第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 本書提出日現在における経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。また、文中の将
来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。


(1)経営方針

 当社グループは、顧客の課題を解決する適切なDXの推進によって、様々な業界から社会を変革しようとする顧客の挑戦を支え、顧客の競争優位性を高めるパートナーとなることで、顧客と共に「新しい景色の創造」を達成します。

 日本ならびに世界が大きな転換期にある中、当社グループの起源であるベトナムと日本の両国がWin-Winとなる形で、顧客と共に成長し、顧客と共に新しい景色を創造し続けることで、今後とも企業グループとしての持続的な成長を目指してまいります。

 

(2)経営環境

 新型コロナウイルス感染症の拡大が国内外の企業経営に大きな影響を与える中においても、当社グループが属する情報サービス産業においては、経営の効率化や生産性の向上、新事業の立ち上げなどに向けて、DX推進への関心は高まっております。

 現在の日本社会は、少子高齢化から産業界の人材不足が大きな社会問題となっていますが、その中でもIT人材の不足は深刻です。2030年時点でのIT人材の需要と供給の差(需給ギャップ)は、需要が供給を16~79万人上回ると試算した調査もあり(※1)、需給ギャップの緩和に向けて生産性の向上やIT人材の確保が強く求められています。さらに同感染症対策として、企業のリモートワークへの対応や非対面式ビジネスへの移行が不可欠となっており、働き方改革をはじめとした企業活動の在り方が問われる中、日本社会のデジタル化の遅れが露呈して大きな社会問題となっています。特に、DX分野の成熟度に関して、米国においては、DXによる新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通してこれまでにない価値を創出した企業により、従来のビジネスモデルが脅かされ、既存の産業構造の変革に至るデジタル・ディスラプションが進んでおります。同様の動きは今後日本でも本格化することが予測され、チャンスにもリスクにもなり得ることから、各企業にとっては一刻も早い取り組みが求められています。

 一方で、2025年の壁といわれる、複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存のレガシーシステムが改革されずに企業内に残存し、その維持管理費が高騰する中で、自社データの活用ができず、日々進化する市場の変化に対応したビジネスモデルの変革も進まないという構造的な課題も表面化しています。特に従業員300名以下の企業においては、約50%もの企業が自社内にITのスキルを蓄積、内製化する取り組みが進んでおらず、70%近くの企業はDXに取り組んでいない、あるいは分からないと回答した調査結果があり(※2)、当社グループがサービスを提供するDX推進市場の可能性を示しているものと考えております。

 当社グループが、日本のDX推進市場で開発拠点としているベトナムには、次のような特徴、優位性があると考えております。

①エンジニアリソースの豊富さと優秀さ

 ベトナムでは、国策としてIT人材輩出を掲げ、特にSTEM(科学・技術・工学・数学)教育を重点的に推進しており、中学校からコーディングやIT科目が導入されています。また、OECDが2015年に各国・地域の科学的リテラシーを実施したPISA調査では、全79カ国・地域のうち、上位8位にランクインした実績があります(※3)。

 

②高い日本語習得能力

 ベトナムではスキルアップのための外国語の習得熱が高まっており、日本語の学習人口も近年、大幅に拡大しています。国際交流基金がまとめた「2018年度 海外日本語教育機関調査報告書」によると、ベトナムにおける日本語学習人口は2018年時点で約17万5,000人と世界6位にランクしていますが、伸び率でみると、前回調査時(2015年)と比べて2.7倍と急増し、他の国・地域を大きく引き離しています(※4)。

 

③勤勉で向上心旺盛な性格

 ベトナムには親日家が多く、日本人と似て勤勉な性格だと言われています。また、新しい開発知識、英語や日本語の外国語の習得など成長意欲が高く、自身のスキルアップのための教育投資を積極的に行う傾向があります。

 

④時差

 ベトナムと日本の時差は、-2時間です。日本の就業時間との時間差はほとんどなく、迅速に対応することが可能です。

 

⑤安定したインフラ環境

 ベトナムは、道路、港湾、治水、及び情報通信インフラ整備に特に力を入れており、インターネット普及率も高く、インフラ環境は安定しています。

 

⑥コストメリット

 オフショア先進国である中国やインドと比較すると、ベトナムのエンジニアは、費用対効果に優位性があります。

 

 当社グループは、そのベトナムの多くの若く優秀なエンジニア達を中心に、DXの推進による『業務の改革』や『新しい事業の立ち上げ』を通して、様々な業界から社会を変革しようとする顧客の挑戦を支えつつ、顧客の競争優位性を高めるパートナーであることによって、『顧客と共に成長』し、『新たな景色を創造』することを達成してまいります。

 

注記:

(※1)経済産業省委託による、みずほ情報総研株式会社の「IT人材需給に関する調査」(2019年3月)において、生産性の上昇率を最大の0.7%で試算した場合

(※2)独立行政法人情報処理推進機構 社会基盤センター IT人材白書2020

(※3)OECD 生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)のポイント、P15(文部科学省・国立教育政策研究所)

(※4)2018年度 海外日本語教育機関調査報告書(国際交流基金)

 

(3)経営戦略

 当社グループは、上記の経営環境の中で、ハイブリッド型サービスを通じて、顧客課題を解決します。

 ハイブリッド型サービスは、当社が中心となり顧客のサービス設計、システム設計の上流を担い、ベトナム子会社が擁するエンジニアリソースと連携することで顧客サービスの上流工程から下流工程に至る一連のサービスを提供しています。デザインシンキング(※1)等を用いたサービス設計、リーンスタートアップ(※2)による開発、経験豊富なPM(※3)やSE(※4)による要件整理やシステム設計、ベトナム子会社が擁する豊富な開発リソースを駆使したプロダクト開発によって顧客のビジネス成長を推進します。

 当社グループの売上比率は、ストックサービスが2020年9月期で94%、2021年9月期で89%となっており、今後もストックサービスの売上比率を高めていく方針です。

 そのために、ストックサービス数の拡大とストックサービス単価の向上を重要指標としております。ストックサービスは、開発リソースを専属のチームとして中長期的に提供するサービスで、チームの規模が大きくなるほどチーム単位のサービス金額(単価)が向上して、収益基盤の安定化につながるサービス形態です。ストックサービス数については、まだDXを本格的に導入できていない中堅・中小企業を中心に既存顧客からの紹介強化、WEBからの流入強化、営業体制の強化によって、増加を図る計画です。ストックサービス単価は、既存顧客の開発チームの増員、新たなプロジェクトによるチームラインの増加、サービス設計・システム設計などの付加価値の高い上流工程からの関与によって、単価向上を図ってまいります。

 

注記:

(※1)課題を解決に導くために用いられるマインドセットのひとつ。デザインで使われる考え方を、さまざまなビジネスの場面に応用する手法

(※2)コストをかけずに最低限の製品・サービス・機能を持った試作品を短期間でつくり、顧客の反応を的確に取得して、顧客がより満足できる製品・サービスを開発していくマネジメント手法

(※3)プロジェクトマネージャー。プロジェクトのスコープ管理、進行管理、予算、品質、納期管理など全体管理責任を持つ人材

(※4)システムエンジニア。要求に従い、機能仕様から実装に至るまでの業務に従事する人材

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 当社グループは、ストックサービスを維持、拡大させることで経営の安定化を図る方針であり、新規プロジェクトの獲得によるストックサービス数の増加、及び既存顧客からの増員、新たなプロジェクトによるチームラインの増加、上流工程からの介在強化を通したストックサービス単価の向上により、市場を拡大し、ノウハウを蓄積するとともに、人材・新規技術獲得等への投資を継続することで、企業グループとしての持続的な成長を図ってまいります。そのために、当社はストックサービス数とストックサービス単価を重要指標としております。当社グループにおけるストックサービスの売上比率は、2020年9月期で94%、2021年9月期で89%となっております。

[事業年度ごとのストックサービス数とストックサービス単価]

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(注1)ストックサービス数は、「月次ストックサービス数の年次合計÷12ヶ月」で算出した年次平均数であります。なお、この指標はストックサービスにて受注したプロジェクト数(長期型と短期型の合算)であり、同一の顧客から複数のプロジェクトを受注することがあるため、顧客数とは異なります。

(注2)ストックサービス単価は、「年次のストックサービス売上÷月次ストックサービス数の年次合計」で算出した年次平均単価であります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、今後の持続的な成長を実現する上で、以下の事項を課題として重視しています。

①開発体制の継続的な強化

 今後、より一層顧客の要件を満たす事業を実現するためには、開発品質レベルの向上は不可欠であります。当社グループは、日本とベトナム両国でのハイブリッドな開発体制に特徴がありますが、グループ間コミュニケーションのさらなる強化を図る一方で、それぞれの特性を活かした開発手法の標準化、開発ノウハウの蓄積・共有を今後も進めてまいります。特に、受注前の見積り精度や受注後のプロジェクト進捗確認等のモニタリングを通じて、開発品質の確保と納期の遵守については最重要課題として取り組んでまいります。

 

②技術力のさらなる強化

 DX市場の変化、それを支える技術革新は目覚ましいものがあり、それらの最先端技術を迅速、的確に自社のサービスに反映し、市場のニーズに応えられるかは、企業成長において重要な課題であります。当社グループは、社内外で開発実績を持つAIモデルの構築をはじめ、今後もIoT、ブロックチェーン、サイバーセキュリティ等の幅広い最先端技術の習得に努め、様々な業界・業態の顧客への提案力の向上、更なる価値創造に努めてまいります。

 

③新規顧客の獲得

 当社グループが、持続的な成長を続けるためには、売上拡大に繋がる新規顧客の獲得が必要であると考えております。IPOによる認知度、知名度の向上も活かして、マスマーケティング、展示会への出展、プライベートセミナーの開催、リスティング、動画コンテンツの配信などを展開し、継続的に新規受注を獲得できる体制の確立を目指してまいります。

 

④人材採用・育成の強化

 当社グループが、持続的な成長を図っていくには、専門性を有する優秀な人材を安定的、かつ機動的に確保することが必要不可欠と考えています。ベトナム3拠点での産学連携、日本でのベトナム人脈のさらなる活用等も含めて、ターゲット別に最適な人材採用戦略を講じてまいります。また、自社機関である『Talent Academy』の教育プログラムにより、新卒人材であっても即戦力に近いパフォーマンスを発揮する人材を、社内で短期に育成する体制を強化してまいります。当社グループ事業の源泉は人材にあることを心に留め、今後とも優秀な人材の確保に努めてまいります。

 

⑤情報管理体制の更なる強化

 当社グループは、顧客の開発要件によっては、個人情報を含む顧客の機密情報を取り扱う場合があります。これらに適切に対応するために、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格であるISO27001:2013を取得し、情報管理やセキュリティ管理の徹底を図っております。今後も当社グループの情報管理体制の整備、強化に取り組んでまいります。

 

⑥経営管理・内部管理体制の強化

 当社グループは、当社グループを取りまく事業環境の変化に柔軟に対応し、継続的に企業価値の向上を図っていくためには、内部統制環境の整備・強化が重要な経営課題であると認識しております。全社的なリスク管理体制の整備、コンプライアンス体制の強化、さらには適切なリスクテイク体制の構築を目指して取り組んでまいります。

 

⑦持続的な企業の成長

 当社グループは、今後より一層顧客のDX推進と競合優位性の向上、および日本のIT人材不足の解決の一助となるべく、持続的な企業規模の成長、事業の拡大を図ってまいります。これらを達成するべく、業績の向上や市場活動によって得られた資金を柔軟に活用し、設備や人材への投資を継続してまいります。また、企業買収や事業提携等についても、当社グループの事業拡大に有効と判断できる場合は、積極的に検討してまいります。

 

⑧手元流動性の確保

 当社グループは、継続的な取引である「ストックサービス」が売上収益の過半を占めているため、キャッシュフローは、安定していると認識しております。今後も、新型コロナウイルス感染症の影響等による事業環境の変化に迅速に対応できるよう、柔軟な財政政策を実施してまいります。

 

2【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性を認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.事業環境、事業構造面

①市場認知

 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営環境」に記載のとおり、現在の日本社会は、深刻なIT人材不足の状況にあり、デジタル化の遅れが大きな社会問題となっていますが、それらは、当社グループがサービスを提供するDX推進市場の可能性を示しているとも考えられます。当社グループでは、ハイブリッド型サービスで実績を積み重ねるとともに、各種プロモーション活動等の啓蒙活動を積極的に展開し、日本におけるベトナムオフショア開発の市場認知度の向上を推し進める活動を実施していますが、これらの取り組みが想定通りに進展しなかった場合に、当社グループの成長シナリオに重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

②競争激化

今後の事業の拡大を推し進める上で人材の確保・育成が重要な経営課題であり、べトナム子会社において新卒人材を受け入れて研修、育成する「Talent Academy」を運営するなど、日本とベトナムで様々な施策を実施しております。しかしながら、採用が計画通りに進まなかった場合、また人材の流出も含めて人材の育成が進まなかった場合に、当社グループの開発力やコスト競争力が相対的に低下することで、失注や利益率の悪化等を招き、当社グループの事業展開及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

③特定顧客への依存

当社グループは、主にWeb/ECシステム、モバイルアプリ領域を中心にハイブリッド型サービスで実績をあげてまいりましたが、顧客のDX推進パートナーの採択にあたっては稼働運用実績が重視されることから、既存顧客の継続案件が多くなり、依存度が増す傾向にあります。その結果、2020年9月期で上位5社による売上収益比率が47.08%となっております。当社グループは、新規顧客の開拓を行うことで相対的な依存度を下げていく各種取り組みを進めておりますが、これらの取り組みが想定通りに進展せず、既存顧客の業績等の影響を受けた場合に、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

④法的規則

当社グループの事業には、日本においては「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」や「下請代金支払遅延等防止法」等の関連業法や告示が存在します。ベトナムにおいても、各種関連法令が存在します。当社グループでは、顧問弁護士のアドバイスも受けながら、業務フローやマニュアルを整備するとともに、管理部法務グループが中心となって運用状況を適宜チェックしております。現時点では、事業の継続に大きく影響を及ぼすような法規制は無いものと認識しております。しかしながら、今後の法整備の結果、新たな法規制が発生し、当社グループの対応が遅れた場合には、当社グループの事業展開及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤移転価格税制

当社グループにおいて、国境を跨ぐ会社間の取引価格の設定においては、適用される移転価格税制の遵守に努めていますが、税務当局から取引価格が不適切であるとの指摘を受けた場合、追徴課税や二重課税が生じることにより、当社グループの事業展開及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ベトナムカントリーリスク

 当社グループの事業は、ベトナム子会社が開発業務の中核を担っております。ベトナムは同じIT技術大国であるインドや中国と共に、オフショア先として注目を浴びている国の一つです。中長期的な観点ではオフショア先をベトナムに限定することなく、グローバルな視点からリスクを管理してまいりますが、今後ある程度の時間レンジでは、同国の人件費の高騰、法改正や税制面での優遇の見直し等でオフショア先としての優位性が無くなった場合に、当社グループの事業展開及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦為替相場の変動

 当社グループのベトナムを中心とした事業は、連結財務諸表を作成するにあたっては現地通貨を円換算する必要があり、換算時に使用する為替レートによっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、為替相場の変動は中長期的には平準化されるものと考え、為替予約は行っておりません。

 

 

⑧新規技術への対応遅れ

当社グループの事業は、インターネットを中心としたITシステムの利用を大前提としておりますが、技術革新等でIT環境に大きな変化が起こり、その変化に対応するための技術開発に多大な費用が発生した場合や、当社グループ側の対応が遅れた場合に、競争力が低下することが考えられます。また、インターネットの利用を制約するような新たな法的規制の導入等により、インターネット関連市場の発展が阻害され、当社グループの事業が低迷することが考えられます。以上のような場合には、当社グループの事業展開及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨知的財産権

当社グループが提供するハイブリッド型サービスにおいては、ソフトウェア開発に関連する特許権や著作権等の知的財産権の確保が業務遂行上重要であり、独自の技術・ノウハウ等の保護・保全とともに、法務部門及び品質管理部門が中心となって、第三者の知的財産権を侵害しないよう十分な注意を払っております。しかしながら、第三者より損害賠償及び使用差止め等の請求、並びに特許に関する対価(ロイヤリティ)の支払等が発生した場合には、当社グループの事業展開及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩システムトラブル

当社グループは、自社サービスをサーバー上で提供していないものの、日本とベトナム両拠点においてインターネットを中心としたITシステムの環境下でソフトウェア開発を行っています。使用するハードウェア、ソフトウェア、通信回線等の不具合、人為的なミス、さらにはコンピュータウイルス、停電、自然災害等によって作業が中断し、当社グループ側の対応が適切に行われなかった場合に、当社グループの事業展開及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪情報セキュリティ

当社グループは、サービス提供の過程で、顧客のシステム上で直接開発作業を行うことがあり、各種機密情報にもアクセスすることがあります。そのため、顧客との間で責任範囲を明確にして、ベトナム子会社では情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証を取得するとともに、グループの品質管理部門やITインフラ部門が中心となって、情報セキュリティソフトの導入や、各種社内規程や作業手順書の整備、社内教育・啓蒙活動を実施するなど、社員の情報管理には徹底して取り組んでおりますが、不正アクセスや操作ミス等の発生、あるいはコンピュータウイルスによる被害等、不測の事態の結果、機密情報が外部に漏洩した場合には、信用低下や損害賠償請求等により、当社グループの事業展開及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫ストックサービスの品質

当社グループが提供するハイブリッド型サービスにおいては、その全体収益の大半を占める準委任契約であるストックサービスについては法的には作業結果に対する契約不適合責任(瑕疵担保責任)を負いませんが、サービスの品質が顧客の求める水準を維持できなかった場合には、顧客からの信用低下により、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬不採算プロジェクトの発生について

ハイブリッド型サービスを計画通りに完了させることは、当社グループの業績向上にとって非常に重要であります。特に、当社グループの提供するフローサービスにおいては見積り精度が重要であり、プロジェクトごとの利益管理及び進捗管理を徹底しております。しかしながら、このような施策を講じたにも関わらず、不測の事態により想定を超える工数増加や納期遅延等が発生した場合には、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑭自然災害による影響について

当社グループは、日本国内では東京に、ベトナム国内ではホーチミン、ハノイ、ダナンの3ケ所に拠点を設けておりますが、これらの地域で、地震等の自然災害やそれに伴う二次災害等の発生により事業活動が停滞する可能性があります。いずれかの事業拠点で大規模な災害等が発生した場合でも、その他の拠点で業務を継続できる体制を取っておりますが、自然災害等の規模や状況によっては、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

⑮新型コロナウイルス感染症による影響について

新型コロナウイルス感染症拡大に対して当社グループは、顧客、従業員の安全確保を目的に、従業員の在宅勤務を推奨し、国内外の出張を取りやめるなどの対応策を実施してまいりました。事業への影響につきましては、2020年9月期の第3四半期から、2021年9月期の第2四半期にかけては、顧客企業の一時的なIT投資の抑制等により業績への影響がみられたものの、2021年9月期の第3四半期以降は、受注動向やストックサービスの単価の面で回復傾向にあります。

本書提出日現在においては、新型コロナウイルス感染症の業績への影響は限定的であると認識しておりますが、今後、事態がさらに深刻化、長期化した場合には、顧客企業の投資意欲の減退等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

2.組織、体制面

①特定人物への依存

当社の代表取締役社長チャン バン ミンは、当社設立以来の最高経営責任者であり、経営方針や戦略の決定、推進等に大きな役割を果たしておりますが、過度な依存からの脱却のために、経営幹部クラスの人材の育成、権限の移譲を現在進めております。しかしながら、現時点では、不測の事態によりチャン バン ミンの当社経営及び業務執行への関与が困難となった場合、当社グループの事業展開及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

②人材獲得、育成

「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、今後の事業の拡大を推し進める上で人材の確保や育成が重要な経営課題と認識しておりますが、当社グループの取り組みが想定通りに進展せず、人材の確保、育成が進まなかった場合には、当社グループの事業展開に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

③内部管理体制の整備

当社グループは、当社グループを取りまく事業環境の変化に柔軟に対応し、持続的に企業価値の増大を図っていくためには、日本とベトナムの両拠点で内部統制環境の整備、強化を重要な経営課題であると認識して取り組んでまいりました。しかしながら、事業の急速な拡大の中で、内部統制環境の構築が追いつかない事態が生じた場合には、当社グループの事業展開及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

④投融資

当社グループでは、今後の事業展開の過程において、既存サービスの強化、グローバル展開の加速及び新たな事業領域への展開等を目的として、出資、設備投資、アライアンス、M&A等の投融資を実施する場合があります。投融資については、弁護士・税理士・公認会計士等の外部専門家の助言も得ながら投資リスクを十分に検討し、また、当社グループの財政状態等を総合的に勘案して決定しますが、予定していた投融資の回収ができない場合や、減損損失の対象となる事象が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3.大株主との関係について

①大株主2社が支配権又は重大な影響力を有することに伴うリスク

 本書提出日現在において、Soltec Investments Pte. Ltd.は、当社株式の50.6%(間接被所有分1.7%を含むほか、緊密な者又は同意している者が有する被所有分が0.4%あります)、株式会社エアトリは、当社株式の40.4%(間接被所有割合2.2%を含む)を保有しております。Soltec Investments Pte. Ltd.は投資会社であり、そのグループに属する企業から当社はシステム開発業務を受注しておりますが、2020年9月期の当社連結売上収益に占める取引割合は3.9%と僅少です。また、当社は株式会社エアトリのグループ企業からも開発業務を受注しており、これについては、「3.大株主との関係について」の「②株式会社エアトリと当社の関係性について」及び「③株式会社エアトリグループへの取引依存」において記載の通りです。

 当社は、大株主2社から役員もしくは出向社員の受け入れは行っておらず、当社の経営上の決定事項について大株主による事前承認は必要ではなく、自ら経営責任を負って独立した事業経営を行っておりますが、大株主は当社の株主総会における取締役の任免等を通じて当社の経営判断に影響を及ぼし得る立場にあることから、議決権の行使にあたり、大株主の利益は当社の他の株主の利益と一致しない可能性があります。また、大株主の経営方針の変更や経営状態の悪化等が生じた場合には、当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

②株式会社エアトリと当社の関係性について

 当社の大株主である株式会社エアトリは、総合旅行プラットフォーム「エアトリ」を中心とした旅行コンテンツの提供を行う「オンライン旅行事業」、ベトナムにおけるソフトウェア開発などのオフショア関連事業を行う「ITオフショア開発事業」、戦略的なM&A及び成長企業に対する投資育成を推進する「投資事業」、及びその他事業からなり、当社は、株式会社エアトリから見て「持分法適用関連会社」に該当し、事業区分では「ITオフショア開発事業」に属しております。株式会社エアトリグループの中核事業は「オンライン旅行事業」(2020年9月期売上収益18,794百万円)であり、「ITオフショア開発事業」は、2020年9月期の売上収益が1,888百万円で中核事業には当たりません。

 現時点において、当社の事業と株式会社エアトリグループの事業の競合等が想定される事象は発生していないものの、将来において株式会社エアトリグループの事業戦略や当社の位置付け等に著しい変更が生じた場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社としては、ソフトウェア開発市場の変化に対応した事業展開を行うにあたって、自社独自の判断による機動的な投資と資金調達力の強化、社会的信用力の獲得による顧客層の拡大と優秀な人材を確保する機会の増大が重要であると判断し、上場を選択しております。

 

③株式会社エアトリグループへの取引依存

 株式会社エアトリグループとの取引比率については、当社の連結売上収益に占める割合が、2019年9月期は42.6%、2020年9月期は37.4%、2021年9月期の第3四半期連結累計期間は15.0%と、低下傾向にあり、同グループとの取引条件や各種業務フロー、関連当事者取引に対するチェック体制等の整備を行ってきたことから、当社グループの事業の独立性については確保できていると考えております。また、同グループ以外の顧客の新規開拓を積極的に進めることで、取引依存度を相対的に下げる取り組みを進めております。しかしながら、これらの取り組みが想定通りに進展せず、同グループ企業の影響が相対的に高まる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4.その他

①潜在株式による希薄化

当社は、当社グループの役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権(ストック・オプション)を付与しております。これらのストック・オプションが権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。本書提出日現在、ストック・オプションによる潜在株式数は1,109,200株であり、発行済株式総数8,158,148株の13.6%に相当しております。

 

②資金使途

今回、当社が計画している公募増資による調達資金の使途としては、人材採用・育成費用、人員拡大に伴う各種インフラの整備費用、ハイブリッド型サービスの認知度向上のための各種プロモーション費用等に充当する予定であります。しかしながら、急速に変化する経営環境に柔軟に対応していくために、現時点における資金使途計画以外に充当する可能性があります。また、当初の計画に沿って資金を使用した場合にも、想定通りの投資効果を上げられない可能性もあります。なお、資金使途計画に重大な変更が発生した場合には、適時適切に開示してまいります。

 

③配当政策

当社は、将来の事業展開と財務体質強化のために必要な内部留保の確保を優先し、設立以来2020年9月期までは配当を行っておりません。しかしながら、株主に対する安定的な利益還元の実施は重要な経営課題であると認識しており、今後の利益配分については、業績動向を考慮しながら、将来の事業拡大や収益の向上を図るための資金需要や財務状態を総合的に勘案し、適切に実施していく方針であります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

(イ)第5期連結会計年度(自 2019年10月1日 至 2020年9月30日)

 当社グループが事業を展開する主要マーケットの1つである情報サービス産業におきましては、グローバルな潮流となっている第4次産業革命の進展により、社会構造が大きく変化する「ニューノーマル」時代の基礎となる、AI、IoT、RPA、ブロックチェーンといったテクノロジーの活用による技術的な支援やサービスの提供がより一層求められております。

 このような状況において、当社グループはデジタルトランスフォーメーション領域を推進するハイブリッド型サービスの提供を通じて、顧客の多様なニーズに応じたソフトウェア開発に注力して参りました。また、2019年4月にEvolable Asia Co., Ltd.から事業譲受したラボ型開発事業によりストックサービスの売上収益が増加し、2020年3月に子会社化したHybrid Techno Camp Co., Ltd.によりフローサービスの売上収益が増加する結果となりました。一方で、下期以降には、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた一部の顧客から取引の減少や停止を求められたこともあり、月次売上収益は減少し、売上原価、販売費および一般管理費に占める固定費率が大きくなりました。

 この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上収益1,735,437千円(前年同期比14.2%増)、営業利益101,395千円(前年同期比10.8%減)、税引前利益63,598千円(前年同期比34.7%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益44,126千円(前年同期比50.6%減)となりました。

 なお、当社グループは、ハイブリッド型サービスの単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。

 

(ロ)第6期第3四半期連結累計期間(自 2020年10月1日 至 2021年6月30日)

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済活動の停滞により依然として厳しい状況で推移しました。世界的に見ても、新型コロナウイルスのワクチン接種の開始により、景況感の回復への期待は高まっておりますが、グローバル経済は依然として先行きが不透明な状態が続いております。

 こうした事業環境において、当社グループが属する情報サービス業のソフトウェア市場につきましては、 「令和2年版情報通信白書」(総務省)によると直近の名目GDPは前年比102.3%の+1,550億円となり、新型コロナウイルス感染症拡大以前の高い市場成長率がまだ見込めない中ではありますが、AI、5G技術の進展に伴う、顧客のデジタル変革、デジタルトランスフォーメーション志向に沿ったサービス・技術の提供を進めると共に、リモートワークやオンライン会議等の活用、経費削減に取り組み、事業活動の維持・継続に努めてまいりました。

 この結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上収益は1,194,834千円(前年同四半期比15.0%減)、営業利益88,814千円(前年同四半期比35.7%減)、税引前四半期利益84,058千円(前年同四半期比19.5%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は62,301千円(前年同四半期比27.8%減)となりました。

 なお、当社グループはハイブリッド型サービスの単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。

 

②財政状態の状況

(イ)第5期連結会計年度(2020年9月30日)

(資産)

 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ84,447千円減少し、1,474,990千円となりました。

 流動資産は前連結会計年度末に比べ148,652千円増加し、765,674千円となりました。これは主に、営業活動による資金獲得に伴い現金及び現金同等物が200,910千円増加した一方で、回収に伴い営業債権及びその他の債権が60,766千円減少したことによるものです。

 非流動資産は前連結会計年度末に比べ233,099千円減少し、709,316千円となりました。これは主に、オフィス賃貸借契約の一部解約等に伴い使用権資産が186,778千円減少したことによるものです。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ217,897円減少し、1,366,922千円となりました。

 流動負債は、前連結会計年度末に比べ53,635千円減少し、835,457千円となりました。これは主に、未払消費税の増加に伴いその他の流動負債が16,046千円増加した一方で、支払いに伴い営業債務及びその他の債務が19,471千円減少したこと、及びオフィス賃貸借契約の一部解約等に伴いリース負債が14,998千円減少したことによるものです。

 非流動負債は、前連結会計年度末に比べ164,262千円減少し、531,465千円となりました。これは主に、オフィス賃貸借契約の一部解約等に伴いリース負債が164,786千円減少したことによるものです。

 

(資本)

 当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ133,451千円増加し、108,068千円となりました。これは主に、第三者割当増資に伴い資本金及び資本剰余金がそれぞれ35,000千円増加したことによるものであります。

 

(ロ)第6期第3四半期連結会計期間(2021年6月30日)

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ204,560千円減少し、1,270,430千円となりました。

 流動資産は前連結会計年度末に比べ1,580千円減少し、764,094千円となりました。これは主に、売上収益の増加に伴い営業債権及びその他の債権が52,104千円増加した一方で、営業譲受の支出等に伴い現金及び現金同等物が67,113千円減少したことによるものです。

 非流動資産は前連結会計年度末に比べ202,980千円減少し、506,336千円となりました。これは主に、オフィス賃貸借契約の一部解約等に伴い使用権資産が181,586千円減少したことによるものです。

 

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ644,099千円減少し、722,822千円となりました。

 流動負債は、前連結会計年度末に比べ451,839千円減少し、383,618千円となりました。これは主に、支払いに伴い営業債務及びその他の債務が454,188千円減少したこと、及び納税による未払消費税の減少に伴いその他の流動負債が22,905千円減少したことによるものです。

 非流動負債は、前連結会計年度末に比べ192,261千円減少し、339,205千円となりました。これは主に、オフィス賃貸借契約の一部解約等に伴いリース負債が190,476千円減少したことによるものです。

 

(資本)

 当第3四半期連結会計期間末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ439,540千円増加し、547,607千円 となりました。これは主に、第三者割当増資に伴い資本金及び資本剰余金がそれぞれ185,297千円増加したことによるものであります。

 

③キャッシュ・フローの状況

(イ)第5期連結会計年度(自 2019年10月1日 至 2020年9月30日)

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ200,910千円増加し、485,761千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により得られた資金は、242,301千円となりました(前年同期は232,032千円の獲得)。この主な要因は、税引前利益を63,598千円、減価償却費及び償却費を150,160千円計上したことと、回収に伴い営業債権及びその他の債権の減少60,767千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により使用した資金は、4,768千円となりました(前年同期は33,940千円の使用)。この主な要因は、開発機器等の有形固定資産の取得による支出8,068千円、自社利用目的ソフトウェアである無形資産の取得による支出11,292千円によるものであります。


(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により使用した資金は、33,092千円となりました(前年同期は918千円の獲得)。この主な要因は、第三者割当増資に伴う新株の発行による収入70,000千円、オフィス賃貸借契約から生じるリース負債の返済による支出93,092千円によるものであります。

 

(ロ)第6期第3四半期連結累計期間(自 2020年10月1日 至 2021年6月30日)

 当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、前連結会計年度末より67,113千円減少し、418,648千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は、以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当第3四半期連結累計期間において営業活動により獲得した資金は、96,781千円となりました(前年同四半期は225,247千円の獲得)。これは主に、税引前四半期利益を84,058千円、減価償却費及び償却費を89,247千円計上したものの、営業債権及びその他の債権の増加55,627千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当第3四半期連結累計期間において投資活動により使用した資金は、482,399千円となりました(前年同四半期は3,806千円の使用)。これは主に、Evolable Asia Co., Ltd.に対する事業譲受による支出471,698千円、自社利用目的ソフトウェアである無形資産の取得による支出10,082千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当第3四半期連結累計期間において財務活動により獲得した資金は、310,837千円となりました(前年同四半期は1,124千円の獲得)。これは主に、第三者割当増資に伴う新株の発行による収入370,593千円によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループのサービス提供は、生産実績の記載になじまないため、生産実績に関する記載は省略しております。

 

b.受注実績

 当社グループの行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

c.販売実績

 第5期連結会計年度及び第6期第3四半期連結累計期間における販売実績は、次のとおりであります。

(単位:千円)

売上収益の区分

第5期

連結会計年度

(自 2019年10月1日

至 2020年9月30日)

前年同期比(%)

第6期

第3四半期連結累計期間

(自 2020年10月1日

至 2021年6月30日)

ストックサービス

1,629,326

127.67

1,027,360

フローサービス

106,111

43.52

167,474

合計

1,735,437

114.17

1,194,834

(注)1.当社グループの事業セグメントは、「ハイブリッド型サービス」を単一の報告セグメントとしているため、サービス別の販売実績を記載しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.最近2連結会計年度及び第6期第3四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総

販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

第4期

連結会計年度

(自 2018年10月1日

至 2019年9月30日)

第5期

連結会計年度

(自 2019年10月1日

至 2020年9月30日)

第6期

第3四半期連結累計期間

(自 2020年10月1日

至 2021年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社エアトリ

(注1)

315,576

20.76

186,374

10.74

64,156

5.37

株式会社エアトリインターナョナル(注2)

 

272,235

17.91

353,444

20.37

57,348

4.80

(注)1.2020年1月に「株式会社エボラブルアジア」から社名変更されております。

2.2020年1月に「株式会社エアトリ」から社名変更されております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りの不確実性により実際の結果が、これらの見積りと異なる可能性があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しておりますが、重要なものは以下の通りであります。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 連結財務諸表注記 37.追加情報」に記載の通りであります。

(収益認識)

 当社グループでは、フローサービスの新規受注案件のうち、進捗部分について成果の確実性が認められる案件については工事進行基準(進捗率の見積りは原価比例法)を適用しております。適用にあたっては、受注総額、総製造原価及び当連結会計年度における進捗率を合理的に見積る必要がありますが、予想し得ない工数の大幅な増加等により当該見積りが変更された場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(受注損失引当金)

 受注契約に係る将来の損失に備えるため、当該連結会計年度末における受注契約に係る損失見込額を計上しております。受注契約時に予想し得ない事象の発生やプロジェクトの進捗状況等によって損失額が大きく変動する可能性があります。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

 財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。

b.経営成績の分析

(イ)第5期連結会計年度(自 2019年10月1日 至 2020年9月30日)

(売上収益)

 当連結会計年度の売上収益は、1,735,437千円(前期比14.2%増)となりました。主な内訳としては、ストックサービスが1,629,326千円(前期比27.7%増)、フローサービスが106,111千円(前期比56.5%減)であります。売上収益の93.9%を構成するストックサービスにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、顧客のプロジェクト規模縮小などからストックサービス単価は減少しましたが、ストックサービス数は、2019年4月にEvolable Asia Co., Ltd.からラボ型開発事業を譲受したことに伴うサービス数の増加、新規プロジェクトの獲得および既存顧客へのサービスの積み上げ等により41件(前期比32.3%増)となり売上収益の伸長に寄与いたしました。

 

(売上原価、売上総利益)

 当連結会計年度の売上原価は、1,109,215千円(前期比4.4%増)となりました。これは主に、2019年4月にEvolable Asia Co., Ltd.からラボ型開発事業を譲受したこと等による事業規模拡大に対応するため人件費(特にHybrid Technologies Vietnam Co., Ltd.では月次平均人員数が96名増加)や、事業規模拡大に伴って開発業務に対応する社内人員が不足した際に一時的に利用する開発リソースの外注費等が増加したことによるものであります。

 以上の結果、当連結会計年度の売上総利益は、626,223千円(前期比36.8%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、551,217千円(前期比60.2%増)となりました。これは主に、2019年4月にEvolable Asia Co., Ltd.からラボ型開発事業を譲受したこと等による事業規模拡大や社内管理体制強化に対応するための人件費の増加(特にHybrid Technologies Vietnam Co., Ltd.では月次平均人員数が32名増加)、及び賃借料の増加によるものであります。

 以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、101,395千円(前期比10.8%減)となりました。

 

(金融収益、金融費用、税引前利益)

 当連結会計年度の金融収益は、4,019千円(前期比54.2%減)となりました。これは主に、受取利息によるものであります。一方で金融費用は、41,816千円(前期比66.7%増)となりました。これは主に、支払利息及び為替差損によるものであります。

 以上の結果、税引前利益は、63,598千円(前期比34.7%減)となりました。

 

(法人所得税費用、親会社の所有者に帰属する当期利益)

 当連結会計年度の法人所得税費用は19,472千円(前期比142.1%増)となりました。

 以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は、44,126千円(前期比50.6%減)となりました。

 

(ロ)第6期第3四半期連結累計期間(自 2020年10月1日 至 2021年6月30日)

(売上収益)

 当第3四半期連結累計期間の売上収益は、1,194,834千円となりました。これは主に、顧客サービスの企画、提案に強みをもつビジネスコンサルティング部を新たに立ち上げ、組織力の強化及び提案の迅速化を図ることで、新規プロジェクトの獲得につながったことに加え、デリバリー本部における業務品質改善に伴う収益力の向上、投資環境の変化に伴う顧客意識の変化等によるものであります。

 

(売上原価、売上総利益)

 当第3四半期連結累計期間の売上原価は、756,314千円となりました。これは主に、プロジェクト数の状況に応じ継続的にエンジニアのプロジェクトへの配属を最適化し、開発工数に見合った原価統制を実施した結果によるものであります。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上総利益は、438,519千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当第3四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、370,450千円となりました。これは主に、売上規模に応じた人件費及び管理費等の増加によるものであります。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の営業利益は、88,814千円となりました。

 

(金融損益、親会社の所有者に帰属する四半期利益)

 当第3四半期連結累計期間の金融収益は、10,921千円となりました。これは主に、為替差益によるものであります。一方で金融費用は、15,676千円となりました。これは主に、支払利息によるものであります。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間の税引前四半期利益は、84,058千円となり、法人所得税費用を21,757千円計上したことにより親会社の所有者に帰属する四半期利益は、62,301千円となりました。

 

c.キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

③資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、事業活動のための適切な水準の流動性の維持及び市場から理解を得られる株主価値向上を目指した明確な資金調達戦略の提示と実行を基本方針としております。ハイブリッド型サービスにおいて技術者の採用は重要であり、これらの資金需要は内部資金または資金調達の実施により賄うことを基本としております。

 

④目標とする客観的な指標等の推移

 当社グループは、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」に記載の通り、売上高の継続的かつ累積的な増加の実現のため、ストックサービス数とストックサービス月額単価を重要指標としております。

 2021年9月期は新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、ストックサービス単価は、売上規模の大きい顧客の減員などから2020年9月期の3.3百万円から2021年9月期は2.2百万円(前期比67.1%)となりました。一方で、ストックサービス数は、投資意欲の高い中堅・中小企業の新規受注に伴い、2020年9月期の月次平均数から16件増加して57件(前期比136.6%)となりました。現在、新型コロナウイルス感染症の影響は限定的なためストックサービス数の増加、ストックサービス単価の向上を今後も継続するものと見込んでおります。

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⑤経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は「第2事業の状況 2事業等のリスク」をご参照ください。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。