第3 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、本四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)連結経営成績に関する定性的情報

当社グループの当第3四半期連結累計期間における経営成績は、売上収益は90,643千米ドル(13,558百万円)と前年同期に比べ29,082千米ドル(4,350百万円、47.2%)の増収となりました。営業利益は7,294千米ドル(1,091百万円)と前年同期比と比べ158千米ドル(24百万円、2.2%)の増益、親会社の所有者に帰属する四半期利益は4,481千米ドル(670百万円)と前年同期と比べ409千米ドル(61百万円、8.4%)の減益となりました。四半期包括利益については、税引後その他の四半期包括利益で4,473千米ドル(669百万円)の損失を計上したものの、225千米ドル(34百万円)の利益となりました。

 

当第3四半期連結累計期間における報告セグメントごとの業績は、以下のとおりです。

 

(マネジメントサービス事業)

マネジメントサービス事業は当社グループの中核事業であり、アジアを中心とする世界17拠点にて、2023年9月30日現在で約400名のプロフェッショナルがクライアント企業に各種経営支援等を提供しております。

 

マネジメントサービス事業では「YCP Solidiance」「YCP Auctus」の2ブランドのもと、M&Aや企業変革の実現に向けた現場常駐型 (PMO型) の経営支援サービスを国内外で展開しております。

当事業においては、主要な地域の中で、更なる円安の影響を受けた日本地域で売上収益が760千米ドル(114百万円、5.4%)の減収、第2四半期に引き続き業務効率化のための組織再編を実施した東南アジア地域で1,203千米ドル(180百万円、14.9%)の減収、不動産市場の低迷に起因する景気減速の影響を受けたグレーターチャイナ地域で1,151千米ドル(172百万円、23.5%)の減収となったものの、2022年12月にAuctus Advisors Private Limited(以下、「オークタス」といいます。)を連結子会社化したインド地域では8,405千米ドル(1,257百万円、2085.6%)と大幅な増収になりました。その結果、当第3四半期連結累計期間のセグメント売上収益は33,295千米ドル(4,980百万円、前年同期は29,174千米ドル(4,364百万円))(セグメント間収益含む)で増収、セグメント利益は6,329千米ドル(947百万円、前年同期は6,720千米ドル(1,005百万円))で減益になりました。

 

マネジメントサービス事業における、当第3四半期連結累計期間及び前年同期の地域別売上収益の内訳は以下のとおりです。

 

(地域別売上収益の内訳)

当第3四半期連結累計期間
(2023
年1月1日~2023年9月30日)

前第3四半期連結累計期間
(2022
年1月1日~2022年9月30日)

千米ドル

百万円

千米ドル

百万円

日本

13,338

1,995

14,098

2,109

東南アジア

6,880

1,029

8,083

1,209

グレーターチャイナ

3,744

560

4,895

732

インド

8,808

1,318

403

60

中東

-

-

1,009

151

欧州

979

146

631

94

北米

661

99

1,681

251

グループ間取引消去

2,080

311

2,707

405

合計

32,330

4,836

28,093

4,202

 

 

(参考:現地通貨の売上推移)

当第3四半期連結累計期間
(2023
年1月1日~2023年9月30日)

前第3四半期連結累計期間
(2022
年1月1日~2022年9月30日)

日本(百万円)

1,939

1,916

グレーターチャイナ(千人民元)

32,336

23,194

インド(千インドルピー)

726,171

31,225

(注)その他の地域については、原則として米ドルで計上しているか、少額のため割愛しております。

 

 

(ソリューション事業)

ソリューション事業は、マネジメントサービス事業を通じて集積した知見やネットワークを活用し、既存のマネジメントサービスと比較して特定の領域に特化した専門的なサービスを提供しております。現在はデジタルトランスフォーメーション(DX)、インタラクティブソリューション、サステナビリティソリューション、サプライチェーンソリューションの4領域でサービスを展開しておりますが、このうちサプライチェーンソリューションを除く3領域は、現状、マネジメントサービスと密接に連携して事業を立ち上げているため、マネジメントサービス事業の業績に含めて報告しております。

 

サプライチェーンソリューション領域では、2023年8月にインドなど世界7拠点でサプライチェーン構築や調達・購買に関するコンサルティングサービスを提供しているConsus Global Pvt. Ltd. 及びSB Invest Pte. Ltd.の完全子会社化を実施したため、新たなセグメントとして報告を開始しております。

当第3四半期連結累計期間のセグメント売上収益は961千米ドル(144百万円)となった一方で、完全子会社化に伴う組織再編等によりセグメント損失は153千米ドル(23百万円)となりました。

 

 

(プリンシパル投資事業)

プリンシパル投資事業は、マネジメントサービス事業を通じて培った経営人材のプラットフォームを活用し、中小/新興企業に対して当社グループ自らの資金を投下する他、ゼロから事業立ち上げを伴うインキュベーションにも積極的に取り組んでおります。これまでの投資活動の結果、現在では、パーソナルケア領域及びペットケア領域を重点領域と定め長期的な投資を継続しております。また、将来の重点領域となるべきビジネスシーズに対する投資も、戦略投資領域として積極的に投資を行っております。

 

パーソナルケア領域は、主要な連結子会社である株式会社SOLIAを通じて、「ALOBABY(アロベビー)」、「HALENA(ハレナ)」、「AMBiQUE(アンビーク)」及び「MELCE(メルス)」などのパーソナルケア商材をアジア全域に展開しております。当領域においては、特に「ALOBABY(アロベビー)」及び「AMBiQUE(アンビーク)」の新規顧客増加や既存顧客のリピート率向上により、円建て決算ベースの売上収益は前年同期比で1,557百万円の増収となりました。一方で、更なる円安の影響もあり、米ドル建て決算ベースの売上収益は前年同期比で10,000千米ドル(1,496百万円)の増収にとどまっております。その結果、当第3四半期連結累計期間のセグメント売上収益は27,595千米ドル(4,128百万円、前年同期は17,595千米ドル(2,632百万円))、セグメント利益は2,639千米ドル(395百万円、前年同期は1,566千米ドル(234百万円))で増益となりました。

 

ペットケア領域は、主要な連結子会社である株式会社ライフメイト動物病院グループ及び株式会社ライフメイト動物救急センターを通じて、動物病院運営を中心に事業を展開しています。

当領域においては、2022年7月に動物向けの高度医療を担う二次診療及び夜間救急診療を実施する株式会社アニマルメディカの動物病院事業を承継したほか、2023年1月に北海道江別市で、2023年4月に茨城県つくば市でそれぞれ新たに動物病院事業を運営する会社を取得したことにより、円建て決算ベースの売上収益は前年同期比で1,173百万円の増収となりました。一方で、更なる円安の影響により、米ドル建て決算ベースの売上収益は前年同期比で7,650千米ドル(1,144百万円)の増収にとどまっております。その結果、当第3四半期連結累計期間のセグメント売上収益は14,608千米ドル(2,185百万円、前年同期は6,958千米ドル(1,041百万円))、セグメント利益は1,157千米ドル(173百万円、前年同期は210千米ドル(31百万円))で増益となりました。

 

戦略投資領域は、将来の重点領域となるべきビジネスシーズに対する投資として、主にアジア各国における飲食事業やシニア向けサービスといった事業に投資を行っております。

当領域においては、新型コロナウイルス感染症の影響が軽減した飲食事業の業績が大きく改善したことに加え、2022年9月に北海道内で飲食事業を展開する株式会社ARUKIを完全子会社化したことで、売上収益は前年同期比で6,281千米ドル(940百万円)の増収となりました。その結果、当第3四半期連結累計期間のセグメント売上収益は15,535千米ドル(2,324百万円、前年同期は9,254千米ドル(1,384百万円))、セグメント利益は1,016千米ドル(152 百万円、前年同期は1,078千米ドル(161百万円)の利益)となりました。以上の当社グループの売上収益をまとめると以下の通りです。

 

以上の当社グループの売上収益をまとめると以下のとおりです。

 

(グループの売上収益の内訳)

当第3四半期連結累計期間
(2023
年1月1日~2023年9月30日)

前第3四半期連結累計期間
(202
2年1月1日~2022年9月30日)

千米ドル

百万円

千米ドル

百万円

マネジメントサービス事業

33,295

4,980

29,174

4,364

ソリューション事業
サプライチェーンソリューション領域

961

144

-

-

プリンシパル投資事業

57,738

8,636

33,807

5,057

(内訳)

パーソナルケア領域

27,595

4,128

17,595

2,632

ペットケア領域

14,608

2,185

6,958

1,041

戦略投資領域

15,535

2,324

9,254

1,384

グループ間取引消去

1,351

202

1,420

212

合計

90,643

13,558

61,561

9,208

 

 

(2)連結財政状態に関する定性的情報

(資産)

当第3四半期連結会計期間末の資産合計は124,024千米ドル(18,552百万円、前連結会計年度末は117,465千米ドル(17,570百万円))となり、前連結会計年度比6,559千米ドル(981百万円)増加となりました。これは主に、のれんが13,073千米ドル(1,955百万円)増加したことによるものであります。

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末の負債合計は54,514千米ドル(8,154百万円、前連結会計年度末は53,548千米ドル(8,010百万円))となり、前連結会計年度比966千米ドル(144百万円)増加となりました。これは主に、有利子負債(非流動)が2,299千米ドル(344百万円)増加したことによるものであります。

 

(資本)

当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は69,510千米ドル(10,397百万円、前連結会計年度末は63,917千米ドル(9,561百万円))となり、前連結会計年度末比5,593千米ドル(837百万円)増加となりました。これは主に、親会社の所有者に帰属する四半期利益4,481千米ドル(670百万円)を計上したほか、子会社の取得に伴う新株の発行3,745千米ドル(560百万円)を実施したことによるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の四半期末残高は、前連結会計年度末より1,272千米ドル(190百万円)減少し、22,201千米ドル(3,321百万円)となりました。

当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況と要因は以下の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における営業活動による資金の増加は、2,575千米ドル(385百万円、前第3四半期連結累計期間は6,589千米ドル(986百万円)の増加)となりました。これは主に、プリンシパル投資事業の業績が堅調に推移したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における投資活動による資金の減少は、5,803千米ドル(868百万円、前第3四半期連結累計期間は10,089千米ドル(1,509百万円)の減少)となりました。これは主に、子会社の取得による支出14,805千米ドル(2,215百万円)によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における財務活動による資金の増加は、4,150千米ドル(621百万円、前第3四半期連結累計期間は1,414千米ドル(212百万円)の増加)となりました。これは主に、借入による収入8,825千米ドル(1,320百万円)によるものであります。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

特記すべき事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当社は、2023年4月21日開催の取締役会決議に基づき、コンサスグループの発行する全ての株式を取得し、完全子会社化する契約を同日付で締結し、2023年8月14日に現金及び当社普通株式を対価としてコンサスグループの株式取得を完了しました。詳細は「第5 経理の状況 1 四半期財務書類 要約四半期連結財務諸表注記」の「11.企業結合」をご参照ください。