第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

 当第3四半期累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、有価証券届出書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文章中の将来に関する事項は、当第3四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。また、当社は、前第3四半期累計期間については四半期財務諸表を作成していないため、前年同四半期累計期間との比較分析は行っておりません。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況

 当第3四半期累計期間のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン接種の進展や、緊急事態宣言の解除により経済活動に回復の動きが見られたものの、新たな変異株による感染拡大に加え、ウクライナ情勢の地政学リスクにより、依然として先行きが不透明な状況が継続しております。

 そのような状況の中、当社は、当第3四半期累計期間において不眠障害治療用アプリ(以下、「本アプリ」といいます。)の検証的試験を終了し、本臨床試験において主要評価項目を達成しました。本臨床試験は「不眠障害患者」を対象とした二重盲検比較試験*1であり、主要評価項目であるアテネ不眠尺度(不眠重症度の指標)の改善において、当社の治療用アプリ群ではシャム*2群との間に統計学的な有意差が認められました。本臨床試験の結果をもとに、当社は本アプリの薬事承認申請(製品名「SUSMED 不眠障害治療用アプリ Med CBT-i」)を行っております。

 また、本アプリについて、塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、以下「塩野義製薬」といいます。)との間で販売提携契約を締結いたしました。本契約に基づき、当社は本アプリの製造販売業者として、本アプリの開発、薬事承認取得及び保険償還に向けた準備を進め、塩野義製薬は、本アプリの日本における独占販売権を獲得します。当社は、塩野義製薬から契約締結に伴う一時金2億円を受領しており、その他、今後の開発進展などに応じたマイルストン収入として総額最大45億円を受領する予定です。また上記のマイルストン収入に加えて、製品上市後の販売額に応じたロイヤリティーを受領します。

 不眠障害治療用アプリ以外のパイプラインについては、アドバンス・ケア・プランニング*3を支援するアプリに関してはPoC*4取得に向けた探索的試験を行っております。また、乳がん患者向けの運動療法アプリに関しては検証的試験の準備を、慢性腎臓病患者向けの腎臓リハビリアプリに関しては、PoC取得に向けた探索的試験の準備をそれぞれ行っております。今後も長期的視点での収益の最大化のために財務指標に先行する開発パイプラインの件数や臨床試験の進捗を重要な経営指標と位置付け、事業運営を行ってまいります。

 また、治療用アプリの新たなシーズ探索のため国立大学法人浜松医科大学と、ブロックチェーン技術を実装した臨床試験システムの活用に関して国立大学法人東北大学とそれぞれ共同研究契約を締結したほか、「心房細動における経皮的カテーテル心筋焼灼術のエキスパート治療を提案する人工知能モデル開発」に関して、国立大学法人九州大学との共同研究を開始いたしました。本共同研究は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下、「AMED」といいます。)の2021年度メディカルアーツ研究事業との連携による「循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策実用化研究事業」に採択されております。

 さらに、当社と株式会社スズケン(本社:愛知県名古屋市、以下「スズケン」といいます。)は、スズケンが展開するRFIDとIoT技術を搭載した専用保管庫による医薬品のトレーサビリティシステム「キュービックス」のデータ利活用による新たな付加価値サービスの構築を共同で開始いたしました。今後もさらなるサービスの可能性を検討し、医薬品流通におけるトータル・トレーサビリティの強化やデータの利活用などを通じ、社会的コストの低減及び安心・安全な医薬品流通の実現に貢献してまいります。

 なお、現時点において、新型コロナウイルス感染症及びウクライナ情勢の地政学リスクによる当社業績への影響は軽微であります。

 これらの結果、当第3四半期累計期間における業績は、事業収益288,993千円営業損失141,945千円経常損失130,814千円四半期純損失146,193千円となりました。

 

*1 被験者、治験実施医師いずれもが割りつけられた治療内容を知らない形で進められる、最もバイアスの影響を受けにくい比較試験。

*2 本アプリから治療アルゴリズム等の治療の機能を除いたもの。

*3 「人生会議」の愛称で知られる、人生の最終段階における医療・ケアについて、本人が家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合う取り組みのこと。

*4 Proof of Concept。新しい技術や理論、原理、手法、アイディアなどに対して、実現可能か、目的の効果や効能が得られるかなどを確認するために実験的に行う検証工程のこと。

 報告セグメント別の実績は、以下のとおりです。

 

(DTxプロダクト事業)

当セグメントは、治療用アプリ開発で構成されております。治療用アプリ開発では、不眠障害治療用アプリの検証的試験を終了し、本臨床試験において主要評価項目を達成しました。現在は、本アプリの薬事承認申請を行っております。また、アドバンス・ケア・プランニングを支援するアプリのPoC取得に向けた探索的試験を開始し、乳がん患者向けの運動療法アプリ、慢性腎臓病患者向けの腎臓リハビリアプリそれぞれに関して臨床試験の準備を行っております。また複数の医療機関と共同研究を行い、次のパイプラインの獲得を目指しております。医療機器承認を取得し、販売段階にあるプロダクトはまだございませんが、上記の塩野義製薬との不眠障害治療用アプリに関する販売提携契約の締結によって、契約締結一時金200,000千円が事業収益として計上されました。

この結果、本報告セグメントの当第3四半期累計期間の事業収益は200,000千円セグメント利益は35,078千円となりました。


 (DTxプラットフォーム事業) 

当セグメントは、汎用臨床試験システム及び機械学習自動分析システムの提供、並びにこれらシステムを活用したDTx開発の支援で構成されております。汎用臨床試験システムの提供に関しては、AMEDのプロジェクトに採択された東京医科歯科大学における臨床試験で稼働が開始したほか、国立大学法人東北大学と共同研究契約を締結しましたが、収益への貢献はまだ限定的になっております。機械学習自動分析システムの提供に関しては、AMEDのプロジェクトに採択された、国立大学法人九州大学との共同研究を開始したほか、収益の計上については、継続利用企業の増加によって安定的に収益を計上しております。またDTx開発の支援に関する活動も、前期からの継続利用に支えられ、収益は安定的に推移しております。

この結果、本報告セグメントの当第3四半期累計期間の事業収益は88,993千円セグメント利益は42,951千円となりました。

 

②財政状態の状況

(資産)

当第3四半期会計期間末における流動資産合計は、5,009,731千円となり、前事業年度末に比べ3,334,883千円増加いたしました。これは主に上場に伴う増資及びストック・オプションの行使等により、現金及び預金が3,347,236千円増加したほか、売掛金及び契約資産が14,490千円増加した一方、前払費用が11,897千円減少したこと等によるものであります。

当第3四半期会計期間末における固定資産合計は、8,084千円となり、前事業年度末に比べ8,081千円増加いたしました。これは主に投資その他の資産のその他が8,081千円増加したことによるものであります。

 

(負債)

 当第3四半期会計期間末の流動負債合計は、88,004千円となり、前事業年度末に比べ8,305千円減少いたしました。これは主に未払法人税等が22,267千円増加した一方、治験関係の請求減少等により未払金が41,237千円減少したこと等によるものであります。

 当第3四半期会計期間末の固定負債合計は、5,650千円となり、前事業年度末に比べ4,759千円増加いたしました。これは、事務所移転に伴い資産除去債務が5,650千円増加した一方、繰延税金負債が890千円減少したことによるものであります。

 

 

(純資産)

 当第3四半期会計期間末の純資産合計は4,924,161千円となり、前事業年度末に比べ3,346,510千円増加いたしました。これは、上場に伴う増資及びストック・オプションの行使により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ1,746,352千円増加した一方、四半期純損失の計上に伴い利益剰余金が146,193千円減少したことによるものであります。

 

(2) 経営方針・経営戦略等

   当第3四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期累計期間において発生した当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

 当第3四半期累計期間における当社の研究開発費の総額は、195,805千円であります。なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。