YCP Holdings (Global) Limited
独立監査人の監査報告書
2023年12月31日に終了する連結会計年度
財務諸表監査報告書
監査意見
当監査法人は、YCPホールディングス(グローバル)リミテッド(以下「当社」といいます。)及びその子会社(以下、総称して「当社グループ」といいます。)の財務諸表、すなわち、2023年12月31日現在における当社グループ及び当社の財政状態計算書、同日をもって終了する当社グループ及び当社の持分変動計算書、当社グループの連結損益及び包括利益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、並びに重要な会計方針の要約を含む財務諸表に関する注記について監査を行った。
当監査法人は、添付の当社グループの連結財務諸表、当社の財政状態計算書及び持分変動計算書は1967年シンガポール会社法の規定(以下「会社法」)、国際財務報告基準(以下「IFRS」)及びシンガポール財務報告基準(国際版)(以下「SFRS(I)」)に準拠して適切に作成されており、2023年12月31日現在の当社グループの連結財政状態及び当社の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の当社グループの連結経営成績、連結持分の変動及び連結キャッシュ・フロー並びに当社の持分の変動について真実かつ公正な状況を示すものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、シンガポールにおける監査基準(以下「SSAs」)に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、当監査法人の報告書の「財務諸表監査における監査人の責任」の項に記載されている。当監査法人は、会計企業規制庁(ACRA)による公認会計士及び会計機関のための職業上の行動及び倫理規範 (ACRA規範)及びシンガポールにおける財務諸表の監査に関する倫理的要求事項に従って、当社グループから独立しており、また、これらの要求事項及びACRA規範に従い、その他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。以下の各検討事項について、監査上の対応の概要を説明している。
当監査法人は、これらの関連する事項を含めて、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている責任を果たしている。したがって、監査には、財務諸表の重要な虚偽表示のリスクの評価に対応するために実施した手続を含んでいる。以下の検討事項について実施した手続を含む監査手続の結果、添付の財務諸表に対する意見表明の基礎を入手した。
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2023年12月31日に終了する連結会計年度
監査上の主要な検討事項(続き)
収益認識–ビジネス及びマネジメントコンサルティングの収益源関連
当社グループは、マネジメントサービスに関する契約から得られる収益を、各契約の進捗状況に応じて認識している。その進捗度は、各報告期間の末日における各プロジェクトの契約活動(すなわち、履行義務)の完了段階を参照して評価される。完了段階は、履行義務を充足するための見積総費用に対する、当期までの累積費用の割合で測定される。これらの評価において、経営者は重要な判断を下し、各履行義務に対して発生した費用及び予算上の合計契約費用を測定するために、仮定や見積もりを行う必要がある。これらの評価には恣意性と複雑さが伴うため、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性がある。したがって、当監査法人はこれを監査上の主要な検討事項と判断している。
当監査法人が実施した手続は以下の通り。
-顧客との契約から収益を認識するための当社グループの手続及びプロセスについて理解した。
-顧客との契約から収益を認識するための当社グループの手続及びプロセスについて理解した。
-履行義務を識別するための根拠を評価し、顧客との契約からの収益が時間の経過とともに認識されると評価した。当監査法人の評価には、プロジェクト文書の調査、契約条件のサンプルベースでのレビュー、識別された履行義務に関する経営者との協議が含まれる。
-サンプルを抽出して、認識された契約収益及び発生したプロジェクト費用を、発生した人件費の根拠書類を含む関連する契約書や裏付け書類と突合し、評価した。
-個々の契約について、完了までの総費用を決定するために使用された経営者の見積りの合理性を評価した。
-個々の重要なプロジェクトについて行われた完了段階の計算に基づいて認識された収益の計算上の正確性を評価した。
-顧客との契約から生じる収益に関する重要な会計方針、収益、契約資産及び契約負債の見積りに用いられた判断及び方法の開示の適切性を評価した。
のれんの減損評価
2023年12月31日現在、当社グループののれんの正味帳簿価額は53.1百万米ドルとなっている。のれんは、それぞれの資金生成単位(以下、「CGU」といいます。)に配分されている。のれんは、使用価値モデルを用いてCGUの回収可能価額を見積もることにより、毎年減損テストを実施している。経営者は使用価値(割引キャッシュ・フロー法)を適用して、それぞれのCGUの回収可能価額を決定している。
評価プロセスには、経営者による重要な判断と将来の市場及び経済状況の仮定が含まれるため、当監査法人は、経営者による減損評価を監査上の主要な検討事項とした。
当監査法人は、のれんの原因となった事業取得に関する知識及び当社グループの現在の事業に関する理解に基づき、経営者が識別したCGUの妥当性を評価した。
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2023年12月31日に終了する連結会計年度
監査上の主要な検討事項(続き)
のれんの減損評価(続き)
当監査法人が実施した手続は以下の通り。
- キャッシュ・フロー予測の基礎となる経営者の予算策定プロセスのウォークスルーを実施した。
- 実際の経営成績を過去の予測結果と比較することにより、経営者の予算策定プロセスの妥当性を検証した。
- 将来の事業計画と比較し、キャッシュ・フロー予測に使用されている主要な仮定の合理性を評価した。
- 割引率及び最終成長率の検討には、社内の専門家を関与させた。
- 主要な仮定や割引率に合理的に起こりうる変化に焦点を当て、感応度分析を実施し、回収可能価額への影響を分析した。
- 財務諸表の注記14で記載されているのれんに関する開示の適切性を検討した。
企業結合に関する会計処理
当連結会計年度において、当社グループは以下の買収を実施した。
(a) Consus Global Pvt. Ltd.及びSB Invest Pte. Ltd.(以下、総称して「コンサスグループ」といいます。)の持分の100%について、現金対価11.2百万米ドル、株式による対価3.7百万米ドル、 及び2段階に分けて支払われるアーンアウト対価によって取得した。コンサスグループの取得に関する取得原価の配分(以下、「PPA」といいます。)は暫定的なものである。
(b) 合同会社E-Vets(以下「江別」といいます。)の持分の100%を321.1百万円(約2.4百万米ドル)で取得した。江別のPPAは確定されたものである。
(c) 有限会社アレフ動物病院(以下「アレフ」といいます。)の持分の100%を330百万円((約2.5百万米ドル) で取得した。アレフのPPAは確定されたものである。
上記の買収は取得法を用いて会計処理され、当社グループは、財務諸表の注記33に記載されている通り、当連結会計年度中に新規取得した案件ごとにPPAを実施した。
PPAの実施において、無形資産の識別、取得した資産及び負債の評価、並びに発行した新株の公正価値の測定について、重要な判断及び見積りを行った。これらの買収の量的な重要性、及びPPAの実施において必要となった経営上の重要な判断を鑑みて、当監査法人は、上記買収の会計処理を監査上の主要な検討事項とした。
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監査上の主要な検討事項(続き)
企業結合に関する会計処理(続き)
当監査法人が実施した手続は以下の通り。
- 関連する契約書を閲覧し、取引及び主要な条件について理解した。
- 経営者との協議及び対象会社に関する理解に基づき、取得した資産の識別を検証した。
- 外部評価報告書の内容及び根拠、並びに取得対価及び取得資産に対する調整の検討には、当監査法人内の企業価値算定の専門家を関与させた。
- 外部評価者の専門的経歴、評判及び類似業界における経験を考慮し、その能力、能力及び客観性を評価した
- 取得した無形資産の評価において使用された仮定が市場参加者の使用する仮定と整合しているかどうかの判断をはじめ、取得した資産及び負債の公正な評価において、経営者が使用した評価方法の妥当性を検討した。
- 財務諸表の注記33に記載されているのれんに関する開示の適切性を検討した。
その他の記載内容
経営者はその他の記載内容について責任を負っている。その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。
財務諸表に対する当監査法人の意見は、その他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対し、保証的な結論をどのような形式においても表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、その他の記載内容が財務諸表又は当監査法人が監査手続を通じて入手した知識と重要な相違が生じていないか、又は重要な虚偽の表示と思われる項目がないかについて検討することにある。手続を実施した結果、その他の記載内容に関する重要な虚偽の表示が認められた場合には、当監査法人は当該事項に関して報告が求められている。この点に関して当監査法人から報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者及び取締役の責任
経営者の責任は、法の規定、IFRS及び SFRS(I)に準拠して真実かつ公正に表示された財務諸表を作成することにある。これには、取引が適切に承認され、資産が不正な利用又は処分による喪失から保全されること、及び真実かつ公正な財務諸表の作成及び資産に対する説明責任を維持するために必要に応じて記録されていることを合理的に保証するために十分な内部統制を整備及び運用することが含まれる。
財務諸表を作成するに当たり、経営者がグループを清算又は営業停止を意図している場合、又はその他の現実的な代替案がない場合を除き、経営者は、継続企業として存続する当社グループの 能力を評価し、必要がある場合には継続企業の前提に関する事項を開示し、継続企業を前提として財務諸表を作成する責任がある。
取締役の責任には、当社グループの財務報告プロセスの監視も含まれる。
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財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査人の意見を含めた監査報告書を発行することにある。合理的な保証とは、相当に高い程度の心証ではあるものの、SSAsに基づく監査手続の結果として、重要な虚偽表示が存在する場合に常に重要な虚偽表示を発見できることを保証するものではない。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、これらの財務諸表の利用者の経済的意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、SSAs に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による財務諸表の重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施し、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。不正による重要な虚偽表示を発見できないリスクは、共謀、偽造、意図的な除外、虚偽の記載又は内部統制の無効化を伴うことが多く、誤謬による重要な虚偽表示を発見できないリスクよりも高くなる。
・ グループの内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 関連する開示を含めた財務諸表全体の表示、構成及び内容を評価し、財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、当社グループ内の企業又は事業活動に関する財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。
当監査法人は、取締役に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
また、独立性に関する倫理的要求事項を遵守している旨の報告書を取締役へ提出し、また監査人の独立性に関わると合理的に考えられるすべての関係及びその他の事項、並びにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。
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独立監査人の監査報告書
2023年12月31日に終了する連結会計年度
財務諸表監査における監査人の責任(続き)
取締役と協議した事項のうち、当連結会計年度の財務諸表監査において特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令又は規制により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告するべきでないと判断した場合は、当該事項は記載しない。
その他の法的要件の報告書
当監査法人は、当監査法人が監査人である、シンガポールに設立された当社及びその子会社が、会社法の規定によって保管することが義務づけられている会計及びその他の記録は、会社法の規定に従って適切に保管されていると認める。
本独立監査報告書の作成に係る監査のエンゲージメント・パートナーは、タン・ブンリョンである。
アーンスト・アンド・ヤング・エルエルピー
公認会計士
勅許会計士
シンガポール
2024年4月25日