文中の将来に関する事項は、提出日現在において、当社が判断したものであります。
現在、我が国の医療は、高齢化と医療の高度化による「社会保障関係予算の増大」と、財政維持のための「社会保障関係費用の抑制」という相反する課題に直面しています。当社の創業者である現代表取締役社長の上野太郎は、誰もが必要な時に必要な医療や介護を受けられ、安心して暮らせる社会を創造したいという思いから2015年7月に当社を創業しました。
当社は、そのような創業者の思いのもと、医療が必要な全ての患者に最適な医療を提供し続けることができる、持続可能な社会の実現を目指して、IT技術と臨床現場のニーズとを有機的に融合させ、今までになかったソリューションを提供することで社会への価値を生み出し、現在の状況を変えるべく事業活動を行っております。
創業後は不眠症治療用アプリケーションをはじめとした治療用アプリの開発、汎用臨床試験システム、機械学習自動分析システムなどを通じて、未来に残すべき良質な医療システムを構築してきました。
医療は今後も進行する高齢化社会に向けて、様々な課題の解決や仕組みの整備が求められる分野であり、当社としては、更なるICTの活用及びデータ解析システムの開発を進めることで、医療従事者、患者双方のジレンマの解消、ひいては持続可能な社会の実現に貢献していきたいと考えております。
現在、研究開発段階にある当社は、ROA、ROEその他の数値的な目標となる経営指標等は用いておりませんが、DTxプロダクト事業では、長期的視点での収益の最大化のために財務指標に先行する開発パイプラインの件数や臨床試験の進捗率を、DTxプラットフォーム事業では、収益の継続的かつ累積的な増加を実現するため契約件数や利用継続率を重要な経営指標として位置付けております。
DTxプロダクト事業では、DTxシーズの横断的な探索及び市場性の高い案件の選択と深耕が重要だと考えております。シーズの探索では、代表の上野を中心に当社役職員が保有する業界内でのネットワークを最大限活用するとともに、機械学習自動分析システムの導入によるRWDの分析や販売後調査を通じて、医療機関・学術研究機関・製薬企業が抱えるDTxシーズの発掘を行ってまいります。案件の選択と集中については、高い収益性が見込まれる案件に十分なリソース配分を行うための投資判断基準を構築して、臨床試験の各相で案件の適切な取捨選択を行い、加えて、自社で完結することに固執せず販売権の導出等、他社との連携による早期収益化の方策を検討してまいります。
DTxプラットフォーム事業のうち汎用臨床試験システムでは、サンドボックス制度での研究成果とそれを踏まえたグレーゾーン解消制度での当社の確認に対する厚生労働省からの回答に基づき、臨床試験における実地モニタリングを省略するためのデファクトスタンダートを目指しております。実地モニタリングの省略に加え、被験者募集プロセスの効率化やデータ欠損の防止による臨床試験品質の向上の観点から、製薬企業や学術研究機関における研究開発コストのさらなる低減をシステム全体で実現してまいります。
さらに、機械学習自動分析システムでは、RWDを対象としたユースケースを蓄積しながら、新たな機能開発と使いやすいUI/UX(User Interface/User Experience)の改善を継続的に行い、既存顧客での利用継続率と顧客単価の向上を目指してまいります。
DTx開発支援においても、支援実績を積み上げると同時に、システム基盤の機能拡充を図り、更なる効率化を目指してまいります。
今後事業及び収益の拡大を図るために当社が対処すべきDTxプロダクト事業での主な課題は、開発中の治療用アプリそれぞれの医療機器承認の取得と十分な収益が確保できる水準での保険収載を確実に実現することであります。併せて、市場ニーズに対応した新たな治療用アプリの開発に着手し、それらを継続的に市場に投入していくことも長期的な課題として認識しております。また、プラットフォーム事業のうち汎用臨床試験システムでの課題は、規制に対応した上で研究開発コストの低減に着実に寄与すること、機械学習自動分析システムでの課題は、長期にわたって利用してもらうために継続的な機能拡充を行うことだと考えております。新型コロナ感染症の拡大は多くの業界で事業運営に影響を及ぼしておりますが、外出自粛、医療機関への通院に対する抵抗感などが医療業界のデジタル化を促進する要因ともなっており、デジタル技術の活用で医療の効率化を目指す当社の事業展開にとってはポジティブな環境となっております。その他、継続的な成長と企業価値の向上を目指す上で対処しなければならない各機能面での課題を以下のように考えております。
当社は、国内外の製薬企業や医療機関等と友好的かつ経済的な相互関係(共同研究開発体制)を築いており、今後さらなる共同研究開発契約を獲得・推進するために研究開発体制の整備・充実と連動した戦略的な営業活動が重要だと考えております。
当社は、DTxプロダクト事業において治療用アプリの治験システム、治療用アプリを搭載した端末装置、および治療用アプリのプログラムに関する特許技術を保有・活用しており、現時点においては大きな技術的優位性があると考えております。また、DTxプラットフォーム事業に分類される汎用臨床試験システムおよび機械学習自動分析システムは今後の活用に大きな可能性を秘めております。当社は、自社システムの優位性を確保し続けるため、国内外の製薬企業及び学術研究機関等との共同研究を推進しつつ、今後も自社内における研究開発及びその体制の強化を進めてまいります。
当社は、継続的に企業価値を高めていくためには、コーポレート・ガバナンスの強化が重要な課題の一つであると認識しております。経営の効率化を図りながら、一方でその健全性、透明性を高め、長期的、安定的かつ継続的に企業価値を向上させることが、株主をはじめ、すべてのステークホルダーの皆様から信頼をいただく条件であると考えております。企業価値向上のために、俊敏さを備えた全社的に効率的な組織の構築を必要条件としつつ、業務執行の妥当性、管理機能の効率性・有効性を心がけ、改善に努めてまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきまして、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下のとおり記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
当社は治療用アプリ及びプラットフォームシステムの開発を事業領域としており、特に治療用アプリの開発には医薬品と同じく相当程度の時間と投資が必要となります。治療用アプリの開発では臨床試験の結果や、規制当局からの要望・指導、関連する法令の変更・改訂等によって計画に不確実性が生じ、開発方針の変更、開発の延期もしくは中止などを招くことによって当社の長期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。個々の治療用アプリの開発リスクの低減には限界があるため、学術研究機関との連携強化、治療用アプリ開発プラットフォームの活用によって、効率的なシーズ探索を行い、継続的に開発パイプラインの充実を図る方針としております。
通常、医療機器は本来期待する効果と共に、期待されない副作用が生じる可能性があります。治療用アプリに関しては、一般の医薬品や医療機器と同様にその安全性に関して臨床試験の中で十分に検討され、また、侵襲性が低く副作用が発生した場合の深刻度も相対的に高くはありませんが、上市後に、より多く使用される段階で予期できない副作用が発現する可能性は否定できません。
当社は、上記の副作用発生に起因する補償又は賠償に対応するために、想定しうる範囲で治験保険や製造物責任保険への加入を予定しておりますが、補償範囲外の賠償責任を問われる可能性があります。さらに、重篤な副作用や死亡例の発生は、製品及び企業イメージを大きく損ね、製品の回収、製造販売の中止、薬害訴訟の提起、製造物責任賠償等と併せて、当社の長期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社が属する医療機器等の業界は研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、医薬品医療機器等法、薬事行政指導、医療保険制度並びにその他関係法令等により、様々な規制を受けています。当社が開発している治療用アプリは医療機器に該当し、厚生労働大臣による医療機器製造業あるいは医療機器製造販売業の登録が必要となります。この登録は5年ごとの更新が必要となるため、更新が認められない場合には、治療用アプリの開発を継続できなくなる可能性があります。当社では、人員体制の拡充強化、適正な業務フローの実施を継続的に行い、登録更新に必要な要件を満たしていく方針としております。
また、当社が開発した治療用アプリやシステムの使用が規制当局によって承認されない場合、それらの上市や他社へのサービス提供が困難になる可能性があります。さらに、承認を取得できた場合であっても健康保険の対象として保険収載されない、もしくは期待通りの保険点数が付与されない場合、当社の財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社は、これまでに実施した臨床試験等から、yukumi(仮)については有望な有効性および安全性データが得られていると判断しております。また、yukumi(仮)の開発計画および当社の事業計画についても、当該判断に基づいて作成しております。
しかしながら、製造販売のための承認・許可の取得、上市に至る過程において様々な薬事規制に従う必要があり、仕様の変更や臨床試験の再実施など、事業計画のスケジュールに変更を及ぼす事象が発生した場合には、当社の長期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社は、本書提出日現在において取締役6名(非常勤取締役1名を含む)、監査役3名(非常勤監査役2名を含む。)及び従業員22名(臨時雇用者含む)の小規模組織であり、現在の内部管理体制はこのような組織規模に応じたものとなっていますが、今後、業容拡大に応じて管理部門の体制強化、内部監査専任者の設置など内部管理体制の拡充を図る方針であります。
また、当社の事業活動は、現在の経営陣、事業を推進する各部門の責任者及び少数の研究開発人員に強く依存するところがあります。そのため、常に優秀な人材の確保と育成に努めていますが、人材確保及び育成が順調に進まない場合、もしくは人材の流出が生じた場合には、当社の中期的な事業活動に支障が生じ、財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社の創業者であり代表取締役である上野太郎は、当社の経営戦略の決定、研究開発、事業開発及び管理業務の推進において、当社の最高責任者として影響力を有しております。このため当社は上野に過度に依存しない体制を構築すべく、複数の取締役による業務管掌領域の分担をはじめとした経営組織の強化を図っておりますが、上野が何らかの理由により当社の業務を継続することが困難となった場合には、当社の短期的な事業戦略に大きな影響を及ぼす可能性があります。
治療用アプリやそれに類似する医療機器の開発に携わる企業は、我が国ではまだ少ないものの、海外では既に上場している企業もあり、日本の製薬企業が海外の治療用アプリを日本に導入して臨床試験を開始するなど、国内での競争環境は厳しくなりつつあります。当社が開発を進めているパイプラインを対象とした、競合企業との研究・開発、臨床試験、販売等の事業活動での競争結果により、当社の治療用アプリの上市が計画通りに進行しない場合、当社の中期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社では、知的財産権の獲得を中心とした参入障壁の構築により、競争優位性を維持していく方針としております。
当社は、本書提出日現在、提起されている訴訟はありませんが、将来、何らかの事由の発生によって訴訟等による請求を受ける可能性を完全には回避できません。こうした事態が生じた場合、当社の長期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社では、研究開発をはじめとする事業展開において様々な知的財産権を使用しており、これらは当社所有の権利であるか、あるいは適法に使用許諾を受けた権利であるものと認識しております。
一方で、当社が現在出願している特許が全て成立する保証はなく、さらに、特許が成立した場合でも、当社の研究開発を超える優れた研究開発により、当社の特許に含まれる技術が淘汰される可能性は常に存在しています。当社の特許権の権利範囲に含まれない優れた技術が開発された場合には、当社の長期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社では、保有している知的財産の有効活用並びに新たな知的財産権の構築のために、一定規模の研究開発投資を安定的、継続的に実施していく方針としております。
また、当社では他社の特許権の侵害を未然に防止するため、当社として必要と考える特許の調査を実施しており、これまでに、当社の開発パイプラインに関する特許権等の知的財産権について第三者との間で訴訟が発生した事実はありません。しかし、当社のような研究開発型企業にとって知的財産権侵害の問題を完全に回避することは困難であり、第三者との間で知的財産権に関する紛争が生じた場合には、当社の長期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社はシステム障害、セキュリティ侵害等を未然に防止するためにシステムの多重化をはじめとして様々な手段を講じておりますが、ウィルス、権限のないアクセス、自然災害、通信エラーあるいは電気障害などが引き起こす事故が発生する可能性を否定することはできません。システム障害、セキュリティ侵害等が発生した場合、当社が保有する臨床試験における重要な情報等が喪失又は流出する可能性があります。データの喪失あるいは機密情報の流出を招いた場合、データ復旧のために金銭的・時間的に多大な負担を余儀なくされ、特定の開発品の開発スケジュールが遅延することはもとより、損害賠償請求や当社の社会的信用の失墜、取引先企業との提携関係の解消など、当社の中期的な財務状況や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社は、デジタル機器やIoT技術を治療に取り入れた治療用アプリの研究開発を主軸とするベンチャー企業であります。治療用アプリの研究開発には多額の初期投資を要し、その投資資金回収も他産業と比較して相対的に長期に及ぶため、ベンチャー企業が当該事業に取り組む場合は、一般的に期間損益のマイナスが先行する傾向にあります。当社も第2期(2017年6月期)から当事業年度(2021年6月期)については当期純損失を計上しております。
当社は、治療用アプリのシーズ獲得とパイプライン開発を推し進めることにより、将来の利益拡大を目指していますが、将来において計画通りに当期純利益を計上できない可能性があり、その場合には、繰越利益剰余金がプラスとなる時期が著しく遅れる可能性があります。今後は、保有する開発パイプラインの他社への導出やマイルストーン収入の獲得など、より早期に収益計上を可能とする方策についても検討していく方針であります。
当社は、株主への利益還元を重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ剰余金の分配を検討する所存でありますが、多額の先行投資を行う研究開発活動の継続的かつ計画的な実施に備えた資金の確保を優先するため、当面は配当等による株主への還元は行わない方針としております。
また「1 マイナスの繰越利益剰余金の計上について」に記載したとおり、繰越利益剰余金がプラスとなる時期が著しく遅れた場合、剰余金の分配についても遅れる可能性があります。
当社は、研究開発型企業として多額かつ長期にわたる研究開発費用の負担が続くため、継続的に営業損失を計上するととともに営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスが続いており、加えて現状では安定的な収益源を十分には有しておりません。
このため、安定的な収益源を確保するまでの期間においては、必要に応じて適切な時期に資金調達等を実施し、財務基盤の強化を図る方針ですが、必要なタイミングで資金を確保できなかった場合は、当社事業の継続に重大な懸念が生じる可能性があります。今後は、他社との共同研究開発体制の構築、保有する開発パイプラインの他社への導出、マイルストーン収入の獲得など、多様な資金調達手段を確保していく方針であります。
上場時の公募増資等により調達した資金は、治療用アプリの研究開発を中心とした事業費用に充当する計画です。但し、新しい治療用アプリに関わる研究開発活動の成果が収益に結びつくには長期間を要する一方で、研究開発投資から期待した成果が得られる保証はなく、その結果、調達した資金が期待される利益に結びつかない可能性があります。当社では、継続的に開発パイプラインの充実を図り、リスク分散を図るとともに、より高い収益性が期待できるパイプラインを選択してリソースを集中させていく方針であります。
当社は医療機器の研究開発型企業であり、将来の研究開発活動の拡大に伴い、増資を中心とした資金調達を機動的に実施していく可能性があります。その場合には、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
当社は、当社取締役、監査役、従業員及び社外協力者の業績向上に対する意欲や士気を高め、また優秀な人材を確保する観点から、ストック・オプション制度を採用し、会社法第236条、第238条及び第239条の規定に基づき、株主総会の承認を受け、当社取締役、監査役、従業員及び社外協力者に対して新株予約権の発行と付与を行っております。
提出日現在における当社の発行済株式総数は13,256,600株であり、これら新株予約権の権利が行使された場合は、新たに1,257,200株の新株式が発行され、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。また、今後も優秀な人材の確保のため、同様のインセンティブ・プランを継続する可能性があります。従って、今後付与される新株予約権が行使された場合にも、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。
現在、新型コロナウィルス感染拡大によるビジネス上の悪影響はなく、むしろ、医療のデジタル化や治験のリモート化が議論されるきっかけとなっており治療用アプリの開発や臨床試験の効率化を目指す当社にとっては追い風となっております。
しかしながら、新型コロナウィルス感染症の感染拡大による影響については先行きが不透明な状況が続き、収束時期が依然として不透明であることから、当社の想定を超えて経済活動が長期的に停滞した場合には、当社の開発や臨床試験等の事業計画が遅延するなどの可能性があり、その結果、当社の長期的な経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度のわが国経済は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)感染拡大の影響により、社会・経済活動が制限されるなど、先行きが不透明な状況が継続しております。
そのような状況の中、当社は、当事業年度において不眠症治療用アプリの探索的試験を予定どおり終了し、検証的試験を開始しました。また、不眠症治療用アプリ、乳がん患者向けの運動療法アプリ、ACPを支援するアプリに続く次のパイプライン獲得に向けて、国立大学法人東海国立大学機構、国立研究開発法人国立がん研究センターなど、複数の学術研究機関と共同開発契約を締結しました。国立大学法人東北大学並びに日本腎臓リハビリテーション学会とは、慢性腎臓病患者向けの治療用アプリの共同開発を開始しております。
2020年12月に、グレーゾーン解消制度によって経済産業大臣並びに厚生労働大臣により「医療品や医療機器等の臨床試験で求められる原資料とCRF(*1)の照合をブロックチェーン技術により代替することはGCP省令(*2)の定めに違反しない」という回答を得たブロックチェーン技術を実装した臨床試験システムについては、日本ケミファ株式会社と臨床試験の効率化に向けて具体的検討を開始するとともに、国立大学法人東京医科歯科大学との効率向上の実証研究がAMEDの「研究開発推進ネットワーク事業」に採択されております。
*1 CRF:症例報告書(Case Report Form)
*2 GCP省令:医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(Good Clinical Practice)
なお、現時点において、新型コロナウィルス感染症による当社業績への影響は軽微であります。
これらの結果、当事業年度における業績は、事業収益115,489千円、営業損失333,421千円、経常損失271,080千円、当期純損失277,554千円となりました。
当事業年度における報告セグメント別の実績は、以下のとおりです。
当セグメントは、治療用アプリ開発で構成されております。治療用アプリ開発では、不眠症治療用アプリの探索的試験を予定通りに終了し、検証的試験を開始しております。また、乳がん患者向けの運動療法アプリ、ACPを支援するアプリの臨床試験の準備を進めるとともに、複数の医療機関と共同研究契約を締結し、次のパイプラインの獲得を計画しております。医療機器承認を取得し、販売段階にあるプロダクトはまだありません。
この結果、本報告セグメントの当事業年度の事業収益はなく(前事業年度もなし)、セグメント損失は160,130千円(前事業年度は56,258千円のセグメント損失)となりました。
当セグメントは、汎用臨床試験システム及び機械学習自動分析システムの提供、並びにこれらシステムを活用したDTx開発の支援で構成されております。汎用臨床試験システムは、ブロックチェーン機能の実装など、まだ開発項目も多く、収益への貢献は限定的になっております。機械学習自動分析システムは、継続利用企業の増加に加え、使用事例の蓄積が新規取引先の獲得につながったことで、収益が大きく向上しました。DTx開発支援は、当事業年度内に顧客向けのシステムのセットアップが完了し収益が計上されました。
この結果、本報告セグメントの当事業年度の事業収益は115,489千円(前事業年度は34,888千円)、セグメント利益は8,848千円(前事業年度は3,227千円のセグメント利益)となりました。
当事業年度における流動資産合計は、1,674,847千円となり、前事業年度に比べ1,296,321千円増加いたしました。これは主に第三者割当増資等により、現金及び預金が1,260,509千円、主に治験費用の前払により、前払費用が19,246千円それぞれ増加したことによるものであります。
当事業年度末における固定資産合計は、2千円となり、前事業年度に比べ3,036千円減少いたしました。これは主に1年以内に回収予定となる投資その他の資産のその他を流動資産のその他に振替えた結果、その他が3,036千円減少したことによるものであります。
当事業年度における流動負債合計は、96,309千円となり、前事業年度末に比べ73,599千円増加いたしました。これは主に事業規模の拡大により、未払金が68,053千円増加し、1年以内に期限が到来する見込みの資産除去債務を固定負債から流動負債へ振替えた結果、資産除去債務が3,650千円増加したことによるものであります。
当事業年度における固定負債合計は、890千円となり、前事業年度末に比べ2,759千円減少しました。これは主に上記の資産除去債務を振替えた一方で、未収還付法人税等の増加により、繰延税金負債が890千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度の純資産合計は、1,577,650千円となり、前事業年度末に比べ1,222,445千円増加いたしました。その増減内訳は、資本金の減少311,740千円、資本剰余金の増加1,354,285千円、利益剰余金の増加179,900千円によるものであります。これは、第三者割当増資による新株式発行により、資本金及び資本剰余金それぞれが750,000千円増加した一方で、2021年6月の欠損填補等を目的とした減資により、資本金が1,061,740千円減少し、資本剰余金が604,285千円、利益剰余金が457,454千円それぞれ増加しており、また、当期純損失277,554千円を計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は94.2%(前事業年度末は93.1%)となりました。
当第1四半期累計期間のわが国経済は、新型コロナウィルス感染症の影響により断続的に緊急事態宣言が発出されるなど、依然として先行きが不透明な状況が続いております。
そのような状況の中、当社は、当第1四半期累計期間において不眠症治療用アプリの検証的試験を予定通り進めております。
また、不眠症治療用アプリ以外のパイプラインについては、アドバンス・ケア・プランニングを支援するアプリのPoC取得に向けた探索的試験を開始いたしました。乳がん患者向けの運動療法アプリに関しては検証的試験の、慢性腎臓病患者向けの腎臓リハビリアプリに関してはPoC取得に向けた探索的試験の準備をそれぞれ行っております。
さらに、新たなシーズ探索のために、国立大学法人浜松医科大学と共同研究契約を締結いたしました。
なお、現時点において、新型コロナウィルス感染症による当社業績への影響は軽微であります。
これらの結果、当第1四半期累計期間における業績は、事業収益30,838千円、営業損失128,024千円、経常損失128,996千円、四半期純損失129,828千円となりました。
当第1四半期累計期間における報告セグメント別の実績は、以下のとおりです。
当セグメントは、治療用アプリ開発で構成されております。治療用アプリ開発では、不眠症治療用アプリの検証的試験を順調に進めております。また、アドバンス・ケア・プランニングを支援するアプリのPoC取得に向けた探索的試験を開始するとともに、乳がん患者向けの運動療法アプリ、慢性腎臓病患者向けの腎臓リハビリアプリそれぞれに関して臨床試験の準備を行っております。また複数の医療機関と共同研究を行い、次のパイプラインの獲得を目指しております。医療機器承認を取得し、販売段階にあるプロダクトはまだございません。
この結果、本報告セグメントの当第1四半期累計期間の事業収益はなく、セグメント損失は76,784千円となりました。
当セグメントは、汎用臨床試験システム及び機械学習自動分析システムの提供、並びにこれらシステムを活用したDTx開発の支援で構成されております。汎用臨床試験システムの提供に関しては、ブロックチェーン機能の実装など、まだ開発項目も多く、収益への貢献は限定的になっております。機械学習自動分析システムの提供に関しては、継続利用企業の増加によって収益が安定するとともに、関連する業務委託の追加によって契約金額が増加した案件もあり、収益が大きく向上しました。DTx開発の支援に関する活動は、前期からの継続利用に支えられ、収益は安定的に推移しております。
この結果、本報告セグメントの当第1四半期累計期間の事業収益は30,838千円、セグメント利益は13,979千円となりました。
(資産)
当第1四半期会計期間末における流動資産合計は、1,501,232千円となり、前事業年度末に比べ173,615千円減少いたしました。これは主に売掛金及び契約資産が8,170千円増加した一方、事業拡大により、現金及び預金が175,853千円、主に治験の前払分について治験が進捗したことで、前払費用が4,579千円それぞれ減少したことによるものであります。
当第1四半期会計期間末における固定資産合計は、7,139千円となり、前事業年度末に比べ7,136千円増加いたしました。これは主に投資その他の資産のその他が7,136千円増加したことによるものであります。
(負債)
当第1四半期会計期間末の流動負債合計は、59,659千円となり、前事業年度末に比べ36,649千円減少いたしました。これは主に前事業年度末と比べ、治験関係の請求減少等により、未払金が36,009千円減少し、また、契約負債(前事業年度末は前受収益)の収益化が進んだことにより、契約負債(前事業年度末は前受収益)が3,080千円それぞれ減少したことによるものであります。
当第1四半期会計期間末の固定負債合計は、890千円となり、前事業年度と変わりはありません。
(純資産)
当第1四半期会計期間末の純資産合計は1,447,822千円となり、前事業年度末に比べ129,828千円減少いたしました。これは、四半期純損失の計上に伴う利益剰余金の減少129,828千円によるものであります。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、株式の発行による収入1,500,000千円及び税引前当期純損失275,713千円により、前事業年度末に比べて1,260,509千円増加し、1,626,645千円となりました。
営業活動の結果支出した資金は235,088千円(前事業年度は88,988千円の支出)となりました。これは主に、資金の減少要因として、税引前当期純損失275,713千円(前事業年度は96,632千円)、前払費用の増加19,246千円(前事業年度は前払費用の増加3,856千円)があった一方で、資金の増加要因として未払金の増加67,707千円(前事業年度は未払金の減少額3,112千円)、助成金の受取60,542千円(前事業年度は77,443千円の受取)及び減損損失4,633千円(前事業年度は7,817千円)等があったことによるものであります。
当社は、治療用アプリの研究開発費の発生が先行するベンチャー企業であるため、税引前当期純損失から生じる営業キャッシュ・フローがマイナスとなる状況が継続しております。
投資活動の結果支出した資金は4,401千円(前事業年度は5,831千円の支出)となりました。これは資金の減少要因として、有形固定資産の取得による支出4,401千円(前事業年度は4,199千円の支出)によるものであります。
財務活動の結果増加した資金は1,500,000千円(前事業年度は実績なし)となりました。これは資金の増加要因として、株式の発行による収入1,500,000千円(前事業年度は実績なし)によるものであります。
当社は受注生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
当社は受注生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
第6期事業年度及び第7期第1四半期累計期間における販売実績は、次のとおりであります。
(注) 最近2事業年度及び第7期第1四半期累計期間の主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。その作成において、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を及ぼす見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において、過去の実績や判断時点で入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。なお、会計上の見積において、新型コロナウィルス感染症の感染拡大による影響が、当社の業績に与える影響は軽微であると判断し、見積りを行っております。
当社は、固定資産の減損について、事業用資産においては管理会計上の区分を基準に、本社等に関しては共用資産としてグルーピングし、減損の兆候の有無を判定しております。減損の兆候があった場合、将来キャッシュ・フローを見積り、減損の要否を判定しております。判定の結果、減損が必要と判断された資産については、帳簿価格を回収可能価格まで減損処理をしております。
第6期事業年度(自 2020年7月1日 至 2021年6月30日)
当事業年度の事業収益は、115,489千円(前事業年度34,888千円)となりました。前事業年度からの増加の主な要因は、機械学習自動分析システムにおいて、継続利用企業の増加に加え、使用事例の蓄積が新規取引先の獲得につながったことで、収益が大きく向上しました。また、DTx開発支援において、主に当事業年度内に顧客向けのシステムのセットアップが完了し収益が計上されたこと等によるものです。
当事業年度の事業原価については9,761千円(前事業年度1,550千円)となりました。前事業年度からの増加の主な要因は、事業収益の増加に伴い、機械学習自動分析システム及びDTx開発支援における事業原価が増加したこと等によるものです。当事業年度の研究開発費は249,137千円(前事業年度86,368千円)となりました。前事業年度から増加の主な要因は、主に治験費用の増加等によるものです。当事業年度の販売費および一般管理費は、190,012千円(前事業年度107,698千円)となりました。前事業年度からの増加の主な要因は、事業規模の拡大による人件費、採用教育費及び支払報酬料の増加等によるものです。その結果、営業損失は333,421千円(前事業年度160,728千円)となりました。
当事業年度の営業外収入は、62,351千円(前事業年度71,913千円)となりました。主な要因は、助成金による収入60,542千円等によるものです。また、当事業年度の営業外費用は10千円(前事業年度はなし)となりました。その結果、経常損失は271,080千円(前事業年度88,815千円)となりました。
当事業年度の特別利益はなく(前事業年度もなし)、特別損失は4,633千円(前事業年度は7,817千円)となりました。これは、固定資産の減損損失4,633千円によるものになります。当事業年度における法人税合計は1,840千円(前事業年度は290千円)となりました。これは法人税950千円及び法人税等調整額890千円によるものです。その結果、当期純損失は、277,554千円(前事業年度は96,922千円)となりました。
当第1四半期累計期間の事業収益は、機械学習自動分析システムの提供に関して、継続利用企業の増加によって収益が安定するとともに、関連する業務委託の追加によって契約金額が増加した案件もあり、30,838千円となりました。
(事業費用、営業損失)
当第1四半期累計期間の事業費用は、事業収益の発生に伴い事業原価が3,345千円計上され、主に治療用アプリの研究開発において臨床試験にかかる外部委託費の計上により、研究開発費が87,005千円計上されたこと等により、当第1四半期累計期間の営業損失は128,024千円となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常損失)
当第1四半期累計期間の営業外収益は、資産除去債務戻入益750千円の計上等により、1,038千円となりました。また営業外費用は、上場関連費用2,000千円の計上等により、2,010千円となりました。その結果、当第1四半期累計期間の経常損失は、128,996千円となりました。
(特別利益、特別損失、法人税等合計、当期純損失)
当第1四半期累計期間の特別利益はなく、特別損失は、固定資産減損損失等の計上により、594千円となりました。法人税合計は法人税の計上により、237千円となりました。その結果、四半期純損失は129,828千円となりました。
経営成績に重要な影響を与える要因に関しては、「2 事業等のリスク」をご参照ください。
当社の最重要課題は不眠症治療用アプリの販売を確実に実現させることです。また、新たなパイプラインとして「乳がん患者向け運動療法アプリ」「ACPアプリ」「慢性腎臓病患者向け運動療法アプリ」の開発に取り組むと同時に、汎用臨床試験システム、機械学習自動分析システムの開発も継続して行なっていきます。ベンチャー企業である当社は、不眠症治療用アプリの販売が開始されるまでは赤字が継続する見込みであるため、上記の治療用アプリや各種システムに関する研究開発資金については外部調達が不可欠であります。研究開発での必要資金に関しては、手許資金と株式上場によって調達を予定している資金によって確保する予定です。加えて将来的には不眠症治療用アプリの販売利益の再投資も行うことで、企業価値の最大化を目指してまいります。
経営者の問題意識と今後の方針に関しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
該当事項はありません。
当社は、治療用アプリ開発を行う研究開発型の企業として、経営資源を治療用アプリ及び医療業界向けのプラットフォームシステムの開発に集中しております。治療用アプリにおける開発のパイプラインについては「第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照ください。
当事業年度における研究開発費の総額は、
当第1四半期累計期間における研究開発費の総額は