権が増加したことに加えて、新型コロナウイルス感染症がわが国経済にもたらす影響を鑑み、金融機関から運転資金の調達を行いました。その結果、現金及び預金が393,635千円増加いたしました。また、当期にリリースした販売用ソフトウエアの増加によりソフトウエアが39,408千円増加いたしました。

 

(負債)

当事業年度末における負債合計は1,390,293千円となり前事業年度末と比較して291,715千円増加しました。新型コロナウイルス感染症がわが国経済にもたらす影響を鑑み、金融機関から運転資金の調達を行い長期借入金(一年以内含む)が207,731千円増加し、また取引先増加による前受金が138,723千円増加いたしました。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産は472,922千円となり、前事業年度末と比較して135,811千円の増加となりました。これは主に当期純利益の計上による利益剰余金合計125,931千円の増加、第三者割当のための自己株式3,559千円を処分、及びその処分差益により資本剰余金が6,320千円増加したこと等によるものです。

 

セグメント別の財政状態は、取締役会が経営の意思決定上、当該情報をセグメントに配分していないことから記載しておりません。

 

第26期事業年度第3四半期累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)

 

(資産)

 当第3四半期会計期間末における総資産は2,111,511千円となり前事業年度末と比較して248,295千円増加しました。これは前事業年度と同様にネットワークセキュリティ事業の売上が好調であったため、現金及び預金が194,800千円、及び売掛金が64,852千円増加したこと等によるものです。

 

(負債)

 当第3四半期会計期間末における負債合計は1,446,842千円となり前事業年度末と比較して56,549千円増加しました。これは借入金の返済により長期借入金が63,813千円減少した一方で、取引先増加により前受金が89,106千円増加したこと、またネットワークセキュリティ事業の売上が好調だったことにより部材費、外注費が増加したこと売上原価が増加し、買掛金が28,458千円増加したこと等によるものです。

 

(純資産)

 当第3四半期会計期間末における純資産は664,669千円となり前事業年度末と比較して191,746千円増加しました。これは四半期純利益の計上により利益剰余金が191,746千円増加したことによるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

第25期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)

 

当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末と比較して393,635千円増加し、921,819千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの変動要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度の営業活動におけるキャッシュ・フローは273,326千円の収入(前事業年度は211,759千円の収入)となりました。これは主に法人税等の支払額75,305千円、未払金の減少額37,625千円、ネットワークセキュリティ事業の売上増加に伴う機器部材の購入によるたな卸資産の増加額32,254千円等の支出があった一方で、税引前当期純利益183,431千円、取引先の増加による前受金の増加額138,723千円、工具、器具及び備品、ソフトウエア資産の増加による減価償却費67,694千円、売上債権の減少額12,082千円等の収入によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度の投資活動におけるキャッシュ・フローは97,302千円の支出(前事業年度は116,889千円の支出)となります。これは主に社内利用のPC、サーバ、さっぽろ研究所設立に伴う工具、器具及び備品等の有形固定資産24,897千円の取得、またソフトウエアの購入及び販売用ソフトウエアの製作による無形固定資産72,393千円の支出によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度の財務活動におけるキャッシュ・フローは217,611千円の収入(前事業年度は11,296千円の支出)となります。これは主に新型コロナウイルス感染症の影響に備えた長期借入れによる収入230,000千円があった一方で、その長期借入金の返済による支出22,269千円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.受注実績

 概ね受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。

 

c.販売実績

 第25期事業年度及び第26期事業年度第3四半期累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

第25期事業年度

(自2020年1月1日

至2020年12月31日)

前期比(%)

データセキュリティ事業(千円)

1,050,004

101.9

ネットワークセキュリティ事業(千円)

1,264,577

111.7

合計(千円)

2,314,581

107.1

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

セグメントの名称

第26期事業年度第3四半期累計期間

(自2021年1月1日

至2021年9月30日)

データセキュリティ事業(千円)

796,519

ネットワークセキュリティ事業(千円)

1,349,567

合計(千円)

2,146,087

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針の見積り及び当該見積に用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。財務諸表の作成に当たり、資産及び負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関し、第25期事業年度については「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に、第26期第3四半期累計期間については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 当第3四半期累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)に関する注記事項(追加情報)」に記載しております。

会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは次のとおりとなります。

 

(繰延税金資産の回収可能性)

当社は、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について、繰延税金資産を計上することとしております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

 

② 経営成績の分析

第25期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)

 

a 売上高

当事業年度における売上高は、2,314,581千円(前期比7.1%増)となりました。

セグメント別の内訳は次のとおりとなります。

データセキュリティ事業では、ソフトウエア保守継続率が86.9%と高い更新率を維持したことにより、ソフトウエア保守の売上が安定的に伸長(前期比10.0%増)し、当社において重要な指標としておりますデータセキュリティ事業のストック売上高前期比10%以上を達成いたしました。その結果、当事業年度売上高は1,050,004千円(前期比1.9%増)となりました。

ネットワークセキュリティ事業では、データセキュリティ事業同様、サービス解約率が7.1%と、高いサービス継続率を維持したことにより、リカーリング収益であるクラウドのサービス利用料の売上が伸長(前期比23.1%増)し、当社において重要な指標としておりますネットワークセキュリティ事業のストック売上高前期比15%以上を達成いたしました。また、テレワーク需要による新規案件数が前期比で、36.4%増加したことが要因となり、当事業年度売上高は、1,264,577千円(前期比11.7%増)となりました。

 

b 売上原価、売上総利益

当事業年度における売上原価は、1,000,705千円(前期比0.2%増)となりました。売上高の伸長は、データセキュリティ事業・ネットワークセキュリティ事業ともにリカーリング収益の伸長が大きな要因であるため、売上原価は僅かな増加となりました。この結果、売上総利益は1,313,876千円(前期比13.0%増)となりました。

 

c 販売費及び一般管理費、営業利益

当事業年度における販売費及び一般管理費は、1,126,951千円(前期比8.9%増)となりました。これは主に、業績拡大に伴う人件費の増加のほか、当社製品の認知度を高めるための宣伝広告費投資を行ったことにより、広告宣伝費、人件費等が増加しました。この結果、営業利益は186,924千円(前期比45.8%増)となりました。

 

d 営業外損益、経常利益

当事業年度における営業外損益は、営業外収益が前事業年度に比べ863千円減少し、858千円となりました。また、営業外費用は、前事業年度に比べ1,186千円増加し、1,975千円となりました。この結果、経常利益は185,808千円(前期比43.9%増)となりました。

 

e 特別損益、当期純利益

当事業年度における特別損益として、特別損失は、前事業年度に比べ2,121千円増加し、2,376千円となりました。これは固定資産除却損220千円、関係会社清算損2,156千円を計上したことによるものであります。また法人税等は57,500千円となりました。この結果、当期純利益は125,931千円(前期比65.3%増)となりました。

 

第26期事業年度第3四半期累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)

 

a 売上高

 当第3四半期累計期間における売上高は2,146,087千円となりました。

 セグメント別の内訳は次のとおりとなります。

 データセキュリティ事業では、新型コロナウイルス感染症の影響による景気停滞のため、ソフトウエアのライセンス売上が減少したものの、ソフトウエア保守の売上が引き続き堅調に伸長した為、売上高は796,519千円となりました。

 ネットワークセキュリティ事業では、新型コロナウイルス感染症の影響で生活スタイルの変化を余儀なくされ、それとともにリモートワーク対応に伴うセキュリティやネットワークの強化などITインフラの見直しの需要が高まりました。当社が取り扱うNetwork All Cloud・Ubiquiti製品はネットワークインフラの市場ニーズにマッチし、堅調なインバウンドリードの創出、及び顧客獲得につなげることができました。そのため、ネットワークセキュリティ事業の売上高は伸長し1,349,567千円となりました。

 

b 売上原価、売上総利益

 当第3四半期累計期間における売上原価は1,022,163千円となりました。

 これはNetwork All Cloudの売上伸長に伴うアクセスポイントなどの部材費の出庫増加、及び外注請負社員の人数増加による外注費の増加によるものです。この結果、売上総利益は1,123,923千円となりました。

 

c 販売費及び一般管理費、営業利益

 当第3四半期累計期間における販売費及び一般管理費は835,701千円となりました。これは従業員の増員による人件費の増加によるものです。この結果、営業利益は288,221千円となりました。

 

d 営業外損益、経常利益

 当第3四半期累計期間における営業外損益は、札幌市IT・コンテンツ・バイオ立地促進補助金などの助成金、補助金収入等により営業外収益が13,723千円を計上いたしました。営業外費用は、支払利息及び、株式上場に関する費用の計上により4,392千円となりました。この結果、経常利益は297,552千円となりました。

 

e 特別損益、四半期純利益

 当第3四半期累計期間における特別損失は0千円、法人税等は105,805千円となりました。この結果、四半期純利益は191,746千円となりました。

 

③財政状態の分析

第25期事業年度及び第26期事業年度第3四半期累計期間の財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 b 財政状態」に記載の通りであります。

 

④ キャッシュ・フローの分析

前述の「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、製造・開発活動に係る人件費及び外注費、販売費及び一般管理費の広告宣伝費用等による運転資金であります。これらの資金につきましては、営業活動によって得られる資金でまかなうことを基本として、必要に応じて金融機関から調達を実施する方針であります。

また、資金の流動性については、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、921,819千円あり、事業運営上、必要な資金は確保されていますが、今後も十分な流動性を維持していく考えであります。

 

⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑦ 経営者の問題意識と今後の方針について

経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社における研究開発活動は、最先端技術の探求と新しいビジネス展開を推進するため、新製品を開発することを主目的として推進してまいりました。当社の研究開発体制は、主に開発部とマーケティング部が担当しております。技術力の更なる強化と高収益を伴った成長を実現するため、お客様のご要望を注視し、顧客満足度を継続的に向上させるべく、研究開発に取り組んでおります。

 

第25期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)

当事業年度における研究開発費の総額は、52,657千円となりました。セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。なお、研究開発費の総額には特定のセグメントに関連付けられない事業横断的な研究開発に係る費用2,332千円が含まれております。

 

<データセキュリティ事業>

ALog製品において、AI技術による「ログの相関分析」や「異常検知精度の向上」等の研究開発を行いました。また、セキュリティ分野だけでなく、働き方改革やサイバー攻撃対策などへAIの適用範囲を拡大するための調査研究を実施しました。これにより当事業年度の研究開発費の総額は、43,340千円となりました。

 

<ネットワークセキュリティ事業>

Veronaサービスにおいて、「ルータの仮想化」の研究開発を実施しました。クラウド事業者やデータセンター事業者が当社のサービスを利用できるようにするために実施しました。また、この開発はハードウェアを必要としない構成が可能なため、当社の販売粗利率も向上します。これにより当事業年度の研究開発費の総額は、6,984千円となりました。

 

第26期事業年度第3四半期累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)

当第3四半期累計期間における研究開発費の総額は、75,231千円となりました。セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。なお、研究開発費の総額には特定のセグメントに関連付けられない事業横断的な研究開発に係る費用13,760千円が含まれております。

 

<データセキュリティ事業>

ALog製品において、AI技術による「ログの相関分析」や「異常検知精度の向上」等の研究開発を行いました。また、現在はパッケージとして提供されているALogをクラウドサービス(SaaS)として提供する為の研究開発を行っています。これにより当第3四半期累計期間の研究開発費総額は、42,320千円となりました。

 

<ネットワークセキュリティ事業>

Veronaサービスにおいて、Office365やWindows Update等の安全な通信はVPNを経由させずにダイレクトに通信させる「ローカルブレイクアウト」の研究開発を行いました。また、VPN接続時にAzureADと連携する事による認証強化・シングルサインオン機能の研究開発を行いました。これにより当第3四半期累計期間の研究開発費の総額は、19,149千円となりました。